(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5669062
(24)【登録日】2014年12月26日
(45)【発行日】2015年2月12日
(54)【発明の名称】環境浄化機能性を有する土壌改善組成体の製造方法及び、これを用いた悪臭成分分解方法。
(51)【国際特許分類】
C09K 17/50 20060101AFI20150122BHJP
C09K 17/02 20060101ALI20150122BHJP
C09K 17/32 20060101ALI20150122BHJP
A61L 9/01 20060101ALI20150122BHJP
C09K 101/00 20060101ALN20150122BHJP
【FI】
C09K17/50 H
C09K17/02 HZAB
C09K17/32 H
A61L9/01 P
C09K101:00
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2010-188815(P2010-188815)
(22)【出願日】2010年8月9日
(65)【公開番号】特開2012-36355(P2012-36355A)
(43)【公開日】2012年2月23日
【審査請求日】2012年7月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】510230908
【氏名又は名称】大谷石材協同組合
(73)【特許権者】
【識別番号】598049078
【氏名又は名称】高橋 立志
(73)【特許権者】
【識別番号】510230919
【氏名又は名称】大谷石産業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】510230920
【氏名又は名称】石下 和年
(73)【特許権者】
【識別番号】510230942
【氏名又は名称】戸室 功友
(74)【代理人】
【識別番号】100082669
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 賢三
(74)【代理人】
【識別番号】100095337
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100095061
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 恭介
(72)【発明者】
【氏名】高橋 立志
【審査官】
福山 則明
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−143974(JP,A)
【文献】
特開平11−262798(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K 17/00−17/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
大谷石凝灰岩を0.1mmから3mmの大きさに破砕又は粉砕して粉粒を生成し、
この粉粒に、乳酸菌を乳酸菌栄養素とともに前記乳酸菌の生存雰囲気中で培養し、前記乳酸菌による乳酸発酵によって微生物由来の抗菌性蛋白質バクテリオシンを生産して含んだ培養液を担持含浸せしめるとともに、前記粉粒に存在する細孔空隙に少なくとも麹菌及び酵母菌を担持含浸せしめ、
水を噴霧して練り上げ平均含水率45%に整えて混和し、50℃を超えない温度で直径が4mmから6mmの大きさの粒状に造粒成形し、乾燥し、
陽イオン交換容量130.4meq/100gを有する土壌改善組成体を製造する、
ことを特徴とする環境浄化機能性を有する土壌改善組成体の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の環境浄化機能性を有する土壌改善組成体の製造方法で製造された土壌改善組成体を食品残渣物へ適用し、前記食品残渣物に含まれる悪臭成分を分解する、
