(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記その他の酸化物としては、酸化イットリウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、希土類酸化物、またはそれらのあらゆる組み合わせが挙げられる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の被覆研磨物品または方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
化学合成ルートによるかまたはバルク材料加工ルート(たとえば、融解および粉砕)によるなどの、研磨粒子形成は、かなりよく開発された、成熟した技術分野と考えられる。しかし、この業界は、高められた機械加工性能および増加した寿命を提供することができるさらにもっと改善された微粒子材料を要求し続けている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ある実施形態においては、被覆研磨物品は、裏地と、バインダーでこの裏地に取り付けられた融解アルミナ−ジルコニア砥粒とを含むことができる。この融解アルミナ−ジルコニア砥粒は
、35重量%
〜45.5重量%のZrO
2+HfO
2、43.7重量%
〜65重量%のAl
2O
3、0.8重量%未満のSiO
2およ
び10重量%未満のその他の酸化物を含むことができる。ある特定の実施形態においては、この被覆研磨物品は、少なくと
も105の2.3材料除去率(MRR)摩耗等級を有することができる。別の特定の実施形態においては、被覆研磨物品は、少なくと
も110の5.9MRR摩耗等級を有することができる。さらに別の特定の実施形態においては、融解アルミナ−ジルコニア砥粒は、以下の条件:
砥粒の少なくと
も97
重量%が1400μmスクエアメッシュ篩を通過せず、砥粒の多くと
も20重量%が2360μmスクエアメッシュ篩を通過せず、そして緩充填密度
が2.18
〜2.43である;
砥粒の少なくとも約96
重量%が1000μmスクエアメッシュ篩を通過せず、砥粒の多くと
も3重量%が1700μmスクエアメッシュ篩を通過せず、そして緩充填密度
が2.04
〜2.26である;
砥粒の少なくと
も92重量%が600μmスクエアメッシュ篩を通過せず、砥粒の多くと
も18重量%が850μmスクエアメッシュ篩を通過せず、そして緩充填密度
が1.94
〜2.17である;
砥粒の少なくとも50%が1mm
2当たり少なくとも約500の団塊を含有する、砥粒の5%以下が包有物を含有し、砥粒の少なくと
も92重量%が425μmスクエアメッシュ篩を通過せず、砥粒の多くと
も18重量%が600μmスクエアメッシュ篩を通過せず、そして緩充填密度
が1.85
〜2.05である;
砥粒の少なくとも50%が1mm
2当たり少なくとも約500の団塊を含有する、砥粒の5%以下が包有物を含有し、砥粒の少なくと
も96重量%が300μmスクエアメッシュ篩を通過せず、砥粒の多くと
も7重量%が500μmスクエアメッシュ篩を通過せず、そして緩充填密度
が1.83
〜2.00である;
砥粒の少なくとも50%が1mm
2当たり少なくと
も500の団塊を含有する、砥粒の5%以下が包有物を含有し、砥粒の少なくと
も96重量%が250μmスクエアメッシュ篩を通過せず、砥粒の多くと
も3重量%が425μmスクエアメッシュ篩を通過せず、そして緩充填密度が少なくと
も1.86以上、1.93以下である;
砥粒の少なくとも50%が1mm
2当たり少なくと
も500の団塊を含有する、砥粒の5%以下が包有物を含有し、砥粒の少なくと
も96重量%が150μmスクエアメッシュ篩を通過せず、砥粒の多くと
も3重量%が250μmスクエアメッシュ篩を通過せず、そして緩充填密度
が1.79
〜1.93である
の少なくとも1つに適合することができる。
【0006】
別の実施形態においては、被覆研磨物品の形成方法は、コーティングを裏地に適用する工程と、融解アルミナ−ジルコニア砥粒をこの研磨コーティングに適用する工程とを含むことができる。この融解アルミナ−ジルコニア砥粒は、約35重量%〜約45.5重量%のZrO
2+HfO
2、約43.7重量%〜約65重量%のAl
2O
3、約0.8重量%未満のSiO
2および約10重量%未満のその他の酸化物を含むことができる。融解アルミナ−ジルコニア砥粒は、上にリストされた条件(1)〜(7)の1つに適合することができる。
【0007】
本開示は、添付の図面を参照することによってより良く理解することができるし、その多数の特徴および利点を当業者に明らかにすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ある実施形態においては、融解アルミナ−ジルコニア砥粒は、約35重量%〜約45.5重量%のZrO
2+HfO
2、約43.7重量%〜約65重量%のAl
2O
3、約0.8重量%未満のSiO
