特許第5669458号(P5669458)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5669458歯科用の2成分印象材料を貯蔵しかつ送出するための使い捨てカートリッジ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5669458
(24)【登録日】2014年12月26日
(45)【発行日】2015年2月12日
(54)【発明の名称】歯科用の2成分印象材料を貯蔵しかつ送出するための使い捨てカートリッジ
(51)【国際特許分類】
   A61C 9/00 20060101AFI20150122BHJP
【FI】
   A61C9/00 C
   A61C9/00 Z
【請求項の数】11
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2010-148664(P2010-148664)
(22)【出願日】2010年6月30日
(65)【公開番号】特開2011-11063(P2011-11063A)
(43)【公開日】2011年1月20日
【審査請求日】2013年6月4日
(31)【優先権主張番号】10 2009 031 306.0
(32)【優先日】2009年6月30日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】399011900
【氏名又は名称】ヘレーウス クルツァー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Heraeus Kulzer GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100061815
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 敏雄
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(74)【代理人】
【識別番号】100128679
【弁理士】
【氏名又は名称】星 公弘
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス グルントラー
(72)【発明者】
【氏名】クラウス−ディーター ネーレン
(72)【発明者】
【氏名】アルフレート フォン シュックマン
【審査官】 石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】 特表2005−512801(JP,A)
【文献】 米国特許第03144966(US,A)
【文献】 実開昭59−154328(JP,U)
【文献】 特表2010−535590(JP,A)
【文献】 特許第5622148(JP,B2)
【文献】 米国特許出願公開第2010/206904(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯科用の2成分印象材料を貯蔵しかつ送出するための使い捨てカートリッジであって、
a 円筒状に加工成形された外壁を備えた、閉鎖可能な外側のチャンバ(3)と、
b 該外側のチャンバ(3)内に同軸的または偏心的に配置された、円筒状の閉鎖可能な内側のチャンバ(4)と、
c 別個に組み付けられ得るか、またはその流入端部のところで外側のチャンバ(3)に固く結合された混合エレメント(2)と
が設けられている形式のものにおいて、
円筒状の内側のチャンバ(4)が、回転可能に配置されていて、混合エレメント(2)の可動部分のための駆動軸を形成しているか、
または駆動軸が、中心軸線に対して平行に、円筒状の内側のチャンバ(4)を通って延びている
ことを特徴とする、歯科用の2成分印象材料を貯蔵しかつ送出するための使い捨てカートリッジ。
【請求項2】
混合エレメント(2)のスタティックな部分、つまり混合器短管が、当該カートリッジに固く結合されているか、または螺合式に装着・取外し可能にかつ/またはスライド式に装着・取外し可能に当該カートリッジに結合されている、請求項1記載の使い捨てカートリッジ。
【請求項3】
混合器の内室に対する成分入口が、両成分チャンバの互いに相対的な移動によって開放される、請求項1または2記載の使い捨てカートリッジ。
【請求項4】
印象材料の、必要とされる両成分の、印象用トレー盛りのために十分な量が、その都度カートリッジ内に充填されるように当該使い捨てカートリッジの容積が形成されている、請求項1から3までのいずれか1項記載の使い捨てカートリッジ。
