(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1の情報システムに送信された要求データを第2の情報システムに送信して、要求データに対する前記第2の情報システムの処理結果と前記第1の情報システムの処理結果とを照合して前記第2の情報システムの処理を検証する情報システム検証装置であって、
前記第1の情報システムに送信された、セッションの開始を要求するセッション開始要求データ及びセッションの終了を要求するセッション終了要求データを含む複数種の要求データの送信履歴が示される送信履歴情報を記憶する情報記憶部と、
前記送信履歴情報に示される送信履歴に基づき、少なくとも2つのセッションが少なくとも一部の時間において並行して進行するように、セッション開始要求データ及びセッション終了要求データを含む複数種の要求データの前記第2の情報システムへの送信スケジュールを決定する送信スケジュール決定部と、
複数種の要求データを前記第2の情報システムに送信する2つ以上のデータ送信制御部と、
前記送信スケジュール決定部により決定された送信スケジュールを解析して、単位時間当たりの前記第2の情報システムへの送信データ量を算出し、算出した単位時間当たりの送信データ量に基づき、2つ以上のデータ送信制御部のうち前記第2の情報システムへ要求データを送信するのに用いられるデータ送信制御部を選択し、選択したデータ送信制御部ごとの要求データの送信スケジュールを決定する送信スケジュール調整部とを有し、
各データ送信制御部は、
前記送信スケジュール調整部により選択された場合に、前記送信スケジュール調整部により決定された送信スケジュールに従って複数種の要求データを前記第2の情報システムに送信することを特徴とする情報システム検証装置。
コンピュータが、第1の情報システムに送信された要求データを第2の情報システムに送信して、要求データに対する前記第2の情報システムの処理結果と前記第1の情報システムの処理結果とを照合して前記第2の情報システムの処理を検証する情報システム検証方法であって、
前記コンピュータは、複数種の要求データを前記第2の情報システムに送信する2つ以上のデータ送信制御部を有しており、
前記情報システム検証方法は、
前記第1の情報システムに送信された、セッションの開始を要求するセッション開始要求データ及びセッションの終了を要求するセッション終了要求データを含む複数種の要求データの送信履歴が示される送信履歴情報を、前記コンピュータが所定の記憶領域から読み出す情報読み出しステップと、
前記コンピュータが、前記送信履歴情報に示される送信履歴に基づき、少なくとも2つのセッションが少なくとも一部の時間において並行して進行するように、セッション開始要求データ及びセッション終了要求データを含む複数種の要求データの前記第2の情報システムへの送信スケジュールを決定する送信スケジュール決定ステップと、
前記コンピュータが、前記送信スケジュール決定ステップにより決定された送信スケジュールを解析して、単位時間当たりの前記第2の情報システムへの送信データ量を算出し、算出した単位時間当たりの送信データ量に基づき、2つ以上のデータ送信制御部のうち前記第2の情報システムへ要求データを送信するのに用いられるデータ送信制御部を選択し、選択したデータ送信制御部ごとの要求データの送信スケジュールを決定する送信スケジュール調整ステップと、
前記コンピュータが、前記送信スケジュール調整ステップにより選択されたデータ送信制御部に、前記送信スケジュール調整ステップにより決定された送信スケジュールに従って複数種の要求データを前記第2の情報システムに送信させる送信ステップとを有することを特徴とする情報システム検証方法。
第1の情報システムに送信された要求データを第2の情報システムに送信して、要求データに対する前記第2の情報システムの処理結果と前記第1の情報システムの処理結果とを照合して前記第2の情報システムの処理を検証する、複数種の要求データを前記第2の情報システムに送信する2つ以上のデータ送信制御部を有するコンピュータに、
前記第1の情報システムに送信された、セッションの開始を要求するセッション開始要求データ及びセッションの終了を要求するセッション終了要求データを含む複数種の要求データの送信履歴が示される送信履歴情報を、所定の記憶領域から読み出す情報読み出しステップと、
前記送信履歴情報に示される送信履歴に基づき、少なくとも2つのセッションが少なくとも一部の時間において並行して進行するように、セッション開始要求データ及びセッション終了要求データを含む複数種の要求データの前記第2の情報システムへの送信スケジュールを決定する送信スケジュール決定ステップと、
