特許第5669488号(P5669488)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5669488
(24)【登録日】2014年12月26日
(45)【発行日】2015年2月12日
(54)【発明の名称】情報表示システムおよびその制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/00 20060101AFI20150122BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20150122BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20150122BHJP
【FI】
   G06F13/00 510C
   G08G1/00 A
   H04M11/00 301
【請求項の数】8
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2010-202419(P2010-202419)
(22)【出願日】2010年9月9日
(65)【公開番号】特開2012-59077(P2012-59077A)
(43)【公開日】2012年3月22日
【審査請求日】2013年7月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000243881
【氏名又は名称】名古屋電機工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094190
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 清路
(72)【発明者】
【氏名】水谷 直樹
(72)【発明者】
【氏名】坪内 扇二
(72)【発明者】
【氏名】田子 和利
(72)【発明者】
【氏名】藤本 拓也
【審査官】 坂東 博司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−285948(JP,A)
【文献】 特開2005−176206(JP,A)
【文献】 特開2004−139278(JP,A)
【文献】 特開2008−165336(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
G08G 1/00
H04M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
個別に識別情報が与えられた複数の情報表示装置と、
各前記情報表示装置に交通情報の表示制御指示を送信する中央制御装置と、
前記情報表示装置が設置された道路上の規制担当者によって操作され、前記中央制御装置に対して前記情報表示装置への表示制御依頼を行うための携帯通信端末と、を備える情報表示システムであって、
各前記情報表示装置には、前記中央制御装置に通信網を介して接続するための接続情報および前記識別情報を含む2次元コードが表示されており、
前記携帯通信端末は前記2次元コードを読み取り、当該2次元コードに含まれる前記識別情報を含む表示制御依頼を前記接続情報に基づいて前記中央制御装置に送信し、
前記中央制御装置は前記携帯通信端末を介して前記識別情報により特定される前記情報表示装置の設置位置を基準として近傍の前記情報表示装置に対する表示制御内容を選択させ、当該情報表示装置に対して、当該表示制御内容に応じた表示制御指示を送信することを特徴とする情報表示システム。
【請求項2】
前記中央制御装置は、前記携帯通信端末を介して、前記識別情報により特定される前記情報表示装置の近傍の別の情報表示装置に対する表示制御内容をさらに選択させ、当該別の情報表示装置に対する表示制御内容がある場合には、当該別の情報表示装置に対して当該表示制御内容に応じた表示制御指示をする近傍表示制御手段を備える請求項1記載の情報表示システム。
【請求項3】
前記中央制御装置は、前記携帯通信端末から前記表示制御依頼を受信したとき、当該携帯通信端末および当該携帯通信端末を使用している規制担当者を認証する認証手段を備える請求項1または2記載の情報表示システム。
【請求項4】
前記中央制御装置は、前記携帯通信端末からの前記表示制御依頼により前記情報表示装置に表示制御指示をした後、その制御結果の情報を当該携帯通信端末に送信する制御結果送信手段を備え、
前記携帯通信端末は、前記制御結果を受信する制御結果受信手段を備える請求項1乃至3のいずれか一項に記載の情報表示システム。
【請求項5】
個別に識別情報が与えられた複数の情報表示装置と、
各前記情報表示装置に交通情報の表示制御指示を送信する中央制御装置と、
前記情報表示装置が設置された道路上の規制担当者によって操作され、前記中央制御装置に対して前記情報表示装置への表示制御依頼を行うための携帯通信端末と、を使用した交通情報表示システムの制御方法であって、
各前記情報表示装置には、前記中央制御装置に通信網を介して接続するための接続情報および前記識別情報を含む2次元コードが表示されており、
前記携帯通信端末により前記2次元コードを読み取り、当該2次元コードに含まれる前記識別情報を含む表示制御依頼を前記接続情報に基づいて前記中央制御装置に送信する送信ステップと、
前記表示制御依頼をした前記携帯通信端末を介して、前記識別情報により特定される前記情報表示装置の設置位置を基準として近傍の前記情報表示装置に対する表示制御内容を選択させる表示制御選択ステップと、
