特許第5669975号(P5669975)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5669975
(24)【登録日】2014年12月26日
(45)【発行日】2015年2月18日
(54)【発明の名称】ゲーム装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/80 20140101AFI20150129BHJP
   A63F 13/95 20140101ALI20150129BHJP
   A63F 13/45 20140101ALI20150129BHJP
【FI】
   A63F13/80 B
   A63F13/95 A
   A63F13/45
【請求項の数】11
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-135278(P2014-135278)
(22)【出願日】2014年6月30日
【審査請求日】2014年6月30日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(72)【発明者】
【氏名】小林 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】千葉 旭史
【審査官】 松下 公一
(56)【参考文献】
【文献】 特許第5568682(JP,B1)
【文献】 特許第3865382(JP,B2)
【文献】 特開2004−290469(JP,A)
【文献】 特許第5042659(JP,B2)
【文献】 特開2008−012065(JP,A)
【文献】 特許第5420721(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00 − A63F 13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームのキャラクタに係る物品であって、視覚的に認識可能な前記ゲームに係る所定のシンボルを付すことが可能な物品を出力し、前記物品に対応するキャラクタを使用するゲームに係る処理を実行するゲーム装置であって、
前記物品を認識する認識手段と、
前記認識手段による認識結果に基づいて前記ゲームの進行を制御する制御手段と、
前記認識手段により認識された前記物品に前記所定のシンボルが付されている場合に、該物品に対応するキャラクタを使用する前記ゲームのゲームプレイ中において、物品に付されているシンボルに対応するイベントを実行するか否かを判断する判断手段と、を有し、
前記所定のシンボルは、ゲームプレイ中に発生しうるイベントに登場するキャラクタを示し、
前記制御手段は、前記判断手段による判断結果に応じて前記シンボルにより示されるキャラクタが登場するイベントの発生を制御する
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記ゲームは、1回のゲームプレイについて少なくとも1つのキャラクタを前記物品として出力させるものであり、
前記ゲーム装置は、1回のゲームプレイについて出力される1つの前記物品に、1以上の前記所定のシンボルを付すか否かを決定する第1の決定手段をさらに有する
ことを特徴とする請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記ゲーム装置は、該ゲーム装置に接続された表示装置に前記ゲームに係る画像を表示させるものであり、
前記所定のシンボルはさらに前記表示装置に1回のゲームプレイの間に表示さた所定の画像を付した前記物品を出力するイベントに対応するシンボルみ、
前記判断手段は、前記認識された物品に前記所定の画像を付した物品を出力するイベントに対応するシンボルが付されている場合に、該イベントを実行するか否かを判断し、
前記制御手段は、前記判断手段による判断結果に応じて前記所定の画像を付した物品を出力するイベントの発生を制御することを特徴とする請求項1または2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記認識された物品に前記所定の画像を付した物品を出力するイベントに対応するシンボルが付されており、前記制御手段により該イベントが発生される場合に、前記表示装置に現在のゲームプレイの間に表示さた動画像の所定のフレームを前記所定の画像として選択する第1の選択手段をさらに有することを特徴とする請求項3に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記ゲームは、1回のゲームプレイについて少なくとも1つのキャラクタを前記物品として出力させるものであり、
