特許第5669061号(P5669061)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社サンコーテレコムの特許一覧

<>
  • 特許5669061-光ファイバーストレージパネル 図000002
  • 特許5669061-光ファイバーストレージパネル 図000003
  • 特許5669061-光ファイバーストレージパネル 図000004
  • 特許5669061-光ファイバーストレージパネル 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5669061
(24)【登録日】2014年12月26日
(45)【発行日】2015年2月12日
(54)【発明の名称】光ファイバーストレージパネル
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/00 20060101AFI20150122BHJP
【FI】
   G02B6/00 336
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2010-182066(P2010-182066)
(22)【出願日】2010年8月17日
(65)【公開番号】特開2012-42581(P2012-42581A)
(43)【公開日】2012年3月1日
【審査請求日】2013年8月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】508285938
【氏名又は名称】株式会社サンコーテレコム
(74)【代理人】
【識別番号】100082669
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 賢三
(74)【代理人】
【識別番号】100095337
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100095061
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 恭介
(72)【発明者】
【氏名】水中 廣利
【審査官】 奥村 政人
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−211918(JP,A)
【文献】 米国特許第05339379(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0021122(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/00
G02B 6/24− 6/255
G02B 6/36− 6/40
G02B 6/46
H05K 7/00− 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバーパネルとネットワーク機器とを光ファイバーコードを介して互いに接続し、前記光ファイバーコードの余剰部分を巻き取るための光ファイバーストレージパネルであり、
一対のリールがラックの水平面に対して平で、かつ、前記ラックの前後方向に設けられているとともに、前記前後2箇所に点対に設けられた固定手段を備えているスプールと、
複数個の前記スプールが前記ラックに左右対になるように配置されているとともに、前記固定手段によって固定されているシャーシと、
前記光ファイバーパネルと前記ネットワーク機器との接続距離を前記スプールのリールに巻回して調整する光ファイバーコードと、
から少なくとも構成されていることを特徴とする光ファイバーストレージパネル。
【請求項2】
前記光ファイバーコードを巻回する前記リールの直径は、少なくとも3cm以上であることを特徴とする請求項1に記載された光ファイバーストレージパネル。
【請求項3】
少なくとも前記スプールの前と後に突出して設けられた所定の幅を有するガイドが設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載された光ファイバーストレージパネル。
【請求項4】
前記スプールの手前または奥に配置されたリールに折り曲げ部を周接するように引っ掛け、前記引っ掛けられた部分以外を纏めて、前記スプールの右側の出口から左側方向に引き出した第1の光ファイバーコードと、
前記スプールの手前または奥に配置されたリールに折り曲げ部を周接するように引っ掛け、前記引っ掛けられた部分以外を纏めて、前記スプールの左側の出口から右側方向に引き出した第2の光ファイバーコードと、
