(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
一の配送オーダの変更が行われた後にさらに前記配送時刻条件変更手段による配送時刻条件の変更を行う場合には、前記算出手段は、前記一の配送オーダの配送時刻条件が変更された状態で、さらに前記第1の記憶手段に記憶されている其々の配送オーダ情報の配送時刻条件を変更することにより、他の配送オーダ情報の荷物と同一の車両で配送可能となる配送オーダ情報の増加数を時刻緩和効果として算出すること
を特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の情報処理装置。
荷物の配送先と配送時刻条件とを含む、配送オーダ情報を記憶する第1の記憶手段と、前記配送オーダ情報が示す荷物の配送に用いる車両の情報を記憶する第2の記憶手段と、を備え、前記配送オーダ情報が示す荷物を指定された配送先に対して配送する配送計画を作成する情報処理装置によって行われる情報処理方法であって、
前記第1の記憶手段で記憶されている配送オーダ情報の前記配送時刻条件を変更する配送時刻条件変更工程と、
前記第1の記憶手段に記憶されている其々の配送オーダ情報の配送時刻条件を前記配送時刻条件変更工程によって変更するために、他の配送オーダ情報の荷物と同一の車両で配送可能となる配送オーダ情報の増加数を時刻緩和効果として算出する算出工程と、
前記配送時刻条件変更工程で変更された配送時刻条件を満たすよう、前記配送オーダ情報が示す荷物を前記車両を用いて配送する配送計画を作成する配送計画作成工程と、
を備え、
前記配送時刻条件変更工程は、前記算出工程によって算出した時刻緩和効果を用いて配送オーダ情報の配送時刻条件を変更すること
を特徴とする情報処理方法。
荷物の配送先と配送時刻条件とを含む、配送オーダ情報を記憶する第1の記憶手段と、前記配送オーダ情報が示す荷物の配送に用いる車両の情報を記憶する第2の記憶手段と、を備えるコンピュータを、前記配送オーダ情報が示す荷物を指定された配送先に対して配送する配送計画を作成する情報処理装置として機能させるコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータを
前記第1の記憶手段で記憶されている配送オーダ情報の前記配送時刻条件を変更する配送時刻条件変更手段と、
前記第1の記憶手段に記憶されている其々の配送オーダ情報の配送時刻条件を前記配送時刻条件変更手段によって変更するために、他の配送オーダ情報の荷物と同一の車両で配送可能となる配送オーダ情報の増加数を時刻緩和効果として算出する算出手段と、
前記配送時刻条件変更手段で変更された配送時刻条件を満たすよう、前記配送オーダ情報が示す荷物を前記車両を用いて配送する配送計画を作成する配送計画作成手段と、
を備え、
前記配送時刻条件変更手段は、前記算出手段によって算出した時刻緩和効果を用いて配送オーダ情報の配送時刻条件を変更すること
として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態の一例を説明する。
【0019】
図1は、本発明における配車計画システムのシステム構成の一例を示す図である。図中101の管理サーバは、本発明の情報処理装置として機能する装置であり、クライアント装置102−1、102−2からの配車計画作成指示を受け付けると、後述する配車計画作成処理を行う。102−1、102−2はクライアント装置であって(以下まとめて、クライアント装置102とする)、管理サーバ101に対して配車計画作成指示を行うためにユーザが用いる端末装置である。103は、管理サーバ101とクライアント装置102を相互に通信可能に接続するLAN(Local Area Network)等のネットワークである。
【0020】
次に、
図2を参照して、
図1の管理サーバ101に適用可能な情報処理装置のハードウェア構成の一例を説明する。
【0021】
CPU201は、システムバス204に接続される後述の各デバイスやコントローラを統括的に制御する。また、ROM203あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、各サーバ或いは各PCの実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。RAM202は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。
【0022】
CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をRAM202にロードして、プログラムを実行することで各種動作を実現するものである。また、入力コントローラ(入力C)205は、キーボード209や不図示のマウス等のポインティングデバイスからの入力を制御する。ビデオコントローラ(VC)206は、ディスプレイ装置210等の表示装置への表示を制御する。ディスプレイ装置は、例えばCRTディスプレイや液晶ディスプレイ等である。これらは必要に応じて管理者が使用するものである。本発明には直接関係があるものではない。