記判断手段は、前記認識された物品に前記ゲームプレイ中発生しうるイベントに登場るキャラクタを示す前記所定のシンボルが付されている場合に、該シンボルに対応するキャラクタの画像を付した前記物品を出力するイベントを実行するか否かを判断する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記判断手段により前記キャラクタの画像を付した物品を出力するイベントを実行すると判断された場合に、該キャラクタとの対戦ゲームを実行するよう前記ゲームの進行を制御することを特徴とする請求項5に記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記判断手段により前記キャラクタの画像を付した物品を出力するイベントを実行すると判断された場合に、前記ゲームに該キャラクタを登場させることを示すシンボルを異なるシンボルに変更した、該キャラクタに係る前記物品を出力するか否かを決定する第2の決定手段をさらに有することを特徴とする請求項5または6に記載のゲーム装置。
【請求項8】
前記異なるシンボルは、前記キャラクタの画像を付した物品を出力するイベントにおいて所定の結果を達成したことを示すシンボルであることを特徴とする請求項7に記載のゲーム装置。
【請求項9】
1回のゲームプレイについて、前記ゲームの難易度を設定する設定手段をさらに有し、
前記制御手段は、前記設定手段により設定された前記ゲームの難易度に対応して予め定められたキャラクタの画像を付した前記物品を出力するイベントのうちのいずれのイベントを発生させるかを決定する
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項10】
前記ゲームの難易度に対応して予め定められたキャラクタの画像を付した物品を出力するイベントは、該難易度に対応して予め定められたキャラクタのうちの少なくともいずれかのキャラクタとの対戦ゲームを実行するイベントであり、
前記制御手段は、前記決定したイベントの発生により実行される対戦ゲームにおいてプレイヤが勝利条件を満たした場合に、該対戦ゲームに関与したキャラクタの画像を付した前記物品を出力可能なイベントを実行する前記ゲームの進行を制御することを特徴とする請求項9に記載のゲーム装置。
【請求項11】
ゲームのキャラクタに係る物品であって、視覚的に認識可能な前記ゲームに係る所定のシンボルを付すことが可能な物品を認識する認識手段を有する1以上のコンピュータを、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のゲーム装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置及びプログラムに関し、特にゲームのキャラクタに係る物品を出力可能なゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1のようにゲームのキャラクタに係る物品を出力、あるいは物品に対応するキャラクタを使用したゲームをプレイヤに体験可能ならしめるゲーム装置がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特願2013−260647号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されるゲーム始めとするゲームアプリケーションは、一般に、プレイヤが体験可能なゲームにおける特定の状況、所謂イベントを複数用意し、その各々について発生条件や発生確率が定められ、プレイヤの操作入力等の可変パラメータに応じて対応するイベントを発生する処理が実行されるよう構成される。このようなイベントの中には、発生した場合にプレイヤのゲームへの関心をより向上させるような、発生条件や発生確率が非常に限定的な、所謂特殊イベントが用意されている。
【0005】
しかしながら、このような特殊イベントは発生した場合にユーザの興趣を高めるものである反面、ゲームプレイ回数を重ねたとしても条件が合致しなければ発生せず、また条件が合致したか否かも不明であるため、プレイヤによっては逆に興趣を削いでしまう可能性があった。
【0006】
本発明の少なくとも1つの実施形態は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、物品を使用することで所定のイベントが発生し得る状態であることをプレイヤに通知し、物品の使用により該イベントを発生させることが可能なゲーム装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述の目的を達成するために、本発明の少なくとも1つの実施形態に係るゲーム装置は、ゲームのキャラクタに係る物品であって、視覚的に認識可能なゲームに係る所定のシンボルを付すことが可能な物品を出力し、物品に対応するキャラクタを使用するゲームに係る処理を実行するゲーム装置であって、物品を認識する認識手段と、認識手段による認識結果に基づいてゲームの進行を制御する制御手段と、認識手段により認識された物品に所定のシンボルが付されている場合に、該物品に対応するキャラクタを使用するゲームのゲームプレイ中において、該物品に付されているシンボルに対応するイベントを実行するか否かを判断する判断手段と、を有し、所定のシンボルは、ゲームプレイ中に発生しうるイベントに登場するキャラクタを示し、制御手段は、判断手段による判断結果に応じてシンボルにより示されるキャラクタが登場するイベントの発生を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
