【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的は、本発明に基づき、請求項1の特徴による車両用の管式スタビライザ
半部を製造するための方法により達成される。
【0013】
本発明の好ましい実施形態は、各従属請求項に記載されている。
【0014】
特にアクティブ又はセミアクティブな原動機付き車両用スタビライザのための管式スタビライザ半部である管式スタビライザを製造する本発明による方法は、前記管式スタビライザが、長手方向において互いに異なる断面形状で製造されており、一定の断面形状を有する管が
スウェージング装置(Knetvorrichtung)において少なくとも部分的に外部から
スウェージングされ、このとき、該管の外径が減少されることを特徴としている。
【0015】
これについて、特に金属製の管である、特に円形の外部断面形状を備えた管は、一定の断面形状となっており、特に円形
スウェージング装置である
スウェージング装置によって、外径が減少するよう加工される。このとき、切りくずのでないバー、
管又は金属線の断面を減少させるための変形方法となっている。
【0016】
スウェージング装置自体は、互いに角度間隔をおいて配置された複数の
スウェージング工具(Knetwerkzeuge)を含んでおり、これら
スウェージング工具は、迅速に連続して同時に径方向の振動運動を行うものである。
スウェージング工具の内方への各運動においては、外径が減少するよう、変形されるべき管の一部が変形される。このとき、この管は
スウェージング装置によって送り運動され、この送りは、当該送りが
スウェージング工具の振動運動に対応するよう脈動的になされる。
【0017】
これにより、一部材かつ材料統合的(Werkstoffeinheitlich)な管式スタビライザ、特に一部材で、かつ、材料統合的な管式スタビライザ半部を製造することができ、この管式スタビライザ半部は、接続スリーブ又は接続フランジ及びその長さ全体にわたって互いに異なる断面形状を備えているとともに、このため、想定される負荷状態及び特有の自重に関して最適化されている。このとき、円形
スウェージング工程は、従来技術により公知の拡張工程とは異なり、本発明に基づき、拡張される際に生じるマイクロクラックが材料接合部の内部において、又は加工すべき管の外部外面部若しくは内部外面部において回避されるように有利である。この
スウェージング工程により、材料が圧縮され、これにより、まさに拡張時のマイクロクラックの発生が回避されることになる。
【0018】
本発明の範囲においては、例えばアクチュエータを有する歯部などの他の部材との嵌合式の係合が可能な内部形状又は外部形状を製造することも可能である。また、これに代えて、長手部分を少なくとも部分的に角をもって形成することも考えられる。このことは、特に
スウェージング工程につづくスタビライザ半部の他の三次元的な変形に関して、製造すべき形状に応じて有利であり得る。
【0019】
本発明によれば、接続フランジ又はアクチュエータスリーブが、
スウェージング工程によって一部材として及び材料統合的に管式スタビライザ半部に成形されている。これにより、特に一部財かつ材料統合的な管式スタビライザ、特に管式スタビライザ半部が形成され、この管式スタビライザ半部は、不断かつ発生する繰返し荷重に対して高い寿命を有している。
【0020】
接続フランジの場合には、特に加工すべき管の端部が、
スウェージング装置内においてまずは加工されないか、若しくはわずかに加工されるか、又はその壁厚が高められる。これにつづく管の長手部分は、更に好ましくは、その断面形状が減少され、特にその外径が減少され、これにより、本来の管に対して小さくなる。接続フランジは、
スウェージング工程中又は
スウェージング工程後にアクチュエータに接続するための輪郭部と共に成形されるか、又はこの接続フランジがアクチュエータに溶接される。
【0021】
アクチュエータスリーブの場合には、特にこのような管の端部の長手部分が
スウェージング工程によって変形されないか、又はわずかにのみ変形され、そのため、アクチュエータスリーブあるいはスリーブ状の本体部が形成される。このとき、このスリーブ状の本体部につづく管式スタビライザの長手部分は、
スウェージング工程によってその断面形状が減少される。ここで、本発明の範囲において、特に
スウェージング工程に基づいて、スリーブの内部において例えば
スウェージング工程中に内歯の収容によって、又はスリーブから管式スタビライザ半部への移行部分において、スリーブへ挿設されるか、あるいは挿入される例えば電気モータであるアクチュエータが嵌合式に管式スタビライザ半部に接続され得るよう収容することができる。
【0022】
さらに、
