特許第5669854号(P5669854)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5669854調整送信を利用する基地局にフィードバックデータを送信するための方法及び装置、並びに調整送信スキームを利用する基地局及びフィードバックデータを送信する移動通信端末を備えたシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5669854
(24)【登録日】2014年12月26日
(45)【発行日】2015年2月18日
(54)【発明の名称】調整送信を利用する基地局にフィードバックデータを送信するための方法及び装置、並びに調整送信スキームを利用する基地局及びフィードバックデータを送信する移動通信端末を備えたシステム
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/10 20090101AFI20150129BHJP
   H04W 28/16 20090101ALI20150129BHJP
【FI】
   H04W24/10
   H04W28/16
【請求項の数】18
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-537460(P2012-537460)
(86)(22)【出願日】2010年7月19日
(65)【公表番号】特表2013-510492(P2013-510492A)
(43)【公表日】2013年3月21日
(86)【国際出願番号】IB2010053272
(87)【国際公開番号】WO2011055238
(87)【国際公開日】20110512
【審査請求日】2013年6月11日
(31)【優先権主張番号】61/259,595
(32)【優先日】2009年11月9日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502188642
【氏名又は名称】マーベル ワールド トレード リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ゴマダム、クリシュナ、スリカンス
(72)【発明者】
【氏名】エレル、アドラム
(72)【発明者】
【氏名】イエリン、ダニエル
【審査官】 桑原 聡一
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2009/116471(WO,A1)
【文献】 NTT DOCOMO,Views on Scalable CSI Feedback for DL CoMP in LTE-Advanced[online], 3GPP TSG-RAN WG1#58b R1-094243,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_58b/Docs/R1-094243.zip>,2009年10月12日
【文献】 NTT DOCOMO,Views on Single-Cell CSI Feedback Enhancement for DL MU-MIMO in LTE-Advanced[online], 3GPP TSG-RAN WG1#58b R1-094241,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_58b/Docs/R1-094241.zip>,2009年10月12日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24−7/26
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動通信端末において、調整送信スキームで協働する少なくとも第1および第2の基地局から、それぞれ第1および第2の通信チャネルを介して送信される信号を受信し、受信した前記信号に基づいて、前記第1および第2の通信チャネルの各チャネル評価値を算出する段階と、
前記第1および第2の通信チャネルの前記各チャネル評価値を示す第1および第2のフィードバックデータを、前記第1のフィードバックデータが第1のデータサイズを有し、前記第2のフィードバックデータが前記第1のデータサイズと異なる第2のデータサイズを有するように作成する段階と、
前記第1および第2のフィードバックデータを、前記移動通信端末から、前記第1および第2の基地局の少なくとも1つに送信する段階と
を含み、
前記第1および第2のフィードバックデータを作成する段階は、前記第1の基地局により生じる第1の干渉が前記第2の基地局により生じる第2の干渉より強いことを識別すると、前記第1のフィードバックデータを第1のデータサイズで算出し、前記第2のフィードバックデータを前記第1のデータサイズより小さい第2のデータサイズで算出する段階を含む方法。
【請求項2】
