【実施例】
【0024】
以下、本発明の実施例に係る創薬試料ユニット用自動保管庫100を
図1乃至
図17に基づいて説明する。
ここで、
図1は、本発明の実施例に係る創薬試料ユニット用自動保管庫の全体斜視図であり、
図2は、本発明の実施例に係る創薬試料ユニット用自動保管庫の分解斜視図であり、
図3は、本発明の実施例に係る創薬試料ユニット用自動保管庫の平面図であり、
図4は、本発明の実施例に係る創薬試料ユニット用自動保管庫の正面図であり、
図5は、本発明の実施例に係る創薬試料ユニット用自動保管庫の一方側側面図であり、
図6は、本発明の実施例に係る創薬試料ユニット用自動保管庫の他方側側面図であり、
図7は、本発明の実施例に係る創薬試料ユニット用自動保管庫の部分的な斜視図であり、
図8は、
図7に示した創薬試料ユニット用自動保管庫の側面図であり、
図9は、本発明の実施例に係る創薬試料ユニット用自動保管庫の主要部を示す平面図であり、
図10乃至
図12は、一つの創薬試料ユニット用保管棚の移動状態を示す説明図であり、
図13乃至
図15は、複数の創薬試料ユニット用保管棚の移動状態を示す説明図であり、
図16は、本実施例の変形例に係る創薬試料ユニット用自動保管庫の部分的な斜視図であり、
図17は、
図16に示した創薬試料ユニット用自動保管庫の正面図である。
【0025】
まず、
図1乃至
図9を参照しながら、本実施例に係る創薬試料ユニット用自動保管庫100の構成を説明する。
図1乃至
図9に示すように、創薬試料ユニット用自動保管庫100は、ガイドレール110、110のレール長手方向Lに沿って開口した創薬試料ユニット用出入口121A、121B、121C、121D、121E、121F、121G、121Hをそれぞれ備えた複数の創薬試料ユニット用保管棚120A、120B、120C、120D、120E、120F、120G、120Hをガイドレール110、110のレール長手方向Lに沿って移動自在に整列配置していることにより、各創薬試料ユニット用出入口121A、121B、121C、121D、121E、121F、121G、121Hを介して創薬試料ユニットMを創薬試料ユニット用保管棚120A、120B、120C、120D、120E、120F、120G、120Hに収納するとともに創薬試料ユニット用保管棚120A、120B、120C、120D、120E、120F、120G、120Hから取り出すようになっている。
【0026】
また、ガイドレール110、110と、創薬試料ユニット用保管棚120A、120B、120C、120D、120E、120F、120G、120Hと、後述のカムプレート130及びカムプレート駆動用アクチュエータ140と、創薬試料ユニット出入手段の一例を構成する後述の創薬試料ユニット出入機構150と、ガイドレール110、110を固定設置する枠体160とから構成されている保管庫本体は、筐体170に収納された状態で筐体170とともに創薬試料ユニット用自動保管庫100を構成している。
また、創薬試料ユニット用保管棚120A、120B、120C、120D、120E、120F、120G、120Hは、その棚底面122A、122B、122C、122D、122E、122F、122G、122Hに設置された左右一対のローラ124、124をガイドレール110、110に遊動させた状態でガイドレール110、110のレール長手方向Lに沿って移動自在に構成されている。
【0027】
次に、
図1乃至
図9を参照しながら、本実施例に係る創薬試料ユニット用自動保管庫100の最も特徴とする構成の具体的な形態を詳しく説明する。
なお、以下では、創薬試料ユニット用自動保管庫100のうち筐体170を除いた保管庫本体すなわち創薬試料ユニット用自動保管庫100の主要部について詳細に説明する。
図1乃至
図9に示すように、創薬試料ユニット用自動保管庫100は、複数の創薬試料ユニット用保管棚120A、120B、120C、120D、120E、120F、120G、120Hの棚誘導面すなわち棚底面122A、122B、122C、122D、122E、122F、122G、122Hからそれぞれ突出した複数のカムフォロア123A、123B、123C、123D、123E、123F、123G、123Hを遊動させる複数のカム溝131A、131B、131C、131D、131E、131F、131G、131Hをプレート主面130Sに形成したカムプレート130が、複数の創薬試料ユニット用保管棚120A、120B、120