(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記コンピュータに、前記コンピュータに接続されたネットワーク・インタフェースを用いてネットワーク上で、前記ネットワーク上のコンテンツ管理サーバから前記優先表示コンテンツを取り出させる処理をさらに実行させる、請求項8に記載のプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明の優先プレゼンテーション・ソフトウェア・アプリケーションによって読出すことができる優先コンテンツ(priority media content)を格納するためのサーバ10を含む、本発明に基づく基本的な配置を概略的に示している。サーバ10は、単一のサーバ装置であっても、相互運用または冗長構成で負荷分散を行うサーバ装置のクラスタであっても、あるいはこの技術分野で公知のこれらの等価物であってよい。優先コンテンツは、バイナリ情報(例えば、1または複数のファイル)として、当業者に公知の形態でコンピュータ可読媒体上に格納可能な1または複数の優先プレゼンテーションを含む。優先プレゼンテーションは、所定時間の期間にわたってマルチメディア装置上でのプレゼンテーション(提示)のために操作可能な、静止または動くテキスト及び/又はグラフィックスの組み合わせとして提示可能な、バイナリ・データである。この技術分野において、バイナリ・コンテンツの例は公知である(例えば、Macromedia Flash(登録商標),Microsoft(登録商標)PowerPoint(登録商標),Apple(登録商標)Quicktime(登録商標)など)。
【0019】
本発明の一実施形態において、サーバ10は、クライアント・コンピュータ5と通信しあっており、クライアント・コンピュータ5を介してコンテンツ・プロバイダは、コンテンツの表示のための表示装置50の利用可能性を示すデータをサーバ10から検索することができ、格納と表示コントローラ60に対する配信のためにサーバ10にコンテンツを送信することができる。
【0020】
表示コントローラ60は、視聴のために公共空間に配備されることができる表示装置50に接続されている。サーバ10と表示コントローラ60は、記憶装置(例えば、RAM、ディスク装置、携帯型フラッシュ・メモリ、CD−ROMなど)と中央処理装置(“CPU”)とを有する任意の計算装置であってよい。少なくとも表示コントローラ60は、その上で動作する、同時に2以上のプロセスを実行するように構成されたオペレーティング・システム(マルチタスク・オペレーティング・システム、例えば、Microsoft(登録商標)Windows(登録商標)XP Professional)を有し、さらに、表示装置50に接続して動作させるためのインタフェース用ハードウェアも有するだろう。表示コントローラ60は、音を発生するためのスピーカあるいは音声装置に接続して動作させるためのインタフェース用ハードウェアを有していてもよい。1または複数のスピーカが表示装置の一部として一体化されていてもよく、あるいは、別個に配備されていてもよい。表示装置50は、陰極線管(“CRT”)表示装置、液晶表示装置(“LCD”)またはプラズマ平面パネル表示装置、さらには、コンピュータによって生成された視覚映像を提示するためのこれらに等価な装置のいずれかであってよい。
【0021】
一実施形態において、表示コントローラ60と表示装置50は、さらに、表示装置を囲む領域と表示コントローラ50の稼働状態も測定するように構成されたフィードバック装置を有していてもよい。これらの装置は、以下のものに限定されるものではないが、コンピュータ自己診断装置、赤外線動き検出器、レーザ動き検出器、静止画または動画像カメラ、ドアセンサ、床ベースの通行量センサ、及びRFID検出器を含んでいてもよい。これらの装置は、少なくとも、潜在的な視聴者がコンテンツの提示の前、提示の間または提示の後に表示装置50のすぐ近くにいるかどうかを判定するように構成されている。装置は、表示装置50または表示コントローラ60のいずれかに、以下に示すものに限られるものではないが、温度、湿度検出器、煙、放射線または他の環境条件や危険を含む周辺の領域の環境情報を見出すための装置も含まれていてよい。
【0022】
本発明の優先プレゼンテーション・ソフトウェア(“PPS”)アプリケーションは、表示コントローラ60の記憶装置にロードされる。上述したコンテンツ管理ソフトウェア(以下、主プレゼンテーション・ソフトウェアまたは“MPS”アプリケーションと呼ぶ)も、表示コントローラ60の記憶装置にロードされる。PPSアプリケーションによって読出すことができる優先コンテンツは、任意の有効なデータ搬送手段12(例えば、フレキシブル・ディスク、CD−ROM、フラッシュ・ディスクまたは等価物)によって、サーバ10から表示コントローラ60に与えられる。サーバ10は、表示装置50上において優先プレゼンテーションとして優先コンテンツの任意の部分がいつどのような条件下で表示されるべきかをPPSアプリケーションに指示するためのスケジューリング情報を提供してもよい。
【0023】
図2は、サーバ10が広域ネットワーク(例えば、インターネット)によってネットワーク・ルータ30に接続している例示的な配置を概略的に示している。ネットワーク・ルータ30は、有線または無線でよいローカル・エリア・ネットワーク34(“LAN”)を介して、複数の表示コントローラ60に接続している。
図2に示した例において、各表示コントローラ60は、2台の表示装置50に接続されている。表示コントローラは、その中の表示インタフェース用のハードウェアによってサポートされている限り、任意の数の表示装置50に接続されることができる。
【0024】
本実施形態において、表示装置50は、小売店舗のような公共の場に備えられることができる。その公共の場の管理主体は、表示装置と表示コントローラとそれらを接続するLANに対する管理サービスを提供するであろう。またこの例において、LANは、ルータ30を介してインターネット20に接続されている。公共の場の管理主体は、サイト(現場)の管理者を介して、LAN上のそれ自身の社内サーバ30を運用して、一般的にこの技術分野で知られているように、社内サーバ40と通信しあう表示コントローラ60に対するサポート機能を含むような、種々のコンピュータ関連の機能を実行する。
【0025】
一実施形態において、
