(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ウェブが接着性を有するメルトブローンウェブ、フラッシュ紡糸ウェブ、静電気積層ウェブ、又はバーストファイバーウェブであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の止水性積層シート。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながらこの接着樹脂同士の隙間を釘等が貫通した場合、接着樹脂が釘等に密着できない。また、釘等がその胴部表面に螺旋状の溝を有するスクリュー釘や木ねじであると、たとえ接着樹脂をスクリュー釘が貫通しても、それが有する溝の所為で接着樹脂がスクリュー釘に密着できない。従来の透湿防水シートは、十分な釘穴止水性を有していなかった。接着樹脂が隙間なく不織布に含浸されていると、十分な釘穴止水性が得られるが、多孔質フィルムの細孔が接着樹脂によって塞がれてしまうため、透湿性が損なわれる。
【0006】
極細繊維で形成された不織布や、大きな目付を有する不織布を透湿防水シートに用いることによって、釘穴止水性を向上させることが考えられる。しかしながらこのような不織布は高価であるため、透湿防水シートの製造コストの高騰を招来する。
【0007】
屋外側が降雨に曝され、屋内側に水蒸気が溜まり易い屋根に用いられる透湿防水シートは、防水性と透湿性とに加えて、釘穴から雨水を浸入させない優れた釘穴止水性を有し、かつ安価に製造できるものであることが望まれていた。
【0008】
本発明は、前記の課題を解決するためになされたもので、防水性、透湿性及び優れた釘穴止水性を兼ね備えた止水性積層シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の目的を達成するためになされた、本発明の止水性積層シートは可撓性の透湿防水フィルムを有し、ねじ釘の貫通により建材に固定される止水性積層シートであって、前記透湿防水フィルムを挟んでいる接着層が、
ポリオレフィン又はポリエステルを主成分としつつ溶融によりホットメルトとなるホットメルト接着剤からなり前記ねじ釘に絡んで密着する繊維
形状を維持しているウェブを含
みつつ前記ホットメルト接着剤を完全に硬化する前の前記ホットメルトの状態で未硬化のまま不織ベースシートと不織表面シートとに貼り合わされており、一方の前記接着層を介して
前記不織ベースシートが積層され、他方の前記接着層を介して
前記不織表面シートが積層されているものである。
【0010】
止水性積層シートは、前記繊維の平均径が、最大で30μmであることが好ましい。
【0011】
止水性積層シートは、前記ウェブの目付が、少なくとも20g/m
2であることが好ましい。
【0012】
止水性積層シートは、前記ウェブが接着性を有するメルトブローンウェブ、フラッシュ紡糸ウェブ、静電気積層ウェブ、又はバーストファイバーウェブであることが好ましい。
【0013】
止水性積層シートは、
前記接着層が吸水性樹脂を含んでいるものであってもよい。
【0014】
止水性積層シートは、前記建材が野地板であってもよい。
【0015】
止水性積層シートの製造方法は、不織ベースシートに
、ポリオレフィン又はポリエステルを主成分としつつ溶融してから完全に硬化する前にホットメルト状態で未硬化のまま透湿防水フィルム及び不織表面シートを貼るホットメルト接着剤をメルトブローすることによって、
繊維形状を維持しているウェブを含む接着層を形成してから、前記接着層に
前記透湿防水フィルムを貼り合わせ、前記透湿防水フィルムに前記ホットメルト接着剤と同質のホットメルト接着剤をメルトブローすることによって、形成した
繊維形状を維持しているウェブを含むもう一つの接着層に、
前記不織表面シートを貼り合わせるものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明の止水性積層シートは、接着層がホットメルト接着剤からなるウェブを含んでいることにより、メルトブロー積層された繊維が水蒸気を透過する間隙を形成しつつ、ねじ釘に絡んで密着するので、透湿性と優れた釘穴止水性とを有している。またこの止水性積層シートは、透湿防水フィルムが積層されているので、防水性をも有している。このように本発明の止水性積層シートは、優れた釘穴止水性、透湿性及び防水性を兼ね備えているので、屋根や壁から家屋内に雨水が浸入することを確実に防ぐと同時に、家屋内の水蒸気を透過させて結露の発生を防ぐことができる。
【0017】
この止水性積層シートは、接着層のウェブの目付が少なくとも20g/m
2であったり、このウェブの繊維の平均径が最大で30μmであったりすると、無数の極細繊維が、ねじ釘に絡み付いて釘穴を確りと塞ぐので、釘穴止水性を一層向上させることができる。
