(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5669900
(24)【登録日】2014年12月26日
(45)【発行日】2015年2月18日
(54)【発明の名称】レールユニット及び該レールユニットを用いるエレベータ装置
(51)【国際特許分類】
B66B 9/02 20060101AFI20150129BHJP
B66B 7/02 20060101ALI20150129BHJP
【FI】
B66B9/02 B
B66B7/02 B
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-174090(P2013-174090)
(22)【出願日】2013年8月26日
(65)【公開番号】特開2014-129180(P2014-129180A)
(43)【公開日】2014年7月10日
【審査請求日】2013年8月26日
(31)【優先権主張番号】101150441
(32)【優先日】2012年12月27日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】591141142
【氏名又は名称】陳 銘津
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(74)【代理人】
【識別番号】100133983
【弁理士】
【氏名又は名称】永坂 均
(72)【発明者】
【氏名】陳 銘津
【審査官】
大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭61−235385(JP,A)
【文献】
特開2000−072355(JP,A)
【文献】
特公昭61−050176(JP,B2)
【文献】
実公平56−027184(JP,Y2)
【文献】
実公昭57−061096(JP,Y2)
【文献】
特許第2907722(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 9/02
B66B 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の直線方向に沿って延伸し、且つ前記所定の直線方向と直交する方向の一端側に前記所定の直線方向に沿って延伸する収容溝が凹設される柱状の本体を含む、レールユニットであって、前記収容溝の内面に、1つの所定の螺旋に沿った複数の第1のネジ紋が刻まれるように構成される、レールユニットと、
前記所定の直線方向に沿って摺動し得るように、前記レールユニットに取付けられる摺動ユニットと、
前記摺動ユニットに対する所定の位置で、前記レールユニットの前記複数の第1のネジ紋と噛み合いながら回転し得るように、前記摺動ユニットに保持されており、前記レールユニットに対する回転で、前記摺動ユニットと共に前記レールユニットに対して前記所定の直線方向に沿って移動し得る回転ユニットと、
前記摺動ユニットに固定される乗載ユニットと、
前記乗載ユニットに配置されると共に、駆動力を出力し得る駆動ユニットと、
前記駆動ユニットの駆動力を前記回転ユニットに伝動して前記回転ユニットを回転させることにより、前記回転ユニット及び前記摺動ユニットを前記所定の直線方向に沿って移動させる伝動手段とを含む、
エレベータ装置であって、
前記レールユニットとしては、前記本体が、前記所定の直線方向を横断する横断面が略円弧形になるように形成されると共に、前記円弧形の両端縁に、一対のガイドプレートが前記所定の直線方向に沿って延伸すると共に、前記所定の直線方向と直交しながら互いに反対する方向に突起するものを用いており、前記摺動ユニットは、前記一対のガイドプレートと嵌め合うように前記レールユニットに取付けられており、前記一対のガイドプレートの案内で前記所定の直線方向に沿って摺動し得ることを特徴とする、
エレベータ装置。
【請求項2】
前記摺動ユニットは、前記レールユニットの前記収容溝に面して開口し、前記収容溝と共に回転ユニットの少なくとも一部を収容する収容空間を画成し、且つ前記回転ユニットを前記摺動ユニットに対する所定の位置に保持する保持部を有することを特徴とする、請求項1に記載のエレベータ装置。
【請求項3】
前記回転ユニットの収容空間内に収容される前記一部に、前記所定の螺旋に略一致する第2のネジ紋が刻まれると共に、前記回転ユニットに刻まれる前記第2のネジ紋と前記レールユニットに刻まれる前記複数の第1のネジ紋における一部との両方に同時に嵌め込まれる複数のベアリングボールを含むことを特徴とする、請求項2に記載のエレベータ装置。