2、および約10重量%未満のその他の酸化物を含むことができる。融解アルミナ−ジルコニア砥粒は、以下の条件:
砥粒の少なくとも約97%が1400μmスクエアメッシュ篩を通過せず、砥粒の多くとも約20重量%が2360μmスクエアメッシュ篩を通過せず(粒度分析上の条件C1)、そして緩充填密度が約2.18〜約2.43、好ましくは少なくとも約2.22および約2.36以下である(比重分析上の条件D1);
砥粒の少なくとも約96%が1000μmスクエアメッシュ篩を通過せず、砥粒の多くとも約3重量%が1700μmスクエアメッシュ篩を通過せず(粒度分析上の条件C2)、そして緩充填密度が約2.04〜約2.26、好ましくは少なくとも約2.08および約2.17以下である(比重分析上の条件D2);
砥粒の少なくとも約92重量%が600μmスクエアメッシュ篩を通過せず、砥粒の多くとも約18重量%が850μmスクエアメッシュ篩を通過せず(粒度分析上の条件C3)、そして緩充填密度が約1.94〜約2.17、好ましくは少なくとも約1.98および約2.05以下である(比重分析上の条件D3);
砥粒の少なくとも50%が1mm
2当たり少なくとも約500の団塊を含有する、砥粒の5%以下が包有物を含有し、砥粒の少なくとも約92重量%が425μmスクエアメッシュ篩を通過せず、砥粒の多くとも約18重量%が600μmスクエアメッシュ篩を通過せず(粒度分析上の条件C4)、そして緩充填密度が約1.85〜約2.05、好ましくは少なくとも約1.89および約1.91以下である(比重分析上の条件D4);
砥粒の少なくとも50%が1mm
2当たり少なくとも約500の団塊を含有する、砥粒の5%以下が包有物を含有し、砥粒の少なくとも約96重量%が300μmスクエアメッシュ篩を通過せず、砥粒の多くとも約7重量%が500μmスクエアメッシュ篩を通過せず(粒度分析上の条件C5)、そして緩充填密度が約1.83〜約2.00、好ましくは少なくとも約1.86および約1.97以下である(比重分析上の条件D5);
砥粒の少なくとも50%が1mm
2当たり少なくとも約500の団塊を含有する、砥粒の5%以下が包有物を含有し、砥粒の少なくとも約96重量%が250μmスクエアメッシュ篩を通過せず、砥粒の多くとも約3重量%が425μmスクエアメッシュ篩を通過せず(粒度分析上の条件C6)、そして緩充填密度が少なくとも約1.82および少なくとも約1.95、好ましくは少なくとも約1.86および約1.93以下である(比重分析上の条件D6);
砥粒の少なくとも50%が1mm
2当たり少なくとも約500の団塊を含有する、砥粒の5%以下が包有物を含有し、砥粒の少なくとも約96重量%が150μmスクエアメッシュ篩を通過せず、砥粒の多くとも約3重量%が250μmスクエアメッシュ篩を通過せず(粒度分析上の条件C7)、そして緩充填密度が約1.79〜約1.93、好ましくは少なくとも約1.83および約1.91以下である(比重分析上の条件D7)
の少なくとも1つに従った緩充填密度(LPD)を有することができる。
【0011】
米国特許第5,161,696号明細書の教示に反して、本発明者らは、砥粒の寿命を増加させるための長くされた形態を示す砥粒の量を増加させることは十分ではない可能性があることを発見した。本発明者らは、この影響が砥粒の化学組成に依存し得ること、および決められた組成について、混合物の緩充填密度とその粒度分析分布との間の正確な相関が不可欠であり得ることを発見した。
【0012】
ある特定の実施形態においては、融解アルミナ−ジルコニア砥粒は、約40重量%〜45.5重量%、約42重量%〜約44重量%さえなどの、約38重量%〜約45.5重量%のZrO
2+HfO
2、および約43.7重量%〜約60重量%、約45.2重量%〜約58重量%さえなどの、約43.7重量%〜約62重量%のAl
2O
3を含むことができる。
【0013】
別の特定の実施形態においては、その他の酸化物としては、融解アルミナ−ジルコニア砥粒の約10重量%未満の添加物を挙げることができる。添加物としては、酸化イットリウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、希土類酸化物、またはそれらのあらゆる組み合わせを挙げることができる。希土類酸化物としては、ネオジム、ランタン、セリウム、ジスプロシウム、エルビウム、またはそれらのあらゆる組み合わせの酸化物を挙げることができる。特に、融解アルミナ−ジルコニア砥粒は、約0.4重量%〜0.6重量%などの、約0.1重量%〜約1.2重量%のY
2O
3を含むことができる。さらに、融解アルミナ−ジルコニア砥粒は、約3.0重量%未満のTiO
2、約0.4重量%未満のSiO
2、および約1.2重量%未満の不純物を含むことができる。さらに、TiO
2は、約0.2重量%未満、約0.15重量%未満さえなどの、約0.5重量%未満の量で存在することができる。一般に、TiO
2が存在するとき、TiO
2は、少なくとも約0.01重量%の量で存在することができる。
