(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
かかる組合せ秤によって、例えば、ピーマン、タマネギ、ジャガイモなどの野菜類、あるいは、オレンジやリンゴなどの果物類の組合せ計量を行って数個入りのパック製品を製造するような場合には、上記リニアフィーダ32を振動させることによって、供給ホッパ33に投入する被計量物の個数は、例えば、1,2個程度となることがある。供給ホッパ33に投入された被計量物は、該供給ホッパ33の排出用のゲート34を開放することによって、下方の計量ホッパ35に投入されて重量センサ36によって計量され、組合せ演算が行われる。
【0008】
この組合せ演算によって選択された計量ホッパ35の被計量物は、該計量ホッパ35の排出用のゲート37を開放することによって、排出されて集合シュート38を介して包装機39に投入される。被計量物を排出して空になった計量ホッパ35に対して、該計量ホッパ35の上方の供給ホッパ33から被計量物を供給するために、該供給ホッパ33の排出用のゲート34が開放される。このとき、供給ホッパ33に被計量物がないと、計量ホッパ35に被計量物を投入することができず、少なくとも1計量サイクルの間は、その計量ホッパ35には、被計量物が投入されていないことになり、組合せ演算に参加できる計量ホッパ35の数が減り、組合せ精度が低下することになる。また、供給ホッパ33に被計量物がないために、計量ホッパ35に被計量物を投入できなかったときには、リニアフィーダ32を再度駆動して供給ホッパ32に被計量物を再投入しなければならず、運転速度が低下する。
【0009】
本発明は、上述のような点に鑑みて為されたものであって、組合せ演算に参加できない空の計量部が生じる頻度を少なくして、組合せ精度および運転速度の低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明では、次のように構成している。
【0011】
(1)本発明の組合せ秤は、被計量物を搬送して搬送端から供給する複数の搬送部と、各搬送部に対応して配置されると共に、前記搬送端から供給される被計量物を保持し、保持した被計量物を排出する複数の排出部と、各排出部に対応して配置されると共に、各排出部から排出される被計量物を保持し、該保持した被計量物の重量を計量する複数の計量部と、前記計量部で計量される被計量物の重量に基づいて組合せ演算を行うと共に、前記搬送部の駆動を制御する演算制御部とを備える組合せ秤であって、前記各搬送部の前記各搬送端における被計量物を検出する被計量物センサを設け、前記演算制御部は、前記搬送部の駆動によって、前記搬送端から被計量物が前記排出部に供給されたか否かを、前記被計量物センサの検出出力に基づいて判定し、被計量物が供給されたと判定された排出部に対応する計量部を、優先的に選択するように組合せ演算を行う
ものであり、前記複数の搬送部は、分散部から供給される被計量物を、振動によって搬送する複数の振動フィーダであり、前記複数の排出部は、保持した被計量物を排出して前記計量部に供給する複数の供給ホッパであり、前記複数の計量部は、重量センサによって被計量物の重量を計量する複数の計量ホッパであり、前記演算制御部は、前記振動フィーダの駆動を制御すると共に、前記供給ホッパの排出用のゲートの開閉を制御するものであり、前記演算制御部は、前記供給ホッパの排出用のゲートを閉止している場合に、前記振動フィーダの駆動によって、該振動フィーダの前記搬送端における被計量物を検出する前記被計量物センサの検出出力が、被計量物を検出している検出状態から被計量物を検出していない非検出状態に移行したときには、前記振動フィーダの前記搬送端における被計量物が、前記供給ホッパに供給されたと判定するものである。
【0012】
本発明の組合せ秤によると、搬送部の駆動を制御する演算制御部は、搬送部の駆動によって、該搬送部の搬送端の被計量物が、排出部へ供給されたか否かを、前記搬送端の被計量物を検出する被計量物センサの検出出力の変化に基づいて、判定することができ、被計量物が供給されたと判定された排出部に対応する計量部を、優先的に選択するように組合せ演算を行うので、この優先的に選択される計量部が組合せ演算で選択されて該計量部の被計量物を排出した後には、該計量部に対して、被計量物が供給されたと判定された排出部から被計量物が確実に投入されることになる。これによって、排出部に被計量物が供給されているか否かを考慮することなく、通常の組合せ演算を行う従来例に比べて、組合せ演算に参加できない空の計量部が生じる頻度を減らすことが可能となり、組合せ精度の低下および被計量物の再投入による運転速度の低下を抑制することができる。