前記中央制御装置から前記選択された情報表示装置に対して前記表示制御内容に応じた表示制御指示を送信する表示制御ステップと、を備えることを特徴とする情報表示システムの制御方法。
【請求項6】
前記表示制御選択ステップは、前記表示制御依頼をした前記携帯通信端末を介して、前記識別情報により特定される前記情報表示装置の近傍の別の情報表示装置に対する表示制御内容をさらに選択させる近傍表示制御選択ステップを備え、
前記表示制御ステップは、前記別の情報表示装置に対する表示制御内容がある場合には、当該別の情報表示装置に対して当該表示制御内容に応じた表示制御指示をする近傍表示制御ステップを備える請求項5記載の情報表示システムの制御方法。
【請求項7】
前記携帯通信端末から前記中央制御装置に前記表示制御依頼がされたとき、当該携帯通信端末および当該携帯通信端末を使用している規制担当者を認証する認証ステップを備える請求項5又は6記載の情報表示システムの制御方法。
【請求項8】
前記携帯通信端末からの前記表示制御依頼により前記情報表示装置に表示制御指示をした後、その制御結果の情報を前記中央制御装置から当該携帯通信端末に送信する制御結果送信ステップと、
前記制御結果の情報を前記携帯通信端末により受信する制御結果受信ステップと、をさらに備える請求項5乃至7のいずれか一項に記載の情報表示システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報表示システムおよびその制御方法に関する。さらに詳しくは、情報表示装置に表示する交通情報を、通常の交通管制センターからの制御のみならず、道路上で工事などの交通規制作業を行う作業者や高速道路の安全走行の確保を業務とする交通管理隊の隊員などからも容易に制御可能な情報表示システムおよびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、交通情報を表示する情報表示装置は、通常、交通管制センターから制御される。すなわち、管制センターの操作卓で表示項目の入力操作を行うことにより各情報表示装置が制御される。したがって、交通規制作業を行う作業者が工事場所の移動に応じて表示項目を変更したい場合や、交通管理隊の隊員が道路上の障害物や故障車等を発見した場合等であっても、上記作業者や隊員など(以下、規制担当者と呼ぶ。)から管制センターにその旨を連絡し、管制センターから各情報表示装置を制御する必要があった。また、これら突発事象や規制が解消された際には、各規制担当者が再び交通管制センターへ連絡し、表示項目の変更を依頼する必要があった。
【0003】
一方、情報表示装置には、現場での表示制御を可能とするため、個々に操作部が設けてある。しかしながら、操作部は情報表示装置の内部に収納してあり、操作部を操作するためには扉の鍵を持ち合わせている必要があった。また、各情報表示装置を制御するためには、各情報表示装置まで移動してそれぞれの操作部を操作する必要があった。さらに、各情報表示装置の操作部による表示制御は管制センターからの制御よりも優先されるので、その間は交通管制センターからの運用が不能となるといった問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の問題を解決せんとするもので、情報表示装置に表示する交通情報の表示を、通常の交通管制センターからの制御のみならず、道路上の規制担当者からも容易に制御可能な情報表示システムおよびその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下の通りである。
1.個別に識別情報が与えられた複数の情報表示装置と、
各前記情報表示装置に交通情報の表示制御指示を送信する中央制御装置と、
前記情報表示装置が設置された道路上の規制担当者によって操作され、前記中央制御装置に対して前記情報表示装置への表示制御依頼を行うための携帯通信端末と、を備える情報表示システムであって、
各前記情報表示装置には、前記中央制御装置に通信網を介して接続するための接続情報および前記識別情報を含む2次元コードが表示されており、
前記携帯通信端末は前記2次元コードを読み取り、当該2次元コードに含まれる前記識別情報を含む表示制御依頼を前記接続情報に基づいて前記中央制御装置に送信し、
前記中央制御装置は前記携帯通信端末を介して前記識別情報により特定される前記情報表示装置の設置位置を基準として近傍の前記情報表示装置に対する表示制御内容を選択させ、当該情報表示装置に対して、当該表示制御内容に応じた表示制御指示を送信することを特徴とする情報表示システム。
.上記1.において、前記中央制御装置は、前記携帯通信端末を介して、前記識別情報により特定される前記情報表示装置の近傍の別の情報表示装置に対する表示制御内容をさらに選択させ、当該別の情報表示装置に対する表示制御内容がある場合には、当該別の情報表示装置に対して当該表示制御内容に応じた表示制御指示をする近傍表示制御手段を備えることを特徴とする。
3.上記1.または2.において、前記中央制御装置は、前記携帯通信端末から前記表示制御依頼を受信したとき、当該携帯通信端末および当該携帯通信端末を使用している規制担当者を認証する認証手段を備えることを特徴とする。
4.上記1.乃至3.のいずれかにおいて、前記中央制御装置は、前記携帯通信端末からの前記表示制御依頼により前記情報表示装置に表示制御指示をした後、その制御結果の情報を当該携帯通信端末に送信する制御結果送信手段を備え、
前記携帯通信端末は、前記制御結果を受信する制御結果受信手段を備えることを特徴とする。
5.個別に識別情報が与えられた複数の情報表示装置と、
各前記情報表示装置に交通情報の表示制御指示を送信する中央制御装置と、