【0014】
さらに、条件(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)または(7)に相当する砥粒は、砥粒の分野において一般に用いられる、the European Federation of the Manufacturers of Grittingsの、グリットF10については標準FEPA Standard 42−GB 1984、R 1993に従って、およびグリットP16、P24、P36、P40、P50またはP80については標準FEPA Standard 43−GB 1984、R 1993に従って測定される、それぞれ、グリットF10、P16、P24、P36、P40、P50、またはP80を表すことができる。
【0015】
好ましくは、融解アルミナ−ジルコニア砥粒は、包有物を含有する約2%未満などの、約5%未満の砥粒を含む。さらに、砥粒の、少なくとも約80%、90%さえなどの、少なくとも約50%は、1mm
2当たり少なくとも約500の団塊を含有する。たとえば、融解アルミナ−ジルコニア砥粒のこのような混合物は、仏国特許第2,872,157号明細書に記載されている。本明細書において使用されるところでは、「mNZP」は、仏国特許第2,872,157号明細書に記載されているような砥粒を意味する。
【0016】
本発明者らは、上の条件(1)〜(7)がmNZP融解アルミナ−ジルコニア砥粒の寿命を増加させ得ることを発見した。この寿命は、現行砥粒の混合物から出発して得られるものより30%、40%、50%さえ高いものであることができる。
【0017】
ある実施形態においては、融解アルミナ−ジルコニア砥粒の少なくとも約50%、好ましくは少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約99%さえが、1mm
2当たり500の団塊より高い団塊の濃度を有することができる。さらに、団塊の濃度は、1mm
2当たり約600〜約3500の団塊であることができる。好ましくは、団塊の濃度は、1mm
2当たり少なくとも約900の団塊であることができる。さらに、団塊の濃度は、約2000以下の団塊/mm
2、約1500以下の団塊/mm
2さえなどの、1mm
2当たり約2500以下の団塊であることができる。さらに、融解アルミナ−ジルコニア砥粒の約5%未満、好ましくは約4%未満、約2%未満さえが包有物を有することができる。さらに、mNZP砥粒の約1.5%未満が包有物を含有することができる。融解アルミナ−ジルコニア砥粒の約20%〜45%が一次ジルコニアを含むことができる。融解アルミナ−ジルコニア砥粒の0〜約20%、好ましくは0〜約10%が一次コランダムを含むことができる。
【0018】
ある実施形態においては、融解アルミナ−ジルコニア砥粒は、仏国特許第2,872,157号明細書に記載されているような融解アルミナ−ジルコニア砥粒の1つ以上の特性に適合することができる。
【0019】
別の特定の実施形態においては、500μm〜600μmの範囲のサイズを有するmNZP砥粒の約2%未満、好ましくは1.5%が包有物を含むことができ、500μm〜600μmの範囲のサイズを有するmNZP砥粒の約20%〜45%が一次ジルコニアを含有することができるおよび/または500μm〜600μmの範囲のサイズを有するmNZP砥粒の0〜約20%が一次コランダムを含有することができる。
【0020】
ある実施形態においては、被覆研磨物品は、バインダーで裏地に取り付けられたまたは裏地上に層で堆積され、バインダーによって保持された上記の複数の融解アルミナ−ジルコニア砥粒を含むことができる。被覆研磨物品は、少なくとも約105の2.3MRR摩耗等級を有することができる。さらに、被覆研磨物品は、約110の5.9MRR摩耗等級を有することができる。
【0021】
ある特定の実施形態においては、被覆研磨物品は、24グリット研磨物品であることができる。24グリット研磨物品は、少なくとも約165、少なくとも約180さえなどの、少なくとも約150の2.3MRR摩耗等級を有することができる。さらに、24グリット研磨物品は、少なくとも約225立方インチ、少なくとも約280立方インチさえなどの、少なくとも約170立方インチの2.3MRR摩耗体積を有することができる。あるいは、24グリット研磨物品は、少なくとも約160、少なくとも約180さえなどの、少なくとも約140の5.9MRR摩耗等級を有することができる。さらに24グリット研磨物品は、少なくとも約220立方インチ、少なくとも約250立方インチさえなどの、少なくとも約180立方インチの5.9MRR摩耗体積を有することができる。
【0022】