図3に示されるように、サーバ10と表示コントローラ60との間の通信は、ここでは社内サーバ40として示される中間コンピュータを介して行われる。この実施形態において、表示コントローラは、有線または無線のプライベートLAN42を介して社内サーバ40と通信しあっている。社内サーバは、プライベートLAN42と、ネットワーク・ルータ30を介して広域ネットワーク20に接続しているLAN34との両方に接続されている。この実施形態において、社内サーバ40は、表示コントローラ60が広域ネットワーク20とサーバ10とのいずれとも直接通信を行うわないように、社内サーバ40をサーバ10と表示コントローラ60との間のプロキシまたはsync(同期)サーバとして動作させるように構成されたsyncサーバ・アプリケーションを備えている。広域ネットワークすなわち広域ネットワーク20から表示コントローラ60を隔離することにより、不正な制御(例えば、インターネットからの権限のない通信)から、表示コントローラがよりセキュア(安全)になる。
【0026】
上に示したように、1または複数の表示コントローラ60は、1または複数の表示装置50を動作させる。この動作は、通常、公共の場の管理主体によって保守されているコンテンツ管理ソフトウェアあるいは主プレゼンテーション・ソフトウェア・アプリケーションによって実行される。主プレゼンテーション・ソフトウェア・アプリケーション例えばコンテンツ管理ソフトウェア(“CMS”)は、社内サーバ40によって集中的に管理されてもよい。
【0027】
本発明のPPSアプリケーションは、
図8に概略的に示すように、ロードされて実行開始され、表示コントローラのオペレーティング・システムによって与えられるようなMPSアプリケーションと同時に実行する。当業者は、これらの2つのソフトウェア・アプリケーションが、ともに、表示コントローラのメモリ内に保持されて、オペレーティング・システムによって並列に管理されることを理解するであろう。
【0028】
図7のフローチャートは、本発明のPPSアプリケーションの本質的な動作を図表的に示している。表示コントローラ60上において、MPSアプリケーションとPPSプログラムとが初期化される(ステップ200,210)。当業者は、これら初期化ステップの両方が生起すべきものであるかぎり、これらのステップが必ずここで示した順番で発生する必要はないことを理解する。
【0029】
ひとたびMPSアプリケーションが初期化されて動作を開始すると、主プレゼンテーションは表示装置50に提示される(ステップ230)。主プレゼンテーションは、
図2の場合と同様に、静止または動くテキスト及びグラフィックス52の組み合わせとして表されてもよい。ひとたびPPSアプリケーションが初期化され動作を開始すると、そのアプリケーションは、トリガを待ち受ける待ち受け状態(ステップ220)に入る。トリガは、(以下のものに限られるわけではないが)時間間隔、1日における時刻、表示コントローラ60に接続されているネットワークを介して与えられる信号、ユーザ・インタフェース装置(例えば、キーボード、マウス、タッチパッド)によって与えられる信号、上述したフィードバック装置のいずれか、あるいはこれらの等価物のいずれかであってもよい。
【0030】
トリガを検出すると(ステップ240)、PPSアプリケーションは、待ち受け状態を脱し、表示コントローラ60の記憶媒体上に格納されているサブルーチンを実行して、MPSアプリケーションをそのプレゼンテーション・コンテンツを表示装置50に提示していることから除外する(ステップ250)。当業者は、MPSアプリケーションが表示装置50上の画像にいかなる変更をなすことも防止されることと、PPSアプリケーションが記憶装置に格納されているサブルーチンを実行して表示装置に対する排他的な制御権を確立することと、を理解するであろう。
【0031】
表示装置50に対する制御がひとたび確立すると、PPSアプリケーションは、表示装置50上での優先プレゼンテーションの提示を開始する(ステップ270)。優先プレゼンテーションは、
図6に示すように、静止または動くテキスト及びグラフィックス52の組み合わせとして表されてもよい。ここでは、優先プレゼンテーションは、表示装置50の全面上に提示されている。もう一つのものとして
図5は、表示装置50の一部分のみの上に提示された優先プレゼンテーションを示している。ここでは、優先プレゼンテーションのために排他的に設定された提示領域の外側において、主プレゼンテーションの他の部分が見える状態で残っている。
【0032】
表示装置50に対する排他制御権は、優先プレゼンテーションが完了する(ステップ280)まで維持される。優先プレゼンテーションの完了時にPPSアプリケーションは、表示コントローラ60の記憶装置に格納されたサブルーチンを実行して、表示装置50に対する排他制御権を放棄し、表示装置50に対するMPSアプリケーションの制御を再び可能にする(ステップ290)。PPSアプリケーションは、次に、待ち受け状態に戻って、次のトリガを待ち受ける。
【0033】
一実施形態において、表示コントローラ60は、各優先プレゼンテーションの完了時に、表示コントローラ60の記憶装置上に、上演証明(proof-of-play)情報を記録する。この実施形態において、PPSアプリケーションは、さらに、任意の優先プレゼンテーションの完了時に時刻と日付とを含む上演証明記録を格納するサブルーチンを含んでいる。これらの上演証明記録は、優先プレゼンテーションの全体が提示されたことの証明を与える。
【0034】
一実施形態において、上演証明記録は、周期的に、ネットワーク34,20を介してサーバ10に送信される。上演証明記録は、当業者に公知のプロトコル(例えば、FTP、SSH、SCP、HTTP、HTTPSなど)を用いて、ファイルまたはストリームとして伝送されていよい。
図2に示す配置において、PPSアプリケーションは、サーバ10との接続を確立して、接続を完成させるためにサーバ10との認証を試みるように構成されている。認証が成功したとき、PPSアプリケーションは、表示コントローラ60に上演証明記録を送信させ、サーバ10は、認証情報とともに上演証明記録を格納し、表示装置50間でのいかなる特定の優先プレゼンテーションの配信と再生とに関する統計情報を少なくとも提供する。
【0035】
一実施形態において、トリガ情報は、優先コンテンツに埋め込まれていてもよく、あるいは、サーバ10によって与えられるスケジューリング情報によって別々に与えられてもよい。トリガ情報は、予め定められた条件の下で特定の優先プレゼンテーションが提示されるであろうといったように、通常、その特定の優先プレゼンテーションに結び付けられている。上に示したように、予め定められた条件は、以下のものに限定されるものではないが、一日の内の時刻、時間期間内での頻度、1または複数のフィードバック装置からの信号、表示コントローラに接続されたネットワークからの信号、これらのもの任意のまたは全ての組み合わせを含んでいてもよい。
【0036】
