(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、
図1を参照して、本発明の一実施形態に係るボイラシステム1について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るボイラシステム1の概略を示す図である。
【0015】
図1に示すように、本実施形態のボイラシステム1は、複数のボイラ20から構成されるボイラ群2と、複数のボイラ20それぞれの燃焼量を制御するボイラ制御部4と、複数のボイラ20それぞれに設けられた給水温度測定部50と、スチームヘッダ6と、スチームヘッダ6に設けられた圧力測定部7と、を備える。
【0016】
本実施形態のボイラシステム1は、ボイラ群2で発生させた蒸気を、蒸気使用設備18に供給可能とされている。
ボイラシステム1において、要求される負荷は、蒸気使用設備18で消費される蒸気の量である。ボイラシステム1は、制御対象であるスチームヘッダ6内の蒸気の圧力Pを圧力測定部7により測定し、測定された圧力及び給水温度測定部50により測定された給水温度T(詳細は後述)等に基づいて、ボイラ制御部4により、燃焼させるボイラ20の台数、ボイラ20の燃焼量などを制御するようになっている。
【0017】
ボイラ群2は、例えば、5台のボイラ20から構成されている。本実施形態においては、ボイラ20は、段階値制御ボイラ又は比例制御ボイラに機能を設定可能なボイラから構成されている。
【0018】
段階値制御ボイラとは、燃焼を選択的にON/OFFしたり、炎の大きさを調整等することにより燃焼量を制御して、選択された燃焼位置に応じて燃焼量を段階的に増減可能なボイラである。段階値制御ボイラは、比例制御ボイラに対して設備構造面及びコスト面で十分に優位性が確保可能とされ、燃焼位置が少段階のボイラをいう。
【0019】
比例制御ボイラとは、燃焼能力(最大燃焼状態における燃焼量)に対して0%(燃焼がない状態)から100%(最大燃焼量)の範囲で燃焼量が連続的に制御可能とされているボイラである。比例制御ボイラは、例えば、比例制御バルブの開度(燃焼比)を制御することにより、燃焼量を調整するようになっている。本実施形態においては、燃焼量は、比例制御ボイラの燃焼能力と比例制御バルブの開度(燃焼比)との積により求められる。
【0020】
つまり、段階値制御ボイラ又は比例制御ボイラに機能を設定可能なボイラは、燃焼量が連続的に制御可能なボイラであると共に、選択された燃焼位置に応じて燃焼量を段階的に増減可能なボイラから構成されている。
以下、ボイラ20について、機能が段階値制御ボイラに設定されている場合を「段階値制御ボイラ」ともいい、機能が比例制御ボイラに設定されている場合を「比例制御ボイラ」ともいう。
【0021】
段階値制御ボイラにおいて各燃焼位置における燃焼量は、制御対象とされるスチームヘッダ6における蒸気圧力(制御対象)の圧力差に対応する量の蒸気を発生するように、設定されている。
段階値制御ボイラとしての5台のボイラ20は、それぞれ、各燃焼位置における燃焼量及び燃焼能力(高燃焼状態における燃焼量)が等しく設定されている。
【0022】
段階値制御ボイラは、
1)燃焼停止状態(第1燃焼位置:0%)
2)低燃焼状態L(第2燃焼位置:20%)
3)中燃焼状態M(第3燃焼位置:45%)
4)高燃焼状態H(第4燃焼位置:100%)
の4段階の燃焼状態(燃焼位置、負荷率)に制御可能とされる、いわゆる4位置制御とされている。
なお、N位置制御とは、段階値制御ボイラの燃焼量を、燃焼停止状態を含めてN位置に段階的に制御可能なことを表している。
【0023】
比例制御ボイラにおいて燃焼量を連続的に制御するとは、燃焼量が無断階で制御される場合の他、制御部における演算や信号がデジタル方式とされて段階的に取り扱われる場合であっても、例えば、バルブ等の制御機構による制御量が、燃焼用空気や燃料ガス等のバラツキに起因する燃焼量の変動に比べて小さい数値(例えば、1%以下)とされ、事実上連続的に制御されるものを含むものとする。