【請求項5】
内側のチャンバ(4)が、結合手段を備えたカバー(6)を有する、請求項1から4までのいずれか1項記載の使い捨てカートリッジ。
【請求項6】
前記カバー(6)内の結合手段は、ロッド状のプランジャが接続され得るように形成されている、請求項1から5までのいずれか1項記載の使い捨てカートリッジ。
【請求項7】
内側のチャンバ(4)が、駆動を推動および/または回転として生ぜしめることができる、請求項1から6までのいずれか1項記載の使い捨てカートリッジ。
【請求項8】
請求項1からまでのいずれか1項記載の使い捨てカートリッジのための圧送手段において、当該圧送手段が、互いに別個の独立した2つの圧送プランジャ(10,11)を有しており、該圧送プランジャ(10,11)の軸方向の推動運動が、互いに独立して別個に制御されるようになっていることを特徴とする、使い捨てカートリッジのための圧送手段。
【請求項9】
当該圧送手段が、管状の外側の圧送プランジャ(11)と、該外側の圧送プランジャ(11)内に同軸的または偏心的に配置された、円筒ロッド状の内側の圧送プランジャ(10)とを有している、請求項記載の圧送手段。
【請求項10】
請求項1から6までのいずれか1項記載の使い捨てカートリッジと一緒の、請求項8または9記載の圧送手段の使用。
【請求項11】
印象用トレーのための印象材料の貯蔵、調量および混合のための、請求項1から7までのいずれか1項記載の使い捨てカートリッジの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科用の2成分印象材料を貯蔵しかつ送出するための使い捨てカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
歯科用の印象採取のための印象材料は、2種の成分の組合せ物として提供される。両成分は互いに分離されて保管され、そして使用前に混合される。混合物は分単位の処理時間後に硬化し、この時間の間、印象材料は歯科医師のもとで印象用トレー内に盛られ、次いで患者の口腔内で印象が採取される。硬化された印象は取り出されて、模型を製作するために役立つか、または仮想模型を製作するためにスキャンされる。
【0003】
印象材料の混合は歯科医実務において手作業による攪拌により行われるか、またはオートミックス器具、つまり自動混合器具を用いて行われる。歯科用の印象材料を自動的に混合するためのこのような混合器具は、たとえば3M ESPE社のペンタミックス(Pentamix;登録商標)シリーズ、Kettenbach社のPlug&Press(登録商標)ディスペンサ、DMG社のMixStar(登録商標)またはHeraeus Kulzer社のDynamix(登録商標)のモデルとして市販されている。
【0004】
さらに、このような器具およびシステムを使用者のための使い易さおよび信頼性および印象プロセスの再現可能性に関して改善するという要求が存在する。使用者が印象用トレーに印象材料を簡単かつ迅速に盛ることができ、しかもこのときに処理時間を前選択するか、もしくは変えることができると望ましい。
【0005】
本発明者は特に、印象材料を歯科医実務において器具によって自動的に混合し、かつこのときに、これまでは手で混合されかつ手で調量されていた印象材料においてのみ可能であったように処理時間を使用者/歯科医師/歯科助手によって可変に調節することを可能にするようなシステムを提供するという課題を設定した。
【0006】
付加的な要求は、印象用トレーの準備および材料盛りの全過程のためにかかる時間手間を最小限に抑えることを可能にする、有利には1回使用(single-use / single-dose)のための簡単な取扱いである。この時間手間の要因としては、材料供給および材料調量、コンポーネントの組立てならびに残量廃棄およびクリーニングを含めて、印象用トレーに印象材料を盛るために実施されなければならないこと全てが挙げられる。詳細には、これらのプロセスは次の通りである。
【0007】
数年来、歯科医実務においては、ホース袋システムまたは多チャンバカートリッジから印象材料を調量し、圧送し、かつそれと同時にスタティック式(静止式)のアタッチメントまたは回転式のアタッチメントによって印象材料を混合する手動式またはモータ作動式の器具が普及されている。印象用トレーに印象材料を完全に盛るためには、一般にモータ作動式の器具が使用され、この器具には内容積360〜380mlのダブルカートリッジまたはホース袋が装備される。この容器サイズは、平均10回分のトレー盛りのために十分となる。したがって、このような容器は、1回の使用のために設けられた、交換可能な回転式の混合アタッチメントと共に使用される。これらの混合アタッチメントは、部分的に手間をかけて器具もしくはカートリッジに結合されなければならない。