別の特定の実施形態においては、被覆研磨物品は、36グリット研磨物品であることができる。36グリット研磨物品は、少なくとも約120、少なくとも約130さえなどの、少なくとも約110の2.3MRR摩耗等級を有することができる。さらに、36グリット研磨物品は、少なくとも約175立方インチ、少なくとも約200立方インチさえなどの、少なくとも約150立方インチの2.3MRR摩耗体積を有することができる。あるいは、36グリット研磨物品は、少なくとも約135、少なくとも約150さえなどの、少なくとも約120の5.9MRR摩耗等級を有することができる。さらに36グリット研磨物品は、少なくとも約130立方インチ、少なくとも約150立方インチさえなどの、少なくとも約110立方インチの5.9MRR摩耗体積を有することができる。
【0023】
別の特定の実施形態においては、被覆研磨物品は、40グリット研磨物品であることができる。40グリット研磨物品は、少なくとも約115、少なくとも約135さえなどの、少なくとも約110の2.3MRR摩耗等級を有することができる。さらに、40グリット研磨物品は、少なくとも約145立方インチ、少なくとも約155立方インチさえなどの、少なくとも約135立方インチの2.3MRR摩耗体積を有することができる。あるいは、40グリット研磨物品は、少なくとも約130など、少なくとも約120の5.9MRR摩耗等級を有することができる。さらに40グリット研磨物品は、少なくとも約70立方インチ、少なくとも約75立方インチさえなどの、少なくとも約65立方インチの5.9MRR摩耗体積を有することができる。
【0024】
砥粒の混合物の緩充填密度(LPD)は、規定の体積中に含有される砥粒の質量を増加させることを狙った圧力の適用なしの、前述の質量である。LPDは、標準ANSI B74.4−1992に従って測定される。
【0025】
本発明による混合物の砥粒の酸化物含有率は、最も安定な酸化物の形状で表される、各相当する化学元素についての全含有率を意味する。
【0026】
本明細書において定義されるところでは、「不純物」は、原材料とともに故意ではなく導入された望ましくない成分を意味する。具体的には、不純物としては、酸化物、窒化物、オキシ窒化物、炭化物、オキシ炭化物、炭窒化物、ならびにナトリウムおよびその他のアルカリ金属、鉄、バナジウム、およびクロムの金属化学種を挙げることができる。たとえば、不純物としては、Fe
2O
3またはNa
2Oを挙げることができる。さらに、不純物としては、残存炭素を挙げることができる。しかし、ジルコニアと一緒に導入された、酸化ハフニウムは、典型的には不純物と見なされない。
【0027】
融解によって得られる生成物において、HfO
2はZrO
2と典型的には化学的に分離できない。このような生成物の化学組成において、ZrO
2+HfO
2はこのように、これらの2つの酸化物の全含有率を示す。しかし、HfO
2は、出発装入材料中に自発的に添加されなくてもよい。HfO
2はこのように、一般に2%より低い含有率でジルコニアの素材源中に必然的に存在する微量の酸化ハフニウムを示すことができる。したがって、ZrO
2+HfO
2またはZrO
2は、ジルコニアの量を示すために同じ意味で用いることができる。
【0028】
本明細書において使用されるところでは、「添加物」は、融解アルミナ−ジルコニア砥粒の製造のために、特にジルコニアを安定化させるために使用される添加物、具体的に酸化イットリウムおよび酸化チタンを意味する。さらに、添加物としては、マグネシウム、カルシウム、および希土類、特にネオジム、ランタン、セリウム、ジスプロシウム、およびエルビウムの酸化物を挙げることができる。添加物としてはまた、前記の化学種の混合物を挙げられる。
【0029】
ある実施形態においては、砥粒は、共晶構造の形成を支援するために約35重量%〜約45.5%の範囲の量のZrO
2+HfO
2を含む。好ましくは、砥粒のジルコニアは、単斜晶形よりもむしろその二次同素形で主として存在する。
【0030】
用語「団塊」は、その主成分が金属もしくは金属合金(一般に、Al、Zr、もしくはZrSi)であるかまたは炭化物もしくは炭化物の組み合わせ(一般にZrCもしくはAlC)であり、そしてそのサイズが10μmを超えない粒子を意味する。団塊は、実質的に球形の、別々の粒子(互いに分離した)の形態で主として存在する。団塊濃度は、砥粒の横断面積の1mm
2当たりの団塊の数である。
【0031】
用語「包有物」は、その主成分が炭化物または炭化物の組み合わせ、一般にZrCであり、10μmより大きいサイズを有する粒子を意味する。包有物は、互いに接触した粒子の連続または塊からなる、細長い形態で主として存在する。粒子はそれぞれ、主成分として炭化物または炭化物の組み合わせを有する。包有物を含有する砥粒の含有率は、少なくとも1つの包有物を含有する砥粒の数による百分率である。
【0032】
団塊のまたは包有物の「サイズ」は、研磨片の観察面において測定されるその最大寸法で定義される。
【0033】
用語「一次ジルコニア」は通常、その主成分がジルコニアである樹枝状結晶を意味する。一次ジルコニア率は、一次ジルコニアを有する研磨片上の砥粒の百分率である。
図7に示されるように、一次ジルコニアは、顕微鏡下に淡灰色に見える。
