(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0055】
[好ましい実施形態の詳細な説明]
図1は、凍結乾燥装置の実施形態100の構成要素を概略的に図示しており、構成要素への機能の割り当て、およびそれらの相互作用が示されている。凍結乾燥装置100は、閉鎖状態下での凍結乾燥粒子のバルクウェア製造のためのプロセスラインで採用され得る。凍結乾燥装置100は、収容チャンバー102およびドラム104を備え、製品P/110を処理体積部112の内部および外部へそれぞれ移送するための移送部106および108に接続されている。
【0056】
処理体積部112を規定し、例えば圧力、温度、湿度などのプロセス状態を処理体積部112内で望ましい数値内に確立/維持することが収容チャンバー102のタスク114であり、タスク114には、望ましいプロセスレジームを、明確に定義され、信頼性があり、繰り返し可能な方法で体積部112に提供するために、それに応じて適切なプロセスパラメータを制御する手段を収容チャンバー102に具備することが含まれる。
【0057】
1つの実施形態では、収容チャンバー102は、処理体積部112に真空状態を提供するように適合されており、「真空」とは当業者に知られるとおり、大気圧より低い低圧または下回った圧力を意味するものと理解される。本明細書で使用されるような真空状態は、10ミリバール、1ミリバール、または500マイクロバール、または1マイクロバールほどの低い圧力を意味してもよい。一般的に冷凍乾燥は異なる圧力レジームで実行されてもよく、例えば大気圧下で実行されてもよいことが注目されるべきである。とはいえ、本明細書に記載される凍結乾燥装置の構成の多くは、回転ドラムを収容する収容チャンバーを備え、冷凍乾燥が真空下で効率的に実行されてもよいため、収容チャンバーが真空チャンバーとして実現される。それゆえ、
図1における収容チャンバー102は、これ以降「真空チャンバー」と称されるが、真空チャンバーは、本明細書に記載される設計概念を実施するのに適切であると考えられ得る一般的な収容チャンバーの1つの実施形態にすぎないことが理解されるべきである。
【0058】
一般的に、収容(真空)チャンバー102は、処理体積部112内の予め定義されたプロセス状態を、
図1における機能ブロック114として通常示される、当該プロセス状態を制御するためのプロセスパラメータの適用を介して、確立または維持するように動作する。「真空」というプロセス状態については、適切な制御パラメータに従って、真空チャンバー102に関連する、真空ポンプなどの装置を制御することによって、状態を確立/維持することができ、処理体積部112内で、またはそれに関連して計測されるようなプロセス状態のフィードバック調整が、それに応じてプロセス制御パラメータをセットするために行なわれてもよい。
図1からは、任意のセンサー回路構成およびフィードバック調整回路構成の図示が省略されている。真空ポンプは、
図1における真空チャンバー102に適用される可能性のある、または真空チャンバー102に関連する可能性のある、複数の具備装置の1つにすぎないが、真空ポンプも明確化のために図から省略されている。
【0059】
処理体積部112内の「温度」というプロセス状態については、好ましい実施形態では、温度制御(加熱および/または冷却)手段が真空チャンバー102に関連して設けられる。適切な温度制御手段は、冷却媒体、加熱媒体、放射熱(放射は例えばマイクロ波放射であり得る)、電熱などを、真空チャンバー102の内壁表面を介して間接的に、および/または真空チャンバー102の内部(すなわち、処理体積部112)へ適用することにより直接的に、処理体積部112へ適用することを含んでもよい。例えば、加熱エネルギーは、処理体積部内へ直接放射されてもよい。加熱および/または冷却手段の適切なパラメータ制御は、好ましくは機能ブロック114に含まれる。
【0060】
「湿度」、すなわち処理体積部112の水蒸気含有量というプロセス状態については、凝縮器を真空チャンバー102に関連して、すなわち処理体積部112に一時的にまたは永久的に接続して、設けることができる(
図1では省略)。例えば、製造運転(すなわち、粒子「P」の乾燥)中に、湿度の予め定義された値のプロセス状態を体積部112内に確立し維持するために、プロセスパラメータ114の1つ以上を凝縮器の運転に関連付けることができる。
【0061】