前記第1および第2のフィードバックデータを作成する段階は、前記第1のフィードバックデータに、前記第2のフィードバックデータには含められない少なくとも1つのフィードバックパラメータを含める段階を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1および第2のフィードバックデータを作成する段階は、前記第1のフィードバックデータを第1の量子化により表し、前記第2のフィードバックデータを前記第1の量子化とは異なる第2の量子化により表す段階を含む請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1および第2のフィードバックデータを作成する段階は、前記第1のフィードバックデータを第1のスペクトル分解能で算出し、前記第2のフィードバックデータを前記第1のスペクトル分解能とは異なる第2のスペクトル分解能で算出する段階を含む請求項1から3の何れか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1および第2のフィードバックデータを送信する段階は、前記第1のフィードバックデータを第1の更新レートで送信し、前記第2のフィードバックデータを前記第1の更新レートとは異なる第2の更新レートで送信する段階を含む請求項1から4の何れか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1および第2のフィードバックデータを作成する段階は、前記第1および第2の通信チャネルについて、第1および第2の異なる階数を有する第1および第2のチャネル行列を算出する段階を含む請求項1からのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1および第2のフィードバックデータを作成する段階は、前記第1のフィードバックデータを前記第1の通信チャネルの前記各チャネル評価値と定義し、前記第2のフィードバックデータを前記第2の通信チャネルの前記各チャネル評価値の陰関数(implicit function)と定義する段階を含む請求項1からのいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
別の移動通信端末において、前記第1の基地局から第3の通信チャネルを介して信号を受信し、前記第3の通信チャネル用の第3のフィードバックデータを、前記第3のフィードバックデータが前記第1のデータサイズと異なる第3のデータサイズを有するように作成し、前記第3のフィードバックデータを前記別の移動通信端末から前記第1および第2の基地局の少なくとも前記1つに送信する段階をさらに含む請求項1からのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
調整送信スキームで協働する少なくとも第1および第2の基地局から、第1および第2の通信チャネルを介して送信される信号を受信する受信機と、
前記受信した信号に基づいて前記第1および第2の通信チャネルの各チャネル評価値を算出し、前記第1および第2の通信チャネルの前記各チャネル評価値を示す第1および第2のフィードバックデータを、前記第1のフィードバックデータが第1のデータサイズを有し、前記第2のフィードバックデータが前記第1のデータサイズと異なる第2のデータサイズを有するように作成する処理回路と、
前記第1および第2のフィードバックデータを前記第1および第2の基地局の少なくとも1つに送信する送信機と
を含み、
前記第1の基地局により生じる第1の干渉が前記第2の基地局により生じる第2の干渉より強いことを識別すると、前記処理回路は、前記第2のデータサイズが前記第1のデータサイズより小さくなるようにする装置。
【請求項10】
前記処理回路は、前記第1のフィードバックデータに、前記第2のフィードバックデータには含められない少なくとも1つのフィードバックパラメータを含める請求項に記載の装置。
【請求項11】
前記処理回路は、前記第1のフィードバックデータを第1の量子化により表し、前記第2のフィードバックデータを前記第1の量子化とは異なる第2の量子化により表す請求項又は10に記載の装置。
【請求項12】
前記処理回路は、前記第1のフィードバックデータを第1のスペクトル分解能で算出し、前記第2のフィードバックデータを前記第1のスペクトル分解能とは異なる第2のスペクトル分解能で算出する請求項から11の何れか1項に記載の装置。
【請求項13】
前記処理回路は、前記第1のフィードバックデータを第1の更新レートで生成し、前記第2のフィードバックデータを前記第1の更新レートと異なる第2の更新レートで生成する請求項から12の何れか1項に記載の装置。
【請求項14】
前記処理回路は、前記第1および第2の通信チャネルについて、第1および第2の異なる階数を有する第1および第2のチャネル行列を算出することにより前記第1および第2のフィードバックデータを作成する請求項から13のいずれか1項に記載の装置。
【請求項15】
前記処理回路は、前記第1のフィードバックデータを前記第1の通信チャネルの前記各チャネル評価値と定義し、前記第2のフィードバックデータを前記第2の通信チャネルの前記各チャネル評価値の陰関数(implicit function)と定義する請求項から14のいずれか1項に記載の装置。
【請求項16】
請求項から15の何れか1項に記載の装置を含む移動通信端末。
【請求項17】
請求項から15の何れか1項に記載の装置を含む、移動通信端末において信号を処理するチップセット。
【請求項18】
調整送信スキームで協働し、移動通信端末に信号を送信する少なくとも第1および第2の基地局と、
前記第1および第2の基地局から、それぞれ第1および第2の通信チャネルを介して前記信号を受信し、受信した前記信号に基づいて前記第1および第2の通信チャネルの各チャネル評価値を算出し、前記第1および第2の通信チャネルの前記各チャネル評価値を示す第1および第2のフィードバックデータを作成し、前記第1のフィードバックデータを第1のデータサイズで、前記第2のフィードバックデータを前記第1のデータサイズと異なる第2のデータサイズで前記第1および第2の基地局の少なくとも1つに送信する移動通信端末と
を備え、