【0014】
本発明の組合せ秤によると、演算制御部は、振動フィーダの駆動によって、該振動フィーダの搬送端の被計量物が供給ホッパに供給されたか否かを、被計量物センサの検出出力の変化に基づいて、判定することができ、被計量物が供給されたと判定された供給ホッパに対応する計量ホッパを、優先的に選択するように組合せ演算を行うので、この計量ホッパが組合せ演算で優先的に選択されて該計量ホッパの被計量物を排出した後には、該計量ホッパには、被計量物が供給されたと判定された供給ホッパから被計量物が確実に投入されることになり、供給ホッパに被計量物が供給されているか否かを考慮することなく、通常の組合せ演算を行う従来例に比べて、組合せ演算に参加できない空の計量ホッパが生じる頻度を減らすことが可能となる。これによって、組合せ精度の低下および被計量物の再投入による運転速度の低下を抑制することができる。
【0016】
本発明の組合せ秤によると、演算制御部は、供給ホッパの排出用のゲートを閉止している場合に、振動フィーダの駆動によって、該振動フィーダの前記搬送端における被計量物が、被計量物センサによって検出されている検出状態から、検出されない非検出状態に移行したときには、振動フィーダの前記搬送端に有った被計量物が、供給ホッパに供給されたために、搬送端から無くなって非検出状態に移行したと判定するものである。
【0017】
(
2)
本発明の組合せ秤の他の実施態様では、前記演算制御部は、前記振動フィーダを設定時間に亘って駆動して被計量物を搬送するものであって、前記振動フィーダを前記設定時間に亘って駆動したときに、前記非検出状態に移行した被計量物センサの検出出力が、再び前記検出状態に移行しないときには、前記振動フィーダを更に駆動するものである。
【0018】
この実施態様によると、振動フィーダを設定時間に亘って駆動して被計量物を搬送端から供給ホッパに供給するのであるが、振動フィーダを駆動して搬送端の被計量物が供給ホッパに供給されることによって、被計量物センサの検出出力が、被計量物を検出していない非検出状態となった後、被計量物を検出している検出状態に移行しないときには、振動フィーダの搬送端に被計量物が存在しないことになり、この状態で振動フィーダの駆動を停止してしまうと、次回の計量サイクルで振動フィーダを駆動しても供給ホッパへ被計量物を供給できず、更に、供給ホッパから計量ホッパへ被計量物を投入することができなくなる虞がある。
【0019】
この実施態様では、かかる場合には、更に、振動フィーダの駆動を行うので、被計量物を搬送端まで搬送して次回の計量サイクルで供給ホッパに被計量物を供給することが可能となる。
【0020】
(
3)本発明の組合せ秤の別の実施態様では、前記演算制御部は、被計量物が供給されたと判定された供給ホッパに対応する計量ホッパを、優先的に選択する前記組合せ演算によって、最適組合せが得られなかったときには、通常の組合せ演算を行うものである。
【0021】
この実施態様によると、被計量物が供給されたと判定された供給ホッパに対応する計量ホッパを優先的に選択する組合せ演算では、最適組合せが得られなかったときには、通常の組合せ演算を行うので、この通常の組合せ演算で最適組合せを得ることができる。これによって、被計量物が供給されたと判定された供給ホッパに対応する計量ホッパを、優先的に選択する組合せ演算で最適組合せが得られない場合に歩留まりが低下するのを防止することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によると、搬送部の駆動を制御する演算制御部は、搬送部の駆動によって、該搬送部の搬送端の被計量物が、排出部へ供給されたか否かを、前記搬送端の被計量物を検出する被計量物センサの検出出力の変化に基づいて、判定することができ、被計量物が供給されたと判定された排出部に対応する計量部を、優先的に選択するように組合せ演算を行うので、この計量部が組合せ演算で選択されて該計量部の被計量物を排出した後には、該計量部に対して、被計量物が供給されたと判定された排出部から被計量物が確実に投入されることになり、排出部に被計量物が供給されているか否かを考慮することなく、通常の組合せ演算を行う従来例に比べて、組合せ演算に参加できない空の計量部が生じる頻度を減らすことが可能となる。これによって、組合せ精度の低下および被計量物の再投入による運転速度の低下を抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0025】