【0023】
メモリコントローラ(MC)207は、ブートプログラム、ブラウザソフトウエア、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶するハードディスク(HD)やフロッピーディスク(登録商標 FD)或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュメモリ等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。
【0024】
通信I/Fコントローラ(通信I/FC)208は、ネットワークを介して、外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いたインターネット通信等が可能である。
【0025】
なお、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、ディスプレイ装置210上での表示を可能としている。また、CPU201は、ディスプレイ装置210上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
【0026】
本発明の文書管理サーバの各種処理を実行するために用いられるプログラムは外部メモリ211に記録されており、必要に応じてRAM202にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。さらに、本発明に係わるプログラムが用いる定義ファイルや各種情報テーブルは外部メモリ211に格納されている。以上が、管理サーバ101に適用可能な情報処理装置のハードウェア構成の一例の説明である。
【0027】
図3は、管理サーバ101の機能構成の一例を示す模式図である。
図3に示すように、管理サーバ101は、データ管理部301、条件取得部302、配車計画立案部303、計画出力部304を備えている。
【0028】
データ管理部301は、配送計画立案に必要となるデータである、オーダデータ、車両データ、配送先拠点間の所要時間データ、配車条件データをそれぞれ管理するためのデータテーブルであるオーダデータテーブル301−1、車両データテーブル301−2、所要時間データテーブル301−3、配車条件データテーブル301−4、及び後述する配車計画立案部303により立案された配車計画を記録する配車計画テーブル301−5を管理する機能部である。これらデータテーブルの構成については、後述することにする。
【0029】
条件取得部302は、配車計画立案に必要となるデータ管理部301で管理されている各種データを取得する機能部である。配車計画立案部303は条件取得部302がデータ管理部301より取得した各種のデータに従って、オーダデータテーブル301−1で管理されているオーダを配送するための配車計画を立案する機能部である。計画出力部304は、配車計画立案部303により立案された配車計画の、配車計画データテーブルへの登録、配車計画をディスプレイ装置210に表示するための制御を行う機能部である。
【0030】
次に、
図7を参照して
図3のオーダデータテーブル301−1のデータ構成について説明する。
図7は、
図3のオーダデータテーブル301−1のデータ構成の一例を示す図である。
図7に示すように、オーダデータテーブル301−1は、オーダID701、卸地702、着時間指定703、緩和可能時間704、作業時間705、重量706、緩和済み時間707というデータ項目を有して構成されている。
【0031】
オーダID701は、配送先に配送する荷物のオーダである配送オーダ情報(以下、単に「オーダ」ともいう)を一意に識別するための識別情報である。卸地702は、当該オーダの荷物を配送する配送先を示す情報である。着時刻指定703は、卸地に荷物を配送する際の車両の到着時間指定情報である。緩和可能時間704は、指定された着時刻を前後にどれぐらい緩和できるかを示す情報である。例えば、着指定時刻が10:00−10:00(つまりは10:00指定)で、緩和可能時間が60分の場合には、09:00−11:00の間に到着する配車計画は許容されること意味する。
【0032】
作業時間705は、卸地での作業に要する時間情報である。なお、説明を容易にするために、本実施例では、卸地での作業時間は0分であるものとする。重量706は、配送する荷物の重量情報であり、この情報は、車両への荷物の同載が可能であるかを判断する指標として用いられる。707は緩和済み時刻である、当該オーダに対して既に行った緩和時間情報が登録される。
【0033】
尚、荷物の配送に用いる車両を特定するための条件、例えば、冷凍食品などの荷物の場合には冷凍車、生鮮食品などの場合には冷蔵車を当該荷物の配送する車両として特定するために用いるデータ項目など、
図7に図示していない他のデータ項目をオーダデータテーブル301−1に追加することが可能であることは言うまでもない。
【0034】