【請求項4】
前記回転ユニットは、前記摺動ユニットを挿通して少なくとも一部が前記収容空間外に露出する従動軸を含み、
前記駆動ユニットは、回転して駆動力を出力し得る駆動軸を含み、
前記伝動手段は、
前記駆動ユニットの前記駆動軸に固定される駆動ギアと、
前記回転ユニットの前記従動軸の前記収容空間外に露出する前記一部に固定される従動ギアと、
前記駆動ギアと前記従動ギアとに掛渡されるループチェーンとを含むことを特徴とする、
請求項2又は3に記載のエレベータ装置。
【請求項5】
互いに平行に延伸するように配置される複数の前記レールユニットと、
各前記レールユニットが平行に延伸する直線方向に沿って摺動し得るように、各前記レールユニットにそれぞれ取付けられると共に、前記乗載ユニットに固定される、前記レールユニットと同数の前記摺動ユニットと、
各前記摺動ユニットに対する所定の位置で、各前記レールユニットの前記複数の第1のネジ紋と噛み合いながら回転し得るように、対応の前記摺動ユニットに保持され、且つ対応の前記レールユニットに対する回転で、対応の前記摺動ユニットと共に、対応の前記レールユニットに対して各前記レールユニットが平行に延伸する直線方向に沿って移動し得る、前記レールユニットと同数の前記回転ユニットとを含むことを特徴とする、
請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載のエレベータ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はレールユニットと、該レールユニットを用いるエレベータ装置とに関し、特に、ワイヤまたはチェーンによる引き上げを使用しないレールユニットと、該レールユニットを用いるエレベータ装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のエレベータ装置は、例えば特許文献1に記載されるようなものが殆どである。
図1は特許文献1に記載のエレベータ装置の構成が示されている説明図であり、
図1に示されているように、該エレベータ装置はワイヤ7を用いて載置台8を引き上げたり、吊り下げたりする。しかし、この類のエレベータ装置では、使用されるワイヤやチェーンが老朽化などによって強度が足りなくなって断裂すると、ワイヤやチェーンにより保持される載置台は重力加速度で落ちてしまうので、危険である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−157158号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記事情に鑑みて、本発明はワイヤまたはチェーンによる引き上げを使用しないレールユニットと、該レールユニットを用いるエレベータ装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成すべく、本発明は、所定の直線方向に沿って延伸し、且つ前記所定の直線方向と直交する方向の一端側に前記所定の直線方向に沿って延伸する収容溝が凹設された柱状の本体を具えているレールユニットであって、前記収容溝の内面に、1つの所定の螺旋に沿った複数の第1のネジ紋が刻まれていることを特徴とするレールユニットを提供する。
【0006】
上記レールユニットにおいて、前記本体が前記所定の直線方向を横断する横断面が略円弧形になるように形成されていると共に、前記所定の直線方向を横断する横断面が略T字形になるように形成された取付け部が、前記本体の前記一端側の反対側に設けられているように構成されることが好ましい。
【0007】
上記レールユニットにおいて、前記本体の前記円弧形の両端縁に、一対のガイドプレートが前記所定の直線方向に沿って延伸すると共に、前記所定の直線方向と直交しながら互いに反対する方向に突起するように構成されることが好ましい。
【0008】
また、本発明は、上記レールユニットと、前記所定の直線方向に沿って摺動できるように、前記レールユニットに取付けられている摺動ユニットと、前記摺動ユニットに対する所定の位置で、前記レールユニットの前記複数の第1のネジ紋と噛み合いながら回転できるように、前記摺動ユニットに保持されており、前記レールユニットに対する回転で、前記摺動ユニットと共に前記レールユニットに対して前記所定の直線方向に沿って移動することができる回転ユニットと、前記摺動ユニットに固定されている乗載ユニットと、前記乗載ユニットに配置されていると共に、駆動力を出力することができる駆動ユニットと、前記駆動ユニットの駆動力を前記回転ユニットに伝動して前記回転ユニットを回転させることにより、前記回転ユニット及び前記摺動ユニットを前記所定の直線方向に沿って移動させる伝動手段と、を具えるエレベータ装置をも提供する。
