(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5669702
(24)【登録日】2014年12月26日
(45)【発行日】2015年2月12日
(54)【発明の名称】食器洗浄機
(51)【国際特許分類】
A47L 15/46 20060101AFI20150122BHJP
A47L 15/42 20060101ALI20150122BHJP
【FI】
A47L15/46 Z
A47L15/42 D
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2011-207367(P2011-207367)
(22)【出願日】2011年9月22日
(65)【公開番号】特開2013-66596(P2013-66596A)
(43)【公開日】2013年4月18日
【審査請求日】2013年12月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000176866
【氏名又は名称】三菱電機ホーム機器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085198
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 久夫
(74)【代理人】
【識別番号】100098604
【弁理士】
【氏名又は名称】安島 清
(74)【代理人】
【識別番号】100087620
【弁理士】
【氏名又は名称】高梨 範夫
(74)【代理人】
【識別番号】100125494
【弁理士】
【氏名又は名称】山東 元希
(74)【代理人】
【識別番号】100141324
【弁理士】
【氏名又は名称】小河 卓
(74)【代理人】
【識別番号】100153936
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 健誠
(74)【代理人】
【識別番号】100160831
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 元
(72)【発明者】
【氏名】塙 博之
【審査官】
伊藤 秀行
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭60−048724(JP,A)
【文献】
特開2011−030922(JP,A)
【文献】
特開平07−095952(JP,A)
【文献】
実開平05−005066(JP,U)
【文献】
特開2011−036528(JP,A)
【文献】
特表平10−501064(JP,A)
【文献】
欧州特許出願公開第02201885(EP,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0214873(US,A1)
【文献】
特開2008−011921(JP,A)
【文献】
特表2005−528932(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 15/00−21/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルタを有し洗浄室の底部に設けられた水溜室と、前記洗浄室の外部に設けられて前記水溜室と吸水管で接続され、前記洗浄室内に設けられたノズルに水を圧送するノズル用ポンプとを備え、
前記水溜室とノズル用ポンプとを接続する吸水管の少なくとも一部に透光部を設け、該透光部の外周に発光素子と受光素子からなり前記吸水管内を流れる水の汚れを検出する汚れ検出部を設けると共に、前記吸水管に該吸水管内を流れる前記水の成分を検出する導電率検出部を設け、
少なくとも前記汚れ検出部の検出結果に基いて洗浄工程を終了すると共に、前記洗浄工程の終了時における前記導電率検出部の検出結果に基いて複数回行うすすぎ工程の水量及び時間を設定し、制御することを特徴とする食器洗浄機。
【請求項2】
フィルタを有し洗浄室の底部に設けられた水溜室と、前記洗浄室の外部に設けられて前記水溜室と吸水管で接続され、前記洗浄室内に設けられたノズルに水を圧送するノズル用ポンプとを備え、