また、緩和時間705の設定を短くすることで時間帯指定遵守を、長くすることで車両台数削減を重視した配車計画を立案することが可能となり、この緩和時刻の設定により時間帯指定遵守と車両台数削減とのバランスを制御することができる。以上がオーダデータテーブル301−1の説明である。
【0035】
次に、
図8を参照して、
図3の車両データテーブル301−2のデータ構成について説明する。
図8は車両データテーブル301−2のデータ構成の一例を示す図である。
図8に示すように、車両データテーブル301−2は、車両ID801、積載重量802、稼働可能時間803というデータ項目を有して構成されている。
【0036】
車両ID801は、配送に用いる車両を一意に識別するための識別情報である。積載重量802は当該車両に積載可能な重量情報である。稼働可能時間803は、当該車両の稼働可能な時刻を示す情報である。
【0037】
尚、車両の有する機能、例えば冷蔵車、冷凍車、クレーン付きなどを認識するため特定や、車両の連続稼働可能時刻を示すデータ項目など、図示していない他のデータ項目を車両データテーブル301−2に追加することが可能であることは言うまでもない。以上が車両データテーブル301−2の構成の説明である。
【0038】
次に、
図9を参照して、
図3の所要時間データテーブルの構成について説明する。
図9は所要時間データテーブルのデータ構成の一例を示す図である。
図9に示すように、所要時間データテーブルは縦軸、横軸にそれぞれ配送先となる卸地(拠点)を一意に示す卸地IDが設定されており、縦軸に示す卸地から横軸に示す卸地へ移動する際の所要時間が登録されている。
【0039】
例えば、拠点001から拠点004へは210分、拠点004から拠点002へは180分を要することが理解できよう。尚、同一車両での配送を行わない拠点の組み合わせについては、それら拠点間の所要時間を登録しないことで識別するようにすれば良い。以上が所要時間データテーブル301−3の説明である。
【0040】
次に、
図10を参照して、
図3の配車条件データテーブル301−4のデータ構成について説明する。
図10は配車条件データテーブル301−4のデータ構成の一例を示す図である。この配車条件テーブルに登録されるデータは、配車計画立案部302による配車計画作成において行われる、卸地への着時間の緩和において許容される条件が登録されている。
【0041】
緩和比率801は、配車計画立案部による配車計画作成において許容される緩和比率を示す情報である。本実施例では、配送対象となる荷物オーダの着時刻指定のうち、緩和比率が示す割合のオーダの着時刻指定を緩和することが可能であるものとして説明する。緩和ステップ幅は、着時刻指定の緩和幅を示している。例えば、着時刻指定が10:00−10:00の着時刻指定を
図10の条件に従って
図7のオーダ001の着時刻指定を緩和する際には、まず09:30−10:30、その後09:00−11:00といった具合に、30分刻みで緩和することになる。
【0042】
なお、本数値例では、緩和ステップ幅を30分としているが、緩和ステップ幅を大きくした場合は、規定回数が減り、緩和1回あたりの時間が長くなるため、緩和済時間が少数のオーダに集中しやすくなる。逆に、逆に緩和ステップ幅を小さくした場合は、緩和済時間が多数のオーダに分散しやすくなる。
【0043】
これを実務上の要求に照らすと、時間帯指定を許容して車両台数を減らす場合に、複数の荷主顧客に少しずつずれを許容してもらうか、少数の荷主顧客に大きなずれを許容してもらうかをコントロールできる、ということを示している。以上が、配車条件データテーブル301−4の説明である。
【0044】
図4を参照して、管理サーバ101のCPU201によって行われる配車計画作成処理の概要について説明する。この処理をCPU201に行わせるためのコンピュータプログラムは、外部メモリ211に記憶されており、必要に応じてCPU201は当該コンピュータプログラムをRAM202にロードし、ロードしたコンピュータプログラムによる制御に従って、本処理を行うことになる。
【0045】
まず、CPU201は、クライアント装置102のディスプレイ装置に表示される不図示の画面を介して入力されたオーダデータの登録要求をクライアント装置102から受信し、オーダデータテーブル301−1に登録する(ステップS401)。そして、ステップS401の処理を、クライアント装置102より配車計画の作成指示を受け付ける、若しくは配車計画作成時刻に達するまで行うことになる。
【0046】
そして、CPU201は、クライアント装置102より配車計画の作成指示を受け付ける、若しくは配車計画作成時刻に達すると(ステップS402でYES)、ステップS403に処理を移行させ、データ管理部301で管理している配車計画に用いる各種データを取得する(ステップS403)。ここで取得するデータは、オーダデータテーブル301−1に記憶されているオーダデータ、車両データテーブル301−2に記憶されている車両データ、所要時刻データテーブルに記憶されている所要時間データ、配車条件データテーブル301−4に記憶されている配車条件データである。
