特許第5669218号(P5669218)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5669218画面表示システム、情報処理装置、画面表示方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5669218
(24)【登録日】2014年12月26日
(45)【発行日】2015年2月12日
(54)【発明の名称】画面表示システム、情報処理装置、画面表示方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/00 20060101AFI20150122BHJP
   G06F 3/048 20130101ALI20150122BHJP
   G06F 3/14 20060101ALI20150122BHJP
【FI】
   G06F13/00 500D
   G06F13/00 550L
   G06F3/048 655A
   G06F3/14 350A
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-70535(P2012-70535)
(22)【出願日】2012年3月27日
(65)【公開番号】特開2013-205849(P2013-205849A)
(43)【公開日】2013年10月7日
【審査請求日】2013年7月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000682
【氏名又は名称】特許業務法人ワンディーIPパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 憲二
【審査官】 坂東 博司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−172193(JP,A)
【文献】 特開2006−338531(JP,A)
【文献】 特開平06−326856(JP,A)
【文献】 特開2011−203891(JP,A)
【文献】 特開2006−236046(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
G06F 3/048
G06F 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の情報処理装置がネットワークを介して接続された画面表示システムであって、
一の情報処理装置は、
自己の表示画面上に表示される描画領域、及び前記表示画面上に表示されない非描画領域を含む画面表示用データを格納する描画バッファ部と、
前記非描画領域に描画されるウィンドウについて、前記ウィンドウを描画するためのウィンドウ情報、並びに前記非描画領域における相対的な位置及びサイズを含む表示情報を取得し、前記ウィンドウ情報及び前記表示情報を他の情報処理装置へ送信し、更に、
マウスポインタが前記非描画領域に位置しているかどうかを判断し、前記非描画領域に位置している場合に、前記マウスポインタを操作するマウスから入力された情報も、前記他の情報処理装置に送信するウィンドウ制御部と、を有し、
前記他の情報処理装置は、
前記一の情報処理装置から受信した前記ウィンドウ情報及び前記表示情報に基づき、自己の表示画面上に前記ウィンドウを表示させる、
画面表示システム。
【請求項2】
前記ウィンドウ制御部は、前記一の情報処理装置の表示画面における色数と、前記他の情報処理装置の表示画面における色数とが異なる場合、前記ウィンドウの表示色数が前記他の情報処理装置の表示画面における色数と同じとなるよう前記ウィンドウ情報を変換して前記他の情報処理装置に送信する、請求項1に記載の画面表示システム。
【請求項3】
他の情報処理装置とネットワークを介して接続される情報処理装置であって、
自己の表示画面上に表示される描画領域、及び前記表示画面上に表示されない非描画領域を含む画面表示用データを格納する描画バッファ部と、
前記非描画領域に描画されるウィンドウについて、前記ウィンドウを描画するためのウィンドウ情報、並びに前記非描画領域における相対的な位置及びサイズを含む表示情報を取得し、前記ウィンドウ情報及び前記表示情報を前記他の情報処理装置へ送信し、更に、
マウスポインタが前記非描画領域に位置しているかどうかを判断し、前記非描画領域に位置している場合に、前記マウスポインタを操作するマウスから入力された情報も、前記他の情報処理装置に送信するウィンドウ制御部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項4】