このような構成により本発明によれば、物品を使用することで所定のイベントが発生し得る状態であることをプレイヤに通知し、物品の使用により該イベントを発生させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係るゲーム装置100の機能構成を示したブロック図
図2】本発明の実施形態に係るゲームにおいて使用するキャラクタに係るカードを例示した図
図3】本発明の実施形態に係るゲーム装置100において実行されるゲーム処理を例示したフローチャート
図4】本発明の実施形態に係るイベント制御処理を例示したフローチャート
図5】本発明の実施形態に係るゲームにおいて使用される各種データのデータ構造を例示した図
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施形態]
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する一実施形態は、ゲーム装置の一例としての、ゲームのキャラクタに係る物品であるカードを認識することで該キャラクタを使用し、キャラクタ同士の対戦ゲームを実現するゲーム装置に、本発明を適用した例を説明する。しかし、本発明は、ゲームのキャラクタに係る物品であって、視覚的に認識可能な該ゲームに係る所定のシンボルを付すことが可能な物品を出力し、物品に対応するキャラクタを使用するゲームに係る処理を実行可能な任意の機器に適用可能である。
【0011】
《ゲーム装置100の構成》
図1は、本発明の実施形態に係るゲーム装置100の機能構成を示すブロック図である。
【0012】
制御部101は、例えばCPUであり、ゲーム装置100が有する各ブロックの動作を制御する。具体的には制御部101は、例えば記録媒体102に記憶されている各ブロックの動作プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより各ブロックの動作を制御する。
【0013】
記録媒体102は、例えば不揮発性メモリやHDD等の恒久的にデータを保持可能な記録装置である。記録媒体102は、ゲーム装置100が有する各ブロックの動作プログラムに加え、各ブロックの動作において必要となるパラメータ等の情報や本ゲーム装置100が実行するゲームに使用される各種のグラフィックスデータを記録する。メモリ103は、例えば揮発性メモリ等の一時的なデータ記憶に使用される記憶装置である。メモリ103は、各ブロックの動作プログラムの展開領域としてだけでなく、各ブロックの動作において出力されたデータ等を一時的に記憶する格納領域としても用いられる。
【0014】
キャラクタDB104は、本実施形態のゲーム装置100において実行されるゲームに登場するキャラクタの情報を管理するデータベースである。1つのキャラクタについて管理されるデータ(キャラクタ情報500)は、例えば図5(a)に示されるようなデータ構造を有していてよい。図5(a)の例では、キャラクタの識別情報であるキャラクタID501に関連付けて、該キャラクタについて予め定められた、体力や攻撃力等のキャラクタ固有の基本的な能力パラメータを示す能力情報502、攻撃技(敵キャラクタに対してダメージや行動不能等の不利益な効果を与える)や回復技(味方キャラクタのダメージを回復する効果を与える)等のキャラクタに命令可能なコマンドに係るパラメータを示すコマンド情報503、該キャラクタとの対戦ゲームの実行に係る通常イベントの発生条件及び発生確率を示す通常イベント条件情報504、及び後述の特殊イベントの発生条件及び発生確率を示す特殊イベント条件情報505がキャラクタ情報500として管理されている。これらの情報はゲームに登場するキャラクタの各々について固有に定められる情報である。なお、本実施形態のゲームでは、1回のゲームプレイの開始時にプレイヤは所定の操作入力を行うことでゲーム難易度の設定を行うことができるため、各キャラクタは、能力情報502、コマンド情報503、通常イベント条件情報504、及び特殊イベント条件情報505の情報を、それぞれの難易度について有しているものとする。またキャラクタによっては、イベントの発生条件に難易度を指定する条件含んでいてもよく、このような場合は該当しない難易度についての能力情報502及びコマンド情報503は空のデータであってもよい。また、特殊イベントは全てのキャラクタについて発生するイベントである必要はなく、その場合例えば発生確率が0%であるものとして構成されればよい。プレイヤにより選択された難易度の情報は、制御部101が後述の操作入力部109から受信した操作入力の情報に基づいて判断し、ゲームプレイの間メモリ103に格納し、イベント発生及び後述の対戦ゲームの各種パラメータ決定時に参照すればよい。また、1つのキャラクタには複数種類のコマンドが命令可能なコマンドとして設けられていてよく、コマンド情報503は命令可能なコマンドに係るパラメータを少なくとも1種類含んで構成されるものとする。
