特許第5668948号(P5668948)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5668948
(24)【登録日】2014年12月26日
(45)【発行日】2015年2月12日
(54)【発明の名称】電圧供給装置
(51)【国際特許分類】
   G05F 1/56 20060101AFI20150122BHJP
【FI】
   G05F1/56 310D
   G05F1/56 310W
   G05F1/56 310K
【請求項の数】10
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-34673(P2013-34673)
(22)【出願日】2013年2月25日
(65)【公開番号】特開2014-123335(P2014-123335A)
(43)【公開日】2014年7月3日
【審査請求日】2013年2月26日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0151466
(32)【優先日】2012年12月21日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】リー、スー ウーン
【審査官】 今井 貞雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−268387(JP,A)
【文献】 特開2011−193104(JP,A)
【文献】 特開2001−194643(JP,A)
【文献】 特開2004−274874(JP,A)
【文献】 特開2009−048539(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05F 1/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準電圧を獲得する入力部と、
スイッチング情報に基づいて入力電圧を帰還電圧として出力するスイッチング部と、
前記基準電圧および帰還電圧に基づいて前記スイッチング情報を獲得する演算増幅器と、
前記基準電圧に基づいて制御信号を獲得する制御部と、
前記帰還電圧および前記制御信号に基づいて出力電圧およびヒステリシス情報を獲得する出力部と、
を含む、電圧供給装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記基準電圧および基準値を比較する複数の比較器を含むことを特徴とする、請求項に記載の電圧供給装置。
【請求項3】
前記制御部は、
ピーク検出器およびアナログ−デジタル変換器のうち少なくとも一つを含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の電圧供給装置。
【請求項4】
前記制御信号は、
ヒステリシス調節ビットを含むことを特徴とする、請求項1からの何れか1項に記載の電圧供給装置。
【請求項5】
前記出力部は、
互いに直列に連結された第1ヒステリシス調節部、第1分配部、第2分配部および第2ヒステリシス調節部を含むことを特徴とする、請求項1からの何れか1項に記載の電圧供給装置。
【請求項6】
前記出力部は、
ヒステリシス範囲を調節するヒステリシス調節部を含むことを特徴とする、請求項1からの何れか1項に記載の電圧供給装置。
【請求項7】
前記ヒステリシス調節部は、
前記制御信号に基づいて抵抗値を調節することを特徴とする、請求項に記載の電圧供給装置。
【請求項8】
前記ヒステリシス調節部は、
少なくとも一つの可変抵抗素子を含むことを特徴とする、請求項またはに記載の電圧供給装置。
【請求項9】
前記ヒステリシス調節部は、
互いに直列に連結された抵抗素子およびスイッチング素子を含み、
前記制御信号に基づいてスイッチング素子を制御することを特徴とする、請求項からの何れか1項に記載の電圧供給装置。
【請求項10】
前記演算増幅器は、
レールツーレール方式であることを特徴とする、請求項に記載の電圧供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒステリシス範囲を調節することができる電圧供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なシステムにおいて、共通モード電圧の生成方法は、BGR(Band Gap Reference)を通じて行われる。BGRを用いる場合は、安定した共通モード電圧の出力が可能である。
【0003】
しかし、共通モード電圧が一定の比率で変更されなければならない場合は、BGRを用いて共通モード電圧を出力することができない。
【0004】
また、雑音余裕度(Noise Immunity)特性を向上させる時にヒステリシス(hysteresis)を用いるが、上記ヒステリシスは電源に応じて好適な値に変換される必要である。