ことを特徴とする環境浄化機能性を有する土壌改善組成体を用いた悪臭成分分解方法。
【請求項3】
請求項1に記載の環境浄化機能性を有する土壌改善組成体の製造方法で製造された土壌改善組成体を堆肥へ適用し、前記堆肥に含まれる悪臭成分を分解する、
ことを特徴とする環境浄化機能性を有する土壌改善組成体を用いた悪臭成分分解方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品残渣や養鶏、養豚、酪農などにおける悪臭成分及びアンモニアなど毒性成分の分解乃至吸着をすることができる環境浄化機能性を有する土壌改善組成体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、自然環境の変化の中でも、内燃機関や火力発電及び焼却炉排出ガスが原因となる酸性降水や、大気汚染物質が齎す樹木の立ち枯れ、或いは樹木を弱らせ生長不良に陥らせ、それに連動した現象として、相互作用を持つ自然界に汎生する微生物の減少や、河川、湖沼、池水又は海域に棲息する生物(生命細胞がある動植物や魚介類、藻類又は藍藻類)の繁殖成長乃至生命のホメオスタシス(恒常性維持機能)にも多大な影響を与えている。
【0003】
この対策として、従前より圃場作土の酸度矯正や樹木(例えば天然記念物指定の銘木、古木等)に対する土壌改善にアルカリ資材及び微生物入り有機質資材の投入による土壌改善が行われている。ほか農作物の収穫量増大を目指し肥料3要素N,P,K,ほかCa,Mgなど合わせ5大要素の成分多肥設計による塩基の集積、或いは塩類集積害に陥っている圃場が増えて、農作物生産の伸び止まり現象が起きている。
【0004】
それは、これまで強烈な化学農薬・化学肥料を使って単一農作物を高密度で然も、集約的に栽培する生産技術指導が成されてきた、その結果それまで培ってきた農業のもつ微生物による物質循環機能を生かした持続性のある農業生産の中では土壌は肥沃であった。しかし強烈な化学農薬・化学肥料は容赦なく表土の生物層を激変させてしまい、植物や微生物に必要な有機物や微量要素を補うことなく生産を続けることを助長した結果、土壌の団粒構造を崩し土は単粒化してしまい地力減衰を招き、生産性と環境保全との調和を崩すことに成ってしまった。すなわち植物の生育にとって有効な微生物、或いは有益な昆虫などの繁殖にも多大な影響を及ぼし、有機物に富んだ表土は土壌の流亡により相を変え固く締り痩せた表土へと激変させてしまった。したがって植物に必要な成分が不足し生育バランスが崩れ、それに伴い塩基乃至塩類の集積やリン酸の苦溶性化に伴う生育障害ほか、微量要素不足よる根圏環境の悪化に伴い連作障害も起きている。
【0005】
前述した様な、化学肥料による塩基の集積害とは、塩基飽和度100%を超えている土壌では、次のような現象が起きていると考えられる。
【0006】
塩基(Ca・Mg・K・Na・H・アンモニア等の強弱アルカリ)の陽イオンなど、土(CEC:Cation Exchange Capacity 陽イオン交換容量又は塩基置換容量)に吸着されなかった塩基が溢れ、土壌の中性化が進み表層に塩類集積する。
【0007】
すなわち土壌を構成している粒子に吸着されず、溢れた石灰などは土壌中のリン酸などと結合し苦溶性の化合物として貯まる。その結果、リン酸肥料が植物に吸収され難く肥料効果の発現に大きな影響をもたらすこととなる。塩類が集積すると土の物理性もさらに悪くなり、施用したチッソ肥料(例えばアンモニア)、硫安、塩安や未分解の堆肥などを吸着するスペースがないので、悪臭の原因や毒性となるアンモニアなどが溢れ土の団粒構造が壊され土壌粒子を単粒化してしまうため肥料保持容量を低める。それにより電気伝導度(EC)を上げてしまい、土壌養液濃度を高める。その結果、土壌塩類又は塩基の集積は根の発達を阻害する原因となり、それが土壌による病虫害発生の引き金になる。
【0008】