【0047】
そして、その後、ステップS403で取得したオーダデータに含まれる着時刻指定の緩和処理を行う(時刻指定緩和処理:ステップS404)。この処理の詳細については、
図5を参照して後述する。
【0048】
ステップS404の時刻指定緩和処理が終了後、CPU201は、ステップS403で取得したオーダデータが示す荷物を配送するための配送ルートの作成処理を行う(ステップS405)。この処理の詳細については、
図6を参照して後述する。
【0049】
ステップS405の配送ルートの作成処理が終了後、配車計画データを出力する(ステップS406)。このステップでは、作成した配送ルートデータをクライアント装置102に対して出力(送信)する。そして、配車ルートデータを受信したクライアント装置102は配車ルートデータをディスプレイ装置に表示する。そして、ユーザからの登録指示の入力を受け付けると、管理サーバ101に対して配車ルートデータの登録要求を送信する。
【0050】
クライアント装置102から配車ルートデータの登録要求を受信すると、管理サーバ101のCPU201は、ステップS405で作成した配車ルートデータを配車計画データテーブル301−5に記憶する。尚、クライアント装置102で配車ルートデータに変更が加えられた場合には、変更後の配車ルートデータを配車計画データテーブル301−5に記憶することになる。以上が、
図4の配車計画作成処理の説明である。
【0051】
次に、
図5を参照して、
図4のステップS404の時刻指定緩和処理の詳細について説明する。この処理をCPU201に行わせるためのコンピュータプログラムは、外部メモリ211に記憶されており、必要に応じてCPU201は当該コンピュータプログラムをRAM202にロードし、ロードしたコンピュータプログラムによる制御に従って、本処理を行うことになる。
【0052】
時刻指定緩和処理において、CPU201は、全オーダについて、時刻緩和効果の算出が終了したかを判断する(ステップS501)。全オーダについての時刻緩和効果の算出が終了していないと判断した場合には(ステップS501でNO)、未だ時刻緩和効果の算出差終了していないオーダの中から、時刻緩和効果を算出するオーダを選択し(ステップS502)、選択したオーダの時刻緩和効果を算出する(ステップS503)。そして、ステップS501からS503の処理をステップS501の判断処理でYESと判断するまで行うことになる。
【0053】
ステップS501でYESと判断した場合、CPU201は処理をステップS504に進め、着時刻指定の緩和を既に規定回数以上行っているかを判断する。
【0054】
尚、規定回数は、以下の式により算出する。 規定回数 = 緩和比率×全オーダの緩和可能時間の総和/緩和ステップ幅 本数値例では、緩和比率=20%、全オーダの緩和時間の総和=60×6=360分、緩和ステップ幅=30分であるため、規定回数は2.4回となる。
【0055】
尚、オーダの着時刻の緩和が可能であるかを判断するための手法として、上記以外の手法を用いても勿論構わない。また、ステップS504の処理は、ステップS501の前に行うことももちろん可能である。
【0056】
そしてステップS504で既に行った着時刻緩和が規定回数以下であると判断した場合には、CPU201は処理をステップS505に進め、ステップS503で算出した時刻緩和効果が最も高いオーダを選択し、選択したオーダの着時刻指定の緩和を行う(ステップS506)。そして、ステップS501からS506の処理を、ステップS504でNOと判断するまで繰り返すことになる。
【0057】
次に、
図13を参照して
図5に示す時刻指定緩和処理の概要を説明する。
図13は、
図7のオーダデータテーブルに登録されたオーダの着時刻指定の時刻緩和効果の算出処理の概要を示す図である。尚、図中のオーダID1301は
図7のオーダID701に、卸地1302は
図7の卸地702に対応する。また、着時刻指定緩和1301は、
図7の着時刻指定703に示された時刻と、その時刻を
図10の緩和ステップ幅1002が示す時間前後にずらした場合の時刻の条件を示している。緩和効果判定欄1304は、着時刻指定緩和により、着時刻指定緩和前には同一の車両での配送をできなかったオーダがどれぐらい着時刻指定緩和を行ったことにより同一の車両で配送できるようになるかという指標で時刻緩和効果を算出することになる。
【0058】
例えば、
図13のオーダ001とオーダ002とは、着時刻指定を行う前には同一車両での配送が不可能であったが、
図9に示す通り、オーダ001の配送先である拠点001とオーダ002の配送先である拠点002間の移動に要する時間は30分であり、また、
図7に示す通り、オーダ001、オーダ002とも配送拠点での作業時間が0分であるため、オーダ001若しくはオーダ002いずれかの着時刻指定を30分緩和することで、同一の車両での配送が可能となる。よって、オーダ001の行のオーダ002との関係が「×」から「○」に変わる。同様にして、オーダ002の行のオーダ001との関係も「×」から「○」に変わる。