【0015】
抽選部105は、本実施形態のゲームにおいてイベント発生に係る抽選処理を行う。本実施形態のゲームでは、ゲームにおいて発生するイベントの各々には、所定の発生条件や発生確率が定められており、1回のゲームプレイにおいて発生させるイベントを、プレイヤによりなされた操作入力、設定された難易度、戦績情報、使用するキャラクタ等、現在のゲームプレイにおいて発生条件が満たされているイベントの中から、それらの発生確率に基づいた抽選処理が行われる。具体的には抽選部105は、例えば発生させる通常イベントを決定する抽選処理を行う場合は、キャラクタDB104に管理されているキャラクタ情報500の通常イベント条件情報504を参照し、まずイベント発生条件が満たされているキャラクタを特定する。そして抽選部105は、発生条件が満たされているキャラクタとの対戦ゲームに係るイベントを示すイベントIDを通常イベント条件情報504に含まれる発生確率の情報に基づく数だけ抽選対象リストに追加し、該リストから少なくともいずれか1つのイベントIDを抽選する処理を行うことで、抽選結果として発生させる通常イベントを特定するイベントIDを出力する。
【0016】
描画部106は、例えばGPU等の描画処理を行いゲームに係る画面を生成する描画装置である。描画部106は、本実施形態のゲームに係るゲーム画面の描画を行う。具体的には描画部106は、後述のゲーム処理の実行中、ゲームの進行状況に応じたゲーム内パラメータ等の情報に従って必要な描画用オブジェクトを読み出して適当な演算処理を実行し、描画を行う。
【0017】
表示部107は、例えばLCD等のゲーム装置100が有する表示装置である。表示部107には、描画部106により描画されたゲーム画面が表示される。なお、本実施形態では表示部107は、ゲーム装置100に内蔵されているものとして説明するが、ゲーム装置100に外部接続される任意の表示装置であってよい。
【0018】
認識部108は、ゲーム装置100に設けられた所定の部位にカードが載置されたことの検出及び該カードの認識を行う。認識部108は、例えば図2(a)に記載されるようにカードに付された二次元コード201を不図示の撮像装置により撮影し、得られた画像に対して所定の演算を適用することにより、該二次元コードにより示される情報を取得する。本実施形態のゲームに使用可能なカードに付される二次元コードからは、例えば図5(b)に示されるようなデータ構造の情報が得られるものとする。図5(b)に示されるようにカードの二次元コードから得られるカード情報510は、該カードの図柄により示される、該カードに対応するキャラクタを特定するためのキャラクタID511、該カードに対応するキャラクタが成長したことを示す成長パラメータを含むステータス情報512、及び該カードに付された特殊イベント発生条件を満たしたことを示すアイコン情報513を含む。上述した特殊イベントは、通常イベントよりも発生条件が制限されたイベントであり、一般にその発生条件が満たされたことが判断しにくいため、本実施形態のゲームでは図2(a)に示されるように特殊イベントの発生条件が満たされたことをユーザに通知するためにアイコン画像202がカードに付される。即ち、図2(a)のようなアイコン画像202が付されたカードをゲームプレイにおいて使用することで、プレイヤは所定の抽選処理の結果、特殊イベントに係る対戦ゲームをプレイすることができる。なお、本実施形態のゲーム装置100では、イベントの発生に偏りが生じないよう抽選処理により様々な発生条件を制御するものとして説明するが、発生条件を満たした場合に所定の判断に基づいて発生させるイベントが決定されてもよいことは容易に理解されよう。
【0019】
〈アイコンの種類〉
本実施形態のゲームにおいてカードに付されるアイコンには以下の2つの種類がある。
【0020】
(1)アイコン画像に対応するキャラクタとの対戦ゲームを実行可能なアイコン
このようなアイコン画像が付されたカードが認識部108により認識された場合に、該アイコン画像に対応するキャラクタとの対戦ゲームを実行する特殊イベントのイベントIDが、発生させるイベントの抽選処理において使用される抽選対象リストに含められる。そして抽選の結果、該特殊イベントが発生し、対応するキャラクタとの対戦ゲームにプレイヤが使用するキャラクタが勝利した場合、プレイヤはアイコンが付されたカードに対応するキャラクタと、アイコン画像に対応するキャラクタとが含まれる、例えば特定のストーリーシーンを示した画像を図柄とするカードを出力することができる。具体的には図2(a)に示されるカードを使用することで発生した特殊イベントの対戦ゲームに勝利した場合、出力部110は、図2(b)に示されるような、使用したカードに対応するカードキャラクタ203とアイコン画像202に対応するアイコンキャラクタ211とが含まれる図柄のカードを出力する。また本実施形態のゲームでは、このように特殊イベントの対戦ゲームに勝利して上記のカードを出力する場合、該イベントを達成したことを示す達成通知213が付された、アイコン画像202とは異なるアイコン画像212に変更されて出力される。
