特許第5669925号(P5669925)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5669925
(24)【登録日】2014年12月26日
(45)【発行日】2015年2月18日
(54)【発明の名称】超音波診断装置及び画像表示方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/08 20060101AFI20150129BHJP
   A61B 8/14 20060101ALI20150129BHJP
【FI】
   A61B8/08
   A61B8/14
【請求項の数】13
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-500863(P2013-500863)
(86)(22)【出願日】2012年2月10日
(86)【国際出願番号】JP2012000920
(87)【国際公開番号】WO2012114670
(87)【国際公開日】20120830
【審査請求日】2014年10月29日
(31)【優先権主張番号】特願2011-36502(P2011-36502)
(32)【優先日】2011年2月23日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000153498
【氏名又は名称】株式会社日立メディコ
(74)【代理人】
【識別番号】100098017
【弁理士】
【氏名又は名称】吉岡 宏嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100120053
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 哲明
(72)【発明者】
【氏名】脇 康治
【審査官】 宮澤 浩
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−135929(JP,A)
【文献】 特開2005−118152(JP,A)
【文献】 特開2011−19751(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00
A61B 8/08
A61B 8/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波探触子と、
前記超音波探触子を介して受信された反射エコー信号によって断層画像を構成する断層画像構成部と、
前記反射エコー信号によって算出された弾性情報に基づいて弾性画像を構成する弾性画像構成部と、
前記断層画像と前記弾性画像による合成画像を表示する画像表示部とを備えた超音波診断装置であって、
前記断層画像と前記弾性画像の合成領域における断層画像の輝度を補正する断層画像補正部を備え
前記断層画像補正部は、前記合成領域における断層画像の輝度分布の変更を行う補正パラメータに基づいて前記合成領域における断層画像の輝度分布を変更し、前記合成領域における断層画像と弾性画像の合成割合に基づいて、前記合成領域における断層画像の前記補正パラメータを設定することを特徴とする超音波診断装置。
【請求項2】
前記断層画像補正部は、前記合成領域における断層画像を強調させたり、前記合成領域における断層画像を減弱させたりすることを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項3】
前記断層画像補正部は、前記断層画像の輝度情報に基づいて、前記合成領域における断層画像を補正することを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項4】
前記断層画像構成部から出力される断層画像を白黒情報に変換する断層画像変換部と、
前記断層画像補正部から出力される補正された断層画像を色相情報に変換する補正断層画像変換部と、
前記弾性画像構成部から出力される弾性画像を色相情報に変換する弾性画像変換部と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項5】
該補正された断層画像と弾性画像を所定合成割合で加算して合成画像を構成する加算部を備えることを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項6】
前記断層画像構成部で構成された断層画像と前記弾性画像構成部で構成された弾性画像の合成領域を検出する合成領域検出部とを備えることを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項7】
前記合成領域検出部は、前記断層画像の表示領域の位置情報と前記弾性画像の表示領域の位置情報から、前記断層画像と前記弾性画像とが重なる領域である合成領域を検出することを特徴とする請求項6に記載の超音波診断装置。
【請求項8】
前記断層画像の表示領域と前記弾性画像の表示領域が同じである場合、前記合成領域検出部は、前記断層画像の表示領域の位置情報を前記合成画像の合成領域として検出することを特徴とする請求項6に記載の超音波診断装置。
【請求項9】
前記断層画像の表示領域と前記弾性画像の表示領域が異なる場合、前記合成領域検出部は、前記弾性画像の表示領域の位置情報を前記合成画像の合成領域として検出することを特徴とする請求項6に記載の超音波診断装置。
