特許第5668939号(P5668939)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5668939モーター制御回路、モーター駆動装置及びモーター制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5668939
(24)【登録日】2014年12月26日
(45)【発行日】2015年2月12日
(54)【発明の名称】モーター制御回路、モーター駆動装置及びモーター制御方法
(51)【国際特許分類】
   H02P 6/16 20060101AFI20150122BHJP
【FI】
   H02P6/02 351N
【請求項の数】9
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-43248(P2012-43248)
(22)【出願日】2012年2月29日
(65)【公開番号】特開2013-126367(P2013-126367A)
(43)【公開日】2013年6月24日
【審査請求日】2012年2月29日
(31)【優先権主張番号】10-2011-0134252
(32)【優先日】2011年12月14日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】コー、ボン ヨン
【審査官】 田村 耕作
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−070594(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0102514(US,A1)
【文献】 特開2007−151356(JP,A)
【文献】 実開平03−124794(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02P 6/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モーター駆動回路の駆動信号の周波数を検出する周波数検出部と、
前記駆動信号の周波数を用いて入力パルス−幅−変調(Pulse−Width−Modulation)信号をサンプリングするサンプリング部と、
前記サンプリング部のサンプリング結果の変化量から前記駆動信号の周期変化量を感知し、感知した前記周期変化量による誤差を補正してモーターの回転数を計算する演算部と
を含む、モーター制御回路。
【請求項2】
前記サンプリング部は、
前記駆動信号の周波数を用いて前記入力パルス−幅−変調信号の一周期間のサンプリング数を算出する、請求項1に記載のモーター制御回路。
【請求項3】
前記演算部は、
前記入力パルス−幅−変調信号の一周期間のサンプリング数が減少すると、前記駆動信号の速度が遅くなったと判断し、前記入力パルス−幅−変調信号の一周期間のサンプリング数が増加すると、前記駆動信号の速度が速くなったと判断する、請求項2に記載のモーター制御回路。
【請求項4】
前記演算部が計算したモーターの回転数から前記モーターの回転速度を制御する速度制御部をさらに含む、請求項1から3の何れか1項に記載のモーター制御回路。
【請求項5】
入力パルス−幅−変調(Pulse−Width−Modulation、PWM)信号の周波数を検出する周波数検出部と、
モーターの駆動回転数を検出して前記入力パルス−幅−変調信号のデューティ値による回転数と比較する比較部と、
前記比較部の比較結果に基づいて前記モーターに対する駆動信号を生成する信号生成部と
を含み、
前記比較部は、
前記モーターを駆動する駆動信号の一周期を前記入力パルス−幅−変調信号の周波数でサンプリングして前記駆動信号の周期変化量を感知し、前記感知した周期変化量による誤差を補正する、モーター駆動装置。
【請求項6】
モーター駆動回路の駆動信号の周波数を検出する段階と、
前記駆動信号の周波数を用いて入力パルス−幅−変調(Pulse−Width−Modulation、PWM)信号をサンプリングするサンプリング段階と、
前記サンプリング結果の変化量から前記駆動信号の周期変化量を感知する周期変化感知段階と、
前記感知した周期変化量による誤差を補正して前記モーターの回転数を計算する段階と
を含む、モーター制御方法。
【請求項7】
前記サンプリング段階は、
前記駆動信号の周波数に基づいて前記入力パルス−幅−変調信号の一周期間のサンプリング数をカウンティングする、請求項に記載のモーター制御方法。