【0024】
ボイラ制御部4は、圧力測定部7により測定されたスチームヘッダ6内の圧力P、給水温度測定部50により測定される給水温度T等に基づいて、複数のボイラ20それぞれの燃焼量を制御する。
【0025】
ボイラ制御部4は、入力部4Aと、演算部4Bと、データベース4Dと、出力部4Eとを備えている。ボイラ制御部4は、入力部4Aから入力される要求負荷などに基づいて、演算部4Bにおいてボイラ群2の必要燃焼量GN及び必要燃焼量GNに対応する各ボイラの燃焼状態を算出し、出力部4Eから各ボイラに制御信号を出力して、ボイラ20の燃焼を制御するようになっている。
【0026】
ボイラ制御部4は、ボイラ20の機能を段階値制御ボイラ又は比例制御ボイラに設定する(詳細は後述)。ボイラ20の機能が段階値制御ボイラである場合には、ボイラ制御部4は、燃焼位置を選択することにより燃焼量を制御する。一方、ボイラ20の機能が比例制御ボイラである場合には、ボイラ制御部4は、比例制御バルブの開度を選択することにより燃焼量を制御する。
【0027】
入力部4Aは、信号線13により圧力測定部7と接続されており、信号線13を介して圧力測定部7により測定されたスチームヘッダ6内の圧力Pの信号(圧力信号)が入力されるようになっている。
また、入力部4Aは、信号線14により各ボイラ20と接続されており、信号線14を介して、例えば、各ボイラ20の燃焼状態(燃焼量)、燃焼しているボイラ20の台数、各ボイラ20の機能(段階値制御ボイラ又は比例制御ボイラ)、給水温度測定部50により測定された給水温度Tなどの情報が入力されるようになっている。
【0028】
演算部4Bは、図示しない記憶媒体(例えば、ROM(リードオンリーメモリ))に格納された制御プログラムを読み込み、この制御プログラムを実行して、圧力測定部7からの圧力信号に基づいてスチームヘッダ6内の蒸気の圧力Pを算出するとともに、圧力Pとデータベース4Dとを対応させて、圧力Pを設定圧力PTの許容範囲(圧力の上限及び下限の設定値)内とするための必要燃焼量GNを取得するようになっている。
【0029】
また、演算部4Bは、燃焼量台数制御手段としての燃焼量台数制御部41と、負荷率算出手段としての負荷率算出部42と、ボイラ機能設定手段としてのボイラ機能設定部43と、を備える。
【0030】
燃焼量台数制御部41は、例えば、前述の必要燃焼量GN、給水温度測定部50により測定される給水温度T等に基づいて、複数のボイラ20の燃焼量及び燃焼させる台数を制御する。
【0031】
負荷率算出部42は、入力部4Aを介して入力される各ボイラ20の燃焼状態(燃焼量)、燃焼しているボイラ20の台数などに基づいて、ボイラシステム1の合計負荷率Rを算出する。「合計負荷率」とは、ボイラシステム1のうち燃焼しているボイラ20の燃焼量を、ボイラシステム1全体の燃焼能力で除した値である。
【0032】
ボイラ機能設定部43は、負荷率算出部42により算出される合計負荷率Rに基づいて、ボイラ20の機能を段階値制御ボイラ又は比例制御ボイラに設定する。
ボイラ機能設定部43においては、合計負荷率Rに係る閾値として、40〜60%の負荷率閾値Q1が設定されている。負荷率閾値Q1は、例えば45%である。
【0033】
負荷率算出部42により算出される合計負荷率Rが負荷率閾値Q1以下の場合には、ボイラ機能設定部43は、ボイラ20の機能を段階値制御ボイラに設定する。これと共に、燃焼量台数制御部41は、ボイラ20の燃焼量を段階的に増加させ且つ段階値制御ボイラの燃焼させる台数を増加させるように、ボイラ20を制御する。
また、負荷率算出部42により算出される合計負荷率Rが負荷率閾値Q1を超える場合には、ボイラ機能設定部43は、ボイラ20の機能を比例制御ボイラに設定する。これと共に、燃焼量台数制御部41は、比例制御ボイラの燃焼させる台数を最大とし且つ連続的にボイラ20の燃焼量を増加させるように、複数のボイラ20を制御する。
【0034】
