特許第5669701号(P5669701)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5669701支援データを送達するための方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5669701
(24)【登録日】2014年12月26日
(45)【発行日】2015年2月12日
(54)【発明の名称】支援データを送達するための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   H04W 48/10 20090101AFI20150122BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20150122BHJP
【FI】
   H04W48/10
   H04W84/12
【請求項の数】19
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-205023(P2011-205023)
(22)【出願日】2011年9月20日
(62)【分割の表示】特願2006-520399(P2006-520399)の分割
【原出願日】2004年7月16日
(65)【公開番号】特開2012-23762(P2012-23762A)
(43)【公開日】2012年2月2日
【審査請求日】2011年10月20日
【審判番号】不服2013-18140(P2013-18140/J1)
【審判請求日】2013年9月19日
(31)【優先権主張番号】60/487,980
(32)【優先日】2003年7月17日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】596008622
【氏名又は名称】インターデイジタル テクノロジー コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(74)【復代理人】
【識別番号】100115624
【弁理士】
【氏名又は名称】濱中 淳宏
(72)【発明者】
【氏名】マリアン ルドルフ
(72)【発明者】
【氏名】テレサ ハンケレル
(72)【発明者】
【氏名】ステファン ジー.ディック
(72)【発明者】
【氏名】シャミン アクバール ラーマン
【合議体】
【審判長】 江口 能弘
【審判官】 佐藤 聡史
【審判官】 加藤 恵一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−298467(JP,A)
【文献】 特開2000−032548(JP,A)
【文献】 特開2002−335255(JP,A)
【文献】 特表2001−512628(JP,A)
【文献】 特開2000−013843(JP,A)
【文献】 特開2001−244990(JP,A)
【文献】 特開2002−171558(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣接するIEEE802.11アクセスポイント(AP)に関連した支援データを提供するように構成されたIEEE802.11APであって、プロセッサを備え、該プロセッサは
隣接するIEEE802.11APに関連する隣接情報を取得し、
前記隣接情報に基づいて支援データを生成し、
指示子が充填されている条件でIEEE802.11ビーコンが支援データを含んでいることを指示する前記指示子を含んだIEEE802.11ビーコンを、IEEE802.11移動局に放送するように構成されていて、前記支援データは、拡張されたビーコンフレームに含まれていてチャネル情報を含み、前記指示子は前記指示子が空である条件で前記IEEE802.11ビーコン内に支援データが存在しないことを指示する
ことを特徴とするIEEE802.11AP。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記拡張されたビーコンフレーム内に、隣接するIEEE802.11APに関連する少なくとも1つのアクセスモードに関した情報を含むように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のIEEE802.11AP。
【請求項3】
前記プロセッサは、少なくとも1つのアクセスモードに関連した情報を放送するように構成されていて、
前記少なくとも1つのアクセスモードは、IEEE802.11アクセスモードを含むことを特徴とする請求項2に記載のIEEE802.11AP。
【請求項4】
前記プロセッサは、少なくとも1つのアクセスモードに関連した情報を放送するように構成されていて、
前記少なくとも1つのアクセスモードは、IEEE802.xx高レート直接シーケンス・スプレッド・スペクトラム(HR−DSSS)モードを含むことを特徴とする請求項2に記載のIEEE802.11AP。
【請求項5】
前記チャネル情報は、前記隣接するIEEE802.11APが見つけられたチャネルを含むことを特徴とする請求項1に記載のIEEE802.11AP。
【請求項6】
前記プロセッサは、隣接したIEEE802.11APと関連した少なくとも1つのIEEE802.11移動局からの隣接情報を介して、前記隣接するIEEE802.11APに関連する隣接情報を取得するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のIEEE802.11AP。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記隣接するIEEE802.11APからの隣接情報を受信するようにさらに構成されていることを特徴とする請求項1に記載のIEEE802.11AP。