から少なくとも構成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載された光ファイバーストレージパネル。
【請求項5】
前記スプールの奥に配置されたリールに折り曲げ部を周接するように引っ掛け、前記引っ掛けられた部分以外を纏めて、平面において、右回転で一対のリールの周囲を少なくとも一回巻回し、スプールの右側の出口から左方向に引き出した第1の光ファイバーコードと、
前記スプールの奥に配置されたリールに折り曲げ部を周接するように引っ掛け、前記引っ掛けられた部分以外を纏めて、平面において、左回転で一対のリールの周囲を少なくとも一回巻回し、スプールの左側の出口から右方向に引き出した第2の光ファイバーコードと、
から少なくとも構成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載された光ファイバーストレージパネル。
【請求項6】
前記ラックにおいて、光ファイバーコードは、光ファイバーパネルとネットワーク機器の間で中継されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載された光ファイバーストレージパネル。
【請求項7】
前記ラックにおいて、光ファイバーコードは、光ファイバーパネルから光ファイバーストレージパネルを介して、前記光ファイバーストレージパネルと光ファイバーパネルとの間にあるネットワーク機器で終端されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載された光ファイバーストレージパネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバーコードを介して光ファイバーパネルとネットワーク機器とを互いに接続するラックにおいて、光ファイバーコードの余剰部分による伝送損失を少なくするための光ファイバーストレージパネルに関するものである。前記ネットワーク機器は、たとえば、スイッチ等から構成され、また、前記光ファイバーパネルは、光ファイバーコードを終端するものである。
【背景技術】
【0002】
ビル内に多数のコンピュータが接続されたネットワークを構築する際に、光ファイバーパネルと前記ネットワーク機器とを光ファイバーコードによって接続するラックが必要である。前記光ファイバーコードは、両端部が特殊加工されているため、長さを調整するために切断すると、特殊な接続に時間がかかるだけでなく、伝送損失が増大してしまうという問題がある。そこで、従来の光ファイバーコードによる接続は、伝送損失を無くすことなく、短時間で工事ができるように、長さが予め決められた既製の光ファイバーコードを使用するため、余剰部分が生じ、この部分における伝送損失が発生した。
【0003】
前記光ファイバーコードにおける伝送損失を無くすために、従来の余剰光ファイバーコードストレージは、たとえば、特開平10−322050号公報に記載されているように、光ファイバーコード収容棚に光ファイバーコードをクランプすることにより固定し、枢支ピンを軸として回転させてラック内に収容していた。
【0004】
図4は従来の光ファイバーコードによりネットワーク機器を接続した例を説明するための図である。図4に示すラック41において、光ファイバーコード43は、光ファイバーパネル42とネットワーク機器45を接続している。前記光ファイバーコード43は、複数本からなり、図4に示すように、余剰光ファイバーコード46、47、48がある。前記余剰光ファイバーコード46、47、48は、余剰をなくすように配線することが構造上困難であるため、前記公開公報のような光ファイバーコード収容棚を設けていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−322050号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記公開公報の光ファイバーコード収容構造は、光ファイバーコードの巻回、クランプ等の処理に時間がかかるという問題を有する。また、図4に示す光ファイバーパネルは、光ファイバーコードの途中に、余剰部分46、47、48があり、この部分において、大きな伝送損失を発生するという問題があった。
【0007】