前記水溜室とノズル用ポンプとを接続する吸水管の少なくとも一部に透光部を設け、該透光部の外周に発光素子と受光素子からなり前記吸水管内を流れる水の汚れを検出する汚れ検出部を設けると共に、前記吸水管に該吸水管内を流れる前記水の成分を検出する導電率検出部を設け、
少なくとも前記汚れ検出部の検出結果に基いて洗浄工程を終了すると共に、前記洗浄工程に続いて複数回行うすすぎ工程の内の最初のすすぎ工程時における前記導電率検出部の検出結果に基いて残りのすすぎ工程の水量及び時間を設定し、制御することを特徴とする食器洗浄機。
【請求項3】
前記水溜室とノズル用ポンプとを接続する吸水管に、少なくとも一部に透光部を有する連結管を接続し、該連結管の透光部の外周に前記汚れ検出部を設けると共に、該連結管に前記導電率検出部を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の食器洗浄機。
【請求項4】
前記導電率検出部は、円柱状の第1、第2の電極からなり、これら第1、第2の電極を前記吸水管内を流れる水の流れ方向に沿って一直線状に設置したことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の食器洗浄機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、汚れた食器類を自動的に洗浄し、すすいで乾燥する食器洗浄機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、食器洗浄機においては、洗浄やすすぎなどはタイマーを使用して一定時間運転する時間制御であり、使用者は過去の経験によりタイマーの時間を設定して洗浄などを行っていた。そのため、必要以上に電力や水を消費することがあるため、正確に各工程の終了を検知することが要求されていた。
【0003】
このような問題を解決するために、洗浄槽底部に設けた水溜室と、ノズル用ポンプの吸水側との間に設けた吸水管の少なくとも一部の壁面を透光性の材料で形成し、そこに吸水管内を流れる液の光の透過率の変化を検知する発光素子と受光素子を配置し、受光素子の受光量の変化によって洗浄・すすぎ・排水及び乾燥の工程終了を制御するようにした食器洗浄機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭60−48724号公報(第1−3頁、
図1−2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の食器洗浄機は吸水管に発光素子と受光素子を配設し、発光素子からの光が吸水管を流れる洗浄液やすすぎ液などを透過して受光素子が受光する受光量の変化により、洗浄、すすぎ、排水及び乾燥の各工程の終了を制御するようにしたので、従来の経験による各工程時間をタイマー設定する場合に比べて、電力や水の使用量を制御することができる。しかしながら、光の透過度の変化が少ない塩分汚れなどは検出できないため、洗浄工程やすすぎ工程の終了後に食器類に塩分汚れなどが残るという問題点があった。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、洗浄水(及び必要に応じてすすぎ水)の汚れを発光素子と受光素子からなる汚れ検出部によって検出してその検出結果に基いて洗浄工程を制御すると共に、すすぎ水(及び必要に応じて洗浄水)の塩分汚れなどを導電率検出部により検出し、その検出結果に基いて、少なくともすすぎ工程を制御することにより、食器類をより清潔に洗浄すると共に、省エネルギー性を向上することのできる食器洗浄機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る食器洗浄機は、フィルタを有し洗浄室の底部に設けられた水溜室と、洗浄室の外部に設けられて水溜室と吸水管で接続され、洗浄室内に設けられたノズルに水を圧送するノズル用ポンプとを備え、水溜室とノズル用ポンプとを接続する吸水管の少なくとも一部に透光部を設け、該透光部の外周に発光素子と受光素子からなり吸水管内を流れる水の汚れを検出する汚れ検出部を設けると共に、吸水管に該吸水管内を流れる水の成分を検出する導電率検出部を設け、少なくとも汚れ検出部の検出結果に基いて洗浄工程を終了すると共に、
洗浄工程の終了時における導電率検出部の検出結果に基いて
複数回行うすすぎ工程