前記第1の基地局により生じる第1の干渉が前記第2の基地局により生じる第2の干渉より強いことを識別すると、前記通信端末は、前記第2のデータサイズが前記第1のデータサイズより小さくなるようにするシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に通信システムに関し、特に、通信チャネルに関するフィードバックを提供するための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
[関連出願の相互参照]
本願は、2009年11月9日に出願された米国仮特許出願第61/259,595号の利益を主張し、当該仮特許出願の開示内容を本明細書に参照として取り込む。
【0003】
多重入出力(MIMO)通信システムのいくつかでは、協働送信スキーム(cooperative transmission schemes)を使用しており、複数の基地局が、ビーム形成およびプリコーディングに関する決定を互いに調整している。調整送信(coordinated transmission)を、調整ビーム形成または調整マルチポイント(CoMP)とも呼ぶ。協働送信は、たとえば、スリージーピーピー(3GPP)によって規定されたロング・ターム・エボリューション(LTE)とも呼ばれる次世代ユニバーサル地上無線アクセス(E−UTRA)仕様に準拠するシステム用に考慮されている。LTEのための協働ビーム形成は、たとえば、3GPP技術仕様グループ(TSG)無線アクセスネットワーク(RAN)文書R1−093488(タイトル「LTEスペクトル効率とIMT−発展要件」深川、中国、2009年8月24日から28日:本文書を本明細書に参照として取り込む)に記載されている。
【0004】
調整送信スキームでは、移動体端末から基地局にフィードバックされる通信チャネルに関するフィードバックがよく使用される。調整送信のためのフィードバック・スキームの例が、3GPP TSG RAN文書R1−092634(タイトル「空間的共分散フィードバックに基づくCoMPと調整SU/MUビーム形成の性能結果」ロサンゼルス、カリフォルニア、2009年6月29日から7月3日:本文書を本明細書に参照として取り込む)に記載されている。
【0005】
3GPP TSG RAN文書R1−093474(タイトル「DL MU−MIMOによる調整ビーム形成」深川、中国、2009年8月24日から28日:本文書を本明細書に参照として取り込む)には、長期広帯域送信共分散行列に基づく調整ビーム形成によるマルチユーザーMIMO(MU−MIMO)スキームが記載されている。
【0006】
CoMPスキームは、LTE−発展型(LTE−A)システム用にも考慮されている。フィードバックを参照するLTE−A用のCoMPスキームの例が、3GPP TSG RAN文書R1−093833(タイトル「いくつかのDL CoMPスキームのシステム性能比較」宮崎、日本、2009年10月12日から16日:本文書を本明細書に参照として取り込む)に記載されている。3GPP TSG RAN文書R1−093132(タイトル「LTE−AのDL性能:FDD」深川、中国、2009年8月24日から28日:本文書を本明細書に参照として取り込む)には、周波数分割双方向(FDD)を使用したCoMPによるLTE−A MU−MIMOスキームが記載されている。3GPP TSG RAN文書R1−093109(タイトル「DL CoMPを支援するフィードバック:一般的見解」深川、中国、2009年8月24日から28日:本文書を本明細書に参照として取り込む)には、LTE−AシステムにCoMPを実装するためのフィードバック設計に関するいくつかの選択肢が記載されている。
【0007】
本明細書で提供されるバックグラウンドの記載は、本明細書の開示の背景を概略的に提示することを目的としている。この背景技術に記載された範囲のここに名前を挙げた発明者の研究、及びこの背景技術に記載されなかったならば出願の時点で先行技術として適さないかもしれない記載の側面は、明示的にも黙示的にも、本明細書の開示に対する先行技術と自認したものではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書に記載する実施形態は、移動通信端末で使用される方法を提供する。方法は、調整送信スキームで協働する少なくとも第1および第2の基地局から、それぞれ第1および第2の通信チャネルを介して送信される信号を受信する段階を含む。受信した信号に基づいて、通信チャネルの各チャネル評価値を算出する。第1および第2の通信チャネルの各チャネル評価値を示す第1および第2のフィードバックデータを、第1のフィードバックデータが第1のデータサイズを有し、第2のフィードバックデータが第1のデータサイズと異なる第2のデータサイズを有するように作成する。第1および第2のフィードバックデータを、移動通信端末から、基地局の少なくとも1つに送信する。
【0009】
ある実施形態では、第1および第2のフィードバックデータを作成するとき、第1のフィードバックデータに、第2のフィードバックデータには含められない少なくとも1つのフィードバックパラメータを含める。別の実施形態では、第1および第2のフィードバックデータを作成するとき、第1のフィードバックデータを第1の量子化により表し、第2のフィードバックデータを第1の量子化と異なる第2の量子化により表す。さらに別の実施形態では、第1および第2のフィードバックデータを作成するとき、第1のフィードバックデータを第1のスペクトル分解能で算出し、第2のフィードバックデータを第1のスペクトル分解能と異なる第2のスペクトル分解能で算出する。