石灰、苦土、カリなど塩基は湛水処理を行っても一部しか流亡しない。すなわち集積してしまうと効率よく減量することができない、ほか作物吸収による減量が期待できるが時間がかかる。したがって、土(CEC: Cation Exchange Capacity 陽イオン交換容量又は塩基置換容量)の肥料保持容量を高めることにより、塩基の集積害を軽減しなければ成らないなどの問題があった。
【0009】
土壌の塩基置換容量(又は陽イオン交換容量)を高めることによって、飽和度を低めることができるが、まだ満足する資材は見当たらない。
【0010】
近年、有機農業が環境改善乃至保全をすることから有機農法の大切さが提唱されはじめた。それに伴う環境改善型農業は、有機質肥料を施用して土壌微生物の活性を促し、植物の生育環境を自然に整える作用をもち農作物自体に抗酸化性物質SOD(スーパーオキサイドデスムターゼ)を多く含む食品として評価価値を持つ有機農産物は、それに含まれる各種ミネラル栄養価を財団法人日本食品分析センターの分析によると、例えば化学肥料・科学農薬を使い慣行農法により生産された農産物は、有機農産物に比べ約70%程度のミネラル栄養価であった。有機農産物を持続的に摂取することで、含有する各種ミネラル栄養は体内解毒作用を進めて、体液のORP(酸化還元電位)を低く保つことができるので、ホメオスタシス(恒常性維持機能)を高めて健康に帰することができる。したがって農業生産者や消費者層に対する悪影響もない。
【0011】
土壌改良促進剤として、粘土鉱物としてのハロサイトおよびモンモリロナイトが比較的多く含まれていると共に、珪砂微粒が調整混合されている粘土と、適量のゼオライト粉末との混合物を主材としてなる粒状物が、緑藻の抽出液ならびに活性緑藻菌を適量添加して成るものとした土壌改良活性剤が知られている(例えば特許文献1参照。)。この従来技術は、土の塩基置換容量(又は陽イオン交換容量)、を高めるために粘土鉱物のハロサイト及びモンモリロナイトやゼオライトなどのイオン吸着性能を有効活用されたものであり、ほか緑藻はクロレラ菌の抽出液であり活性緑藻菌は所謂クロロフィルによる、明反応で光合成における光りエネルギーの受容体として作用し炭酸同化作用を成し、夜間にはクロロレスピレーション(葉緑体呼吸)による炭酸ガスCO
2を排出するに留まる。したがって、それにより土壌中の環境を直ちに改善することは容易ではない。他に、アミノ酸を含むタンパク質を含有する緑藻の抽出液は生分解されアンモニウムイオンに変わり、例えばゼオライトの細孔空隙にイオン吸着される。他に、アンモニア分解菌(例えばニトロソモナス)によって亜硝酸に変わり、更に硝酸化成菌によって硝酸塩に生合成され塩基として集積する。この従来技術は、アンモニア等の悪臭成分を分解せずモンモリロナイトやゼオライト等による一時的なイオン吸着にとどまり土壌をとりまく環境イオンの変化により吸着されたアンモニウムイオンは放出される。緑藻の抽出液は汎生する微生物に生分解され少々の土壌菌活性は促すがまだ十分ではなかった。
【0012】
その苔は、光合成を行って酸素濃度の高い層を作り、雨水や灌水の水分が土壌中に浸透する際に、それらの酸素を溶かし込んで酸素濃度の高い水、即ち、溶存酸素の多い水に変質して土壌中の酸素量を増し、植物の毛根生育に極めて有利な環境が作り上げられるだけではなく、土壌中の好気性菌の活動を活発化して嫌気生菌とのバランスに均衡を保つ作用を及ぼし、団粒構造の多い土壌が作り上げられる結果、保水性も改善する。(例えば特許文献1参照。)。酸素濃度の高い層を作り、とあるが、その層に雨水や灌水の水分が刹那的接触によって、水の界面に変化を与え溶存酸素濃度の高い水に質を変えることは容易ではない。活性緑藻菌は夜間のクロロレスピレーション(葉緑体呼吸)による酸素消費に入りたる場合、所謂水中溶存酸素濃度の高い水が土中に浸透し得ることは考え難い。すなわち自然界中では気温、水温による水中溶存酸素濃度の飽和度がある。したがって強いエネルギーの関わり無しには水中溶存酸素濃度を上げることは極めて難しい。
【0013】