前記送信スケジュール決定ステップにより決定された送信スケジュールを解析して、単位時間当たりの前記第2の情報システムへの送信データ量を算出し、算出した単位時間当たりの送信データ量に基づき、2つ以上のデータ送信制御部のうち前記第2の情報システムへ要求データを送信するのに用いられるデータ送信制御部を選択し、選択したデータ送信制御部ごとの要求データの送信スケジュールを決定する送信スケジュール調整ステップと、
前記送信スケジュール調整ステップにより選択されたデータ送信制御部に、前記送信スケジュール調整ステップにより決定された送信スケジュールに従って複数種の要求データを前記第2の情報システムに送信させる送信ステップとを実行させることを特徴とするプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
本実施の形態では、従来技術の課題を解決するために、取得したデータを基にして同時接続ユーザ数を増やした高負荷試験を行う構成を説明する。
【0010】
図1は、本実施の形態に係る情報システム検証装置1の構成例を示す。
本実施の形態に係る情報システム検証装置1は、データ生成部4とデータ再生部5から構成される。
【0011】
データ生成部4は、参照ネットワーク2からデータをキャプチャするとともに、キャプチャしたデータから負荷試験のデータを生成する。
データ生成部4において、データキャプチャ部6は、参照ネットワーク2からデータを取得し、取得したデータを記録データ保存部11に記録データとして保存する。
セッション検索部7は、記録データからユーザのデータを検索する。
多重度制御部8は、ユーザのデータの重なり度合い(多重度)を制御する。
送信時刻算出部9は、ユーザの多重度に従い、データの送信時刻を算出し、順序変更部10は、算出した送信時刻に従い、データの並び替えを行い、並び替え後のデータを変換データとして変換データ保存部12に格納する。
【0012】
データ再生部5は、データ生成部4にて生成された変換データ(負荷試験データ)を検査対象ネットワーク3に送信し、受信したデータを比較することで、検査対象ネットワーク3に含まれている検査対象サーバ装置の動作を検証する。
データ再生部5において、データ取得部13は、変換データ保存部12から変換データを取得する。
データ送信間隔制御部14は、取得した変換データの送信時刻からデータ送信時刻と間隔を制御する。
データ送受信部15は、検査対象ネットワーク3との間でデータを送受信する。
受信データ比較部16は、変換データの回答と検査対象ネットワーク3から受信した回答を比較することで、検査対象サーバ装置の動作が正しいか否かを検証する。
再生管理部17は、データ取得状況や受信データの比較状況を監視し、データ再生部5を制御する。
【0013】
図2は、情報システム検証装置1を用いたシステム構成図である。
図2において、参照ネットワーク2には、スイッチ23(以下、SW23とも表記する)を介して、参照サーバ装置21と複数の端末装置25が接続されている。
情報システム検証装置1は、SW23に接続されている。
SW23は、参照ネットワーク2で送受信されるデータのコピーを情報システム検証装置1に送信するよう設定されている。
参照サーバ装置21は、端末装置25からのリクエストデータ(以下、単にリクエストともいう)に対して適正なデータ処理を実施することが確認されている。
参照サーバ装置21は、第1の情報システムに対応する。
検査対象ネットワーク3には、検査対象である検査対象サーバ装置22がスイッチ24(以下、SW24とも表記する)を介して接続されている。
検査対象サーバ装置22は、第2の情報システムに対応する。
【0014】
本実施の形態では、情報システム検証装置1は、参照ネットワーク2で送受信されているデータから負荷試験データを生成し、生成した負荷試験データを使用して検査対象ネットワーク3の検査対象サーバ装置22の動作を検証する。
つまり、本実施の形態に係る情報システム検証装置1は、参照サーバ装置21に送信された要求データを検査対象サーバ装置22に送信して、要求データに対する検査対象サーバ装置22の処理結果と参照サーバ装置21の処理結果とを照合して検査対象サーバ装置22の処理を検証する。
【0015】
図3は、本実施の形態に係るシーケンス図であり、複数のユーザにより端末装置とサーバ装置間で操作が行われた場合の通信の例を示す。
ユーザの操作はセッションとして識別され、
図3では、複数のセッション1から4(30から33)があり、矢印の長さが通信時間を示し、セッションには通信開始時刻34と通信終了時刻35がある。
なお、セッションとは、端末装置とサーバ装置間の複数のデータ処理等を対応付けて管理する単位であり、例えば、端末装置がサーバ装置に接続/ログインしてから、切断/ログオフするまでの一連の操作、データ処理、通信をまとめて1セッションという。