C、120D、120E、120F、120G、120Hの棚誘導面すなわち棚底面122A、122B、122C、122D、122E、122F、122G、122Hにプレート主面130Sを対向させた状態で配置され、ガイドレール110、110のレール長手方向Lに直交しているとともにプレート主面130Sに沿ったカムプレート駆動方向Dに沿ってカムプレート130を進退自在に駆動するカムプレート駆動用アクチュエータ140が、カムプレート130に接続され、複数の創薬試料ユニット用保管棚120A、120B、120C、120D、120E、120F、120G、120Hのうちガイドレール110、110のレール長手方向Lに沿って相互に隣り合った2つの創薬試料ユニット用保管棚の間口から創薬試料ユニット用出入口121Dを介して創薬試料ユニットMを出し入れする創薬試料ユニット出入機構150が、創薬試料ユニット用保管棚120A、120B、120C、120D、120E、120F、120G、120Hの側方に配置され、複数のカム溝131A、131B、131C、131D、131E、131F、131G、131Hのそれぞれが、カムプレート駆動方向Dに沿って延びているとともにカムプレート駆動用アクチュエータ140の動作に応じてカムフォロア123A、123B、123C、123D、123E、123F、123G、123Hを進退出自在に遊動する第1カム溝部分131A1、131B1、131C1、131D1、131E1、131F1、131G1、131H1とこれら第1カム溝部分131A1、131B1、131C1、131D1、131E1、131F1、131G1、131H1に連通してガイドレール110、110のレール長手方向Lに斜交する第2カム溝部分131A2、131B2、131C2、131D2、131E2、131F2、131G2、131H2とこれら第2カム溝部分131A2、131B2、131C2、131D2、131E2、131F2、131G2、131H2に連通した状態でカムプレート駆動方向Dに沿って延びる第3カム溝部分131A3、131B3、131C3、131D3、131E3、131F3、131G3、131H3とから構成されている。
【0028】
これにより、各創薬試料ユニット用保管棚120A、120B、120C、120D、120E、120F、120G、120Hに対応する第2カム溝部分131A2、131B2、131C2、131D2、131E2、131F2、131G2、131H2でカムフォロア123A、123B、123C、123D、123E、123F、123G、123Hをガイドした状態で第2カム溝部分131A2、131B2、131C2、131D2、131E2、131F2、131G2、131H2の溝長やガイドレール110、110のレール長手方向Lに対する第2カム溝部分131A2、131B2、131C2、131D2、131E2、131F2、131G2、131H2の角度に応じた移動量だけガイドレール110、110のレール長手方向Lに創薬試料ユニット用保管棚120A、120B、120C、120D、120E、120F、120G、120Hを移動させて創薬試料ユニット用保管棚間に間口を設けるとともに第3カム溝部分131A3、131B3、131C3、131D3、131E3、131F3、131G3、131H3の溝面にカムフォロア123A、123B、123C、123D、123E、123F、123G、123Hを当接させて創薬試料ユニット用保管棚120A、120B、120C、120D、120E、120F、120G、120Hを固定するため、本実施例に係る創薬試料ユニット用自動保管庫100は、創薬試料ユニット用保管棚120A、120B、120C、120D、120E、120F、120G、120Hに対して創薬試料ユニットMを出し入れしない期間に複数の創薬試料ユニット用保管棚120A、120B、120C、120D、120E、120F、120G、120Hを隙間なく配列した状態で創薬試料ユニット用保管庫100内における単位体積当たりの創薬試料ユニットMの収納密度を維持した状態で創薬試料ユニット用保管庫100内のスペース全体に対する創薬試料ユニットMの収容密度を高めるとともに創薬試料ユニット用保管棚120A、120B、120C、120D、120E、120F、120G、120Hに対して創薬試料ユニットMを出し入れする時にのみ間口を形成して間口幅を調整する調整負担を回避し、しかも創薬試料ユニット出入機構150を介して創薬