特許第5669891号(P5669891)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5669891原動機付き車両用の管式スタビライザ半部を製造するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5669891
(24)【登録日】2014年12月26日
(45)【発行日】2015年2月18日
(54)【発明の名称】原動機付き車両用の管式スタビライザ半部を製造するための方法
(51)【国際特許分類】
   B21D 53/88 20060101AFI20150129BHJP
   B60G 21/055 20060101ALI20150129BHJP
   B21J 5/12 20060101ALI20150129BHJP
   B21J 1/06 20060101ALI20150129BHJP
   B21D 41/04 20060101ALI20150129BHJP
【FI】
   B21D53/88 Z
   B60G21/055
   B21J5/12 Z
   B21J1/06 Z
   B21D41/04 C
【請求項の数】8
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-141427(P2013-141427)
(22)【出願日】2013年7月5日
(65)【公開番号】特開2014-18863(P2014-18863A)
(43)【公開日】2014年2月3日
【審査請求日】2013年7月5日
(31)【優先権主張番号】10 2012 106 423.7
(32)【優先日】2012年7月17日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】507200972
【氏名又は名称】ベンテラー・アウトモビールテヒニク・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100157440
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 良太
(74)【代理人】
【識別番号】100173521
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100153419
【弁理士】
【氏名又は名称】清田 栄章
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス・ヤンツェン
(72)【発明者】
【氏名】フリーゾ・ベルハイデ
【審査官】 宇田川 辰郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開平01−284449(JP,A)
【文献】 特開昭62−290804(JP,A)
【文献】 特開昭59−073136(JP,A)
【文献】 特開2002−321035(JP,A)
【文献】 特開2000−024737(JP,A)
【文献】 実開昭56−120905(JP,U)
【文献】 特許第4801087(JP,B2)
【文献】 特開昭57−134228(JP,A)
【文献】 特開平07−265994(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 53/88
B21J 5/12
B21D 41/04
B60G 21/055
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クティブ又はセミアクティブな原動機付き車両用スタビライザのための管式スタビライザ半部(2)を製造する方法であって、前記管式スタビライザ半部(2)が、長手方向(6)において互いに異なる断面形状で製造されている前記方法において、
一定の断面形状を有する管(18)がスウェージング装置(14)において少なくとも部分的に外部からスウェージングされ、このとき、該管(18)の外径(19)が減少されること、接続フランジ(11)又はアクチュエータスリーブ(3)が、一部材で、かつ、材料統合的(werkstoffeinheitlich)にスウェージング工程によって前記管式スタビライザ半部(2)において成形されること、ダイインサート(20)及びカウンタインサート(21)によって、前記管(18)の壁厚(10)が前記スウェージング工程を通して減少されること、並びにスウェージングされる部分が、スウェージング工程前に、前記スウェージング装置(14)の手前に直接接続された誘導コイルによって加熱されることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記スウェージング工程において減少される前記壁厚(10)とは異なる前記管(18)における壁厚(12)が増大されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記管(18)が前記スウェージング装置(14)によって任意の送り分だけ変位され、送り速度が可変であることを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