【請求項8】
前記周期変化感知段階は、
前記入力パルス−幅−変調信号の一周期間のサンプリング数が減少すると、前記駆動信号の速度が遅くなったと判断し、前記入力パルス−幅−変調信号の一周期間のサンプリング数が増加すると、前記駆動信号の速度が速くなったと判断する、請求項またはに記載のモーター制御方法。
【請求項9】
前記回転数を用いて前記モーターの回転速度を制御する段階をさらに含む、請求項に記載のモーター制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部温度変化等に関係なくモーターの回転数、回転速度等を正確に検出することができるモーター制御回路、モーター駆動装置及びモーター制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、BLDCモーターのように速度を制御することができるモーターの場合、その速度はパルス−幅−変調(Pulse−Width−Modulation、PWM)信号のデューティ(Duty)値を調節することにより制御することができる。パルス−幅−変調信号のデューティ値は、信号の一周期内で、信号がHigh値を有するターンオン(turn−on)時間と、信号がLow値を有するターンオフ(turn−off)時間との間により決定されることができ、モーターの回転速度は、パルス−幅−変調信号のデューティ値に比例することができる。
【0003】
モーターの速度制御方式は、開ループ(open loop)制御と閉ループ(close loop)制御とに大きく区分されることができる。開ループ制御の場合、フィードバック回路を含まないため、簡単な構造で具現することができるが、電気的雑音(noise)、温度変化等の外部的要因によって発生する誤差を補償することはできない。これに反し、閉ループ制御の場合、フィードバック回路を含むため、モーターの現在回転数、速度、周辺の動作環境等を検出し、それから入力信号を制御してモーターの動作で発生する誤差を制御することができる。
【0004】
結局、閉ループ制御方式による場合、モーターの現在回転数と速度等を検出するための回路が必要であり、温度検出回路、電圧検出回路等が追加されることもある。したがって、回路の複雑度が増加し、温度及び電圧検出回路等を回路構成から除外させる場合は、モーターの回転数と速度を検出するにおいて周辺の動作環境による影響を正確に反映することができないという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、上述した従来技術の問題点を補完するためのものであって、モーター駆動回路の内部クロック信号の周波数を用いて入力パルス−幅−変調信号をサンプリングし、それから内部クロック信号の速度変化を感知してモーターの速度を制御することにより、別途の温度又は電圧検出回路を備えなくても周辺環境の影響を反映してモーターの動作を正確に制御することができるモーター制御回路、モーター駆動装置及びモーター制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の技術的な側面によると、モーター駆動回路の内部クロック信号の周波数を検出する周波数検出部と、上記内部クロック信号の周波数を用いて入力パルス−幅−変調(Pulse−Width−Modulation)信号をサンプリングするサンプリング部と、上記サンプリング部のサンプリング結果から上記内部クロック信号の速度変化を感知し上記感知した速度変化からモーターの回転数を計算する演算部と、を含むモーター制御回路を提案する。
【0007】
また、上記サンプリング部は上記内部クロック信号の周波数を用いて上記入力パルス−幅−変調信号の一周期間のサンプリング数を算出するモーター制御回路を提案する。
【0008】
また、上記演算部は上記入力パルス−幅−変調信号の一周期間のサンプリング数が減少すると、上記内部クロック信号の速度が遅くなったと判断し、上記入力パルス−幅−変調信号の一周期間のサンプリング数が増加すると、上記内部クロック信号の速度が速くなったと判断するモーター制御回路を提案する。
【0009】
また、上記演算部が計算したモーターの回転数から上記モーターの回転速度を制御する速度制御部をさらに含むモーター制御回路を提案する。
【0010】