図1におけるボックス114内に示されたタスクは、凍結乾燥の間の真空チャンバー102の運転のみでなく、その他のプロセス/運転モードについても指してもよい。例えば、凍結乾燥装置100は、充填または装填モードで動作することができ、粒子Pは、上流の粒子発生器(例えば、噴霧式冷凍器、プリル塔など)から移送部106を介して凍結乾燥装置100まで、準連続的な方法で案内される。それゆえ、製品は凍結乾燥装置内へ粒子生成速度で流れ込む、すなわち、ドラム104は粒子生成速度で充填される。装填モードでは、プロセス状態には上流の粒子発生器内と同様の圧力が含まれてもよく、および/または大気圧程度の圧力(および/または移送部106内の圧力)が含まれてもよい。処理体積部112内の温度も粒子発生器内の温度(および/または移送部106内の温度)と同様に制御されてもよい。粒子生成の詳細によって、装填モードにおいて処理体積部112の湿度は能動的に制御されてもよいし、能動的に制御されなくてもよい。
【0062】
機能114はさらに、洗浄モードおよび/または滅菌モードのプロセスパラメータの制御を含んでもよい。1つの実施形態において、凍結乾燥装置100は、洗浄/滅菌アクセスポイント(例えば、ノズル、マルチノズルヘッドなど)などの1つ以上の手段、ならびに真空チャンバー102のCiPおよび/またはSiPを実行するための1つ以上の排出手段を具備される。そうしたアクセスポイントは、必ずしも真空チャンバーに直接配置される必要がないことが注目されるべきである。例えば、洗浄/滅菌媒体を真空チャンバー102の内壁などの構造体に向かわせるための手段は、チャンバー102内に収容されるドラム104に関連して配置され得る。アクセスポイントへの洗浄/滅菌媒体の流れに関するパラメータの制御は、機能114の一部とすることができる。同様に、上述の圧力および/または温度制御手段に関するパラメータもまた、洗浄/滅菌モードにおいて、および/または上述のモードのうちの1つから別のモードへと移行するための移行モードにおいて、能動的に制御され得る。例えば、洗浄/滅菌後の真空チャンバーの冷却、および/または乾燥プロセス後のチャンバー102の加熱は、能動的な温度制御により任意的に短縮され得る。
【0063】
機能114は、関連する制御パラメータの時系列の定義により特定のプロセスレジームまたは処理を実行する制御方式、手順、または所定のプログラムの実行を好ましくは含むが、それらを必要とはしないことが理解されるべきである。
【0064】
種々の運転モードでの体積部112におけるプロセス状態制御の役割またはタスク(タスク一式、機能ブロック)114のほかに、真空チャンバー102はまた、処理体積部112を体積部112の環境118から分離または隔離する役割116を真空チャンバー102と関連付けられている。タスク116に関連する機能は、(例えば、装填後または装填前に、粒子Pを含んでも、または含まなくても)処理体積部112内の滅菌状態を保護すること、およびチャンバー102の内部に閉じ込めを提供すること、すなわち固体、液体、気体、(医薬)製品または付賦剤、汚染物または磨耗物であれ、いかなる材料の処理体積部112から環境118への移動をも防ぐこと、のうちの少なくとも1つに関連してもよい。タスク116を実行するために、チャンバー102は、部分的にまたは完全に密閉された壁120を備えてもよい。壁120は本質的に、処理体積部112を壁120の内部または内側として規定してもよい。壁120は、一重壁、二重壁、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0065】
例えば、ある実施形態では、壁120は、処理体積部112の内部および外部への物質およびエネルギーの移動のための最小限の明確に規定された開口部、ならびに処理体積部112内に面する構造体の機械的支持を有して密閉されている。壁120の開口部は、複数の移送部106および108、上述の洗浄/滅菌媒体アクセスポイント、洗浄および/または滅菌残余物を取り除くための1つ以上の排出開口部、ならびにセンサー開口部を含んでもよい。機能ブロック116は、上記の開口部の1つ以上に、またはそれらに関連して配置された弁および/またはその他の密閉手段の能動的制御を含んでもよく、望ましい閉鎖状態が処理体積部112内で実際に確立または維持されているかの判定/感知に関連する機能をも含んでもよい。
【0066】