前記情報表示装置が設置された道路上の規制担当者によって操作され、前記中央制御装置に対して前記情報表示装置への表示制御依頼を行うための携帯通信端末と、を使用した交通情報表示システムの制御方法であって、
各前記情報表示装置には、前記中央制御装置に通信網を介して接続するための接続情報および前記識別情報を含む2次元コードが表示されており、
前記携帯通信端末により前記2次元コードを読み取り、当該2次元コードに含まれる前記識別情報を含む表示制御依頼を前記接続情報に基づいて前記中央制御装置に送信する送信ステップと、
前記表示制御依頼をした前記携帯通信端末を介して、前記識別情報により特定される前記情報表示装置の設置位置を基準として近傍の前記情報表示装置に対する表示制御内容を選択させる表示制御選択ステップと、
前記中央制御装置から前記選択された情報表示装置に対して前記表示制御内容に応じた表示制御指示を送信する表示制御ステップと、を備えることを特徴とする情報表示システムの制御方法。
.上記5.において、前記表示制御選択ステップは、前記表示制御依頼をした前記携帯通信端末を介して、前記識別情報により特定される前記情報表示装置の近傍の別の情報表示装置に対する表示制御内容をさらに選択させる近傍表示制御選択ステップを備え、
前記表示制御ステップは、前記別の情報表示装置に対する表示制御内容がある場合には、当該別の情報表示装置に対して当該表示制御内容に応じた表示制御指示をする近傍表示制御ステップを備えることを特徴とする。
7.上記5.または6.において、前記携帯通信端末から前記中央制御装置に前記表示制御依頼がされたとき、当該携帯通信端末および当該携帯通信端末を使用している規制担当者を認証する認証ステップを備えることを特徴とする。
8.上記5.乃至7.のいずれかにおいて、前記携帯通信端末からの前記表示制御依頼により前記情報表示装置に表示制御指示をした後、その制御結果の情報を前記中央制御装置から当該携帯通信端末に送信する制御結果送信ステップと、
前記制御結果の情報を前記携帯通信端末により受信する制御結果受信ステップと、をさらに備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の情報表示システムによると、個別に識別情報が与えられた複数の情報表示装置と、各前記情報表示装置に交通情報の表示制御指示を送信する中央制御装置と、前記情報表示装置が設置された道路上の規制担当者によって操作され、前記中央制御装置に対して前記情報表示装置への表示制御依頼を行うための携帯通信端末と、を備える情報表示システムであって、各前記情報表示装置には、前記中央制御装置に通信網を介して接続するための接続情報および前記識別情報を含む2次元コードが表示されており、前記携帯通信端末は前記2次元コードを読み取り、当該2次元コードに含まれる前記識別情報を含む表示制御依頼を前記接続情報に基づいて前記中央制御装置に送信し、
前記中央制御装置は前記携帯通信端末を介して前記識別情報により特定される前記情報表示装置の設置位置を基準として近傍の前記情報表示装置に対する表示制御内容を選択させ、当該情報表示装置に対して、当該表示制御内容に応じた表示制御指示を送信することを特徴としている。このような構成により、情報表示装置に表示する交通情報の表示を、通常の交通管制センターからの制御のみならず、道路上の規制担当者からも容易に制御することができる。また、2次元コードは情報表示装置に表示されており、この2次元コードには中央制御装置に通信網を介して接続するための接続情報が含まれているので、作業者は、道路上の情報表示装置から2次元コードを携帯通信端末で読み取る、という簡易な手法で中央制御装置に接続して表示制御内容の選択を実行することができる。さらに、2次元コードには制御対象となる情報表示装置の識別情報が含まれている。すなわち、2次元コードは個々の情報表示装置に一意であるので、どの情報表示装置を制御するかという情報を入力操作において入力する場合と比較して、識別情報の入力操作自体を省略することができる。また、誤入力してしまうことがないので、制御対象とは異なる情報表示装置を誤って制御してしまうことを防止できる。
【0007】
また、前記中央制御装置が、前記携帯通信端末から前記表示制御依頼を受信したとき、当該携帯通信端末および当該携帯通信端末を使用している規制担当者を認証する認証手段を備える場合は、特定の携帯通信端末および規制担当者のみが中央制御装置にアクセス可能とすることができる。その結果、第三者が2次元コードを読み取り、勝手に表示制御を行うことを防止することができる。
【0008】
前記中央制御装置が、前記携帯通信端末を介して、前記識別情報により特定される前記情報表示装置の近傍の別の情報表示装置に対する表示制御内容をさらに選択させ、当該別の情報表示装置に対する表示制御内容がある場合には、当該別の情報表示装置に対して当該表示制御内容に応じた表示制御指示をする近傍表示制御手段を備える場合は、個々の情報表示装置について同様の表示制御内容の選択を実行することなく、複数の情報表示装置に対しての表示制御を実現できる。
【0009】
また、前記中央制御装置が、前記携帯通信端末からの前記表示制御依頼により前記情報表示装置に表示制御指示をした後、その制御結果の情報を当該携帯通信端末に送信する制御結果送信手段を備え、前記携帯通信端末が、前記制御結果を受信する制御結果受信手段を備える場合は、所望の表示制御が実行されたか否かを容易に確認することができる。
【0010】