一実施形態において、トリガ情報は、PPSの優先コンテンツの提示が自動的にMPSのコンテンツと同期できるように、MPSの主プレゼンテーション中に符号化されている。しばしば、MPSは、主プレゼンテーションがそれ自身の本来のコンテンツにネットワーク(例えばインターネット)上に存在するコンテンツを組み込むことができるように、特定のプレゼンテーションコンテンツまたはコンテンツのプレイリスト/スケジュールに、httpまたはhttps URL方式に基づいたウェブページへのアドレスのようなユニフォーム・リソース・ロケータ(URL;Uniform Resource Locator)を含ませる能力を有する。例えば、MPSは、プレイリストのスケジュールでの予約された時刻にMPSが天気予報ウェブサイトからのコンテンツを取得して表示するように、そのプレイリスト中に、ワールド・ワイド・ウェブ上の天気予報サイトへのURLを含ませるであろう。他の例においてMPSは、Adobe(登録商標)Flash(登録商標)フォーマットに従って符号化されたマルチメディア・ファイルを再生する能力を有し、このフォーマットは、上記の例と同じように、ネットワーク・ベースのコンテンツを組み込むためにURLを含ませる能力を有する。
【0037】
この実施形態において、PPSは、URLの形態でのMPSからのリクエストの有無を監視するように構成されている。MPSがそのコンテンツまたはプレイリストにURLを含ませる能力を有する場合、予め予約した時刻にMPSがハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP:Hypertext Transfer Protocol)のような標準通信プロトコルを用いてネットワーク・リソースに対するリクエストを行えるように、MPSは、PPSに向けらたURLを含ませるように構成されている。特にここでリクエストはPPSに向けられている。
【0038】
一例示実施形態において、PPSは、予め定められたTCP/IPポート(例えば、通常のウェブ・ポート80番)上でHTTPリクエストの有無を監視するように構成されている。予め定められたTCP/IPポートにおいてPPSがMPSからのURLリクエストを受け付けたとき、PPSアプリケーションは、トリガ・イベントを発生して、1または複数の優先プレゼンテーションを提示する。
【0039】
この実施形態において、PPSは、ファイルまたはストリームをMPSに送り返してもよく、これによってこの技術分野で公知のURLによって示されたリクエストを処理し、したがって、MPSでのリクエスト・ルーチンがタイムアウトとはなるようにはしない。しかしながら、URLを受信したことに応じてトリガを発生したPPSは、上述したように、表示装置50に対する制御の確立と、表示装置50上でのコンテンツの提示からMPSを除外とを開始する。かくして、URLの送信及び受信によってこのようにトリガされた優先プレゼンテーションの期間にわたって、MPSの表示コンテンツは表示装置5によって表示されない。
【0040】
PPSはまた、リクエストがこの技術分野で知られている“タイムアウト”にならないように、MPSに対してファイルまたはストリームを送り返すことにより、URLリクエストに応答する。ファイルまたはストリームは、例えば、空ファイル、静止画像、または、診断情報あるいは他のメッセージを含んでいてもよい、短い“プレースホルダー(place holder)”メッセージであってよい。再度言えば、このコンテンツは、通常は、表示装置50上には表示されない。しかしながら、PPSが表示装置50に対する排他制御を確立するのを妨げるエラーが起きた場合には、この“プレースホルダー”のコンテンツが表示されて、技術者がそのエラーを診断するのを助けるであろう。
【0041】
この制御の確立は、ネットワーク上で使用されている異なるCMSプログラムの各々に固有のアプリケーション・プログラム・インタフェース(API)を設計する必要性なしに、PPSが異なる種々のCMSプログラム(MPS)と並列的に動作することを可能にする。すなわち、他のネットワーク・コンテンツに対するプレイリストが準備されているときに、プレイリスト中に特別なURLを挿入することによって、PPSとMPSとの間の相互作用を簡単に制御することができる。MPSコンテンツからPPSコンテンツへの表示の切り替えをトリガするこの特別なURLは、プレイリスト中に含められるべきHTMLまたはXMLファイルの形態をとることができる。このようなファイルは、好ましくは、広告システム・サーバ10によって供給され、広告システム・サーバ10からサイトの管理者によってダウンロードされることができる。
【0042】
この実施形態の一変形例において、PPSは、URLに含まれるパラメータを解析及び解釈して、表示されるべき優先コンテンツの提示を制御したりあるいはこれに影響を及ぼしたりするように構成されている。ここで制御パラメータは、ここに述べるものに限られるものではないが、i)表示装置の制御権がPPSによって獲得され優先コンテンツの再生(プレイバック)が開始する前の時間、ii)優先再生が終了して表示装置の制御権がMPSに戻される前の時間、iii)いくつの優先プレゼンテーションを再生されすべきかの優先プレゼンテーションの数、iv)再生されるべき特定の優先プレゼンテーションの仕様、v)再生されるべき優先プレゼンテーションの予め定めたクラスの仕様、を含んでいる。最後のものに関し、制御パラメータによって明示的に指定されるであろう予め定めたクラスは、ここで述べるものに限られるものではないが、公共広告(public service announcement)、または、直近に再生されたか近い将来に再生されるであろうMPSのプレゼンテーション・コンテンツに最も関連深い特定の優先プレゼンテーションを含んでいる。
【0043】
この変形例において、MPSに送り返されるファイルまたはストリームは、制御パラメターが成功裏に適用されたかどうかなどの他の有用または関連した情報とともに、制御パラメータの受領確認となる確認及び診断メッセージを含んでいてよい。
【0044】
この特徴の動作の一例として、表示コントローラ60上で実行しているMPSは、そのコンテンツを表示装置50上に提示し、一方、表示コントローラ60上で実行しているPPSは、それを動作状態にトリガするイベントの有無を監視する。ここで、MPSは、表示装置50上で次々と表示されるべきコンテンツのキューであるプレイリストに応じて動作する。特に、MPSは、ネットワーク・リソースからコンテンツを検索するためのURLをそのプレイリストに組み入れる能力を有している。ネットワーク・リソースは、表示コントローラ60とは異なるコンピュータ装置に存在してもよく、また、単に同じコンピュータ装置(すなわち、表示コントローラ60それ自体)上で動作するプロセスまたはアプリケーションに存在してもよいことが、この技術分野において当然に理解される。
【0045】