試料ユニット用保管棚120A、120B、120C、120D、120E、120F、120G、120Hに対して自動で創薬試料ユニットMを出し入れして作業者の作業負担増大を回避するとともに隣り合った創薬試料ユニット用保管棚毎にリンク機構などの駆動機構を設ける場合に比べて保管庫全体で創薬試料ユニット用保管棚について駆動機構の複雑化を回避し、さらに間口幅の調整負担、部品点数増大及び作業負担の回避と創薬試料ユニット用保管庫全体のスペースに対する創薬試料ユニットの収容密度向上と駆動機構の複雑化回避と間口の確保とを実現すると同時に地震等の災害時に間口を閉じて収納状態の創薬試料ユニットを保護するようになっている。
【0029】
また、創薬試料ユニット用自動保管庫100は、複数のカム溝131A、131B、131C、131D、131E、131F、131G、131HのピッチTが、創薬試料ユニット用保管棚120A、120B、120C、120D、120E、120F、120G、120Hの奥行寸法Rに等しいことにより、創薬試料ユニットMの非出し入れ時に複数の創薬試料ユニット用保管棚120A、120B、120C、120D、120E、120F、120G、120Hを相互に隙間なく接触させるため、創薬試料ユニット用自動保管庫100は、間口の確保と、間口幅の調整負担、部品点数増大及び作業負担の回避とを実現すると同時に地震等の災害時に間口を閉じて収納状態の創薬試料ユニットMを確実に保護するようになっている。
【0030】
また、創薬試料ユニット用自動保管庫100は、創薬試料ユニット出入機構150が、ガイドレール110、110のレール長手方向Lに沿った方向すなわち図中矢印で示した駆動方向AL、創薬試料ユニット用保管棚120A、120B、120C、120D、120E、120F、120G、120Hの幅方向AW及び上下方向AAのそれぞれに沿った3つの駆動軸に沿って移動する創薬試料ユニット搬送用ハンド部151を有していることにより、取り出し対象となる創薬試料ユニットMの位置と創薬試料ユニットMを収納する創薬試料ユニット用出入口121A、121B、121C、121D、121E、121F、121G、121Hの位置とに応じて自動的に創薬試料ユニット搬送用ハンド部151を3次元的に位置決めするため、誤った位置に創薬試料ユニットMを搬送したり誤った位置から創薬試料ユニットMを取り出したりする誤搬送を回避した状態で創薬試料ユニット用保管棚120A、120B、120C、120D、120E、120F、120G、120Hに対して自動で創薬試料ユニットMを搬送して創薬試料ユニットMを出し入れする作業者の作業負担増大をより一層回避するようになっている。
【0031】
より具体的には、レール長手方向Lに沿った駆動方向AL、創薬試料ユニット用保管棚120A、120B、120C、120D、120E、120F、120G、120Hの幅方向AW及び上下方向AAに沿った3つの駆動軸をそれぞれ有して3軸駆動ロボットを構成する直動機構152、153、154が創薬試料ユニット搬送用ハンド部151とともに創薬試料ユニット出入機構150を構成しているとともに、別途設けられた制御部の制御下で駆動方向AL、幅方向AW及び上下方向AAに創薬試料ユニット搬送用ハンド部151を移動させて創薬試料ユニット用保管棚120A、120B、120C、120D、120E、120F、120G、120Hに対する創薬試料ユニット搬送用ハンド部151の位置決め及び移動を実行して創薬試料ユニットMの正確な出し入れを可能にしている。
【0032】
次に、
図1乃至
図15を参照しながら、本実施例に係る創薬試料ユニット用自動保管庫100の動作を説明する。
まず、
図1乃至
図12を参照しながら、複数の創薬試料ユニット用保管棚120A、120B、120C、120D、120E、120F、120G、120Hの個別の動作を説明する。
なお、複数の創薬試料ユニット用保管棚120A、120B、120C、120D、120E、120F、120G、120Hは、各創薬試料ユニット用保管棚120A、120B、120C、120D、120E、120F、120G、120Hに対応するカム溝131A、131B、131C、131D、131E、131F、131G、131Hのそれぞれによって動作が規制された状態で相互に異なるタイミングで同様の動作態様を示すため、ここでは創薬試料ユニット用保管棚120Bの動作を一例に挙げて創薬試料ユニット用保管棚の個別の動作を説明し、他の創薬試料ユニット用保管棚120A、120C、120D、120E、120F、120G、120Hの個別の動作に関する説明を省略する。