【請求項10】
前記合成領域検出部は、表示価値があると判定された弾性画像の表示領域の位置情報を合成画像の合成領域として検出することを特徴とする請求項6に記載の超音波診断装置。
【請求項11】
前記断層画像補正部は、前記合成領域における前記断層画像の輝度を抑制し、前記合成領域の領域外における前記断層画像の輝度を抑制しないことを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項12】
前記合成領域における前記断層画像は、前記合成領域の領域外における前記断層画像に比べて輝度が低く表示されることを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項13】
超音波探触子を介して受信された反射エコー信号によって断層画像を構成し、
反射エコー信号によって算出された弾性情報に基づいて弾性画像を構成し、
前記断層画像と前記弾性画像による合成画像を表示し、
前記断層画像と前記弾性画像の合成領域における断層画像の輝度を補正し、
前記合成領域における断層画像の輝度分布の変更を行う補正パラメータに基づいて前記合成領域における断層画像の輝度分布を変更し、
前記合成領域における断層画像と弾性画像の合成割合に基づいて、前記合成領域における断層画像の前記補正パラメータを設定することを特徴とする画像表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波を利用して被検体内の撮像対象部位について断層画像、生体組織の硬さまたは軟らかさを示す弾性画像を表示するための超音波診断装置及び画像表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波診断装置は、超音波探触子により被検体内部に超音波を送信し、被検体内部から生体組織の構造に応じた超音波の反射エコー信号を受信し、断層画像を構成して表示する。
近年、超音波の反射エコー信号から求めた変位により、弾性情報すなわち硬さ情報を画像化する手法が開発され、断層画像と弾性画像を交互に構成し、断層画像と弾性画像を重ね合わせて表示(合成表示)することが行われている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−141505号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献では、断層画像と弾性画像を重ね合わせて合成画像を表示することは開示されているが、断層画像と弾性画像を重ね合わせて合成画像を表示する際、弾性画像に重ね合わせられる断層画像の輝度を補正することに関しては、記載されていない。
【0005】
よって、断層画像の形態情報と、断層画像と弾性画像の合成画像の合成領域における断層画像の形態情報との質感が異なり、合成領域における断層画像の形態情報を適切に識別することができなくなる可能性があった。
【0006】
本発明は、断層画像と弾性画像の合成領域における断層画像の形態情報の視認性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明では、超音波探触子と、超音波探触子を介して受信された反射エコー信号によって断層画像を構成する断層画像構成部と、反射エコー信号によって算出された弾性情報に基づいて弾性画像を構成する弾性画像構成部と、断層画像と弾性画像による合成画像を表示する画像表示部とを備えた超音波診断装置であって、断層画像と弾性画像の合成領域における断層画像の輝度を補正する断層画像補正部を備える。断層画像補正部は、合成領域における断層画像を強調させたり、合成領域における断層画像を減弱させたりする。断層画像補正部は、合成領域における断層画像の輝度分布の変更を行う補正パラメータに基づいて合成領域における断層画像の輝度分布を変更させる。
【0008】
また、断層画像構成部で構成された断層画像と弾性画像構成部で構成された弾性画像の合成領域を検出する合成領域検出部とを備える。合成領域検出部は、断層画像の表示領域の位置情報と弾性画像の表示領域の位置情報から、断層画像と弾性画像とが重なる領域である合成領域を検出する。
【0009】
断層画像と弾性画像の合成画像の合成領域における断層画像の輝度補正を行なうことにより、断層画像の形態情報の視認性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、断層画像と弾性画像の合成領域における断層画像の形態情報の視認性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る超音波診断装置の構成を示す図。
図2】本発明に係る超音波診断装置の画像生成方法を示す図。
図3】本発明に係る断層画像補正部40の断層画像の補正を示す図。
図4】本発明に係る断層画像補正部40の断層画像の補正を示す図。
図5】本発明に係る画像表示部26の一表示形態を示す図。
図6】本発明に係る画像表示部26の一表示形態を示す図。
図7】本発明に係る画像表示部26の一表示形態を示す図。
図8】本発明に係る実施例2、3を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明を適用してなる超音波診断装置について、図を用いて説明する。