前記ウィンドウ制御部は、自己の情報処理装置の表示画面における色数と、前記他の情報処理装置の表示画面における色数とが異なる場合、前記ウィンドウの表示色数が前記他の情報処理装置の表示画面における色数と同じとなるよう前記ウィンドウ情報を変換して前記他の情報処理装置に送信する、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
複数の情報処理装置がネットワークを介して接続された画面表示システムにおいて画面を表示する方法であって、
(a)一の情報処理装置によって、自己の表示画面上に表示される描画領域、及び前記表示画面上に表示されない非描画領域を含む画面表示用データを格納するステップと、
(b)前記一の情報処理装置によって、前記非描画領域に描画されるウィンドウについて、前記ウィンドウを描画するためのウィンドウ情報、並びに前記非描画領域における相対的な位置及びサイズを含む表示情報を取得するステップと、
(c)前記一の情報処理装置によって、前記ステップ(b)において取得した前記ウィンドウ情報及び前記表示情報を他の情報処理装置へ送信するステップと、
(d)マウスポインタが前記非描画領域に位置しているかどうかを判断し、前記非描画領域に位置している場合に、前記マウスポインタを操作するマウスから入力された情報を、前記他の情報処理装置に送信するステップと、
)前記他の情報処理装置によって、前記一の情報処理装置から受信した前記ウィンドウ情報及び前記表示情報に基づき、自己の表示画面上に前記ウィンドウを表示させるステップと、
有する、画面表示方法。
【請求項6】
前記ステップ(c)において、前記一の情報処理装置の表示画面における色数と、前記他の情報処理装置の表示画面における色数とが異なる場合、前記ウィンドウの表示色数が前記他の情報処理装置の表示画面における色数と同じとなるよう前記ウィンドウ情報を変換して前記他の情報処理装置に送信する、請求項5に記載の画面表示方法。
【請求項7】
情報処理装置にネットワークを介して接続されるコンピュータに、
(a)自己の表示画面上に表示される描画領域、及び前記表示画面上に表示されない非描画領域を含む画面表示用データを格納するステップと、
(b)前記非描画領域に描画されるウィンドウについて、前記ウィンドウを描画するためのウィンドウ情報、並びに前記非描画領域における相対的な位置及びサイズを含む表示情報を取得するステップと、
(c)前記ステップ(b)において取得した前記ウィンドウ情報及び前記表示情報を前記情報処理装置へ送信するステップと、
(d)マウスポインタが前記非描画領域に位置しているかどうかを判断し、位置している場合に、前記マウスポインタを操作するマウスから入力された情報を、前記情報処理装置に送信するステップと、
を実行させる、プログラム。
【請求項8】
前記ステップ(c)において、自己のコンピュータの表示画面における色数と、前記情報処理装置の表示画面における色数とが異なる場合、前記ウィンドウの表示色数が前記他の情報処理装置の表示画面における色数と同じとなるよう前記ウィンドウ情報を変換して前記情報処理装置に送信する、請求項7に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異なるディスプレイ間でウィンドウを移動させることのできる画面表示システム、情報処理装置、画面表示方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のオペレーティングシステム(OS)を用いて作業を実施する場合、一般的には複数のコンピュータを用いて作業を実施する。このように複数のコンピュータを使用する場合、キーボード、マウス、及びディスプレイをコンピュータ毎に用意する方法、キーボードマウス、及びディスプレイを一組用意し、これらを切り替え機を用いて各コンピュータで共有する方法、又はディスプレイはコンピュータ毎に用意し、キーボードおよびマウスは切り替え用ソフトウェアを使用し各コンピュータで共有する方法がある。なお、上記切り替え用ソフトウェアとは、複数のコンピュータが協調し、マウスのポインタがどちらのディスプレイにも移動できるようにしたソフトウェアのことである。また、上記切り替え用ソフトウェアを使用すると、マウスのポインタが表示されているディスプレイとつながっているコンピュータのキーボード、およびマウス操作が有効になる。
【0003】