本発明の第2の技術的な側面によると、入力パルス−幅−変調(Pulse−Width−Modulation、PWM)信号の周波数を検出する周波数検出部と、モーターの駆動回転数を検出して上記入力パルス−幅−変調信号のデューティ値による回転数と比較する比較部と、上記比較部の比較結果に基づいて上記モーターに対する駆動信号を生成する信号生成部と、を含み、上記比較部は上記入力パルス−幅−変調信号の周波数を用いて上記モーターの駆動回転数を検出するモーター駆動装置を提案する。
【0011】
また、上記比較部は上記モーターを駆動するクロック信号の一周期を上記入力パルス−幅−変調信号の周波数でサンプリングして上記モーターの駆動回転数を検出するモーター駆動装置を提案する。
【0012】
本発明の第3の技術的な側面によると、モーター駆動回路の内部クロック信号の周波数を検出する段階と、上記内部クロック信号の周波数を用いて入力パルス−幅−変調(Pulse−Width−Modulation、PWM)信号をサンプリングする段階と、上記入力パルス−幅−変調信号に対するサンプリング結果から上記内部クロック信号の速度変化を感知する段階と、上記感知した速度変化から上記モーターの回転数を計算する段階と、を含むモーター制御方法を提案する。
【0013】
また、上記サンプリング段階は上記内部クロック信号の周波数に基づいて上記入力パルス−幅−変調信号の一周期間のサンプリング数をカウンティングするモーター制御方法を提案する。
【0014】
また、上記速度変化感知段階は上記入力パルス−幅−変調信号の一周期間のサンプリング数が減少すると、上記内部クロック信号の速度が遅くなったと判断し、上記入力パルス−幅−変調信号の一周期間のサンプリング数が増加すると、上記内部クロック信号の速度が速くなったと判断するモーター制御方法を提案する。
【0015】
また、上記感知した速度変化から上記モーターの回転速度を制御する段階をさらに含むモーター制御方法を提案する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、モーター駆動回路の内部クロック信号の周波数で外部から伝達されるパルス−幅−変調信号をサンプリングし、サンプリング結果に基づいてモーターの速度を制御する。したがって、別途の温度及び電圧検出回路なしにモーターの駆動環境による速度変化を検出してモーターの速度を効率的に且つ正確に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態によるモーター制御回路を簡略に示すブロック図である。
図2】本発明の実施形態によるモーター駆動装置を簡略に示すブロック図である。
図3】本発明の実施形態によるモーター駆動装置を簡略に示すブロック図である。
図4】本発明の実施形態によるモーター駆動方法を説明するために提供されるグラフである。
図5】本発明の実施形態によるモーター駆動方法を説明するために提供される流れ図である。
図6】本発明の実施形態によるモーター駆動方法を説明するために提供される流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
後述する本発明に対する詳細な説明は本発明が実施されることができる特定の実施形態を例示として図示する添付図面を参照する。これらの実施形態は当業者が本発明を実施するのに十分であるように詳細に説明される。本発明の多様な実施形態は、相互異なるが、相互排他的である必要はないことが理解されるべきである。例えば、ここに記載されている特定の形状、構造及び特性は、一実施形態に関連して本発明の精神及び範囲を外れない範囲内で他の実施形態に具現されることができる。また、それぞれの開示された実施形態内の個別の構成要素の位置又は配置は、本発明の精神及び範囲を外れない範囲内で変更されることができるものと理解されるべきである。したがって、後述する詳細な説明は、限定的な意味に理解されるべきであり、本発明の範囲は、適切に説明される場合、その請求項が主張するものと均等な全ての範囲と共に添付された請求項によってのみ限定される。図面において類似する参照符号は、様々な側面にわたって同一であるか又は類似する機能を指す。
【0019】