【0013】
(実施例1)
図1は本発明を適用した超音波診断装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施例に係る超音波診断装置1は、超音波探触子12と、超音波探触子を介して受信された反射エコー信号によって断層画像を構成する断層画像構成部20と、反射エコー信号によって算出された弾性情報に基づいて弾性画像を構成する弾性画像構成部34と、断層画像と弾性画像による合成画像を表示する画像表示部26とを備え、断層画像と弾性画像の合成領域における断層画像の輝度を補正する断層画像補正部40を備える。また、本実施例に係る画像表示方法では、超音波探触子を介して受信された反射エコー信号によって断層画像を構成し、反射エコー信号によって算出された弾性情報に基づいて弾性画像を構成し、断層画像と弾性画像による合成画像を表示し、断層画像と弾性画像の合成領域における断層画像の輝度を補正する。
【0014】
本実施例に係る超音波診断装置について具体的に説明する。図1に示すように、超音波診断装置には、被検体10に当接させて用いる超音波探触子12と、超音波探触子12を介して被検体10に時間間隔をおいて超音波を繰り返し送信する送信部14と、被検体10から反射された超音波を反射エコー信号として受信する受信部16と、送信部14と受信部16を制御する超音波送受信制御部17と、受信部16で受信された反射エコーを整相加算する整相加算部18とが備えられている。
【0015】
また、超音波診断装置には、整相加算部18からのRF信号フレームデータに基づいて被検体10の断層画像(例えば、白黒の断層画像)を構成する断層画像構成部20と、整相加算部18から出力されるRF信号フレームデータを記憶し、少なくとも2枚のRF信号フレームデータを選択するRF信号フレームデータ選択部28と、RF信号フレームデータを用いて被検体10の生体組織の変位を計測する変位計測部30と、変位計測部30で計測された変位から弾性情報を求める弾性情報演算部32と、弾性情報演算部32で演算した弾性情報からカラーの弾性画像を構成する弾性画像構成部34とが備えられている。弾性情報は歪み、弾性率、粘性率、変位のいずれかである。そして、画像表示部26の表示に合うように断層画像と弾性画像を調整し、断層画像と弾性画像を重ね合わせたり、並列に表示させたりして合成を行う画像合成部24と、画像合成部24から出力された画像を表示する画像表示部26とが備えられている。
【0016】
さらに、超音波診断装置には、断層画像構成部20で構成された断層画像と弾性画像構成部34で構成された弾性画像の合成領域を検出する合成領域検出部38と、合成領域検出部38で検出された断層画像と弾性画像の合成領域における断層画像を補正する断層画像補正部40とが備えられている。
【0017】
また、画像制御部44に指示を行う操作部42と、操作部42の指示に基づく制御情報を弾性情報演算部32と画像合成部24に伝達する画像制御部44とが備えられている。
【0018】
ここで、超音波診断装置の各構成についてさらに詳細に説明する。超音波探触子12は、複数の振動子を配設して形成されており、被検体10に振動子を介して超音波を送受信する機能を有している。
【0019】
送信部14は、超音波探触子12を駆動して超音波を発生させるための送波パルスを生成するとともに、送信される超音波の収束点をある深さに設定する機能を有している。また、受信部16は、超音波探触子12で受信した超音波に基づく反射エコー信号について所定のゲインで増幅してRF信号すなわち受波信号を生成するものである。整相加算部18は、受信部16で増幅されたRF信号を入力して位相制御し、一点又は複数の収束点に対し超音波ビームを形成してRF信号フレームデータを生成するものである。
【0020】
断層画像構成部20は、整相加算部18からのRF信号フレームデータを入力してゲイン補正、ログ圧縮、検波、輪郭強調、フィルタ処理等の信号処理を行い、断層画像を得るものである。
【0021】
RF信号フレームデータ選択部28は、整相加算部18からの複数のRF信号フレームデータを記憶し、記憶されたRF信号フレームデータ群から1組すなわち2つのRF信号フレームデータを選択する。例えば、整相加算部18から時系列すなわち画像のフレームレートに基づいて生成されるRF信号フレームデータをRF信号フレームデータ選択部28に順次記憶し、記憶されたRF信号フレームデータ(N)を第1のデータとして選択すると同時に、時間的に過去に記憶されたRF信号フレームデータ群(N-1、N-2、N-3・・・N-M)の中から1つのRF信号フレームデータ(X)を選択する。なお、ここでN、M、XはRF信号フレームデータに付されたインデックス番号であり、自然数とする。
【0022】
そして、変位計測部30は、選択された1組のRF信号フレームデータ(N)及びRF信号フレームデータ(X)から1次元或いは2次元相関処理などを行って、断層画像の各点に対応する生体組織における変位や移動ベクトルすなわち変位の方向と大きさに関する1次元又は2次元変位分布を求める。ここで、移動ベクトルの検出にはブロックマッチング法を用いる。ブロックマッチング法とは、画像を例えばN×N画素からなるブロックに分け、関心領域内のブロックに着目し、着目しているブロックに最も近似しているブロックを前のフレームから探し、これを参照して予測符号化すなわち差分により標本値を決定する処理を行う手法である。