本発明の情報表示システムの制御方法によると、上記の情報表示システムの効果を発揮させるに好適な制御方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態にかかる情報表示システムの概略構成図である。
図2】情報表示装置の配設例を模式的に示す説明図である。
図3】本実施形態にかかる情報表示装置の正面図である。
図4】2次元コードに含まれる情報の例を説明するための説明図である。
図5】本実施形態にかかる遠隔制御部のブロック図である。
図6】本実施形態にかかる情報制御システムの制御処理のフローチャートを示す図である。
図7】本実施形態にかかる基板外観検査処理のフローチャートを示す図である。
図8】ウェブ画面の例を説明するための説明図である。
図9】ウェブ画面の例を説明するための説明図である。
図10】ウェブ画面の例を説明するための説明図である。
図11】ウェブ画面の例を説明するための説明図である。
図12】ウェブ画面の例を説明するための説明図である。
図13】ウェブ画面の例を説明するための説明図である。
図14】ウェブ画面の例を説明するための説明図である。
図15】送信された制御結果の例を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)情報表示システムの構成:
(2)情報表示システムの制御処理:
(3)他の実施形態:
【0013】
(1)情報表示システムの構成:
図1は、本実施形態にかかる情報表示システムの概略構成を示している。同図において、情報表示システム1は、情報表示装置10と、中央制御装置20と、携帯通信端末30と、を備えている。中央制御装置20と携帯通信端末30とは通信網2を介して接続可能である。なお、この通信網2の形態は特に限定されず、例えば、インターネットや携帯電話キャリアの通信網等の公衆通信網、専用通信網等を挙げることができる。公衆通信網である場合には、外部との通信を制御し、内部のネットワークの安全を維持するためのファイアウォールを設けることが好ましい。本実施形態において、通信網2はインターネットとしている。
【0014】
情報表示装置10は、中央制御装置20からの表示制御指示を受信して、表示制御指示に応じた交通情報をLED等の発光素子により表示する。また、各情報表示装置10にはそれぞれ識別情報が与えられている。この識別情報は、中央制御装置20により管理されている。また、各情報表示装置10と中央制御装置20とは通信回線を介して接続されている。この通信回線としては、例えば、電気通信事業者が提供する専用回線や高速道路に沿って敷設された私設回線等が挙げられるが特に限定されるものではない。また、異なる通信回線を組み合わせたものであってもよい。
【0015】
本実施形態において、情報表示装置10は、交通情報として工事規制等の情報を表示する工事規制標識情報板としている。工事規制標識情報板は、図2に示すように、高速道路の上り、下りの各方向の車線に沿って、その路肩側および中央分離帯側に対になるように配置されるものである。図2において、情報表示装置10は、上り方向の車線の路肩側の10a、上り方向の車線の中央分離帯側の10b、下り方向の車線の中央分離帯側の10cおよび下り方向の車線の路肩側の10dのように、それぞれ複数配置されている。なお、情報表示装置10としてはこの工事規制標識情報板に限られず、料金所入口ブースや、高速道路本線上、インターチェンジ流出部手前および高速道路入路手前などに設置され道路状況や気象情報を表示する情報板、渋滞情報や事故情報を表示する図形情報板等、交通情報を表示する限りいかなる情報表示装置であってもよい。また、本情報表示システムは、本実施形態のように情報表示装置が高速道路に設置されている場合に限られず、国道、県道などの一般道路に情報表示装置が設置されていてもよい。
【0016】
また、各情報表示装置10には、中央制御装置20に通信網を介して接続するための接続情報および各情報表示装置10の識別情報を含む2次元コードが表示されている。本実施形態において、各情報表示装置10には、図3に示すように、2次元コード表示部11が設けられており、各2次元コード40は、各情報表示装置10の2次元コード表示部11に表示されている。2次元コード表示部11が設けられる位置としては、図3に示す位置に限られず、携帯通信端末30により容易に読み取り可能な位置であればよい。2次元コード40を2次元コード表示部11に表示する方法としては特に限定されないが、例えば、2次元コード40を情報表示装置10に直接表示したり、他の媒体に表示したものを情報表示装置10に付するようにしたりする方法などが挙げられる。
【0017】
なお、2次元コードには種々の方式があるが特に限定されるものではない。本実施形態にかかる2次元コード40は、図4に示すように、QRコードとしている。このQRコードは、容易に入手可能であるとともに広く普及している携帯電話端末の主要な機種により簡単に読み取ることができるものである。
【0018】
中央制御装置20は、各情報表示装置10に交通情報の表示制御指示を送信するものである。この中央制御装置20は、通常、交通管制センターに設置されている。中央制御装置20は、携帯通信端末30を介して表示制御内容を選択させ、携帯通信端末30からの表示制御依頼にある識別情報により特定される情報表示装置10に対して、当該表示制御内容に応じた表示制御指示を送信する。すなわち、中央制御装置20は、携帯通信端末30からの表示制御依頼を受信すると、この表示制御依頼に基づいて、表示制御内容を選択させるためのデータを携帯通信端末30に提供する。これにより、中央制御装置20は、携帯通信端末30を介して表示制御内容を選択させる。そして、選択させた表示制御内容に応じた表示制御指示を、識別情報により特定される情報表示装置10に送信する。