以下では、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を容易に実施することができるようにするために、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施形態によるモーター制御回路を簡略に示すブロック図である。図1を参照すると、本実施形態によるモーター制御回路100は、周波数検出部110と、サンプリング部120と、演算部130と、速度制御部140と、を含む。速度制御部140から出力する信号によりモーターの動作が制御され、一例として、速度制御部140は、パルス−幅−変調(Pulse Width Modulation、PWM)信号のデューティ値を調節してモーターの回転速度等を制御することができる。
【0021】
周波数検出部110及びサンプリング部120は、それぞれ速度制御部140及び演算部130と連結されてフィードバック回路を構成することができる。周波数検出部110は、速度制御部140からモーターに出力する駆動信号S又は上記駆動信号Sを生成するのに用いられるパラメーターを受信してモーターに出力する駆動信号Sの周波数fを検出する。検出された周波数fは、モーターを駆動するための駆動信号Sの周波数fであるため、温度変化等の外部環境の変化に影響を受けて変わることがある。後述するように、外部環境の変化に応じて変わるモーター駆動信号Sの周波数fからモーターの駆動速度を正確に検出することができる。一例として、周波数fは、クロック信号形態として提供される駆動信号Sから検出されることができる。
【0022】
サンプリング部120は、周波数検出部110から検出したモーター駆動信号Sの周波数fを用いて入力パルス−幅−変調信号IPWMをサンプリングする。入力パルス−幅−変調信号IPWMは、モーター制御回路100の外部で生成されて入力される信号であることができ、したがって、モーターの駆動環境に独立して生成されて温度変化等の外部環境の変化に影響を受けない。したがって、サンプリング部120から演算部130に出力するサンプリング結果は、入力パルス−幅−変調信号IPWMが一定の周期とデューティ値を有すると仮定するとき、周波数検出部110が検出した周波数fによって決定される。本実施例においては、例えば、入力パルス−幅−変調信号IPWMがターンオンされている時間の間に検出される内部クロック信号としてのモーター駆動信号Sの立ち上がりの回数をカウントすることによりサンプリング結果を得てもよい。すなわち、内部クロック信号(モーター駆動信号S)の周期(または周波数f)とカウントされた内部クロック信号(モーター駆動信号S)の立ち上がりの回数とに基づいて入力パルス−幅−変調信号IPWMの一周期間をサンプリングしてもよい。また、入力パルス−幅−変調信号IPWMの一周期間(入力パルス−幅−変調信号IPWMがターンオンされている時間)にカウントされた内部クロック信号(モーター駆動信号S)の立ち上がりの回数をサンプリング回数(またはサンプリング数)とよんでもよい。
【0023】
例えば、モーターが駆動する一定時区間t1では周波数fによって入力パルス−幅−変調信号IPWMがサンプリングされる回数が10回であり、他の時区間t2では周波数fによって入力パルス−幅−変調信号IPWMがサンプリングされる回数が7回に減った場合を仮定すると、t1に比べてt2では相対的に周波数fが減少し、これは、内部クロックの速度が減少したことを意味する。したがって、周波数fによって入力パルス−幅−変調信号IPWMのサンプリング回数が減少すると、内部クロック速度が減少したと認知し、周波数fによって入力パルス−幅−変調信号IPWMのサンプリング回数が増加すると、内部クロック速度が増加したと認知することができる。
【0024】
上記のような方式で感知した内部クロック速度の変化は、モーターの速度を正確に感知するのに反映されることができる。即ち、内部クロック速度が10%減少したと認知されると、モーターの回転数から速度を検出する速度検出部(図示せず)から検出した速度を10%だけ減少させてこれをモーターの実際の速度として検出し、逆に、内部クロック速度が10%増加したと認知されると、モーターから検出した速度を10%だけ増加させてこれをモーターの実際の速度として検出することができる。
【0025】
図2は、本発明の実施形態によるモーター駆動装置を簡略に示すブロック図である。図2を参照すると、本実施形態によるモーター駆動装置200は、周波数検出部210と、比較部220と、信号生成部240と、モーター250と、を含む。周波数検出部210と比較部220は、フィードバック回路を構成することができ、信号生成部240から駆動信号Sが印加されて動作するモーター250は、BLDC(Brushless DC)モーターであることができる。
【0026】