【0034】
用語「一次コランダム」は通常、その主成分がアルミナである樹枝状結晶を意味する。
図6に示されるように、一次コランダムは、顕微鏡下に暗灰色に見える。一次コランダム率は、一次コランダムを有する研磨片上の砥粒の百分率である。
【0035】
用語「樹枝状結晶」は、成長後に得られる、そしてフラクタル幾何学または擬フラクタル幾何学を有する結晶を意味する。
【0036】
用語「主成分」は、最高の含有率を有する成分を意味する。一般におよび制限的であるものではなく、この質量含有率は50%より高く、80%よりさらに高い。
【0037】
用語「融解した」は一般に、メルトの冷却による固化によって得られる固体砥粒(または生成物)に関する。「メルト」は、幾らかの、しかし液体マスを構築するのに不十分な量の固体粒子を含有することができる液体マスである。その形を保持するために、メルトは容器中に包含されなければならない。
【0038】
本説明においては、特に述べられる場合を除き、砥粒の組成はすべて、砥粒の全質量に基づいて、質量百分率単位で与えられる。
【0039】
砥粒は、最終選別工程がそれに追加される、融解アルミナ−ジルコニア砥粒のあらゆる従来の製造方法によって製造されてもよい。たとえば、従来法は通常、次の工程を含む:原材料を混合する工程、電気アーク炉中で融解させる工程、融解液の急冷、ミルにかける工程、および、任意選択的に、グリットサイズ分布に従った分類。
【0040】
融解アルミナ/ジルコニア砥粒の特性は、プロセスパラメータにしかしまた強く炉の幾何学およびその環境(煙道ガス収集、原材料など)にそれ自体依存する、融解液の熱挙動に依存する。プロセスパラメータの値はそれ故、これらの工程の終わりに本発明に従った砥粒の混合物を得るために、用いられる炉、使用される原材料などによって決定される。パラメータは、たとえば、下の実施例について用いられる方法の値を取ってもよい。
【0041】
砥粒は、アルミナ−ジルコニア砥粒の従来の製造方法に従って製造することができる。たとえば、
段階D)の終わりに得られる混合物の砥粒が本発明に従った化学組成に一致する化学組成を有するように選択された原材料を混合し、
混合された原材料を、たとえばアーク炉中で、液体まで融解させ、
固体マスを得るまで、好ましくは融解液が3分未満で固化するように、液体を冷却することによって固め、
特にローラー破砕機を用いて、固体マスを破砕して砥粒の混合物を得、
たとえばサンプリングによって、砥粒の団塊の濃度および包有物を含有する砥粒の百分率を測定し、そして必要ならば、B)および/またはC)のパラメータを修正し、A)〜D)を繰り返し、
任意選択的に、段階D)で得られた砥粒を篩にかけ、ならびに
砥粒が段階D)または段階F)の終わりに条件(1)〜(7)の少なくとも1つに適合していることを測定する。砥粒が前記の条件に適合しない場合、砥粒は、それが前記の条件と一致するように、たとえば破砕するおよび/または追加して篩にかけるかまたは異なる特性を示す砥粒と混合することによって修正することができる。
【0042】
ある実施形態においては、条件(1)〜(7)の少なくとも1つに適合しない砥粒は、匹敵する特質(組成、微細構造)の、および(前述の粒度分析上の条件を保持するための)同じ粒度分析上の条件に適合するが、平均して、異なるモルフォロジを示す追加の砥粒と組み合わせることができる。たとえば、平均して、より長くされた形態を示す砥粒のこのような混合物の添加は、緩充填密度を低下させることを可能にする。
【0043】
別の実施形態においては、砥粒は、平均モルフォロジを修正するために破砕することができる。たとえば、ローラー破砕機通過は、長くされた砥粒の割合を増加させ、こうして緩充填密度を低下させる。しかし、破砕は砥粒のサイズを低下させ、前述の粒度分析上の条件に従わない砥粒の混合物をもたらし得る。
【0044】
ある実施形態においては、融解アルミナ−ジルコニア砥粒は、砥粒を基材の表面上に接着させるために使用される樹脂材料と組み合わせることができる。砥粒を樹脂接合材料と組み合わせる方法は、静電気引力によってかまたは単に重力によって(たとえば、基材上にまき散らされて)、または違った処理経路で砥粒を樹脂被覆基材上に配置する工程、砥粒、樹脂およびその他の添加物がその中に一緒に組み合わせられ、そして基材上にコートされるスラリーを形成する工程を含む。
【0045】
樹脂被覆基材上への砥粒の配置、すなわち一般に先ず基材上への「メイクコート」の堆積、そのメイクコート上への凝結体の適用、そして「サイズコート」のその後の堆積は、当該技術分野においてよく理解されている。任意選択的に、スーパーサイズコートがサイズコート一面に堆積されてもよい。さらに、コンプライアントコートがメイクコートと基材との間に配置されてもよい。別の例においては、バックコートがメイクコートの反対側で基材一面に配置されてもよい。コート層は、フェノール樹脂、アクリルラテックス、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリシロキサン、シリコーン、酢酸セルロース、ニトロセルロース、天然ゴム、デンプン、セラック、およびそれらの混合物などの、ポリマー樹脂材料を含むことができる。さらに、様々なコートは、KBF