【0018】
この止水性積層シートは、接着層のウェブがメルトブローンウェブであると、止水性を発現する極細繊維を容易でかつ安価に製造することができる。
【0019】
この止水性積層シートの各部材の材料が、ポリオレフィンであると、耐熱性に優れるので、高い耐熱性が要求される屋根の下材に好適に用いることができる。またリサイクルが容易であるので、産業廃棄物の量を低減することができる。
【0020】
この止水性積層シートの製造方法によれば、ホットメルト接着剤をメルトブロー積層して接着層を形成するものであるので、優れた釘穴止水性を有する止水性積層シートを簡易に製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を実施するための形態を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの形態に限定されるものではない。
【0023】
本発明の止水性積層シート10の一形態の模式断面図を
図1に示す。止水性積層シート10は、不織ベースシート11と、接着層12,14と、透湿防水フィルム13と、不織表面シート15とが積層されているものである。これらの部材は薄いシート又はフィルムであるので、止水性積層シート10は柔軟であり、可撓性を有している。止水性積層シート10は、ねじ釘が貫通することにより、野地板や壁板のような建材に固定されるものである。なおここでねじ釘とは、ねじ、釘、及びつづり針のように止水性積層シート10を貫通して固定する留め具をいう。
【0024】
ポリエチレン製で多孔質の透湿防水フィルム13が、接着層12,14に挟まれている。透湿防水フィルム13の一方の面に積層された接着層12を介して不織ベースシート11が積層されており、透湿防水フィルム13の他方の面に積層された接着層14を介して不織表面シート15が積層されている。不織ベースシート11及び不織表面シート15は、ともにポリプロピレン製の不織布である。
【0025】
接着層12,14は、ホットメルト接着剤からなるメルトブローンウェブである。不織布の製造方法の一つであるメルトブロー法は、溶融した樹脂をホットエアとともにダイからターゲットに向かって吹き付けるものである。それによって極細の繊維からなり、均質な繊維径及び厚さを有するメルトブローンウェブを、ターゲット上に形成することができる。そのため接着層12,14は、無数の極細繊維12a,14aを有している。
【0026】
極細繊維12a,14aの平均径は最大で30μmであることが好ましい。それによって、極細繊維12a,14aがスクリュー釘40に緻密に絡み付いて密着し釘穴Pを塞ぐので(
図2参照)、止水性積層シート10は優れた釘穴止水性を発現する。一方平均径がこれよりも大きいと、ウェブの繊維はスクリュー釘40に疎らにしか絡まないので、十分な釘穴止水性が得られない。
【0027】
接着層12,14を形成するメルトブローンウェブの目付は、20g/m
2以上であることが好ましい。それにより、接着層12,14内で密に存在する極細繊維12a,14aがスクリュー釘40に多量に絡み付くので、止水性積層シート10は優れた釘穴止水性を発現する。一方目付がこれよりも小さいと、スクリュー釘40に絡まる繊維の量が少ないので、十分な釘穴止水性が得られない。一方、目付が大きすぎても釘穴止水性のさらなる向上が望めない上に、無駄に繊維が多くなり不経済である。そのため目付は最大で30g/m
2であることが好ましい。
【0028】
接着層12,14は、極細繊維12a,14a同士が複雑に交差したり絡まり合ったりしていることにより形成された無数の微細孔を有している。この微細孔は0.1〜0.3μmの平均径を有している。そのため微細孔は、nmオーダー径の水蒸気粒子を透過するが、数百μm〜数mmオーダー径の雨水を透過しない。その結果接着層12,14は、強固な接着性に加えて、透湿性及び防水性をも有している。
【0029】
ホットメルト接着剤は、主成分がポリプロピレンであるポリオレフィン系ホットメルト接着剤である。ポリオレフィン系ホットメルト接着剤は、高い耐熱性を有している。そのため、メルトブロー積層された直後であるため完全に硬化していない接着層12,14に、不織ベースシート11又は不織表面シート15が押し付けられて接着されても、極細繊維12a,14aは、繊維形状を維持できる。その結果極細繊維12a,14aは、スクリュー釘40に絡んで密着することができる。またJIS A 6111に規定された加熱処理条件である90℃±2℃で7週間、又は80℃±2℃で14週間という条件に曝されても、極細繊維12a,14aは軟化せずに繊維形状と接着力とを維持できる。
【0030】