【0005】
下記先行技術文献に記載された特許文献1は、出力電圧を可変するためのレギュレーター内蔵半導体装置に関するものであり、可変電圧に応じて一定の比率で変わる共通モード電圧およびヒステリシス情報を出力する方法は開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】日本公開特許第2000−066744号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本明細書は、基準電圧の変化に応じて一定の比率で変わる出力電圧を出力することができる電圧供給装置を提供する。
【0008】
また、本明細書は、基準電圧に応じて出力電圧のヒステリシス範囲を調節することができる電圧供給装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様による電圧供給装置は、基準電圧を獲得する入力部と、上記基準電圧および帰還電圧に基づいてスイッチング情報を獲得する演算増幅器と、上記演算増幅器からのスイッチング情報に基づいて入力電圧を帰還電圧として出力するスイッチング部と、上記基準電圧に基づいて制御信号を獲得する制御部と、上記制御信号に基づいて出力電圧およびヒステリシス情報を出力する出力部と、を含んでもよい。
【0010】
上記制御部は、上記基準電圧および基準値を比較する複数の比較器を含んでもよい。
【0011】
上記制御部は、ピーク検出器およびアナログ−デジタル変換器のうち少なくとも一つを含むんでもよい。
【0012】
上記制御信号は、ヒステリシス調節ビットを含んでもよい。
【0013】
上記出力部は、互いに直列に連結された第1ヒステリシス調節部、第1分配部、第2分配部及び第2ヒステリシス調節部を含んでもよい。
【0014】
上記出力部は、上記ヒステリシス範囲を調節するヒステリシス調節部を含んでもよい。
【0015】
上記ヒステリシス調節部は、上記制御信号に基づいて抵抗値を調節してもよい。
【0016】
上記ヒステリシス調節部は、少なくとも一つの可変抵抗素子を含んでもよい。
【0017】
上記ヒステリシス調節部は、互いに直列に連結された抵抗素子およびスイッチング素子を含み、上記制御信号に基づいてスイッチング素子を制御してもよい。
【0018】
上記演算増幅器は、レールツーレール方式であってもよい。
【0019】
本発明の他の態様による電圧供給装置は、基準電圧を獲得する入力部と、上記基準電圧に基づいて制御信号を獲得する制御部と、上記制御信号に基づいて出力電圧およびヒステリシス情報を獲得する出力部と、を含んでもよい。
【0020】
上記制御部は、上記基準電圧および基準値を比較する複数の比較器を含んでもよい。
【0021】
上記制御部は、ピーク検出器およびアナログ−デジタル変換器のうち少なくとも一つを含んでもよい。
【0022】
上記制御信号は、ヒステリシス調節ビットを含んでもよい。
【0023】
上記出力部は、上記ヒステリシス情報を調節するヒステリシス調節部を含んでもよい。
【0024】
上記ヒステリシス調節部は、上記制御信号に基づいて抵抗値を調節してもよい。
【0025】
上記ヒステリシス調節部は、少なくとも一つの可変抵抗素子を含んでもよい。
【0026】
上記ヒステリシス調節部は、互いに直列に連結された抵抗素子およびスイッチング素子を含み、上記制御信号に基づいてスイッチング素子を制御してもよい。
【発明の効果】
【0027】
本明細書の開示により、基準電圧の変化に応じて一定の比率で変わる出力電圧を出力することができる電圧供給装置を提供することができる。
【0028】
また、本明細書の開示により、基準電圧に応じて出力電圧のヒステリシス範囲を調節することができる電圧供給装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の一実施形態による電圧供給装置を示す図面である。
図2】制御部の一例を示す図面である。
図3】(a)は第1ヒステリシス調節部の一例を示す図面であり、(b)は第2ヒステリシス調節部の一例を示す図面である。
図4】本発明の他の実施形態による電圧供給装置を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状および大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
【0031】
図1は、本発明の一実施形態による電圧供給装置を示す図面である。
【0032】
図1を参照すると、上記電圧供給装置100は、入力部10と、演算増幅器20と、スイッチング部30と、制御部40と、出力部50とを含むことができる。
【0033】
上記入力部10は、基準電圧V1を獲得することができる。上記基準電圧V1は可変することができる。上記入力部は、上記演算増幅器20の一端子に接続されることができる。
【0034】