4、合成氷晶石、炭酸カルシウム、当該技術分野において公知のその他の好適な充填剤、またはそれらのあらゆる組み合わせを含む、様々な充填剤を含むことができる。
【0046】
基材のスラリーコーティングに関連して、砥粒に加えて、スラリーは一般にまた、水または有機溶媒などの溶媒およびポリマー樹脂材料を含む。好適なポリマー樹脂材料としては、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリシロキサン、シリコーン、酢酸セルロース、ニトロセルロース、天然ゴム、デンプン、セラック、およびそれらの混合物が挙げられる。スラリーは、融解アルミナ−ジルコニア砥粒を基材上へ接合するように設計されたバインダー系を形成するためのその他の成分をさらに含んでもよい。スラリー組成物は、たとえば、高剪断ミキサーを用いて十分に混合される。
【0047】
融解アルミナ−ジルコニア砥粒を含有するスラリーは、コーティングを形成するためのブレードスプレッダを用いて基材に適用することができる。あるいは、スラリーコーティングは、スロットダイ、グラビア、またはリバースグラビアコーティング法を用いて適用されてもよい。コーティング厚さは、乾燥後に、厚さ約1〜約5ミルの範囲であってもよい。基材が所望のコート速度でブレードスプレッダ下に供給されるとき、融解アルミナ−ジルコニア砥粒スラリーは、所望の厚さで基材に適用される。コート速度は好ましくは約10〜約40フィート毎分である。
【0048】
被覆基材は次に、樹脂を硬化させ、そして凝結体砥粒を基材に接合するために加熱される。一般に、被覆基材は、この硬化プロセス中に約100℃〜約150℃未満の温度に加熱される。本開示のある種の実施形態においては、硬化工程は約130℃未満の温度で実施されることが好ましい。
【0049】
樹脂が硬化させられ、そして融解アルミナ−ジルコニア砥粒が基材に接合されたら、被覆基材は、様々な研磨用途に使用することができる。
【0050】
本開示のある代わりの実施形態においては、砥粒は、基材へ直接組み入れられてもよい。たとえば、凝結体がポリエステル樹脂と混合され、凝結体とポリマーとのこの混合物が次に成形されて基材にされてもよい。
【0051】
本開示のさらに代わりの実施形態においては、砥粒は、接着剤でコートされた基材に適用され、次にシールされてもよい。このコーティング技術は、伝統的なサンドペーパーのために典型的に用いられるものと類似しており、上に記載されている。この実施形態においては、砥粒は好ましくは混合されてスラリーにされない。その代わりに、砥粒を含有する研磨粉末が、既に接着剤、すなわちメイクコートが適用された基材上へ好ましくは供給され、サイズコートによるシーリングがこれに続く。任意選択的に、基材は、コンプライアントコートまたはバックコートで前処理されてもよい。
【0052】
本開示の代わりの実施形態においては、融解アルミナ−ジルコニア砥粒は、電気めっき、電気−静電気スプレー塗装およびスプレー粉体塗装法によって基材またはその他の材料に適用することができる。
【実施例】
【0053】
以下の非限定的な実施例は、本発明を例示する目的で与えられる。
【0054】
団塊の濃度、包有物率、一次ジルコニア率、および一次コランダム率は、写真の目視検査によって測定される。写真(
図4〜7)は、Visilog(登録商標)ソフトウェアを備えた画像解析ステーションに連結されたReichert(登録商標)顕微鏡を用いて得られる。測定は、透明な有機樹脂中に埋め込まれた砥粒からなる円筒構成単位の、「研磨」と呼ばれる、研磨片、直径25mmに関して実施される。研磨に組み込まれる砥粒は、下の表1に明示されるなどの、条件(1)〜(7)の関数であるサイズを有する:
【0055】
【表1】
【0056】
顕微鏡下で、団塊は輝灰色として見える(
図4を参照されたい)。団塊の濃度を評価するために、顕微鏡は、表1に明示されるような倍率G1に調整される。団塊の存在を示す、多くとも10μmのサイズを有する輝白色点の数がカウントされる。1mm
2当たりの団塊の数は、観察された区域の表面積で団塊の数を割ることによって得られる。団塊の濃度は、3つの測定値の平均に基づいて決定される。
【0057】
顕微鏡下で、包有物は輝灰色として見える(
図5を参照されたい)。包有物率を評価するために、顕微鏡は、表1に明示されるような倍率G2に調整される。少なくとも1つの目に見える包有物を有する砥粒がカウントされる。計数は、研磨の全直径25mm表面にわたって行われる。少なくとも10μmのサイズを有する高炭素起源の輝くスポットが少なくとも見られるときに砥粒は包有物を含むと見なされる。包有物率は、少なくとも1つの包有物を有する砥粒の百分率によって与えられる。
【0058】