ところで、ユーザは、キーボード及びマウスを使用する時間が長いため、上述した切り替え用ソフトウェアを使用して各コンピュータ間でキーボード及びマウスを共用する方法を採用することが、マウス等の持ち替えを不要にする観点から好ましい。このような各コンピュータ間でキーボード及びマウスを共用する方法は、例えば特許文献1(段落「0067」〜「0074」参照)又は特許文献2に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−95931号公報
【特許文献2】特開2000-187545号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の装置は、ウィンドウを移動する場合、そのウィンドウをはじめに表示していたアプリケーションを終了させ、もう一方のコンピュータで再度アプリケーションを起動させる必要がある。このように、特許文献1に記載の装置は、双方のコンピュータで同じアプリケーションを動作させるため、双方のコンピュータに同じオペレーティングシステムと同じアプリケーションをインストールする必要があるといった問題がある。また、上記特許文献1に記載の装置は、アプリケーションの終了及び起動のために時間が掛かるといった問題もある。
【0006】
また、特許文献2に記載の装置は、連結している双方のコンピュータにおける全てのウィンドウについての情報をウィンドウ管理データとして一括管理している。このため、特許文献2に記載の装置では、ウィンドウ描画時には双方のコンピュータから、一方のコンピュータに保存しているウィンドウ管理データを参照する必要があり、性能の劣化を招くという問題があった。
【0007】
そこで、本発明の目的の一例は、異なるディスプレイ間でウィンドウを効率的に移動させることのできる画面表示システム、情報処理装置、画面供給方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の一側面における画面表示システムは、複数の情報処理装置がネットワークを介して接続された画面表示システムであって、
一の情報処理装置は、
自己の表示画面上に表示される描画領域、及び前記表示画面上に表示されない非描画領域を含む画面表示用データを格納する描画バッファ部と、
前記非描画領域に描画されるウィンドウについて、前記ウィンドウを描画するためのウィンドウ情報、並びに前記非描画領域における相対的な位置及びサイズを含む表示情報を取得し、前記ウィンドウ情報及び前記表示情報を他の情報処理装置へ送信するウィンドウ制御部と、を有し、
前記他の情報処理装置は、
前記一の情報処理装置から受信した前記ウィンドウ情報及び前記表示情報に基づき、自己の表示画面上に前記ウィンドウを表示させる。
【0009】
また、上記目的を達成するため、本発明の一側面における情報処理装置は、他の情報処理装置とネットワークを介して接続される情報処理装置であって、
自己の表示画面上に表示される描画領域、及び前記表示画面上に表示されない非描画領域を含む画面表示用データを格納する描画バッファ部と、
前記非描画領域に描画されるウィンドウについて、前記ウィンドウを描画するためのウィンドウ情報、並びに前記非描画領域における相対的な位置及びサイズを含む表示情報を取得し、前記ウィンドウ情報及び前記表示情報を前記他の情報処理装置へ送信するウィンドウ制御部と、
を備える。
【0010】
また、上記目的を達成するため、本発明の一側面における画面表示方法は、複数の情報処理装置がネットワークを介して接続された画面表示システムにおいて画面を表示する方法であって、
(a)一の情報処理装置によって、自己の表示画面上に表示される描画領域、及び前記表示画面上に表示されない非描画領域を含む画面表示用データを格納するステップと、
(b)前記一の情報処理装置によって、前記非描画領域に描画されるウィンドウについて、前記ウィンドウを描画するためのウィンドウ情報、並びに前記非描画領域における相対的な位置及びサイズを含む表示情報を取得するステップと、
(c)前記一の情報処理装置によって、前記ステップ(b)において取得した前記ウィンドウ情報及び前記表示情報を他の情報処理装置へ送信するステップと、
(d)前記他の情報処理装置によって、前記一の情報処理装置から受信した前記ウィンドウ情報及び前記表示情報に基づき、自己の表示画面上に前記ウィンドウを表示させるステップと、
有する。
【0011】
また、上記目的を達成するため、本発明の一側面におけるプログラムは、情報処理装置にネットワークを介して接続されるコンピュータに、