ドラム104、およびドラム104に与えられた種々の機能に目を向けると、好ましい実施形態では、装填モードにおいてドラム104に粒子Pを装填できることが注目され、その中のある実施形態については既に上述した。粒子は乾燥モード中に回転するドラム104内で保持され維持され、続いて取り出し/排出モードにおいてドラムから取り出され/凍結乾燥装置100から排出され得る。その結果、ドラム104に割り当てられたタスク(役割、機能ブロック)のうちの1つは、移送部106を介して凍結乾燥装置100内に移送された粒子Pの収容および保持というタスク122である。タスク122は、例えば、望ましい量の粒子を収容し維持するためのドラムの適切な設計により達成されてもよい。さらに、ドラムの傾斜は、装填、乾燥、および取り出しのうちの1つ以上を可能にするように能動的に制御されてもよい。例えば、粒子を取り出すための一般的なデフォルトの位置からドラム104を傾斜させ、その後デフォルト位置へ戻すことができる。役割122の能動的機能は、温度または湿度などの粒子特性の検知だけでなく、装填レベルの検出および/または粒子凝集の程度の検出を含むバルク特性の検知をも含んでよい。
【0067】
図1における機能ブロック124は、凍結乾燥装置100の種々の運転モードのうちの1つ以上の間に、処理体積部112におけるプロセス状態の制御を補助するための1つ以上の手段を、ドラム104がさらに含むか具備してもよいことを表している。真空チャンバー102およびドラム104は両方とも処理体積部112に直接接触しているので、原則として、プロセス状態の制御を真空チャンバー102およびドラム104の一方または両方に割り当てることができる。しかしながら、多くの適用で真空チャンバー102がプロセス状態の制御の大部分を引き受けてもよく(機能ブロック114)、必要であれば、ドラム104が補助する(機能ブロック124)と考えられる。その理由は、対応するプロセスパラメータ制御装置が、一般的に好ましくは、費用効果の高い設計のために、回転ドラムではなく静止チャンバーに配置され、またはそれに関連して配置されてもよいからである。
【0068】
そのため、補助的プロセス状態制御機能124は、任意的と見ることができる。例えば、回転ドラム104に、処理体積部112内の圧力または湿度の制御のための手段を任意的に具備してもよい。これに関し、材料およびエネルギーの移送に関連して、ドラム内部体積部126を外部体積部128と永久的な連通状態に保つことができ(両体積部126および128は共に処理体積部112を形成していると理解される)、そのため、例えば圧力、温度、および湿度の状態が体積部126および128内で概して平衡することが注目される。本発明はいかなる特定の機構または動作の理論にも限定されず、原則として、ドラムとチャンバーとを開放連通状態に保つことがドラムによる圧力および/または湿度の制御を妨げないであろうと考えられるが、これは一般的には望ましい選択肢ではない可能性がある。
【0069】
タスク124は、処理体積部112内の(補助的)温度制御を含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、真空チャンバー102の対応する温度制御手段(機能114)を補助するために、1つ以上の加熱および/または冷却手段をドラム104に、あるいはドラム104に関連して配置することができる。例えば、加熱手段を処理体積部112および/または粒子Pの加熱を補助するために設けることができ、および/または、冷却手段を装填段階の間の追加冷却のために設けることができる。ドラム104における温度制御手段は、チャンバー102における対応する手段に置き換えることができると考えられる。
【0070】
粒子Pの効率的乾燥の補助が、
図1にドラム104の特別な役割130として示されている。これに関し、本明細書に記載される設計原理に関する1つ以上の利点は、バイラルに充填された、またはバルクウェアとしての粒子を収容するための1つ以上の静止または振動トレーを備える粒子搬送装置を採用することで達成されてもよいことが注目される。しかしながら、乾燥時間、乾燥結果、製品コストなどの点での効率についての観点から、粒子搬送装置として回転ドラムを採用することが、好ましい設計の選択肢であると考えられる。このため、構成要素104はドラム104と称されているが、一般的に、例えばバッチサイズ、望ましい乾燥効率および乾燥時間、ならびに乾燥後の粒子の許容可能な水分含有量などの状況により、その他の粒子搬送装置が追加的にまたは代替的に採用されてもよいことが理解されるべきである。
【0071】