図1と同様に、比較部220は、入力パルス−幅−変調信号IPWM及び周波数検出部210が信号生成部240から検出した周波数fの入力を受け、検出された周波数fで入力パルス−幅−変調信号IPWMをサンプリングする。周波数検出部210は、信号生成部240がモーター250に伝達される駆動信号Sを決定するために内部的に調節するパラメーターから周波数fを検出するか、又は信号生成部240が出力する駆動信号Sから直接周波数fを検出することができる。即ち、周波数検出部210が検出する周波数fは、モーター250の駆動信号Sから決定されるため、モーター250の駆動環境に応じて変化することができる。
【0027】
比較部220は、入力パルス−幅−変調信号IPWMを周波数検出部210が検出した周波数fでサンプリングする。入力パルス−幅−変調信号IPWMは、モーター250の駆動環境とは関係なく外部で生成されて供給される信号で、一定の周期及びデューティ値を有するため、比較部220が生成及び出力するサンプリング結果は、周波数検出部210が検出した周波数fによって決定される。したがって、比較部220が出力するサンプリング結果の変動は、周波数検出部210が信号生成部240から検出する周波数S変動に対応すると見られ、このことから、信号生成部240は、モーター250に供給される駆動信号Sの速度変化を感知することができる。
【0028】
図3は、本発明の実施形態によるモーター駆動装置を簡略に示すブロック図である。図3を参照すると、本実施形態によるモーター駆動装置300は、モーター350の速度を検出する速度検出部310と、比較部320と、入力パルス−幅−変調信号IPWM周波数検出部330と、信号生成部340等を含むことができる。図1及び図2で説明したように、入力パルス−幅−変調信号IPWMは、モーター駆動装置300とは関係なく外部で生成される信号で、モーター350の駆動環境とは関係なく一定の周期及びデューティ値等を有することができる。また、モーター350は、BLDCモーターであることができる。
【0029】
速度検出部310は、モーター350の回転数からモーター350の駆動速度を検出する。モーター350の駆動速度は、使用者が指定した値に維持されることが好ましいため、全体的なモーター駆動装置300の動作は、モーター350の速度を検出し、検出された速度が使用者の指示値より速いと、信号生成部340がモーター350に出力する駆動信号Sを調節してモーター350の速度を減少させ、逆に、検出された速度が指示値より遅いと、モーター350の速度を増加させるようになされることができる。
【0030】
速度検出部310は、モーター350の駆動速度を検出するために入力パルス−幅−変調信号IPWMの周波数を用いることができる。即ち、入力パルス−幅−変調信号IPWM周波数検出部330から検出した周波数でモーター350を動作させる駆動信号Sをサンプリングし、このサンプリング結果からモーター350の駆動速度を検出することができる。図1及び図2で説明したようなサンプリング及び速度検出方法が適用されることができる。
【0031】
外部から供給される入力パルス−幅−変調信号IPWMとは別に、信号生成部340がモーター350に供給する駆動信号Sもパルス−幅−変調信号形態に生成されることができる。この場合、モーター350の速度は、駆動信号Sのデューティ値によって決定され、駆動信号Sのデューティ値が増加すると、モーター350の速度が増加し、駆動信号Sのデューティ値が減少すると、モーター350の速度が減少する。
【0032】
モーター350に供給される駆動信号Sがパルス−幅−変調信号形態の場合、速度検出部310がモーター350の駆動速度を検出する方法も駆動信号Sのデューティ値に基づくことができる。即ち、駆動信号Sがターンオン(turn−on)されてハイ(High)値を有するタイミングと、ターンオフ(turn−off)されてロー(Low)値を有するタイミングとの間の比率によってデューティ値が決定されるため、駆動信号Sの周期とハイ(High)値を有するタイミングを用いて駆動信号Sのデューティ値を計算し、これをモーター350の駆動回転数に変換してモーター350の駆動速度を検出することができる。
【0033】
比較部320は、デューティ値計算部322と、回転数生成部324と、比較器326と、を含むことができる。図1及び図2と同様に、比較部320は、入力パルス−幅−変調信号IPWMが入力され、デューティ値計算部322で入力パルス−幅−変調信号IPWMのデューティ値を計算する。デューティ値計算部322は、速度検出部310と同様に、入力パルス−幅−変調信号IPWMの周期とハイ(High)値を有するタイミングから入力パルス−幅−変調信号IPWMのデューティ値を算出することができる。