本実施の形態では、接続データ(後述の
図4においてデータ本体:接続としているデータ)が端末装置25から送信された時刻を通信開始時刻34とし、切断結果データ(
図4では、データ本体:切断結果としているデータ)が参照サーバ装置から送信された時刻を通信終了時刻35としている。
【0016】
図4は、キャプチャした記録データの例である。
図4の例では、端末装置25(端末1及び端末2)と参照サーバ装置21との間で送受信された複数のデータの履歴が時系列に示されている。
このように、記録データ保存部11には、端末装置25がセッションの開始を要求するデータ(セッション開始要求データの例)(
図4では、データ本体:接続としているデータ)、端末装置25がセッションの終了を要求するデータ(セッション終了要求データの例)(
図4では、データ本体:切断としているデータ)を含む複数種のリクエストデータ(要求データ)の送信履歴と、各リクエストデータに対する参照サーバ装置21のレスポンスデータの送信履歴が示される情報が保存されている。
なお、記録データ保存部11に保存されている
図4のデータは送信歴情報の例であり、記録データ保存部11は情報記憶部に対応する。
【0017】
図5は、
図3のシーケンスにおけるセッションの解析データである。
セッション1は、
図4に示す端末1と参照サーバ装置21との間のセッションであり、
図4に示すNo.1〜6のデータがセッション1で送受信されたデータである。
セッション2は、
図4に示す端末2と参照サーバ装置21との間のセッションであり、
図4に示すNo.7〜12のデータがセッション2で送受信されたデータである。
セッション3、セッション4については、
図4に相当するデータは示していないが、セッション3、セッション4についても、
図4に相当するデータから、
図5に示すような情報を生成することができる。
このように、参照サーバ装置21と端末装置25との間では、各セッションは並行していないが、後述するように、検査対象サーバ装置22との間では、少なくとも2つのセッションが少なくとも一部の時間において並行して進行することになる。
ここで、「少なくとも2つのセッションが少なくとも一部の時間において並行して進行する」とは、セッション継続中の少なくとも一部の時間において2つ以上のセッションが並存していることを意味しており、並存している2つ以上のセッションでの進行度合いは異なっていてもよい。つまり、2つ以上のセッションが同じタイミングで進行する必要はない。
なお、
図5に示すセッションごとの解析データは、セッション検索部7により生成される。
【0018】
図6は、
図3のシーケンスを多重度50%にて間隔を調整したシーケンス図である。
図7は、多重度を変更した後の記録データである変換データの例である。
多重度は、例えば、情報システム検証装置1の利用者(試験実施者)の指示に従って、多重度制御部8が指定する。
多重度制御部8は、多重度を指定することで、セッションが並行して進行する時間(オーバーラップ時間)を指定している。
図6に示す例では、セッション1のセッション時間(通信開始時刻34から通信終了時刻35まで)の50%が経過した時点からセッション2のセッション時間が開始しており、セッション1のセッション時間の後半50%とセッション2のセッション時間の前半50%が並行して進行している。
セッション2とセッション3、セッション3とセッション4においても同様である。
このように、多重度制御部8は、オーバーラップ時間指定部に対応する。
また、送信時刻算出部9及び順序変更部10は、検査対象サーバ装置22に送信するリクエストデータの送信時刻を調整し、また、リクエストデータの送信順序を変更し、多重度制御部8により指定された多重度に相当するオーバーラップ時間の間、セッションの開始タイミングが近接するセッションの間でセッションが並行して進行することになる送信スケジュールを決定する。
図7の変換データにおけるリクエストデータ(端末からサーバ宛てのデータ)の時刻及び送信順序が当該送信スケジュールに相当する。
このように、送信時刻算出部9及び順序変更部10は、送信スケジュール決定部に対応する。
また、送信時刻算出部9及び順序変更部10により実施される処理は、送信スケジュール決定ステップに対応する。
また、送信時刻算出部9及び順序変更部10は送信スケジュールを決定するに当たり、記録データ保存部11から記録データを読み出すが、この読み出し処理は情報読み出しステップに対応する。
更に、データ再生部5のデータ取得部13、データ送信間隔制御部14、データ送受信部15は、決定された送信スケジュール、すなわち