以上のような課題を解決するために、本発明は、ラック内で光ファイバーパネルとネットワーク機器を接続する光ファイバーコードの余剰部分を整理して収納することができる光ファイバーストレージパネルを提供することを目的とする。本発明は、ラック内に敷設された光ファイバーコードが整然と配置できるだけでなく、伝送損失を少なくすることができる光ファイバーストレージパネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(第1発明)
第1発明の光ファイバーストレージパネルは、光ファイバーパネルとネットワーク機器とを光ファイバーコードを介して互いに接続し、前記光ファイバーコードの余剰部分を巻き取るためのものであり、一対のリールが前記ラックの水平面に対して平で、かつ、前記ラックの前後方向に設けられているとともに、前記前後2箇所に点対に設けられた固定手段を備えているスプールと、複数個の前記スプールが前記ラックに左右対になるように配置されているとともに、前記固定手段によって固定されているシャーシと、前記光ファイバーパネルと前記ネットワーク機器との接続距離を前記スプールのリールに巻回して調整する光ファイバーコードと、から少なくとも構成されていることを特徴とする。
【0009】
(第2発明)
第2発明の光ファイバーストレージパネルにおいて、前記光ファイバーコードを巻回する前記リールの直径は、少なくとも3cm以上であることを特徴とする。
【0010】
(第3発明)
第3発明の光ファイバーストレージパネルは、少なくとも前記スプールの前と後に突出して設けられた所定の幅を有するガイドが設けられていることを特徴とする。
【0011】
(第4発明)
第4発明の光ファイバーストレージパネルは、前記スプールの手前または奥に配置されたリールに折り曲げ部を周接するように引っ掛け、前記引っ掛けられた部分以外を纏めて、前記スプールの右側の出口から左側方向に引き出した第1の光ファイバーコードと、前記スプールの手前または奥に配置されたリールに折り曲げ部を周接するように引っ掛け、前記引っ掛けられた部分以外を纏めて、前記スプールの左側の出口から右側方向に引き出した第2の光ファイバーコードとから少なくとも構成されていることを特徴とする。
【0012】
(第5発明)
第5発明の光ファイバーストレージパネルは、前記スプールの奥に配置されたリールに折り曲げ部を周接するように引っ掛け、前記引っ掛けられた部分以外を纏めて、平面において、右回転で一対のリールの周囲を少なくとも一回巻回し、スプールの右側の出口から左方向に引き出した第1の光ファイバーコードと、前記スプールの奥に配置されたリールに折り曲げ部を周接するように引っ掛け、前記引っ掛けられた部分以外を纏めて、平面において、左回転で一対のリールの周囲を少なくとも一回巻回し、スプールの左側の出口から右方向に引き出した第2の光ファイバーコードとから少なくとも構成されていることを特徴とする。
【0013】
(第6発明)
第6発明の光ファイバーストレージパネルにおけるラックにおいて、光ファイバーコードは、光ファイバーパネルとネットワーク機器の間で中継されていることを特徴とする。
【0014】
(第7発明)
第7発明の光ファイバーストレージパネルにおけるラックにおいて、光ファイバーコードは、光ファイバーパネルから光ファイバーストレージパネルを介して、前記光ファイバーストレージパネルと光ファイバーパネルとの間にあるネットワーク機器で終端されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ラックに設置した光ファイバーパネルとネットワーク機器を接続する光ファイバーコードの伝送損失を無くすことができる光ファイバーストレージパネルである。
【0016】
本発明によれば、光ファイバーコードが光ファイバーストレージパネルに整然と収納できるため、光ファイバーコードの伝送損失がなく、見た目が綺麗になっている。前記光ファイバーストレージパネルは、光ファイバーコードに伝送損失がないように巻回されているとともに、ラックに整然と収納されているため、保守点検を速やかに行うことができる。
【0017】
本発明によれば、スプールの構造を工夫することにより、余剰光ファイバーコードに伝送損失が発生するような弛みがなく、整然と配置することがでる。また、整然と配置された余剰光ファイバーコードは、敷設工事、保守作業等が容易であり、短時間に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】(イ)および(ロ)は本発明の光ファイバーストレージパネルを備えているラックを説明するための図である。(実施例1)
図2】本発明の光ファイバーストレージパネルにおけるスプールの構造を説明するための図である。
図3】本発明の光ファイバーストレージパネルに光ファイバーコードを巻回した例を説明するための図である。