【0033】
図1乃至
図10に示すように、カムフォロア123Bは、カムプレート駆動用アクチュエータ140の動作すなわちカムプレート駆動方向Dに沿った
図10中矢印Xの向きに駆動されるカムプレート130の動作に対応して第1カム溝部分131B1に遊動される。
続いて、
図1乃至
図9及び
図11に示すように、創薬試料ユニット用保管棚120Bは、カムプレート駆動方向Dに沿った
図11中矢印Xの向きに駆動されるカムプレート130の動作に対応して第2カム溝部分131B2にカムフォロア123Bを遊動した状態でガイドプレート110、110のレール長手方向Lに沿った
図11中矢印Yの向きに移動する。
すなわち、カムフォロア123Bが、
図11中矢印Xの向きに駆動されるカムプレート130の動作に対応して第2カム溝部分131B2でガイドされるため、創薬試料ユニット用保管棚120Bは、第2カム溝部分131B2の溝長やガイドレール110のレール長手方向Lに対する第2カム溝部分131B2の角度に応じた移動量だけガイドレール110、110のレール長手方向Lに移動されるとともに創薬試料ユニット用保管棚120A、120B間に間口を形成する。
【0034】
続いて、
図1乃至
図9及び
図12に示すように、創薬試料ユニット用保管棚120Bは、
図12中矢印Xの向きに駆動されるカムプレート130の動作に対応して第3カム溝部分131B3の溝面にカムフォロア123Bを当接させて固定される。
これにより、本実施例に係る創薬試料ユニット用自動保管庫100は、創薬試料ユニット用保管棚120A、120B、120C、120D、120E、120F、120G、120H毎に個別に駆動機構を設けない状態で創薬試料ユニット用保管棚120A、120B、120C、120D、120E、120F、120G、120Hを移動させるとともに任意の位置すなわち第3カム溝部分131A3、131B3、131C3、131D3、131E3、131F3、131G3、131H3に創薬試料ユニット用保管棚120A、120B、120C、120D、120E、120F、120G、120Hを固定して創薬試料ユニット用保管棚120A、120B、120C、120D、120E、120F、120G、120Hのうちレール長手方向Lに沿って相互に隣り合う2つの創薬試料用保管棚間に間口を確保する。
【0035】
次に、
図1乃至
図9、
図13乃至
図15を参照しながら、複数の創薬試料ユニット用保管棚120A、120B、120C、120D、120E、120F、120G、120Hのうちガイドレール110、110のレール長手方向Lに沿って相互に隣り合う2つの創薬試料ユニット用保管棚の相対的な位置関係と創薬試料ユニット搬送用ハンド部151の動作とを説明する。
なお、ここでは、創薬試料ユニット用保管棚120B及び120C間の相対的な位置関係、創薬試料ユニット用保管棚120C及び120D間の相対的な位置関係、及び創薬試料ユニット搬送用ハンド部151の動作について詳細に説明する。
創薬試料ユニット用保管棚120A及び120B、121D及び120E、121E及び120F、121F及び120G、121G及び120Hは、創薬試料ユニット用保管棚120B及び120C間の相対的な位置関係と創薬試料ユニット用保管棚120C及び120D間の相対的な位置関係とのそれぞれと同様の位置関係を形成するため、その詳細な説明を省略する。
【0036】
図1乃至
図9及び
図13に示すように、カムフォロア123B、123C、123Dは、カムプレート駆動用アクチュエータ140の動作に応じてカムプレート駆動方向Dに沿った
図13中矢印Xの向きに駆動されるカムプレート130の動作に対応して第1カム溝部分131B1、131C1、131D1に遊動される。
このとき、創薬試料ユニット搬送用ハンド部151は、例えば、創薬試料ユニット用保管棚120Cの側方に配置されている。
【0037】
続いて、
図1乃至
図9及び
図14に示すように、創薬試料ユニット用保管棚120Dは、カムプレート駆動方向Dに沿った
図14中矢印Xの向きに駆動されるカムプレート130の動作に対応して第2カム溝部分131D2にカムフォロア123Dを遊動した状態でガイドプレート110、110のレール長手方向Lに沿った
図14中矢印Yの向きに移動し、第3カム溝部分131D3の溝面にカムフォロア123Dを当接させて固定される。