【0021】
(2)動画像の所定のフレームを図柄としたカードを出力可能なアイコン
このようなアイコン画像が付されたカードが認識部108により認識された場合、本実施形態のゲームでは、1回のゲームプレイに係る対戦ゲームの最中に、該カードに対応するキャラクタが登場する、対戦ゲームに関連した動画像が特殊効果として再生される特殊イベントが実行される。そして該対戦ゲームにプレイヤが使用するキャラクタが勝利した場合、プレイヤは対戦ゲーム中に再生された動画像のうちから1つのフレームの画像を選択し、該選択した画像を図柄とするカードを出力することができる。具体的には図2(c)に示されるようなアイコン画像221が付されたカードを使用することで発生した特殊イベントの対戦ゲームに勝利した場合、制御部101は対戦ゲーム中に再生された動画像から所定のフレームをプレイヤに選択させるモードに遷移し、選択完了後、出力部110に選択されたフレームに係る画像を図柄とするカードを出力させる。またこのように出力されたカードも、アイコン画像に上述したように該イベントを達成したことを示す達成通知が付されて出力される。
【0022】
なお、本実施形態のゲームでは、特殊イベントに係る対戦ゲームに勝利することにより出力されたカードでは、上述したように該イベントを達成したことを示す達成通知が付される。これに対応して、二次元コード201から得られるカード情報のアイコン情報513は、図5(b)に示されるように、付されているアイコン画像ごとにアイコンあるいはイベントを特定するためのアイコンID521及び該アイコンに係るイベントが達成されたか否かを示すイベント達成情報522が管理されるものとする。本実施形態では、このように二次元コード201の認識により得られるカード情報から上述したような情報が得られるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。即ち、認識部108はカードにより示される文字列やアイコン画像等を画像解析により認識し、カード情報を取得可能なように構成されてもよい。また、本実施形態では特殊イベントの発生条件が満たされていることを通知するためにアイコン画像がカードに付されるものとして説明するが、通知はこれに限られるものではなく、視覚的に認識な情報であればゲームに係る所定のシンボルが付されることにより通知は行われてもよい。
【0023】
操作入力部109は、難易度設定や対戦ゲーム中の操作を行うためのボタン等、ゲーム装置100が有するユーザインタフェースである。操作入力部109は、各種ユーザインタフェースになされた操作入力を検出すると、該操作入力に対応する制御信号を制御部101に出力する。なお、本実施形態ではゲーム装置100は物理的な操作部材として各種インタフェースを備えるものとして説明するが、例えば表示部107の画面上になされたタッチ入力を検出するタッチ入力検出センサ等を含んでいてもよい。
【0024】
出力部110は、キャラクタに対応する物品として、図2に示されるような該キャラクタの図柄を有するカードを出力する。本実施形態では出力部110は、印刷装置と印刷媒体の排出機構を有し、制御部101の指示に基づき選択されたキャラクタの画像と所定のグラフィックデータと、場合によってはアイコン画像を、所定の印刷媒体に印刷して出力する。本実施形態のゲームではプレイヤは、1回のゲームプレイの終了時に、ゲーム内で対戦したキャラクタ及びプレイに使用したキャラクタのいずれかが印刷されたカードを取得することができる。カードに印刷される内容は、ゲームの進行内容に応じて異なるものであり、本実施形態ではゲームプレイごとに進行内容に応じた印刷を行うことで、そのプレイヤのみが所有することができる所謂一点物のカードが出力される。これにより、プレイヤは他のプレイヤが所有していない自分だけのカードを所有することができ、さらにゲームプレイごとに異なるカードを入手することができるため、固定の図柄のカードが排出される従来のカードを用いたゲームに比べてカードに係る収集欲をより満たすことができる。
【0025】
通信部111は、ゲーム装置100が有する外部装置との通信インタフェースである。通信部111は、不図示のインターネット等の通信網やケーブル等、有線無線を問わない通信媒体を介して外部装置と接続し、データの送受信を可能とすることができる。
【0026】
《ゲーム処理》
このような構成をもつ本実施形態のゲーム装置において実行されるゲーム処理について、図3のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。該フローチャートに対応する処理は、制御部101が、例えば記録媒体102に記憶されている対応する処理プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより実現することができる。なお、本ゲーム処理は、例えばゲーム装置に設けられた不図示のコイン投入口に所定額の硬貨あるいはメダル等の対価の支払いがなされたことを検出した際に開始されるものとして説明する。