前記管(18)の端部が前記スウェージング装置(14)内へはめ込まれるとともに本来の状態に置かれ、前記管(18)の前記端部が内部において通過した後に前記スウェージング工程を開始することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
スウェージングされた前記管式スタビライザ半部(2)がその中心長手軸に対して変形されることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
変形工程中にダイインサート(20)が前記管(20)内へ挿入され、該ダイインサート(20)が、前スウェージング工程によって管内部外側面へ挿設された外部形状を有していることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記管(18)が、円形の初期形状からの前記スウェージング工程によって、少なくとも部分的にだ円状、多角形状及び/又は長方形状の断面形状を備えて形成されることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記管式スタビライザ半部(2)が、前記スウェージング工程及び/又はこれにつづく変形工程後に少なくとも部分的に硬化され、及び/又は焼入れされることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部分における特徴に基づく、原動機付き車両用の管式スタビライザ半部を製造する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来技術において、走行特性、特に原動機付き車両(以下単に「車両」という。)の揺動特性を最適化するために、スタビライザを車両のアクスルに設けることが知られている。スタビライザにより、車両の左側及び右側の車輪負荷が力伝達を通して分散され、スタビライザに追加的に連結された構造がその揺動特性において低減される。スタビライザ自体は、特にトーションスタビライザとして知られており、このトーションスタビライザは、管部分の回転によってねじりモーメントが生じ、1つの車輪から他の車輪へ適当に生じた車輪負荷が伝達される。
【0003】
このとき、スタビライザ自体は、走行動特性と走行快適性の間の目標間コンフリクトにある。特にオフロード車両や小型トラックにおいては、高い揺動特性を考慮に入れる必要がある。そのために、ねじり剛性のあるスタビライザが使用される必要があるが、直進走行時には走行快適性が損なわれてしまう。
【0004】
これについて、従来技術によればセミアクティブ又はアクティブなスタビライザが知られており、このスタビライザは、例えば電気的なサーボモータであるアクチュエータを組み込むことで、その剛性特性において、当該スタビライザが例えばカーブ走行時にねじりに対する高い抵抗モーメントを有し、そのため、車両のわずかな揺動特性のみが許容され、一方、直進走行時にはねじりに対するわずかな抵抗モーメントのみを有し、そのため対応する走行快適性が確保されるように調整されている。
【0005】
このような車両用スタビライザは、例えば特許文献1に開示されている。
【0006】
対応するアクチュエータに結合されたスタビライザ半部は、例えばスタビライザバーとして、又は管式スタビライザとして、したがって中空の部材として知られている。
【0007】
スタビライザ半部は、車両内部のパッケージング、特に周辺の軸コンポーネント及び車輪のはずみ及びリバウンドに対する力学的な結合に基づき、しばしば三次元的に繰り返し湾曲される。そのため、配管、ショックアブソーバ又は他の部材が、車輪のはずみ及びリバウンド時にスタビライザ半部に接触することがない。
【0008】
同時に、ばね下車輪質量の一部分を少なく保持し、車両の走行動特性を高いレベルに維持するために、安価に生産し、かつ、軽い自重で製造することが重要である。
【0009】