ここで、創薬試料ユニット用自動保管庫100は、複数のカム溝131A、131B、131C、131D、131E、131F、131G、131Hのうちガイドレール110、110のレール長手方向Lに沿って互いに隣り合った状態で配置された前後一対の創薬試料ユニット用保管棚120C、120Dに対応する前後一対のカム溝131C、131Dが、それぞれ互いに異なる溝長を有する前後一対の第1カム溝部分131C1、131D1を有していることにより、前後一対の創薬試料ユニット用保管棚120C、120Dの誘導面すなわち棚底面122C、122Dに固定設置されたカムフォロア123C、123Dを各第2カム溝部分131C2、131D2の溝面に当接させるタイミングをずらすため、このタイミングのずれに応じて前後一対の創薬試料ユニット用保管棚122C、122D間に間口K1を確保し、しかも前後一対のカム溝131C、131Dに含まれる第2カム溝部分131C2、131D2の溝長の差やガイドレール110、110のレール長手方向Lに対する第2カム溝部分131C2、131D2の角度に応じた間口幅を設定して間口幅の調整負担をより一層回避するようになっている。
このとき、創薬試料ユニット搬送用ハンド部151は、間口K1から創薬試料ユニット用保管棚122C、122D間に移動して創薬試料ユニットMを創薬試料ユニット用保管棚122Cに収納する。
【0038】
また、本実施例に係る創薬試料ユニット用自動保管庫100では、前後一対の第1カム溝部分131C1、131D1のうちガイドレール110、110のレール長手方向Lに沿った一方向に沿って前側に形成された前側第1カム溝部分131D1の溝長DLが、第1カム溝部分131D1の後ろ側に形成された後ろ側第1カム溝部分すなわち第1カム溝部分131C1の溝長CLより小さいことにより、第1カム溝部分131D1にガイドされる前側の創薬試料ユニット用保管棚120Dを後ろ側の創薬試料ユニット用保管棚120Cより先に移動させるため、創薬試料ユニット用自動保管庫100は、先に移動する前側の創薬試料ユニット用保管棚120Dとその後に移動する後ろ側の創薬試料ユニット用保管棚120Cとの間に確実に間口K1を形成するようになっている。
【0039】
続いて、
図1乃至
図9及び
図15に示すように、創薬試料ユニット用保管棚120Cは、カムプレート駆動方向Dに沿った
図15中矢印Xの向きに駆動されるカムプレート130の動作に対応して第2カム溝部分131C2にカムフォロア123Cを遊動した状態でガイドプレート110、110のレール長手方向Lに沿った
図15中矢印Yの向きに移動し、第3カム溝部分131C3の溝面にカムフォロア123Cを当接させて固定される。
ここで、ガイドレール110、110のレール長手方向Lに沿って互いに隣り合った状態で配置された前後一対の創薬試料ユニット用保管棚すなわち創薬試料ユニット用保管棚120B、120Cに対応する前後一対のカム溝131B、131Cが、カム溝131C、131Dのそれぞれが有する前後一対の第1カム溝部分131C1、131D1と同様に互いに異なる溝長BL、CLを有する前後一対の第1カム溝部分131B1、131C1を有している。
これにより、創薬試料ユニット用自動保管庫100は、創薬試料ユニット用保管棚120C、120Dと同様に前後一対の創薬試料ユニット用保管棚120B、120C間に間口K2を確保し、しかも前後一対のカム溝131B、131Cに含まれる第2カム溝部分131B2、131C2の溝長の差やガイドレール110、110の長手方向Lに対する第2カム溝部分131B2、131C2の角度に応じた間口幅を設定して間口幅の調整負担を回避するようになっている。
また、カム溝131C、131Dと同様に、第1カム溝部分131C1の溝長CLが、第1カム溝部分131B1の溝長BLより小さいため、創薬試料ユニット用保管棚120Cが創薬試料ユニット用保管棚120Bより先に動いて間口K2を確保する。
このとき、創薬試料ユニット搬送用ハンド部151は、間口K1から間口K2に移動して創薬試料ユニット用保管棚122B、122C間から創薬試料ユニット用保管棚122B内の創薬試料ユニットMを取り出す。
【0040】