【0027】
S301で、制御部101は、対戦ゲームに使用するキャラクタ(使用キャラクタ)を登録する登録処理を行う。具体的には制御部101は、認識部108をキャラクタに係るカードを認識可能な状態に制御し、順次認識された所定数以下のカードに係るキャラクタのキャラクタIDを含む各種パラメータを、例えばメモリ103の使用キャラクタリストに登録する。なお、本ステップにおいて認識されたカードに、特殊イベント発生に係るアイコン画像が付されたカードがあった場合には、認識結果として得られたカード情報のうち、アイコン情報513のうち達成されていないアイコンに係るアイコンID521も使用キャラクタリストに登録されるものとする。
【0028】
S302で、制御部101は、今回のゲームプレイの難易度を設定する。難易度の設定は、例えば表示部107に複数の難易度を選択可能なGUIを表示させ、該GUIに基づいてプレイヤにより入力された操作入力に基づいて、制御部101は難易度の設定を行えばよい。設定された難易度の情報は、上述したようにメモリ103に格納される。
【0029】
S303で、制御部101は、今回のゲームプレイに係り実行される対戦ゲームイベントを決定するイベント制御処理を実行し、発生させる対戦ゲームイベント(発生イベント)を決定する。
【0030】
〈イベント制御処理〉
ここで、本ステップにおいて実行されるイベント制御処理について、図4のフローチャートを参照して詳細に説明する。なお、本実施形態では簡単のため、対戦ゲームとして発生させる1つのイベントを本イベント制御処理で決定するものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えば、以下に説明するステップにおいてイベントを決定するために行われる抽選処理では複数のイベントが抽出され、プレイヤが選択された複数のイベントから実行したい対戦ゲームイベントを選択可能なように構成されてもよい。
【0031】
S401で、制御部101は、使用キャラクタリストを参照し、アイコンID521の情報が関連付けられた使用キャラクタが含まれるか否かを判断する。制御部101は、アイコンID521が関連付けられた使用キャラクタがリストに含まれると判断した場合は処理をS403に移し、含まれないと判断した場合は処理をS402に移す。
【0032】
S402で、制御部101は、発生させる通常イベントを決定する抽選処理を行う。具体的には制御部101は、使用キャラクタリストに含まれる各使用キャラクタのキャラクタIDに関連付けられている通常イベント条件情報504のうちの設定された難易度に対応する情報を参照し、例えば登録された使用キャラクタに基づいて決定される現在のプレイヤのステータスが発生条件を満たしている通常イベントを特定し、該イベントのイベントIDをその発生確率に基づいてメモリ103の抽選対象リストに追加する。そして抽選部105が、該抽選対象リストを使用して抽選処理を行う。制御部101は、抽選処理により選択された1つの通常イベントを発生イベントとして出力し、本イベント制御処理を完了する。
【0033】
一方、S401においてアイコンID521が関連付けられた使用キャラクタが使用キャラクタリストに含まれると判断した場合、制御部101はS403で、該アイコンID521により示されるアイコンが動画像の所定のフレームを図柄としたカードを出力可能なアイコンであるか否かを判断する。制御部101は、動画像の所定のフレームを図柄としたカードを出力可能なアイコンであると判断した場合は処理をS404に移し、アイコン画像に対応するキャラクタとの対戦ゲームを実行可能なアイコンであると判断した場合は処理をS405に移す。
【0034】
S404で、制御部101は、S402と同様に発生させる通常イベントを決定する抽選処理を行う。そして制御部101は、抽選処理により当選した1つの通常イベントに特殊効果(動画像の再生)を発動させる情報を関連付けて発生イベントとして出力し、本イベント制御処理を完了する。なお、本実施形態ではアイコンID521により示されるアイコンが動画像の所定のフレームを図柄としたカードを出力可能なアイコンである場合、いずれの通常イベントが発生したとしても同様の動画像を再生する効果を発生させるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。即ち、動画像を再生する効果を発生させるイベントは特殊イベントとして用意され、以下のS405と同様に通常イベントのイベントIDと該特殊イベントのイベントIDとが含められた抽選対象リストを使用して抽選処理が行われ、抽選結果として該特殊イベントのイベントIDが選択された(当選)場合にのみ、特殊効果を発動させるイベントが発生イベントとして出力されるようにしてもよい。