他にも、投入される微生物で例えば乳酸菌などの乳酸醗酵によって得られ,乳酸菌によって生産されるバイオプリザバティブ(植物・動物及び微生物起源の抗菌作用をもつ化合物で何らの害作用もなく長期間人間において食べられてきたもの)の抗菌ペプチド(例えばバクテリオシン)・乳酸菌体細胞の酵素による過酸化水素生産・有機酸(例えば、乳酸PH2,0〜PH2,5・酢酸・ギ酸・プロピオン酸)などの殺菌及び静菌作用を有する微生物由来物質によって活性緑藻菌などは、生菌活性が抑制されて施用効果が発揮されないなど、或いは、ダメージを受け極めて効果を得ることができないなど課題があった。
【0014】
これら諸問題を解決乃至改善するために、微生物の有効利用も検討され始め農園芸用の微生物製剤も提案されているが、殺菌効果もまだ充分ではないものが多く菌自体が効力を減衰するなど持続性にかけるという欠点がありまだ満足できるものが極めて少ないのが実情である。
【0015】
現在、流通している多くの有機質肥料や土壌改良材など特に堆肥は粉状であるため扱い難く、圃場施肥する際に風に舞い目や呼気に入る可能性があることから、健康上への不安など問題が生じている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特公平8−23013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
解決しようとする課題は、食品残渣や養鶏、養豚、酪農などにおけるアンモニア等の悪臭成分を効果的に分解し且つ土壌に石灰、苦土、カリなどが集積して所謂塩基飽和度が異常に高い土(CEC: Cation Exchange Capacity 陽イオン交換容量又は塩基置換容量)など、特に施設園芸や化学肥料など長年使用し続け流亡せず残留している塩類乃至塩基集積圃場の土壌改善が同時に行える合理性に富む、環境浄化機能性を有する土壌改善組成体を提供することにある。
【0018】
土はCEC:Cation Exchange Capacity 陽イオン交換容量又は塩基置換容量の、肥料保持容量を高めることにより塩基の集積害を軽減することができ、過剰状態を解消するには、有効微生物をコロニー繁殖せしめて該微生物に塩類を食べてもらうなどの方法がある。
【0019】
有機質肥料は、微生物の繁殖には好条件であり無機質肥料に比べて電気伝導度(EC)を高めず、肥料に対する濃度障書を起こしにくいため、多肥の傾向にある施設園芸での栽培には安全な土壌改善用資材として、ゼオライトを含む有機質肥料を施用するなどの方法がある。
【0020】
現在、流通している多くの堆肥や有機質肥料は、粉状であるため扱い難く、散布する際に風に舞い目や呼気に入る可能性があることから、健康上への不安など問題が生じている。
【0021】
従前の技術で、成形された造粒物は高い圧縮圧による成形温度の上昇が生息域50℃以下の中低温域に生息する有効微生物群の分解や死滅を招き、硬く絞まっていたことから植物栽培に施用しても膨潤や崩壊が遅く施肥効果の発現に時間を要するなどの問題があった。
【0022】
したがって土壌と接触した際の施肥効果発現の早さを改善し、更に有効微生物群の生存率を高めるには常温、低圧造粒による造粒技術で成型することが望ましい。
【0023】
他にも、土と接触した際に崩壊し易く環境にやさしく且つ、食品廃棄物や養鶏、養豚、酪農など家禽畜糞堆肥の悪臭成分の分解も兼ねた合理性に富む環境浄化機能性を有する土壌改善組成体を提供することにある。
【0024】
それは農業の持つ物質循環機能を生かし生産性との調和に留意しつつ、土作りを通じて化学肥料、科学農薬などによる環境への負荷の軽減に配慮した、持続的な農業を展開することにある。すなわち生態系の保護を重視し生物環境と多様な相互作用をもつ非生物環境を考慮しながら生命の保全とその促進を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明