【0023】
弾性情報演算部32は、変位計測部30から出力される計測値、例えば変位と、圧力計測部46から出力される圧力値とから断層画像上の各点に対応する生体組織の歪み又は弾性率を演算するものである。なお、参照変形体(図示しない。)を超音波探触子12の表面に設置し、圧力計測部46は被検体10を圧迫することによって変形した参照変形体の変形度合いから圧力値を計測することもできる。
【0024】
このとき、歪みは、生体組織の例えば変位を空間微分することによって算出される。また、弾性率は、圧力の変化を歪みの変化で除することによって計算される。例えば、変位計測部30により計測された変位をL(X)、圧力計測部46により計測された圧力をP(X)とすると、歪みΔS(X)は、L(X)を空間微分することによって算出することができるから、ΔS(X)=ΔL(X)/ΔXという式を用いて求められる。また、弾性率Ym(X)は、Ym=(ΔP(X))/ΔS(X)という式によって算出される。この弾性率Ymから断層画像の各点に相当する生体組織の弾性率が求められるので、2次元の弾性画像を連続的に得ることができる。なお、弾性率とは、物体に加えられた単純引張り応力と、引張りに平行に生じる歪みに対する比である。
【0025】
弾性画像構成部34は、弾性情報演算部32によって演算された各計測点における生体組織の弾性情報に基づいて、2次元の弾性画像を構成するものである。
【0026】
操作部42は、各種キーを有したキーボードと、トラックボール等からなる。操作部42のトラックボールを回転させることによって、例えば、画像制御部44は合成画像の合成領域の範囲を調整する。そして、操作部42のキーボードの確定キーを押すことによって、画像制御部44は調整された合成領域を確定する。そして、画像制御部44は、設定された合成領域の位置情報を弾性情報演算部32と画像合成部24に伝達する。画像合成部24は、合成領域に基づく輪郭線を断層画像又は合成画像に重ね合わせて表示させる。
【0027】
ここで、図2を用いて説明する。図2は、断層画像と、断層画像と弾性画像の合成画像の画像生成方法を説明するための図である。
【0028】
画像合成部24は、断層画像構成部20から出力される断層画像を白黒情報に変換する断層画像変換部100と、断層画像補正部40から出力される補正された断層画像を色相情報に変換する補正断層画像変換部102と、弾性画像構成部34から出力される弾性画像を色相情報に変換する弾性画像変換部104と、補正された断層画像と弾性画像を所定合成割合で加算して合成画像を構成する加算部106と、合成画像と断層画像を選択する画像選択部108とを備えて構成されている。
【0029】
断層画像変換部100は、断層画像構成部20から出力される断層画像を白黒情報に変換する機能を有している。断層画像変換部100は、断層画像構成部20から出力される断層画像を光の3原色すなわち赤(R)、緑(G)、青(B)に変換し、白黒の断層画像に変換する。また、断層画像変換部100は、断像画像を画像表示部26の表示に合わせるスキャンコンバータ機能を有している。
【0030】
合成領域検出部38は、断層画像構成部20と、弾性情報演算部32又は弾性画像構成部34又は画像制御部44に接続されている。合成領域検出部38は、断層画像構成部20から断層画像の表示領域についての位置情報を得る。また、合成領域検出部38は、弾性情報演算部32又は弾性画像構成部34又は画像制御部44から弾性画像の表示領域についての位置情報を得る。
【0031】
合成領域検出部38は、断層画像の表示領域の位置情報と弾性画像の表示領域の位置情報から、断層画像と弾性画像とが重なる領域である合成領域を検出する。具体的には、合成領域検出部38は、断層画像の表示領域の2次元座標と弾性画像の表示領域の2次元座標から各座標毎に断層画像の画素と弾性画像の画素とが重なる合成領域か否かを検出する。合成領域検出部38によって検出された合成領域の2次元座標が算出され、合成領域の2次元座標が断層画像補正部40に伝達される。
【0032】
断層画像補正部40は、合成領域検出部38によって検出された合成画像の合成領域における断層画像を補正する。具体的には、断層画像補正部40は、合成領域における断層画像の輝度を強調したり、合成領域における断層画像の輝度を減弱したりする。例えば、断層画像補正部40は、合成領域における断層画像の輝度分布の変更を行う補正パラメータに基づいて合成領域における断層画像の輝度分布を変更する。
【0033】
補正断層画像変換部102は、断層画像変換部100の機能と同様に、断層画像補正部40から出力される補正された断層画像を光の3原色すなわち赤(R)、緑(G)、青(B)に変換する。また、補正断層画像変換部102は、補正された断像画像を画像表示部26の表示に合わせるスキャンコンバータ機能を有している。
【0034】
弾性画像変換部104は、弾性画像構成部34からの弾性画像に色相情報を付与する機能を有したものである。弾性画像変換部104は、弾性画像に基づいて光の3原色すなわち赤(R)、緑(G)、青(B)に変換する。弾性画像変換部104は、例えば、歪みが大きい弾性データを赤色コードに変換すると同時に、歪みが小さい弾性データを青色コードに変換する。
【0035】