また、創薬試料ユニット用自動保管庫100は、複数のカム溝131B、131C、131DのピッチTが、創薬試料ユニット用保管棚120B、120C、120Dの奥行寸法Tに等しいことにより、創薬試料ユニットMの非出し入れ時に複数の創薬試料ユニット用保管棚120B、120C、120Dを相互に隙間なく接触させるため、創薬試料ユニット用自動保管庫100は、間口K1、K2の確保と、間口幅の調整負担、部品点数増大及び作業者の作業負担の回避とを実現すると同時に地震等の災害時に間口K1、K2を閉じて創薬試料ユニットMを確実に保護するようになっている。
より具体的には、創薬試料ユニット用自動保管庫100は、相互に隣り合う創薬試料ユニット用保管棚120B、120C同士や創薬試料ユニット用保管棚120C、120D同士の間に間口K1、K2を形成しないようにこれら創薬試料ユニット用保管棚120B、120C、120Dをカム溝131B、131C、131Dを介して順に移動させるとともに相互に密着させた状態で固定することにより、創薬試料ユニット用保管棚120B、120Cの創薬試料ユニット用出入口121B、121Cを創薬試料ユニット用保管棚120C、120Dの背板で閉じるため、創薬試料ユニット用自動保管庫100の外部から創薬試料ユニットMにアクセスできないようにして保管上のセキュリティー性を向上させるとともに地震等の災害発生時に創薬試料ユニット用自動保管庫100とその外部との間のアクセスを遮断して創薬試料ユニットMの焼失、盗難及び落下を回避するようになっている。
【0041】
また、本実施例に係る創薬試料ユニット用自動保管庫100は、創薬試料ユニット用保管棚120A、120B、120C、120D、120E、120F、120G、120Hの棚誘導面として棚底面122A、122B、122C、122D、122E、122F、122G、122Hを利用していることにより、各創薬試料ユニット用保管棚120A、120B、120C、120D、120E、120F、120G、120Hの創薬試料ユニット用出入口121A、121B、121C、121D、121E、121F、121G、121Hのそれぞれに臨む間口を形成した状態で創薬試料ユニットMを創薬試料ユニット用保管棚120A、120B、120C、120D、120E、120F、120G、120Hのそれぞれに収納する収納時や創薬試料ユニット用保管棚120A、120B、120C、120D、120E、120F、120G、120Hから創薬試料ユニットMを取り出す取り出し時のそれぞれにおいて創薬試料ユニット用保管棚120A、120B、120C、120D、120E、120F、120G、120Hの側方から各間口に創薬試料ユニット搬送用ハンド部151を移動させた状態で創薬試料ユニットMを出し入れしてもカムプレート駆動用アクチュエータ140及びカムプレート130を創薬試料ユニット搬送用ハンド部151の動作の障害としないため、創薬試料ユニット用自動保管庫100は、創薬試料ユニット用保管棚120A、120B、120C、120D、120E、120F、120G、120Hの側面にリンク機構を設ける場合に比べて創薬試料ユニット用保管棚120A、120B、120C、120D、120E、120F、120G、120Hに創薬試料ユニットMを出し入れする創薬試料ユニット搬送用ハンド部151の動作負担を確実に回避した状態で作業者による創薬試料ユニットMの出し入れ作業を創薬試料ユニット搬送用ハンド部151に代替させて作業者の作業負担を回避するようになっている。
【0042】
このようにして得られた本実施例に創薬試料ユニット用自動保管庫100は、複数の創薬試料ユニット用保管棚120A、120B、120C、120D、120E、120F、120G、120Hの棚誘導面すなわち棚底面122A、122B、122C、122D、122E、122F、122G、122Hからそれぞれ突出した複数のカムフォロア123A、123B、123C、123D、123E、123F、123G、123Hを遊動させる複数のカム溝131A、131B、131C、131D、131E、131F、131G、131Hをプレート主面130Sに形成したカムプレート130が、複数の創薬試料ユニット用保管棚120A、120B、120C、120D、120E、120F、120G、120Hの棚誘導面すなわち棚底面122A、122B、122C、122D、122E、122F、122G、122Hにプレート主面130Sを対向させた状態で配置され、ガイドレール110、110のレール長手方向Lに直交しているとともにプレート主面130Sに沿ったカムプレート駆動方向Dに沿ってカムプレート130を進退自在に駆動するカムプレート駆動用アクチュエータ140が、カムプレート130に接