燃焼量台数制御部41は、設定された燃焼量で燃焼させるボイラ20を1台ずつ増加させるように、複数のボイラ20それぞれの燃焼量を制御する。
例えば、ボイラ20の燃焼状態が低燃焼状態L(第2燃焼位置:20%)に設定された場合、ボイラ制御部4は、まず、1台のボイラ20を低燃焼状態L(第2燃焼位置:20%)で燃焼させる。1台のボイラ20の燃焼では、ボイラシステム1が生成すべき蒸気量(必要蒸気量)が不足する場合には、2台目のボイラ20を低燃焼状態L(第2燃焼位置:20%)で燃焼させる。必要蒸気量が得られるまで、低燃焼状態L(第2燃焼位置:20%)で燃焼させるボイラ20を増加させる。全てのボイラ20を低燃焼状態L(第2燃焼位置:20%)で燃焼させても必要蒸気量が得られない場合には、1台のボイラ20の燃焼状態を中燃焼状態M(第3燃焼位置:45%)に設定する。以後、必要蒸気量が得られるまで、中燃焼状態M(第3燃焼位置:45%)で燃焼させるボイラ20を増加させる。
【0035】
最初からボイラ20の燃焼状態が中燃焼状態M(第3燃焼位置:45%)に設定された場合にも、前述の制御と同様に制御される。
なお、ボイラ20を1度に複数台増加させてもよい。
【0036】
データベース4Dには、圧力測定部7により測定されたスチームヘッダ6内の圧力Pを設定圧力(目標圧力)PTの許容範囲内に調整するために必要なボイラ群2の必要燃焼量GNが格納されている。
【0037】
出力部4Eは、各ボイラ20と信号線16により接続されている。出力部4Eは、演算部4Bで演算された燃焼制御信号を各ボイラ20に出力するようになっている。燃焼制御信号は、燃焼しているボイラの台数、ボイラの燃焼状態(燃焼量)、ボイラ20の機能(段階値制御ボイラ又は比例制御ボイラ)などにより構成されている。
【0038】
スチームヘッダ6の上流側は、蒸気管11を介してボイラ群2(各ボイラ20)に接続されている。スチームヘッダ6の下流側は、蒸気管12を介して蒸気使用設備18に接続されている。スチームヘッダ6は、ボイラ群2で発生させた蒸気を集合させることにより各ボイラ20の相互の圧力差及び圧力変動を調整し、圧力が調整された蒸気を蒸気使用設備18に供給するようになっている。
蒸気使用設備18は、スチームヘッダ6からの蒸気によって運転される設備である。
【0039】
図1に示すように、ボイラ20は、燃焼が行われるボイラ本体21と、給水温度測定手段としての給水温度測定部50と、を備える。給水温度測定部50は、ボイラ本体21に供給される給水の温度である給水温度Tを測定する。
【0040】
ボイラ制御部4の機能のうち、給水温度測定部50により測定される給水温度Tに基づく複数のボイラ20の燃焼量の制御に係る機能について、説明する。
ボイラ制御部4は、給水温度測定部50により測定される給水温度Tに基づいて複数のボイラ20それぞれの燃焼量を制御する。ボイラ制御部4においては、給水温度Tに係る閾値として、給水温度閾値Q2が設定されている。
【0041】
負荷率算出部42により算出される合計負荷率Rが負荷率閾値Q1以下の場合において、給水温度測定部50により測定される給水温度Tが所定の給水温度閾値Q2以下のときには、燃焼量台数制御部41は、ボイラ20の燃焼量を最大の燃焼量の10〜30%に設定する。本実施形態において最大の燃焼量の10〜30%に該当するのは、低燃焼状態L(第2燃焼位置:20%)である。そこで、本実施形態においては、ボイラ20の燃焼状態を、低燃焼状態L(第2燃焼位置:20%)に設定する。
【0042】
また、給水温度測定部50により測定される給水温度Tが給水温度閾値Q2を超える場合には、燃焼量台数制御部41は、ボイラ20の燃焼量を最大の燃焼量の30%超60%以下に設定する。本実施形態において最大の燃焼量の30%超60%以下に該当するのは、中燃焼状態M(第3燃焼位置:45%)である。そこで、本実施形態においては、ボイラ20の燃焼状態を、中燃焼状態M(第3燃焼位置:45%)に設定する。
【0043】