【請求項8】
前記プロセッサは、品質メトリックスを含む前記隣接情報を取得するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のIEEE802.11AP。
【請求項9】
前記プロセッサが、基礎的サービスセット(BSS)の物理的重複領域内で動作しているIEEE802.11移動局から、支援データを取得するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のIEEE802.11AP。
【請求項10】
前記指示子は、1ビット長であることを特徴とする請求項1に記載のIEEE802.11AP。
【請求項11】
隣接するIEEE802.11アクセスポイント(AP)に関連した支援データを、IEEE802.11移動局に提供する方法であって、
隣接するIEEE802.11APに関連する隣接情報を取得するステップと、
前記隣接情報に基づいて支援データを生成するステップと、
指示子が充填されている条件でIEEE802.11ビーコンが支援データを含んでいることを指示する前記指示子を含んだIEEE802.11ビーコンを、IEEE802.11移動局に放送するステップであって、前記支援データは、拡張されたビーコンフレームに含まれていてチャネル情報を含み、前記指示子は前記指示子が空である条件で前記IEEE802.11ビーコン内に支援データが存在しないことを指示するステップと
を備えたことを特徴とする方法。
【請求項12】
前記拡張されたビーコンフレームは、隣接するIEEE802.11APに関連する少なくとも1つのアクセスモードに関した情報を含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つのアクセスモードは、IEEE802.11アクセスモードであることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つのアクセスモードは、IEEE802.xx高レート直接シーケンス・スプレッド・スペクトラム(HR−DSSS)モードであることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記チャネル情報は、前記隣接するIEEE802.11APが見つけられたチャネルを含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記隣接するIEEE802.11APに関連する隣接情報を取得するステップは、隣接したIEEE802.11APと関連した少なくとも1つのIEEE802.11移動局から隣接情報を受信するステップを含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記隣接するIEEE802.11APに関連する隣接情報を取得するステップは、
前記隣接するAPからの隣接情報を受信するステップを含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記指示子は、1ビット長であることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項19】
隣接するIEEE802.11アクセスポイント(AP)に関連した支援データを提供するように構成されたIEEE802.11APであって、
隣接するIEEE802.11APに関連する隣接情報を取得し、前記隣接情報に基づいて支援データを生成し、指示子が充填されている条件でメッセージが支援データを含んでいることを指示する前記指示子を含んだ前記メッセージを、IEEE802.11移動局に定期的に放送するように構成されていて、前記支援データは、隣接するIEEE802.11APの数、各隣接するIEEE802.11APの識別、タイミング情報および各IEEE802.11APのアクセスモードに関した情報を含むプロセッサを備えたことを特徴とするIEEE802.11AP。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムに関する。より具体的に言えば、本発明は無線送受信ユニット(WTRU)への支援データ(assistance data)の送達に関する。
【背景技術】
【0002】
初めに図1を参照すると、従来の無線通信システム100が示されている。システム100は、少なくとも1つの無線送受信ユニット(WTRU)102と、アクセスポイント104と、システム100内の通信を制御するためおよびそうでない場合は管理するための少なくとも1つのシステムコントローラ106とを含む。通常、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)タイプシステムでは、ネットワークは図2に示されるように配置することができる。
【0003】
図2では、無線ネットワーク200はシステムコントローラ206と、複数のアクセスポイント214、216と、複数のWTRU212、218とを備える。WTRU212、218は、それぞれのアクセスポイント214、216とグループ化される。これらのグループは一般に、基本サービスセット(BSS)220、222と呼ばれる。複数のBSS220、222は、通常、複数のBSSが一般に拡張サービスセット(ESS)と呼ばれる分散システム(DS)224を介して接続される。好ましくはアクセスポイント214、216は、ネットワーク219を介してシステムコントローラ206に接続される。
【0004】