さらにポリプロピレン系ホットメルト接着剤からなる接着層12,14は、ポリオレフィンに対して良好な濡れ性を有しているので、不織ベースシート11、不織表面シート15、及び透湿防水フィルム13に強固に接着することに加え、これらと併せて容易くリサイクルできる。そのため止水性積層シート10は、産業廃棄物の減量に資する。
【0031】
図2は、止水性積層シート10をスクリュー釘40が貫通していることによって、止水性積層シート10が野地板20に固定されている様子を示す部分模式断面図である。止水性積層シート10は、その上に載置された通気マット30と、さらにその上に載置された桟木61aとともにスクリュー釘40によって、野地板20に固定されている。
【0032】
通気マット30は、不織布のライナーシート31同士の間に樹脂製の波形ネット32が挟まれているものである。空疎な通気マット30は、止水性積層シート10と桟木61aとの間に空気層を形成するものである。通気マット30は、この空気層を通じて家屋60内の水蒸気を家屋60外に放出することによって(
図4参照)、野地板20の結露発生を防止している。
【0033】
スクリュー釘40は、鋭く尖った先端部41と、表面に螺旋溝42aを有する柱状の胴部42と、胴部42よりも拡径した頭部43とを有している。頭部43の上端面が金槌等によって叩かれることにより、スクリュー釘40が野地板20に突き刺さると、胴部42は螺旋溝42aに連れて回転しながら野地板20に打ち込まれる。螺旋溝42aが野地板20に喰い込むことによって、スクリュー釘40は野地板20から容易に抜けないようになっている。
【0034】
先端部41が突き刺さり、胴部42が貫通していることによって、止水性積層シート10に釘穴Pが開けられている。止水性積層シート10の各部材は、スクリュー釘40の打ち込みに引っ張られ、釘穴Pの周囲で野地板20に向かって若干潰れている。極細繊維12a,14aは、先端部41に引っ掛って接着層12,14から引き摺り出されている。さらに極細繊維12a,14aは、回転しながら止水性積層シート10を貫く胴部42に随伴するように、螺旋溝42aに引っ掛りつつ絡み付いて密着している。それにより、極細繊維12a,14aは、接着層12,14、透湿防水フィルム13、及び不織ベースシート11と、胴部42との間隙を、確りと塞いでいる。その結果釘穴Pの大部分が塞がれて雨水を浸入させないので、止水性積層シート10は、優れた釘穴止水性を発現する。
【0035】
このように止水性積層シート10は、雨水の浸入を防止することができるとともに、透湿性をも有していることによって小屋裏に溜まった水蒸気を家屋60外(
図4参照)に放出して結露の発生を防止することができる。それらによって止水性積層シート10は、野地板20を腐朽させない。
【0036】
図3を参照しながら、止水性積層シート10の製造方法を説明する。
【0037】
まず、供給ロール55に不織ベースシート11を、別な供給ロール57に透湿防水フィルム13を、夫々セットする。ポリプロピレン系のホットメルト接着剤ペレット51をアプリケータ52に投入して高温で溶融する。コンベア56を動作させて供給ロール55から不織ベースシート11を繰り出す。
【0038】
次いで溶融したホットメルト接着剤をダイ53に送る。ホットメルト接着剤を、コンベア56上の不織ベースシート11上に、高速のホットエア54とともに、吹き付けてメルトブローンウェブである接着層12を形成する。さらに未硬化状態の接着層12に、供給ロール57から繰り出した透湿防水フィルム13を、貼合せロール58で押し付ける。それによって、不織ベースシート11と透湿防水フィルム13とを接着によって貼り合わせて積層する。この積層シートを巻取ロール59で巻き取る。
【0039】
次いで、この積層シートを供給ロール55にセットし、別な供給ロール57に不織表面シート15をセットする。上記と同様に、供給ロール55から積層シートをコンベア56で繰り出し、積層シートの透湿防水フィルム13上に、ホットメルト接着剤を吹き付けて接着層14を形成する。これに、供給ロール57から繰り出した不織表面シート15を、貼合せロール58で押し付けて接着する。それによって止水性積層シート10が完成する。これを巻取ロール59で巻き取る。
【0040】
止水性積層シート10が木造家屋60に使用されている様子の一部切欠き斜視図を
図4に示す。止水性積層シート10は、野地板20の上に一様に敷かれている屋根下地である。その上に通気マット30が敷かれ、さらに桟木61aが止水性積層シート10と通気マット30とともにスクリュー釘40によって、野地板20に固定されている。桟木61aにスレート61bが固定されている。
【0041】
屋根61は、夏季に長時間かつ長期間直射日光を受けて高温に曝される。接着層12,14は高い耐熱性を有しているので、夏季の高温下であっても不織ベースシート11及び不織表面シート15と、透湿防水フィルム13との接着を保持することができる。