の水量及び時間を
設定し、制御するようにしたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、少なくとも汚れ検出部の検出結果に基いて洗浄工程を終了し、また、導電率検出部の検出結果に基いてすすぎ工程を制御するようにしたので、すすぎ工程終了後の食器類に塩分汚れなどが残ることがなく、より清潔に食器類を洗浄することができると共に、電力や水の使用を節減できるため省エネルギー性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施の形態1に係る食器洗浄機の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施の形態1]
本発明の実施の形態1に係る食器洗浄機の説明図である
図1において、1は前面が開口された箱状の食器洗浄機本体で、例えば、流し台上に設置され、あるいは流し台に組み込まれており、内部には、上面が開口し、前面側底部に凹状の水溜室6を有する洗浄槽5が、図示しないレールに沿って前面開口部から引き出し可能に収容されている。2は食器洗浄機本体1の前面開口部を開閉する扉、3は扉2の上方において扉2と一体的に設けられ、食器洗浄機の運転を操作する操作部である。
【0011】
7は食器洗浄機本体1内に設けられて洗浄槽5の上面開口部を開閉する内蓋で、洗浄槽5を食器洗浄機本体1から出し入れする際に、洗浄槽5の上部開口部を自動的に開閉するようになっている。8は水溜室6内に設置されて洗浄水を加熱する電気ヒータ、9は水溜室6の上部に着脱可能に設置されたフィルタである。
【0012】
食器洗浄機本体1の底部と洗浄槽5との間の空間部には、ノズル用ポンプ10が設置されており、その吸込み口は吸水管11を介して洗浄槽5の水溜室6に接続され、吐出口は吐出管12を介して、複数の噴出口14を有し、洗浄槽5の底部に回転自在に設置され、噴出口14からの洗浄水の噴出による反力によって回転力が付与されるノズル13に接続されている。
【0013】
15は洗浄槽5の下部の空間部に設置された排水ポンプで、その吸込み口は吸込み管16を介して水溜室6の下部に接続され、吐出口は排水管17を介して食器洗浄機本体1の外部に開口している。なお、ノズル用ポンプ10及び排水ポンプ15は、図示しない制御部によって制御される。
18は洗浄する食器類19が収納され、洗浄槽5内に出し入れ可能に収容された食器かごである。
【0014】
20は水溜室6とノズル用ポンプ10との間において吸水管11に設けられ、吸水管11内を通る洗浄水(又はすすぎ水)の汚れや種類を検知するセンサ部である。
このセンサ部20の構成を
図2、
図3に示す。センサ部20は少なくとも一部に透光部を備えた樹脂材料からなる連結管21を有し、その両端部が吸水管11に接続されている。
【0015】
そして、連結管21の一方の側(図には、下流側の場合が示してある)には、その透光部の外周を包囲するホルダ22が設けられており、ホルダ22には連結管21の中心を通る線上の両側に対向して、発光素子24と、発光素子24からの光を受光して電圧に変換する受光素子25とからなる汚れ検出部23が設けられている。
【0016】
この汚れ検出部23は、発光素子24から連結管21内を流れる洗浄水又はすすぎ水(以下、両者を併せて単に水と記すことがある)を介して受光素子25に向って投光すると、水の汚れが激しい場合は受光素子25の受光量が少なく、したがって出力電圧も低く、水があまり汚れていない場合は受光素子25の受光量が多く、したがって出力電圧が高くなるので、この出力電圧の変化から水の概略の汚れ状態を検出するようにしたものである。
【0017】
26は連結管21の他方の側(図には、汚れ検出部23の上流側の場合が示してある)において、第1の電極27aと第2の電極27bが連結管21の管壁を貫通し、その一部が管内に位置して軸方向(水の流れ方向)に沿って並設され、両電極27a,27b内を水が通過するように構成した一対の電極27a,27bからなる導電率検出部である。
【0018】
この導電率検出部26は、第1、第2の電極27a,27b間に電圧を印加し、両電極27a,27bの間を流れる水の導電率を検出するようにしたものである。すなわち、塩分などの成分が多い場合は水の抵抗が大きいため導電率が低く、これらの成分が少ない場合は導電率が高いので、導電率の変化により水に含まれる塩分などによる概略の汚れの程度を検知するものである。なお、汚れ検出部23及び導電率検出部26は制御部に接続されている。