【0019】
また、中央制御装置20は、携帯通信端末30から表示制御依頼を受信したとき、携帯通信端末30および当該携帯通信端末30を操作している規制担当者を認証する端末認証手段を備えることができる。さらに、中央制御装置20は、携帯通信端末30を介して、識別情報により特定される情報表示装置10の近傍の別の情報表示装置10に対する表示制御内容をさらに選択させ、当該別の情報表示装置10に対する表示制御内容がある場合には、当該別の情報表示装置10に対して当該表示制御内容に応じた表示制御指示をする近傍表示制御手段を備えることができる。また、中央制御装置20は、携帯通信端末30からの表示制御依頼により情報表示装置10に表示制御指示をした後、その制御結果の情報を携帯通信端末30に送信する制御結果送信手段を備えることができる。
【0020】
図1に示すように、本実施形態にかかる中央制御装置20は、主制御部21と、操作卓22と、遠隔制御部23と、を備えている。
主制御部21は、操作卓22または遠隔制御部23からの表示制御依頼に応じて各情報表示装置10を制御する。
操作卓22は、キーボード、マウス等の入力手段や、ディスプレイ等の表示手段を備えており、各情報表示装置10に表示する表示内容の制御指示の入力操作を実行するためのものである。本実施形態における情報表示システム1では、情報表示装置10の表示制御内容の入力はこの操作卓22または携帯通信端末30から実行される。
【0021】
遠隔制御部23は、通信網2に接続されている。遠隔制御部23は、携帯通信端末30を介して表示制御内容を選択させるにあたり、携帯通信端末30からの表示制御依頼に基づいて、表示制御内容を選択させるためのウェブ画面を当該携帯通信端末30に提供する。また、遠隔制御部23は、携帯通信端末30を介して選択させた表示制御内容を主制御部21に送信する。これにより、表示制御内容に基づいて、主制御部21により表示制御指示データが作成され、各情報表示装置10に送信される。遠隔制御部23は、図5に示すように、データベース23aと、ウェブ画面提供部23bと、遠隔制御処理部23cと、を備えている。
【0022】
データベース23aは、データを蓄積可能な記憶媒体であり、各携帯通信端末30の個体番号(端末ID)や規制担当者毎の制御IDおよびパスワードの登録情報データ23a1、各情報表示装置10が設置されている位置情報のデータである位置情報データ23a2、情報表示装置10に表示する表示内容に関するデータである表示内容データ23a3などが予め記録されている。また、データベース23aには、携帯通信端末30および規制担当者の接続履歴や情報表示装置10の制御履歴等のデータが随時記録される。
【0023】
ウェブ画面提供部23bは、携帯通信端末30からの表示制御依頼を通信網2を介して受信するとともに、この表示制御依頼に対応するウェブ画面を携帯通信端末30に提供する。提供されたウェブ画面は携帯通信端末の表示手段により表示され、この画面上で規制担当者により表示制御内容が選択される。また、提供されるウェブ画面では、表示制御依頼に含まれる識別情報により特定される情報表示装置10の近傍の別の情報表示装置10に対しての表示制御内容をさらに選択することができる(近傍表示制御手段)。
【0024】
また、このウェブ画面提供部23bは、携帯通信端末30で選択された表示制御内容を遠隔制御処理部23cに送信する。そして、その制御結果の情報を携帯通信端末30に送信し、規制担当者に通知することができる。本実施形態では、この制御結果を電子メールで送信するようにしている。すなわち、本実施形態にかかる中央制御装置20は、制御結果送信手段として、電子メール送信手段を備えている。
さらに、ウェブ画面提供部23bは、接続しようとする携帯通信端末30の端末IDを取得し、この端末IDをデータベース23aに記録された登録情報データ23a1を参照して認証を行ったり、ログイン時に規制担当者が入力する規制担当者毎の制御IDおよびパスワードを、登録情報データ23a1を参照して認証を行ったりすることができる(認証手段)。
【0025】
遠隔制御処理部23cは、ウェブ画面提供部23bから送信される表示制御内容に応じて、データベース23aから表示内容データ23a3を抽出し、主制御部21に送信する処理を実行する。また、遠隔制御処理部23cは、携帯通信端末30を中央制御装置20に接続可能とするための、端末ID、制御ID、パスワード等の登録処理や、携帯通信端末30および規制担当者の接続履歴や情報表示装置10の制御履歴等をデータベース23aに記録する。
【0026】
なお、本実施形態においては、遠隔制御部23を中央制御装置20に組み込むようにしているが、例えば、遠隔制御部23を独立させて設けるようにしてもよい。この場合、既存の情報表示システムの中央制御装置に遠隔操作部の機能を備える遠隔操作装置を新たに設けてネットワーク接続することにより、本情報表示システムを容易に実現することができる。
【0027】
携帯通信端末30は、通信網2に接続可能であり、この通信網2を介して中央制御装置20に対して情報表示装置10への表示制御依頼を行う。この携帯通信端末30は、2次元コード40を読み取り、この2次元コード40に含まれる識別情報を含む表示制御依頼を、当該2次元コード40に含まれる接続情報に基づいて中央制御装置20に送信する。また、中央制御装置20から送信される表示制御内容を選択するためのデータを受信する。これにより、中央制御装置20は、この携帯通信端末30を介して、規制担当者に表示制御内容を選択させることができる。なお、本実施形態において、表示制御内容を選択するためのデータとは、ウェブ画面提供部23bから提供されるウェブ画面である。