プレイリスト中のコンテンツの項目の1つは、PPSが監視しているTCP/IP 80番ポートに向けられたURLを含んでいる。URLは、サーバ10からサイトの管理者によってダウンロードされたファイルの部分として含まれていてもよく、HTTPプロトコルにおいて知られているPOST動作にしたがう埋め込みパラメータを含んでいる。ファイルをダウンロードしたサイトの管理者は、ファイル中に含まれているURLをMPSのプレイリストに組み込む。
【0046】
プレイリスト中のURLが配置している位置にひとたびMPSが進むと、MPSは、URLが指示しているリソースを取り出そうと試みて、通常の形態でメッセージを送る。PPSは、このメッセージを受信し、リソースを取り出そうとしているMPSが少なくともタイムアウトにならないように、何らかのHTMLベースのコンテンツを用いて応答する。しかしながら、同時に、PPSは、上述したように、MPSから表示装置50の制御権を取得するプロセスを開始する。
【0047】
URLとともにMPSからPPSに渡されたパラメータは、PPSによってどの優先コンテンツが提示されるかを制御するために、PPSによって解釈される。制御は、提示されるべき特定の優先コンテンツに関する仕様を含んでいてもよく、及び/または、PPSが表示装置50の制御権を手放してMPSに戻すまでの時間を指定してもよい。
【0048】
本発明のこの特徴に基づいて、PPSがその待ち受け状態から起動しそのコンテンツを提示したときに、MPSは制御を行ってもよい。PPSコンテンツの再生は、このように、MPSとPPSのそれぞれのコンテンツの再生が相互に重なり合ったり中断させあったりしないように、MPSの再生スケジュールと同期していてもよい。特に、この特徴は、PPSと通信するために現行のMPSを改変したり再プログラムしたりすることを要求せず、そのかわり、通常のURL、HTTP及びHTMLプロトコルの下でネットワーク・コンテンツに対する要求を行う通常の能力をあてにすることができる。
【0049】
一実施形態において、PPSアプリケーションは、表示コントローラ60の動作状態(例えば、システム負荷、システム動作可能時間、利用可能な記憶容量及びメモリ、及び/または検出され記録されたエラー)に関する状態情報をサーバ10に送ってもよい。
【0050】
図2に示すように配置された一実施形態において、表示コントローラ60のサブルーチンは、周期的に、ネットワーク34,20を介してサーバ10にコンタクトし、更新された優先コンテンツとスケジューリング情報とを読出す。優先コンテンツは、当業者に公知のプロトコル(例えば、FTP、SSH、SCP、HTTP、HTTPSなど)を用いて、ファイルまたはストリームとして伝送されることができる。PPSアプリケーションは、サーバ10との接続を確立して、接続を完成させるためにサーバ10との認証を試みるように構成されている。サーバ10にコンタクトすることをPPSアプリケーションに要求し、その逆ではないことによって、PPSアプリケーションは、特別な設定を必要とすることなく、ファイアウォール(例えば、ネットワーク・ルータ30内で動作している)を介して通信することができる。
【0051】
接続及び認証は、当業者には公知である任意の方法によって確立されることができ、ここでPPSアプリケーションは、成功裏に認証を完成するために必要とされるサブルーチン及びデータ(例えば、この技術分野で知られているような、一意の識別番号、パスワード、及び/又は公開暗号鍵)を含んでいる。認証が成功すると、サーバ10は、表示コントローラ60に対し、1または複数の優先プレゼンテーションを含む優先コンテンツを送信し、PPSアプリケーションは、表示コントローラ60に、その記憶装置上に優先コンテンツを格納させる。サーバ10は、表示コントローラ60がその記憶装置に格納するスケジューリング情報も送信する。スケジューリング情報は、いつ、及び/または、どの程度の頻度で、優先コンテンツの優先プレゼンテーションが表示装置50上に表示されるかを制御するために、PPSアプリケーションによって読出されるべきものである。
【0052】
同様に、PPSアプリケーションは、サーバ10にコンタクトして、PPSアプリケーションの動作を改善することを意図したソフトウェア更新を検索する。更新は、この技術分野で公知のようなデータ伝送の形態である。
【0053】
PPSアプリケーションは、PPSアプリケーションもまた(すなわち、同時に)表示装置50上に優先プレゼンテーションを提示しているかどうかに関係なく、サーバ10との通信を行うことができる。
【0054】
一実施形態において、表示コントローラ60は、さらに、音声(オーディオ)コントローラ(例えば、音声インタフェース、サウンド・カードまたはその等価物)と音声出力装置(例えばスピーカ)とを有し、主及び優先プレゼンテーションの各々は、さらに、主及び優先プレゼンテーションとして提示されている視覚情報に付随する画面外の語り(voice-over)やバックグラウンド音楽などの音声情報を含んでいる。
【0055】
PPSアプリケーションが待ち受け状態から脱してMPSアプリケーションがそのプレゼンテーション・コンテンツを表示装置50に提示することから除外されたとき、表示コントローラ60の記憶装置に格納されているサブルーチンは、表示コントローラ60に、MPSアプリケーションの音声部分を提示することを音声コントローラに実行させることからMPSアプリケーションを除外させ、さらに、優先プレゼンテーションの音声部分のために音声コントローラの排他的制御を確立させる。これにより、優先プレゼンテーションの継続期間にわたって、優先プレゼンテーションからの音声のみが音声出力装置から放送されることが許される。プレゼンテーション・プログラムが終了すると、音声コントローラの記憶装置に格納されているサブルーチンが実行されて、PPSアプリケーションが待ち受け状態に戻る前に、音声コントローラに対する排他的制御権を放棄して、音声コントローラに対するMPSアプリケーションの制御をを再び可能にする。
【0056】
PPSアプリケーションと同様に、MPSアプリケーションが、通常、表示装置50に対するそれ自身の排他的制御を確立するためのルーチンを内蔵するであろうことを当業者は理解するであろう。したがって、本発明のPPSアプリケーションは、少なくとも優先プレゼンテーションが表示装置50上で再生されるべき期間にわたって、MPSアプリケーションの表示キャプチャ・ルーチンに一時的に打ち勝ってこれを抑制するように設計されたルーチンを実行する。特に、表示装置50に対する制御権の取得と放棄(ステップ240,290)は、表示コントローラ60で動作するMPSアプリケーションに依存して、異なる方法によって達成される。
【0057】
表示コントローラ60上でPPSアプリケーションとMPSアプリケーションとがWindows(登録商標)環境(ここではMicrosoft(登録商標)Windows(登録商標)XP Professional)で動作する一実施形態において、PPSアプリケーションは、Win32 API中のサブルーチン呼出しを行って、新しいデスクトップ(CreateDesktop)を生成し、次に、オペレーティング・システムに、それに対してPPSアプリケーションのコンテンツを表示するように指示する(