しかしながら、スタビライザ半部は、車両の全動作期間にわたって、すなわち10年以上にわたってねじりに基づく継続的な繰返し荷重を受ける。そのため、このスタビライザ半部は、いわば特別に耐久性をもって生産される必要がある。したがって、できる限り高い耐久性を有する部材を製造することが重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】欧州特許第1814748号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明の目的とするところは、従来技術を基礎として、車両用の管式スタビライザ、特に車両用のセミアクティブ又はアクティブなスタビライザのための管式スタビライザ半部が安価で、効果的かつ耐久性をもって製造可能な、管式スタビライザの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的は、本発明に基づき、請求項1の特徴による車両用の管式スタビライザ半部を製造するための方法により達成される。
【0013】
本発明の好ましい実施形態は、各従属請求項に記載されている。
【0014】
特にアクティブ又はセミアクティブな原動機付き車両用スタビライザのための管式スタビライザ半部である管式スタビライザを製造する本発明による方法は、前記管式スタビライザが、長手方向において互いに異なる断面形状で製造されており、一定の断面形状を有する管がスウェージング装置(Knetvorrichtung)において少なくとも部分的に外部からスウェージングされ、このとき、該管の外径が減少されることを特徴としている。
【0015】
これについて、特に金属製の管である、特に円形の外部断面形状を備えた管は、一定の断面形状となっており、特に円形スウェージング装置であるスウェージング装置によって、外径が減少するよう加工される。このとき、切りくずのでないバー、管又は金属線の断面を減少させるための変形方法となっている。
【0016】
スウェージング装置自体は、互いに角度間隔をおいて配置された複数のスウェージング工具(Knetwerkzeuge)を含んでおり、これらスウェージング工具は、迅速に連続して同時に径方向の振動運動を行うものである。スウェージング工具の内方への各運動においては、外径が減少するよう、変形されるべき管の一部が変形される。このとき、この管はスウェージング装置によって送り運動され、この送りは、当該送りがスウェージング工具の振動運動に対応するよう脈動的になされる。
【0017】
これにより、一部材かつ材料統合的(Werkstoffeinheitlich)な管式スタビライザ、特に一部材で、かつ、材料統合的な管式スタビライザ半部を製造することができ、この管式スタビライザ半部は、接続スリーブ又は接続フランジ及びその長さ全体にわたって互いに異なる断面形状を備えているとともに、このため、想定される負荷状態及び特有の自重に関して最適化されている。このとき、円形スウェージング工程は、従来技術により公知の拡張工程とは異なり、本発明に基づき、拡張される際に生じるマイクロクラックが材料接合部の内部において、又は加工すべき管の外部外面部若しくは内部外面部において回避されるように有利である。このスウェージング工程により、材料が圧縮され、これにより、まさに拡張時のマイクロクラックの発生が回避されることになる。
【0018】
本発明の範囲においては、例えばアクチュエータを有する歯部などの他の部材との嵌合式の係合が可能な内部形状又は外部形状を製造することも可能である。また、これに代えて、長手部分を少なくとも部分的に角をもって形成することも考えられる。このことは、特にスウェージング工程につづくスタビライザ半部の他の三次元的な変形に関して、製造すべき形状に応じて有利であり得る。
【0019】
本発明によれば、接続フランジ又はアクチュエータスリーブが、スウェージング工程によって一部材として及び材料統合的に管式スタビライザ半部に成形されている。これにより、特に一部財かつ材料統合的な管式スタビライザ、特に管式スタビライザ半部が形成され、この管式スタビライザ半部は、不断かつ発生する繰返し荷重に対して高い寿命を有している。
【0020】
接続フランジの場合には、特に加工すべき管の端部が、スウェージング装置内においてまずは加工されないか、若しくはわずかに加工されるか、又はその壁厚が高められる。これにつづく管の長手部分は、更に好ましくは、その断面形状が減少され、特にその外径が減少され、これにより、本来の管に対して小さくなる。接続フランジは、スウェージング工程中又はスウェージング工程後にアクチュエータに接続するための輪郭部と共に成形されるか、又はこの接続フランジがアクチュエータに溶接される。
【0021】
アクチュエータスリーブの場合には、特にこのような管の端部の長手部分がスウェージング工程によって変形されないか、又はわずかにのみ変形され、そのため、アクチュエータスリーブあるいはスリーブ状の本体部が形成される。このとき、このスリーブ状の本体部につづく管式スタビライザの長手部分は、スウェージング工程によってその断面形状が減少される。ここで、本発明の範囲において、特にスウェージング工程に基づいて、スリーブの内部において例えばスウェージング工程中に内歯の収容によって、又はスリーブから管式スタビライザ半部への移行部分において、スリーブへ挿設されるか、あるいは挿入される例えば電気モータであるアクチュエータが嵌合式に管式スタビライザ半部に接続され得るよう収容することができる。