は、大谷石凝灰岩を0.1mmから3mmの大きさに破砕又は粉砕して粉粒を生成し、この粉粒に、乳酸菌を乳酸菌栄養素とともに前記乳酸菌の生存雰囲気中で培養し、前記乳酸菌による乳酸発酵によって微生物由来の抗菌性蛋白質バクテリオシンを生産して含んだ培養液を担持含浸せしめるとともに、前記粉粒に存在する細孔空隙に少なくとも麹菌及び酵母菌を担持含浸せしめ、水を噴霧して練り上げ平均含水率45%に整えて混和し、50℃を超えない温度で直径が4mmから6mmの大きさの粒状に造粒成形し、乾燥し、陽イオン交換容量130.4meq/100gを有する土壌改善組成体を製造することを特徴とする環境浄化機能性を有する土壌改善組成体の製造方法である。
また、環境浄化機能性を有する土壌改善組成体の製造方法で製造された土壌改善組成体を食品残渣物へ適用し、前記食品残渣物に含まれる悪臭成分を分解することを特徴とする環境浄化機能性を有する土壌改善組成体を用いた悪臭成分分解方法である。
また、環境浄化機能性を有する土壌改善組成体の製造方法で製造された土壌改善組成体を堆肥へ適用し、前記堆肥に含まれる悪臭成分を分解することを特徴とする環境浄化機能性を有する土壌改善組成体を用いた悪臭成分分解方法である。
【発明の効果】
【0026】
本発明の土壌改善組成体は、凝灰岩の粉粒に、水分と微生物の生存雰囲気で微生物栄養素及び、乳酸菌と乳酸菌による乳酸発酵によって生産される微生物由来の抗菌性蛋白質バクテリオシンを生存雰囲気で担持含浸せしめたものであるため、圃場に施用された際、微生物由来のバイオプリザバティブなどの殺菌及び静菌作用ほか、凝灰岩の粉粒中ゼオライト構造(内部表面に含む三次元骨格構造)を有するクリノプチロライト乃至モンモリロナイト粘土鉱物による土壌肥料要素の成分吸着が行われるため、無駄な流亡を抑えることができるので、さらに施肥効果を向上させることができる。したがって肥料流亡による環境への負荷を軽減することができる。
【0027】
更に、凝灰岩の粉粒中に存在する約37%に及ぶ細孔空隙に、麹菌乃至酵母菌、枯草菌、アンモニア分解菌(例えばニトロソモナス)及び硝酸化成菌に属する微生物から選ばれた少なくとも一つの菌体を担持含浸せしめたため、請求項1記載の土壌改善組成体は乳酸菌による乳酸発酵で産生した乳酸はPH2.0〜PH2.5の強酸性であり、他にも大気汚染物質による酸性降水(PH5.6以下であり、内燃機関や火力発電及び焼却炉排出ガスの化石燃料燃焼や金属精錬などにより大気中に放出される二酸化硫黄(SO
2)や窒素酸化物(NOx)などを起源とする酸性物質が、雨・雪・霧などに溶け込んで降ってくる現象)などの酸性域でも繁殖ができる、例えば選ばれた一つの菌体として酵母(イースト)菌は、他の微生物例えば麹カビが合成した酵素(例えばアミラーゼで炭水化物はブドウ糖に合成、プロテアーゼは蛋白質をアミノ酸合成)によって合成された物質を栄養素として、各種アミノ酸やビタミン、脂肪酸などを合成できる点であり、酸素の有無により異なり、酸素がないと嫌気的醗酵(アルコール醗酵)に切り替わりアルコールを合成するので、殺菌的静菌作用を有する発酵型土壌を形成することができる。所謂微生物の働きのうち腐敗や変敗ではなく微生物の多様性を育み物質循環機能を生かした発酵型の根圏環境を整えることから、作物を理想的な生育環境で栽培することができる。
【0028】
また、本発明は、環境浄化機能性を有する土壌改善組成体の製造方法で製造された土壌改善組成体を食品残渣物又は堆肥へ適用し、この食品残渣物又は堆肥に含まれる悪臭成分を分解することを特徴とする環境浄化機能性を有する土壌改善組成体を用いた悪臭成分分解方法である。請求項1記載の製造方法で製造された土壌改善組成体と他に微生物の生存雰囲気で微生物栄養素と枯草菌、ニトロソモナス及び硝酸化成菌に属する微生物から二つの菌体を担持含浸せしめた。一つの菌体として枯草菌は、蛋白質や脂肪、炭水化物など様々なものを生分解することから食品残渣物を強力な分解力で分解するので悪臭を抑え、他にニトロソモナスはアンモニアなど毒性成分を分解することから物質を更に有効体化することができる。土壌改善組成体に内包する菌体のコロニー繁殖に伴い産生するポリウロナイドは土(CEC:Cation Exchange Capacity 陽イオン交換容量又は塩基置換容量)の三相、液相(保水力)、固相(保肥力)、気相(透水性)を改善するため植物生育を良好にして環境浄化能及び農作物の連作障害を緩和乃至回避することができる。ほか電気伝導度(EC)を高めず、肥料に対する濃度障書を起こしにくいという利点がある。本発明の
