特許第5668980号(P5668980)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5668980
(24)【登録日】2014年12月26日
(45)【発行日】2015年2月12日
(54)【発明の名称】発光装置
(51)【国際特許分類】
   F21V 13/12 20060101AFI20150122BHJP
   F21V 7/08 20060101ALI20150122BHJP
   F21Y 101/02 20060101ALN20150122BHJP
【FI】
   F21V13/12 300
   F21V7/08 200
   F21V7/08 100
   F21Y101:02
【請求項の数】8
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2011-62048(P2011-62048)
(22)【出願日】2011年3月22日
(65)【公開番号】特開2012-199055(P2012-199055A)
(43)【公開日】2012年10月18日
【審査請求日】2014年3月20日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】308034095
【氏名又は名称】株式会社オプティックス
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】庄野 裕夫
【審査官】 林 政道
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−060313(JP,A)
【文献】 特表平01−503751(JP,A)
【文献】 特開2006−295810(JP,A)
【文献】 特開2007−013913(JP,A)
【文献】 特開2010−161033(JP,A)
【文献】 特開2007−193287(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 13/12
F21V 7/08
F21S 2/00−19/00
H04N 1/04
F21Y 101/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受光対象物を光線で照明する発光装置であって、
断面形状が楕円形の一部からなり、前記楕円形の長軸方向の一端が部分的に開口し、前記楕円形の内側に光線を反射する反射面を有する反射部材と、
前記反射部材の前記長軸方向の他端近傍に位置し、発光面から光線を出射する面光源と、
を有し、
前記反射部材は前記長軸方向において前記面光源側に傾斜し、
前記面光源の前記発光面が前記反射面に対向するとともに前記受光対象物と対向する方向に傾斜し、
前記面光源から出射された光線を前記反射面で反射させて前記開口から出射させることにより集光させた光線で前記受光対象物を照明する発光装置
【請求項2】
前記反射部材は、前記反射面が前記長軸方向と短軸方向とに略直交する方向に直線状に連続しており、
複数の前記面光源が、前記反射面の連続方向に配列されている請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記反射部材は、相対する一対からなり、
複数の前記面光源が、相対する一対の前記反射面の各々の連続方向に配列されている請求項2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記反射部材は、複数の前記反射面が前記長軸方向と短軸方向とに略直交する方向に多角形状に連続しており、
複数の前記面光源が、複数の前記反射面と個々に対向する位置に配置されている請求項1に記載の発光装置。
【請求項5】
前記反射部材は、前記反射面が前記長軸方向と短軸方向とに略直交する方向に円形に連続しており、
複数の前記面光源が、前記反射面と対向する円形に配置されている請求項1に記載の発光装置。
【請求項6】
前記受光対象物を中心に略短軸方向に複数の前記反射部材と複数の前記面光源とが配置されている請求項1ないし5の何れか一項に記載の発光装置。
【請求項7】
前記受光対象物を中心に前記略短軸方向に複数の前記反射部材と複数の前記面光源とが配置されている構造が同心円状である請求項4ないしの何れか一項に記載の受光装置。
【請求項8】
前記反射部材を前記長軸方向の他端が前記面光源側に傾斜した状態に配置する第一支持部材と、
前記面光源を前記発光面が前記反射面に対向するとともに前記受光対象物と対向する方向に傾斜した状態に配置する第二支持部材と、