【0022】
さらに、スウェージング工程において壁厚を大きくするのが好ましい。外径を減少することにより、本質的に長手方向にわたって均等な材料において内部への変位が生じ、これにより、長手部分当たりの壁厚が減少された外径部において高められる。また、適当なカウンタホルダ(Gegenhalter)又は変形マンドレル(Umformdorne)によっても本発明に基づく方法によって壁厚を減少させることが可能であり、ここで、外径が決定的に同一に維持されるか、又はわずかに減少される。少なくとも部分的な壁厚の減少によって、大きな外径比率を有する原材料としての管を選択することが可能であり、この管は、ねじりに対して高い抵抗モーメントと、同時に、わずかな壁直径と、少ない壁厚による少ない自重とを有しているとともに、これにつづく曲げ工程のために軽く湾曲させるか、あるいは折り曲げされることができ、本質的に直線的に延在する長手部分にわたって、大きな初期直径により、ねじりに対する高い抵抗モーメントが維持されるよう、少なくとも部分的に加工される。
【0023】
本発明の範囲において、更に、管がスウェージング装置によって任意の送り分だけ軸方向に変位され、このとき、特に送り速度が可変となっている。ここで、この送りは、特に冒頭で述べたように、脈動的になされるものの、本発明においては、一定に選択された送り速度又は可変の速度による連続的な送りが、加工すべき管の長手方向にそれぞれ1つの、対応した壁厚を有する製造すべき外径部が生じるよう調整される。
【0024】
さらに、本発明の範囲においては、少なくともスウェージングされる部分がスウェージング工程前に加熱されることが可能であり、特にこの加熱は、スウェージング装置の手前に直接接続された誘導コイルによってなされる。このあらかじめなされる加熱により、ここでも、特に、特に均質な接合構造を部材の内部に形成することが可能である。そのため、加熱処理あるいは加熱状態における変形により、局所的に高い変形度においてワークピースの弱化が生じない。
【0025】
さらに、本発明の範囲においては、スウェージング工具自体を加熱することも可能であり、この場合、誘導的な熱伝導がワークピースとの接触によってなされる。また、本発明の範囲においては、なされた変形後に、特にスウェージング工程の直後に急冷スプリンクラー(Abschreckbrause)を配置することが可能であり、この急冷スプリンクラーは、硬化を行うか、又はこれに代えてスウェージング装置に加熱装置を後続配置するものである。そのため、変形後に、少なくとも部分的に焼入れがなされる。
【0026】
本発明の範囲においては、さらに、スウェージング装置によって、管の端部をまずスウェージング装置へ挿入し、このスウェージング装置を通過させ、そして、この端部をその本来の状態あるいは初期状態にしておく。このとき、実際のスウェージング工程、すなわち管の変形は、中央における管の長手部分から行われ、すなわち、端部のスウェージング装置通過後に行われる。これにより、従来技術により知られた拡張部に対して、従来の拡張部において手の届かない長手部分を機械的な変形手法によって加工することが可能である。これに対して、従来技術によれば、せいぜい高圧変形手法が知られているが、この手法は、大きな生産コストがかかるとともに、制限された自由度によってのみ可能である。
【0027】
本発明の範囲においては、少なくとも第1のスウェージング変形の終了後に、生産方法においてスウェージングされた管式スタビライザが、その中央長手軸に対して更に変形される。以下において、本発明の範囲では、三次元の変形とは、例えば、少なくとも端部における湾曲又は折り曲げや、スウェージング工具により処理される管式スタビライザの複数回にわたる三次元的な湾曲と理解すべきである。
【0028】
さらに、本発明の範囲において、変形工程中にマンドレルを管ないへ挿入することが可能であり、このマンドレルは、特に、スウェージング工程により管の内部外面部に埋め込まれた(einpraegt)外形を有している。特に、これにより、内歯を、製造されるべき管式スタビライザ、好ましくは管式スタビライザ半部の内部に形成することが可能である。
【0029】
さらに、本発明の範囲においては、管を、円形の初期形状からのスウェージング工程によって、少なくとも部分的にだ円状、多角形状及び/又は長方形状の断面形状を備えて形成することが可能である。このことは、想定される負荷と、後の、管式スタビライザ半部の配置に使用される構造空間とに依存して選択されるべきである。
【0030】
さらに、本発明の範囲においては、マンドレルの管への挿入及びカウンタインサートによって、壁厚がスウェージング工程によって少なくとも部分的に管の長手方向へ減少されるよう、管を加工することが可能である。