【0010】
開示される実施形態では、第1および第2のフィードバックデータを送信するとき、第1のフォードバックデータを第1の更新レートで送信し、第2のフィードバックデータを第1の更新レートと異なる第2の更新レートで送信する。別の実施形態では、第1の基地局が、移動通信端末が受発信を行うときに経由するサービング基地局として指定されている場合、第1および第2のフィードバックデータを作成するとき、第2のデータサイズが第1のデータサイズより小さくなるようにする。さらに別の実施形態では、第1および第2のフィードバックデータを作成するとき、第1の基地局により生じる第1の干渉が、第2の基地局により生じる第2の干渉より強いことが識別されると、第1のフィードバックデータを第1のデータサイズで算出し、第2のフィードバックデータを第1のデータサイズより小さい第2のデータサイズで算出する。
【0011】
いくつかの実施形態では、第1および第2のフィードバックデータを作成するとき、第1および第2の通信チャネルについて、第1および第2の異なる階数を有する第1および第2のチャネル行列をそれぞれ算出する。ある実施形態では、第1および第2のフィードバックデータを作成するとき、第1のフィードバックデータを第1の通信チャネルの各チャネル評価値として定義し、第2のフィードバックデータを第2の通信チャネルの各チャネル評価値の陰関数(implicit function)として定義する。別の実施形態では、方法は、別の移動通信端末において、第1の基地局から第3の通信チャネルを介して信号を受信し、第3の通信チャネル用の第3のフィードバックデータを、第3のフィードバックデータが第1のデータサイズと異なる第3のデータサイズを有するように作成し、第3のフィードバックデータを当該別の移動通信端末から基地局の少なくとも1つに送信する段階を含む。
【0012】
本明細書に記載の実施形態によると、受信機と、送信機と、処理回路とを含む装置がさらに提供される。受信機は、調整送信スキームで協働する少なくとも第1および第2の基地局から、それぞれ第1および第2の通信チャネルを介して送信される信号を受信する。処理回路は、受信した信号に基づいて通信チャネルの各チャネル評価値を算出し、第1および第2の通信チャネルの各チャネル評価値を示す第1および第2のフィードバックデータを、第1のフィードバックデータが第1のデータサイズを有し、第2のフィードバックデータが第1のデータサイズと異なる第2のデータサイズを有するように作成する。送信機は、第1および第2のフィードバックデータを基地局の少なくとも1つに送信する。ある実施形態では、移動通信端末は、本明細書に記載の装置を含む。別の実施形態では、移動通信端末で信号を処理するチップセットは、本明細書に記載の装置を含む。
【0013】
本明細書に記載の実施形態によると、少なくとも第1および第2の基地局と、移動通信端末とを備えるシステムがさらに提供される。基地局は、調整送信スキームで協働し、移動通信端末に信号を送信する。移動通信端末は、第1および第2の基地局から、それぞれ第1および第2の通信チャネルを介して信号を受信し、受信した信号に基づいて通信チャネルの各チャネル評価値を算出し、第1および第2の通信チャネルの各チャネル評価値を示す第1および第2のフィードバックデータを作成し、第1のフィードバックデータを第1のデータサイズで、第2のフィードバックデータを第1のデータサイズと異なる第2のデータサイズで基地局の少なくとも1つに送信する。
【0014】
本発明のより一層の理解は、本発明の実施形態について図面を参照して記載された以下の詳細な説明から得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本明細書に記載の実施形態に係る調整送信および非対称フィードバックを利用する通信システムを概略的に示すブロック図である。
図2】本明細書に記載の実施形態に係る調整送信および非対称フィードバックを利用する通信方法を概略的に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
協働送信スキームのいくつかでは、基地局は、通信チャネル特性についてのフィードバックを移動通信端末から収集し、当該フィードバックに基づいてダウンリンクの送信を構成する。実際に考えうる状況の多くにおいては、ネットワークの様々な端末から送信されるフィードバックの量は、アップリンクの帯域幅のかなりの部分を占め、したがってシステムの容量と性能を低下させるおそれがある。
【0017】
以下、本明細書に記載される実施形態では、協働送信を利用する基地局に移動通信端末からフィードバックを送るための改良された方法およびシステムが提供される。これらの方法およびシステムでは、所定の端末が多数の通信チャネルを介して多数の基地局からダウンリンク信号を受信し、当該多数のチャネル用のフィードバックデータを生成する。端末は、これら基地局のうち少なくとも1つに、通常は当該端末のサービング基地局に、フィードバックデータを送信する。基地局は、フィードバックデータに基づいて各々のダウンリンク送信を構成する。
【0018】
開示される実施形態では、端末は、1つの通信チャネル用のフィードバックデータを所定のデータサイズで作成し、別の通信チャネル用は別のデータサイズで作成する。つまり、端末は、少なくとも2つのチャネル用のフィードバックデータを違うデータサイズになるように作成する。不均一な、もしくは非対称なデータサイズのフィードバックデータを生成する技術のいくつかの例が本明細書に記載される。異なるチャネル用のフィードバックデータは、たとえば、フィードバックパラメータの個数もしくは性質(identity)、量子化レベル、スペクトル分解能、および/または更新レートが異なるものであってよい。