図9、ステップ310参照)。当業者は、Windows(登録商標)のグラフィカル・ユーザ・インタフェースが、表示装置50に代表され、デスクトップとして知られている表示画面に基づいていることを認識するだろう。Windows(登録商標)は、スタートアップ時に、通常使用中にアプリケーションによって使用されるデフォルトのデスクトップを提供するが、CreateDesktop呼出しによって、デフォルトのデスクトップからは区別される他の代替となるデスクトップを生成する手段も提供する。このようにして生成された新しいデスクチップは、それを要求したアプリケーションによる排他的使用のために構成される。
【0058】
さらに
図9に概略的に示されるように、PPSアプリケーションは、さらに、主デスクトップを表示することから新しいデスクトップに表示装置50を切り替えるための呼出し(SwitchDesktop)を行う(ステップ350)。その結果、CreateDesktop呼出しより以前に実行し表示装置上50でコンテンツを表示していたMPSアプリケーションを含むアプリケーションが、表示装置50から消えて、PPSアプリケーションが排他的に提供するそれ自身の表示コンテンツ(優先プレゼンテーション)を含む新しいデスクトップに置き換えられる。
【0059】
図10は、制御がMPSに復帰するステップ290のサブステップの詳細を概略的に示している。優先プレゼンテーションが終了したとき、PPSアプリケーションは再びSwitchDesktopを呼び出して、元のデスクトップの内容を表示装置50に復帰させる(
図10、ステップ410)。元のデスクチップが、しばらくの間、表示装置上に表示されていなかったとしても、MPSアプリケーションのようなアプリケーションは、表示装置50上で表示されていない点を除いて、中断されることなく表示コントローラ上で動作し続けている。
【0060】
しかしながら、MPSアプリケーションがCreateDesktop及びSwitchDesktop呼出しと同様の手法を用いて表示装置50の排他的制御権を取得する場合、PPSアプリケーションは、排他的制御権を取得して維持するために代わりの方法を使用しなければならない。また、主プレゼンテーション及び/または優先アプリケーションが音声部分を含む場合、PPSアプリケーションは、Win32 API中のルーチンを呼び出してMPSアプリケーションの実行を一時中断させ、これによって、MPSアプリケーションが表示装置50の制御権を時期尚早に再取得したり、MPSアプリケーションがそれ自身の音声コンテンツを優先プレゼンテーションの音声コンテンツの上にかぶせて再生したりすることを防止する。
【0061】
ここで、PPSアプリケーションは、MPSアプリケーションを新しいデスクトップに単に移し替えるのではなくむしろMPSアプリケーションを一時中断させる必要があると判断する(
図9、ステップ300)ように構成されている。この実施形態では、PPSアプリケーションはMPSアプリケーションのプロセスを一時中断させるであろう。
【0062】
一実施形態において、PPSアプリケーションは、MPSアプリケーションのアプリケーション名を識別し、それを上記に概要を述べたステップと適合する既知のMPSアプリケーションのリストと比較することによって、ステップ300の判断を実行する。PPSアプリケーションが上述のステップでは表示装置50からそれを除外するのに十分には効果的ではないだろうと判断すると、PPSアプリケーションは、代替の手続きを進める。
【0063】
一実施形態において、MPSアプリケーションを除外する代替の手続きは、PPSアプリケーションが、それ自身の表示コンテンツを初期化し、それを既存のデスクトップのフォアグラウンド(前景)に持ってくるルーチン(SetForegroundWindow)を実行することを含む(ステップ320)。PPSアプリケーションはまた、デスクトップ上で動作しているMPSアプリケーションを表示装置50の表示領域外の位置に動かす呼出し(SetWindowPlacement)を行う(ステップ330)。次にPPSアプリケーションは、MPSアプリケーションのプロセスIDを付してOpenThread及びSuspendThreadの呼出しを行い(ステップ340)、これによって、MPSアプリケーションの動作を一時的に停止させる。PPSアプリケーションは、次に、優先プレゼンテーションの再生に進む(ステップ270)。
【0064】
優先プレゼンテーションが終了すると(ステップ280)、ここではMPSアプリケーションはPPSアプリケーションによって一時停止を要求されたことが知られており、PPSアプリケーションは、OpenThread及びResumeThreadに対する呼出しによって、MPSアプリケーションを一時中断状態から抜け出させる(ステップ420)。PPSアプリケーションは、次に、SetForegroundWindowに対する呼出しによって、MPSアプリケーションの位置をデスクトップでの目に見える前景に復帰させ(ステップ430)、MPSアプリケーションをSetWindowPosによってデスクトップ上のその元の位置に回復させる(ステップ440)。
【0065】
このようにしてPPSアプリケーションは、表示コントローラ60上においてMPSアプリケーションと共存でき、MPSアプリケーションの動作とは独立して表示装置50上にコンテンツを表示できる。上述したように、MPSアプリケーションを変更したり再構成したり再コードしたりする必要なく、PPSアプリケーションは、MPSアプリケーションから表示装置の制御を取得するための適切な方法を決定する。したがって、表示コントローラ60は、表示を行うサイトのローカルの管理者に必要とされる最小限の技術的な努力を用いて、MPSアプリケーションによって与えられる任意のコンテンツに加え、第三者コンテンツを提供することができるようにされる。
【0066】
本発明の一実施形態において、MPSアプリケーションの特徴的要素は、PPSアプリケーションに一体化され、以下、これを統合化プレゼンテーション・ソフトウェア(IPS)アプリケーションと呼ぶ。この実施形態において、IPSアプリケーションは、表示コントローラ60上のMPSアプリケーションの代わりに機能する。
【0067】
上述したMPSアプリケーションの場合と同様に、PPSアプリケーションのIPSによって具体化したものは、コンテンツの提示に関して上述したコンテンツ管理ソフトウェアとして動作する。IPSによる具体化は、さらに、上述したPPSアプリケーションの特徴的要素を有し、さらに以下の追加の要素を有するように構成される。
【0068】