図4】従来の光ファイバーコードによりネットワーク機器を接続した例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第1発明)
第1発明の光ファイバーストレージパネルは、光ファイバーパネルとネットワーク機器とを光ファイバーコードを介して互いに接続する際に、光ファイバーコードの余剰部分による伝送損失を少なくするためのものである。前記光ファイバーストレージパネルは、光ファイバーコードの光損失をできるだけ少なくするように収納するもので、一対のリールを有するスプールと、前記スプールを固定するシャーシと、前記リールに巻回する前記光ファイバーコードとから構成されている。前記スプールは、ラックの水平面対して平行で、かつ、前記ラックの前後方向に設けられている。また、複数の前記スプールは、前記ラックに左右対称になるように配置れている。
【0020】
前記シャーシは、前記複数個のスプールが前記ラックに対して少なくとも左右対になるように配置されていることが望ましい。前記シャーシは、前記ラックの水平面に対して左右対であれば、高さ方向に複数段とすることができる。前記スプールの固定手段は、前記スプールの2箇所において、点対に設けられ、前記シャーシ固定する。前記スプールは、前記固定手段が点対に設けられているため、光ファイバーコードを水平方向に回転し、180度の位置で、必ずシャーシに固定することができる。
【0021】
前記ネットワーク機器と接続距離を調整する余剰光ファイバーコードは、二つ折りにしたほぼ中間点を開いて、リールの周りに周接させて巻回し、最後に両端を一体に纏めて引き出される。前記余剰光ファイバーコードは、前記リールの径を大きめに設定しておくことにより、狭い二つ折りとなることがないため、前記二つ折りにした部分で伝送損失が発生しない。
【0022】
(第2発明)
第2発明の光ファイバーストレージパネルは、前記余剰光ファイバーコードを巻回する前記リールの直径を少なくとも3cm以上にしている。しかし、前記余剰光ファイバーコードは、前記リールの巻回部分またはシャーシの部分に弛み等ができる場合が多いため、好ましくは6cm以上にすることが望ましい。前記リールの直径は、3cmとする場合、前記ネットワーク機器の接続数が少なく、多少の伝送損失を許容できるときに限る。
【0023】
(第3発明)
第3発明の光ファイバーストレージパネルにおけるスプールは、少なくとも前記スプールの前後、あるいは左右に、水平基板から上方に突出して対照的にガイドが設けられている。前記ガイドは、前記余剰光ファイバーコードを前記リールに巻回した後の部分を極端に曲げることなく、緩やかに曲げることができるだけでなく、前記余剰光ファイバーコードを正面から見て左方向または右方向に振り分けることができるように、所定の幅を有し、前記スプールから一体に上方に突出するような形状に構成されている。
【0024】
(第4発明)
第4発明の光ファイバーストレージパネルは、余剰光ファイバーコードがリールに巻かれた結果の構成を規定している。第1の余剰光ファイバーコードは、ほぼ中間部に二つ折りとなる部分を広げて、手前または奥に配置された前記リールに折り曲げ部を広げて、周接するように引っ掛ける。前記折り曲げ部は、前記引っ掛けられた両端を一体に纏められる。前記一体に纏められた前記第1の余剰光ファイバーコードは、スプールの右側の出口から外に出て、左側方向に引き出されている。
【0025】
同様に、第2の余剰光ファイバーコードは、手前または奥に配置された前記と対照位置にあるリールに折り曲げ部を広げて、周接するように引っ掛ける。前記折り曲げ部は、前記引っ掛けられた両端を一体に纏められる。前記纏められた前記第2の余剰光ファイバーコードは、スプールの左側の出口から外に出て、右側方向に引き出している。前記第1および第2の余剰光ファイバーコードは、左右に引き出されるような構造となっているため、取り付け作業等によって、伝送損失を少なくするような配置にすることができるだけでなく、見た目が整然となり、保守も容易にできる。前記余剰光ファイバーコードは、説明を容易にするために「第1および第2」を付けたものであり、数に制限がなく、奇数個とすることも可能である。
【0026】
(第5発明)
第5発明の余剰光ファイバーコードは、巻き始めの構成が第4発明と同じである。第4発明と異なる所は、少なくとも1回以上スプールに巻回し、余剰光ファイバーコードの長さを調整している。第1および第2の余剰光ファイバーコードは、たとえば、複数回リールに巻回しても、前記スプールの前と後に突出して対照的に設けられたフランジにより、整然と巻回し、曲げられた部分の直径が6mm以上にすることが容易にできる。