スウェージング工程において壁厚を大きくするのが好ましい。外径を減少することにより、本質的に長手方向にわたって均等な材料において内部への変位が生じ、これにより、長手部分当たりの壁厚が減少された外径部において高められる。また、適当なカウンタホルダ(Gegenhalter)又は変形マンドレル(Umformdorne)によっても本発明に基づく方法によって壁厚を減少させることが可能であり、ここで、外径が決定的に同一に維持されるか、又はわずかに減少される。少なくとも部分的な壁厚の減少によって、大きな外径比率を有する原材料としての管を選択することが可能であり、この管は、ねじりに対して高い抵抗モーメントと、同時に、わずかな壁直径と、少ない壁厚による少ない自重とを有しているとともに、これにつづく曲げ工程のために軽く湾曲させるか、あるいは折り曲げされることができ、本質的に直線的に延在する長手部分にわたって、大きな初期直径により、ねじりに対する高い抵抗モーメントが維持されるよう、少なくとも部分的に加工される。
【0023】
本発明の範囲において、更に、管が
スウェージング装置によって任意の送り分だけ軸方向に変位され、このとき、特に送り速度が可変となっている。ここで、この送りは、特に冒頭で述べたように、脈動的になされるものの、本発明においては、一定に選択された送り速度又は可変の速度による連続的な送りが、加工すべき管の長手方向にそれぞれ1つの、対応した壁厚を有する製造すべき外径部が生じるよう調整される。
【0024】
さらに、本発明の範囲においては、少なくとも
スウェージングされる部分が
スウェージング工程前に加熱されることが可能であり、特にこの加熱は、
スウェージング装置の手前に直接接続された誘導コイルによってなされる。このあらかじめなされる加熱により、ここでも、特に、特に均質な接合構造を部材の内部に形成することが可能である。そのため、加熱処理あるいは加熱状態における変形により、局所的に高い変形度においてワークピースの弱化が生じない。
【0025】
さらに、本発明の範囲においては、
スウェージング工具自体を加熱することも可能であり、この場合、誘導的な熱伝導がワークピースとの接触によってなされる。また、本発明の範囲においては、なされた変形後に、特に
スウェージング工程の直後に急冷スプリンクラー(Abschreckbrause)を配置することが可能であり、この急冷スプリンクラーは、硬化を行うか、又はこれに代えて
スウェージング装置に加熱装置を後続配置するものである。そのため、変形後に、少なくとも部分的に焼入れがなされる。
【0026】
本発明の範囲においては、さらに、
スウェージング装置によって、管の端部をまず
スウェージング装置へ挿入し、この
スウェージング装置を通過させ、そして、この端部をその本来の状態あるいは初期状態にしておく。このとき、実際の
スウェージング工程、すなわち管の変形は、中央における管の長手部分から行われ、すなわち、端部の
スウェージング装置通過後に行われる。これにより、従来技術により知られた拡張部に対して、従来の拡張部において手の届かない長手部分を機械的な変形手法によって加工することが可能である。これに対して、従来技術によれば、せいぜい高圧変形手法が知られているが、この手法は、大きな生産コストがかかるとともに、制限された自由度によってのみ可能である。
【0027】
本発明の範囲においては、少なくとも第1の
スウェージング変形の終了後に、生産方法において
スウェージングされた管式スタビライザが、その中央長手軸に対して更に変形される。以下において、本発明の範囲では、三次元の変形とは、例えば、少なくとも端部における湾曲又は折り曲げや、
スウェージング工具により処理される管式スタビライザの複数回にわたる三次元的な湾曲と理解すべきである。
【0028】
さらに、本発明の範囲において、変形工程中にマンドレルを管ないへ挿入することが可能であり、このマンドレルは、特に、
スウェージング工程により管の内部外面部に埋め込まれた(einpraegt)外形を有している。特に、これにより、内歯を、製造されるべき管式スタビライザ、好ましくは管式スタビライザ半部の内部に形成することが可能である。
【0029】
さらに、本発明の範囲においては、管を、円形の初期形状からの
スウェージング工程によって、少なくとも部分的にだ円状、多角形状及び/又は長方形状の断面形状を備えて形成することが可能である。このことは、想定される負荷と、後の、管式スタビライザ半部の配置に使用される構造空間とに依存して選択されるべきである。
【0030】
さらに、本発明の範囲においては、マンドレルの管への挿入及びカウンタインサートによって、壁厚が
スウェージング工程によって少なくとも部分的に管の長手方向へ減少されるよう、管を加工することが可能である。
【0031】
本発明による方法の上述のステップ及び実施形態は、それぞれ付随する利点を伴いつつ本発明の範囲において適宜互いに組み合わせることが可能である。
【0032】
本発明の他の利点、特徴、特性及び観点は、以下の説明の構成部分である。これらは、本発明の容易な理解に役立つものである。