続され、複数の創薬試料ユニット用保管棚120A、120B、120C、120D、120E、120F、120G、120Hのうちガイドレール110、110のレール長手方向Lに沿って相互に隣り合った2つの創薬試料ユニット用保管棚の間に形成された間口から各創薬試料ユニット用出入口121A、121B、121C、121D、121E、121F、121G、121Hを介して創薬試料ユニットMを出し入れする創薬試料ユニット出入機構150が、創薬試料ユニット用保管棚120A、120B、120C、120D、120E、120F、120G、120Hの側方に配置され、複数のカム溝131A、131B、131C、131D、131E、131F、131G、131Hのそれぞれが、カムプレート駆動方向Dに沿って延びているとともにカムプレート駆動用アクチュエータ140の動作に応じてカムフォロア123A、123B、123C、123D、123E、123F、123G、123Hを進退出自在に遊動する第1カム溝部分131A1、131B1、131C1、131D1、131E1、131F1、131G1、131H1とこれら第1カム溝部分131A1、131B1、131C1、131D1、131E1、131F1、131G1、131H1に連通してガイドレール110、110のレール長手方向Lに斜交する第2カム溝部分131A2、131B2、131C2、131D2、131E2、131F2、131G2、131H2とこれら第2カム溝部分131A2、131B2、131C2、131D2、131E2、131F2、131G2、131H2に連通した状態でカムプレート駆動方向Dに沿って延びる第3カム溝部分131A3、131B3、131C3、131D3、131E3、131F3、131G3、131H3とから構成されていることにより、創薬試料ユニット用保管棚120A、120B、120C、120D、120E、120F、120G、120Hに対して創薬試料ユニットMを出し入れしない期間すなわち非出し入れ時に複数の創薬試料ユニット用保管棚120A、120B、120C、120D、120E、120F、120G、120Hを隙間なく配列した状態で創薬試料ユニット用自動保管庫100内における単位体積当たりの創薬試料ユニットMの収納密度を維持した状態で創薬試料ユニット用自動保管庫100内のスペースに対する創薬試料ユニットMの収容密度を高めるとともに創薬試料ユニット用保管棚120A、120B、120C、120D、120E、120F、120G、120Hに対して創薬試料ユニットMを出し入れする時にのみ間口を形成して間口幅を調整する調整負担を回避し、しかも創薬試料ユニット出入手段を介して創薬試料ユニット用保管棚120A、120B、120C、120D、120E、120F、120G、120Hに対して自動で創薬試料ユニットMを出し入れして作業者の作業負担増大を回避するとともに隣り合った創薬試料ユニット用保管棚毎にリンク機構などの駆動機構を設ける場合に比べて創薬試料ユニット用自動保管庫100全体で創薬試料ユニット用保管棚120A、120B、120C、120D、120E、120F、120G、120Hについて駆動機構の複雑化を回避し、さらに間口幅の調整負担、部品点数増大及び作業負担の回避と創薬試料ユニット用自動保管庫100全体のスペースに対する創薬試料ユニットMの収容密度向上と駆動機構の複雑化回避と間口の確保とを実現すると同時に地震等の災害時に間口を閉じて収納状態の創薬試料ユニットMを保護することができるなど、その効果は甚大である。
【0043】
次に、
図16及び
図17を参照しながら、上述した創薬試料ユニット用自動保管庫100の変形例を説明する。
なお、以下で説明する創薬試料ユニット用自動保管庫200は、上述した創薬試料ユニット用自動保管庫100に比べてカムプレート、カムプレート駆動用アクチュエータ及びカムフォロアの設置位置やカムプレート及びカムプレート駆動用アクチュエータの駆動方向が異なるのみであるため、上述の創薬試料ユニット用自動保管庫の構成要素に対応する部分の符号を100番台から200番台に付け替えるとともに上述の創薬試料ユニット用自動保管庫と比べて異なる特徴的な部分についてのみ詳細に説明する。
【0044】
図16及び