図7の変換データにおけるリクエストデータの時刻及び送信順序に従って、検査対象サーバ装置22にリクエストデータを送信する。
このように、データ取得部13、データ送信間隔制御部14、データ送受信部15はデータ送信制御部に対応する。
データ取得部13、データ送信間隔制御部14、データ送受信部15により実施される処理は、データ送信制御ステップに対応する。
【0019】
次に動作について説明する。
図8は、データ生成部4のデータキャプチャ部6の動作例を示すフローチャートであり、
図9はデータ生成部4のセッション検索部7の動作例を示すフローチャートである。
図10はデータ生成部4の送信時刻算出部9及び順序変更部10の動作例を示すフローチャートであり、
図11はデータ再生部5の動作例を示すフローチャートである。
各図を参照して、説明する。
【0020】
情報システム検証装置1は、
図8に示すように、参照ネットワーク2上のデータをデータキャプチャ部6で受信し(S1:以降Sはステップを表す)、受信したデータを記録データ保存部11に格納する(S2)。
例えば、インターネットの書籍販売システムの場合では、ユーザの書籍の注文データは端末装置25から参照サーバ装置21宛に送信され、情報システム検証装置1は、このデータをSW23経由で取得し、
図4のように記録する。
記録データには、
図4に示すように、記録順に番号No(49)が振られ、記録時刻50、プロトコル51、送信元IPアドレス52、宛先IPアドレス53、送信元ポート番号54、宛先ポート番号55とデータサイズ56、データ本体57がある。
図4は、2人のユーザが端末1、2から参照サーバ装置21に対して本を注文した場合のデータの例であり、ユーザが端末1、2から参照サーバ装置21に接続し、参照サーバ装置21から接続結果が通知され、本の注文を行い、注文受け付け結果を受理し、切断を行い、切断結果が通知されている。
ユーザ1の端末1から参照サーバ装置21へのデータ場合は、プロトコル:TCP、送信元IPアドレス:端末1のIPアドレス、宛先IPアドレス:サーバのIPアドレス、送信元ポート番号:1024、宛先ポート番号:80となり、それぞれデータサイズと注文内容(本の名称、価格、数量等)のデータが含まれている。
一方、参照サーバ装置21から端末1への回答の場合は、IPアドレス、ポート番号は、送信元と宛先が注文データと逆になり、データサイズ、注文の受け付け結果などが含まれる。
端末2と参照サーバ装置21との間で送受信されたデータも同様に記録する。
【0021】
次に、
図9に示すように、セッション検索部7が、記録データ内のセッション情報を検索するため、データ数分の処理を行う(S3)。
具体的には、セッション検索部7は、記録データを取り出し(S4)、接続データ内のユーザ情報をセッション情報として取得する(S5)。
図4のデータの場合、セッション検索部7は、No1の接続データからユーザ1のセッション情報を取得する。
そして、セッション情報が登録済みかどうかを判定し(S6)、未登録のため、
図5のように、ユーザ1のセッション情報をセッション1として登録する(S7)。
図5はセッションの解析結果のテーブルの例であり、セッション情報60、開始時刻61、終了時刻62、データ内容63がある。
次に、セッション検索部7は、接続データの記録時刻を開始時刻として登録し(S8)、データ内容にNo.1を登録し(S9)、切断結果データであるかどうかを判定し(S10)、切断結果データではないので、S3に戻る。
記録データのNo.2からNo.6までは同じIPアドレス、ポート番号のデータである。
これらは同じセッション1のデータとしてS6にて登録済みとなり、各記録データのデータ内容を登録し(S9)、S10においてNo.6のデータが切断結果データであることを確認し、終了時刻を登録する(S11)。
記録データのNo.7からNo.12についても同様の処理を行い、ユーザ2のデータをセッション2として記録する。
図4には載せていないが、
図3のセッション3、セッション4についても同様の処理を行い、
図5のように記録する。
【0022】
次に、
図3のシーケンスを
図6のように多重度50%にて間隔を調整する場合の動作を説明する。
【0023】
多重度制御部8が多重度50%と指定すると、
図10に示すように、
図5のセッション数分の処理が行われる(S12)。
具体的には、送信時刻算出部9が、セッション情報から開始、終了時刻を取り出し(S13)、多重度に応じた通信開始時間を求める(S14)。
セッション1については前のセッションの情報はないため、データ数分ループするが(S15)、順序変更は行わない(S16、17)。
セッション2についても同様に処理する。