図1は、本発明の一つの実施形態に係る組合せ秤の概略構成を示す模式図である。この実施形態の組合せ秤は、その装置上部の中央に、供給装置1から供給される被計量物20を振動によって放射状に分散させる円錐形のトップコーン3と、このトップコーン3を振動させるメインフィーダ(分散フィーダ)4が設けられている。
【0026】
被計量物20は、限定されないが、例えば、ピーマン、トマト、ジャガイモ等の野菜類、オレンジ、リンゴ等の果物類、あるいは、ピロー包装された菓子類などの計量に好適であり、特に、組合せ計量を行って数個入りのネット包装品等を製造するのに好適である。
【0027】
供給装置1は、図示しないベルトコンベアから供給されるピーマン等の被計量物20を振動によって搬送してトップコーン3の中央部へ供給する。トップコーン3では、供給装置1からその中央部に供給される被計量物20を振動によってその周縁部方向へ搬送する。トップコーン3の周辺には、トップコーン3から送られてきた被計量物20を複数の各供給ホッパ12に搬送する複数のリニアフィーダパン6と、このリニアフィーダパン6をそれぞれ振動させる複数のリニアフィーダ8とが放射状に設けられている。リニアフィーダパン6の周縁部下方には、排出部としての複数の供給ホッパ12が設けられ、供給ホッパ12の下方には、計量部としての計量ホッパ13が設けられ、両ホッパ12,13は、円周状に配置されている。
【0028】
供給ホッパ12及び計量ホッパ13の下部には、開閉可能な排出用のゲート12a及びゲート13aがそれぞれ設けられている。
【0029】
供給ホッパ12は、リニアフィーダパン6によって搬送されてその先端である搬送端6aから落下排出される被計量物20を受け取り、その下方に配置された計量ホッパ13が空になると排出用のゲート12aを開放して被計量物20を落下排出して計量ホッパ13へ投入する。また、各計量ホッパ13には、計量ホッパ13内の被計量物20の重量を計測するロードセル等の重量センサ10が連結され、各重量センサ10による計量値は制御装置9へ出力される。
【0030】
複数のリニアフィーダパン6及び各リニアフィーダパン6をそれぞれ振動させる複数のリニアフィーダ8によって、対応する各供給ホッパ12に被計量物20を搬送する複数の搬送部が構成される。
【0031】
計量ホッパ13は、被計量物20を集合シュート14へ排出可能である。制御装置9による組合せ演算によって複数の計量ホッパ13の中から被計量物20を排出すべき計量ホッパ13の組合せが求められ、ネット包装用の包装機15から排出要求信号の入力があると、その組合せに該当する計量ホッパ13から被計量物20が集合シュート14へ排出され、更にその下方の包装機15へと排出される。
【0032】
この実施形態では、供給装置1からトップコーン3に供給される被計量物の量は、トップコーン3及びメインフィーダ4を支持しているトップコーン用重量センサ5によって計量され、その計量値が制御装置9に与えられる。制御装置9では、トップコーン用重量センサ5によって計量されるトップコーン3上の被計量物20の重量に基づいて、トップコーン3上の被計量物20の量を一定量に保つように、供給装置1を制御する。
【0033】
操作設定表示部11は、例えばタッチパネル等を用いて構成され、組合せ秤の操作およびその動作パラメータの設定等を行うと共に、運転速度、組合せ計量値等を画面に表示する。
【0034】
制御装置9では、供給装置1の動作制御および組合せ秤の全体の動作制御を行うと共に、組合せ演算を行う。組合せ演算では、計量ホッパ13内の被計量物20の重量が重量センサ10によって計量される。複数の計量ホッパ13の中から、被計量物20の重量値の合計である組合せ重量が、組合せ目標重量に等しいあるいは許容範囲内の最も近い所定重量となる最適組合せが1つ求められる。
【0035】
この実施形態では、供給ホッパ12から被計量物が供給されず、組合せ演算に参加できない空の計量ホッパ13が生じる頻度を少なくして組合せ精度及び再投入による運転速度が低下するのを抑制するために、複数の各リニアフィーダパン6の搬送端6aにおける被計量物20をそれぞれ検出する複数の被計量物センサ7を設けている。この実施形態では、被計量物を検出する被計量物センサ7として、例えば、光電センサを用いているが、光電センサに限らず、ロードセル等の重量センサ、リミットスイッチ、カメラで撮像した画像を処理する画像センサなどの他のセンサを用いてもよい。
