【実施例1】
【0029】
図1(イ)および(ロ)は本発明の光ファイバーストレージパネルを備えているラックを説明するための図である。
図1(イ)において、ラック11は、光ファイバーストレージパネル14を介して、光ファイバーパネル12とネットワーク機器15を光ファイバーコード13、13′によって接続している。光ファイバーストレージパネル14は、前記光ファイバーコード13、13′の余剰部分を整然と収納できる構造になっている。前記光ファイバーコード13、13′は、端末が特殊加工されているため、前記光ファイバーパネル12およびネットワーク機器15の間を接続する際に、余剰部分を勝手に調整すると伝送損失が増加するという問題を生じる。
【0030】
前記光ファイバーストレージパネル14は、光ファイバーパネル12とネットワーク機器15の間に設置されている。前記光ファイバーストレージパネル14は、前記光ファイバーパネル12とネットワーク機器15を接続する際に生じる余剰光ファイバーコードを後述のように伝送損失が発生しないように巻回できるような構造になっている。
【0031】
図1(ロ)において、光ファイバーパネル12は、光ファイバーストレージパネル14に接続した後、前記光ファイバーストレージ14の上部に配置されているネットワーク機器15に接続されしている。前記各接続は、光ファイバーコード131、131′によって接続されている。
図1(ロ)に示す光ファイバーストレージパネル14は、前記光ファイバーパネル12からネットワーク機器15に接続される余剰光ファイバーコードが後述のように巻回されるため、光ファイバーコードを整然と配置するだけでなく、この間で発生する伝送損失を無くすことができる。
【0032】
図1における光ファイバーストレージパネル14は、スプール21(
図2参照)が、たとえば、上下に4段、左右に2組づつ、合計16個が配置されている例である。
図2は本発明の光ファイバーストレージパネルにおけるスプールの構造を説明するための図である。
図2において、前記スプール21は、一本の光ファイバーコードの余剰部分を巻回するためのものである。前記スプール21は、水平基板22の上に一対のリール23、24がラック11の前後方向に設けられている。
【0033】
前記水平基板22上に設けられた一対のリール23、24は、光ファイバーパネルとネットワーク機器とを接続する際の距離を調整するために、余剰光ファイバーコード(
図1の13、13′、131、131′)を巻く巻き芯231、241と、フランジ232、242とから構成されている。前記スプール21は、一対のリール23、24が
図1に示すラック11に対して水平で、かつ、前後方向に配置されている。
【0034】
前記スプール21は、前後方向に起立された前後ガイド26、26′と、側部ガイド27、27′と、コーナーガイド28−1、28−2、28−3、28−4とが設けられ、前記余剰光ファイバコードが整理された状態で、所望の方向に引き出されるとともに、伝送損失が発生しないように巻回される。
【0035】
図3は本発明の光ファイバーストレージパネルに光ファイバーコードを巻回した例を説明するための図である。
図3において、前記シャーシ31は、前記複数個のスプールが前記ラック11
の水平面に対して平
行で、かつ、前記ラックの前後方向になるように配置されている。
また、前記シャーシ31は、引き出し把手32、32′が設けられている。前記シャーシ31は、前記ラック11
の水平面に対して左右対
称であれば、高さ方向に複数段とすることができる。前記スプール21の固定手段25、25′は、前記スプール21
の面に対して、点対
称に設けられ、前記シャーシ31にワンタッチによって固定できる構造になっている。前記スプール21は、余剰光ファイバーコードを巻回しながら水平に180度回転した位置で、必ずシャーシ31に固定することができる。
【0036】
前記シャーシ31は、たとえば、4個のスプール21−1、21−2、21−3、21−4が水平に着脱自在に設けられている。また、前記リール23−1および24−1、リール23−2、24−2、リール23−3、24−3、リール23−4、24−4は、スプール21−1、21−2、21−3、21−4にそれぞれ
図3に示すように設けられている。
図3において、たとえば、図の右から来た前記ネットワーク機器と接続距離を調整する余剰光ファイバーコード28−1は、二つ折りにしたほぼ中間点をスプール21−1のリール23−1に周接させて巻回し、最後に両端を一体に纏めにして、図示のように、リール24−1に引っ掛け、所定回数(余剰部がなくなるまで)巻回した後に前後ガイド26の左側から右側に引き出される。
【0037】
図3におけるリール23−2および24−2は、余剰光ファイバーコードを巻回した後、前記同様に、前後ガイド26の左側から右側に向かって引き出される。前記余剰光ファイバーコードは、前記スプールを回しながら、たとえば、4箇所に設けられている前後ガイド26、26′、側部ガイド27、27′内に収めることができる。また、前記余剰光ファイバーコードは、前記リールの径を大きめに設定しておくことにより、狭い二つ折りとなることがないため、前記二つ折りにした部分で伝送損失が発生しない。
【0038】
図3におけるリール23−3は、前記余剰光ファイバーコードを二つ折りに、その中間部が巻回された後、両者を一纏めにしてリール24−3を巻回し、ガイド26の右側から左側に引き出された例である。
図3におけるリール23−4は、前記余剰光ファイバーコードを二つ折りに、その中間部が巻回された後、両者を一纏めにして前後ガイド26の右側から左側に引き出された例である。また、
図3に示されていないが、前記余剰光ファイバーコードを二つ折りに、その中間部がリール23−4または24−4に巻回された後、両者を一纏めにしてフランジ26の右側から左側に引き出すこともできる。前記引き出された余剰光ファイバーコード28は、ラックの左右対照に引き出されるため、見た目が綺麗だけでなく、保守も容易にできる。前記余剰光ファイバーコードは、前記リールに伝送損失が発生しないように各種巻回方法が考えられる。
【0039】
前記リール23、24の径は、少なくとも3cm以上、好ましくは6cm以上にすることが望ましい。前記リール23、24の直径は、6cm以上とする場合、前記光ファイバーパネルと前記ネットワーク機器の接続の間に伝送損失をなくすことが可能である。
【0040】
前記スプールの径およびガイドは、前記余剰光ファイバーコードを前記リールに巻回した後の部分を極端に曲げることなく、緩やかに曲げることができるだけでなく、正面から見て左方向または右方向に振り分けることができるように、所定の幅を有するように、前記スプールから一体に突出するような形状に構成されている。
【0041】
本発明の光ファイバーコードストレージは、余剰光ファイバーコードの長さにより、リールの前後方向等の使用、巻回回数等を任意に変えることができる。
【0042】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではない。そして、本発明は、特許請求の範囲に記載された事項を逸脱することがなければ、種々の設計変更を行うことが可能である。たとえば、ラック、ラックの棚の配置、ネットワーク機器の種類、光ファイバーコードの配置等は、任意に変更できることはいうまでもないことである。また、本発明のスプールおよびシャーシの形状は、本発明の本質以外の部分を変更できることはいうまでもないことである。