(a)自己の表示画面上に表示される描画領域、及び前記表示画面上に表示されない非描画領域を含む画面表示用データを格納するステップと、
(b)前記非描画領域に描画されるウィンドウについて、前記ウィンドウを描画するためのウィンドウ情報、並びに前記非描画領域における相対的な位置及びサイズを含む表示情報を取得するステップと、
(c)前記ステップ(b)において取得した前記ウィンドウ情報及び前記表示情報を前記情報処理装置へ送信するステップと、
を実行させる。
【発明の効果】
【0012】
以上のように本発明によれば、異なるディスプレイ間でウィンドウを効率的に移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は本発明の実施形態に係る画面表示システムの構成を示すブロック図である。
図2図2は本発明の実施形態に係る描画バッファ部に格納された画面表示用データによって表示される仮想的な表示画面の一例を示す図である。
図3図3は本発明の実施形態に係る描画バッファ部に格納された画面表示用データによって表示される仮想的な表示画面の一例を示す図である。
図4図4は本発明の実施形態に係る第1の情報処理装置における動作手順を示すフローチャートである。
図5図5は本発明の実施形態に係る第2の情報処理装置における動作手順を示すフローチャートである。
図6図6は本発明の実施形態の変形例1に係る画面表示システムの構成を示すブロック図である。
図7図7は本発明の実施形態に係る第1の情報処理装置を実現するコンピュータの一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施形態)
以下、本発明の実施形態における画面表示システム、情報処理装置、画面表示方法、及びプログラムについて、以下、図面を参照しながら説明する。
【0015】
[画面表示システム]
最初に図1を用いて、本実施形態における画面表示システムの構成について説明する。図1は、本実施形態に係る画面表示システムの構成を示すブロック図である。
【0016】
図1に示すように、本実施形態における画面表示システム1は、第1の情報処理装置2と第2の情報処理装置3とがネットワーク10を介して接続されている。
【0017】
第1の情報処理装置2は、描画バッファ部22、及びウィンドウ制御部23を有している。
【0018】
描画バッファ部22は、ディスプレイ4の表示画面上に表示される描画領域41と、表示画面上に表示されない非描画領域42を含む画面表示用データを格納する。
【0019】
ウィンドウ制御部23は、非描画領域に描画されるウィンドウについて、ウィンドウを描画するためのウィンドウ情報、並びに非描画領域42における相対的な位置及びサイズを含む表示情報を第2の情報処理装置3へ送信する。
【0020】
また、第2の情報処理装置3は、第1の情報処理装置2から受信したウィンドウ情報及び表示情報に基づき、ディスプレイ5の表示画面上にウィンドウを表示させる。
【0021】
このように、本実施形態に係る画面表示システムは、第1の情報処理装置2から受信したウィンドウ情報及び表示情報に基づいて、第2の情報処理装置の表示画面にウィンドウを表示させることができる。このため、本実施形態に係る画面表示システムは、各情報処理装置においてアプリケーションの終了又は起動を行うことなく、異なるディスプレイ間でウィンドウを移動させることができる。
【0022】
[情報処理装置]
ここで、各情報処理装置の構成を更に具体的に説明する。
【0023】
図1に示すように、本実施形態では、第1の情報処理装置2は、描画バッファ部22、及びウィンドウ制御部23に加え、ディスプレイドライバ21、データ格納部24、ネットワークドライバ26、マウスドライバ27、及びキーボードドライバ28を更に備えている。また、情報処理装置2は、ディスプレイ4、マウス6、及びキーボード7が接続されており、オペレーティングシステム(OS)20によって制御されている。
【0024】
マウスドライバ27はマウス6から入力された情報を受け取る機能を有し、キーボードドライバ28はキーボードから入力された情報を受け取る機能を有する。
【0025】
ディスプレイドライバ21は、第1の情報処理装置2に接続されたディスプレイ4の表示画面に画面表示を行う機能を有している。
【0026】
ネットワークドライバ26は、ネットワーク10を介して接続された第2の情報処理装置3と通信する機能を有する。
【0027】
