(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5669214
(24)【登録日】2014年12月26日
(45)【発行日】2015年2月12日
(54)【発明の名称】自動車のステアリング用盗難防止装置
(51)【国際特許分類】
B60R 25/023 20130101AFI20150122BHJP
【FI】
B60R25/023
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-532631(P2011-532631)
(86)(22)【出願日】2009年10月22日
(65)【公表番号】特表2012-506338(P2012-506338A)
(43)【公表日】2012年3月15日
(86)【国際出願番号】EP2009063883
(87)【国際公開番号】WO2010046439
(87)【国際公開日】20100429
【審査請求日】2012年9月4日
(31)【優先権主張番号】0805888
(32)【優先日】2008年10月23日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】506415218
【氏名又は名称】ヴァレオ セキュリテ アビタクル
(74)【代理人】
【識別番号】100060759
【弁理士】
【氏名又は名称】竹沢 荘一
(74)【代理人】
【識別番号】100087893
【弁理士】
【氏名又は名称】中馬 典嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100086726
【弁理士】
【氏名又は名称】森 浩之
(72)【発明者】
【氏名】フレデリック マルタヴェルヌ
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ ペラン
【審査官】
木原 裕二
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−105603(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3047481(JP,U)
【文献】
特開2008−184055(JP,A)
【文献】
特開平10−266661(JP,A)
【文献】
特開2004−231122(JP,A)
【文献】
特開2000−225922(JP,A)
【文献】
特表2008−517835(JP,A)
【文献】
特開平02−074775(JP,A)
【文献】
特開平02−088856(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 25/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
盗難防止本体を有する自動車のステアリング用盗難防止装置であって、前記盗難防止本体は、
ボルト(4)がステアリングコラムから離隔した位置にくる非ロックアウト位置と、前記ボルト(4)が前記コラムを固定するロックアウト位置との間で移動できるように取り付けられた前記ボルト(4)、および前記ボルト(4)を前記ロックアウト位置または前記非ロックアウト位置に駆動できるボルト駆動スライダー(10)を備えるロック手段を収容する第1の部品(1)と、
前記スライダー(10)の移動を制御することができるロック(20)内に挿入され、前記ロック(20)にしっかりと取り付けられる第2の部品(2)とを備え、
前記第2の部品(2)は、前記第1の部品(1)の材料の固有質量よりも軽い固有質量を有する材料から形成され、前記第1の部品(1)は、前記第2の部品(2)が引き離されたときに、前記ボルト(4)を前記ロックアウト位置に固定するようになっているスーパーロッキングアウト手段を有する自動車のステアリング用盗難防止装置において、
前記スーパーロッキングアウト手段は、前記第1の部品(1)と前記第2の部品(2)の協働によって前記ボルト(4)を受動位置に固定して維持するスーパーロックアウト位置に付勢されているため、前記第2の部品(2)の引き離しにより、前記スーパーロッキングアウト手段が前記スーパーロックアウト位置に移動するようになっており、
前記スーパーロッキングアウト手段は、前記ボルト(4)を受動位置に駆動する前記スライダー(10)のトリップ要素(28)によって維持され、カム(24)の分離により、前記スーパーロッキングアウト手段が作動するように前記トリップ要素(28)は、前記ロック(20)の前記カム(24)に対して付勢されていることを特徴とする盗難防止装置。
【請求項2】
第2の部品(2)は、少なくとも部分的にプラスチックから形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の盗難防止装置。
【請求項3】
プラスチックは、少なくとも50%のガラス繊維を含むことを特徴とする、請求項2に記載の盗難防止装置。