【0019】
次に、上記のように構成した食器洗浄機の作用について説明する。
先ず、扉2を開いて洗浄槽5を手前(前面開口部側)に引くと、これと連動して内蓋7が上昇して上面開口部を開放し、洗浄槽5をレールに沿って食器洗浄機本体1から引き出すことができる。この状態で、洗浄槽5の上面開口部から食器かご18内に汚れた食器類19を収納し、再び食器洗浄機本体1内に押し込んで収容し、扉2を閉じる。このとき、洗浄槽5の押し込みと連動して内蓋7が下降し、上面開口部を閉塞する。
【0020】
ついで、操作部3を操作し、給水口(図示せず)から洗浄槽5内に水(洗浄水)を給水する。給水された洗浄水は水溜室6内に溜り、水位が電気ヒータ8の上面程度に達すると、自動的に給水が終了する。なお、必要に応じて水溜室6内の洗浄水に洗剤を投入し、また、電気ヒータ8に通電して水溜室6内の洗浄水を加熱し温水にしてもよい。
【0021】
次に、ノズル用ポンプ10を駆動して、水溜室6内の洗浄水を矢印で示すようにノズル13に圧送し、噴出口14から噴射させる。これにより、ノズル13は噴出口14からの洗浄水の噴射による反力によって回転し、洗浄水を汚れた食器類19に向って噴射することにより、食器類19に付着した汚れが落される。
【0022】
食器類19の洗浄によって汚物が混入した洗浄水は、洗浄槽5の底部に落下し、水溜室6に流入する。このとき、フィルタ9により汚物が捕捉されて、比較的きれいな洗浄水がノズル用ポンプ10により再びノズル13に圧送され、食器類19を洗浄する。以後、この作用を繰り返す(洗浄工程)。
【0023】
この洗浄工程において、当初は食器類19に付着した汚物が混入しているため、洗浄水は大変汚れている(濁っている)ので、前述のように、汚れ検出部23の発光素子24から受光素子25に到達する光量が少なく、受光素子25の出力電圧は低い。このように、受光素子25の出力電圧は、洗浄水の汚れが激しいほど受光量が少ないため低く、かつ変動が大きく、洗浄が進んで洗浄水の汚れが少なくなると受光量が増加して出力電圧が高くなり、かつ変動も少なくなる。
【0024】
また、センサ部20に設けた導電率検出部26の第1、第2の電極27a,27bにも連結管21内を流れる洗浄水が流入し、洗浄水中に導電率などを変化させる塩分などの成分がどの程度含まれているかが検出され、塩分などの成分が多いときは導電率が低く、かつ変化が大きい。また、これらの成分が少ないときは導電率が高く、かつ変化は小さい。
【0025】
よって、洗浄工程においては、汚れ検出部23の受光素子25の出力電圧の変化により洗浄水の概略の汚れの程度を検知し、出力電圧の変化が小さくなったとき(又はあらかじめ設定した設定値に達したとき)は食器類19の汚れが落ちたと判断し、洗浄工程を終了する。なお、このとき、汚物が付着したフィルタ9を適宜取り出して清掃する。
【0026】
洗浄工程が終了したときは排水ポンプ15を駆動し、水溜室6内の汚れた洗浄水を排水管17を介して外部に排出し(排水工程)、次の食器類19のすすぎ(すすぎ工程)に移行する。
【0027】
次のすすぎ工程においては、再び給水口から水(すすぎ水)が給水され、洗浄工程の場合と同様に、ノズル用ポンプ10からノズル13にすすぎ水が圧送され、噴出口14から洗浄された食器類19にすすぎ水を噴射し、すすぎを行う。
所定時間経過したときはすすぎを中止してすすぎ水を排水し、再び給水口からすすぎ水を給水して食器類19のすすぎを行う。このようなすすぎ工程と排水工程は、複数回繰り返される。
【0028】
本実施の形態においては、汚れ検出部23の受光素子25の出力電圧の変化が小さくなったとき(又は、設定値に達したとき)は洗浄工程を終了するが、同時に洗浄工程の終了時における導電率検出部26の導電率の変化による塩分汚れなどの概略汚れを検知しておき、この検知結果に基づいて次のすすぎ工程の水量、時間などを設定し、制御する。
【0029】
上記の設定に基いてすすぎ工程が終了したときは、すすいだ食器類19を乾燥する乾燥工程に移行する。乾燥工程においては、水溜室6内に設けた電気ヒータ8により洗浄槽5内の空気を加熱し、乾燥送風ファン(図示せず)により加熱された温風を洗浄槽5内を循環させ、食器類19を乾燥する。