【0008】
小さな量(たとえば形成された個別歯の型取りまたは補正型取りのための)のためには、交換可能なスタティック式の使い捨て混合器を備えた、複数回使用可能な内容積25〜75mlのダブルカートリッジが使用される。
【0009】
国際公開第2007/126532号パンフレットもしくは米国特許第2007/0228076号明細書には、多成分カートリッジが、欧州特許第1846308号明細書には、多成分シリンジがそれぞれ記載されている。この多成分カートリッジおよび多成分シリンジは0.5〜2.5mlの極めて小さな量しか内蔵しないので、螺合式もしくは差し被せ式に装着されたスタティック混合器を備えたこのような多成分カートリッジおよび多成分シリンジは補正印象材料における1回使用のためには十分となる。
【0010】
国際公開第2008/048603号パンフレットには、前充填されたポーションパッケージが記載されている。このポーションパッケージの内容物は手によって混合されなければならない。
【0011】
欧州特許出願公開第1308137号明細書に開示されている混合器具は液状の成分の可変調量を可能にする。ドイツ連邦共和国特許出願公開第3233366号明細書の対象である装置は、2つのカートリッジのピストンを別個に制御するので、個々の成分の種々の搬出速度が可能となる。
【0012】
しかし、上で説明したシステムには、次のような欠点がある。
【0013】
大容積のホース袋およびカートリッジは、相応して大きくかつ出力強力な機械をも必要とし、このような機械は使用現場において多くの作業面積を必要とするが、このような多くの作業面積はしばしば存在していない。カートリッジおよび混合器の交換は常に時間手間や製品成分による汚染もしくはコンタミネーションに結びつく。器具にカートリッジが装着された後には、まず両成分チャンバの充填面レベルが、搬出された材料の廃棄によって同レベルにもたらされなければならない。
【0014】
搬出されたペースト混合物は常に所定の処理時間を有しており、この処理時間は材料によって規定されるが、しかし室温もしくは貯蔵温度によって影響付与される。これにより、季節や気候帯に基づいて、混合物の処理時間の大きな変動が生じる。この問題を是正するためには、このような材料が、種々の処理時間調節によって、たとえばスタンダードセットまたはファーストセットとして提供されるか、または材料を冷蔵庫またはサーモキャビネット(Thermoschrank)内で調温することが推奨される。
【0015】
最近では、多数の種々の回転式の混合器が市場において普及されている。しかし、これらの混合器は互いに部分的に互換性がないか、またはちょうど使用されているコンシステンシ(稠度)に合わせて最適な混合物を生ぜしめない。したがって、使用者はしばしば、種々異なる混合器をストックしておくことを強いられており、しかもその場合、これらの混合器は取り違えられる恐れがある。
【0016】
手動式の器具を用いた搬出のためのカートリッジは、たしかに平均40〜50mlの1つの印象用トレーを完全に満たすために十分な容量を有しているが、しかしこの場合には極めて大きな力手間および時間手間を必要とする。これによって、混練可能なコンシステンシは全く圧送され得ない。気候問題および処理時間問題はこの場合にも不変に与えられている。
【0017】
たとえば縮合架橋するシリコーン印象材料のシステムのような旧システムでは、使用者は活性剤の不足調量または過剰調量によって処理時間を個別に制御することができる。なぜならば、これらの材料の成分が個々にチューブ、缶または瓶の形で提供されるからである。この利点はこれまで提供されてきた全てのカートリッジシステム、ホース袋システムおよびシリンジシステムの強制調量によってはもはや提供され得ない。しかし、可変の調量可能性の欠点は、これらの材料が誤調量されるか、またはこれらの材料の混合がしばしば不良に、または不十分に実施され、かつ熟練した使用者を必要とすることにある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】国際公開第2007/126532号パンフレット