給水温度閾値Q2は、例えば、40〜50℃の範囲で適宜(例えば、45℃)設定することができる。45℃は、本実施形態における燃焼ガスの露点近傍の温度である。
【0044】
次に、実施形態に係るボイラシステム1における合計負荷率Rとボイラ効率との関係について説明する。
図2は、本発明の実施形態に係るボイラシステム1における合計負荷率とボイラ効率との関係を示すグラフである。
図2において、実線は、ボイラ20の機能を段階値制御ボイラに固定した場合における合計負荷率とボイラ効率との関係を示す線である。破線は、ボイラ20の機能を比例制御ボイラに固定した場合における合計負荷率とボイラ効率との関係を示す線である。
【0045】
図2に示されているように、合計負荷率Rが45%に対して低いときには、ボイラ20の機能を段階値制御ボイラに固定した場合の方が、ボイラ20の機能を比例制御ボイラに固定した場合よりもボイラ効率に優れている。一方、合計負荷率Rが45%に対して高いときには、ボイラ20の機能を比例制御ボイラに固定した場合の方が、ボイラ20の機能を段階値制御ボイラに固定した場合よりもボイラ効率に優れている。
このような傾向から、本実施形態においては、負荷率閾値Q1を45%に設定している。
【0046】
次に、本実施形態のボイラシステム1において、合計負荷率R及び給水温度Tに基づくボイラ20の燃焼量の制御について、
図3を参照しながら説明する。
図3は、実施形態に係るボイラシステム1の動作を示すフローチャートである。
【0047】
図5に示すように、ステップST1において、負荷率算出部42は、ボイラシステム1の合計負荷率Rを算出する。
【0048】
ステップST2において、ボイラ機能設定部43は、負荷率算出部42により算出される合計負荷率Rが負荷率閾値Q1以下であるか否かを判定する。合計負荷率Rが負荷率閾値Q1以下である場合(YES)には、ステップST3へ進む。また、合計負荷率Rが負荷率閾値Q1未満である場合(NO)には、ステップST8へ進む。
【0049】
ステップST3において、ボイラ機能設定部43は、ボイラ20の機能を段階値制御ボイラに設定する。
【0050】
ステップST4において、給水温度測定部50は、ボイラ20のボイラ本体21へ供給される給水の温度である給水温度Tを測定する。給水温度測定部50により測定された給水温度Tの情報は、ボイラ制御部4の入力部4Aを介して演算部4Bに入力される。
【0051】
ステップST5において、演算部4Bの燃焼量台数制御部41は、給水温度Tが給水温度閾値Q2以下であるか否かを判定する。給水温度Tが給水温度閾値Q2以下である場合(YES)には、ステップST6へ進む。また、給水温度Tが給水温度閾値Q2を超えている場合(NO)には、ステップST7へ進む。
【0052】
給水温度Tが給水温度閾値Q2以下である場合(YES)には、複数のボイラ20それぞれの燃焼量を最大の燃焼量の10〜30%に設定すれば、ボイラ効率を高くすることができる。本実施形態において最大の燃焼量の10〜30%燃焼量は、低燃焼状態L(第2燃焼位置:20%)である。そこで、ステップST6において、燃焼量台数制御部41は、複数のボイラ20それぞれの燃焼量を低燃焼状態L(第2燃焼位置:20%)に設定する。燃焼量台数制御部41は、ボイラ20の燃焼量を段階的に増加させ且つ段階値制御ボイラの燃焼させる台数を増加させるように、ボイラ20を制御する。
【0053】
一方、給水温度Tが給水温度閾値Q2を超えている(NO)場合には、複数のボイラ20それぞれの燃焼量を最大の燃焼量の30%超60%以下に設定すれば、ボイラ効率を高くすることができる。本実施形態において最大の燃焼量の30%超60%以下に該当するのは、中燃焼状態M(第3燃焼位置:45%)である。そこで、ステップST7において、燃焼量台数制御部41は、複数のボイラ20それぞれの燃焼量を中燃焼状態M(第3燃焼位置:45%)に設定する。燃焼量台数制御部41は、ボイラ20の燃焼量を段階的に増加させ且つ段階値制御ボイラの燃焼させる台数を増加させるように、ボイラ20を制御する。
【0054】