一次コランダム率を測定するために、顕微鏡は、表1に明示されるような倍率G3に調整される。少なくとも100の砥粒がカウントされるまで、少なくとも1つの一次コランダムを含む砥粒の数と一次コランダムを含まない砥粒の数とがカウントされる。少なくとも1つの一次コランダム樹枝状結晶が見られるときに砥粒は一次コランダムを有すると見なされる。一次コランダム率は、一次コランダムを含有する砥粒の百分率である。
【0059】
一次ジルコニアを測定するために、顕微鏡は、表1に明示されるような倍率G3に調整される。少なくとも100の砥粒がカウントされるまで、少なくとも1つの一次ジルコニア樹枝状結晶を含む砥粒の数と一次ジルコニアを含まない砥粒の数とがカウントされる。少なくとも1つの一次ジルコニア樹枝状結晶が見られるときに砥粒は一次ジルコニアを有すると見なされる。一次ジルコニア率は、一次ジルコニアを含有する砥粒の百分率である。
【0060】
実施例1
試料1は、米国特許第4,457,767号明細書に記載されているように製造された融解アルミナ−ジルコニア砥粒をベースとしており、「標準NZP」と言われる。
【0061】
試料2は、仏国特許第2,872,157号明細書に記載されているように製造された融解アルミナ−ジルコニア砥粒をベースとしており、「標準mNZP」と言われる。
【0062】
試料3は、NZP砥粒の混合物から出発して得られるが、条件(1)〜(7)の少なくとも1つに適合し、「弱NZP」と言われる。
【0063】
試料4は、mNZP砥粒の混合物から出発して得られるが、条件(1)〜(7)の少なくとも1つに適合し、「弱mNZP」と言われる。
【0064】
実施例に示される生成物は、以下の原材料から出発して製造した:
0.3重量%未満の水酸化ナトリウムの含有率のBayer(登録商標)低カ焼アルミナ
mNZP砥粒のために使用される98重量%より高いZrO
2+HfO
2含有率のジルコニア
NZP砥粒のために使用される85重量%より高いZrO
2+HfO
2含有率のジルコニア
石油コークス
金属アルミニウム小片
【0065】
添加物として使用される、酸化イットリウムは、98%超の酸化イットリウムを含有する純物質として供給する。
【0066】
図3の表は、試験される砥粒の化学組成および緩充填密度を提供する。
【0067】
生成物は、当業者に周知の従来法に従って製造する:原材料の混合;直径0.8mの炉容器、105〜150Vの電圧、2200〜2500Aの電流および装入物の1kg当たり2.2〜2.8kWhの供給比電力を用いる、グラファイト電極のHeroult型の単相電気アーク炉中での溶融。炉の状態に依存して、最低0.5%(3%以下)の石油コークス、および約0.5〜5.5%のアルミニウム小片を装入組成物へ導入する。融解液を次に、特許米国特許第3,993,119号明細書に示されているものなどの、薄い金属プレート間にこの液をキャストするための装置を用いて急冷する。
【0068】
比較試料1および2については、固体マスを破砕し、それらの粒度分布(標準FEPA)に従って分類する。
【0069】
試料
3および
4については、それぞれ、NZPおよびmNZPの固体マスを、ジョー破砕機を用いて破砕し、次に4メッシュ(4760ミクロン)の篩を用いてフィルターにかける。それぞれ、篩を通過した、NZPおよびmNZPの砥粒を、60kg/時の流量および2.5バールの真空の圧力で、ワンパスで、CLEROモデルBLC 200×200ローラー破砕機で破砕する。2つのローラーが接触している。それぞれ、NZPおよびmNZPの砥粒を次に、所望の異なるグリットを得るために好適な篩付きのSWECO、モデル600 LS 24 S 544分離器を用いてフィルターにかける。試料
3および
4を条件(1)〜(7)の1つに関してコントロールする。
【0070】
実施例2
融解アルミナ−ジルコニア砥粒の寿命を評価するために、融解アルミナ−ジルコニアを研磨ベルト上に固定し、次の標準化された手順に従って試験した。2.3MRR摩耗等級および2.3MRR摩耗体積は、304グレードのステンレススチールの1/4インチ×1インチ×8インチのブロックを、1分当たり7500表面送りの速度で動作する2インチ幅、132インチ長さの被覆研磨ベルトを用いて研削することによって測定する。ロボットは、各ブロック端を1.5秒間2.3立方インチ/分/インチの一定の金属除去速度で(1/4インチ×1インチ端)上に供給する。追加のブロックを、ブロックの1つ上に軽焼が検出されるまで連続して供給する。軽焼は、軽焼標準との比較によって判断する。2.3MRR摩耗体積は、軽焼を達成する前に除去される材料の体積を計算することによって測定し、2.3MRR摩耗等級は、同じグリットサイズの標準NZP砥粒を使用する実質的に同一の被覆研磨物品と比べて軽焼の前に除去される体積の百分率である。同様に、5.9MRR摩耗等級および5.9MRR摩耗体積は、5.9立方インチ/分/インチの一定の金属除去速度を用いて測定する。5.9MRR摩耗体積は、軽焼を達成する前に除去される材料の体積を計算することによって測定し、5.9MRR摩耗等級は、同じグリットサイズの標準NZP砥粒を使用する実質的に同一の被覆研磨物品と比べて軽焼の前に除去される体積の百分率である。