【請求項4】
第2の部品(2)は、少なくとも部分的にマグネシウムから形成されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の盗難防止装置。
【請求項5】
第1の部品(1)は、亜鉛、アルミニウム、およびマグネシウムをベースにした合金から形成されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の盗難防止装置。
【請求項6】
トリップ要素(28)は、スライダー(10)のガイド内を、前記トリップ要素(28)がスーパーロッキングアウト手段に結合される保持位置と、前記トリップ要素(28)が、前記スーパーロッキングアウト手段から離隔するスーパーロックアウト位置との間でスライドすることができるようになっていることを特徴とする、請求項1に記載の盗難防止装置。
【請求項7】
スーパーロッキングアウト手段は、トリップ要素(28)がスーパーロッキングアウトピン(40)を受動位置に維持するべく、前記トリップ要素(28)の端部(44)を収容するのに適した開口部(42)を有する前記スーパーロッキングアウトピン(40)を備えることを特徴とする、請求項6に記載の盗難防止装置。
【請求項8】
スーパーロッキングアウト手段は、ボルト(4)によって支持され、ピン(40)は、第1の部品(1)に形成された対応するハウジング(46)に対して付勢されることを特徴とする、請求項7に記載の盗難防止装置。
【請求項9】
カム(24)は、駆動スライダー(10)によって加えられる力とは異なる力がボルト(4)に加えられることによって、前記ボルト(4)が非ロックアウト位置に達するのを防止するために、トリップ要素(28)をロックアウト位置に維持する係止片(37)を有することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の盗難防止装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のステアリング機構を固定するようにした盗難防止装置に関する。詳細には、本発明は、スーパーロッキングアウト手段によってロックすることができる可動ボルトを利用する盗難防止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
盗難防止装置は、盗難防止装置の本体の第1の部品内において、ボルトがステアリングコラムから離隔した位置にくる非ロックアウト位置と、ボルトがコラムを固定するロックアウト位置との間で移動できるように取り付けられたボルトを有するロック手段を備えている。ボルトは、盗難防止装置の第2の部品内に組み込まれた回転ロックによって移動が制御される。
【0003】
セキュリティーが強化された一部の盗難防止装置は、不正解錠が試みられたときに、ロックアウト位置にボルトを固定できるスーパーロッキングアウト手段をさらに備えている。悪意を持った者が、盗難防止装置を作動させないで、ステアリングコラムが自由に回転するようにするために、盗難防止装置の本体を破壊して、ボルトにアクセスしようとすることがある。スーパーロッキングアウト手段により、何があっても、コラムが回転しないように、ボルトをそのロックアウト位置に保持することができる。
【0004】
このような盗難防止装置は、特許文献1により公知である。この装置は、盗難防止装置の2つの部品が分離したときに、ボルトを固定できるスーパーロッキングアウト手段を備え、スーパーロッキングアウト手段の作動は、このスーパーロッキングアウト手段のいかなる作動も阻止する保持位置から、移動可能に取り付けられたトリップ要素の移動によって制御され、トリップ要素は、ロックのロータによって保持位置に保持されている。
【0005】
しかしながら、自動車メーカーは、盗難防止装置の不正解錠に対して、さらなる安全性を要求している。同時に、自動車メーカーは、車両の大幅な軽量化を望んでいるため、ステアリング用盗難防止装置を軽量化することは、非常に有利になってきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】フランス国特許公開第2,905,953号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、不正解錠に対する安全性を維持または改善し、しかも軽量化された盗難防止装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するために、本発明は、盗難防止本体を有する自動車のステアリング用盗難防止装置であって、この盗難防止本体は、
ボルトがステアリングコラムから離隔した位置にくる非ロックアウト位置と、ボルトがこのコラムを固定するロックアウト位置との間で移動できるように取り付けられたボルト、およびこのボルトをロックアウト位置または非ロックアウト位置に駆動できるボルト駆動スライダーを備えるロック手段を収容する第1の部品と、