【0027】
(第6発明)
第6発明の光ファイバーコードは、前記ラックにおいて、光ファイバーパネルとネットワーク機器の間で中継されている。すなわち、本発明の光ファイバーストレージパネルは、前記光ファイバーパネルトとネットワーク機器との間に配置され、光ファイバーコードの余剰部分が整理された状態で巻回されている。
【0028】
(第7発明)
第7発明の光ファイバーコードは、前記ラックにおいて、光ファイバーパネルと光ファイバーストレージパネルとの間にネットワーク機器が配置されている。すなわち、本発明の光ファイバーパネルから導出された光ファイバーコードは、前記ラックの下部にある光ファイバーストレージパネルで、余剰光ファイバーコードを巻回し、最後に前記光ファイバーストレージパネルより上部に設置されたネットワーク機器で終端されている。第6発明および第7発明は、余剰光ファイバーコードに伝送損失を与えるような部分を無くし、見た目が綺麗に整理された状態で巻回されている。
【実施例1】
【0029】
図1(イ)および(ロ)は本発明の光ファイバーストレージパネルを備えているラックを説明するための図である。図1(イ)において、ラック11は、光ファイバーストレージパネル14を介して、光ファイバーパネル12とネットワーク機器15を光ファイバーコード13、13′によって接続している。光ファイバーストレージパネル14は、前記光ファイバーコード13、13′の余剰部分を整然と収納できる構造になっている。前記光ファイバーコード13、13′は、端末が特殊加工されているため、前記光ファイバーパネル12およびネットワーク機器15の間を接続する際に、余剰部分を勝手に調整すると伝送損失が増加するという問題を生じる。
【0030】
前記光ファイバーストレージパネル14は、光ファイバーパネル12とネットワーク機器15の間に設置されている。前記光ファイバーストレージパネル14は、前記光ファイバーパネル12とネットワーク機器15を接続する際に生じる余剰光ファイバーコードを後述のように伝送損失が発生しないように巻回できるような構造になっている。
【0031】
図1(ロ)において、光ファイバーパネル12は、光ファイバーストレージパネル14に接続した後、前記光ファイバーストレージ14の上部に配置されているネットワーク機器15に接続されしている。前記各接続は、光ファイバーコード131、131′によって接続されている。図1(ロ)に示す光ファイバーストレージパネル14は、前記光ファイバーパネル12からネットワーク機器15に接続される余剰光ファイバーコードが後述のように巻回されるため、光ファイバーコードを整然と配置するだけでなく、この間で発生する伝送損失を無くすことができる。
【0032】
図1における光ファイバーストレージパネル14は、スプール21(図2参照)が、たとえば、上下に4段、左右に2組づつ、合計16個が配置されている例である。図2は本発明の光ファイバーストレージパネルにおけるスプールの構造を説明するための図である。図2において、前記スプール21は、一本の光ファイバーコードの余剰部分を巻回するためのものである。前記スプール21は、水平基板22の上に一対のリール23、24がラック11の前後方向に設けられている。
【0033】
前記水平基板22上に設けられた一対のリール23、24は、光ファイバーパネルとネットワーク機器とを接続する際の距離を調整するために、余剰光ファイバーコード(図1の13、13′、131、131′)を巻く巻き芯231、241と、フランジ232、242とから構成されている。前記スプール21は、一対のリール23、24が図1に示すラック11に対して水平で、かつ、前後方向に配置されている。
【0034】
前記スプール21は、前後方向に起立された前後ガイド26、26′と、側部ガイド27、27′と、コーナーガイド28−1、28−2、28−3、28−4とが設けられ、前記余剰光ファイバコードが整理された状態で、所望の方向に引き出されるとともに、伝送損失が発生しないように巻回される。
【0035】
図3は本発明の光ファイバーストレージパネルに光ファイバーコードを巻回した例を説明するための図である。図3において、前記シャーシ31は、前記複数個のスプールが前記ラック11の水平面に対して平行で、かつ、前記ラックの前後方向になるように配置されている。また、前記シャーシ31は、引き出し把手32、32′が設けられている。前記シャーシ31は、前記ラック11の水平面に対して左右対であれば、高さ方向に複数段とすることができる。前記スプール21の固定手段25、25′は、前記スプール21の面に対して、点対に設けられ、前記シャーシ31にワンタッチによって固定できる構造になっている。前記スプール21は、余剰光ファイバーコードを巻回しながら水平に180度回転した位置で、必ずシャーシ31に固定することができる。