加算部106は、断層画像と弾性画像を所定合成割合で加算して合成画像を構成する。変換された断層画像と弾性画像を合成割合αで加算して合成する。ここで、合成割合αは、生体組織の性質などに応じて操作者により操作部42から予め任意に設定されており、ゼロより大きく1より小さい値である。この合成割合αを用いると、生成される合成画像は、数1に示すように合成される。
【0036】
{数1}
(合成画像R)=(1−α)×(断層画像R)+α×(弾性画像R)

(合成画像G)=(1−α)×(断層画像G)+α×(弾性画像G)
(合成画像B)=(1−α)×(断層画像B)+α×(弾性画像B)
【0037】
そして、加算部106で重ね合わせられた合成画像は、画像選択部108に出力される。
【0038】
画像選択部108は、断層画像と合成画像の中から画像表示部26に表示する画像を選択するものである。画像選択部108による選択によって、画像表示部26は、断層画像又は合成画像を表示することができ、例えば、断層画像と合成画像を並列に表示することができる。
【0039】
ここで、断層画像補正部40による断層画像の補正の具体例について、図3図4を用いて説明する。図3(a)(b)、図4(a)(b)の左図は、補正されていない断層画像の輝度値と頻度の関係を示すものであり、図3(a)(b)、図4(a)(b)の右図は、補正された断層画像の輝度値と頻度の関係を示すものである。
【0040】
図3(a)は、弾性画像と断層画像の合成画像の合成領域における断層画像の輝度分布の補正輝度値を設定することにより、合成領域における断層画像を強調又は減弱させる補正を行う手法を示す図である。補正輝度値は、合成領域における断層画像の輝度分布の変更を行う補正パラメータである。断層画像補正部40は、合成領域における断層画像の輝度分布の変更を行う補正輝度値に基づいて合成領域における断層画像の補正を行なう。
【0041】
まず、操作部42によって、合成領域における断層画像の輝度分布の補正輝度値βが設定される。設定された補正輝度値βは、画像制御部44を介して断層画像補正部40に伝達される。断層画像補正部40は、数2を用いて合成領域における断層画像の補正を行なう。
【0042】
{数2}
Output = Input + β
Output :補正後の断層画像の輝度値
Input :断層画像の輝度値
β :補正輝度値
【0043】
断層画像補正部40は、図3(a)に示すように、補正輝度値βによって、合成領域における断層画像の輝度分布をシフトさせる補正を行なう。ここでは、合成領域における断層画像における輝度分布A1〜A2が、断層画像補正部40によって輝度値が小さい方向(左方向)に補正輝度値β分シフトされ、輝度分布A3〜A4になるように断層画像が補正される。断層画像の輝度分布A1〜A2と断層画像の輝度分布A3〜A4の輝度分布の幅は同一である。断層画像の輝度分布の幅が保たれたまま、輝度分布がシフトされる。
【0044】
このように、合成領域における断層画像の輝度分布は輝度分布A3〜A4となる。補正輝度値βによって合成領域における断層画像の輝度分布が低く設定されることから、合成領域における断層画像の輝度が低くなる。
【0045】
操作者は、合成領域における断層画像を画像表示部26で観察しながら、操作部42によって、補正輝度値βを調整することができる。また、補正輝度値βによって合成領域における断層画像の輝度分布を高く設定することもでき、合成領域における断層画像の輝度を高くすることもできる。
【0046】
図3(b)は、断層画像の輝度分布におけるピーク基準値を設定することにより、合成画像における断層画像を強調又は減弱させる補正を行う手法を示す図である。ピーク基準値は、合成領域における断層画像の輝度分布の変更を行う補正パラメータであり、断層画像の輝度分布におけるピークの位置を合わせるための指標値である。
【0047】
まず、操作部42によって、合成領域における断層画像のピーク基準値B1が設定される。設定されたピーク基準値B1は、画像制御部44を介して断層画像補正部40に伝達される。
【0048】
断層画像補正部40は、図3(b)に示すように、ピーク基準値B1によって、合成領域における断層画像の輝度分布をシフトさせる補正を行なう。ここでは、合成領域における断層画像における輝度分布が、断層画像補正部40によって輝度値が大きい方向(右方向)にシフトされ、ピーク基準値B1に輝度分布のピークが合うように断層画像が補正される。シフト前の断層画像の輝度分布とシフト後の断層画像の輝度分布の輝度分布の幅は同一である。断層画像の輝度分布の幅が保たれたまま、輝度分布がシフトされる。断層画像の輝度分布におけるピーク基準値B1を高輝度に設定されるため、合成領域における断層画像の輝度分布を高く設定することができる。合成領域における断層画像の輝度が高くなり、断層画像が強調される。
【0049】
断層画像の輝度分布におけるピーク基準値B1を低輝度に設定すれば、合成領域における断層画像の輝度が抑制され、断層画像が減弱される。
【0050】
また、断層画像補正部40は、断層画像の輝度情報に基づいて、合成領域における断層画像を強調又は減弱させる補正を行なうこともできる。断層画像補正部40は、例えば、予め設定した輝度基準値Aを設定し、断層画像構成部20からの断層画像の平均輝度値Bを算出し、AとBの比率(A/B)を算出する。そして、断層画像補正部40は、輝度基準値と平均輝度値の比率を合成領域における断層画像に掛け算を行なう。これにより、合成領域における断層画像を自動的に調整することができる。