【0042】
また屋根61は、冬季に寒冷な家屋60外と暖房などによって温暖な家屋60内とを仕切っているので、野地板20に結露が発生し易い。止水性積層シート10は、透湿性を有しているので、家屋60内の水蒸気を家屋60外に排出させて野地板20に結露を生じさせない。
【0043】
さらに屋根61は、時として強雨に曝される。止水性積層シート10は、スクリュー釘40に絡み付いて密着している極細繊維12a,14aによって発現する釘穴止水性と、透湿防水フィルム13による防水性とを有しているので、家屋60内に雨水を侵入させない。
【0044】
止水性積層シート10は、このように過酷な条件に曝される屋根61の下地として好適に使用される。
【0045】
一方、止水性積層シート10は、壁板62aを覆うように固定されることにより、外壁62の下地としても使用することができる。この場合、止水性積層シート10の上にラス62b、モルタル62c及び塗装膜62dが施工されることにより、外壁62が形成される。止水性積層シート10は外壁62に使用されても、屋根61の下地に使用されるのと同様に、優れた釘穴止水性と防水性とによって外壁62内に雨水を浸入させず、さらに透湿性によって結露を発生させない。それにより野地板20や壁板62aのような木造家屋60の躯体を、雨水浸入や結露によって腐朽させない。
【0046】
接着層12,14は、メルトブローン法の他、フラッシュ紡糸法、静電気積層法、又はバーストファイバー法によっても製造することができる。いずれの製造方法で製造された極細繊維12a,14aであってもスクリュー釘40に絡み付いて密着することができる。
【0047】
極細繊維12a,14aを形成するポリオレフィン系ホットメルト接着剤の主成分として、ポリプロピレンのようなホモポリマーを挙げたが、その他にプロピレン−αオレフィン共重合体、エチレン−αオレフィン共重合体のようなαオレフィン系共重合体を好適に用いることができる。
【0048】
極細繊維12a,14aを形成するホットメルト接着剤の主成分は、ポリプロピレンのようなポリオレフィンの他に、ポリエチレンテレフタレートのようなポリエステル;アラミドのようなポリアミド:天然ゴム、合成ゴム、ポリブタジエン系エラストマー、スチレン−ブタジエン系エラストマー、スチレン−イソプレン系エラストマー、及びスチレン−イソブチレン系エラストマーのようなエラストマー;エチレン酢酸ビニルを用いることができる。これらは単独で用いてもよいし、混合して用いることもできる。エラストマーは、止水性積層シート10とスクリュー釘40との間隙に弾性変形しつつ入り込んでこの間隙を確りと塞ぐことができるので、釘穴止水性をさらに向上させることができる。ポリエステルやポリアミドによれば、接着層12,14の耐熱性をさらに向上させることができる。
【0049】
接着層12,14を形成するウェブは、夫々同一のものであってもよく、異なるものであってもよい。また接着層12,14は、アクリル酸のような吸水性樹脂を含んでいてもよい。それによれば、不織表面シート15を透過した雨水を接着層12,14が吸収するので、雨水が野地板20や壁板62aにまで浸入することをより確実に防止することができる。
【0050】
不織ベースシート11及び不織表面シート15は、止水性積層シート10に強度を付与するものである。そのため、不織ベースシート11及び不織表面シート15を形成している不織布は、繊維がランダムに積層されていることにより、強度や伸びの異方性を有していないことが好ましい。不織ベースシート11及び不織表面シート15は、エンボス加工が施されているものであってもよい。それによって、止水性積層シート10の引張強度、引裂強度、及び耐水圧、並びに柔軟性を向上させることができる。高い柔軟性や引張強度等を有する止水性積層シート10は、野地板20に敷いたり壁板62aを覆ったりする作業を容易にすることができる。さらに不織表面シート15に遮熱性を向上させるアルミニウムが蒸着されていてもよい。
【0051】
多孔質の透湿防水フィルム13として、具体的に株式会社トクヤマのポーラム(登録商標)を挙げることができる。
【0052】
止水性積層シート10を固定する留め具として、
図2にスクリュー釘40を挙げたが、その他にもスムース釘、リング釘、バーブ釘を挙げることができる。釘の他、木ねじやつづり針を用いることもできる。極細繊維12a,14aは、いずれの留め具であっても、これに絡み付いて密着することができる。
【実施例】
【0053】
以下に、本発明の止水性積層シートの実施例と、本発明を適用外のサンプルの比較例とを示す。
【0054】
(実施例1)