製造方法で製造された土壌改善組成体を効率よく採用することで、より一層の土壌改善効果及び、更に植物根圏環境の浄化促進することになるので植物の健全生育に伴い病虫害発生を抑制することができる。
【0029】
現在、農業分野において一般流通している多くの堆肥や有機質肥料は、粉状であるため扱いにくく、散布する際に風に舞い目や呼気に入る可能性があることから、健康上への不安など問題が生じていたため、本発明の、環境浄化機能性を有する土壌改善組成体は、常温雰囲気中での造粒を特徴としたことで微生物本来の生存雰囲気での活性を失うことなく造粒できるので、利用するエンドユーザーの健康上への不安やこれを圃場施用した際、膨潤や崩壊速度が速いため分解しやすく施肥効果の発現などの問題とを双方解決せしめたので、各方面から高く評価されることが知見予測できることを奏する。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、実施の形態に基づいて当該発明をより具体的に詳述するが、下記の形態によって本発明が実施形態だけに限定されるものではない。
【実施例1】
【0031】
凝灰岩を0,1mmから3mmの大きさに破砕乃至粉砕して凝灰岩の粉粒を生成する。1cc当たり1×10
6個から1×10
7個の生息数を有する乳酸菌と、その栄養素(糖分及び又はタンパク質)を容器にいれて、乳酸菌の生存雰囲気中で培養すると、乳酸発酵されて微生物由来のバイオプリザバティブや乳酸菌体細胞の酵素による過酸化水素生産、ほか有機酸(例えばPH2.0〜PH2.5の乳酸、酢酸、ギ酸、プロピオン酸)等の殺菌及び静菌作用を有する乳酸発酵によって生産される抗菌性蛋白質バクテリオシンが生成されて培養液ができる。その結果得られた培養液100mlを生存雰囲気中で凝灰岩の粉粒10kgに塗し担持含浸せしめた後、水を噴霧させて練り上げ平均含水率45%付近に整え、混和したものを成形温度50℃を超えない様に造粒機で直径が4mmから6mmの大きさに造粒成形して乾燥させて土壌改善組成体ができる。大谷石凝灰岩の主成分はゼオライト構造(内部表面に含む三次元骨格構造)を有するクリノプチロライトで粉粒中に存在する細孔空隙は約37%に及ぶ。ほか極めて鉄分を多く含むサポナイトとモンモリロナイト−バイデライト系の2種のスメクタイトの得意な粘土鉱物である。また陽イオン交換容量(CEC:Cation Exchange Capacity)は大谷石凝灰岩粉末で130.4meq/100gを有する。この細孔空隙が存在するために土壌養分を吸着する
。上記の製造工程で造粒機による50℃を超えないように造粒成形したので、微生物は生存雰囲気で存在しうる。
【実施例2】
【0032】
大谷石凝灰岩(成分分析:東大地質学研究所:珪酸SiO
2 66.96%、第二酸化鉄Fe
2O
2 1.85%、アルミニュームAIO
3 12.55%、マンガンMnO
2 0.06%、マグネシウムMgO、カリK
2O 2.35%、ナトリウムNa
2O 2.87%、水分H
2O 11.02%)は、有効空隙率約37%存在しその細孔空隙に、微生物と微生物栄養素とを生存雰囲気中で担持含浸せしめた。以下述べる培養技術で微生物培養を行う。微生物栄養素として酵母エキスほかペプトンとブドウ糖を5%濃度液培地として用いる、乳酸菌と容器に入れ38℃の生存雰囲気で48時間振盪培養した微生物は、1cc当たり1×10
6個から1×10
7個の生息数まで増殖する。乳酸醗酵によって得られ、乳酸菌によって生産されるバイオプリザバティブなどの殺菌及び静菌作用を有する微生物由来の抗菌性蛋白質バクテリオシンを産生した。微生物の生存雰囲気中で微生物栄養素と、麹菌乃至酵母菌、枯草菌、アンモニア分解菌及び硝酸化成菌に属する微生物から選ばれた少なくとも一つの菌体を担持含浸せしめたことを特徴とする請求項1記載の環境浄化機能性を有する土壌改善組成体であり、ゼオライト構造(内部表面に含む三次元骨格構造)を有するクリノプチロライトで土壌肥料要素の成分吸着が行われるため、無駄な流亡を抑えることができるので、さらに施肥効果を向上させる。したがって肥料流亡による環境への負荷を軽減することができる。