【0051】
断層画像補正部40は、断層画像の輝度情報に基づいて合成領域における断層画像を強調又は減弱させる補正を行なうため、合成領域における断層画像の輝度が明るすぎるときは暗めに断層画像の輝度を自動補正することができ、合成領域における断層画像の輝度が暗すぎるときは明るめに断層画像の輝度を自動補正することができる。
【0052】
図4(a)は、断層画像の輝度分布における輝度分布幅を調整することにより、合成画像における断層画像を強調又は減弱させる補正を行う手法を示す図である。
【0053】
合成領域における断層画像の輝度分布幅C1がある。操作部42によって、合成領域における断層画像の輝度分布幅C2が設定される。設定された輝度分布幅C2は、画像制御部44を介して断層画像補正部40に伝達される。輝度分布幅は、合成領域における断層画像の輝度分布の変更を行う補正パラメータである。
【0054】
断層画像補正部40は、図4(a)に示すように、輝度分布幅C2によって、合成領域における断層画像の輝度分布を変更させる補正を行なう。ここでは、合成領域における断層画像の輝度分布幅C1が、断層画像補正部40によって、輝度分布幅C2になるように断層画像が補正される。このとき、断層画像の輝度分布幅C1の輝度分布の面積と断層画像の輝度分布幅C2の輝度分布の面積は同一である。
【0055】
合成領域における断層画像の輝度分布が広範囲に設定されるため、合成領域における断層画像の輝度分布を高階調化することができる。よって、合成領域における断層画像を強調させることができる。
【0056】
また、断層画像補正部40は、下記式により、補正係数γを調整することにより、合成画像における断層画像を補正することもできる。補正係数γは、合成領域における断層画像の輝度分布の変更を行う補正パラメータである。補正係数γを大きくすると、合成領域における断層画像の輝度が抑制される。補正係数γを小さくすると、合成領域における断層画像の輝度が高くなる。
【0057】
{数3}
Output=65536×(Input÷65536)γ
Output:補正後の断層画像の輝度値
Input :断層画像の輝度値
γ :補正係数
【0058】
このように、合成領域における断層画像の階調を調整すれば、合成領域における断層画像の透明度を高めたり、断層画像の形態情報の内部構造をより鮮明に表示したりすることができる。
【0059】
図4(b)は、断層画像の輝度分布における密度を設定することにより、合成画像における断層画像を強調又は減弱させる補正を行う手法を示す図である。
【0060】
断層画像補正部40は、合成領域における断層画像の輝度分布によって、断層画像の補正を行なう。断層画像補正部40は、図4(b)に示すように、合成画像における輝度分布のピークの輝度値の密度を高め、ピーク以外の輝度値の密度を低めるように輝度値を補正する。
【0061】
断層画像補正部40は、合成領域における断層画像の輪郭を強調するように断層画像を補正することもできる。具体的には、合成領域における断層画像の高周波成分又は低周波成分を取り出すフィルタ係数を調整する。合成領域における断層画像内部のスジや腫瘍部の輪郭を強調することで、注目すべき部位のみの透過を高めることができる。合成領域における断層画像の輪郭を強調する方法としては弛緩法、ゼロ交差法、Canny法などの手法が代表され、断層画像を空間的に微分することにより得られた境界情報を用い、合成領域における断層画像の境界部をより強調する方法がある。
【0062】
なお、画像表示部26は、補正輝度値や補正係数などの補正パラメータを表示することもでき、操作者は合成領域における断層画像の補正度合いを確認することができる。
【0063】
また、断層画像補正部40は、合成領域における断層画像と弾性画像の合成割合αに基づいて、合成領域における断層画像の補正パラメータを設定することもできる。例えば、合成割合αが高い(0.5<α<1)場合、弾性画像が強調される。このとき、断層画像補正部40は、補正輝度値βによって合成領域における断層画像の輝度分布を低く設定する。よって、合成領域における断層画像の輝度が抑制される。合成割合αが低い(0<α<0.5)場合、弾性画像が減弱される。このとき、断層画像補正部40は、補正輝度値βによって合成領域における断層画像の輝度分布を高く設定する。よって、合成領域における断層画像の輝度が強調される。
【0064】
次に、画像表示部26の表示形態について、図5図7を用いて説明する。図5は、断層画像の表示領域と弾性画像の表示領域が同じである合成画像の表示形態を示す。断層画像の表示領域と弾性画像の表示領域が同じである場合、断層画像の表示領域がそのまま合成画像の合成領域となる。断層画像の表示領域と弾性画像の表示領域が同じである場合、合成領域検出部38は、断層画像の表示領域の位置情報を合成画像の合成領域として検出する。断層画像補正部40は、上記の図3図4などで示したいずれかの手法により、合成領域における断層画像の補正を行なう。
【0065】
図5(a)は、補正されていない断層画像と弾性画像による合成画像と断層画像を並列表示する表示形態を示すものであり、図5(b)は、補正された断層画像と弾性画像による合成画像と断層画像を並列表示する表示形態を示すものである。