このスライダーの移動を制御することができるロック内に挿入され、このロックにしっかりと取り付けられる第2の部品とを備える、自動車のステアリング用盗難防止装置において、
この第2の部品は、第1の部品の材料の固有の質量よりも軽い質量を有する材料から形成され、第1の部品は、第2の部品が引き離されたときに、ボルトをロックアウト位置に固定するようになっているスーパーロッキングアウト手段を有する盗難防止装置を提供するものである。
【0009】
したがって、第2の部品の材料が、第1の部品の材料よりも軽く、盗難防止装置の本体の重量が軽くなる。さらに、ロック手段およびスーパーロッキングアウト手段を有する感知部品の機械抵抗は低下せず、不法解錠に対する安全性が、機械抵抗の低い第2の部品が破壊されたときに、ボルトを固定するようになっているスーパーロッキングアウト手段によって強化されている。
【0010】
単独または組み合わせて実施される盗難防止装置の1つ以上の特徴によると、
・第2の部品は、少なくともプラスチックから形成されている。
・このプラスチックは、少なくとも50%のガラス繊維を含んでいる。
・第2の部品は、少なくとも部分的にマグネシウムから形成されている。
・第1の部品は、亜鉛、アルミニウム、およびマグネシウムをベースにした合金から形成されている。
・スーパーロッキングアウト手段は、第1の部品と第2の部品の協働によって、ボルトを受動位置に固定して維持するスーパーロックアウト位置に付勢されているため、第2の部品の引き離しにより、このスーパーロッキングアウト手段は、スーパーロックアウト位置に移動する。
・スーパーロッキングアウト手段は、ボルトを受動位置に駆動するスライダーのトリップ要素によって維持され、トリップ要素は、カムの分離により、スーパーロッキングアウト手段が作動するように、ロックのカムに対して付勢されている。
・トリップ要素は、スライダーのガイド内を、トリップ要素が、スーパーロッキングアウト手段に結合される保持位置と、トリップ要素が、スーパーロッキングアウト手段から離隔するスーパーロックアウト位置との間でスライドすることができる。
・スーパーロッキングアウト手段は、トリップ要素がスーパーロッキングアウトピンを受動位置に維持するべく、トリップ要素の端部を収容するのに適する開口部を有するスーパーロッキングアウトピンを備えている。
・スーパーロッキングアウト手段は、ボルトによって支持され、このピンは、第1の部品に形成された対応するハウジングに対して付勢されている。
・カムは、駆動スライダーによって加えられる力とは異なる力がボルトに加えられることによって、ボルトが非ロックアウト位置に達するのを防止するために、トリップ要素をロックアウト位置に維持するアバットメントを有する。
【0011】
本発明の他の利点および特徴は、以下の説明を読み、かつ添付の図面を参照することにより、明らかになると思う。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】組み立てられた状態の盗難防止装置を示す斜視図。
【
図2】第1の部品が第2の部品から分離された
図1の盗難防止装置を示す斜視図。
【
図3】第1の実施形態によるロックアウト状態にある盗難防止装置の詳細を示す側断面図。
【
図4】第2の実施形態による盗難防止装置の要素を示す側面図。
【
図5A】第3の実施形態によるロックアウト状態にある盗難防止装置の詳細を示す断面平面図。
【
図5B】スーパーロックアウト状態にある
図5Aに類似した盗難防止装置を示す断面平面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
各図において、同一の要素には、同じ符号を付してある。
【0014】
図1〜
図4、
図5A、および
図5Bは、第1の部品1および第2の部品2(詳細は
図2を参照)を有する盗難防止本体を備える自動車のステアリング用盗難防止装置を例示している。
【0015】
第1の部品1は、例えば、ピボットリンクI−Iによって連結される一方、クランプねじなどの固定手段によって、ステアリングコラムの周りに組み立てられる2つの半カラー1a、1bを有するクランプカラーを備えている。
【0016】
第1の部品1、具体的には半カラー1bは、ロッキング手段およびスーパーロッキングアウト手段を収容している。
【0017】
より分かりやすい
図3に示すように、ロッキング手段は、ボルト4がステアリングコラム(不図示)から離隔した位置にくる非ロックアウト位置と、ボルト4がこのコラムを固定するロックアウト位置(
図3、
図5A、および
図5B)との間で移動できるように取り付けられたボルト4を備えている。
【0018】
ボルト4は、外部を
図2で確認できるボルトガイド6によって盗難防止本体の第1の部品1内をスライドできるように取り付けられている。したがって、非ロックアウト位置では、ボルト4は、後ろに引き込まれた位置、すなわち、ボルトガイド6内に完全に戻された位置にあり、ボルトガイド6の非開口端の空間8を塞いでいる。さらに、ロックアウト位置では、ボルト4は、ソケット継手手段によって、ステアリングコラムの要素と従来通り協働できるように、ボルトガイド6の開口端から突き出ている(