前記面光源から出射されて前記反射面で反射された前記光線が集光される位置に前記受光対象物を配置する対象配置機構と、をさらに有する請求項1ないし7の何れか一項に記載の発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、面光源の発光面から拡散されて出射される光線を集光させる発光装置に関し、特に、複数のLED(Light Emitting Diode)セルがマトリクス状に配列されているマトリクスLEDを面光源とする発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光源から出射した光線を利用して、ある面を照射する発光装置が開発されている。一般に、発光装置は、レンズ系、反射鏡系、または、それらの組み合わせにより構成される。このような発光装置において、点状または線状の領域に光線を集光させることが要求されることがある。
【0003】
例えば、紫外線で硬化するインクで画像を印刷する現場では、紫外線で硬化するインクで画像が形成された用紙の表面に、紫外線を線状に集光させてスキャニングすることが要求されている。
【0004】
特許文献1には、楕円形状の楕円反射板と、楕円反射板の内部空間に配置された光源ランプと、上端から下端に向けて全体として縮径する形状を有する略筒状体を有するダウンライトが記載されている。略筒状体は、補助反射板と、補助反射板の下端から下方に向けて縮径するグレア防止部を備えている。
【0005】
特許文献1では、該略筒状体を上端から下端に向けて縮径する形状とすることにより、光源ランプから補助反射板に到達した光は光源ランプに向けて反射される。これにより、反射された光が光源ランプのフィラメントに当たることによって、フィラメントが加熱され、光源ランプの発光効率を高めている。
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載されたようなダウンライトは、室内空間などの限定された範囲を照射することを目的としており、光が直接目に入らないように設計されているが、そもそも、その照射範囲は光源の大きさを無視できるような広い範囲である。一方、光源の集光効率を改善する技術として、特許文献2および3に記載のものがある。
【0007】
特許文献2では、複数の発光素子と、発光素子の光を透過して直進する平行光と斜め方向へ進む平行光とに分割する複合レンズ形状の封止部と、斜め平行光を直進平行光へ変換する反射および屈折面を持つコリメータレンズから構成されたレンズ系が開示されている。
【0008】
特許文献3では、発光源と、発光源の前方に整光カバー、反射カバー、焦点の調整可能なレンズを配置したLED発光装置が記載されている。整光カバーおよび反射カバーは、発光源の前方に向かって広がっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2008−016417号公報
【特許文献2】特開2007−200730号公報
【特許文献3】特開2008−016341号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
通常、封止体やコリメータレンズといったレンズ系を小型化した場合、レンズ系のサイズと、光源の発光面のサイズとの比が重要になる。すなわち、レンズ系のサイズに対し、光源の発光面のサイズがごく小さい場合は、精度のよい平行光を得ることができる。これに対し、レンズ系のサイズに対し、光源の発光面のサイズが大きい場合は、発散光となる。
【0011】
したがって、特許文献2に記載されたような複数のLEDを用いた場合、封止体やコリメータレンズといったレンズ系に対して発光面となるLEDのチップサイズが大きくなってしまう。
【0012】
そのため、特許文献2に記載された技術では、発散光が得られることとなる。したがって、照射領域を所望の形状とする光を得ることができなかった。それとともに、LED光源による輝度むらおよび色度むらが改善できないといった問題があった。
【0013】
また、特許文献3に記載の光学系においては、整光カバー側面から反射した光線と反射せずに直接到達する光線が、レンズの入光面の同点状へ入光することになり、両光線を同一方向の平行光へ屈折させることはできない。
【0014】
すなわち、レンズに対して、ほぼ光軸上に存在する直接のLEDと整光カバー側面で反射したLEDの虚像が光軸から外れた場所に存在する光学系となり、一本の平行ビームとはなりえず、照明面に至る照明光は、回転対象ではあるが不均一な広がった照度分布を持つことになり、均一な照明を行うことは困難となる。したがって、いずれの特許文献に記載の技術においても、面光源の発光面から拡散されて出射される光線を点状または線状の領域に集光させることは困難である。
【0015】