【0019】
いくつかの実施形態では、端末はどのチャネルがサイズの大きいフィードバックデータを受信し、どのチャネルがサイズの小さいフィードバックデータを受信するかを、所定の選択基準にしたがって選択する。選択基準のいくつかの例が本明細書に記載される。通常、端末に対する影響(たとえば、干渉)が大きいチャネルがサイズの大きいフィードバックデータを受信し、その逆もしかりである。いくつかの実施形態では、異なる端末間で不均一なデータサイズを使用する。つまり、2つの端末がデータサイズの異なるフィードバックデータを送信してもよい。
【0020】
開示される技術によって、端末は、全チャネル用に固定データサイズで妥協せざるを得ないのではなく、通信チャネルごとにフィードバックデータのデータサイズ(したがって精度)を調整することができるようになる。その結果、必要とされるところに高精度のフィードバックが提供され、その他のチャネルには小さいサイズのフィードバックデータが送信されるようになる。したがって、フィードバック送信に使用される平均アップリンク帯域幅がかなり削減され、フィードバック性能の低下もほぼ生じない。
【0021】
図1は、本明細書に記載の実施形態に係る、調整送信および非対称フィードバックを利用する通信システム20を概略的に示すブロック図である。システム20は、移動通信端末24(ユーザー装置(UE)とも呼ばれる)と、2つの基地局(BTS)28Aおよび28Bとを備える。UE24は、たとえば、携帯電話、通信可能な移動コンピュータ装置、移動コンピュータ装置用のセルラー・アダプター、もしくはその他のいかなる適切な通信端末であってもよい。図1では、明瞭性を期して1つのUEおよび2つのBTSを示すが、実際のシステムは通常、多数のUEおよび多数のBTSを備える。
【0022】
本例では、システム20は、3GPPのロング・ターム・エボリューションの発展版(LTE−A)仕様にしたがって動作する。または、システム20は、その他のいかなる適切な通信基準もしくはプロトコルにしたがって動作してもよい。たとえば、開示される技術は、IEEE802.11仕様にしたがって動作するWi−Fiシステム、またはIEEE802.16m仕様にしたがって動作するWiMAXシステムに利用することができる。
【0023】
システム20のBTSは、調整送信スキームを使用しており、それによると、BTSは各々のダウンリンク送信を調整し、特に、各々のスケジューリングおよびビーム形成についての決定を調整する。所定の時点で、UE24は、多数のBTSからダウンリンク信号を受信する。これらBTSのサブセット(UEが信号を受信したBTSの全部、または信号を受信したBTSの一部を含みうる)を、UEの報告対象セット、つまり、UEがチャネルフィードバックを提供する対象であるBTSのセットと定義する。
【0024】
UE24では、1以上のUEアンテナ32によってダウンリンク信号が受信される。通常、システム20はMIMOシステムであり、つまり、BTSとUEは、それぞれ複数のアンテナを備える。各ダウンリンク信号は、所定のBTSとUEとの間の固有の通信チャネルを介して受信される。UE24は、BTSからダウンリンク信号を受信するダウンリンク受信機36を備える。受信機36は、通常、ダウンリンク信号を低い周波数に変換し、フィルタリングし、デジタル化する。UEは、受信したダウンリンク信号を処理することにより各通信チャネルの評価値を算出するチャネル評価値算出ユニット40をさらに備える。ユニット40は、各チャネルの特性を表す様々な種類のチャネル評価値を算出してよい。
【0025】
いくつかのチャネル評価値は、明示的(explicit)であり、つまり特定の送信もしくは受信スキームとは無関係に、チャネル特性を表す。その他のチャネル評価値は、黙示的(implicit)であり、つまり、送信もしくは受信スキームに関する所定の想定に基づいている。明示的なチャネル評価値の例としては、チャネル行列(たとえば、BTSアンテナとUEアンテナの異なる複数の対についての伝送振幅および位相を表す行列)と、チャネル共分散行列(たとえば、BTSアンテナとUEアンテナの異なる複数の対を介して受信した信号の自己相関およびこれら信号間の相互相関を表す行列)とが挙げられる。黙示的なチャネル評価値の例としては、E−UTRA仕様に定義される優先行列インデックス(Preferred Matrix Indices(PMI))とチャネル品質表示(Channel Quality Indications (CQI))とが挙げられる。ユニット40は、これらの種類のチャネル評価値のいずれを算出してもよく、もしくはその他のいかなる適切な種類のチャネル評価値を算出してもよい。MIMOシステムにとっては、各チャネル評価値は、通常、多数のパラメータからなる。
【0026】
UE24は、ユニット40によって生成されたチャネル評価値をそれぞれのフィードバックデータへと作成するフィードバック作成ユニット44を備える。特に、ユニット44は、不均一なデータサイズのフィードバックデータを作成する。つまり、1つのチャネル用のフィードバックデータは、別のチャネル用のフィードバックデータとはデータサイズが違ってよい。不均一なデータサイズでフィードバックデータを作成する技術を以下に記載する。
【0027】