【0036】
この実施形態では、被計量物センサ7の検出出力に基づいて、リニアフィーダパン6の搬送端6aにおける被計量物20が、供給ホッパ12に供給されたか否かを判定する。
【0037】
この判定は、リニアフィーダパン6の搬送端6aにおける被計量物20を検出する被計量物センサ7の検出出力の変化に基づいて、次のようにして行う。
【0038】
すなわち、リニアフィーダ8の駆動によって、リニアフィーダパン6の搬送端6aにおける被計量物を検出する被計量物センサ7の検出出力が、被計量物20を検出している検出状態から、被計量物20を検出していない非検出状態に移行したときには、被計量物センサ7によって検出されていた搬送端6aの被計量物20が、リニアフィーダ8の駆動によって搬送端6aから落下して供給ホッパ12に供給されたために、被計量物センサ7によって検出されなくなったとするものである。
【0039】
つまり、リニアフィーダ8を駆動することによって、被計量物センサ7の検出出力が、検出状態から非検出状態に移行したときには、リニアフィーダパン6の搬送端6aにおける被計量物20が、搬送端6aから落下して供給ホッパ20に供給されたと判定するものである。なお、リニアフィーダ8の駆動前に、被計量物センサ7の検出出力が、検出状態であって、リニアフィーダ8の駆動を開始した後に、非検出状態に移行したときにも、リニアフィーダパン6の搬送端6aにおける被計量物20が、リニアフィーダ8の駆動によって搬送端6aから落下して供給ホッパ20に供給されたと判定する。
【0040】
更に、この実施形態では、被計量物20が供給されたと判定された供給ホッパ12に対応する計量ホッパ13、すなわち、被計量物20が供給されたと判定された供給ホッパ12の下方の計量ホッパ13を、優先的に選択するように組合せ演算を行う。
【0041】
被計量物20が供給されたと判定された供給ホッパ12に対応する計量ホッパ13を、優先的に選択する組合せ演算では、例えば、被計量物20が供給されたと判定された供給ホッパ12に対応する計量ホッパ13を、優先的に組合せ演算に参加させるものであってもよいし、組合せ演算によって、組合せの条件を満足する複数組の最適組合せが得られたような場合に、前記計量ホッパ13を含む最適組合せを最終的な最適組合せとして選択するようなものであってもよい。
【0042】
このように被計量物20が供給されたと判定された供給ホッパ12に対応する計量ホッパ13を、優先的に選択する組合せ演算を行って、この計量ホッパ13が、選択されて被計量物20を排出した後には、被計量物が供給されたと判定された供給ホッパ12から計量ホッパ13に被計量物が確実に投入されることになる。
【0043】
従来では、供給ホッパ12に被計量物20が供給されているか否かに拘らず、通常の組合せ演算を行っているので、組合せ演算で選択された計量ホッパ13から被計量物20を排出した後に、空となった計量ホッパ13に対応する供給ホッパ12に被計量物20が供給されてないときには、供給ホッパ12から前記空となった計量ホッパ13に被計量物20を投入できず、組合せ演算に参加できる計量ホッパ13の数が減り、組合せ精度が低下していた。また、供給ホッパ12に被計量物がないために、計量ホッパ13に被計量物20を投入できなかったときには、リニアフィーダ8を再度駆動して供給ホッパ12に被計量物を再投入しなければならず、運転速度が低下していた。
【0044】
これに対して、この実施形態では、上述のように、被計量物20が供給されたと判定された供給ホッパ12に対応する計量ホッパ13を、優先的に選択するように組合せ演算を行うので、この計量ホッパ13が、組合せ演算で選択されて被計量物20を排出した後には、被計量物が供給されたと判定された供給ホッパ12から計量ホッパ13に対して、被計量物が確実に投入されることになる。
【0045】
これによって、供給ホッパ12に被計量物20が供給されているか否かを考慮することなく、通常の組合せ演算を行う従来例に比べて、組合せ演算に参加できない空の計量ホッパ13が生じる頻度を少なくすることができ、組合せ精度の低下および被計量物の再投入による運転速度の低下を抑制することができる。
【0046】