【特許文献2】米国特許第2007/0228076号明細書
【特許文献3】国際公開第2008/048603号パンフレット
【特許文献4】欧州特許出願公開第1308137号明細書
【特許文献5】ドイツ連邦共和国特許出願公開第3233366号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明の課題は、既に上で述べたように、印象材料を歯科医実務において器具によって自動的に混合し、かつこのときに、これまでは手で混合されかつ手で調量されていた印象材料においてのみ可能であったように処理時間を使用者/歯科医師/歯科助手によって可変に調節することを可能にするようなシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上で挙げた課題は本発明によれば、請求項1に記載の同軸式カートリッジ、すなわち歯科用の2成分印象材料を貯蔵しかつ送出するための使い捨てカートリッジであって、
a 円筒状に加工成形された外壁を備えた、閉鎖可能な外側のチャンバと、
b 該外側のチャンバ内に同軸的または偏心的に配置された、円筒状の閉鎖可能な内側のチャンバと、
c 別個に組み付けられ得るか、またはその流入端部のところで外側のチャンバに固く結合された混合エレメントと
が設けられている形式のものにおいて、
円筒状の内側のチャンバが、回転可能に配置されていて、混合エレメントの可動部分のための駆動軸を形成しているか、
または駆動軸が、中心軸線に対して平行に、円筒状の内側のチャンバを通って延びている
ことを特徴とする、歯科用の2成分印象材料を貯蔵しかつ送出するための使い捨てカートリッジにより解決される。
【0021】
さらに上記課題は、本発明によれば、請求項5に記載の、前記使い捨てカートリッジに対して嵌合する圧送手段、すなわち当該圧送手段が、互いに別個の独立した2つの圧送プランジャを有しており、該圧送プランジャの軸方向の推動運動が、互いに独立して別個に制御されるようになっていることを特徴とする、使い捨てカートリッジのための圧送手段により解決される。
【発明の効果】
【0022】
混合器のロータはカートリッジの内側部分の構成要素であり、混合器のステータ/スリーブはカートリッジの外側スリーブの構成要素であると有利である。混合エレメントのスタティックな部分、すなわち静止部分である混合器短管(Mischertuelle)はカートリッジに固く結合されていてよい。この短管は回転運動および/または差込み運動によってもカートリッジに結合され得る。
【0023】
容積は、必要とされる両成分の、印象用トレー盛りのために十分となる量が、その都度、同軸式多成分カートリッジ内に充填されかつこのカートリッジ内に貯蔵されるように形成されていると有利である。これにより、1回使用が設定されており、成分チャンバを補償調整するか、または部分をクリーニングするための時間は必要とされない。混合エレメントがカートリッジに固く結合されているか、もしくはカートリッジ内に組み込まれていると有利である。
【0024】
このことは、混合器の回転する部分が、内側のカートリッジチャンバの継続部を成していることにより実現され得る。このカートリッジの新規な点は、同軸式カートリッジの内側チャンバ全体が、回転する混合器のための駆動軸として働き、したがって回転可能であることである。処理時間の制御可能性は、両成分の混合比を介して実現される。このことは、成分チャンバの両ピストンが、互いに異なる速度で互いに別個に独立して圧送可能であることにより可能となる。このことは、たとえば外側のチャンバのための圧送プランジャの管形の形状およびこの圧送プランジャ内に延びる、内側のチャンバのための内側の圧送プランジャの円筒状の形状によって可能となる。圧送プランジャの推動は互いに別個に独立して制御され得る。本発明はこのような圧送手段にも関する。
【0025】
処理時間のバリエーションは、処理時間がスイッチ/レギュレータによって使用者により調節可能となるように形成され得る。付加的にまたは択一的に、調量を周辺温度またはペースト温度を介して器具側で補正することができる。
【0026】
本発明によるカートリッジの、部分的に直接に明白となる利点は以下のように要約され得る:
1回使用となるので、いかなるクリーニング手間も不要となる。
【0027】
組み込まれた混合器により、混合器を別個に保管しておく必要がなく、取り違えの危険が生じなくなる。混合器を別個に取り付けかつ位置固定する必要がない。
【0028】