描画バッファ部22は、画面表示用データを格納している。この画面表示用データは、図2に示すように、ディスプレイ4の表示画面上に表示される描画領域41と、ディスプレイ4の表示画面上に表示されない非描画領域42とを含んでいる。なお、図2は、描画バッファ部22に格納される画面表示用データによって表示される仮想的な表示画面の一例を示す図である。この仮想的な表示画面のうち、実際にディスプレイ4の表示画面上に表示されるのは描画領域41のみであり、非描画領域42はディスプレイ4の表示画面上には表示されず、ユーザからは見えない領域である。
【0028】
ウィンドウ制御部23は、ウィンドウの各種情報を制御する機能を有する。具体的には、ウィンドウ制御部23は、描画領域41及び非描画領域42に表示される全てのウィンドウに関する情報を定期的に取得し、この情報をデータ格納部24に格納する。このウィンドウについての情報とは、ウィンドウを描画するためのウィンドウ情報と、描画領域41及び非描画領域42におけるウィンドウの相対的な位置及びサイズを含む表示情報とを含む。
【0029】
データ格納部24は、ウィンドウ制御部23によって取得したウィンドウに関する情報を格納する。
【0030】
第2の情報処理装置3は、基本的には第1の情報処理装置2と同じ構成であるため、その詳細な説明を繰り返さない。ただし、第2の情報処理装置3は、オペレーティングシステム20とは異なる種類のオペレーティングシステム30によって制御されている。また、第2の情報処理装置3の描画バッファ部32に格納される画面表示用データによって表示される仮想的な表示画面は、図3に示すように、描画領域51の左側に非描画領域52を配置している。これは、ディスプレイ4がディスプレイ5の左側に配置されているためである。
【0031】
[画面表示システムの動作]
次に、本発明の実施形態における画面表示システムの動作について、図面を参照しつつ説明する。なお、本実施形態では、画面表示システムを動作させることによって画面表示方法が実施されるため、本実施形態における画面表示方法の説明は以下の画面表示システムの動作説明に代える。
【0032】
図4は、本実施形態に係る第1の情報処理装置においてウィンドウに関する情報を第2の情報処理装置に送信する際の動作手順を示すフローチャートである。
【0033】
図4に示すように、まず、第1の情報処理装置2のウィンドウ制御部23は、ネットワークドライバ26、ネットワーク10、及びネットワークドライバ36を介して第2の情報処理装置3のウィンドウ制御部33と通信する。そして、ウィンドウ制御部23は、ディスプレイ5が表示できる画面の色数に関する色数情報をウィンドウ制御部33から取得する(ステップS1)。
【0034】
次に、ディスプレイドライバ21は、描画バッファ部22内に格納された画面表示用データに基づき、ディスプレイ4に表示画面を表示する(ステップS2)。なお、図2に示すように、描画領域41がディスプレイ4の表示画面上に表示され、非描画領域42はディスプレイ4の表示画面上には表示されない。
【0035】
次に、ウィンドウ制御部23は、アプリケーションの起動等によって描画領域41又は非描画領域42に描画されたウィンドウ43の表示情報をディスプレイドライバ21から定期的に取得する(ステップS3)。ウィンドウ制御部23は、この取得したウィンドウに関する情報をデータ格納部24に格納する。
【0036】
次に、ウィンドウ制御部23は、取得した表示情報に基づき、ウィンドウ43が描画領域41に描画されているか、非描画領域42に描画されているか判断する(ステップS4)。
【0037】
ウィンドウ制御部23は、ウィンドウ43が描画領域41に描画されている、すなわち、ディスプレイ4の表示画面上に表示されていると判断した場合(ステップS4のNo)、そのまま処理を終了する。
【0038】
一方、ウィンドウ制御部23は、ウィンドウ43が非描画領域42に描画されていると判断した場合(ステップS4のYes)、ウィンドウ情報を取得し(ステップS5)、ウィンドウ情報における色数に関するデータを変換する(ステップS6)。具体的には、ウィンドウ制御部23は、ステップS1において取得した色数情報に基づき、ウィンドウ43と同様のウィンドウがディスプレイ5に表示できるよう、ウィンドウ情報における色数を変換する。
【0039】
そして、ウィンドウ制御部23は、色数変換後のウィンドウ情報及び表示情報を、第2の情報処理装置3のウィンドウ制御部33に送信する(ステップS7)。なお、ウィンドウ制御部23は、ネットワークドライバ26、ネットワーク10、及びネットワークドライバ36を介して上記各情報をウィンドウ制御部33に送信する。