図2は、この実施形態における組合せ秤の制御系統の概略構成を示すブロック図であり、
図1に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
【0047】
図2に示すように、制御装置9は、演算制御部としてのCPU部16と、メモリ部17と、A/D変換回路部18と、ゲート駆動回路部19と、振動制御回路部21と、包装機15に接続されたI/O回路部22とを備えている。
【0048】
演算制御部としてのCPU部16は、各部を制御すると共に、組合せ演算を行う。メモリ部17は、組合せ秤の動作プログラム及び設定される動作パラメータ等を記憶しており、CPU部16に対する演算などの作業領域となる。A/D変換回路部18は、トップコーン3上の被計量物20の重量を検出するトップコーン用重量センサ5及び各計量ホッパ13の被計量物20の重量を検出する各重量センサ10からのアナログ信号をデジタル信号に変換してCPU部16へ出力する。また、CPU部16には、I/O回路部25を介して各リニアフィーダパン6の搬送端6aにおける被計量物をそれぞれ検出する上述の被計量物センサ7からの検出出力が与えられる。
【0049】
ゲート駆動回路部19は、CPU部16からの制御信号に基づいて、供給ホッパ12及び計量ホッパ13の排出用のゲート12a,13aの開閉を制御する。振動制御回路部21は、CPU部16からの制御信号に基づいて、供給装置1、メインフィーダ4及び各リニアフィーダ8のそれぞれの振動動作を制御する。また、CPU部16は、操作設定表示部11と相互に通信できるように接続されている。
【0050】
制御装置9は、CPU部16がメモリ部17に記憶されている動作プログラムを実行することにより、供給装置1及び組合せ秤全体の動作を制御する。
【0051】
組合せ秤では、上述のような動作を行うための多数の動作パラメータの設定が必要であり、その設定は操作者が操作設定表示部11を用いて行い、設定された動作パラメータの値はCPU部16へ送られ、メモリ部17に記憶される。動作パラメータには、組合せ演算における目標値である組合せ目標重量及びそれに対する許容範囲、各フィーダ4,8の振動の振幅や駆動時間(1回の振動継続時間)、安定時間等がある。
【0052】
図3は、この実施形態の組合せ秤の全体の処理動作を説明するためのフローチャートである。
【0053】
先ず、制御装置9は、トップコーン用重量センサ5の検出出力に基づいて、供給装置1をON/OFF制御して、トップコーン3上への被計量物の供給量を制御する供給部制御を行う(ステップs1)。
【0054】
次に、トップコーン3を振動させるメインフィーダ4の駆動を制御してトップコーン3上の被計量物を周囲へ分散させてリニアフィーダパン6に被計量物を供給するメインフィーダ制御を行う(ステップs2)。
【0055】
次に、リニアフィーダパン6を振動させるリニアフィーダ8の駆動を制御して、空の供給ホッパ12に対応するリニアフィーダパン6を振動させてリニアフィーダパン6上の被計量物を当該空の供給ホッパ12に供給するリニアフィーダ制御を行う(ステップs3)。
【0056】
更に、供給ホッパ12の排出用のゲート12aを制御し、空の計量ホッパ13に対応する供給ホッパ12の排出用のゲート12aを開放して、被計量物を当該空の計量ホッパ13へ供給する供給ホッパ制御を行う(ステップs4)。こうして空の計量ホッパ13に被計量物が供給されると、対応する重量センサ10によって、前記計量ホッパ13に供給された被計量物の重量を計量し、計量値を制御装置9に取込む計量制御を行う(ステップs5)。
【0057】
次に、計量ホッパ13に供給されている被計量物の重量に基づいて、組合せ演算を行い、被計量物の重量を種々組合せた合計重量である組合せ重量が、目標組合せ重量に等しいか、あるいは、組合せ目標重量よりも重く、かつ、組合せ目標重量に近い所定重量の計量ホッパ13の組合せである最適組合せの選択を行う(ステップs6)。その後、包装機15からの排出要求信号の入力があるか否かを判断し(ステップs7)、排出要求信号の入力があると、組合せ演算で選択された最適組合せの計量ホッパ13の排出用のゲート13aを開放して被計量物を排出する、計量ホッパ制御を行い(ステップs8)、ステップs1に戻る。以下、上述と同様の計量サイクルを繰り返すことによって、最適組合せの被計量物が包装機15へと排出される。
【0058】
図4は、
図3のステップs3のリニアフィーダ制御の詳細を示すフローチャートである。