図2)。
【0019】
図3に戻ると、ロッキング手段は、ボルト4をロックアウト位置または非ロックアウト位置に駆動できるボルト駆動スライダー10も備えていることが分かると思う。
【0020】
駆動スライダー10は、ボルト4をボルトガイド6に沿って駆動させるために、例えば、ボルト4に設けられた対応する溝14に確実に結合するようになっている隆起部12などを有する。安定性を高めるために、駆動スライダーは、例えば、ボルトガイド6の対応する肩18内をスライドできるようになっている延長部16などを有する。
【0021】
スライド10の移動は、盗難防止本体の第2の部品2のロックステータ21内に挿入されて、しっかりと取り付けられるようになっているロック20によって制御される。
【0022】
ロック20は、ロータ22、およびこのロータ22の後端部にしっかりと取り付けられたカム24を備えている。ロータ22およびカム24は、ロックステータ21内で回転するように配置されている。さらに、ロックアウト位置では、カム24は、図示されていない取り外し可能なフックによって、ロックステータ21にしっかりと固定することができる。
【0023】
また、ロック20は、エンジンの起動はもちろん、車両の電気的機能の作動を制御するようになっている。ロック20は、盗難防止本体の第2の部品2の適当なコネクタ26内に収容されているスイッチにカム24を介して結合されている(
図2を参照)。
【0024】
また、第2の部品2の盗難防止本体は、ロック20のキー(不図示)のコードを解読できる盗難防止装置の解読手段を備えてもよい。
【0025】
第2の部品2は、第1の部品1の材料の固有質量よりも軽い固有質量を有する材料から形成され、第1の部品1は、第2の部品2が引き離されたときに、ロックアウト位置にボルト4を固定するように構成されたスーパーロッキングアウト手段を備えている。
【0026】
第2の部品2は、例えば、少なくとも部分的にプラスチックから形成されている。例えば、少なくとも50%のガラス繊維を含むプラスチックが用いられる。代替または補完として、少なくとも部分的にマグネシウムから形成された第2の部品2としてもよい。
【0027】
さらに、第1の部品1は、例えば、亜鉛、アルミニウム、およびマグネシウム、場合によっては銅をベースにした合金から形成されている。このタイプの合金は、「Zamak」(登録商標)という名称で良く知られている。この合金の製品の平均割合は、例えば、亜鉛95%、アルミニウム4%、銅1%、およびマグネシウム約0.03%である。このタイプの合金は、優れた耐久性および柔軟性を提供する。さらに、このタイプの合金は、腐食せず、非常に優れた流動性を提供するためダイカストに理想的である。
【0028】
したがって、盗難防止本体は、第1の部品1および第2の部品2の2つの異なる材料から形成されている。第2の部品2の材料、例えば、プラスチックまたはマグネシウムは、合金から形成されている第1の部品1の材料よりも軽いため、盗難防止本体の重量が軽くなる(盗難防止本体の重量は、800〜900gではなく500〜600gである)。さらに、第2の部品2の方が脆弱であるため、第2の部品2は、引き離されそうになったときに「ヒューズ」リンクとして機能し、最初に破壊されるが、第1の部品1は、良好な機械抵抗でステアリングコラム上の位置に維持され、第2の部品が引き離されると、スーパーロッキングアウト手段は作動する。
【0029】
図3、
図4、
図5A、および
図5Bに例示されている実施形態において、スーパーロッキングアウト手段は、ロック手段用の駆動スライダー10のトリップ要素28によって、受動位置に維持されている。
【0030】
トリップ要素28は、ボルト4の駆動を制御する通常の使用の際に協働するため、およびカムがロック20から分離されたときにスーパーロッキングアウト手段を解放するために、ばねなどの弾性戻り手段30によってロック20のカム24に対して付勢されている。カムのロック20からの分離は、例えば、ロック20の引き離し、より一般的には、カム24がロックアウト位置でロックステータ21にしっかりと取り付けられているときのロックステータ21を破壊することにより起こる。
【0031】
したがって、スーパーロッキングアウト手段は、ロック20のカム24と共同するロック手段によって実現されるため、ロック20の引き離し、または盗難防止装置の本体の破壊が、ボルト4のスーパーロッキングアウトをもたらす。この構成は、盗難防止装置を小型化し、配置を容易にする。盗難防止装置はまた、最新の盗難防止装置よりも実質的に堅牢である。
【0032】
この目的を達成するために、トリップ要素28は、例えば、スーパーロッキングアウト手段が受動位置にある一方の保持位置と、他方のスーパーロックアウト位置との間で、スライダー10のガイド内をスライドすることができる。