「データサイズが異なるフィードバックデータ」という文言は、ゼロでないデータサイズだけに、つまり、UEが非空のフィードバックを提供する対象のチャネル(もしくはBTS)だけに関する。対照的に、UEがフィードバックを提供しないBTS(たとえば、UEの報告対象セットに含まれていないBTS)については、UEがフィードバックを提供するBTSとは、フィードバックデータのサイズが異なるとの考え方は本明細書では採用されない。
【0028】
上記の記載においては、UE24は、2段階でフィードバックデータを生成した。つまり、チャネル評価値を算出し、その後にフィードバックデータを作成した。このような実施形態では、チャネル評価値は、必ずしも不均一なデータサイズとならない。異なるフィードバックデータ(つまり、異なるチャネル)に対する異なるデータサイズの割り当ては、ユニット44が行う。別の実施形態では、ユニット40および44の機能が1つのユニットに組み合わされる。このような実施形態では、1つのチャネルから別のチャネル間で異なるものとなるであろうデータサイズで、チャネル評価値が推測的に算出される。
【0029】
ユニット44は、異なる複数のチャネル用のフィードバックデータをアップリンク送信機48に供給する。アップリンク送信機は、フィードバックデータをアナログ信号に変換し、高い周波数に変換して適切な無線周波数(RF)とし、当該RF信号(したがって、フィードバック信号)をBTSのうち少なくとも1つに送信する。通常、BTSのうちの1つは、UEのサービングBTSと定義され、送信機48は、サービングBTSにフィードバックデータを送信する。サービングBTSは、フィードバックデータをその他のBTSに分配し、これらBTSはこの情報を使用して各々のダウンリンク送信を構成する。
【0030】
図1の典型的構成では、UE24は、2つの通信チャネルCH1およびCH2を介して2つのBTS28Aおよび28Bからダウンリンク信号をそれぞれ受信する。UEは、チャネル評価値を算出し、これら2つのチャネル用のフィードバックデータを作成する。本例では、CH1用のフィードバックデータは、CH2用のフィードバックデータとはデータサイズが異なる。BTS28Aは、UE24のサービングBTSであるとされ、したがって、UEは両方のチャネル用のフィードバックデータをこのBTSに送信する。BTS28AはフィードバックデータをBTS28Bに分配し、2つのBTSは、これらフィードバックデータに基づいて各々のダウンリンク送信を構成し調整することができるようになる。
【0031】
図1に示すシステム構成は、概念を明瞭にすることだけを目的として描画された簡易例としての構成である。別の実施形態では、その他のいかなる適切なシステム構成を使用することもできる。たとえば、UE24は、適切な数のBTSからダウンリンク信号を受信して、所望の数のチャネル用にフィードバックデータを作成してよい。ネットワークによっては、異なる地理的セルで動作する装置(たとえば、送受信機およびアンテナ)の2以上の組み合わせが互いに結び付けられる。本特許出願の背景においては、各セルで動作する装置は、独立したBTSであるとみなされる。多数のセルで動作する多数のBTSが同じ位置に結び付けられてよい。
【0032】
図1に示すUEの構成は、概念を明瞭にすることだけを目的として描画された簡易例としての構成である。別の実施形態では、その他のいかなる適切なUE構成を使用することもできる。開示される技術を理解するのに必要でないUEの要素は、明瞭性を期するべく図から省いてある。
【0033】
受信機36、ユニット40および44、並びに送信機48等のUE24のそれぞれの構成要素は、専用のハードウェア、たとえば、1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、もしくはその他の適切なハードウェア装置等を使用して実装してよい。または、UEの構成要素のいくつかは、処理装置上で実行されるソフトウェアを使用することにより、またはハードウェア要素とソフトウェア要素とを組み合わせて使用することにより実装してよい。プロセッサを使用することによりなんらかのUEの機能を実装する場合、プロセッサは、本明細書に記載される機能を実行するようソフトウェアでプログラムされるが、専用のハードウェア上で実装されてもよい。ソフトウェアは、たとえば、ネットワークを介して電子形態でプロセッサにダウンロードされてよく、または、もしくはそれに加えて、たとえば磁気的、光学的、もしくは電子的メモリ等の持続性の有形媒体にて提供および/または記憶されてもよい。いくつかの実施形態では、UE24の構成要素のいくつかまたは全部をチップセットで製造してよい。
【0034】
フィードバック作成ユニット44は、様々な用法で、異なるチャネル用のフィードバックデータを異なるデータサイズで作成してよい。さらに、ユニット44は、各チャネル用に適切なデータサイズを選択するべく様々な基準を用いてよい。一般的に、フィードバックデータの精度はデータサイズにともなって上昇する。したがって、フィードバックデータのサイズを変更すると、アップリンク・スループットのフィードバック精度がトレードオフされ、逆もまたしかりである。
【0035】
いくつかの実施形態では、ユニット44は、サービングBTSから受信するチャネル用のフィードバックデータを、その他のBTSから受信するチャネル用に比べて大きいデータサイズで作成する。図1の構成例では、ユニット44は、CH1用のフィードバックデータを、CH2用のフィードバックデータよりもデータサイズが大きくなるように作成する。サービングBTSによるUE性能への影響は、その他のBTSの影響よりも大きいので、サービングBTSにより精度が高いフィードバックを提供し、その他のBTSには精度が低いフィードバックを提供することで、フィードバック効率が高められる。