【0040】
図5は、本実施形態に係る第1の情報処理装置2から受信したウィンドウに関する情報に基づいて第2の情報処理装置3が表示画面上にウィンドウを表示する際の動作手順を示すフローチャートである。
【0041】
図5に示すように、第2の情報処理装置3のウィンドウ制御部33は、第1の情報処理装置2のウィンドウ制御部23から、色数変換後のウィンドウ情報及び表示情報を受信する(ステップS11)。
【0042】
次に、ウィンドウ制御部33は、受信したウィンドウに関する情報に基づき、ディスプレイ5の表示画面にウィンドウを表示するためのウィンドウ表示用データを生成し、このウィンドウ表示用データをディスプレイドライバ31に出力する(S12)。
【0043】
ディスプレイドライバ31は、ウィンドウ制御部33から受け取ったウィンドウ表示用データに基づき、ウィンドウ53を描画領域51に描画する、すなわち、ディスプレイの表示画面上にウィンドウ53を表示する(ステップS13)。
【0044】
そして、ウィンドウ43が閉じられるまで、ウィンドウ制御部23は上記ステップS3〜S7の処理を一定間隔で繰り返し、これに伴いウィンドウ制御部33が上記ステップS11〜S13の処理を繰り返すことで、ウィンドウ53の表示状態が更新される。
【0045】
[具体例]
以上の説明に基づき、ユーザが、キーボード又はマウスを用いて異なるディスプレイ間でウィンドウを移動させる際、及び移動させたウィンドウに情報を入力する際における、画面表示システムの動作の具体例について説明する。
【0046】
まず、ユーザは、第1の情報処理装置2を用いて、アプリケーションを起動させてディスプレイ4の表示画面上にウィンドウ43を表示させる。そして、ユーザは、マウス6又はキーボード7を用いて、ウィンドウ43をディスプレイ4の表示画面右端よりも右側に移動させる。これにより、ウィンドウ43は、非描画領域42に描画されることとなり、ユーザからは、ディスプレイ4の表示画面上においてウィンドウ43は見えない状態となる。
【0047】
このようにウィンドウ43が非描画領域42に移動すると、ウィンドウ制御部23は、ディスプレイドライバ21から取得したウィンドウの位置情報にもとづき、ウィンドウ43が非描画領域に表示されていると判断する(ステップS4のYes)。
【0048】
次に、ウィンドウ制御部23は、上述したステップS5、ステップS6、及びステップS7の処理を行い、色数変換後のウィンドウ情報、及び表示情報を第2の情報処理装置3のウィンドウ制御部33に送信する。
【0049】
ウィンドウ制御部33は、第1の情報処理装置2から、色数変換後のウィンドウ情報及び表示情報を受信すると(ステップS11)、これらの情報に基づきウィンドウ表示用データを生成する(ステップS12)。そして、ディスプレイドライバ31は、このウィンドウ表示用データを受け取り、ディスプレイ5の表示画面上にウィンドウ53を表示する(ステップS13)。これにより、ユーザからは、ディスプレイ4に表示されていたウィンドウがディスプレイ5に移動したように見える。
【0050】
次に、ユーザは、第1の情報処理装置2に接続されるマウス6又はキーボード7を用いて、ディスプレイ5の表示画面上に表示されるウィンドウ53に対して情報を入力する。ユーザがマウス6又はキーボード7から情報を入力すると、オペレーションシステム20の通常の処理によって、その入力情報が非描画領域24に描画されるウィンドウ43に反映される。
【0051】
そして、ウィンドウ制御部23は、表示情報とともに、入力情報が反映されたウィンドウ情報をディスプレイドライバ21から取得する(ステップS3)。ウィンドウ制御部23は、ウィンドウ43が非描画領域42に存在するため(ステップS4のYes)、入力情報が反映されたウィンドウ情報を表示情報とともに、ウィンドウ制御部33に送信する(ステップS7)。
【0052】
ウィンドウ制御部33は、ウィンドウ制御部23から受信したウィンドウ情報及び表示情報に基づき、ウィンドウ表示用データを生成する(ステップS12)。そして、ディスプレイドライバ31は、このウィンドウ表示用データに基づき、ディスプレイ5の表示画面上に、入力情報が反映されたウィンドウ53を表示する(ステップS13)。これにより、ユーザからは、ディスプレイ5に表示されたウィンドウ53に情報を入力したように見える。
【0053】
なお、ユーザは、第2の情報処理装置3に接続されたマウス8又はキーボード9によっても、ウィンドウ53に情報を入力することもできる。