本発明は上述のような課題に鑑みてなされたものであり、面光源の発光面から拡散されて出射される光線を点状または線状の領域に集光させることができる発光装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の発光装置は、受光対象物を集光された光線で照明する発光装置であって、光線を拡散して出射する面光源と、断面形状が略楕円形の一部からなり長軸方向の一端近傍に面光源が位置するとともに他端が部分的に開口して光線を出射する反射面を有する反射部材と、反射部材を長軸方向の他端が面光源側に傾斜した状態に配置する第一支持部材と、面光源を発光面が反射面に対向するとともに受光対象物と対向する方向に傾斜した状態に配置する第二支持部材と、を有する。
【0017】
従って、本発明の発光装置では、面光源の発光面から拡散されて出射される光線が、反射部材の反射面で反射されて長軸方向の他端の開口から出射される。ただし、この反射面は断面形状が略楕円形の一部からなり長軸方向の他端が面光源側に傾斜した状態に第一支持部材で配置されており、面光源は発光面が反射面に対向するとともに受光対象物と対向する方向に傾斜した状態に第二支持部材で配置されている。このため、面光源から出射されて反射面で反射された光線を、点状や線状などに集光することができる。
【0018】
なお、本発明の各種の構成要素は、必ずしも個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等でもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明の発光装置では、反射面は断面形状が略楕円形の一部からなり長軸方向の他端が面光源側に傾斜した状態に第一支持部材で配置されており、面光源は発光面が反射面に対向するとともに受光対象物と対向する方向に傾斜した状態に第二支持部材で配置されている。このため、面光源から出射されて反射面で反射された光線を、点状や線状などに集光することができる。従って、紫外線で硬化するインクに光線を集中して照射し、短時間に硬化させることなどができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施の形態の発光装置の構造を示す模式的な縦断正面図である。
図2】発光装置の組立構造を示す模式的な分解斜視図である。
図3】面光源であるマトリクスLEDの外観を示す斜視図である。
図4】一の変形例の発光装置の構造を示す模式的な縦断正面図である。
図5】他の変形例の発光装置の構造を示す模式的な縦断正面図である。
図6】さらに他の変形例の発光装置の構造を示す模式的な縦断正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施の一形態を図面を参照して以下に説明する。本実施の形態の発光装置100は、受光対象物(図示せず)を集光された光線RLで照明する発光装置100であって、図1および図2に示すように、光線RLを拡散して出射する面光源110と、断面形状が楕円形の一部からなり長軸方向LDの一端近傍に面光源110が位置するとともに他端が部分的に開口して光線RLを出射する反射面121を有する反射部材120と、反射部材120を長軸方向LDが面光源110側に傾斜した状態に配置する第一支持部材130と、面光源110を発光面が反射面121に対向するとともに受光対象物と対向する方向に傾斜した状態に配置する第二支持部材140と、を有する。
【0022】
より具体的には、面光源110は、図3に示すように、複数である四個のLEDセル111がマトリクス状に配列されているマトリクスLEDからなる。反射部材120は、光線RLを出射するために他端である上端が部分的に開口されている。
【0023】
そして、反射部材120は、図2に示すように、反射面121が長軸方向LDと短軸方向SDとに略直交する方向に直線状に連続しており、その一端である下端近傍に、複数の面光源110が、反射面121の連続方向に配列されている。
【0024】
本実施の形態の発光装置100では、反射部材120は、左右方向に相対する一対からなり、複数の面光源110が、相対する一対の反射面121の各々の連続方向に配列されている。
【0025】
上述のような反射部材120は、例えば、表面の反射率が高いステンレスやアルミニウムの薄板などで形成することができる。なお、反射部材120の反射面121の表面は、金属膜または誘電体多層膜などの反射膜で覆われていてもよい。これにより、反射効率を高くできる。金属膜としては、例えば、銀、アルミニウム、などが挙げられる。
【0026】
誘電体多層膜は、例えば、酸化チタン、酸化タリウム、酸化シリコン、フッ化マグネシウム、などがあげられる。また、金属膜または反射膜は、反射面121の全面に形成されていなくてもよく、一部または非連続的に形成されていてもよい。
【0027】
さらに、金属膜の上に保護膜を設けてもよい。これにより、金属膜を外気や水分などから保護できる。保護膜としては、例えば、シリコン酸化膜、シリコンと酸化チタンの多層増反射膜、などが挙げられる。
【0028】
第一支持部材130は、本体端面部材131や反射支持板132などからなり、図1に示すように、反射部材120を長軸方向LDが面光源110側に傾斜した状態として、長軸方向LDが水平線HLから内側に86°に傾斜した状態に配置する。