【0036】
前記シャーシ31は、たとえば、4個のスプール21−1、21−2、21−3、21−4が水平に着脱自在に設けられている。また、前記リール23−1および24−1、リール23−2、24−2、リール23−3、24−3、リール23−4、24−4は、スプール21−1、21−2、21−3、21−4にそれぞれ図3に示すように設けられている。図3において、たとえば、図の右から来た前記ネットワーク機器と接続距離を調整する余剰光ファイバーコード28−1は、二つ折りにしたほぼ中間点をスプール21−1のリール23−1に周接させて巻回し、最後に両端を一体に纏めにして、図示のように、リール24−1に引っ掛け、所定回数(余剰部がなくなるまで)巻回した後に前後ガイド26の左側から右側に引き出される。
【0037】
図3におけるリール23−2および24−2は、余剰光ファイバーコードを巻回した後、前記同様に、前後ガイド26の左側から右側に向かって引き出される。前記余剰光ファイバーコードは、前記スプールを回しながら、たとえば、4箇所に設けられている前後ガイド26、26′、側部ガイド27、27′内に収めることができる。また、前記余剰光ファイバーコードは、前記リールの径を大きめに設定しておくことにより、狭い二つ折りとなることがないため、前記二つ折りにした部分で伝送損失が発生しない。
【0038】
図3におけるリール23−3は、前記余剰光ファイバーコードを二つ折りに、その中間部が巻回された後、両者を一纏めにしてリール24−3を巻回し、ガイド26の右側から左側に引き出された例である。図3におけるリール23−4は、前記余剰光ファイバーコードを二つ折りに、その中間部が巻回された後、両者を一纏めにして前後ガイド26の右側から左側に引き出された例である。また、図3に示されていないが、前記余剰光ファイバーコードを二つ折りに、その中間部がリール23−4または24−4に巻回された後、両者を一纏めにしてフランジ26の右側から左側に引き出すこともできる。前記引き出された余剰光ファイバーコード28は、ラックの左右対照に引き出されるため、見た目が綺麗だけでなく、保守も容易にできる。前記余剰光ファイバーコードは、前記リールに伝送損失が発生しないように各種巻回方法が考えられる。
【0039】
前記リール23、24の径は、少なくとも3cm以上、好ましくは6cm以上にすることが望ましい。前記リール23、24の直径は、6cm以上とする場合、前記光ファイバーパネルと前記ネットワーク機器の接続の間に伝送損失をなくすことが可能である。
【0040】
前記スプールの径およびガイドは、前記余剰光ファイバーコードを前記リールに巻回した後の部分を極端に曲げることなく、緩やかに曲げることができるだけでなく、正面から見て左方向または右方向に振り分けることができるように、所定の幅を有するように、前記スプールから一体に突出するような形状に構成されている。
【0041】
本発明の光ファイバーコードストレージは、余剰光ファイバーコードの長さにより、リールの前後方向等の使用、巻回回数等を任意に変えることができる。
【0042】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではない。そして、本発明は、特許請求の範囲に記載された事項を逸脱することがなければ、種々の設計変更を行うことが可能である。たとえば、ラック、ラックの棚の配置、ネットワーク機器の種類、光ファイバーコードの配置等は、任意に変更できることはいうまでもないことである。また、本発明のスプールおよびシャーシの形状は、本発明の本質以外の部分を変更できることはいうまでもないことである。
【符号の説明】
【0043】
11・・・ラック
12・・・光ファイバーパネル
13、13′・・・光ファイバーコード
131、131′・・・光ファイバーコード
14・・・光ファイバーストレージパネル
15・・・ネットワーク機器
21・・・スプール
22・・・水平基板
23・・・リール
231・・・巻き芯
232・・・フランジ
24・・・リール
241・・・巻き芯
242・・・フランジ
25、25′・・・取付手段
26、26′・・・前後ガイド
27、27′・・・側部ガイド
28・・・コーナーガイド
31・・・シャーシ
図1
図2
図3
図4