【0059】
このような形で時刻緩和効果を算出すると、
図13の[1]に示す通りオーダ001の着時刻指定の緩和を行った場合には新たに2つのオーダを同一の車両で配送できることになり、一番緩和効果が高いので、CPU201は、オーダ001を着時刻指定を変更するオーダとして選択し(
図5のステップS505の処理)、オーダ001の着時刻指定を緩和する(
図5のステップS506の処理)。
【0060】
その後、オーダ001の着時刻指定を行った状態に対して、各オーダの着時刻指定を30分緩和した場合に、同一の車両では配送できなかったオーダがどれぐらい同一の車両で配送できるようになるのかによりそれぞれのオーダの時刻緩和効果を算出する。
【0061】
それを示したのが
図13の[2]であり、各オーダの時刻緩和効果は時刻緩和効果1305のとおりである。よって、CPU201は、オーダ005若しくはオーダ006を着時刻指定を変更する選択し(以降の説明ではオーダ006を選択したものとする)、選択したオーダの着時刻指定を30分緩和する。
【0062】
オーダ001及びオーダ006の着時刻指定を緩和したことにより、全体の1/3のオーダの着時刻指定の緩和を行ったことになり、緩和比率20%以上の緩和をすでに行っているため、ステップS504の処理でCPU201は時刻緩和済みオーダが緩和比率以下ではない(ステップS504でNO)と判断することになり、これ以上の着時刻緩和を行わない。
【0063】
そして、上記のように着時刻緩和を行った結果を
図11に示す。
図11に記載の通り、オーダ001の着時刻指定が10:00−10:00から09:30−10:30に変更され(図中の1101)、緩和済み時間が30分となっている(図中の1102)。また、オーダ006の着時刻指定が10:00−10:00から09:30−10:30に変更され(図中1103)、緩和済み時間が30分となっている(図中1104)。
【0064】
次に、
図6を参照して、
図4のステップS405の配送ルート作成処理の詳細について説明する。この処理をCPU201に行わせるためのコンピュータプログラムは、外部メモリ211に記憶されており、必要に応じてCPU201は当該コンピュータプログラムをRAM202にロードし、ロードしたコンピュータプログラムによる制御に従って、本処理を行うことになる。
【0065】
まず、CPU201は、まだ車両に対しての割り当てを行っていないオーダがあるかを判断する(ステップS601)。そして、割り当てを行っていないオーダがあると判断した場合には(ステップS601でYES)、処理をステップS602に進め、オーダの割り当てを行っていない車両があるかを判断する。
【0066】
ステップS602の判断処理でYESと判断した場合には、CPU201は、オーダを割り当てる車両の選択し、オーダの割り当てを行う(ステップS603)。この際には、
図8の車両データテーブルに記憶されている車両から、車載重量条件802や、稼働可能時間803の条件に従い、当該オーダが示す荷物を着時刻指定で指定された時間内に配送可能な車両を選択することになる。その他、荷物の配送に用いる車両を特定するための条件(例えば冷蔵車での配送、冷凍車での配送等)が設定されている場合には、その条件を満たす車両を選択し、オーダを割り当てることになる。
【0067】
次に、CPU201は、ステップS602で選択した車両に積載可能な他のオーダがあるかを判断する(ステップS604)。この判断処理では、車両の積載重量条件のほか、拠点間の所要時間条件をもとに、オーダに指定された着時刻指定条件を満たすよう配送可能なオーダがあるかを判断することになる。
【0068】
CPU201が、積載可能なオーダがあると判断した場合には(ステップS604でYES)、当該車両に積載可能なオーダを選択し(ステップS605)、選択したオーダをステップS602で選択した車両に割り当てる(ステップS606)。そして、ステップS604からS606の処理を、ステップS602で選択した車両に積載可能なオーダがない(ステップS604でNO)と判断するまで繰り返し行うことになる。
【0069】
ステップS604でNOとCPU201が判断した場合には、処理をステップS601に進め、未割当のオーダがないかを判断し、未割当のオーダがあると判断した場合には、ステップS602で残車両の有無を判断し、残車両があると判断した場合には、ステップS603以降の処理を繰り返し行う。
【0070】
一方、ステップS601で車両に未割当のオーダがない(ステップS601でNO)と判断した場合、及びステップS602でオーダを未割当の車両がない(ステップS602でNO)と判断した場合には本処理を終了する。尚、ステップS602でNOと判断することにより本処理を終了した場合には、緩和比率や各オーダの緩和可能時間を調整する等を行い再度配車計画作成処理を行う、若しくは新たな車両の調達を行い新たに調達した車両に未割当オーダの割り当てを行う等を行うことになる。