【0029】
第二支持部材140は、図2に示すように、装置本体141の上部中央の三角形状の突起部分からなり、図1に示すように、面光源110を発光面が反射面121に対向するとともに受光対象物と対向する方向に傾斜した状態として、水平線HLから発光面が66°などに傾斜した状態に配置する。第二支持部材140は、マトリクスLEDからなる複数の面光源110を駆動するドライバ回路や、冷却する冷却機構(図示せず)が内蔵されている。
【0030】
上述のような構成において、本実施の形態の発光装置100では、面光源110の発光面から拡散されて出射される光線RLが、反射部材120の反射面121で反射されて長軸方向LDの他端の開口から出射される。
【0031】
ただし、この反射面121は断面形状が楕円形の一部からなり長軸方向LDが面光源110側に傾斜した状態に第一支持部材130で配置されており、面光源110は発光面が反射面121に対向するとともに受光対象物と対向する方向に傾斜した状態に第二支持部材140で配置されている。
【0032】
このため、面光源110から出射されて反射面121で反射された光線RLを、点状や線状などに集光することができる。従って、紫外線で硬化するインク(図示せず)に光線RLを集中して照射し、短時間に硬化させることなどができる。
【0033】
さらに、マトリクスLED110の出射光は、ある程度の輝度分布および色度分布を持っている。しかし、本実施の形態の発光装置100では、反射面121で反射した光が、様々な方向から出射部に到達し、これらの光が混合した光を出射する。
【0034】
このため、集光部における輝度分布および色度分布は、様々な方向から到達した光の輝度分布および色度分布が重畳したものとなる。これにより、集光される光線RLの輝度分布および色度分布の均一化が図れる。
【0035】
なお、本発明者は実際に上述のような発光装置100をシミュレートした。そのシミュレーションでは、反射面121の短軸を22mm、長軸を45mmとした。前述のように反射面121は長軸方向LDが水平線HLから内側に70°に傾斜した状態に配置し、面光源110は発光面が水平線HLから発光面が66°などに傾斜した状態に配置した。
【0036】
面光源110としては、その内部に四個のLEDセル111が2×2のマトリクス状に設置されている、紫外線LED(日亜化学工業株式会社製NC−4U−134)を想定した。
【0037】
マトリクスLED110から拡散されて出射される光線RLは大部分が一度だけ反射面121で反射されて線状に集光されることが確認された。その集光位置での出力は4W以上となり、紫外線硬化インクを高速に硬化させられることが確認された。
【0038】
[実施例]
なお、本発明者が実際に上述のような発光装置100を試作して確認したところ、反射部材120と面光源110との相対位置の誤差が性能に大幅に影響することが確認された。
【0039】
反射部材120と面光源110との相対位置の誤差の原因と見込まれる誤差としては、
1.面光源110のハウジングと、その内部のLED素子との位置関係誤差=±0.2mm
2.面光源110のハウジングのサイズ誤差=±0.2mm
3.面光源110の基板(図示せず)への半田付け誤差=±0.1mm
4.面光源110の基板の半田ランドの位置誤差=±0.1mm
5.第一支持部材130と第二支持部材140との組立誤差=±0.1mm
6.第一支持部材130と反射部材120との組立誤差=±0.1mm
が想定される。
【0040】
上記の各種誤差の二乗平均根の誤差は、
誤差=√(0.2+0.2+0.1+0.1+0.1+0.1)=0.35
となり、±0.35mmの誤差が発生する可能性があり、これは許容できない。
【0041】
そこで、反射部材120と面光源110との相対位置を0.35mm以上、例えば、0.5mmほど調整できる機構を発光装置100に搭載する必要がある。例えば、面光源110と第二支持部材140との間にスプリングを配置し、面光源110を外周部の複数位置で第二支持部材140にビス止めすることにより、このビスで面光源110の方向を第二支持部材140に対して変位自在とする(図示せず)。
【0042】
また、面光源110と第二支持部材140との間に楔状のスペーサを圧入できる構造とする(図示せず)。第一支持部材130や第二支持部材140をマイクロメータヘッドで可動できるように支持する(図示せず)。上述のような構造とすることで、反射部材120と面光源110との相対位置の誤差を補正することができる。
【0043】
なお、本発明は本実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で各種の変形を許容する。例えば、上記形態では反射部材120は、左右方向に相対する一対からなり、複数の面光源110が、相対する一対の反射面121の各々の連続方向に配列されていることを例示した。