この実施形態ではMPSアプリケーションが存在しないので、IPSによる具体化は、トリガのイベントに際して表示装置50の制御からMPSアプリケーションを除外するためのルーチンを実行することを要求されない。代わりに、表示コントローラ60上のMPSアプリケーションとして動作するように構成されているIPSによる具体化は、表示コントローラ60に、表示装置50に対してコンテンツを提示させ、かつ、同時にトリガのイベントを検出するように、構成されている。
【0069】
上述したPPSの具体化の場合と同様に、IPSによる具体化は、以下のものに限定されるものではないが、時間間隔、一日における時刻、表示コントローラ60が接続されているネットワークを介して与えられる信号、ユーザ・インタフェース装置(例えば、キーボードまたはマウス)から与えられる信号、またはこれら等価物のいずれとしてのトリガを検出できる。
【0070】
適切なトリガを検出すると、IPSによる具体化は、表示コントローラ60に、表示装置50上で主プレゼンテーションを表示することから表示装置50上で優先プレゼンテーションを表示することに切り替えさせる。上述のPPSの場合と同様に、IPSによる具体化は、優先プレゼンテーションをそれが完了するまで提示するように構成されており、完了すると、IPSによる具体化は、主プレゼンテーションのプレゼンテーションを回復して、他のトリガのイベントを待ち受ける。
【0071】
本発明は、上述した家庭外広告システムに対して第三者コンテンツを提供する方法も提供する。
【0072】
一実施形態において、コンテンツ管理者は、サイトの管理者によって管理されている配備場所に設けられた互換性のある表示コントローラ60及び表示装置50上にインストールされ実行されるべき上述したようなPPSアプリケーションを提供する。配備場所は、例えば、ショッピングセンター、小売商店またはスーパーマーケット、レストラン、あるいは他の任意の屋内または屋外の公共空間であってよい。サイトの管理者は、例えば、スーパーマーケットまたはショッピングセンターの現地管理者であってよい。
【0073】
この実施形態において、サイトの管理者は、そのサイトのローカルなコンピュータ及び表示設備に関する情報を提供することによって、コンテンツ管理者に登録する。コンテンツ管理者は、PPSアプリケーションを含み、例えば、フラッシュ・メモリ、CD−ROMあるいはネットワーク接続の記憶装置などである媒体を提供する。ここでPPSアプリケーションは、表示コントローラ60によって実行される準備ができた状態にある実行可能形態にあるか、あるいは、表示コントローラ60の記憶装置に転送されて実行可能形態に構成される準備ができた状態にあって当業者に知られたインストール可能な形態にある。
【0074】
表示コントローラを運用するサイトの管理者は、その媒体から、PPSアプリケーションを構成して表示コントローラ60上での実行を開始する。
【0075】
コンテンツ管理者は、インターネット20のような広域ネットワークに接続している上述したようなサーバ10も提供する。サーバ10は、単一のサーバ装置であっても、相互運用または冗長構成で負荷分散を行うサーバ装置のクラスタであっても、あるいはこの技術分野で公知のこれらの等価物であってよい。
【0076】
動作中において、表示コントローラ60のPPSアプリケーションは、上述したように、周期的に、サーバ10に対して交信を行おうと試みる。コンテンツ管理者によって準備されたサーバ10は、それぞれがそこで動作するPPSアプリケーションを備える1または複数の表示コントローラ60または社内サーバ40からの接続を待ち合わせ、その接続を認証し、その接続を受け入れるように構成されている。接続及び認証は、当業者に知られている任意の方法で確立されてよい。認証が成功したとき、サーバ10は、上述したように、特に、表示コントローラ60の表示装置50上で動作するPPSアプリケーションによる表示のために優先コンテンツを送信するように構成されている。
【0077】
一実施形態において、コンテンツ管理者によって準備されたサーバ10は、いつ、及び/または、どの程度の頻度で、優先コンテンツの優先プレゼンテーションが表示装置50上に表示されるかを制御するためにPPSアプリケーションによって用いられるスケジューリング情報も提供する。
【0078】
一実施形態において、コンテンツ管理者によって準備されたサーバ10は、上述したように、表示コントローラ60から上演証明記録を受け取るようにも構成されている。
【0079】
一実施形態において、コンテンツ管理者によって準備されたサーバ10は、PPSアプリケーションに更新を提供するようにも構成されている。更新は、この技術分野で知られているようなデータ伝送の形態で、非常に多数のMPSアプリケーションに対してPPSアプリケーションの性能を向上するためにPPSアプリケーションに組み込まれるべきものである。
【0080】
一実施形態において、コンテンツ管理者は、表示装置50及び/または表示コントローラ60のどれでも配置場所に提供することができる。ここで表示コントローラ60は、上述したPPSアプリケーションを含んでいる。
【0081】
上述した方法の実施形態の一変形例において、PPSアプリケーションは、上述したIPSによる具体化の形態で提供される。
【0082】
本発明は、上述したように構成されたサーバ10を経由して、上述したように表示コントローラ60上に展開されたPPFアプリケーションまたはIPSアプリケーションからの広域ネットワーク20を介した電子的なリクエストを受け付け、表示装置50を介したPPSアプリケーションによる表示のためのコンテンツを提供する方法も提供する。
【0083】
この方法の一実施形態において、コンテンツ管理者は、サーバ10と通信しているPPSアプリケーション(またはIPSによる具体化)の制御の下にある表示装置50上での表示されるための優先コンテンツの生成、提出及びスケジューリングのために1または複数のコンテンツ・プロバイダとの通信を可能にするための仕組みをも提供する。コンテンツ管理者は、優先コンテンツの提示における表示装置50の使用権の販売に関してコンテンツ・プロバイダとの取引を運営するための仕組みをも提供する。
【0084】
この方法の一実施形態において、サイトの管理者は、いずれかの時点で特定の表示装置50を視聴することができる人についての人口統計データを特徴づけるプロファイルを提供することによって、コンテンツ管理者に登録する。そのプロファイルの作成において、サイトの管理者は、各表示装置50に関する特定の情報を特に含めて、当該管理者の管理の下にあるネットワークの監査を行うことができる。表示装置ごとのベースで与えられるこの特定の情報は、以下のものに限られるわけではないが、i)表示装置の位置、ii)一日の内の時刻に基づく表示装置の視界内に存在する人数、iii)表示装置の視界内に存在する人たちの年齢グループ及び他の人口統計学的情報、iv)MPSによって提供され表示装置上に表示されるコンテンツの種類、及びv)優先コンテンツのために取っておかれる時間の長さ、を含んでいる。一例示実施形態において、この監査は、Out-of-home Video Advertising Bureau(OVAB)とthe Media Ratings Council(MRC)とによって開発された基準に基づいて、周期ベースで実行される。