つまり、送信時刻算出部9は、前のセッション(セッション1)の開始時刻、終了時刻をセッション情報を取り出し(S13)、送信時刻算出部9は、前のセッションの開始時刻、終了時刻、多重度から、セッション2の開始時刻を算出する(S14)。
具体的には、前のセッションの開始時刻は2010/1/1 8:00:00、同終了時刻は8:10:00であり、差をとり、多重度50%とすると、セッション2の開始時間は8:05:00となる。
次に、送信時刻算出部9は、セッション2のデータ数分ループし(S15)、各記録データの時刻から開始時刻を引いて(S16)、送信時刻を算出する。
セッション2のデータは、
図4のNo.7からNo.12であるが、それぞれの記録時刻から8:05:00をひいた値をデータの記録時刻とし、時間順になるよう、順序変更部10が、記録データの順序を変更し(S17)、結果を変換データとして記録する。
図7は、多重度50%にて記録データの順序を変更した例である。
セッション2のNo.7からNo.12は、セッション1と重なるように時刻と順序を変更している。
つまり、セッション2のNo.7からNo.12に相当する時間の間、セッション1の進行とセッション2の進行がオーバーラップすることになる。
図7には載せていないが、セッション3、セッション4についても同様の処理を行い、
図6のシーケンスになるよう時刻、順序を変更し、データを生成する。
【0024】
次に、生成した変換データを用いて検査対象ネットワーク3上の検査対象サーバ装置22を検証する場合の動作を
図11を用いて説明する。
【0025】
情報システム検証装置1は、データ再生部5のデータ取得部13にて変換データを取得し、記録されているデータ分の処理を行う(S18)。
つまり、データ取得部13が、
図7の変換データの各行のデータを順に取得し(S19)、端末装置からサーバ装置へのリクエスト(要求データ)かどうかを判定する(S20)。
検査対象サーバ装置22を検証する場合は、情報システム検証装置1はリクエストを送信し、レスポンスは送信しない。
S20の判定の結果、取得したデータがリクエストの場合は、データ送信間隔制御部14が、記録データの間隔を再現するため、記録データの送信時刻を基にデータ送信間隔を算出し(S21)、データ送受信部15が、検査対象サーバ装置22にリクエストを送信する(S22)。
つまり、情報システム検証装置1は、端末装置25をエミュレートして、検査対象サーバ装置22にリクエストを送信する。
一方、S20の判定において、リクエストでない場合は、レスポンス受信待ち(S23)となり、データ送受信部15が、検査対象サーバ装置22からのレスポンスを受信し(S24)、受信データ比較部16が、受信したレスポンスと変換データ内のレスポンスを比較し(S25)、比較結果を表示する(S26)。
図7の変換データでは、リクエストは、No.1、3、7、9、5、11、レスポンスはNo.2、4、8、10、6、12となり、リクエストを検査対象サーバ装置22に送信し、検査対象サーバ装置22から受信したレスポンスと変換データのレスポンスを比較する。
【0026】
以上のように、データキャプチャ部で取得したデータを記録し、記録したデータ内のセッション情報を検索し、多重度に応じてセッション内のデータの送信時刻を算出し、順序を変更して負荷試験のデータを生成し、生成したデータを取り出して、データの時刻を基に送信間隔を制御し、検査対象サーバ装置に送信し、検査対象サーバ装置から受信したデータとキャプチャしたデータを比較するようにしているので、取得したデータを基にして同時接続ユーザ数を増やした高負荷試験を行うことができる。
【0027】
上記の実施の形態では、キャプチャしたデータ内のセッションを検索し、多重度をセッションごと処理したものであるが、検索対象をある特定の書籍のデータや注文取消しデータを検索し、1つのセッション内でデータの時刻や順序を変更し、負荷試験のデータを生成し、検査対象のサーバを検証することも可能である。
【0028】
以上、本実施の形態では、
以下の手段を備えた情報システム検証装置を説明した。
(a)参照しているシステム内で送受信しているデータをキャプチャする手段
(b)取得したデータを解析する手段
(c)データの多重度を制御する手段
(d)多重度により、データの順序を変更し、データの送信時刻を算出する手段
(e)検査対象に送信するデータの間隔を指定し、情報システム検証装置の動作を管理する手段
(f)負荷試験データを取得する手段
(g)取得したデータの送信時刻から送信間隔を制御する手段
(h)検査対象のシステムとデータを送受信する手段
(i)検査対象のシステムから受信したデータとキャプチャしたデータを比較する手段。
【0029】
実施の形態2.