【0009】
上記エレベータ装置において、前記レールユニットとしては、前記本体が、前記所定の直線方向を横断する横断面が略円弧形になるように形成されていると共に、前記円弧形の両端縁に、一対のガイドプレートが前記所定の直線方向に沿って延伸すると共に、前記所定の直線方向と直交しながら互いに反対する方向に突起しているものを用いており、前記摺動ユニットは、前記一対のガイドプレートと嵌め合うように前記レールユニットに取付けられており、前記一対のガイドプレートの案内で前記所定の直線方向に沿って摺動できることが好ましい。
【0010】
上記エレベータ装置において、前記摺動ユニットは、前記レールユニットの前記収容溝に面して開口し、前記収容溝と共に回転ユニットの少なくとも一部を収容する収容空間を画成し、且つ前記回転ユニットを前記摺動ユニットに対する所定の位置に保持する保持部を有することが好ましい。
【0011】
上記エレベータ装置において、前記回転ユニットの収容空間内に収容されている前記一部に、前記所定の螺旋に略一致する第2のネジ紋が刻まれていると共に、前記回転ユニットに刻まれている前記第2のネジ紋と前記レールユニットに刻まれている前記複数の第1のネジ紋における一部との両方に同時に嵌め込まれている複数のベアリングボールを具えていることが好ましい。
【0012】
上記エレベータ装置において、前記回転ユニットは、前記摺動ユニットを挿通して少なくとも一部が前記収容空間外に露出している従動軸を具えており、前記駆動ユニットは、回転して駆動力を出力することができる駆動軸を具えており、前記伝動手段は、前記駆動ユニットの前記駆動軸に固定されている駆動ギアと、前記回転ユニットの前記従動軸の前記収容空間外に露出している前記一部に固定されている従動ギアと、前記駆動ギアと前記従動ギアとに掛渡されているループチェーンとを具えていることが好ましい。
【0013】
上記エレベータ装置において、互いに平行に延伸するように配置された複数の前記レールユニットと、各前記レールユニットが平行に延伸する直線方向に沿って摺動できるように、各前記レールユニットにそれぞれ取付けられていると共に、前記乗載ユニットに固定されている、前記レールユニットと同数の前記摺動ユニットと、各前記摺動ユニットに対する所定の位置で、各前記レールユニットの前記複数の第1のネジ紋と噛み合いながら回転できるように、対応の前記摺動ユニットに保持され、且つ対応の前記レールユニットに対する回転で、対応の前記摺動ユニットと共に対応の前記レールユニットに対して各前記レールユニットが平行に延伸する直線方向に沿って移動することができる、前記レールユニットと同数の前記回転ユニットと、を具えるように構成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
上記構成のように、本発明のレールユニットを用いることによって、ワイヤまたはチェーンによる引き上げを使用しないエレベータ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】従来のエレベータ装置の構成が示されている説明図である。
【
図2】本発明の第1の好ましい実施形態のレールユニット、摺動ユニット及び回転ユニットの構成が示される分解図である。
【
図3】摺動ユニット及び回転ユニットがレールユニット1に取り付けられている状態が示されている斜視図である。
【
図4】摺動ユニット及び回転ユニットがレールユニット1に取り付けられている状態の断面図である。
【
図5】本発明のエレベータ装置の第1の好ましい実施形態の要部斜視図である。
【
図6】
図5に示されるエレベータ装置の側面図である。
【
図7】
図5に示されるエレベータ装置の上面図である。
【
図8】本発明のエレベータ装置の第2の好ましい実施形態の要部斜視図である。
【
図9】
図8に示されるエレベータ装置の側面図である。
【
図10】
図8に示されるエレベータ装置の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下では
図2〜
図10を参照しながら、本発明のレールユニットと、該レールユニットを用いるエレベータ装置の各好ましい実施形態について詳しく説明する。
図2〜
図7に本発明の第1の好ましい実施形態が示されており、