【0036】
いくつかの実施形態では、フィードバック作成ユニット44は、異なるBTSごとに引き起こされる干渉のレベルに基づいて適切なフィードバックデータのサイズを選択する。たとえば、ユニット44は、UEに強い干渉を生じるBTSには大きいサイズ(高精度の)のフィードバックデータを作成し、その逆を行ってもよい。それに追加して、またはそれに代えて、ある実施形態では、ユニット44は、その他のなんらかの適切な基準にしたがって異なるダウンリンクチャネル用のフィードバックデータのサイズを選択する。
【0037】
ある実施形態では、ユニット44は、様々な技術を使用して不均一なデータサイズでフィードバックデータを生成する。以下に続く記載では、図1のチャネルCH1およびCH1用のフィードバックデータについて記載し、異なるデータサイズでフィードバックデータを作成する技術の例を提示する。CH1用のフィードバックデータをFB1、CH2用のフィードバックデータをFB2とそれぞれ呼ぶ。本例では、FB1とFB2の両方が、UE24のサービングBTSであるBTS28Aに送信される。BTS28AはサービングBTSであるので、FB1は、FB2よりデータサイズが大きくなるよう作成される。しかし、一般的には、以下に記載される技術は、その他のいかなる適切なシステム構成においても使用することができる。
【0038】
ある実施形態例では、FB1およびFB2は、それぞれ、1以上のフィードバックパラメータを含む。UE24は、FB1を、FB2とはパラメータの個数および/または性質(identity)が異なるように作成する。たとえば、各フィードバックデータが、対応チャネルについての共分散行列を含む実施形態を考慮してみる。ある実施形態例では、FB1は、(CH1の共分散行列の)固有ベクトルを所定数含み、FB2は、(CH2の共分散行列の)固有ベクトルをより少数含む。報告される固有ベクトルの個数を、フィードバックデータの階数(rank)と呼ぶ場合がある。ある実施形態例では、FB1における固有ベクトルの個数は、最大で、UEの最高送信階数までであり、FB2における固有ベクトルの個数は1または2である。2アンテナ型UEの典型的な実施形態では、FB1は固有ベクトルを2個含み、FB2は固有ベクトルを1個含む。
【0039】
異なる個数のフィードバックパラメータを送信することは、たとえば、干渉を与えるBTSが、干渉を減らすべく、所定の時間に所定のUEに送信することを控える調整ビーム形成(CB)動作モードで有用である。しかし、この技術は、そのほかの調整送信動作モードでも使用することができる。別の実施形態では、UE24は、FB1およびFB2を、その他のいかなる適切なフィードバックパラメータの個数および/または性質(identity)が異なるように構成してもよい。
【0040】
別の実施形態では、UE24は、FB1をFB2より量子化レベルが細かくなるように作成する。いくつかの実施形態では、UE24は、コードブックと呼ばれる可能値の所定のセットからフィードバックデータ(たとえば、チャネル行列もしくは共分散行列)を選択する。このような実施形態では、UE24は、FB2を選択するコードブックよりも大きいコードブックからFB1を選択する。
【0041】
たとえば、2つ以上のBTSが、UEに対して所定の送信ビームを共同で形成するコヒーレントな共同処理(JP)動作モードを考えてみる。このモードを使用するとき、UEで受信される信号は、1つまたは2つの最強のBTSにより支配されることが多い。この種類の想定状況では、異なるBTS用に異なるサイズのコードブックを使用してフィードバックデータを送信することは、それにより帯域幅がかなり削減され、フィードバック効率がほぼ低下しないので、有効である。ある実施形態例では、UEは、サイズがBのコードブックから最強のBTS用のフィードバックデータを選択し、サイズがB/2のコードブックから次に強いBTS用のフィードバックデータを選択し、以下続く。ある実施形態例では、B=2であり、mの取りうる値は、4、5、および6である。または、その他のいかなる適切なコードブックサイズを使用することもできる。上記した例では、JP動作モードを記載したが、この技術は、その他の調整送信動作モードにも用いることができる。
【0042】
異なるチャネルに異なるフィードバックパラメータを使用する例としては、明示的および黙示的なチャネル評価値に基づいたフィードバックの使用がある。上に定義したとおり、明示的なチャネル評価値とは、特定の送信もしくは受信スキームとは無関係のチャネル特性である。反対に、黙示的なチャネル評価値とは、送信もしくは受信スキームに関するなんらかの想定に基づいている。明示的なチャネル評価値としては、たとえば、チャネル行列もしくは共分散行列がある。黙示的なチャネル評価値としては、たとえば、PMIもしくはCQIがある。いくつかの実施形態では、UE24は、1つ以上の明示的なチャネル評価値に基づいてFB1(サービングBTS用)を作成し、1つ以上の黙示的なチャネル評価値に基づいてFB2を作成する。別の実施形態では、UE24は、1つ以上の明示的なチャネル評価値に基づいてFB1を作成し、1つ以上の明示的なチャネル評価値に基づいてFB2を作成する。
【0043】