一般に支援データは、特定のアクセスポイントに関連付けられたWTRUに提供されるか、またはそうでなければ特定のアクセスポイントでアクセス可能な、データである。通常、支援データは、特定のアクセスポイントに隣接するアクセスポイント(すなわち、それぞれのカバレッジ領域が特定のアクセスポイントのカバレッジ領域に隣接するアクセスポイント)に関する任意のタイプの情報に関する任意のタイプのデータを含むことができる。支援データを提供すると、隣接するアクセスポイントの発見/識別に関する不可欠な情報を提供することによって、WTRUのリング/ハンドオーバが容易になる。
【0005】
例を挙げると、支援データは、隣接するWTRUのおよびアクセスポイントの動作周波数、アクセスモード(たとえば、802.11周波数ホッピングスペクトラム拡散(FHSS)/直接シーケンススペクトラム拡散(DSSS)、802.11a、802.11b高レート直接シーケンススペクトラム拡散(HR−DSSS)、その他)、タイミング、隣接する基本サービスセット(BSS)に関するシステム構成情報(たとえば、Ready to Send(RTS)/Clear to Send(CTS)、Point Coordination Function(PCF)、Wired Equivalent Privacy(WEP)、その他)などの、隣接するアクセスポイントに関する情報を含むことができる。
【0006】
現在、支援データはポイントツーポイント(すなわちユニキャスト)信号方式を使用して伝送される。たとえば802xxタイプシステムでは、支援データは隣接情報を含む情報要素(IE)の形で提供される。IEは既存のプローブ応答フレームに組み込まれる。プローブ応答フレームは、通常、WTRUが隣接BSSの発見を試行した場合にWTRUによって伝送されるプローブ要求管理フレームへの回答として、アクセスポイントによって伝送される。しかしながらこの配置構成は、ポイントツーポイント信号方式を使用した支援データ伝送が、結果として大量のネットワークトラフィックを発生させるという点において、非効率的であり、それによって支援データの送信/受信に関してだけでなく、一般的に送信/受信に関しても、大幅な遅延の確率がかなり上昇する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、前述の制限なしにWTRUに支援データを提供するための方法およびシステムを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、支援データを無線送受信ユニット(WTRU)に提供するための方法およびシステムである。支援データは、あるアクセスポイントの隣接アクセスポイントに関する情報を含む。支援データは、マルチキャストおよび/またはブロードキャストタイプの信号方式を使用してWTRUに伝送され、アクセスポイント間でのWTRUのリングおよびハンドオーバを容易にする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】従来の無線通信システムを示すブロック図である。
図2】複数のアクセスポイントおよび複数のWTRUを有する、従来の無線通信システムを示すブロック図である。
図3】本発明に従った無線通信システムを示すブロック図である。
図4】アクセスポイントがそのビーコンを伝送する際の所定倍の時間枠で、アクセスポイントによって伝送される隣接情報を示す図である。
図5】アクセスポイントがその規則的なビーコンを伝送する際の所定倍の時間枠で、拡張ビーコンの形のビーコンと共に伝送される隣接情報を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の特徴および要素について、特定の組合せの好ましい実施形態で説明するが、それぞれの特徴または要素は、単独で(好ましい実施形態の他の特徴および要素を伴わずに)、あるいは、本発明の他の特徴および要素を伴うかまたは伴わない様々な組合せで、使用することができる。
【0011】
本明細書では、無線送受信ユニット(WTRU)は、ユーザ機器、移動局、固定または移動式の加入者ユニット、ページャ、あるいは無線環境で動作可能な任意の他のタイプのデバイスを含むが、これらに限定されるものではない。本明細書で言及される場合、アクセスポイントは、基地局、ノードB、サイトコントローラ、アクセスポイント、または無線環境における任意の他のタイプのインターフェースデバイスを含むが、これらに限定されるものではない。本明細書では、ハンドオーバという用語は、WTRUがアクティブにデータを受信/送信している間にアクセスポイントを変更することを含み、リングという用語は、WTRUがアクティブにデータを受信/送信していない間にアクセスポイントを変更することを含む。本発明はどちらのシナリオにも等しく適用され、これらの用語は、第1のアクセスポイントと密接に関係する(affiliate)か、そうでなければこれと共に動作するWTRUが、第2のアクセスポイントと密接な関係になり、最終的には第1のアクセスポイントとの密接な関係が終了する、という状況を総称的に言い表すものである。
【0012】
一般に本発明では、アクセスポイントは、OAM、アクセスポイント間信号方式、スキャニング、WTRUへのスキャン命令、またはそれらの組合せを使用して支援データを取得し、この情報を単一のメッセージとして複数のWTRUに伝送する。いったん取得されると、アクセスポイントは、他のアクセスポイントと隣接情報を共有することも可能であり、それによってそれらのアクセスポイントはその情報をWTRUに伝送することもできるようになる。
【0013】