【0071】
図12は、
図3の配車計画データテーブル301−5の構成の一例を示す図である。
図12に示す通り、配車計画データテーブルは、ルートID1201、車両1202、経由地1203、着時刻1204というデータ項目を有して構成されている。
【0072】
ルートID1201は、配車計画作成処理で作成された配送ルートを一意に識別するための識別情報である。車両1202は、当該配送ルートで使用する車両を特定するための情報である。経由地1203は、配送ルートにおいて経由する拠点を示す情報である。着時刻1204は、経由地1203に到着する時刻を示す時刻情報である。尚、1つの配送ルートに経由地が複数存在する場合には、経由地の数だけ経由地1203及び着時刻1204が登録されることになる。
図12の(1)は、
図11に示すオーダに対して
図6に示す配送ルート作成処理を行った結果を示している。また、
図12の(2)は、各オーダの着時刻指定の緩和を行わず、
図7に示したオーダ情報に従って
図6の配送ルート作成処理を行った結果を示している。
【0073】
着時刻の緩和を行わなかった場合には4台の車両が必要であったが、着時刻の指定を行うことで2台の車両のみでオーダの配送を行うことが可能な配車計画の立案が可能となる。車両を削減することが可能となるため、当然車両の調達に要するコストの削減効果をもさらに見込めることになる。
【0074】
また、各オーダごとに着時刻指定の緩和条件を設定できるので、オーダごとに柔軟に着時刻の調整が可能となるとともに、設定した着時刻の緩和可能時間以上に着時刻の緩和が行われることがない。
【0075】
以上説明したように、本実施形態によれば、オーダの着時間帯指定に対して、到着時刻を早めるように緩和することができ、さらには、時間帯指定遵守と車両台数削減のバランスを制御することができる。
【0076】
本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記憶媒体等としての実施形態も可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、1つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0077】
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラム(実施形態では
図4から
図6に示すフローチャートに対応したプログラム)を、システム或いは装置に直接、或いは遠隔から供給するものを含む。そして、そのシステム或いは装置のコンピュータが前記供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合も本発明に含まれる。
【0078】
したがって、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、前記コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0079】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であってもよい。
【0080】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RWなどがある。また、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などもある。
【0081】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する。そして、前記ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、若しくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。
【0082】
また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
【0083】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、ダウンロードした鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0084】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。その他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0085】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
【0086】
なお、前述した実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。即ち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。