【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1特徴構成は、長尺体カバー取付け具に係り、その特徴は、
構造体側の被取付け部に対する取付け部と、長尺体の長手方向の一部を支持する支持部と
を備えた長尺体支持具に対して、それの取付け部を外部に位置させる状態で外装するための支持具装着部を軸芯方向中間部に備え、且つ、前記長尺体支持具の両脇で長尺体を被覆する長尺体カバーの端部に外装するためのカバー装着部を軸芯方向両端部に備えた筒状に構成されているとともに、
前記被取付け部に取付けた状態の前記長尺体支持具とそれの両側に配置した長尺体カバーに対して装着操作が可能なように、径方向における相対近接操作で筒状に組付け可能な複数の分割筒部から構成されている点にある。
【0011】
上記構成によれば、前記長尺体支持具とそれの両脇の前記長尺体カバーの端部の各々とに外装するように前記分割筒部を組付けるだけで、長尺体支持具に対して両長尺体カバーを取付けることができる。
【0012】
従って、先述の従来技術のように長尺体カバーに切り欠きを現場で形成する面倒な追加作業を発生させることなく、長尺体支持具に対して両長尺体カバーを取付けることができる。
【0013】
しかも、長尺体支持具に対する両長尺体カバーの取付けによって、両長尺体カバーを連結することができるから、別途、長尺体カバー用の連結具を用いて両長尺体カバーを連結する必要もない。
【0014】
本発明の第2特徴構成は、第1特徴構成の実施に好適な構成であり、その特徴は、
前記長尺体支持具の前記支持部が、前記長尺体を挿通させる状態で長尺体を支持可能な環状又は略環状に構成されているとともに、
前記支持具装着部の内面部には、前記長尺体支持具の前記支持部の外周部に先端側が当接して該支持部を所定位置に保持するための弾性変形可能な位置保持片部が突設されている点にある。
【0015】
上記構成によれば、前記位置保持片部により前記長尺体支持具の支持部を所定位置に保持することができ、しかも、その位置保持片部の弾性変形によりその弾性変形範囲で長尺体支持具の形状変化にも対応することができる。従って、製造会社が異なる等から形状の異なる長尺体支持具に対しても長尺体カバーをガタツキ等のない状態で取付けることができる。
【0016】
本発明の第3特徴構成は、第1又は第2特徴構成の実施に好適な構成であり、その特徴は、
複数の前記分割筒部を筒状に組付けた状態で固定する固定手段が設けられているとともに、
前記分割筒部どうしが径方向の所定範囲で相対移動可能な仮組状態で両分割筒部を係止する仮組用係止手段が設けられている点にある。
【0017】
つまり、上記構成によれば、前記仮組用係止手段により前記分割筒部どうしを径方向の所定範囲で相対移動可能な仮組状態にすることができるから、例えば、長尺体の配設ルートの複数箇所で長尺体支持具に対して長尺体カバーを取付ける場合等において、先ず、各取付け箇所で前記分割筒部どうしを仮組状態にし、その仮組状態で全体のバランスを調整した後で、前記固定手段により各取付け箇所で長尺体支持具に対して長尺体カバーを取付けることができる。従って、後戻りのない効率的な作業によって長尺体支持具の各々に対し前記長尺体カバーを取付けることができる。
【0018】
本発明の第4特徴構成は、第1〜第3特徴構成のいずれかの実施に好適な構成であり、その特徴は、
前記長尺体支持具に対して装着した状態において長尺体支持具の取付け部に連なる部位を挟持する挟持手段が設けられている点にある。
【0019】
上記構成によれば、前記被取付け部に取付けた状態の前記長尺体支持具に対して外装操作を可能にするための分割構造を利用して、前記挟持手段により長尺体支持具の取付け部に連なる部位を挟持することができるから、前記長尺体支持具に対する装着状態でのガタツキを効率的に抑止することができる。
【0020】
本発明の第5特徴構成は、第4特徴構成の実施に好適な構成であり、その特徴は、
前記挟持手段が、前記長尺体支持具に対して装着した状態で長尺体支持具の取付け部に連なる部位を弾性的に挟持するように前記分割筒部の各々に設けられたバネ板部材から構成されている点にある。
【0021】
上記構成によれば、前記バネ板部材の弾性変形によりその弾性変形範囲で長尺体支持具の取付け部に連なる部位の形状変化に対応することができるから、製造会社が異なる等から形状の異なる長尺体支持具に対してもガタツキ等を抑止した状態で長尺体カバーを取付けることができる。
【0022】
本発明の第6特徴構成は、第1〜第5特徴構成のいずれかに記載の長尺体カバー取付け具を用いた長尺体カバーの取付け方法であって、
構造体側の被取付け部に前記長尺体支持具を取付け、且つ、該長尺体支持具に長尺体を支持させた状態で、長尺体支持具の両脇において長尺体を囲う状態で筒状の長尺体カバーを設けて該長尺体カバーを長尺体に保持させるととともに、
前記長尺体支持具とそれの両脇の前記長尺体カバーの端部とに外装させる状態で複数の前記分割筒部を筒状に組付けることにより、前記長尺体支持具に対し前記長尺体カバーを取付ける点にある。
【0023】
上記構成によれば、前記長尺体支持具とそれの両脇の前記長尺体カバーの端部の各々とに外装するように前記分割筒部を組付けるだけの作業によって、長尺体支持具に対して両長尺体カバーを取付けることができる。
【0024】
従って、先述の従来技術のように、前記長尺体カバーに切り欠きを開口形成する面倒な追加作業を不測に発生させることがなく、長尺体支持具に対して両長尺体カバーを取付けることができる。
【0025】
しかも、長尺体支持具に対する両長尺体カバーの取付けによって、両長尺体カバーを連結することができるから、別途、長尺体カバー用の連結具を用いて連結する必要もない。
【0026】
本発明の第7特徴構成は、第3特徴構成の長尺体カバー取付け具の複数個を用いた長尺体カバーの取付け方法であって、
構造体側の被取付け部に前記長尺体支持具の複数個を間隔を空けて取付け、且つ、長尺体支持具の各々に長尺体を支持させた状態で、長尺体支持具の各々の両脇において長尺体を囲う状態で筒状の長尺体カバーを設けて該長尺体カバーを長尺体に保持させるととともに、
前記長尺体支持具の各々とそれの両脇の前記長尺体カバーの端部とに外装させる状態で複数の前記分割筒部を前記仮組用係止手段により仮組した後、複数の長尺体カバー取付け具の各々を前記固定手段より固定することで、前記長尺体支持具の各々に対し前記長尺体カバーを取付ける点にある。
【0027】
つまり、上記構成によれば、先ず、各取付け箇所で前記分割筒部どうしを仮組状態にし、その後、前記固定手段により各取付け箇所で長尺体支持具に対して長尺体カバーを取付けるから、固定手段により固定する前の仮組状態において全体のバランスを調整することができる。従って、後戻りのない効率的な作業によって長尺体支持具の各々に対し前記長尺体カバーを取付けることができる。