図17に示すように、変形例に係る創薬試料ユニット用自動保管庫200は、ガイドレール210、210のレール長手方向Lに沿って開口する創薬試料ユニット用出入口221をそれぞれ備えた複数の創薬試料ユニット用保管棚220をガイドレール210、210の長手方向Lに沿って移動自在に整列配置していることにより、創薬試料ユニット出入機構250の動作に応じて各創薬試料ユニット用出入口221から創薬試料ユニットMを創薬試料ユニット用保管棚220に収納するとともに取り出すようになっている。
複数の創薬試料ユニット用保管棚220は、ガイドレール210、210のレール長手方向Lに沿って移動自在に整列配置されているとともにその棚側面222に固定設置された左右一対のローラ224、224をガイドレール210、210に遊嵌させた状態でガイドレール210、210のレール長手方向Lに沿って移動自在に構成されている。
【0045】
創薬試料ユニット用自動保管庫200では、複数の創薬試料ユニット用保管棚220の棚誘導面すなわち棚側面222に固定設置されたカムフォロア223を遊動するカム溝131をプレート主面230Sに形成したカムプレート230が、複数の創薬試料ユニット用保管棚220の棚誘導面すなわち棚側面222にプレート主面230Sを対向させた状態で配置され、ガイドレール210、210のレール長手方向Lに直交しているとともにプレート主面230Sに沿ったカムプレート駆動方向Dに沿ってカムプレート230を進退自在に駆動するカムプレート駆動用アクチュエータ240が、カムプレート230に接続され、複数のカム溝231のそれぞれが、上述のカム溝カム131と同様の構成を有している。
【0046】
これにより、創薬試料ユニット用自動保管庫200は、上述の創薬試料ユニット用自動保管庫100と同様に、創薬試料ユニット用保管棚220に対して創薬試料ユニットMを出し入れしない期間に複数の創薬試料ユニット用保管棚220を隙間なく配列した状態で創薬試料ユニット用自動保管庫200内における単位体積当たりの創薬試料ユニットの収納密度を維持した状態で創薬試料ユニット用保管庫200内のスペース全体に対する創薬試料ユニットMの収容密度を高めるとともに創薬試料ユニット用保管棚220に対して創薬試料ユニット220を出し入れする時にのみ間口を形成して間口幅を調整する調整負担を回避し、しかも創薬試料ユニット出入機構250を介して創薬試料ユニット用保管棚220に対して自動で創薬試料ユニットMを出し入れして作業者の作業負担増大を回避するとともに隣り合った創薬試料ユニット用保管棚220毎にリンク機構などの駆動機構を設ける場合に比べて創薬試料ユニット用自動保管庫200全体で創薬試料ユニット用保管棚220について駆動機構の複雑化を回避し、さらに間口幅の調整負担、部品点数増大及び作業負担の回避と創薬試料ユニット用自動保管庫200全体のスペースに対する創薬試料ユニットMの収容密度向上と駆動機構の複雑化回避と間口の確保とを実現すると同時に地震等の災害時に間口を閉じて収納状態の創薬試料ユニットMを保護するようになっている。
【0047】
特に、創薬試料ユニット用自動保管庫200では、棚誘導面としての棚側面222すなわち創薬試料ユニット用保管棚220の側方にカムプレート230及びカムプレート駆動用アクチュエータ240を設置していることにより、創薬試料ユニットMを創薬試料ユニット用保管棚220に収納する収納時や創薬試料ユニット用保管棚220から創薬試料ユニットMを取り出す取り出し時に創薬試料ユニットMの収納及び取り出し作業で発生する塵をカム溝231に付着させないため、創薬試料ユニット用自動保管庫200は、カム溝231内でカムフォロア223を円滑に駆動させた状態で円滑且つ進退自在に創薬試料ユニット用保管棚220を移動させて創薬試料ユニット用保管棚間の間口幅を調整する調整負担をより一層回避するようになっている。
【0048】
なお、カムプレート230及びカムプレート駆動用アクチュエータ240を創薬試料ユニット用保管棚220の天井側すなわち創薬試料ユニット用保管棚220の上側に配置して創薬試料ユニット用保管棚220を移動させてもよいし、創薬試料ユニット用保管棚220の側方に配置された側壁にカムプレート230及びカムプレート駆動用アクチュエータ240を設置した状態で創薬試料ユニット用保管棚220を移動させてもよい。
また、カムプレート230及びカムプレート駆動用アクチュエータ240が創薬試料ユニット用自動保管庫200の設置面側に設置されていないことにより、カムプレート230及びカムプレート駆動用アクチュエータ240に起因して創薬試料ユニット用保管棚220の下側に凹凸面が形成されないため、間口における創薬試料ユニットMの搬送を妨げない効果がある。