次に図3を参照すると、無線通信システム300が示されている。システム300は、少なくとも1つの拡張サービスセット(ESS)を含む。しかしながら本発明を説明するために、図3には2つのESS336、338が示されている。第1のESS336は本発明に従って構成され、システムコントローラ302と、複数のアクセスポイント304、306、308と、複数のWTRU310、312、314とが含まれる。もちろん第1のESS336は、適宜、単一のアクセスポイントで構成することが可能であり、この場合はBSSと呼ぶことができる。第1のESS336のカバレッジ領域全体の輪郭はボールド体で描かれ、カバレッジ領域324、326、328を含む。第2のESS338も、システムコントローラ316と、複数のアクセスポイント318、320、322と、複数のWTRU(図示せず)とを含む。第2のESS338のカバレッジ領域全体には、カバレッジ領域330、332、334が含まれる。
【0014】
本発明では、第1のESS336のアクセスポイント304、306、308は、それぞれ、支援データを取得してそれぞれのWTRUに提供するためのプロセッサ340、342、344を含む。支援データは、WTRUのハンドオーバおよびリングを容易にする。第1のESS336のみは、単に本発明を説明しやすくするために本発明に従って構成されていることに留意されたい。もちろん、ESSまたはBSSとの密接な関係にかかわらず、本発明に従って任意数のアクセスポイントを構成することが可能である。
【0015】
好ましくは支援データ(すなわち隣接リストまたは隣接情報)は、オペレーションおよび保守(OAM)、アクセスポイント間のプロプラエタリー(proprietary)信号方式(すなわち、アクセスポイント間信号方式)、スキャン中のアクセスポイントによって使用されているものを除くチャネルの能動/受動スキャン、および/またはWTRUからの測定レポートによって取得される。隣接情報を取得するために使用される方法は、情報が求められる隣接アクセスポイントに応じて変化することがある。
【0016】
たとえば図3では、アクセスポイント304がアクセスポイント304の同じESS336内にあるアクセスポイント306および308に関する情報を求めている場合、アクセスポイント間信号方式を使用すること、および/または、たとえば、アクセスポイント304、306、308が共通のシステムコントローラ302を共有しているため、アクセスポイント306、308に関する隣接情報がコントローラ302を介してアクセスポイント304に提供できるようになることが好ましい。たとえば、話を簡単にするためにアクセスポイント304、306、308間の直接接続が示されているが、通常は、ESS336を構成するアクセスポイント304、306、308間には図2に示されたような分散ネットワークが提供されるため、アクセスポイント間信号方式が好ましい場合がある。分散ネットワークは直接有線接続を提供し、これによってアクセス間ポイント信号方式が効率良く実行できる。アクセスポイント間信号方式を使用する場合、アクセスポイント間プロトコル(IAPP)を使用することができる。
【0017】
前述のように、アクセスポイント304は、隣接するアクセスポイント306、308から隣接情報を取得するために他のオペレーションを使用することもできる。たとえばアクセスポイント304は、任意の検出されたチャネルに関する隣接情報を取得してその情報のレポートを戻すために、アクセスポイント304によって使用されているチャネルを除いたチャネルをスキャンする旨、WTRU310に命令することができる。アクセスポイント304は、他のチャネル自体をスキャンすることもできる。アクセスポイント304がスキャンしている場合、こうしたスキャンは、WTRU310によって実行されている任意のスキャンとは無関係に、またはこれと一緒に、実行することができる。この実施形態では、受信電力などの品質メトリックを使用して、アクセスポイント304によって取得された測定値と、同じチャネルについてWTRU310によって取得された測定値との間で選択することができる。
【0018】
アクセスポイント304が、偶然にアクセスポイント304のESS336の外部にある隣接するアクセスポイント318に関する情報を取得している場合、スキャンを介して情報を取得することが好ましいことがある。前述のように、アクセスポイント304は(受動的または能動的のいずれかで)スキャンそれ自体を実行するか、または(受動的または能動的のいずれかで)スキャンを実行してレポートを戻すようにWTRU310に命令することができる。もちろんアクセスポイント304は、アクセスポイント318に関する隣接情報を取得するためにスキャンを使用するように限定されているわけではない。アクセスポイント304は、アクセスポイント318に関する情報を、アクセスポイント間信号方式を使用して取得することもできる。
【0019】
アクセスポイント304のプロセッサ340は、好ましくは、前述のように隣接情報を取得するように構成される。もちろん、要望に応じて複数のプロセッサを使用することができる。プロセッサ340によって取得された情報は、必要に応じてメモリ350に格納することができる。さらに、アクセスポイント304のプロセッサ340は、以下で説明するように隣接情報を提供するようにも構成される。
【0020】
前述の様々な方法は、適宜、組み合わせて使用できることに留意されたい。たとえば、アクセスポイント304が最初にオンライン化され、隣接情報が定義されていない場合、それ自体が周囲をスキャンするか、あるいは/ならびに、その数個のWTRU310にスキャンを命じることも可能である。アクセスポイント304がこのスキャンの結果を得ると、この情報を使用して、そのESS336内の他のアクセスポイント306、308に発見を通知することができる。これにより、これらのアクセスポイント306、308によって実行される(何らかのわずかなトラフィックの混乱を生じさせる可能性がある)スキャンの量が最小限になる。この配置構成は、アクセスポイント304がESS324外部のアクセスポイント318に隣接情報を求めている場合、アクセスポイント304の情報がESS324外部のアクセスポイント318、320、322を含んでいない可能性があるため、特に有用である可能性がある。好ましい実施形態では、アクセスポイント304は、始動および隣接情報の発見の後、定期的にスキャン(またはそのWTRUの1つにスキャンを要求)し、隣接情報の状況が変化していないかどうかを確認すべきであることにも留意されたい。