【0085】
この実施形態において、コンテンツ管理者は、表示装置50の利用可能性と人口統計的特徴とを追跡し、以下に述べるものに限られるものではないが、地理的位置、人口統計データ、そのサイトの会場やビジネスの種類、及び視聴統計を含む、PPSアプリケーションの配備の記録と統計の保持も行う。コンテンツ管理者はまた、コンテンツ・プロバイダに特有の上演証明記録と状態情報とを維持し、これらをコンテンツ・プロバイダが利用可能になるようにして、優先コンテンツのさらなる購入とスケジューリングとを支援する。コンテンツ管理者は、さらに、表示装置50及び/または表示コントローラ60が備え付けられているサイトにある上述したフィードバック装置から収集されたデータに関する情報を保持してもよい。例えば、収集された保持された情報は、Oracle(登録商標)、Sybase(登録商標)、MySQL(登録商標)またこれらの等価物のようなデータベース・アプリケーションによって、格納され検索されてもよい。
【0086】
一実施形態において、コンテンツ管理者は、サーバ10またはサーバ10と通信する追加のコンピュータ・ハードウェアによって、インタラクティブなユーザ・インタフェースを提供する。1または複数のコンテンツ・プロバイダは、このインタラクティブなユーザ・インタフェースを介し、概要を上に述べたような、優先コンテンツを生成し提出しスケジューリングする機能と、1または複数の表示装置50上での表示時間の購入に関する取引を運営する機能と、コンテンツ・プロバイダに特有の上演証明記録と状態情報とを閲覧する機能と、利用可能な表示装置50と表示装置50が配備されている場所とが上記のカテゴリにしたがって並べられているリストを閲覧する機能とを実行し、さらに、コンテンツ・プロバイダによって提供される優先コンテンツの効率的な配信を可能にする別の機能を実行する。サーバ10は、少なくとも、上述した互換性を有するフォーマットでコンテンツを受け取り、表示コントローラ60上で動作するPPSアプリケーションによる読み出しのためのそのコンテンツを利用可能にする。
【0087】
本発明に基づいて、コンテンツ(例えば、広告)は、人間である職員による介在を必要としない完全に自動化された形態で、コンテンツ・プロバイダから提供され、表示装置50上での表示のために表示コントローラ60に配信される。一例示実施形態において、コンテンツ・プロバイダによるコンテンツの提出から表示装置50上での提示のためのPPSアプリケーションへの最終的な配信までの時間は、48時間以下である。
【0088】
一実施形態において、インタラクティブなユーザ・インタフェースは、サーバ10またはサーバ10と通信する追加のコンピュータ・ハードウェア上で動作するウェブ・サーバ・アプリケーションの形態で提供される。サーバ10は、サーバ10と通信するコンピュータ5上で動作する、例えば、Internet Explorer(登録商標)、Mozilla(登録商標)Firefox(登録商標)、Google(登録商標)Chromeまたはこれらの等価物であるブラウザ・アプリケーションによって、広域ネットワーク20を介してコンピュータ5から送られてくるリクエストを受け取るように構成されている。
【0089】
一実施形態において、ユーザ・インタフェースはSaaSソリューションとして提供される。
【0090】
一実施形態において、ユーザ・インタフェースは、いつ、及び、どの程度の頻度で1または複数の優先プレゼンテーションが提示されたかについてのリアルタイムでのフィードバックをコンテンツ・プロバイダに提供する。ユーザ・インタフェースは、サイトの管理者によってなされた行動によって表示装置50上またはサイトの表示装置50上に優先コンテンツを表示することが禁止されたことにより表示されなかった優先コンテンツについて、フィードバックを提供してもよい。
【0091】
一実施形態において、ユーザ・インタフェースは、表示のためにスケジューリングされた特定の優先プレゼンテーションを表示装置上またはサイトで実際に表示されたとおりの優先プレゼンテーションと比較するために、上映証明記録の視覚表示を提供する。
【0092】
一実施形態において、ユーザ・インタフェースは、上述したようにフィードバック装置から提供されたデータの視覚表示を提供する。
【0093】
一実施形態において、コンテンツ・プロバイダによる評価のために、ユーザー・インタフェースは、上演証明記録によって与えられる情報と状態情報とフィードバック装置によって与えられる情報とをビジュアル形態の編集情報に示す。その形態は、Out-of-Home Video Advertising Bureau(OVAB)によって提供されるような業界基準に適合するものであってよい。
【0094】
一実施形態において、OVABによって規定されるように、視聴者存在(表示装置50または関連する表示装置50の組を視聴した人々)、滞留時間(どれだけ長い間、視聴者が特定の場所にいるか)、メディア・ローテーション(1時間あたりにメディア(コンテンツ)が提示されている時間の分数)及びコンテンツ長(秒単位)に関する統計値を含む、単位インプレッションの測定量として、フィードバックの形態で、上述の情報は提供される。
【0095】
一実施形態において、ユーザ・インタフェースは優先コンテンツを生成し編集するためのツールを提供する。ツールは、優先コンテンツとしての表示装置50上での提示のために、テキストとグラフィクス(静止画像及びアニメーション画像の両方)のプレゼンテーションを作るための、この技術分野で知られているような予め構成されたテンプレートと編集ツールとを提供してもよい。ツールは、さらに、外部ニュースや情報のフィード(例えば、インターネット・ベースのニュース・フィード、RSSなど)を統合する仕組みと、一般的なフォーマット(MPEG、WMV、JPEG、Flash(登録商標)など)のメディア・ファイルを受け取って組み入れる仕組みと、表示装置50の1または複数の異なる表示部分にプレゼンテーションの各部分を配置するためのツールと、をさら含んでいてもよい。
【0096】
一実施形態において、ユーザ・インタフェースは、1または複数の表示装置50に対するコンテンツのスケジュールのインタラクティブで時間順に表現されたものを提供し、これにより、コンテンツ・プロバイダが、少なくとも、一日の内の時刻、場所、視聴者の規模、及び/又は、所望のタイムスロットの前または後のコンテンツに基づいて、特定の体オムスロットを購入できるようにする。この実施形態において、ユーザ・インタフェースは、1または複数の表示装置上で提示されるローカル・ベースのコンテンツに関するサイトの管理者によって提供されたままの情報を提供してもよく、これによって、コンテンツ・プロバイダは、再生されるであろう優先コンテンツの直前及び直後に再生されるであろうコンテンツを考慮することができるようになる。