上記スイッチング部30は、入力電圧V2を帰還電圧V3として出力することができる。例えば、上記スイッチング部30は、PMOSトランジスタで実現されることができる。この時、PMOSトランジスタは、入力電圧V2と連結されるソースと、演算増幅器20と連結されるゲートと、出力部50と連結されるドレインとを有することができる。スイッチング部30の形態はこれに限定されず、様々な形態のスイッチング素子が用いられてもよい。
【0035】
上記演算増幅器20は、基準電圧V1、帰還電圧V3に基づいて、スイッチング情報を獲得することができる。例えば、上記演算増幅器20は、基準電圧V1と帰還電圧V3を比較し、比較した結果をスイッチング部30に出力することができる。
【0036】
一方、上記演算増幅器20は、レールツーレール(Rail to Rail)方式であることが好ましい。
【0037】
上記スイッチング部30は、上記スイッチング情報に応じてスイッチングすることができる。また、上記スイッチング部30は、上記スイッチング情報に基づいて、入力電圧V2を帰還電圧V3として出力することができる。
【0038】
上記制御部40は、上記基準電圧に基づいて制御信号を獲得することができる。
【0039】
上記制御部40の動作については、図2を参照して具体的に説明する。
【0040】
上記出力部50は、上記制御信号に基づいて、出力電圧V4およびヒステリシス情報Vop、Vrpを出力することができる。
【0041】
本発明の一実施形態によると、上記出力部50は、ヒステリシス調節部と、電圧分配部とを含むことができる。
【0042】
上記ヒステリシス調節部は、第1調節部52と、第2調節部54とを含むことができる。上記ヒステリシス調節部は、上記ヒステリシス情報Vop、Vrpを調節することができる。また、上記ヒステリシス調節部は、可変抵抗素子R10、R40によって形成されることができる。
【0043】
上記電圧分配部56、58は、第1分配部56と、第2分配部58とを含むことができる。また、上記電圧分配部は、抵抗素子R20、R30によって形成されることができる。
【0044】
図1を参照すると、上記第1調節部52、上記第1分配部56、上記第2分配部58、第2調節部58は、直列に連結されることができる。
【0045】
本発明の一実施形態によると、演算増幅器20およびスイッチング部30の動作により、上記出力部50には基準電圧V1がかかることができる。
【0046】
一方、上記第1調節部52、上記第2調節部54、上記第1分配部56、上記第2分配部58によって、出力電圧V4が決定されることができる。また、上記第1調節部52、上記第2調節部54、上記第1分配部56、上記第2分配部58によって、ヒステリシス情報が決定されることができる。
【0047】
また、上記第1調節部52と上記第1分配部56の連結端子にかかる電圧Vopを第1ヒステリシス情報と定義することができる。
【0048】
また、上記第2分配部58と上記第2調節部54の連結端子にかかる電圧を第2ヒステリシス情報Vrpと定義することができる。
【0049】
また、上記第1分配部56と上記第2分配部58の連結端子にかかる電圧を出力電圧と定義することができる。
【0050】
例えば、第1調節部52と第1分配部56の抵抗値の和が第2調節部54と第2分配部58の抵抗値の和と等しい場合、出力電圧はV1/2となることができる。また、本発明の一実施形態によると、第1調節部52の抵抗値と第2調節部54の抵抗値が等しくてもよい。また、第1分配部56と第2分配部58の抵抗値が等しくてもよい。
【0051】
すなわち、このような方式により、基準電圧の変化に比例した出力電圧を発生させることができ、出力電圧値を正確に調節することができる。
【0052】
ヒステリシスは、ノイズ(Noise)により堅固な設計をするために用いるものであり、入力信号または雑音が大きい場合は、ヒステリシス範囲を増加させることが好ましい。また、相対的に入力信号または雑音が小さい場合は、ヒステリシス範囲を減少させることが好ましい。
【0053】
図2は、制御部の一例を示す図面である。
【0054】
ヒステリシス範囲を調節するために、上記制御部40は、基準電圧に基づいて制御信号を獲得することができる。例えば、上記制御信号は、ヒステリシス調節ビットであってもよい。
【0055】
本発明の一実施形態によると、各ヒステリシス調節部は、並列に連結された複数のスイッチング素子と、各スイッチング素子に直列に連結された抵抗素子とからなることができる。また、上記制御部40は、上記ヒステリシス調節部に含まれた各スイッチング素子に対する制御ビットを生成することができる。上記制御ビットは、ヒステリシス調節ビットと通称することができる。
【0056】
また、上記制御部40は、基準電圧および所定の基準値の入力を受けて、ヒステリシス調節ビットを出力する複数の比較器を含むことができる。
【0057】