実施例1の止水性積層シートを次のように作製した。主成分がαオレフィン系共重合体であるオレフィン系ホットメルト接着剤を180℃で溶融した。供給ロールから8.3m/分の繰出速度で繰り出された不織ベースシート上に、このホットメルト接着剤をダイから吐出量2.5kg/時でホットエアとともに吹付けた。このときホットエアの流量を、1.3m
3/分とした。その結果、目付が20g/m
2であり、平均径30μmの極細繊維を有するウェブの接着層が得られた。半硬化状態の接着層に、透湿防水フィルムを積層させた。これに上記と同様にしてさらにウェブの接着層を作製した後、表面不織シートを積層させて実施例1の止水性積層シートを得た。
【0055】
(
参考例1)
ホットメルト接着剤としてスチレン−イソブチレンブロック共重合体を主成分とするゴム系ホットメルト接着剤を用いたこと、及びこれの溶融温度を120℃としたこと以外は、実施例1と同様に接着層を作製した。それにより、接着層の目付が20g/m
2であり、極細繊維の平均径が20μmである
参考例1の止水性積層シートを得た。
【0056】
(比較例1)
ホットメルト接着剤としてスチレン−イソブチレンブロック共重合体を主成分とするゴム系ホットメルト接着剤を用いたこと、これの溶融温度を120℃としたこと、及び繰出速度を16.5m/分としたこと以外は、実施例1と同様に接着層を作製した。それにより、接着層の目付が10g/m
2であり、極細繊維の平均径が20μmである比較例1の止水性積層シートを得た。
【0057】
(比較例2)
不織ベースシートの繰出速度を16.5m/分としたこと以外は、実施例1と同様に接着層を作製した。それにより、接着層の目付が10g/m
2であり、極細繊維の平均径が30μmである比較例2の止水性積層シートを得た。
【0058】
(比較例3)
ホットエアの流量を、0.8m
3/分としたこと以外は、実施例1と同様に接着層を作製した。それにより、接着層の目付が20g/m
2であり、極細繊維の平均径が60μmである比較例3の止水性積層シートを得た。
【0059】
(比較例4)
市販品であるA社製の透湿防水シートを比較例4とした。この透湿防水シートは、アルミ蒸着ポリプロピレンフィルム、ポリプロピレン長繊維不織布、ポリプロピレン特殊不織布、及びポリプロピレン長繊維不織布が積層されたものである。
【0060】
(比較例5)
市販品であるB社製の透湿防水シートを比較例5とした。この透湿防水シートは、アルミ蒸着ポリプロピレン不織布、ポリプロピレン透湿防水フィルム、及びポリプロピレン不織布が積層されたものである。
【0061】
なお、比較例4及び5の接着剤の種類、接着層の目付、及び繊維の平均径は、不明である。
【0062】
(釘穴止水性試験)
止水性積層シートの釘穴止水性試験を行った。
図5に釘穴止水性試験装置70の模式部分断面図を示す。つづり針40aは、JIS S 6036に準拠した3号Uである。このつづり針40aが、ハンドタッカーによって止水性積層シート10を貫通し、木片75に打ち込まれている。打ち込まれたつづり針40aは、釘穴止水性試験装置70当たり1個である。パイプ71は、筒状をなしており透明な樹脂で成形されている。パイプ71の内径は、35mmである。パイプ71と止水性積層シート10との接触面は、瞬間接着剤73によって接着されている。瞬間接着剤73の周囲は、パイプ71の外周面と止水性積層シート10とに密着したシリコーン樹脂製のシーリング剤74に覆われている。瞬間接着剤73及びシーリング剤74は、パイプ71の内空に入れられる水72が漏れないようにするものである。
【0063】
実施例1、
参考例1及び比較例1〜5の夫々について、釘穴止水性試験装置70を10台ずつ用意した。試験室の温度を21℃、湿度55%一定に保った後、水深Dが150mmとなるように、水72をパイプ71の内空に注ぎ入れた。これを静置し、24時間経過後の水深Dを測定した。水深D24時間経過後の水深Dを150mm、150mm未満100mm以上、100mm未満50mm以上、及び50mm未満に分類して夫々の分布割合を算出した。さらに24時間経過後の水深Dの平均値を算出した。結果を表1に示す。
【0064】
【表1】
【0065】
表1から明らかなように、本発明を適用する実施例
1の止水性積層シートの24時間経過後の水深Dは、比較例に比べて100mm以上の分布割合が高く、高い平均値を示した。実施例
1の止水性積層シートは、優れた釘穴止水性を有するものであった。
【解決手段】可撓性の透湿防水フィルム13を有し、ねじ釘の貫通により建材に固定される止水性積層シート10は、前記透湿防水フィルム13を挟んでいる接着層12,14が、ホットメルト接着剤からなりねじ釘に絡んで密着する極細繊維12a14aを有するウェブを含んでおり、接着層12を介して不織ベースシート11が積層され、接着層14を介して不織表面シート15が積層されているものである。