【0054】
この場合、ユーザがマウス8又はキーボード9によって情報を入力すると、その入力情報は、マウスドライバ37又はキーボードドライバ38を介して、ウィンドウ制御部33に入力される。ここで、ディスプレイ5の表示画面に表示されているウィンドウ53は、第1の情報処理装置2からの情報に基づき表示されている。このため、ウィンドウ制御部33は、マウス8又はキーボード9からの入力情報を、第1の情報処理装置2へ送信する。すなわち、ウィンドウ制御部33は、マウス8又はキーボード9からの入力情報を、ネットワークドライバ36、ネットワーク10、及びネットワークドライバ26を介して、ウィンドウ制御部23に送信する。
【0055】
ウィンドウ制御部23は、このマウス8又はキーボード9からの入力情報を、マウス6又はキーボード7からの入力情報と同様に制御する。そして、画面表示システム1は、上述したマウス6又はキーボード7から情報を入力した際と同様の動作を行い、マウス8又はキーボード9からの入力情報をウィンドウ53に反映させる。
【0056】
以上のように、本実施形態では、キーボード、又はマウスを用いた操作によってウィンドウを異なるディスプレイ間で移動させても、第1の情報処理装置2に接続されたディスプレイ4の表示画面上でウィンドウ43を表示していたアプリケーションは終了しない。
【0057】
また、ディスプレイ5の表示画面上に表示されるウィンドウ53は、第1の情報処理装置2から受信したウィンドウ情報及び表示情報に基づき生成されたウィンドウ表示用データに基づき表示される。このため、第2の情報処理装置3において、ウィンドウ53を表示するために新たなアプリケーションを起動する必要はない。
【0058】
[変形例1]
変形例1に係る画面表示システムは、第1の情報処理装置2においてコピーしたデータを第2の情報処理装置3において使用することもできる。以下、変形例1に係る画面表示システムについて図面を参照しつつ説明する。
【0059】
図6は、変形例1に係る画面表示システムの構成を示すブロック図である。
【0060】
図6に示すように、変形例1に係る画面表示システムにおいて、第1の情報処理装置2は、オペレーションシステム3の制御によってコピーされたデータを格納するコピーバッファ部25をさらに有している。また、第2の情報処理装置3も、オペレーションシステム4の制御によってコピーされたデータを格納するコピーバッファ部35をさらに有している。なお、その他の構成は、上記実施形態と同じであるため、説明を繰り返さない。

【0061】
ウィンドウ制御部11は、コピーバッファ部25内に格納されたデータを定期的に監視する。そして、ウィンドウ制御部23は、コピーバッファ部25にデータが追加されたと判断すると、このデータをウィンドウ制御部33に送信する。具体的には、ウィンドウ制御部23は、ネットワークドライバ26、ネットワーク10、及びネットワークドライバ36を介してウィンドウ制御部33にコピーデータを送信する。
【0062】
ウィンドウ制御部33は、受信したデータがオペレーションシステム30で扱える形式であった場合、その受信したデータをオペレーションシステム30のコピーバッファ部35に格納する。そして、コピーバッファ部35に格納されたデータは、オペレーションシステム30の通常の処理により利用される。
【0063】
[変形例2]
また、上記実施形態では、異なるディスプレイ間でウィンドウを移動させる方法について説明したが、異なるディスプレイ間でマウスポインタを移動させることもできる。
【0064】
例えば、ユーザがマウス6を用いてマウスポインタ44を描画領域41から非描画領域42に移動させる。このとき、ウィンドウ制御部23は、マウスドライバ27からの情報に基づきマウスポインタ44が非描画領域42に在ると判断し、マウスドライバ27から取得した情報を、ウィンドウ制御部33に送信する。詳細には、ウィンドウ制御部23は、マウスドライバ27から取得した情報を、ネットワークドライバ26、ネットワーク10、及びネットワークドライバ36を介して、ウィンドウ制御部33に送信する。そして、第2の情報処理装置3におけるオペレーションシステム30は、ウィンドウ制御部33において受信した情報に基づき、ディスプレイ5の表示画面上にマウスポインタ54を表示する。
【0065】
[プログラム]