一方、上記制御部40は、ピーク検出器(Peak Detector)またはアナログ−デジタル変換器(ADC)を含むことができる。基準電圧が交流電圧である場合、上記ピーク検出器(Peak Detector)またはアナログ−デジタル変換器(ADC)は、交流電圧を特定値に変換することができる。
【0058】
本実施形態では、各ヒステリシス調節部52、54が4個のスイッチング素子と各スイッチング素子に直列に連結された抵抗素子とからなる場合を仮定する。また、上記制御部40は、各ヒステリシス調節部52、54に対するヒステリシス調節ビットを生成する場合を仮定する。
【0059】
図2を参照すると、上記制御部40は、第1比較器41と、第2比較器42と、第3比較器43と、第4比較器44とを含むことができる。
【0060】
上記第1比較器41の一入力端子は、基準電圧の入力を受けることができる。また、上記第1比較器41の他の入力端子は、第1基準値Ref1の入力を受けることができる。上記第1比較器41は、基準電圧が第1基準値より大きい場合に、ヒステリシス調節ビットC1を1として出力することができる。また、上記第1比較器41は、基準電圧が第1基準値より小さい場合に、ヒステリシス調節ビットC1を0として出力することができる。
【0061】
上記第1比較器41から出力されるヒステリシス調節ビットC1は、ヒステリシス調節部に含まれた一スイッチのスイッチングを制御することができる。
【0062】
上記第2比較器42の一入力端子は、基準電圧の入力を受けることができる。また、上記第2比較器42の他の入力端子は、第2基準値Ref2の入力を受けることができる。上記第2比較器42は、基準電圧が第2基準値より大きい場合に、ヒステリシス調節ビットC2を1として出力することができる。また、上記第2比較器42は、基準電圧が第2基準値より小さい場合に、ヒステリシス調節ビットC2を0として出力することができる。
【0063】
上記第2比較器42から出力されるヒステリシス調節ビットC2は、ヒステリシス調節部に含まれた一スイッチのスイッチングを制御することができる。
【0064】
上記第3比較器43、上記第4比較器44も上記第1比較器41または上記第2比較器42と同様に動作することができるので、具体的な説明は省略する。
【0065】
一方、基準電圧のレベルが0〜5Vであり、第1基準値は1V、第2基準値は2V、第3基準値は3V、第4基準値は4Vである場合を仮定して、ヒステリシス調節ビットの出力例を調べてみる。
【0066】
表1は、基準電圧のレベルに応じたヒステリシス調節ビットを示すものである。
【0067】
【表1】
【0068】
ここで、C1、C2、C3、C4からなるヒステリシス調節ビットにより、ヒステリシス調節部のスイッチング素子がスイッチングされることができる。
【0069】
上記制御部40は、基準電圧のレベルに応じて、複数のヒステリシス調節ビットを出力することができる。ここでは、上記制御部40が基準電圧のレベルに応じて5種類のヒステリシス調節ビットNo.1、No.2、No.3、No.4、No.5を出力することができる。また、上記ヒステリシス調節ビットにより、ヒステリシス調節部内の少なくとも一つのスイッチング素子がスイッチングされることができる。
【0070】
図3は、ヒステリシス調節部の一例を示す図面である。
【0071】
図3の(a)は、上記第1ヒステリシス調節部52の一例を示す図面である。
【0072】
図3の(b)は、上記第2ヒステリシス調節部54の一例を示す図面である。
【0073】
図3を参照すると、各ヒステリシス調節部は、並列に連結された複数のスイッチング素子と、各スイッチング素子に直列に連結された抵抗素子とを含むことができる。上記ヒステリシス調節部は、上記制御部40の制御信号に基づいてヒステリシス情報を出力することができる。例えば、上記ヒステリシス調節部は、ヒステリシスの上限と下限に対する情報を出力することができる。
【0074】
本実施形態では、各ヒステリシス調節部52、54が4個のスイッチング素子と各スイッチング素子に直列に連結された抵抗素子とからなる場合を仮定する。また、上記ヒステリシス調節部52、54を制御する制御信号は、表1に説明されたヒステリシス制御ビットである場合を仮定して説明する。
【0075】
図3の(a)を参照すると、上記第1ヒステリシス調節部52は、並列に連結された複数のスイッチング素子S1、S2、S3、S4と、各スイッチング素子S1、S2、S3、S4に直列に連結された抵抗素子R1、R2、R3、R4とからなることができる。
【0076】
一方、上記抵抗素子の各抵抗値は相違してもよい。例えば、R1=R(Ω)、R2=2R(Ω)、R3=3R(Ω)、R4=4R(Ω)に設定することができる。すなわち、R1の抵抗値が最も小さく、R4の抵抗値が最も大きくてもよい。
【0077】