【0021】
アクセスポイント304によって取得された隣接情報は、好ましくは、アクセスポイント304のカバレッジ領域336内で動作するWTRU310に、定期的にブロードキャストまたはマルチキャストされる。次に一例としてWLANを使用する図4を参照すると、特定のBSS内で動作するアクセスポイントおよびWTRUは、すべて単一のチャネル(すなわち周波数)を使用して送信および受信する。図4に示されるように、アクセスポイントは、そのそれぞれのチャネル上で定期的にビーコン402を伝送する。ビーコンが伝送される時間枠は、通常、ビーコンフレームと呼ばれる。ビーコン402は、通常ほぼ100msごとに伝送される。アクセスポイントにとって、取得した隣接情報をビーコンごとにそのWTRUに伝送することは可能であるが、必須ではない。したがって好ましい実施形態では、アクセスポイントは、アクセスポイントがその間にそれらのビーコン402を伝送する所定倍の時間枠で、その隣接情報を伝送するように構成される。この倍数は、要望に応じて設定可能であり、好ましくは、それぞれのアクセスポイントに密接に関連するWTRUの移動度の関数である。
【0022】
例を挙げると、図4では、隣接情報406が特定倍のビーコン間隔でアクセスポイントによって伝送されるように示されている。隣接情報406を伝送している特定のアクセスポイントは、密接に関係するWTRUとチャネルを共有している。したがって、隣接情報が伝送されているビーコン間隔では、アクセスポイントはそのビーコン402の伝送を完了すると、チャネルへのアクセスを再度獲得できるまで所定の時間待機する。この時間は通常、アクセスポイントがそれぞれのWTRUとチャネルへのアクセスについて競合することから、コンテンション位相(contention phase)404と呼ばれる。アクセスポイントはチャネルへのアクセスを獲得すると隣接情報406を伝送し、前述のように隣接アクセスポイントに関する情報がアクセスポイントと密接に関係するWTRUに提供される。
【0023】
隣接情報406は、隣接情報406を伝送しているアクセスポイントと密接に関係するWTRUの所定のグループに、マルチキャストメッセージとして伝送することができる。他の実施形態では、隣接情報406は、伝送中のアクセスポイントと密接に関係するすべてのWTRUにブロードキャストすることができる。アクセスポイントがWTRUに隣接情報406を提供するための努力と平行して、WTRUは、ポイントツーポイントのプローブ要求および/またはチャネルのスキャンを使用することもできることに留意されたい。WTRUはこうした技法を、こうした情報をアクセスポイントから受信するためのバックアップおよび/または補足として実施することができる。
【0024】
隣接情報406は、好ましくは、管理タイプフレーム(すなわち、システム管理情報が伝送されている時間枠中)を使用して伝送される。一実施形態では、使用される管理タイプフレームは、好ましくは、WTRUがポイントツーポイント信号方式を使用して隣接情報を取得する場合に従来技術で使用されるものと同じである。さらに、隣接情報406を受信した後にWTRUで実施される関連付けられたプロシージャも、WTRUの肯定応答を除いて、ポイントツーポイントメッセージのそれと同じである。
【0025】
次に図5を参照すると、本発明の他の実施形態が示されている。この実施形態では、典型的なビーコン信号がエクストラビットと共に構成され、エクストラビットは隣接情報の有無を示す。規則的なビーコンフレームで伝送されるビーコン502は、空の信号ビット506と共に示される。ビーコン502は、通常、アクセスポイントによって規則的なビーコンフレーム内で所定のスケジュールに従って伝送される。隣接情報が送信される周期性は、前述のように、その間にビーコン502が伝送される所定倍の時間枠である。これが、隣接情報がアクセスポイントによってそれのそれぞれのWTRUに伝送されることになる時間である場合、隣接情報508がビーコン502に追加され、それと共に拡張ビーコンフレーム504内で伝送される。このシナリオでは、ビーコン502の信号ビット506は、隣接情報508が拡張ビーコンフレーム504内に存在することを示すようにビットが設定されるという事実を反映するためにソリッド(solid)である。好ましい実施形態では、隣接情報508は情報要素(IE)としてビーコン502に追加される。前述のように、隣接情報508は、1つのアクセスポイントから隣接するアクセスポイントに効率良くハンドオーバする際にWTRUを支援する情報を含む。
【0026】
本発明が任意のタイプの無線通信システムで実施可能であることに留意することは重要である。たとえば本発明は、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)、無線メトロポリタンエリアネットワーク(WMAN)、または任意の他のタイプの無線通信システム/ネットワークで実施可能である。さらに、好ましい実施形態では、本発明の特徴および要素について特定の組合せで説明したが、各特徴または要素は、単独で、あるいは、本発明の他の特徴および要素を伴うかまたは伴わない様々な組合せで、使用することができる。
図1
図2
図3
図4
図5