また、携帯通信端末30は、中央制御装置20から送信される制御結果の情報を受信することができる。上述のように、本実施形態においては、この制御結果の情報は電子メールであり、携帯通信端末30は、制御結果受信手段としての電子メール受信手段を備えている。
【0028】
本実施形態では、携帯通信端末30として、QRコードを読み取り可能な携帯電話端末を用いている。したがって、本実施形態における携帯通信端末30は、2次元コード40としてのQRコードを撮影して読み取り、携帯電話通信回線を介して、通信網2としてのインターネットに接続する。これにより、表示制御内容を選択するためのデータを中央制御装置20から取得する。
また、上述のように、本実施形態においては、表示制御内容を選択するためのデータはウェブ画面である。携帯通信端末30は、表示制御依頼に応じたウェブ画面を中央制御装置20から受信する。受信したウェブ画面は、ディスプレイ等からなる表示手段に表示することができる。表示手段には、ウェブ画面の他に、2次元コード40に含まれる情報や中央制御装置20から送信される制御結果など、種々の情報を必要に応じて表示させることができる。
なお、携帯通信端末30は上述の携帯電話端末に限られず、例えば、スマートフォン等の携帯情報端末(PDA)、携帯型パーソナルコンピュータ等であってもよい。
【0029】
(2)情報表示システムの制御処理:
本実施形態では、上述の構成において、図6および7に示すフローチャートに従って実行される情報表示システムの制御処理を説明する。
図6において、最初に、制御対象となる情報表示装置10の2次元コード表示部11に表示されている2次元コード40を携帯通信端末30で読み取る(ステップS100)。そして、携帯通信端末30は、読み取った接続情報に基づいて、情報表示装置10の識別情報を含む表示制御依頼を中央制御装置20に送信する(ステップS110)。これらステップS100およびステップS110を本発明にかかる送信ステップとして例示する。本実施形態では、携帯通信端末30により2次元コード40を読み込むと、図4に示すように、接続情報としてのウェブ画面のURLがディスプレイに表示される。読み取ったウェブ画面のURLには、制御対象となる情報表示装置10の識別情報も含まれている。例えば、図2に示す上り車線の路肩側に設置された情報表示装置10anに表示されている2次元コード40を読み取った場合、この2次元コード40には、中央制御装置20に接続するための接続情報と、情報表示装置10anの識別情報と、が含まれている。
【0030】
次に、中央制御装置20は、接続した携帯通信端末30と、この携帯通信端末30を使用している規制担当者と、を認証する(ステップS120)。このステップS120を本発明にかかる認証ステップとして例示する。携帯通信端末30の認証の方法としては、例えば、まず、中央制御装置20が表示制御依頼を受信したときに、接続した携帯通信端末30の端末IDを取得し、この端末IDが予め登録された端末IDであるか否かを判断するようにすることができる。この場合、例えば、予め登録された端末IDでなかった場合には接続拒否を示すウェブ画面を携帯通信端末30に提供し、予め登録された端末IDであった場合には、以降の入力操作を行うためのウェブ画面を携帯通信端末30に提供するようにできる。
【0031】
また、規制担当者の認証方法としては、例えば、予め各規制担当者毎の制御ID、パスワード等を登録しておき、これらを入力するためのウェブ画面(例えば、図8参照)を携帯通信端末30に提供するようにできる。この場合、規制担当者は、制御IDとパスワードとをこのウェブ画面上で入力する。入力された制御IDおよびパスワードが登録されたものであると確認されることにより、規制担当者が認証されたものとすることができる。
上述のように、本実施形態においては、端末ID、制御IDおよびパスワードは予めデータベース23aの登録情報データ23a1として登録されている。そして、中央制御装置20は、この登録情報データ23a1を参照して、端末ID、制御IDおよびパスワードの認証を行う。
【0032】
携帯通信端末30および規制担当者を認証すると、中央制御装置20は、携帯通信端末30を介して表示制御内容を選択させる(ステップS130)。このステップS130を本発明にかかる表示制御選択ステップとして例示する。本実施形態では、表示制御内容を選択させるためのウェブ画面を携帯通信端末30に提供する。そして、このウェブ画面により、規制担当者に表示制御内容を選択させる。本実施形態においては、図7に示すフローチャートに従って表示制御内容の選択について説明する。なお、選択される表示制御内容は、情報表示装置10の種類や設置位置、作業内容等によって異なるが、本実施形態においては、上述のように、図2に示す情報表示装置10としての工事規制標識情報板に工事規制標識を表示する場合の表示制御内容の選択を例として説明する。
【0033】