【0059】
先ず、1〜nの複数のリニアフィーダ8を特定するための番号kを、初期値「1」に設定する(ステップs301)。なお、この番号kは、リニアフィーダ8を特定すると共に、リニアフィーダ8によって振動されるリニアフィーダパン6から被計量物20が供給される供給ホッパ12及び該供給ホッパ12から被計量物20が投入される計量ホッパ13を特定する。
【0060】
ステップs302では、リニアフィーダ8(k)を駆動することを示す駆動フラグがオンしているか否かを判断し、オンしているときには、駆動時間タイマをセットし(ステップs303)、リニアフィーダ8(k)の駆動を開始し(ステップs304)、リニアフィーダ8(k)を駆動中であることを示す駆動中フラグをオンし(ステップs305)、駆動フラグはオフする(ステップs306)。
【0061】
次に、リニアフィーダ8(k)によって振動されるリニアフィーダパン6(k)の搬送端6aの被計量物20を検出する被計量物センサ7が被計量物を検出しているか否か、すなわち、被計量物センサ7の検出出力が、被計量物を検出している検出状態であるか否かを判断する(ステップs307)。このステップs307において、検出状態であるときには、検出した被計量物20が、対応する供給ホッパ12(k)に落下したか否かを検出するための落下検出フラグをオンし(ステップs308)し、ステップs319に移る。ステップs307において、検出状態でないときには、ステップs319に移る。
【0062】
ステップs319では、番号kを1つ増加し、番号kがn+1になったか否かを判断し(ステップs320)、n+1になったときには終了し、n+1になっていないときには、ステップs302に戻って次のリニアフィーダ8について同様の処理を行なう。
【0063】
上記ステップS302において、リニアフィーダ8(k)の駆動フラグがオンしていないときには、リニアフィーダ8(k)の駆動中フラグがオンしているか否かを判断し(ステップs309)、駆動中フラグがオンしているときには、リニアフィーダ8(k)に対応する供給ホッパ12(k)の落下検出フラグがオンしているか否かを判断し(ステップs310)、落下検出フラグがオンしているときには、被計量物センサ7の検出出力が、被計量物を検出している検出状態であるか否かを判断する(ステップs311)。
【0064】
ステップs311において、検出状態でない、すなわち、非検出状態のときには、被計量物センサ7の検出出力が、検出状態から非検出状態に移行したとして、落下検出フラグをオンしたリニアフィーダパン6(k)の搬送端6aの被計量物20が、供給ホッパ12(k)に落下供給されたと判定し、供給ホッパ12(k)に被計量物20が供給されたと判定したことを示す投入OKフラグをオンし(ステップs312)、上述のステップs303でセットしたリニアフィーダ8(k)の駆動時間タイマがタイムアップしたか否かを判断し(ステップS313)、タイムアップしたときには、駆動中フラグをオフし(ステップS314)、リニアフィーダ8の駆動を停止し、ステップS319に移る(ステップS315)。
【0065】
上記ステップs309において、駆動中フラグがオンしていないときには、ステップs319に戻る。
【0066】
上記ステップS311において、検出状態のときには、ステップS313に移る。また、ステップS314において、タイムアップしていないときには、ステップS319に移る。
【0067】
上記ステップS310において、供給ホッパ12(k)の落下検出フラグがオンしていないときには、被計量物センサ7の検出出力が、被計量物を検出している検出状態であるか否かを判断し(ステップS316)、検出状態であるときには、検出した被計量物20が、対応する供給ホッパ12(k)に落下したか否かを検出するための落下検出フラグをオンし(ステップs317)し、ステップs319に移る。また、ステップS316において、検出状態でない、すなわち、非検出状態であるときには、ステップS319に移る。
【0068】
図5は、
図3のステップs4の供給ホッパ制御の詳細を示すフローチャートである。
【0069】
先ず、番号kを初期値「1」に設定し(ステップs400)、供給ホッパ12(k)の排出用のゲート12aが開閉中であるか否かを判断し(ステップs401)、開閉中であるときには、排出用のゲート12aの開閉が完了したか否かを判断し(ステップs402)、完了したときには、対応するリニアフィーダ8(k)の駆動フラグをオンし(ステップs403)、番号kを1つ増加し(ステップs407)、番号kがn+1になったか否かを判断し(ステップs408)、n+1になったときには終了し、n+1になっていないときには、ステップs401に戻って次の供給ホッパ12について同様の処理を行なう。