【0066】
図5(a)の断層画像では、形態情報である正常組織50と腫瘍組織52が表示されている。図5(a)の合成画像では、形態情報である正常組織50と腫瘍組織52に加えて、弾性画像における硬さ情報である硬化組織54が、断層画像における腫瘍組織52に重ね合わせて表示されている。
【0067】
図5(b)の合成画像における補正された断層画像では、形態情報である正常組織50と腫瘍組織52とが補正されている。断層画像補正部40により合成領域における断層画像の輝度が抑制されている。よって、図5(a)の合成画像の断層画像において重ね合わされた腫瘍組織52に比べて、図5(b)の合成画像の断層画像において重ね合わされた腫瘍組織52の質感が改善される。腫瘍組織52が黒色で表示され、硬化組織54が青色で表示されるとすると、腫瘍組織52と硬化組織54が重なる部位に関しては、深い青色で表示されることになる。操作者は、深い青色で表示される部分が悪性腫瘍である可能性が高いとして、注意して観察することができる。
【0068】
図6は、断層画像の表示領域と弾性画像の表示領域が異なる合成画像の表示形態を示す。断層画像の表示領域と弾性画像の表示領域が異なる場合、弾性画像の表示領域が合成画像の合成領域60となる。断層画像の表示領域と弾性画像の表示領域が異なる場合、合成領域検出部38は、弾性画像の表示領域の位置情報を合成画像の合成領域60として検出する。また、操作部42によって設定された弾性画像の表示領域の位置情報を合成領域検出部38に出力し、合成領域検出部38は、弾性画像の表示領域の位置情報を合成画像の合成領域60として検出することもできる。算出された合成領域60の2次元座標は断層画像補正部40に伝達される。断層画像補正部40は、上記の図3図4などで示したいずれかの手法により、合成領域60の断層画像を補正する。
【0069】
図6(a)は、補正されていない断層画像と弾性画像による合成画像と断層画像を並列表示する表示形態を示すものであり、図6(b)は、補正された断層画像と弾性画像による合成画像と断層画像を並列表示する表示形態を示すものである。
【0070】
図6(a)の断層画像では、形態情報である正常組織50と腫瘍組織52が表示されている。図6(a)の合成画像では、形態情報である正常組織50と腫瘍組織52に加えて、合成画像の合成領域60の硬さ情報である硬化組織54が、断層画像における腫瘍組織52に重ね合わせて表示されている。
【0071】
図6(b)の合成画像の合成領域60において補正された断層画像では、形態情報である腫瘍組織52が補正されている。断層画像補正部40により合成画像の合成領域60における断層画像の輝度が抑制される。よって、図6(a)の合成画像の断層画像において重ね合わされた腫瘍組織52に比べて、図6(b)の合成画像の断層画像において重ね合わされた腫瘍組織52の質感が、正常組織50の質感を損ねることなく、改善される。
【0072】
図7は、弾性画像の表示領域が合成画像の合成領域となる表示形態を示す。まず、弾性情報演算部32は、所定領域70内の各計測点についての弾性情報(歪み又は弾性率)が正常に計測された結果か否かを判定する。例えば、各計測点の弾性情報と所定領域70内の弾性情報の平均と標準偏差を比較して、各計測点の弾性情報が正常に計測されたか否かに基づいて表示価値があるか否かを判定する。弾性画像構成部34は、表示価値があると判定された領域と表示価値がないと判定された領域に区別して弾性情報に基づく弾性画像を構成する。例えば、弾性画像構成部34は、表示価値があると判定された領域についてのみ弾性画像を構成する。
【0073】
合成領域検出部38は、表示価値があると判定された弾性画像の表示領域の位置情報を合成画像の合成領域として検出する。合成領域検出部38は、表示価値があると判定された弾性画像の表示領域の位置情報を合成画像の合成領域60として検出する。
【0074】
算出された合成領域60の2次元座標は断層画像補正部40に伝達される。断層画像補正部40は、上記の図3図4などで示したいずれかの手法により、合成領域60の断層画像を補正する。
【0075】
図7(a)は、補正されていない断層画像と弾性画像による合成画像と断層画像を並列表示する表示形態を示すものであり、図7(b)は、補正された断層画像と弾性画像による合成画像と断層画像を並列表示する表示形態を示すものである。
【0076】
図7(a)の断層画像では、形態情報である正常組織50と腫瘍組織52が表示されている。図7(a)の合成画像では、形態情報である腫瘍組織52に加えて、合成画像の合成領域60の硬さ情報である硬化組織54が、断層画像における腫瘍組織52に重ね合わせて表示されている。
【0077】
図7(b)の合成画像の合成領域60において補正された断層画像では、形態情報である腫瘍組織52が補正されている。断層画像補正部40により合成画像の合成領域60における断層画像の輝度が抑制される。よって、図7(a)の合成画像の断層画像において重ね合わされた腫瘍組織52に比べて、図7(b)の合成画像の断層画像において重ね合わされた腫瘍組織52の質感が、正常組織50の質感を損ねることなく、改善される。
【0078】