【0033】
保持位置では、トリップ要素28は、スーパーロッキングアウト手段に結合され、このスーパーロッキングアウト手段を受動位置に維持して、その作動を防止している。このため、トリップ要素28は、ボルト4を自由に駆動させることができる。スーパーロックアウト位置では、トリップ要素28は、スーパーロッキングアウト手段から離隔している。
【0034】
スライダー10のガイドは、例えば、一端がカム24の作動面で開口し、他端がスーパーロッキングアウト手段に面して開口した横断溝32から形成されている。
【0035】
カム24は、トリップ要素28と協働するランプ34を有する側面、およびカム24の内側に向かって径方向に配向された固定化ハウジング35を備える、例えば概ね円筒状である。
【0036】
側面ランプ34は、ロック20が回転すると、トリップ要素28を矢印36(
図4)の方向に駆動するため、スライダー10、従ってボルト4は、スライドガイド6内をスライドする。
【0037】
固定化ハウジング35は、駆動スライダー10によって加えられる力とは異なる力がボルト4に加えられて、ボルト4が非ロックアウト位置となるのを防止するために、トリップ要素28をロックアウト位置に維持する係止片37を有する。
【0038】
この異なる力は、悪意を持った者が、ボルト4に面して配置した強力な磁石から生じる磁力によって、またはフックを用いて、ボルト4をボルトガイド6内を移動させようとすることによって起こり得る。
【0039】
固定化ハウジング35は、ランプ34の端部に位置し、ロックアウト位置にあるトリップ要素28と協働する。係止片37は、ランプ34と協働するトリップ要素28の面とは反対側の面と協働するようにデザインされている。
【0040】
したがって、ロック手段は、係止片37を介してロック20と協働し、ボルト4が、
図3の矢印38の方向に引き込まれた位置に戻るのを防止する。
【0041】
図3に例示されている第1の実施形態によると、トリップ要素28は、ロッドの形状であり、横断溝32は、圧縮軸がロッドの長手方向軸と同じである弾性戻り手段30を収容する拡径部を備える対応する形状を有する。
【0042】
図4の第2の実施形態によると、トリップ要素28は、周りにばね30が配置された縮径部を有するロッドの形状である。横断溝32は、対応する直線形状を有する。
【0043】
図5Aおよび
図5Bの第3の実施形態では、トリップ要素28は、その踏み面33の後側の弾性戻り手段30を収容する階段型の引張り棒であり、横断溝32は、対応する階段形状を有する。
【0044】
したがって、トリップ要素28は、ロック20のカム24によって保持位置に拘束されているため、盗難防止本体の第2の部品2の引き離しが、トリップ要素28の移動を自由にし、トリップ要素28が保持位置から移動するため、スーパーロッキングアウト手段が作動する。
【0045】
図5Aおよび
図5Bに示されているように、このために、スーパーロッキングアウト手段は、例えば、受動位置とスーパーロッキングアウトピン40が、ボルト4の移動を妨げる能動位置との間で移動できるように取り付けられたスーパーロッキングアウトピン40などを備えている。
【0046】
ピン40は、トリップ要素28がスーパーロッキングアウトピン40を受動位置に維持するためにトリップ要素28の端部44を受容するのに適した開口部42、例えば、貫通開口部を有する。
【0047】
スーパーロッキングアウト手段は、例えば、ボルト4によって支持され、ピン40は、一端がボルト4に固定された、スーパーロックアウト位置に向かってピン40を常に付勢するばねなどの弾性戻り手段48によって、第1の部品1のボルトガイド6内に形成された対応するハウジング46に向かって付勢されている。
【0048】
したがって、受動位置(
図5A)では、ピン40は、ハウジング46から離れて位置し、ボルト4に形成されたノッチ50内に収容されている。さらに、スーパーロックアウト位置(
図5B)では、ピン40は、ハウジング46に部分的に係合し、ボルト4の移動を妨げている。
【0049】
したがって、盗難防止装置は、軽量の盗難防止本体を備え、ロック手段およびスーパーロッキングアウト手段を備える感知部品の機械抵抗が低下していないため、不正解錠に対する安全性は損なわれていない。
【符号の説明】
【0050】
1 第1の部品
1a、1b 半カラー
2 第2の部品
4 ボルト
6 ボルトガイド
8 空間
10 ボルト駆動スライダー
12 隆起部
14 溝
16 延長部
18 肩
20 ロック
21 ロックステータ
22 ロータ
24 カム
26 コネクタ
28 トリップ要素
30 弾性戻り手段
32 横断溝
34 ランプ
35 固定化ハウジング
37 係止片
38 矢印
40 スーパーロッキングアウトピン
42 開口部
44 端部
46 ハウジング
48 弾性戻り手段
50 ノッチ