内側の混合器チャンバの巧妙な構成により、自動的なカートリッジ開放機能を設定することが可能となる。
【0029】
必要とされる混合器具は、トレー材料のために従来汎用されていたモータ作動式の混合器具においてそうであったよりも著しく小さく形成されていてよい。したがって、混合器具は処理室の作業面積において極めて僅かなスペースしか占めない。
【0030】
混合器具は著しく軽量にも形成され得るので、たとえばバッテリ作動式の可搬式の変化形も可能となる。従来の混合器具はこのためには大き過ぎかつ重過ぎる。処理全体、つまりカートリッジの挿入から印象用トレー盛りを経て廃棄に至るまでの処理全体は、僅か数妙にまで短縮する。
【0031】
互いに別個に独立して駆動される成分圧送部により、混合比変化により処理時間を変えることが可能となる。
【0032】
このことは使用者に、その希望処理時間を予め設定することを可能にする。
【0033】
付加的に、周辺温度を考慮することにより、周辺温度に対応することができ、これにより世界規模でかつ年間を通じて一定の処理時間がこのシステムによって実現可能となる。
【0034】
以下の使用可能性が得られる:
印象用トレー盛りのために必要とされるような、有利には中間粘稠性〜混練可能な歯科用の印象材料の貯蔵、調量および混合のための使い捨てカートリッジ。
【0035】
別の使用可能性は歯科技術のための複印象材料(Dubliermassen)において得られる。簡単な使用により、たとえば模型製作、犯罪科学、考古学、金属組織学、趣味領域および工作領域における使用が考えられる。
【0036】
混合器アタッチメントのバリエーションにより、この混合器アタッチメントを交換可能に形成することもできる。その場合には、必要とされる器具は付加的に、補正型取りまたは咬合記録のための小さな量しか必要とされない、より低いコンシステンシのために使用可能となるか、もしくは器具/カートリッジのシステムが複数回盛りのためにも適している。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】混合器アタッチメントを備えたカートリッジの1実施例を示す概略的な断面図である。
図2】推動および回転のための、同心的に配置された駆動プランジャの機能モデルを示す概略図である。
図3図2に示した駆動プランジャを側方から見た図である。
図4】混合器のための駆動軸が内側のカートリッジを通って延びている変化実施例を示す概略的な断面図である。
図5】内側のチャンバが外側のチャンバの中心軸線に対して相対的に偏心的に配置されている変化実施例を示す概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下に、本発明を実施するための形態を図面につき詳しく説明する。
【0039】
図1に示したカートリッジ1は混合アタッチメント2を有している。内側チャンバ4(触媒/Cat)は、この場合には外側チャンバ3(Base)内に同軸的に配置されている。カートリッジ1の、混合アタッチメント2とは反対の側には、外側チャンバ3の横断面環状のカバー5,5aが認められる。この場合に固有の長手方向軸線を中心にして回転可能に支承された内側チャンバ4のカバー6は、結合手段(たとえばクラウンホイール、Inbus;六角穴付ボルトの登録商標)を備えていてよく、このカバー6は前記結合手段に対して嵌合する端部を備えたロッド状のプランジャによって駆動され得る。これによって、内側チャンバ4の推動も回転も生ぜしめられ得る。外側チャンバ3の環状のカバー5,5aに対する推動は、相応して管状のプランジャによって生ぜしめられ得る。
【0040】
図2および図3には、相応して互いに内外に配置された、推動用のプランジャ10,11および回転用のプランジャ12が示されている。
【0041】
図4には、変化実施例が示されている。この変化実施例では、同軸的な2つの円筒環状のチャンバが、混合器のための駆動軸を取り囲んでいる。両環状ピストン6,7と、これらの環状ピストン6,7の共通の中心軸線に位置する駆動軸8と混合アタッチメント9とが認められる。
【0042】
図5に示した別の変化実施例では、外側チャンバ3内に内側チャンバ4が偏心的に配置されている。もちろん、推動および回転を生ぜしめるプランジャは相応してずらされて取り付けられなければならない。
【符号の説明】
【0043】
1 カートリッジ
2 混合アタッチメント
3 外側チャンバ
4 内側チャンバ
5,5a カバー
8 駆動軸
9 混合アタッチメント
図1
図2
図3
図4
図5