【0031】
本発明による方法の上述のステップ及び実施形態は、それぞれ付随する利点を伴いつつ本発明の範囲において適宜互いに組み合わせることが可能である。
【0032】
本発明の他の利点、特徴、特性及び観点は、以下の説明の構成部分である。これらは、本発明の容易な理解に役立つものである。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、車両用の管式スタビライザ、特に車両用のセミアクティブ又はアクティブなスタビライザのための管式スタビライザ半部が安価で、効果的かつ耐久性をもって製造可能な、管式スタビライザの製造方法を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1a】本発明による方法によって製造された管式スタビライザ半部の端部を示す図である。
図1b】本発明による方法によって製造された管式スタビライザ半部の端部を示す図である。
図1c】本発明による方法によって製造された管式スタビライザ半部の端部を示す図である。
図1d】本発明による方法によって製造された管式スタビライザ半部の端部を示す図である。
図2】管式スタビライザの端部の第1の可能な加工方法を示す図である。
図3】管式スタビライザの端部の第2の可能な加工方法を示す図である。
図4】管式スタビライザの端部の加工のための他の代替的な実施形態を示す図である。
図5】管式スタビライザの中央の長手部分の可能な方法ステップを示す図である。
図6】管式スタビライザの中央の長手部分の加工のための他の可能性を示す図である。
図7】手前に接続された加熱装置による管式スタビライザの加工のための可能性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下に、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。なお、図面において、同一又は類似の部材には同一の符号が付されており、簡易化の理由から繰り返しの説明は省略されている。
【0036】
図1a〜図1dには、管式スタビライザ半部2の本発明による方法で製造される様々な端部1が示されている。
【0037】
図1aにおいて、端部1にはスリーブ3が形成されており、このスリーブ3は、不図示のアクチュエータ要素を収容する役割を担うものとなっている。このアクチュエータ要素は、スリーブ3の内部空間4内へ挿入され得るようになっている。移行部分5が、その外径が縮径しつつスリーブ3から管式スタビライザ半部2の長手方向6へ延在している。この移行部分5には、一定の径を有する管式スタビライザ半部2の延長部分7がつづいている。そして、この延長部分7には、管式スタビライザ半部2の長手方向へ第2の移行部分8がつづき、更に一定の径を有する第2の延長部分9がこれにつづいている。管式スタビライザ半部2の図1aに示す実施形態おいて、全ての延長部分7及びスリーブ3については、これらが同一の壁厚10を備えることが共通している。移行部分5及び延長部分7は、本発明に基づき、ロータリスウェージング法により製造されている。また、スリーブ3は、初期の管の本来の幾何的なサイズを備えているか、又はロータリスウェージング法によってわずかに加工されている。
【0038】
図1bには管式スタビライザ半部2の第2の実施形態が示されており、この管式スタビライザ半部がその端部1において接続フランジ11を備えているとともに、この接続フランジ11は、管式スタビライザ半部2の長手方向へ縮径するように形成されている。また、この接続フランジには一定の径を有する延長部分7がつづいており、この延長部分にはここでも第2の移行部分8がつづき、この第2の移行部分には一定の径を有する第2の延長部分9が接続されている。図1bによる実施形態は本質的に一定の壁厚10を備えており、その端部1の接続フランジ11の範囲においては、この実施形態が拡大された壁厚12を備えている。また、この拡大された壁厚12は、例えば不図示のアクチュエータの連結部材である他の部材の接続のために用いられるとともに、この拡大された壁厚12により、熱的接合も可能である。
【0039】
図1cには本発明に基づき製造された管式スタビライザ半部2の他の実施形態が示されており、この管式スタビライザ半部2は、本質的にその全長にわたって一定の壁厚10を備えているとともに、端部1においてスリーブではなく接続ソケット(Anschlussstutzen)13が形成されている相違点を除いては図1aに基づく実施形態と同様である。この接続ソケット13は、本発明により製造された管式スタビライザ半部2と同一の壁厚10を備えている。
【0040】