実施の形態1では、参照ネットワーク2からキャプチャしたデータからセッション情報を検索し、多重度により時刻と順序を変更してデータを生成し、1つのデータ再生部5がリクエストを検査対象サーバ装置22に送信して検査対象サーバ装置22の動作を検証する例を示した。
本実施の形態では、より高負荷の試験を行う場合に対応させて、
図12のように複数のデータ再生部5a、5bを用いて検査対象サーバ装置22を検証する例を説明する。
実施の形態2のシステム構成図を
図12に示し、情報システム検証装置1の構成を
図13に示す。
また、セッション解析の例を
図14に示し、多重後の記録データ(変換データ)を
図15に示す。
また、データ生成部4のデータ量解析部及びデータ振分け部のフローチャートを
図16に示し、データ再生部5のフローチャートを
図17に示す。
なお、本実施の形態においても、実施の形態1と同様に、
図3のシーケンス、
図4の記録データ、
図6のシーケンス及び
図8、9、10のフローチャートが適用される。
以下にて、図を用いて動作を説明する。
【0030】
図13において、データ生成部4では、
図1の構成と比較して、データ量解析部18とデータ振分け部19が追加されている。
データ量解析部18は、実施の形態1で説明した手順で決定された送信スケジュール、すなわち、
図7の変換データにおけるリクエストデータの送信スケジュールを解析して、単位時間当たりの検査対象サーバ装置22への送信データ量を算出する。
そして、データ振分け部19は、データ量解析部18により算出された単位時間当たりの送信データ量に基づき、2つのデータ再生部5a、5bのうち検査対象サーバ装置22へリクエストデータを送信するのに用いられるデータ再生部5を選択し、データ再生部5ごとにリクエストデータの送信スケジュールを決定する。
このように、データ量解析部18及びデータ振分け部19は、データ再生部5ごとの送信スケジュールの調整を行っており、送信スケジュール調整部に対応する。
また、データ再生部5aの構成は、
図1に示したデータ再生部5と同じである。
また、
図13では、データ再生部5bの構成は図示を省略しているが、データ再生部5aと同様に、
図1に示したデータ再生部5と同じである。
なお、データ再生部5a、5bを区別する必要がない場合は、データ再生部5と表記する。
【0031】
実施の形態2では、2つのデータ再生部5a、5bを用いて、キャプチャしたデータを用いて検査対象サーバ装置22の動作を検証する場合の動作を示す。
情報システム検証装置1が参照ネットワーク2上で送受信されるデータをキャプチャし、セッション情報を検索して多重度に応じて送信時刻を算出して記録データの順序を変更するまでは実施の形態1と同様である。
次に、
図16に示すように、データ量解析部18にて、送信するデータ量を解析する。
変換データは、算出した送信時刻により、順序を変更しているため、単位時間あたりのデータ量がキャプチャした時点のデータから変わっている。
データ量解析部18は、記録データの先頭から最後まで、記録データの時刻と単位時間あたりの送信データ量を算出する(S27)。
次に、ハードウェア条件、データの処理時間から予め測定した、データ再生部5の性能値を用いて、このデータ量を送信するのに必要なデータ再生部5の数を算出する(S28)。
例えば、1つのデータ再生部5の性能値が5000データ/秒で、送信データ量が10000データ/秒の場合には、データ再生部5の必要数は2となる。
次に、データ振分け部19が、複数のデータ再生部5へのデータの振分けを行うため、セッション情報分の処理を行う(S29)。
同じセッションを構成するデータは、同一のデータ再生部5に振り分ける。
図14のセッション1から順に振分け先をデータ再生部5a、5bの順に決定し、振分け情報を設定し、このセッションのデータ内容にある記録データから
図15のNo.1、2、3、4、5、6の振分け情報58に設定し(S30)、記録データに保存する。
図15の振分情報58において、例えば、「1」はデータ再生部5aを表し、「2」はデータ再生部5bを表している。
【0032】
次に、2つのデータ再生部5a、5bは、
図17に示すように、それぞれデータ取得部13にて変換データを取得し、記録されているデータ分の処理を行う(S18)。
つまり、データ取得部13が、
図15のデータを順に取得する(S19)。
データ再生部5には、それぞれ識別子を設定しておき、記録データ内の振分け情報58が、設定されている識別子と一致するかどうかを判定し、一致する場合は処理対象となる(S31)。
一致しない場合は、処理対象外のデータであり、ループの先頭に戻る。
次に、データ取得部13は、端末装置からサーバ装置へのリクエストかどうかを判定する(S20)。
情報システム検証装置1はリクエストを送信し、レスポンスは送信しない。
S20にてリクエストの場合は、データ送信間隔制御部14が、記録データの間隔を再現するため、記録データの送信時刻を基にデータ送信間隔を算出し(S21)、データ送受信部15が、検査対象サーバ装置22にリクエストを送信する(S22)。