図8〜
図10に本発明の第2の好ましい実施形態が示されている。
【0017】
図2は本発明の第1の好ましい実施形態のレールユニット1、該レールユニット1に対応する摺動ユニット2及び回転ユニット3の構成が示される分解図である。
図3は摺動ユニット2及び回転ユニット3がレールユニット1に取り付けられている状態が示されている斜視図である。
図4は摺動ユニット2及び回転ユニット3がレールユニット1に取り付けられている状態の断面図である。
【0018】
図2〜
図4に示されているように、本発明の第1の好ましい実施形態のレールユニット1は、所定の直線方向Lに沿って延伸し、且つ直線方向Lと直交する方向の一端側(図中における右下端側)に直線方向Lに沿って延伸する収容溝11が凹設された柱状の本体10を具えている。収容溝11の内面に、1つの所定の螺旋に沿った複数の第1のネジ紋12が刻まれている。
【0019】
この実施形態において、本体10は直線方向Lを横断する横断面が略円弧形になるように形成されている。また、直線方向Lを横断する横断面が略T字形になるように形成された取付け部13が、本体10の前記一端側(即ち収容溝11が凹設された側)の反対側に設けられている。
【0020】
ちなみに、この実施形態における直線方向Lは垂直方向になっているが、必要に応じて直線方向Lが斜め方向であってレールユニット1を斜めに配置することも可能であるが、レールユニット1をエレベータ装置に用いるかぎり、基本的に直線方向Lが水平方向になることはない。
【0021】
更に、本体10の前記円弧形の両端縁に、直線方向Lと直交しながら互いに反対する方向に突起すると共に、直線方向Lに沿って延伸する一対のガイドプレート14が設けられている。
【0022】
摺動ユニット2は、レールユニット1の収容溝11に面して開口し、収容溝11と共に回転ユニット3の少なくとも一部(回転部30、後述)を収容する収容空間を画成し、且つ回転ユニット3を摺動ユニット2に対する所定の位置に保持する保持部20(
図3参照)を有している。
【0023】
この実施形態において、保持部20は回転ユニット3を上下から保持する上保持板21と下保持板22と、上、下保持板21、22を繋ぐ連結壁23と、一対のガイドプレート14に対応する連結壁23の両端部から、直線方向Lと直交しながら互いに反対する方向に突起すると共に、直線方向Lに沿って延伸する一対の翼板24とを有するように形成されている。更に、摺動ユニット2は、一対の翼板24にそれぞれ対応する一対の結合条25を有し、1つの翼板24と1つの結合条25が1つのガイドプレート14を挟みながら互いに向き合って結合することにより、摺動ユニット2はレールユニット1に取付けられ、且つ一対のガイドプレート14の案内にしたがって直線方向Lに沿って摺動することができるようになる。
【0024】
回転ユニット3は、摺動ユニット2の保持部20が有する上、下保持板21、22の間に配置され、摺動ユニット2の保持部20とレールユニット1の収容溝11とにより画成された収容空間内に収容される回転部30と、回転部30と共に回転できるように、回転部30から直線方向Lに沿って延伸し、摺動ユニット2の保持部20が有する上、下保持板21、22を挿通して前記収容空間外に露出している従動軸31と、複数のベアリングボール32とを具えている。
【0025】
回転部30の側面に、前記所定の螺旋に略一致する1本の第2のネジ紋301が刻まれている。複数のベアリングボール32は、回転ユニット3の回転部30に刻まれている第2のネジ紋301とレールユニット1に刻まれている複数の第1のネジ紋12における一部との間に介在し、両方のネジ紋に同時に嵌め込まれている。この構成によって、回転ユニット3は摺動ユニット2に対する所定の位置に配置され、複数のベアリングボール32でレールユニット1の複数の第1のネジ紋12と噛み合いながら回転することができるようになる。そして回転ユニット3がレールユニット1に対する回転で直線方向Lに沿って移動すると、回転ユニット3を保持する摺動ユニット2もガイドプレート14の案内にしたがいながら回転ユニット3と共に直線方向Lに沿って移動するようになる。
【0026】
また、回転ユニット3は、回転部30とで上、下保持板21、22をそれぞれ挟む軸受け33を更に備えている。
【0027】
図5は本発明の第1の好ましい実施形態の要部斜視図であり、
図6は
図5に対応する側面図であり、
図7は
図5に対応する上面図である。
【0028】