【0071】
試料5、6、7、および8は、試料1、2、3、および4の適切なサイズにした砥粒をそれぞれ、メイクコートでコートされた裏地に静電気的に適用することによって製造された24−グリット研磨ベルトである。砥粒の適用後に、物品をサイズコートおよびスーパーサイズコートでコートする。試験結果を表2に示す。
【0072】
【表2】
【0073】
試料9、10、11、および12は、試料1、2、3、および4の適切なサイズにした砥粒をそれぞれ、メイクコートでコートされた裏地に静電気的に適用することによって製造された36−グリット研磨ベルトである。砥粒の適用後に、物品をサイズコートおよびスーパーサイズコートでコートする。試験結果を表3に示す。
【0074】
【表3】
【0075】
試料13、14、15、および16は、試料1、2、3、および4の適切なサイズにした砥粒をそれぞれ、メイクコートでコートされた裏地に静電気的に適用することによって製造された40−グリット研磨ベルトである。砥粒の適用後に、物品をサイズコートおよびスーパーサイズコートでコートする。試験結果を表4に示す。
【0076】
【表4】
【0077】
表4は、教示的な米国特許第5,161,696号明細書に反して、低下したLPDを有する砥粒(弱砥粒)が標準砥粒と比較して寿命を改善しない可能性があることを示す。具体的には、P36粒度分析について、弱NZPは、標準NZPと比べて実質的に類似の寿命を有する。
【0078】
表2〜4はまた、研磨剤に関して寿命改善を得るための粒度分析分布の重要性を示す。P24粒度分析については、弱NZPは、標準NZPと比較して大幅に改善された寿命を有するが、P36粒度分析については、寿命は実質的に同様である。
【0079】
NZP砥粒およびmNZP砥粒の性能の比較は、化学組成および微細構造のかなりの影響を示す。
【0080】
5.9MRR試験については、弱砥粒対標準砥粒の比較は、24−グリット研磨剤に関してはNZP砥粒について1.44倍およびmNZP砥粒について1.55倍の改善;36グリット研磨剤に関してはNZP砥粒について1.03倍およびmNZP砥粒について1.41倍の改善;そして40グリット研磨剤に関してはmNZP砥粒について1.86倍の改善を示す。
【0081】
砥粒の形状の変化の影響はNZP砥粒については可変であるが、この影響は、mNZP砥粒については一貫して正であり、さらに著しく正である。意外にも、本発明者らはこうして、組成物の特性と形態との間の真の相乗効果を際立たせた。この相乗効果を得るために、しかし、形態の判断基準は粉末の粒度分析に適応しなければならない。
【0082】
同様に、2.6MMR試験については、弱砥粒対標準砥粒の比較は、24−グリット研磨剤に関してはNZP砥粒について1.89倍およびmNZP砥粒について1.77倍の改善;36グリット研磨剤に関してはNZP砥粒について1.04倍およびmNZP砥粒について1.41倍の改善;そして40グリット研磨剤に関してはmNZP砥粒について1.71倍の改善を示す。
【0083】
本発明者らはこのように、所与の化学組成について砥粒の緩充填密度および粒度分析分布の両方に制限を課すと、性能を改善できることを発見した。ある実施形態においては、本融解アルミナ−ジルコニア砥粒は増加した寿命を有することができ、特に、標準融解アルミナ−ジルコニア砥粒より30%、40%、50%さえも高い寿命を有することができる。
【0084】
先行する明細書においては、コンセプトは、具体的な実施形態に関連して記載されてきた。しかし、当業者は、様々な修正および変更が下の特許請求の範囲に述べられるような本発明の範囲から逸脱することなく行われ得ることを十分理解する。したがって、本明細書および図は、限定的意味でよりもむしろ例示的意味で考えられるべきであり、すべてのこのような修正は、本発明の範囲内に含まれることを意図される。
【0085】
利益、その他の利点、および問題の解決策は、具体的な実施形態に関して上に記載されてきた。しかし、利益、利点、問題の解決策、およびあらゆる利益、利点、または解決を発生させるまたはより顕著になるようにさせる可能性があるあらゆる特徴は、特許請求の範囲のいずれかまたはすべての決定的に重要な、必要な、または不可欠な特徴と解釈されるべきではない。
【0086】
本明細書を読んだ後で、当業者は、明確にするために、別個の実施形態の文脈の中で本明細書に記載されるある種の特徴がまた、ただ一つの実施形態において組み合わせで提供されてもよいことを十分理解するであろう。逆に、簡潔にするために、ただ一つの実施形態の文脈の中で記載される様々な特徴はまた、別々にまたはあらゆる副次的組み合わせで提供されてもよい。さらに、範囲で述べられる値への言及は、当該範囲内の各値およびすべての値を含む。