図1dには本発明による方法で製造された管式スタビライザ半部2の第4の実施形態が示されており、この管式スタビライザ半部は、図1cと同様に接続ソケット13を備えている。ここで、この接続ソケット13はここでも拡大された壁厚12を備えており、これに対して、長手方向6へ向けて接続ソケット13に接続された延長部分を備えている。
【0041】
図2には本発明による管式スタビライザ半部2の製造方法の第1の実施形態が示されており、スウェージング装置14は、ここでは2つの、脈動的に線形動作16を実行するスウェージング工具15を備えている。また、この線形動作16は、中央部に向けられているとともに、管の本来の外径17をスウェージング工程後の外径19へ減少させるものである。ここに示すように、管18の本来の壁厚10は、同時に、拡大された壁厚12へ厚くされている。
【0042】
図3には本発明によるスウェージング工程を行うためのスウェージング工具15の第2の実施形態が示されており、スウェージング装置14は、ここでも、脈動的なステップにおいて互いに線形動作16を行う2つのスウェージング工具15を備えている。スウェージング装置14には管18の端部1が挿設され、この管18にはカウンタインサート21に嵌合式に接続されたダイインサート20が挿入されている。そのため、管18の端部1は、カウンタインサート21に当接する。これにより、管18の本来の壁厚10に対して壁厚12を減少させることが可能である。同様に、管18の本来の外径17もスウェージング工程によって外径19へ減少される。
【0043】
図4には本発明による製造方法の他の実施形態が示されており、ここでも、2つのスウェージング工具15が互いに脈動的な線形動作16を行うよう、このスウェージング工具がスウェージング装置14内に配置されている。ここで、管18はスウェージング装置14内において外径17及び壁厚10が減少されており、溝の付いた外面を備えたダイインサートが管18へ挿入されているとともに、スウェージング工程によってダイインサート23の外形が管18の内部外側面24へスウェージングされているか、あるいは埋め込まれている。このダイインサートについて、アクチュエータスリーブあるいは接続フランジの内部外側面へこれに対応した形状を形成することが可能である。したがって、アクチュエータを有する内歯を嵌合式の結合によって製造することが可能である。また、接続フランジ又はアクチュエータスリーブのの端面へ適当な形状を加工することも可能であり、その結果、これらも同様にアクチュエータに嵌合式に連結可能である。
【0044】
図5には本発明の他の実施形態が示されており、ここでは、管18の中央部分25において、管18の端部における壁厚10あるいは中央部分25上で管18の長手方向につづく延長部分7における壁厚10よりも大きな壁厚26が形成されている。これについて、ダイインサート20が管18に挿入され、端部1においてカウンタインサート21が管18に嵌合しつつ当接する。ダイインサートはヘッド部材20aを備えており、このヘッド部材20a及びダイインサート20は、分離箇所29を介して分離されている。
【0045】
図6には他の実施形態が示されており、ここでは、スウェージング装置14が誘導コイル27の手前に接続されているとともに、管18が挿入動作28を受けている。そのため、この管は、誘導コイル27を通過するとともに加熱される。ここでも、管18内に配置されたダイインサート20と、管18の端部において嵌合式に当接するカウンタインサート21とが示されている。図6に基づいて使用されるスウェージング工具15により、管18の中央部分25を厚くすることが可能である。これにより、この中央部分25が管18の長手方向6における残りの部分よりも大きな壁厚26を得ることになる。また、誘導コイル27を、本発明の範囲内において、他の適当な各拡張手法又は各圧縮手法と置き換えることも可能である。取出しのために、回転された管は、工具半部15によって取り出される。
【0046】
図7には本発明による製造方法の他の実施形態が示されており、ここでは、中央部分25が、その外径19において残りの管18の外径17に対して減少されて形成されている。ここでも、回転された管は、工具半部15によって取り出される。
【符号の説明】
【0047】
1 端部
2 管式スタビライザ半部
3 スリーブ
4 内部空間
5 移行部分
6 長手方向
7 延長部分
8 第2の移行部分
9 第2の延長部分
10 壁厚
11 接続フランジ
12 拡大された壁厚
13 接続ソケット
14 スウェージング装置
15 スウェージング工具
16 線形動作
17 本来の外径
18 管
19 スウェージング工程後の外径
20 ダイインサート
20a ヘッド部材
21 カウンタインサート
22 縮小された壁厚
23 ダイインサート
24 内部外側面
25 中央部分
26 壁厚
27 誘導コイル
28 挿入動作
29 分離箇所
図1a
図1b
図1c
図1d
図2
図3
図4
図5
図6
図7