ステップST6又はステップST7の後、ボイラシステム1の合計負荷率R及び給水温度Tに基づくボイラ20の燃焼量の制御は終了する。
【0055】
また、ステップST2において合計負荷率Rが負荷率閾値Q1未満である場合(NO)には、ステップST8において、ボイラ機能設定部43は、ボイラ20の機能を比例制御ボイラに設定する。燃焼量台数制御部41は、比例制御ボイラの燃焼させる台数を最大とし且つ連続的にボイラ20の燃焼量を増加させるように、複数のボイラ20を制御する。比例制御ボイラに設定されたボイラ20によれば、燃焼量は連続的に増減される。そして、ステップST8の後、ボイラシステム1の合計負荷率R及び給水温度Tに基づくボイラ20の燃焼量の制御は終了する。
【0056】
ステップST6、ST7又はST8の後、ボイラ20の燃焼量は、圧力測定部7により測定されるスチームヘッダ6内の蒸気の圧力P等に基づいて、ボイラ制御部4により制御される。
【0057】
本実施形態のボイラシステム1によれば、例えば、次の効果が奏される。
本実施形態のボイラシステム1は、段階値制御ボイラ又は比例制御ボイラに機能を設定可能な複数のボイラ20と、複数のボイラ20の燃焼量及び燃焼させる台数を制御する燃焼量台数制御部41と、ボイラシステム1の合計負荷率を算出する負荷率算出部42と、ボイラ20の機能を段階値制御ボイラ又は比例制御ボイラに設定するボイラ機能設定部43と、を備えるボイラシステム1であって、ボイラ機能設定部43は、負荷率算出部42により算出される合計負荷率に基づいてボイラ20の機能を段階値制御ボイラ又は比例制御ボイラに設定する。
【0058】
そのため、本実施形態によれば、例えば、合計負荷率Rに係る閾値として適切な負荷率閾値Q1を設定し、合計負荷率Rと負荷率閾値Q1との大小関係により、ボイラ20の機能、ボイラ20の燃焼台数、ボイラ20の燃焼量の増加のさせ方等を制御することができる。従って、ボイラシステム1におけるボイラ効率を向上させることができる。
【0059】
また、本実施形態のボイラシステム1は、ボイラ20のボイラ本体21へ供給される給水の温度である給水温度Tを測定する給水温度測定部50を有し、燃焼量台数制御部41は、給水温度測定部50により測定される給水温度Tに基づいて、ボイラ20の燃焼量を制御する。
【0060】
そのため、本実施形態によれば、例えば、給水温度Tに係る閾値として適切な給水温度閾値Q2を設定し、給水温度Tと給水温度閾値Q2との大小関係により、ボイラ20の燃焼量を制御することできる。従って、ボイラシステム1におけるボイラ効率を更に向上させることができる。
【0061】
以上、好適な実施形態について説明したが、本発明は、前述した実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
例えば、本実施形態においては、段階値制御ボイラとしてのボイラ20として、燃焼停止状態(第1燃焼位置:0%)、低燃焼状態L(第2燃焼位置:20%)、中燃焼状態M(第3燃焼位置:45%)及び高燃焼状態H(第4燃焼位置:100%)の4段階の燃焼状態(燃焼位置、負荷率)に制御可能な4位置制御の段階値制御ボイラを用いているが、これに制限されない。
【0062】
4位置制御の段階値制御ボイラとして、燃焼停止状態(第1燃焼位置:0%)、低燃焼状態L(第2燃焼位置:20%)、中燃焼状態M(第3燃焼位置:60%)及び高燃焼状態H(第4燃焼位置:100%)の4段階の燃焼状態(燃焼位置、負荷率)に制御可能な4位置制御の段階値制御ボイラを用いることができる。
段階値制御ボイラにおける燃焼位置の制御は、4位置制御に制限されず、3位置制御、5位置制御などでもよい。
【0063】
給水温度閾値Q2は、好ましくは40〜50℃(例えば45℃)であるが、他の範囲の値でもよい。
ボイラシステムにおいて、蒸気生成能力が異なるボイラを併せて備えていてもよい(例えば、蒸気生成能力が2t/hのボイラと3t/hのボイラ)。
また、ボイラ20は、蒸気ボイラに制限されず、温水ボイラでもよい。