【0097】
一実施形態において、ユーザ・インタフェースは、コンテンツの生成(該当する場合)のものであるとともに、上述のように与えられた(あるいは関連する方法により)インプレッションの量に基づいて、コンテンツ・プロバイダに特有のアカウント(口座)を記録し課金する手段を提供する。
【0098】
一実施形態において、ユーザ・インタフェースは、コンテンツ・プロバイダのために、特定の提出されたコンテンツが、特に優先的にまたは最速での表示コントローラ60への配信のために優先順位を付けられるようにする手段を提供する。この実施形態において、ユーザ・インタフェースは、コンテンツを優先させることの引き換えに、付加的な取引を提供する。
【0099】
一実施形態において、サーバは、リアルタイムで、コンテンツ・プロバイダに、1または複数のコンテンツが1または複数の表示装置50または場所で完了したことを通知する。他の実施形態において、その通信は、電子メール、インスタント・メッセージまたはこれらの等価物の形態であってよい。例示的な実施形態において、その通信は、上述したユーザ・インタフェースに統合されたウィジェットの形態であってよい。他の例示実施形態において、この特徴は、コンテンツ・プロバイダによって、ユーザ・インタフェースを介し、1または複数のコンテンツに対して有効化されてもよい。
【0100】
このように、本発明は、コンテンツ・プロバイダがコンテンツ(例えば、広告コンテンツ)を提出し、人口統計的情報に基づいて利用可能な表示装置のリストを閲覧し、選択された表示装置上のスクリーン時間を購入し、コンテンツが提示されたかを検証する、コンテンツ・プロバイダにための自動化された出稿契約(booking)システムを提供する。したがって、メディア・プレイヤーは、その視聴者要求とタイムフレームと予算要求とを満たすネットワークの位置を探し出しソートしてもよい。
【0101】
本発明の一実施形態において、ユーザ・インタフェースは、サイトの管理者に対して与えられていてもよい。このユーザ・インタフェースは、サイトの管理者が、その表示装置の人口統計的情報及びスケジューリング情報を更新することを可能にし、サイトの管理者に対し、1または複数の表示装置上での表示時間に関するコンテンツ・プロバイダからの申し出を受信するための手段を提供する。
【0102】
この実施形態において、ユーザ・インタフェースは、表示装置と一日の内の時刻に基づいてサイトの管理者により優先コンテンツのために利用可能とされた表示時間と、上記のように監査済みの人口統計情報を含む表示装置についての情報とをコンテンツ・プロバイダが閲覧できるようにする。ユーザ・インタフェースは、利用可能な表示時間を購入するためのコンテンツ管理者からの申し出を受け取る手段を提供する。ユーザ・インタフェースは、さらに、その申し出に関するサイトの管理者からの受諾または拒否を受け取る手段を提供する。サイトの管理者が申し出を受け入れる場合、サーバ10は、指定された1または複数の表示装置に対応する1または複数の表示コントローラに、コンテンツ・プロバイダの優先コンテンツを送信し、その1または複数の表示コントローラ上のPPSに対して優先コンテンツの再生のためのスケジューリングを指示する。
【0103】
一実施形態において、優先コンテンツの上演証明を受け取ると、コンテンツ・プロバイダの口座は借方記入され、サイトの管理者の口座に貸方記入される。一例示実施形態において、コンテンツ・プロバイダから引き落とされる額のある割合が、手数料として、サイトの管理者の口座に振り込まれる。ユーザ・インタフェースは、サイトの管理者に対し、(ネットワーク全体とともに)各表示装置によってどれだけの収入が発生したかを要約した情報表示を提供する。ユーザ・インタフェースは、各表示装置の動作状態と、各表示装置上で再生するようにどのコンテンツがスケジューリングされているかまたはスケジューリングされたかを集約してもよい。
【0104】
このように、本発明は、サイトの管理者に対してはその表示装置上で表示時間を販売し、コンテンツ・プロバイダに対して表示時間を購入するための自動化されたマーケットを提供する。システム及び方法は、表示の価値に基づいた表示時間についての自動化された価格交渉と、表示装置へのコンテンツの自動化された配信と、コンテンツが提示されたかどうかの自動化された検証と、コンテンツ・プロバイダとサイトの管理者とコンテンツ管理者との間での自動化された資金取引とを提供する。
【0105】
本発明の実施形態は、機械可読媒体(コンピュータ可読媒体、プロセッサ可読媒体またはコンピュータ可読プログラムコードをその中に具現しているコンピュータ利用可能媒体とも呼ばれる)に格納されたソフトウェア・プロダクトとして表現されてもよい。機械可読媒体は、フレキシブル・ディスク、コンパクト・ディスク読み出し専用メモリ(CD−ROM)、メモリ装置(揮発性または不揮発性)または同様の記憶機構を有する、磁気記憶媒体、光学記憶媒体または電気記憶媒体を含む、任意の適切な実体のある媒体であってよい。機械可読媒体は、実行されたときにプロセッサに本発明の実施形態に基づく方法でのステップを実行させる、命令、コード・シーケンス、構成情報または他のデータの種々の組を含んでいてもよい。当業者は、ここに説明された発明を実現するために必要な他の命令及び操作もまた機械可読媒体に格納されていてもよいことを理解するであろう。機械可読媒体から実行するソフトウェアは、上述したタスクを実行する回路と相互作用してもよい。
【0106】
以上の説明において、説明の目的で、本発明の実施形態の完全な理解を与えるために、数々の詳細が示されている。しかしながら、これらの特定の詳細な説明は本発明を実施するために要求されるものではないことは、当業者には自明であろう。他の例において、本発明をあいまいにしないように、周知の電気構造及び回路が、ブロック図の形態で示されている。例えば、ここに示した本発明の実施形態が、ソフトウェア・ルーチンとして実現されるのか、ハードウェア回路として実現されるのか、あるいはこれらの組み合わせとして実現されるのかについては、特定の詳細な説明は与えられていない。
【0107】
ここで説明した本発明は、上記で与えられた実施形態の一つ、いくつか、全てまたは任意のものを任意に組み合わせたものを有していてもよい。本発明の上述した実施形態は、例示であることのみを意図したものである。当業者は、添付の請求の範囲によって唯一規定される本発明の範囲から離れることなく、特定の実施形態に対する交代、改良及び変形を達成することができる。