【0035】
一方、S403においてアイコンID521により示されるアイコンがアイコン画像に対応するキャラクタとの対戦ゲームを実行可能なアイコンであると判断した場合、制御部101はS405で、該アイコンID521に対応する特殊イベントと発生条件を満たした通常イベントの中から発生させるイベントを決定する抽選処理を行う。具体的には制御部101は、使用キャラクタリストに含まれる各使用キャラクタのキャラクタIDに関連付けられている通常イベント条件情報504のうちの設定された難易度に対応する情報を参照し、例えば登録された使用キャラクタに基づいて決定される現在のプレイヤのステータスが発生条件を満たしている通常イベントを特定し、該イベントのイベントIDをその発生確率に基づいてメモリ103の抽選対象リストに追加する。また制御部101は、アイコンID521が関連付けられている使用キャラクタのキャラクタIDに関連付けられている特殊イベント条件情報505のうちの設定された難易度に対応する情報を参照し、アイコンID521により示される特殊イベントのイベントIDをその発生確率に基づいてさらに抽選対象リストに追加する。そして抽選部105が、該抽選対象リストを使用して抽選処理を行う。制御部101は、抽選処理により選択された1つのイベント(通常イベントまたは特殊イベント)を発生イベントとして出力し、本イベント制御処理を完了する。このとき、抽選結果として特殊イベントのイベントIDが選択された場合を、本ステップの抽選処理における当選として扱ってもよい。
【0036】
このように本イベント制御処理を実行することで、今回のゲームプレイにおいて発生させる対戦ゲームが、通常イベント、使用キャラクタに係る特殊効果を発動させるイベント(効果イベント)、アイコン画像に対応するキャラクタとの対戦に係る特殊イベント(特殊イベント)のいずれとして発生されるかを決定することができる。
【0037】
S304で、制御部101は、発生イベントが通常イベント、効果イベント、及び特殊イベントのいずれであるか否かを判断する。制御部101は、発生イベントが通常イベントであると判断した場合は処理をS305に移し、効果イベントであると判断した場合は処理をS310に、特殊イベントであると判断した場合は処理をS315に移す。
【0038】
S305で、制御部101は、通常イベントに係る対戦ゲームを開始し、対戦結果が使用キャラクタの勝利であるか否かを判断する。制御部101は、対戦結果が使用キャラクタの勝利であると判断した場合は処理をS306に移し、敗北であると判断した場合は本ゲーム処理を完了する。
【0039】
S306で、制御部101は、プレイヤによる操作入力に基づいて、使用キャラクタリストに含まれる使用キャラクタのうち、今回の対戦結果を反映してカードとして出力するキャラクタ(出力キャラクタ)を選択する。
【0040】
S307で、制御部101は、S306において選択された出力キャラクタが、対戦結果を反映することで、いずれかの特殊イベントを発生させる条件に至ったか否かを判断する。制御部101は、特殊イベントを発生させる条件に至ったと判断する場合、S308で、出力キャラクタについて登録時に取得したカード情報に対戦結果を反映するとともに、発生させる条件に至った少なくとも1以上の特殊イベントに対応させてアイコン情報513を更新する。そして制御部101は、対応する二次元コードとアイコン画像を付した出力キャラクタに係るカードを出力部110に出力させ、本ゲーム処理を完了する。また制御部101は、特殊イベントを発生させる条件に至っていないと判断する場合、S309で、出力キャラクタについて登録時に取得したカード情報に対戦結果を反映し、対応する二次元コードを付した出力キャラクタに係るカードを出力部110に出力させ、本ゲーム処理を完了する。なお、特殊イベントを発生させる条件に至っていないと判断する場合であっても、現在のカード情報のアイコン情報513にアイコンの情報が含まれているのであれば、出力部110は対応するアイコン画像を付してカードを出力するものとする。
【0041】
一方、S304において発生イベントが効果イベントであると判断した場合、制御部101はS310で、対応するイベントに係る対戦ゲームを開始し、該対戦ゲームの所定のタイミングで、特殊効果を発動させるアイコンID521が関連付けられた使用キャラクタ(効果キャラクタ)に係る動画像を再生する。そして制御部101は、対戦結果が使用キャラクタの勝利であるか否かを判断する。制御部101は、対戦結果が使用キャラクタの勝利であると判断した場合は処理をS311に移し、敗北であると判断した場合は本ゲーム処理を完了する。
【0042】
S311で、制御部101は、プレイヤによる操作入力に基づいて、使用キャラクタリストに含まれる使用キャラクタのうちの出力キャラクタを選択する。
【0043】