このように、断層画像補正部40は、合成画像の合成領域60における断層画像の輝度を抑制し、合成画像の合成領域60の領域外における断層画像の輝度を抑制しない。よって、合成領域60における断層画像は、合成領域60の領域外における断層画像に比べて輝度が低く表示される。
【0079】
以上、実施例1によれば、超音波探触子12と、超音波探触子12を介して受信された反射エコー信号によって断層画像を構成する断層画像構成部20と、反射エコー信号によって算出された弾性情報に基づいて弾性画像を構成する弾性画像構成部34と、断層画像と弾性画像による合成画像を表示する画像表示部26とを備えた超音波診断装置であって、断層画像と弾性画像の合成領域における断層画像の輝度を補正する断層画像補正部40を備える。断層画像補正部40は、合成領域における断層画像を強調させたり、合成領域における断層画像を減弱させたりする。断層画像補正部40は、合成領域における断層画像の輝度分布の変更を行う補正パラメータに基づいて合成領域における断層画像の輝度分布を変更させる。また、断層画像構成部20で構成された断層画像と弾性画像構成部34で構成された弾性画像の合成領域を検出する合成領域検出部38とを備える。合成領域検出部38は、断層画像の表示領域の位置情報と弾性画像の表示領域の位置情報から、断層画像と弾性画像とが重なる領域である合成領域を検出する。
【0080】
よって、断層画像と弾性画像の合成領域における断層画像の形態情報の視認性を向上させることができる。
【0081】
(実施例2)
次に実施例2について図8(a)を用いて説明する。実施例1と異なる点は、画像表示部26が異なる補正パラメータで補正された複数の断層画像と弾性画像とを合成した合成画像を複数表示することである。
【0082】
断層画像補正部40によって、例えば、図3図4で説明したように、合成領域における断層画像の輝度分布の補正パラメータ(補正輝度値や補正係数など)を複数設定することにより、画像表示部26は、輝度分布が異なる断層画像と弾性画像とが合成された合成画像を複数表示することができる。
【0083】
ここでは、補正輝度値Aによって補正された断層画像Aと弾性画像とが合成された合成画像を合成画像Aとし、補正輝度値Bによって補正された断層画像Bと弾性画像とが合成された合成画像を合成画像Bとし、補正輝度値Cによって補正された断層画像Cと弾性画像とが合成された合成画像を合成画像Cとする。画像表示部26は、合成画像Aと合成画像Bと合成画像Cを表示することができる。
【0084】
操作者は、合成画像のいずれかを操作部42で選択することにより、画像表示部26は、選択された合成画像のみを表示させたり、選択された合成画像を拡大させて表示させたりすることもできる。
【0085】
以上、実施例2によれば、断層画像と弾性画像の合成領域における断層画像の形態情報の視認性を確認するとともに向上させることができる。
【0086】
(実施例3)
次に実施例3について図8(b)を用いて説明する。実施例1、2と異なる点は、画像表示部26が異なる補正パラメータで補正された複数の断層画像と弾性画像とを合成した合成画像を順に表示することである。
【0087】
断層画像補正部40によって、例えば、図3図4で説明したように、合成領域における断層画像の輝度分布の補正パラメータ(補正輝度値や補正係数など)を複数設定することにより、画像表示部26は、輝度分布が異なる断層画像と弾性画像とが合成された合成画像を順に表示することができる。
【0088】
画像表示部26は、合成画像Aと合成画像Bと合成画像Cを順に繰り返し表示することができる。例えば、図8(b)に示すように、合成画像Aの次に合成画像Bが表示され、合成画像Bの次に合成画像Cが表示され、合成画像Cの次に合成画像Aが表示される。また、画像表示部26は、合成領域における断層画像の輝度分布の補正輝度値が大きい順に合成画像を表示したり、補正輝度値が小さい順に合成画像を表示したりすることができる。
【0089】
また、断層画像と弾性画像の合成画像によるMPR表示についても同様に合成領域における断層画像の輝度を補正することができる。MPR表示とは直交3断面を表示する表示形態である。直交3断面における断層画像と弾性画像の合成画像について、合成領域における断層画像をそれぞれの補正パラメータで輝度を補正することができる。つまり、断層画像補正部40によって、異なる複数の断面において合成領域における断層画像の輝度をそれぞれ調整することができる。
【0090】
また、断層画像補正部40によって、断層画像のレンダリング像と弾性画像のレンダリング像の合成レンダリング像を表示する際に、合成レンダリング像の合成ボリューム領域における断層画像のレンダリング像の輝度を調整することできる。
【0091】
以上、実施例3によれば、断層画像と弾性画像の合成領域における断層画像の形態情報の視認性を確認するとともに向上させることができる。
【符号の説明】
【0092】
1 超音波診断装置、10 被検体、12 超音波探触子、14 送信部、16 受信部、17 超音波送受信制御部、18 整相加算部、20 断層画像構成部、24 画像合成部、26 画像表示部、28 RF信号フレームデータ選択部、30 変位計測部、32 弾性情報演算部、34 弾性画像構成部、38 合成領域検出部、40 断層画像補正部、42 操作部、44 画像制御部、46 圧力計測部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8