図3の(b)を参照すると、上記第2ヒステリシス調節部54は、並列に連結された複数のスイッチング素子S5、S6、S7、S8と、各スイッチング素子S5、S6、S7、S8に直列に連結された抵抗素子R5、R6、R7、R8とからなることができる。
【0078】
一方、上記抵抗素子の各抵抗値は相違してもよい。例えば、R5=R(Ω)、R6=2R(Ω)、R7=3R(Ω)、R8=4R(Ω)に設定することができる。すなわち、R5の抵抗値が最も小さく、R8の抵抗値が最も大きくてもよい。
【0079】
表1を参照すると、ヒステリシス調節ビット値が最も小さい場合、入力電圧が最も小さい範囲であることを確認することができる。よって、ヒステリシス調節ビット値が小さい場合は、ヒステリシス範囲が減ることが好ましい。よって、この場合、上記第1ヒステリシス調節部52、上記第2ヒステリシス調節部54の抵抗値が大きいことが好ましい。
【0080】
したがって、上記第1ヒステリシス調節部52においては、抵抗値が最も大きい抵抗素子R4が選択されなければならず、上記第2ヒステリシス調節部54においても抵抗値が最も大きい抵抗素子R8が選択されることが好ましい。
【0081】
図3を参照すると、スイッチング素子S4はPMOSトランジスタであり、スイッチング素子S8はNMOSトランジスタからなる場合、スイッチング素子S4にはロー(low)信号が印加され、スイッチング素子S8にはハイ(high)信号が印加されることができる。
【0082】
一方、上記スイッチング素子S1〜S8の形態はこれに限定されず、様々な形態のスイッチング素子が用いられてもよい。
【0083】
また、表1を参照すると、ヒステリシス調節ビット値が最も大きい場合、入力電圧が最も大きい範囲であることを確認することができる。よって、ヒステリシス調節ビット値が大きい場合は、ヒステリシス範囲が広くなることが好ましい。よって、この場合、上記第1ヒステリシス調節部52、上記第2ヒステリシス調節部54の抵抗値が小さいことが好ましい。
【0084】
したがって、上記第1ヒステリシス調節部52においては、抵抗値が最も小さい抵抗素子R1が選択されなければならず、上記第2ヒステリシス調節部54においても抵抗値が最も小さい抵抗素子R5が選択されることが好ましい。
【0085】
図3を参照すると、スイッチング素子S4はPMOSトランジスタであり、スイッチング素子S8はNMOSトランジスタからなる場合、スイッチング素子S1にはロー(low)信号が印加され、スイッチング素子S5にはハイ(high)信号が印加されることができる。
【0086】
同様な方式により、第1ヒステリシス調節部52において一抵抗素子R2が選択され、第2ヒステリシス調節部54において一抵抗素子R6が選択されることができる。または、第1ヒステリシス調節部52において一抵抗素子R3が選択され、第2ヒステリシス調節部54において一抵抗素子R7が選択されることができる。
【0087】
上記方式により、第1ヒステリシス調節部52、第2ヒステリシス調節部54の全体抵抗が調節されることができる。
【0088】
上記第1ヒステリシス調節部52、上記第2ヒステリシス調節部54の抵抗が調節されることにより、第1ヒステリシス情報Vop、第2ヒステリシス情報Vrpが調節されることができる。
【0089】
例えば、上記第1ヒステリシス調節部52および上記第2ヒステリシス調節部54の抵抗が小さくなる場合、上記第1ヒステリシス情報Vop(例えば、ヒステリシスの上限値)と上記第2ヒステリシス情報Vrp(例えば、ヒステリシスの下限値)との間の差が大きくなって、ヒステリシス範囲が広くなることができる。
【0090】
また、上記第1ヒステリシス調節部52および上記第2ヒステリシス調節部54の抵抗が大きくなる場合、上記第1ヒステリシス情報Vop(例えば、ヒステリシスの上限値)と上記第2ヒステリシス情報Vrp(例えば、ヒステリシスの下限値)との間の差が減って、ヒステリシス範囲が狭くなることができる。
【0091】
基準電圧が増加する場合、ヒステリシス範囲は広くなることが好ましい。また、基準電圧が減少する場合、ヒステリシス範囲は狭くなることが好ましい。
【0092】
本発明の一実施形態によると、基準電圧が増加する場合、上記制御部40、第1ヒステリシス調節部52、第2ヒステリシス調節部54によって、ヒステリシス範囲は広くなることができる。
【0093】
また、基準電圧が減少する場合、上記制御部40、第1ヒステリシス調節部52、第2ヒステリシス調節部54によって、ヒステリシス範囲は狭くなることができる。
【0094】
すなわち、図2図3、表1を参照すると、基準電圧が最も小さい範囲のレベルに該当する場合(No.1)、これに応じたヒステリシス調節ビットにより、第1ヒステリシス調節部52、第2ヒステリシス調節部54の抵抗は最も大きい値を有する。よって、上記ヒステリシス範囲は最も狭くなることができる。また、基準電圧が最も大きい範囲のレベルに該当する場合(No.5)、これに応じたヒステリシス調節ビットにより、第1ヒステリシス調節部52、第2ヒステリシス調節部54の抵抗は最も小さい値を有する。よって、上記ヒステリシス範囲は最も広くなることができる。