本発明の実施形態におけるプログラムは、コンピュータに、図4に示すステップS1〜S7を実行させるプログラムであればよい。このプログラムをコンピュータにインストールし実行することによって、本実施形態における情報処理装置を実現することができる。この場合、コンピュータのCPU(Central Processing Unit)は、ウィンドウ制御部23として機能し、処理を行う。
【0066】
以上のように本実施形態によれば、ディスプレイの有効利用を可能とする。すなわち、本実施形態によれば、同じオペレーションシステム、又は異なるオペレーションシステムを利用する複数の情報処理装置2,3で複数のディスプレイ4,5を共有利用できる。
【0067】
また、本実施形態によれば、アプリケーションの起動又は終了処理を行うことなく、ディスプレイ4の表示画面上からディスプレイ5の表示画面上にウィンドウを移動させることができる。さらには、本実施形態によれば、第1の情報処理装置2から第2の情報処理装置3へ送信されるウィンドウに関する情報のみで、ディスプレイ4の表示画面上からディスプレイ5の表示画面上にウィンドウを移動させることができる。
【0068】
ここで、実施形態におけるプログラムを実行することによって、上述した情報処理装置2を実現するコンピュータについて図7を用いて説明する。図7は、本発明の実施形態における情報処理装置を実現するコンピュータの一例を示すブロック図である。
【0069】
図7に示すように、コンピュータ110は、CPU111と、メインメモリ112と、記憶装置113と、入力インターフェイス114と、表示コントローラ115と、データリーダ/ライタ116と、通信インターフェイス117とを備える。これらの各部は、バス121を介して、互いにデータ通信可能に接続される。
【0070】
CPU111は、記憶装置113に格納された、本実施の形態におけるプログラム(コード)をメインメモリ112に展開し、これらを所定順序で実行することにより、各種の演算を実施する。メインメモリ112は、典型的には、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性の記憶装置である。また、本実施の形態におけるプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体120に格納された状態で提供される。なお、本実施の形態におけるプログラムは、通信インターフェイス117を介して接続されたインターネット上で流通するものであっても良い。
【0071】
また、記憶装置113の具体例としては、ハードディスクの他、フラッシュメモリ等の半導体記憶装置が挙げられる。入力インターフェイス114は、CPU111と、キーボード及びマウスといった入力機器118との間のデータ伝送を仲介する。表示コントローラ115は、ディスプレイ装置119と接続され、ディスプレイ装置119での表示を制御する。データリーダ/ライタ116は、CPU111と記録媒体120との間のデータ伝送を仲介し、記録媒体120からのプログラムの読み出し、及びコンピュータ110における処理結果の記録媒体120への書き込みを実行する。通信インターフェイス117は、CPU111と、他のコンピュータとの間のデータ伝送を仲介する。
【0072】
また、記録媒体120の具体例としては、CF(Compact Flash(登録商標))及びSD(Secure Digital)等の汎用的な半導体記憶デバイス、フレキシブルディスク(Flexible Disk)等の磁気記憶媒体、又はCD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)などの光学記憶媒体が挙げられる。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、複数のオペレーションシステムを日常的に使用する分野において有効に利用可能である。たとえば、一般事務処理についてはWindows(登録商標)を使用している一方で、研究開発のためにLinux(登録商標)を使用する、コンピュータソフトウェア分野において本発明は有効に利用可能である。
【符号の説明】
【0074】
1 画面表示システム
2 第1の情報処理装置
3 第2の情報処理装置
22 描画バッファ部
23 ウィンドウ制御部
110 コンピュータ
111 CPU
112 メインメモリ
113 記憶装置
114 入力インターフェイス
115 表示コントローラ
116 データリーダ/ライタ
117 通信インターフェイス
118 入力機器
119 ディスプレイ装置
120 記録媒体
121 バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7