【0044】
しかし、図4に示すように、反射部材120が一個しかなく、その下端近傍に面光源110が対向されていてもよい。また、図5に示すように、受光対象物を中心に略短軸方向SDに複数の反射部材220と複数の面光源110とが第一支持部材と第二支持部材とで配置されていてもよい。この場合、線状に集光される光線RLの輝度を向上させることができる。
【0045】
さらに、上述のように受光対象物を中心に略短軸方向SDに複数の反射部材220と複数の面光源110とが第一支持部材と第二支持部材とで配置されている構造が、同心円状に配列されていてもよい。
【0046】
さらに、上記形態では反射部材120は、図2に示すように、反射面121が長軸方向LDと短軸方向SDとに略直交する方向に直線状に連続しており、その一端である下端近傍に、複数の面光源110が、反射面121の連続方向に配列されていることを例示した。
【0047】
しかし、図6に示すように、反射部材220が、反射面221が長軸方向LDと短軸方向SDとに略直交する方向に円形に連続しており、複数の面光源110が、反射面221と対向する円形に配置されていてもよい。この場合、複数の面光源110から出射された光線RLが点状に集中するので、この点状に光線RLを高輝度に集光させることができる。
【0048】
また、反射部材は、複数の反射面が長軸方向LDと短軸方向SDとに略直交する方向に多角形状に連続しており、複数の面光源110が、複数の反射面と個々に対向する位置に配置されていてもよい。この場合も、複数の面光源110から出射された光線RLが点状に集中するので、この点状に光線RLを高輝度に集光させることができる。
【0049】
さらに、上記形態では断面形状が楕円形の一部からなる反射面121を有する反射部材120を例示した。しかし、反射面が完全に楕円形でなくともよく、楕円形から微妙に変形させた形状でもよい(図示せず)。
【0050】
なお、当然ながら、上述した実施の形態および複数の変形例は、その内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。また、上述した実施の形態および変形例では、各部の構造などを具体的に説明したが、その構造などは本願発明を満足する範囲で各種に変更することができる。
以下、参考形態の例を付記する。
<1>
受光対象物を集光された光線で照明する発光装置であって、
前記光線を拡散して出射する面光源と、
断面形状が略楕円形の一部からなり長軸方向の一端近傍に前記面光源が位置するとともに他端が部分的に開口して前記光線を出射する反射面を有する反射部材と、
前記反射部材を前記長軸方向の他端が前記面光源側に傾斜した状態に配置する第一支持部材と、
前記面光源を発光面が前記反射面に対向するとともに前記受光対象物と対向する方向に傾斜した状態に配置する第二支持部材と、
を有する発光装置。
<2>
前記面光源は、複数のLED(Light Emitting Diode)セルがマトリクス状に配列されているマトリクスLEDからなる<1>記載の発光装置。
<3>
前記反射部材は、前記反射面が前記長軸方向と短軸方向とに略直交する方向に直線状に連続しており、
複数の前記面光源が、前記反射面の連続方向に配列されている<1>または<2>に記載の発光装置。
<4>
前記反射部材は、相対する一対からなり、
複数の前記面光源が、相対する一対の前記反射面の各々の連続方向に配列されている<3>に記載の発光装置。
<5>
前記反射部材は、複数の前記反射面が前記長軸方向と短軸方向とに略直交する方向に多角形状に連続しており、
複数の前記面光源が、複数の前記反射面と個々に対向する位置に配置されている<1>または<2>に記載の発光装置。
<6>
前記反射部材は、前記反射面が前記長軸方向と短軸方向とに略直交する方向に円形に連続しており、
複数の前記面光源が、前記反射面と対向する円形に配置されている<1>または<2>に記載の発光装置。
<7>
前記受光対象物を中心に略短軸方向に複数の前記反射部材と複数の前記面光源とが前記第一支持部材と前記第二支持部材とで配置されている<1>ないし<6>の何れか一項に記載の発光装置。
<8>
前記面光源から出射されて前記反射面で反射された前記光線が集光される位置に前記受光対象物を配置する対象配置機構を、さらに有する<1>ないし<7>の何れか一項に記載の発光装置。

【符号の説明】
【0051】
100 発光装置
110 面光源
111 LEDセル
120 反射部材
121 反射面
130 第一支持部材
131 本体端面部材
132 反射支持板
140 第二支持部材
141 装置本体
220 反射部材
221 反射面
HL 水平線
LD 長軸方向
RL 光線
SD 短軸方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6