S312で、制御部101は、出力キャラクタが効果キャラクタであるか否かを判断する。制御部101は、出力キャラクタが効果キャラクタである場合、S313で該キャラクタの登録時に取得したカード情報のアイコン情報513のうち、発生イベントに対応するアイコンID521に関連付けられたイベント達成情報522を達成状態に更新し、処理をS314に移す。また制御部101は、出力キャラクタが効果キャラクタでない場合、処理をS307に移す。
【0044】
S314で、制御部101は、プレイヤによる操作入力に基づいて、対戦ゲーム中に再生された効果キャラクタに係る動画像のうちから1つのフレームの画像を出力するカードの図柄として選択し、処理をS307に移す。
【0045】
一方、S304において発生イベントが特殊イベントであると判断した場合、制御部101はS315で、対応する特殊イベントに係る対戦ゲームを開始し、対戦結果が使用キャラクタの勝利であるか否かを判断する。制御部101は、対戦結果が使用キャラクタの勝利であると判断した場合は処理をS316に移し、敗北であると判断した判断した場合は本ゲーム処理を完了する。
【0046】
S316で、制御部101は、プレイヤによる操作入力に基づいて、使用キャラクタリストに含まれる使用キャラクタのうちの出力キャラクタを選択する。
【0047】
S317で、制御部101は、出力キャラクタが発生した特殊イベントに係るアイコンID521が関連付けられた使用キャラクタ(特殊キャラクタ)であるか否かを判断する。制御部101は、出力キャラクタが特殊キャラクタである場合、S318で該キャラクタの登録時に取得したカード情報のアイコン情報513のうち、発生イベントに対応するアイコンID521に関連付けられたイベント達成情報522を達成状態に更新し、処理をS319に移す。また制御部101は、出力キャラクタが特殊キャラクタでない場合、処理をS307に移す。
【0048】
S319で、制御部101は、特殊キャラクタと、対戦ゲームが行われたキャラクタとが含まれる、発生イベントについて予め定められた画像を出力するカードの図柄として選択し、処理をS307に移す。
【0049】
このようにすることで、イベント制御処理により決定された発生イベントに応じて各々異なる対戦ゲームイベントが実施され、さらに対戦結果に応じて発生イベントに応じた図柄あるいはアイコン画像が付されたカードを出力することができる。
【0050】
なお、本実施形態ではゲーム装置100が出力する物品はカードであるものとして説明したが、これに限るものではない。例えば、出力部110が所謂3Dプリンタ等の立体造形物を生成可能な装置である場合は、物品はキャラクタに係るフィギュア等の造形物であってよく、出力部110はこれに視覚的に認識可能なゲームに係る所定のシンボルを付して出力可能なよう構成されてよい。また例えば、出力部110が複数種類の玩具のソータを有し、所定のキャラクタに係る玩具を選択的に出力可能に構成されている場合は、物品は該玩具であってよく、出力部110はこれに視覚的に認識可能なゲームに係る所定のシンボルを付して出力可能なように構成されてよい。
【0051】
以上説明したように、本実施形態のゲーム装置は、物品を使用することで所定のイベントが発生し得る状態であることをプレイヤに通知し、物品の使用により該イベントを発生させることができる。具体的にはゲーム装置は、ゲームのキャラクタに係る物品であって、視覚的に認識可能なゲームに係る所定のシンボルを付すことが可能な物品を出力し、物品に対応するキャラクタを使用するゲームに係る処理を実行する。ゲーム装置は、認識した物品に所定のシンボルが付されている場合に、該シンボルに対応するイベントを実行するか否かを判断し、該判断結果に応じて該イベントの発生を制御する。
【0052】
[その他の実施形態]
本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。また本発明に係るゲーム装置は、1以上のコンピュータを該ゲーム装置として機能させるプログラムによっても実現可能である。該プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されることにより、あるいは電気通信回線を通じて、提供/配布することができる。
【符号の説明】
【0053】
100:ゲーム装置、101:制御部、102:記録媒体、103:メモリ、104:キャラクタDB、105:抽選部、106:描画部、107:表示部、108:認識部、109:操作入力部、110:出力部、111:通信部
【要約】
【課題】物品を使用することで所定のイベントが発生し得る状態であることをプレイヤに通知し、物品の使用により該イベントを発生させる。
【解決手段】ゲーム装置は、ゲームのキャラクタに係る物品であって、視覚的に認識可能なゲームに係る所定のシンボルを付すことが可能な物品を出力し、物品に対応するキャラクタを使用するゲームに係る処理を実行する。ゲーム装置は、認識した物品に所定のシンボルが付されている場合に、該シンボルに対応するイベントを実行するか否かを判断し、該判断結果に応じて該イベントの発生を制御する。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5