【0095】
したがって、本発明の一実施形態によると、基準電圧に応じてヒステリシス範囲が適切に調節されることができる。また、本発明の一実施形態によると、雑音余裕度(Noise Immunity)特性が向上した出力電圧供給装置が提供されることができる。
【0096】
図4は、本発明の他の実施形態による電圧供給装置を示す図面である。
【0097】
図4を参照すると、上記出力部50は、ヒステリシス調節部と、電圧分配部とを含むことができる。
【0098】
上記ヒステリシス調節部は、第1調節部52と、第2調節部54とを含むことができる。上記ヒステリシス調節部は、上記ヒステリシス情報Vop、Vrpを調節することができる。また、上記ヒステリシス調節部は、可変抵抗素子R10、R40によって形成されることができる。
【0099】
上記電圧分配部56、58は、第1分配部56と、第2分配部58とを含むことができる。また、上記電圧分配部は、抵抗素子R20、R30によって形成されることができる。
【0100】
図4を参照すると、上記第1分配部56、上記第1調節部52、上記第2調節部54、第2分配部58の順に各構成が直列に連結されることができる。
【0101】
この場合、上記第1ヒステリシス調節部52および上記第2ヒステリシス調節部54の抵抗が大きくなる場合、上記第1ヒステリシス情報Vop(例えば、ヒステリシスの上限値)と上記第2ヒステリシス情報Vrp(例えば、ヒステリシスの下限値)との間の差が大きくなって、ヒステリシス範囲が広くなることができる。
【0102】
したがって、本実施形態では、ヒステリシス範囲を広げなければならない場合、上記第1ヒステリシス調節部52、上記第2ヒステリシス調節部54の抵抗値が大きくなるように、上記図2および図3で説明した制御部、ヒステリシス調節部を適切に変形して用いることができる。
【0103】
また、上記第1ヒステリシス調節部52および上記第2ヒステリシス調節部54の抵抗が小さくなる場合、上記第1ヒステリシス情報Vop(例えば、ヒステリシスの上限値)と上記第2ヒステリシス情報Vrp(例えば、ヒステリシスの下限値)との間の差が減って、ヒステリシス範囲が狭くなることができる。
【0104】
したがって、本実施形態では、ヒステリシス範囲を減らさなければならない場合、上記第1ヒステリシス調節部52、上記第2ヒステリシス調節部54の抵抗値が小さくなるように、上記図2および図3で説明した制御部、ヒステリシス調節部を適切に変形して用いることができる。
【0105】
その他の構成については上述した方式が同様に適用されるので、ここでは具体的な説明を省略する。
【0106】
上述した本発明の実施形態による方法は、互いに個別的にまたは組み合わせて用いられることができる。また、各実施形態を構成するステップは、他の実施形態を構成するステップとは個別的にまたは組合わせて用いられることができる。
【0107】
また、以上で説明した方法は、例えば、ソフトウェア、ハードウェアまたはこれらの組み合わせたものを用いて、コンピュータまたはこれと類似する装置で読み取り可能な記録媒体内において実現されてもよい。
【0108】
ハードウェア的には、今まで説明した方法は、ASICs(application specific integrated circuits)、DSPs(digital signal processors)、DSPDs(digital signal processing devices)、PLDs(programmable logic devices)、FPGAs(field programmable gate arrays)、プロセッサ(processors)、コントローラー(controllers)、マイクロコントローラー(micro−controllers)、マイクロプロセッサ(microprocessors)、その他の機能を行うための電気的なユニットのうち少なくとも一つを用いて実現されてもよい。
【0109】
ソフトウェア的には、本明細書で説明する手続きおよび機能は、別のソフトウェアモジュールで実現されてもよい。上記ソフトウェアモジュールを適切なプログラム言語で書き込まれたソフトウェアコードで実現されてもよい。上記ソフトウェアコードは格納部に格納されてもよく、プロセッサによって実行されてもよい。
【0110】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で様々な修正および変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。
【符号の説明】
【0111】
10 入力部
20 演算増幅器
30 スイッチング部
40 制御部
50 出力部
図1
図2
図3
図4