一方、リクエストでない場合は、レスポンス受信待ち(S23)となり、データ送受信部15が、検査対象サーバ装置22からのレスポンスを受信し(S24)、受信データ比較部16が、受信したレスポンスと変換データ内のレスポンスを比較し(S25)、比較結果を表示する(S26)。
図15の変換データでは、リクエストは、No.1、3、7、9、5、11、レスポンスはNo.2、4、8、10、6、12となり、リクエストを検査対象サーバ装置22に送信し、検査対象サーバ装置22から受信したレスポンスと変換データのレスポンスを比較する。
【0033】
以上のように、データキャプチャ部で取得したデータを記録し、記録したデータ内のセッション情報を検索し、多重度に応じてセッション内のデータの送信時刻を算出し、順序を変更し、変更後のデータ量とデータ再生部の性能値からデータ送信に必要な台数を求め、データの振分け先を設定し、振分け情報に従い、複数のデータ再生部から負荷試験のデータを送信するので、複数のデータ再生部を用いて多重度を上げた高負荷試験を行うことができる。
【0034】
なお、本実施の形態では、
図12のように、1つの情報システム検証装置1に2つのデータ再生部5が含まれる構成を説明したが、複数の情報システム検証装置1を設け、複数の情報システム検証装置1に複数のデータ再生部5が存在する構成であってもよい。
例えば、2つの情報システム検証装置1を設け、一方の情報システム検証装置1には、
図12に示すデータ生成部4とデータ再生部5aを配置し、他方の情報システム検証装置1には、
図12に示すデータ再生部5bを配置する構成であってもよい。
また、3つの情報システム検証装置1を設け、1つ目の情報システム検証装置1には、
図12に示すデータ生成部4を配置し、2つ目の情報システム検証装置1には、
図12に示すデータ再生部5aを配置し、3つ目の情報システム検証装置1には、
図12に示すデータ再生部5bを配置する構成であってもよい。
また、データ再生部5を2つとする構成は一例であって、データ再生部5は3つ以上存在していてもよい。
【0035】
以上、本実施の形態では、
以下の手段を備えた情報システム検証装置を説明した。
(j)送信するデータ量を解析する手段
(k)データ量とデータ再生部の処理性能からデータの振分けを行う手段。
【0036】
最後に、実施の形態1及び2に示した情報システム検証装置1のハードウェア構成例について説明する。
図18は、実施の形態1及び2に示す情報システム検証装置1のハードウェア資源の一例を示す図である。
なお、
図18の構成は、あくまでも情報システム検証装置1のハードウェア構成の一例を示すものであり、情報システム検証装置1のハードウェア構成は
図18に記載の構成に限らず、他の構成であってもよい。
【0037】
図18において、情報システム検証装置1は、プログラムを実行するCPU911(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサともいう)を備えている。
CPU911は、バス912を介して、例えば、ROM(Read Only Memory)913、RAM(Random Access Memory)914、通信ボード915、表示装置901、キーボード902、マウス903、磁気ディスク装置920と接続され、これらのハードウェアデバイスを制御する。
更に、CPU911は、FDD904(Flexible Disk Drive)、コンパクトディスク装置905(CDD)、プリンタ装置906、スキャナ装置907と接続していてもよい。また、磁気ディスク装置920の代わりに、SSD(Solid State Drive)、光ディスク装置、メモリカード(登録商標)読み書き装置などの記憶装置でもよい。
RAM914は、揮発性メモリの一例である。ROM913、FDD904、CDD905、磁気ディスク装置920の記憶媒体は、不揮発性メモリの一例である。これらは、記憶装置の一例である。
実施の形態1及び2で説明した「記録データ保存部11」及び「変換データ保存部12」は、RAM914、磁気ディスク装置920等により実現される。
通信ボード915、キーボード902、マウス903、スキャナ装置907、FDD904などは、入力装置の一例である。
また、通信ボード915、表示装置901、プリンタ装置906などは、出力装置の一例である。
【0038】
通信ボード915は、
図2及び
図12に示すように、ネットワークに接続されている。
例えば、通信ボード915は、LAN(ローカルエリアネットワーク)、インターネット、WAN(ワイドエリアネットワーク)、SAN(ストレージエリアネットワーク)などに接続されている。
【0039】
磁気ディスク装置920には、オペレーティングシステム921(OS)、ウィンドウシステム922、プログラム群923、ファイル群924が記憶されている。