【0030】
乾燥工程が終ったときは、ある時間経過したのち(食器類19が冷えたのち)、適宜食器洗浄機本体1から洗浄槽5を引き出し、洗浄し乾燥された食器類19を食器かご18から取り出す。
【0031】
[実施の形態2]
実施の形態1においては、汚れ検出部23の検出結果に基いて洗浄工程を終了し、このときの導電率検出部26の検出結果に基いて次のすすぎ工程の水量、時間等を設定する場合を示したが、本実施の形態においては、すすぎ工程の初期において、洗浄した食器類19をすすいだすすぎ水の汚れ状態(すすぎ水に含まれる塩分等)をセンサ部20の導電率検出部26による導電率によって検知する。このとき、すすぎ水の汚れがひどいとき、すなわち、含まれる塩分等が多い場合は導電率が低くかつ変動が大きく、少ない場合は導電率が高くかつ変動が小さくなるので、導電率の変化によりすすぎ水の概略の汚れを検知し、以後のすすぎ工程の水量、時間等を設定し、制御する。
【0032】
上記の説明では、洗浄工程においては、汚れ検出部23の出力電圧の変化(又は設定値に達したとき)に基づいて洗浄工程を終了させる場合を示したが、導電率検出部26の導電率の変化の両者によって洗浄工程を終了してもよい。
【0033】
また、すすぎ工程においては、導電率検出部26の導電率の変化に基づいて、すすぎ工程の水量、時間等を設定し、制御する場合を示したが、汚れ検出部23の出力電圧の変化によるすすぎ水の汚れの検知結果を併用してもよい。
【0034】
また、上記の説明では、水溜室6とノズル用ポンプ10を持続する吸水管11に、少なくとも一部に透光部を備えた連結管21を連結し、この連結管21に汚れ検出部23及び導電率検出部26を設けた場合を示したが、連結管21を省略し、吸水管11の一部に透光部を設けて、吸水管11に直接汚れ検出部23及び導電率検出部26を設けてもよい。
さらに、上記の説明では、
図1の食器洗浄機に本発明を実施した場合を示したが、これに限定するものではなく、他の構造の食器洗浄機にも本発明を実施することができる。
【0035】
本発明によれば、発光素子24と受光素子25からなる汚れ検出部23を、フィルタ9を有し洗浄槽5の底部に設けた水溜室6と、ノズル用ポンプ10の吸込み口とを接続する吸水管11に設け、吸水管11を流れる洗浄水の汚れを検知するようにしたので、洗浄中の食物等の残りかすにより食器洗浄機に誤動作を生ずることがなく、精度よく洗浄工程などを制御することができる。
【0036】
また、汚れ検出部23をノズル用ポンプ10の吸込み口側に設けたので、ノズル用ポンプ10によって発生した泡の影響を受けることがなく、発光素子24からの光を受光素子25が確実に受光することができると共に、ノズル用ポンプ10の水路損失がなく、洗浄液をノズル13に確実に圧送することができる。
【0037】
さらに、上記吸水管11に、この吸水管11内に一部が挿通された一対の電極27a、27bからなる導電率検出部26の両電極27a,27b内を流れるすすぎ水の導電率の変化により、すすぎ水に含まれる塩分等の汚れを検出し、その導電率の変化に基いて以後のすすぎ工程の水量、時間等を設定するようにしたので、すすぎ工程終了後の食器類19に塩分汚れなどがなく、より清潔に洗浄することができ、また電力や水などを浪費することがなく、省エネルギー性を実現することができる。
【0038】
また、導電率検出部26は、一体の電極27a,27bを吸水管11内を流れるすすぎ水(又は洗浄水)の流れ方向に沿って一直線上に設置したので、吸水管11の流れを遮る断面積を極力小さくすることができ、水路損失が少なく、さらに一対の電極27a、27bを円柱状に形成したので、汚れ物が引っ掛かる不都合をなくすことができる。
【符号の説明】
【0039】
1 食器洗浄機本体、2 扉、3 操作部、5 洗浄槽、6 水溜室、7 内蓋、8 電気ヒータ、9 フィルタ、10 ノズル用ポンプ、11 吸水管、12 吐出管、13 ノズル、14 噴出口、15 排水ポンプ、16 吸込み管、17 排水管、20 センサ部、21 連結管、22 ホルダ、23 汚れ検出部、24 発光素子、25 受光素子、26 導電率検出部、27a 第一の電極、27b 第2の電極。