【0070】
ステップs402において、排出用のゲート12aの開閉が完了していないときには、供給ホッパ12(k)の排出用のゲート12aの開閉を制御してステップs407に移る(ステップs404)。
【0071】
上記ステップs401において、供給ホッパ12(k)の排出用のゲート12aが開閉中でないときには、供給ホッパ12(k)の下方の計量ホッパ13の排出用のゲート13aが開閉されたか否かを判断し(ステップs405)、開閉されたときには、計量ホッパ13から被計量物が排出されたとして、該計量ホッパ13に被計量物を投入するために供給ホッパ12(k)の排出用のゲート12aの開閉を開始してステップs407に移る(ステップs406)。
【0072】
上記ステップs405において、計量ホッパ13の排出用のゲート13aが開閉されていないときには、ステップs407に移る。
【0073】
図6は、
図3のステップs6の組合せ演算制御の詳細を示すフローチャートである。
【0074】
先ず、計量が完了し、かつ、上方の対応する供給ホッパ12について、被計量物が供給されたと判定されたことを示す投入OKフラグがオンしている計量ホッパ13を、組合せ演算に参加させるホッパとし(ステップs601)、組合せ演算を行う(ステップs602)。すなわち、この組合せ演算では、上方の供給ホッパ12について、被計量物が供給されたと判定されたことを示す投入OKフラグがオンしている計量ホッパ13を優先的に選択するために、これら計量ホッパ13のみで組合せ演算を行う。
【0075】
この組合せ演算によって、所定重量範囲の最適組合せが有るか否かを判断し(ステップs603)、所定重量範囲の最適組合せがあるときには、終了する。
【0076】
ステップs603において、所定重量範囲の最適組合せがないときには、計量完了の計量ホッパ13の全てを組合せ演算参加ホッパとし(ステップs604)、通常の組合せ演算を行い(ステップs605)、終了する。
【0077】
なお、この実施形態では、ステップs601において、対応する供給ホッパ12の投入OKフラグがオンしている計量ホッパ13のみで組合せ演算を行うことによって、優先的に組合せ演算で選択されるようにしたけれども、本発明の他の実施形態として、例えば、計量が完了している全ての計量ホッパ13を参加させて組合せ演算を行い、所定重量範囲の組合せが複数組得られたときには、供給ホッパ12の投入OKフラグがオンしている計量ホッパ13が含まれている組を優先的に選択するようにしてもよい。
【0078】
(他の実施形態)
上述の実施形態では、
図4のステップs303でセットした設定時間に亘ってリニアフィーダ8を駆動するのであるが、例えば、リニアフィーダパン6の上流側のトップコーン3から被計量物20が円滑に供給されず、リニアフィーダパン6上で被計量物20が不連続に搬送されるように場合がある。かかる場合には、リニアフィーダ8を設定時間に亘って駆動しても、リニアフィーダパン6の搬送端6aまで被計量物20を搬送できず、供給ホッパ12に被計量物を投入できない虞がある。
【0079】
そこで、本発明の他の実施形態では、リニアフィーダ8を設定時間に亘って駆動したときに、被計量物センサ7の検出出力が、被計量物20を供給ホッパ12に供給したために、一旦被計量物20を検出していないオフの非検出状態になった後に、被計量物20を検出しているオンの検出状態にならないときには、リニアフィーダパン6の搬送端6aに、新たな被計量物20が搬送されていないので、リニアフィーダ8の駆動を継続するようにしてもよい。このリニアフィーダ8の駆動の継続は、被計量物センサ7の検出出力が、被計量物20を検出しているオンの検出状態になるまで行うのが好ましいが、予め定めた時間に亘って継続するようにしてもよい。
【0080】
上述の実施形態では、トップコーン3上の被計量物20の量を、トップコーン用重量センサ5によって検出したけれども、本発明の他の実施形態として、重量センサ5に代えて、トップコーン3の上方に、例えば超音波式などのレベル検出器を設け、このレベル検出器によって、トップコーン3上の被計量物20の量を検出し、トップコーン3上の被計量物20の量を制御してもよい。