情報表示装置10が工事規制標識情報板である場合、最初に、規制する車線を選択する(ステップS200)。すなわち、中央制御装置20は、工事規制制御を行う車線を選択させるためのウェブ画面を携帯通信端末30に提供し、規制担当者に車線の選択を実行させる。図2に示すような片側2車線道路の上り車線の路肩側の車線を規制する場合、例えば、図9に例示するウェブ画面において、選択肢として、「路肩車線」、「追越車線」および「路肩+追越」が提示されるので、作業者は携帯通信端末30の入力手段により「路肩車線」を選択すればよい。これにより、図2に示す路肩側の情報表示装置10a(n−2)〜10a(n+2)の表示制御を行うことができる。なお、追越車線側の情報表示装置10b(n−2)〜10b(n+2)の表示制御を行う場合であってもそれらに対応する2次元コード40を読み込む必要はなく、路肩側の情報表示装置10a(n−2)〜10a(n+2)に対応する2次元コード40を読み込めばよい。これにより、中央分離帯側での2次元コードの読み取り作業を行う場合と比較して、より安全に2次元コードの読み取り作業を行うことができる。
【0034】
ステップS200にて車線を選択すると、次に、制御対象とする情報表示装置を選択する(ステップS210)。すなわち、中央制御装置20は、制御する情報表示装置10を選択させるウェブ画面を携帯通信端末30に提供し、規制担当者は、ウェブ画面上で制御する情報表示装置10を選択する。例えば、図10に例示するウェブ画面において、選択肢「現在地点」は、読み込んだ2次元コード40に対応する情報表示装置10anを表しており、また、各選択肢「1km先 工事標識」、「300m先 工事標識」、「300m手前 工事標識」および「1km手前 工事標識」が、それぞれ情報表示装置10a(n+2)、10a(n+1)、10a(n−1)および10a(n−2)を表しているとすると、制御する情報表示装置10として、情報表示装置10a(n+2)、10an、10a(n−1)および10a(n−2)が選択されていることになる。このように、本実施形態においては、制御対象である2次元コードを読み込んだ情報表示装置とは別の情報表示装置の表示制御を実行するか否かを選択することができる(近傍表示制御選択ステップ)。
【0035】
また、このとき提供されるウェブ画面において、図10に示すウェブ画面上の「300m先」、「1km手前」等の距離は、「現在地点」となる情報表示装置10から、その近傍の各情報表示装置10までの距離である。この距離は、2次元コード40に含まれる識別情報と位置情報データ23a2とに基づいて算出される。すなわち、情報表示装置10から読み込んだ2次元コード40には識別情報が含まれており、遠隔制御部23は、この識別情報により表示制御の基準であるとともに距離算出の起点となる「現在地点」の情報表示装置10を特定する。そして、データベース23aの位置情報データ23aを参照し、この情報表示装置10の位置を起点として、近傍の各情報表示装置10までの距離を算出する。このようにして、起点となる情報表示装置10から、その近傍の各情報表示装置10までの距離が算出され、ウェブ画面上に反映される。
【0036】
なお、近傍表示制御の選択については、例えば、事故渋滞により距離算出の起点となる情報表示装置10まで規制担当者がたどり着けない場合が想定されるため、「現在地点」を変更する選択機能を図10に示すウェブ画面に追加してもよい。また、「現在地点」を変更する方法については、この他に、2次元コード40を読み込んだ情報表示装置10を現在地点として、この位置から事故発生場所までの概算の距離をウェブ画面において入力させるようにし、当該距離離れた位置を起点として図10のウェブ画面に表示する距離を算出するようにしてもよい。これにより、例えば、規制担当者の居る地点の情報表示装置10の2次元コード40を読み込むことにより、各情報表示装置10から事故発生場所までの正確な距離表示を実行することができる。
【0037】
次に、項目の分類を選択する(ステップS220)。さらに、選択した項目分類の中から、実際に情報表示装置10に表示する表示項目を選択する(ステップS230)。すなわち、中央制御装置20は、ステップS210において選択された情報表示装置10a(n−2)、10a(n−1)、10anおよび10a(n+2)に表示する項目の分類を選択させるためのウェブ画面を携帯通信端末30に提供し、作業者に項目の分類を選択させる。例えば、図11に例示するウェブ画面において、選択肢「工事規制項目」は、道路工事の際の項目であり、「落下物回収項目」は、道路上の落下物を回収する際の項目である。規制担当者は、作業の項目に応じてこれら項目分類を選択する。また、これらの項目分類には、図12に示すように、それぞれ規制標識、右に寄れ等の規制状況に応じて、実際に情報表示装置10に表示される複数の表示項目が予め設定されており、規制担当者は、それらの中から所望の表示項目を選択する。
【0038】
このようにして、携帯通信端末30を介して規制担当者に表示制御内容を選択させる。なお、表示制御内容を選択する順番は、上述のステップS200〜S230の順番に限られず、適宜変更されてもよい。また、ステップS200〜S230で例示した表示制御内容の選択は一例であり、情報表示装置10の種類や設置位置、作業内容等によって異なるものである。
【0039】
図6のフローチャートに戻り、ステップS130において表示制御内容を選択すると、ステップS140では、この表示制御内容を中央制御装置20へ送信する。なお、誤制御防止の観点から、この表示制御内容の送信時には、図13に示すように、ステップS130において選択した内容を携帯通信端末30の表示手段に表示し、規制担当者に確認させた上で送信することが好ましい。また、このとき、例えば、この表示制御内容を中央制御装置20が受付けたことを規制担当者に通知するようにしてもよい。この場合、図14に示すようなウェブ画面を、中央制御装置20から携帯通信端末30に提供するようにしてもよいし、携帯通信端末30に電子メールにて通知するようにしてもよい。
【0040】