【実施例3】
【0033】
食品残渣物を含水率50%〜70%に調整して醗酵微生物を塗し混練して醗酵槽内で38℃程度の温風を吹き込み30日間の好気性醗酵を促す。その間60℃の醗酵温度を3日間保ち植物種子の発芽能力を滅した有機質肥料で、上記の大谷石凝灰岩の粉粒10kgに対し微生物の生存雰囲気中で微生物栄養素と乳酸菌と乳酸醗酵によって得られ、乳酸菌によって生産れるバイオプリザバティブなどの殺菌及び静菌作用を有する微生物由来の抗菌性蛋白質バクテリオシンを1cc当たり1×10
6個から1×10
7個の生息数を100ml塗した。ほか麹菌乃至酵母菌や枯草菌、ニトロソモナス及び硝酸化成菌に属する微生物から選ばれた少なくとも一つの菌体を担持含浸せしめたるが好ましい。相乗して大谷石粉に含まれる主成分であるクリノプチロライトの細孔径はゼオライト鉱物中でも細い細孔径を有する空隙細孔中に陽イオン交換容量(CEC: Cation Exchange Capacity)の機能性を有するため土壌養分を吸着するので土壌改善組成体として成立する。ほか、内包する菌体のコロニー繁殖に伴い有機物を更に有効体化し産生するポリウロナイドは土(CEC: Cation Exchange Capacity 陽イオン交換容量又は塩基置換容量)の三相,液相(保水力),固相(保肥力)、気相(透水性)を改善するため環境浄化機能性を有する土壌改善組成体として高く評価される、また物質循環機能を生かした持続性のある有機農業を実現できる。
【実施例4】
【0034】
凝灰岩を0.1mmから3mmの大きさに破砕乃至粉砕して凝灰岩の粉粒を生成する。この粉粒10kgに対し乳酸菌の生存雰囲気中で乳酸菌栄養素と乳酸菌と乳酸醗酵によって得られ乳酸菌によって生産されるバイオプリザバティブなどの殺菌及び静菌作用を有する微生物由来の抗菌性蛋白質バクテリオシンを1cc当たり1×10
6個から1×10
7個の生息数を100ml塗したのち、水を噴霧させて練り上げ平均含水率45%付近に整え混和したものを造粒機で径4mmから径6mmの大きさの粒状に成形して乾燥させる。なお微生物が死滅しないよう生存雰囲気中で、凝灰岩の粉粒中に存在する細孔空隙は約37%に及ぶ、この細孔空隙が存在するために微生物の担持含浸が可能であり、また土壌養分を吸着するものである。この凝灰岩の調整粉粒に対し堆肥(日本の肥料取締法に認められた堆肥)を重量比1:1で混練したのでアンモニアなどの毒性や悪臭成分を生分解乃至吸着するので環境浄化機能性を有する土壌改善組成体として効果乃至利点を奏する。
【0035】
上記の、各実施例による製造工程で調整された資料を有効微生物群の生存雰囲気である50℃を超えない様に造粒したので、施用した際に膨潤活性も優れ肥料効果の発現も速やかになり内包する微生物も生存雰囲気で存在しうる。特に毒性の高いアンモニアを分解するニトロソモナスは亜硝酸を合成し、さらに窒素化成菌により硝酸塩を合成する。汎生する微生物は有機質肥料を更に効率よく生分解して有機効果の発現に大きく貢献する。現在農業分野において、一般流通している多くの有機質肥料は、粉状であるため扱いにくく、散布する際に風に舞い目や呼気に入る可能性があることから、健康上への不安など問題が生じていた。本発明の、環境にやさしい微生物と微生物由来のバイオプリザバティブ(植物・動物及び微生物起源の抗菌作用をもつ化合物で何ら害作用もなく長期間人間において食べられてきたもの)を内包する土壌改善組成体は造粒成形を特徴とすることで、微生物本来の生存雰囲気での活性を失うことなく造粒できたので、これを利用する人々の健康上への不安などの問題と施肥効果の速やかな発現とを双方解決せしめたので、環境浄化機能性を有する土壌改善組成体として付加価値を増し各方面から高く評価されることを知見予測できることを奏する。