プログラム群923のプログラムは、CPU911がオペレーティングシステム921、ウィンドウシステム922を利用しながら実行する。
【0040】
また、RAM914には、CPU911に実行させるオペレーティングシステム921のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。
また、RAM914には、CPU911による処理に必要な各種データが格納される。
【0041】
また、ROM913には、BIOS(Basic Input Output System)プログラムが格納され、磁気ディスク装置920にはブートプログラムが格納されている。
情報システム検証装置1の起動時には、ROM913のBIOSプログラム及び磁気ディスク装置920のブートプログラムが実行され、BIOSプログラム及びブートプログラムによりオペレーティングシステム921が起動される。
【0042】
上記プログラム群923には、実施の形態1及び2の説明において「〜部」(「記録データ保存部11」及び「変換データ保存部12」以外、以下同様)、「〜手段」として説明している機能を実行するプログラムが記憶されている。プログラムは、CPU911により読み出され実行される。
【0043】
ファイル群924には、実施の形態1及び2の説明において、「〜の判断」、「〜の判定」、「〜の決定」、「〜の指定」、「〜の設定」、「〜の登録」、「〜の取得」、「〜の算出」、「〜の比較」、「〜の更新」、「〜の選択」、「〜の入力」、「〜の出力」等として説明している処理の結果を示す情報やデータや信号値や変数値やパラメータが、「〜ファイル」や「〜データベース」の各項目として記憶されている。
「〜ファイル」や「〜データベース」は、ディスクやメモリなどの記録媒体に記憶される。
ディスクやメモリなどの記憶媒体に記憶された情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、読み書き回路を介してCPU911によりメインメモリやキャッシュメモリに読み出される。
そして、読み出された情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・編集・出力・印刷・表示などのCPUの動作に用いられる。
抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・編集・出力・印刷・表示のCPUの動作の間、情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、メインメモリ、レジスタ、キャッシュメモリ、バッファメモリ等に一時的に記憶される。
また、実施の形態1及び2で説明しているフローチャートの矢印の部分は主としてデータや信号の入出力を示す。
データや信号値は、RAM914のメモリ、FDD904のフレキシブルディスク、CDD905のコンパクトディスク、磁気ディスク装置920の磁気ディスク、その他光ディスク、ミニディスク、DVD等の記録媒体に記録される。
また、データや信号は、バス912や信号線やケーブルその他の伝送媒体によりオンライン伝送される。
【0044】
また、実施の形態1及び2の説明において「〜部」、「〜手段」として説明しているものは、「〜回路」、「〜装置」、「〜機器」であってもよく、また、「〜ステップ」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。
すなわち、実施の形態1及び2で説明したフローチャートに示すステップ、手順、処理により、本発明に係る「情報システム検証方法」を実現することができる。
また、「〜部」、「〜手段」として説明しているものは、ROM913に記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。
或いは、ソフトウェアのみ、或いは、素子・デバイス・基板・配線などのハードウェアのみ、或いは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実施されても構わない。
ファームウェアとソフトウェアは、プログラムとして、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等の記録媒体に記憶される。
プログラムはCPU911により読み出され、CPU911により実行される。
すなわち、プログラムは、実施の形態1及び2の「〜部」、「〜手段」としてコンピュータを機能させるものである。あるいは、実施の形態1及び2の「〜部」、「〜手段」の手順や方法をコンピュータに実行させるものである。
【0045】
このように、実施の形態1及び2に示す情報システム検証装置1は、処理装置たるCPU、記憶装置たるメモリ、磁気ディスク等、入力装置たるキーボード、マウス、通信ボード等、出力装置たる表示装置、通信ボード等を備えるコンピュータである。
そして、上記したように「〜部」、「〜手段」として示された機能をこれら処理装置、記憶装置、入力装置、出力装置を用いて実現するものである。