図示のように、本発明のエレベータ装置は、例えば一対の上記レールユニット1を使用し、該一対のレールユニット1にそれぞれ取り付けられている摺動ユニット2及び回転ユニット3と、二つの摺動ユニット2が同時に固定されている乗載ユニット4と、乗載ユニット4に配置されていると共に、駆動力を出力することができる駆動ユニット5と、駆動ユニット5の駆動力を2つの回転ユニット3にそれぞれ伝動して各回転ユニット3を回転させることにより、各回転ユニット3及び各回転ユニット3が対応する摺動ユニット2を直線方向Lに沿って移動させる伝動手段6と、を具えている。
【0029】
この実施形態において、乗載ユニット4は略板状の枠体になっているが必要に応じて適切の形状に形成することができる。例えば、荷物や人間を載せることができる乗載台を有するように形成することが好ましい。
【0030】
駆動ユニット5に関し、この実施形態では減速モータを使用し、駆動軸51を低い回転数且つ高いトルクで回転駆動させる。また、駆動ユニット5は両側にある回転ユニット3を同調に駆動するので、2つの摺動ユニット2と同距離を開けた箇所に配置されている。
【0031】
伝動手段6に関し、この実施形態においては駆動ユニット5の駆動軸51に固定されている駆動ギア61と、回転ユニット3の従動軸31の前記収容空間外に露出している部分に固定されている従動ギア62と、駆動ギア61と従動ギア62とに掛渡されているループチェーン63とを具えている。
【0032】
この構成により、この実施形態における駆動ユニット5の駆動軸51が回転して出力する駆動力を、伝動手段6を介して両側にある回転ユニット3に転送して回転させることにより、各回転ユニット3及び各回転ユニット3が対応する摺動ユニット2を直線方向Lに沿って移動させ、摺動ユニット2が固定されている乗載ユニット4を引き上げたり、あるいは適正な速度で降下させたりすることができる。
【0033】
図8は本発明の第2の好ましい実施形態の要部斜視図であり、
図9は
図8に対応する側面図であり、
図10は
図8に対応する上面図である。
【0034】
図示のように、本発明の第2の好ましい実施形態の構成は第1の好ましい実施形態に類似しているが、この実施形態では4つのレールユニット1が使用され、そして該4つのレールユニット1に対応する4つの摺動ユニット2と4つの回転ユニット3とが使用されている。したがって、乗載ユニット4は4つの摺動ユニット2に対応し、略四角の枠台上に形成され、4つの摺動ユニット2が該枠台の4角にそれぞれ配置され、駆動ユニット5は該枠台の中央近くに配置されている。
【0035】
伝動手段6についても、駆動ユニット5の駆動軸51が回転して出力する駆動力を、4本のループチェーン63を使用して各回転ユニット3に転送して回転させる。
【0036】
この構成も第1の実施形態と同じように、駆動ユニット5の駆動力を、伝動手段6を介して全ての回転ユニット3に転送して同調に回転させることにより、各回転ユニット3及び各回転ユニット3が対応する摺動ユニット2を直線方向Lに沿って移動させ、摺動ユニット2が固定されている乗載ユニット4を引き上げたり、あるいは適切な速度で降下させたりすることができる。
【0037】
上記説明は本発明の例示に過ぎず、本発明はこれによって制限されるものではない。例えばレールユニット1は垂直に配置することに限らず、斜めに配置されることも可能であり、そしてレールユニット1の数量についても2本や4本に限らず、必要に応じてレールユニット1の数量を変えることも当然可能である。また、全てにレールユニット1に対応の回転ユニット3を取り付ける必要もなく、力学的に重要な箇所だけ駆動ユニット5により駆動される回転ユニット3を重点的に配置することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0038】
上記構成のように、本発明のレールユニットを用いることによって、ワイヤまたはチェーンによる引き上げを使用しないエレベータ装置を提供することができる。例えば工事現場や高層ビルなど人員や荷物の昇降搬送が必要な場面に用いることができる。
【符号の説明】
【0039】
1 レールユニット
11 収容溝
12 第1のネジ紋
13 取付け部
14 ガイドプレート
2 摺動ユニット
20 保持部
21 上保持板
22 下保持板
23 連結壁
24 翼板
25 結合条
3 回転ユニット
30 回転部
301 第2のネジ紋
31 従動軸
32 ベアリングボール
33 軸受け
4 乗載ユニット
5 駆動ユニット
51 駆動軸
6 伝動手段
61 駆動ギア
62 従動ギア
63 ループチェーン
L 直線方向