いくつかの実施形態では、UE24は、FB1をより細かい数値的精度で表すことによりFB1をFB2より量子化レベルが細かくなるように作成する。たとえば、FB1におけるフィードバックパラメータを、FB2よりもビットを多く使用して表すことができる。別の実施形態では、UEは、異なるチャネル用のフィードバックデータを、異なる量子化レベルとなるように作成するためのその他のいかなる適切なスキームを使用してもよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、UE24は、FB1を、FB2よりもスペクトル分解能が細かくなるように作成する。これらの実施形態では、UE24は、各チャネルのフィードバックデータ(たとえば、チャネル行列もしくは共分散行列)を、所定数の周波数サブ帯域で推測する。UEは、FB2よりも多くのサブ帯域についてのFB1を送信する。つまり、FB1における各フィードバックパラメータは、FB2における各パラメータよりも狭いサブ帯域に対応する。したがって、FB1は、通常、データサイズが大きくなるという代償のもと、FB2より高精度となる。本例では、サービングBTS用のフィードバックデータは、その他のBTS用のフィードバックデータよりも細かいスペクトル分解能で送信される。たとえば、50個のリソース・ブロックを含む全体で10MHzの帯域幅を考える。ある実施形態例では、FB1は、10個のサブ帯域についての10個の値を含み、各サブ帯域は、5個のリソース・ブロックを含み、FB2は、全帯域幅について1個の値(50個のリソース・ブロック)を含む。または、UE24は、その他のいかなる適切な基準を使用して、異なるスペクトル分解能となるようにフィードバックデータを作成することもできる。
【0045】
いくつかの実施形態では、UE24は、FB2より速い更新レートでFB1を更新する。各更新は、同一データサイズまたは不均一データサイズであってよい。しかし、FB1はより頻繁に更新されるので、所定の期間におけるFB1のデータサイズは、FB2のデータサイズより大きい。ある実施形態例では、FB1は、5から50ミリ秒ごとに更新され、FB2は、50ミリ秒から1秒ごとに更新される。または、その他のいかなる適切な更新レートを使用することもできる。
【0046】
UE24は、強いBTS用のフィードバックデータについて高い更新レートを、弱いBTS用のフィードバックデータについて低い更新レートを使用してよく、その逆であってもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、UE24は、所定のチャネルのフィードバックデータにおいて、異なるフィードバックパラメータに異なる更新レートを設定する。たとえば、フィードバックデータがチャネル行列を含む場合、UEは、行列要素の大きさ(迅速に変化する場合がある)を比較的速い更新レートで、行列要素の位相(ゆっくり変化することが多い)を遅い更新レートで更新してよい。このような異なる更新レートの選択は、チャネルごとに違ってもよい。
【0048】
いくつかの実施形態では、FB1は、上記の特性(たとえば、パラメータの個数もしくは性質(identity)、量子化レベル、スペクトル分解能、および/または更新レート)の2つ以上において、もしくはその他のいかなる適切な特性においてFB2と異なってよい。
【0049】
図2は、本明細書に記載される実施形態に係る、調整送信と非対称フィードバックとを利用した通信方法を概略的に示すフローチャートである。方法は、受信動作60で、UE24が、2つ以上のBTSからそれぞれの通信チャネルを介して調整送信ダウンリンク信号を受信することにより開始される。チャネル測定動作64では、UE24のユニット40が、各通信チャネルのチャネル評価値(たとえば、チャネル行列または共分散行列)を算出する。
【0050】
フィードバック作成動作68では、UE24のユニット44が、各チャネル評価値に基づいてチャネルのフィードバックデータを作成する。特に、ユニット44は、上記したように、チャネルのうち少なくとも2つについては、データサイズが異なるようにフィードバックデータを作成する。フィードバック送信動作72では、UE24の送信機48が、BTSのうち少なくとも1つに、通常はサービングBTSに、多数のチャネル用のフィードバックデータを送信する。送信調整動作76では、BTSは、UE24(および/またはその他のUE)に対する各々のダウンリンク送信をフィードバックデータに基づいて調整する。
【0051】
上記の実施形態では、UEは、異なる通信チャネル(つまり異なるBTS)用に異なるサイズのフィードバックデータを作成した。それに加えて、またはその代わりとして、フィードバックデータのサイズの不均一化は、異なるUE間で適用されてもよい。つまり、2つ(以上)の異なるUEが、所定のBTS用のフィードバックデータを異なるデータサイズで作成することができる。上記の技術(たとえば、パラメータの個数もしくは性質(identity)、量子化レベル、スペクトル分解能、および/または更新レートが異なるフィードバックデータ)のいずれを使用することもできる。
【0052】
本明細書に記載された実施形態は、移動通信端末から基地局へのチャネルフィードバックデータを不均一なデータサイズで生成することについて主に取り扱ったが、本明細書に記載される方法およびシステムは、多数の送信機が各々の送信を互いに調整するその他の用途、たとえばWi−FiシステムやWiMAXシステムで使用することができる。
【0053】
したがって、上記の実施形態は、例示として提示されたのであり、本発明は上に示し記載されたものに限定されないことは理解されよう。むしろ、本発明は、上に記載した多用な特性どうしのコンビネーションおよびサブコンビネーション、並びに上記の記載を読むことで当業者が想到し、かつ先行技術には開示されないそれらの変形例および改良例を範囲に含む。
図1
図2