【0034】
回転数生成部324は、入力パルス−幅−変調信号IPWMのデューティ値に対応するモーター350の回転数を生成する。回転数生成部324は、予めデータ等で設けられた入力パルス−幅−変調信号IPWMのデューティ値とモーター350の回転数との対応関係を参照して入力パルス−幅−変調信号IPWMのデューティ値に対応するモーター350の回転数を読み取るか、又は特定公式により直接演算を行って入力パルス−幅−変調信号IPWMのデューティ値によるモーター350の回転数を生成することができる。
【0035】
比較器326は、回転数生成部324が生成した回転数を速度検出部310が直接検出したモーター350の回転数と比較し、比較結果を信号生成部340に送信する。速度検出部310と回転数生成部324が全てモーター350の回転数形式(format)でデータを伝達すると、比較器326は、単にこれを比較して速度検出部310が検出した回転数が回転数生成部324の出力データより大きいか否かを信号生成部340に伝達する。信号生成部340は、比較器326の比較結果からモーター350の速度を増加させるか減少させるかを決定して駆動信号Sを調節する。
【0036】
図4は、本発明の実施形態によるモーター駆動方法を説明するために提供されるグラフである。図4では、第1の波形410と第2の波形420は、同一の周期及びデューティ値を有する入力パルス−幅−変調信号IPWMを互いに異なる周波数でサンプリングする過程を説明するために提供される。
【0037】
これを参照すると、第1の波形410の場合、入力パルス−幅−変調信号IPWMを第1の周波数でサンプリングし、入力パルス−幅−変調信号IPWMがターンオン(turn−on)される時間の間に第1の周波数で全7回をサンプリングするようになる。これに反し、第2の波形420の場合、入力パルス−幅−変調信号IPWMを第2の周波数でサンプリングし、入力パルス−幅−変調信号IPWMがターンオンされる時間の間に第2の周波数で全5回をサンプリングするようになる。
【0038】
前述したように、本発明の実施形態によるモーター制御回路100、又はモーター駆動装置200、300において入力パルス−幅−変調信号IPWMは、モーター250、350の駆動環境とは関係なく決定される信号であることができ、したがって、モーター250、350の駆動環境が変わっても、それとは独立して一定の周期及びデューティ値を有することができる。これに反し、入力パルス−幅−変調信号IPWMをサンプリングするのに適用される周波数fは、モーター250、350に対する駆動信号Sを生成する信号生成部240、340から検出されるため、モーター250、350の駆動環境に応じて変わることができる。
【0039】
結局、一定の周期とデューティ値を有する入力パルス−幅−変調信号IPWMを、モーター250、350の駆動環境により決定される周波数fでサンプリングすることにより、モーター250、350の駆動環境による回転数及び速度を正確に検出することができる。図4に示されるように、サンプリング回数が減少すると、モーター250、350の回転数が環境的な要因等によって実際に指示される速度より遅くなったと判断し、サンプリング回数が増加すると、モーター250、350の回転数が実際に指示される速度より速くなったと判断する。
【0040】
図5及び図6は、本発明の実施形態によるモーター駆動方法を説明するために提供される流れ図である。以下、図1の実施形態を参照して図5の流れ図を説明するが、図1以外の他の実施形態も適用されることができることは言うまでもない。
【0041】
図5を参照すると、本実施形態によるモーター駆動方法は、内部クロック信号の周波数を検出することから始まる(S500)。内部クロック信号はモーターを駆動するために速度制御部140から供給する駆動信号Sであることができ、周波数検出部110から駆動信号Sの周波数fを検出することができる。
【0042】
内部クロック信号の周波数fが検出されると、入力パルス−幅−変調信号IPWMをサンプリングする(S510)。一例として、サンプリング部120は、入力パルス−幅−変調信号IPWMを受信し、周波数検出部110が検出する内部クロック信号の周波数fを用いて入力パルス−幅−変調信号IPWMをサンプリングすることができる。