ステップS150では、中央制御装置20から、表示制御依頼にある識別情報により特定される情報表示装置10に対して、受信した表示制御内容に応じた表示制御指示を送信する。このステップS150を本発明にかかる表示制御ステップとして例示する。これにより、情報表示装置10に、選択した表示制御内容の交通情報が表示される。なお、このとき、制御対象となる情報表示装置10の近傍の別の情報表示装置10に対して表示制御をする選択がステップS130においてされている場合には、中央制御装置20は、その表示制御内容に応じた別の情報表示装置10に対する表示制御指示も行う(近傍表示制御ステップ)。
【0041】
具体的には、このステップS150において、中央制御装置20は、遠隔操作部23において受信した表示制御内容を主制御部21に送信し、主制御部21から情報表示装置10へ表示制御内容に応じた表示制御指示を送信する。また、このステップS150において、遠隔操作部23では、ウェブ画面提供部23bにおいて受信した表示制御内容が遠隔制御処理部23cに送信される。この受信した表示制御内容に基づいて、遠隔制御処理部23cはデータベース23aの表示内容データ23a3を参照して表示内容を示すデータを抽出し、このデータを主制御部21に送信する。
【0042】
最後に、中央制御装置20は、情報表示装置10に対して行った表示制御指示による制御結果を携帯通信端末30に送信する(ステップS160)。すなわち、表示制御が正しく行われたか否かを作業者が確認できるように、表示制御内容を選択した携帯通信端末30に宛てて制御結果を通知する。このステップS160を本発明にかかる制御結果送信ステップとして例示する。本実施形態において、この制御結果の送信は、図15に示すように、携帯通信端末30に対する電子メールの送信である。なお、図15に示すように、制御結果を知らせる電子メールに表示制御を解除するための情報が含まれるようにしてもよい。
【0043】
なお、本実施形態において、携帯通信端末30から遠隔制御部23を介して行う表示制御は、操作卓22による表示制御よりも優先して実行されるようにしている。また、上述のように、遠隔制御部23による表示制御および操作卓22による表示制御のいずれも、主制御部21を介しての表示制御となる。これにより、すべての表示制御を主制御部21により監視することができるので、状況に応じて、優先実行されている遠隔制御部23による表示制御を操作卓22による表示制御に切り替えることも可能としている。
【0044】
以上のように、本実施形態の情報表示システム1によれば、個別に識別情報が与えられた複数の情報表示装置10と、各情報表示装置10に交通情報の表示制御指示を送信する中央制御装置20と、中央制御装置20に対して情報表示装置10への表示制御依頼を行うための携帯通信端末30と、を備える情報表示システム1であって、各情報表示装置10には、中央制御装置20に通信網2を介して接続するための接続情報および識別情報を含む2次元コード40が表示されており、携帯通信端末30は2次元コード40を読み取り、当該2次元コード40に含まれる識別情報を含む表示制御依頼を接続情報に基づいて中央制御装置20に送信し、中央制御装置20は携帯通信端末30を介して表示制御内容を選択させ、表示制御依頼にある識別情報により特定される情報表示装置10に対して、当該表示制御内容に応じた表示制御指示を送信することを特徴としている。このような構成により、情報表示装置10に表示する交通情報の表示を、通常の交通管制センターからの制御のみならず、道路上の規制担当者からも容易に制御することができる。
【0045】
また、2次元コード40は情報表示装置10に表示されており、この2次元コード40には中央制御装置20に通信網2を介して接続するための接続情報が含まれているので、規制担当者は、道路上の情報表示装置10から2次元コードを携帯通信端末30で読み取る、という簡易な手法で中央制御装置20に接続して表示制御内容の選択を実行することができる。さらに、2次元コード40には制御対象となる情報表示装置の識別情報が含まれている。すなわち、2次元コード40は個々の情報表示装置10に一意であるので、どの情報表示装置10を制御するかという情報を入力操作において入力する場合と比較して、識別情報の入力操作自体を省略することができる。また、どの情報表示装置10を制御するかという情報を誤入力してしまうことがないので、制御対象とは異なる情報表示装置10を誤って制御してしまうことを防止できる。
【0046】
(3)他の実施形態:
上記実施形態において、各情報表示装置10には、中央制御装置20に接続するための接続情報と、各情報表示装置10に固有の識別情報を含む2次元コードを表示するようにしたが、これに限定されず、例えば、接続情報および識別情報に加えて、表示制御内容に関する情報を含む別の2次元コードをさらに表示するようにしてもよい。すなわち、上述のステップS200〜S230で例示したような表示制御内容に関する情報を含む2次元コードを生成し、これを情報表示装置10に表示するようにしてもよい。これにより、表示制御内容を選択する作業を省略することができ、より簡易に表示制御を実行することができる。
【符号の説明】
【0047】
1;情報表示システム、2;通信網、10;情報表示装置、11;2次元コード表示部、20;中央制御装置、21;主制御部、22;操作卓、23;遠隔制御部、23;遠隔操作部、23a;データベース、23b;ウェブ画面提供部、23c;遠隔制御処理部、30;携帯通信端末、40;2次元コード。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15