【0043】
S510段階のサンプリング結果から、モーターを駆動するための内部クロック信号の速度変化を感知することができる(S520)。演算部130は、サンプリング結果を用いて、入力パルス−幅−変調信号IPWMがターンオンされた時間の間のサンプリング回数が増加すると、モーターの駆動速度も増加したと判断し、入力パルス−幅−変調信号IPWMがターンオフされた時間の間のサンプリング回数が減少すると、モーターの駆動速度も減少したと判断する。
【0044】
S520段階で感知した速度変化から、モーターの回転数を感知する(S530)。前述したように、サンプリング回数が5%減少したと認識すると、モーターに実際に供給される駆動信号Sから計算される理論的な回転数から5%を減少させてモーターの実際の回転数を感知し、逆に、サンプリング回数が5%増加したと認識すると、モーターに実際に供給される駆動信号Sから計算される理論的な回転数から5%を増加させてモーターの実際の回転数を感知することができる。このように感知されたモーターの実際の回転数は、使用者が指示するモーターの動作条件によりモーターが実際に動作するように駆動信号Sを生成するのに用いられることができる。
【0045】
図6は、本発明の実施形態によるモーター駆動方法を説明するために提供される流れ図である。以下、図2の実施形態を参照して図5の流れ図を説明するが、図2以外の他の実施形態も適用されることができることは言うまでもない。
【0046】
図6を参照すると、本実施形態によるモーター駆動方法は、内部クロック信号の周波数を検出することから始まる(S600)。図5の場合と同様に、内部クロック信号はモーターを駆動するために信号生成部240から供給する駆動信号Sであることができ、フィードバック回路230の周波数検出部210から駆動信号Sの周波数fを検出することができる。
【0047】
周波数fが検出されると、入力パルス−幅−変調信号IPWMの一周期間のサンプリング数をカウンティングする(S610)。図4に示すグラフのように、比較部220は、入力パルス−幅−変調信号IPWMがターンオンされた時間の間に周波数fで入力パルス−幅−変調信号IPWMをサンプリングし、その回数をカウンティングすることができる。サンプリング及びその回数のカウンティングが完了すると、カウンティングしたサンプリング回数が増加したか否かを判断する(S620)。サンプリング回数が増加したか否かを判断する段階は、以前の周期と現在の周期とを比較して以前の周期よりサンプリング回数が増加したか減少したかを判断することにより行われることができる。
【0048】
S620段階の判断結果、サンプリング回数が増加したと判断されると、信号生成部240は、この結果を比較部220から受信して内部クロック速度、即ち、駆動信号Sの速度が増加したと感知する(S630)。逆に、サンプリング回数が減少したと判断されると、信号生成部240は、内部クロック速度が減少したと感知する(S640)。
【0049】
信号生成部240は、S630又はS640段階で感知した内部クロック速度、即ち、駆動信号Sの速度変化をモーター250の回転数感知に反映し(S650)、それからモーター250の駆動を制御する(S660)。駆動信号Sの速度変化がモーター250の回転数変化と直結されることができるため、駆動信号Sの速度が増加又は減少した比率だけモーター250の回転数も増加又は減少すると認識して信号生成部240がモーター250に出力する駆動信号Sを制御することにより、温度変化等の外部環境の変化を考慮したモーター250制御方法を具現することができる。
【0050】
上記では、本発明が具体的な構成要素等の特定事項並びに限定された実施形態及び図面によって説明されたが、これは、本発明のより全般的な理解のために提供されるものに過ぎず、本発明が上記実施形態に限定されるものではない。本発明が属する技術分野における通常的な知識を有する者であれば、このような記載から多様な修正及び変形を図ることができる。
【0051】
したがって、本発明の思想は上述した実施形態に限定されるべきではなく、後述する特許請求の範囲と共にこの特許請求の範囲と均等に又は等価的に変形された全てのものは本発明の思想の範囲に属する。
【符号の説明】
【0052】
100 モーター制御回路
200、300 モーター駆動装置
240、340 信号生成部
250、350 モーター
図1
図2
図3
図4
図5
図6