タスク130に含まれる機能の更なる例には、乾燥中の大きな製品表面の支持にドラムが特に適合され得ることが含まれ、それにはドラムの適切な回転速度、ならびに粒子の効率的な回転および混合を補助する更なる手段が含まれてもよい。これに関し、凍結乾燥プロセス中の代表的な回転速度には、毎秒およそ0.5〜10回転(rpm)の間、好ましくは1〜8rpmの間が含まれるが、それらに限定されない。その一方で、1つの実施形態における装填中の回転速度は、およそ0.5rpmに設定できる。
【0072】
更なる例として、制御機能は装填中の粒子の凝集を防ぐことで製品表面積を広く保つことに関連し、それは同じく、例えば装填中にドラム104を(低速)回転状態に保つことで達成できる。役割124に従ってプロセス状態を制御することはまた、効率的な乾燥をさらに補助すると考えられる。それゆえ、いくつかの手段がタスク124および130の一方または他方に任意に割り当てられてもよい。これは、例えばドラム体積部126を加熱することに関連してもよい。
【0073】
処理体積部112に、粒子Pの滅菌の保護などの閉鎖状態を提供することに関連するいかなる機能も、役割116でチャンバー102に好ましくは割り当てられることが注目されるべきである。そうした割り当てにより、ドラム104を本明細書に記載の対応する効果を有するチャンバー102と開放連通するように設計することができる。
【0074】
移送部106および108は、閉鎖状態下で、すなわち滅菌および/または閉じ込めの保護下で処理体積部112の内部および外部への粒子の移送を行うために、それぞれ割り当てられたタスク132および134を有する。タスク132および134は、真空チャンバー102のタスク116に関して記載されていることと同様の機能を備えてもよい。例えば、滅菌および/または閉じ込めを保護するために、移送部106および108を、移送部106および108の内部107および109と、環境118などの環境との間に密閉分離を提供するように設計することができる。内部107および109は続いて、製品を搬送し、製品フローを処理体積部112の内部/外部へ案内するタスク136および138にさらに適合されてもよい。凍結乾燥装置100を分離運転するための閉鎖状態の提供もまた、タスク132および134に属してもよく、それは移送部106および108の内部107および109の密閉を制御可能に確立するのに適合された1つ以上の密閉手段により実行することができる。その結果、製品フローの遮断が起こり、さらに、処理体積部112の内部または外部への、内部107および109に沿った材料の移動を防ぐ。
【0075】
移送部106および108は、任意にはさらに、移送部106および108の内部107および109に適切な「プロセス」状態を適用するというタスク140および/または142を割り当てられてもよい。例えば、タスク140に従って、適切な冷却手段により内部107内の温度を制御するように移送部106を適合させることができる。移送部108では、能動的な冷却機構はもはや必要とされなくてよいため、タスク142は温度制御機能を備えなくてよい。洗浄/滅菌プロセスに関して、タスク140および142には、適切な配管、および洗浄/滅菌媒体アクセスポイントを介して洗浄/滅菌媒体を内部107および109に適用することが含まれてもよい。同様の制御機能は、それぞれチャンバーおよびドラムのための役割114および124にも含まれてよく、それにより凍結乾燥装置100のCiP/SiPが可能になる。
【0076】
例えばタスク114、124、140、および142の一部または全部が、関連する制御パラメータを駆動する適時のシークエンスを指定する所定の制御方式、手順、またはプログラムを実行することにより実現されてもよく、それにより特定の望ましいプロセスレジームが実現されると一般的に理解されるべきである。
【0077】
図2は、別体である真空チャンバー202と凝縮器204とを制御可能に互いから隔てるための弁207を具備する管206により相互接続されている真空チャンバー202および凝縮器204を備える、凍結乾燥装置の実施形態200の側面図である。凝縮器204または管206に関連して、真空ポンプが任意に設けられてもよい。凍結乾燥装置200に凍結粒子を装填するために、移送部208が設けられる。移送部208は、閉鎖状態下で処理される粒子を保管するための、プロセスラインの独立した装置、および/または容器、またはその他の保管装置に接続するか、接続可能とすることができる。
【0078】
種々の実施形態において、真空チャンバー202および凝縮器204は両方とも概して筒状形状をしている。具体的には、真空チャンバー202は、円錐部212および214で終端する筒状主要部210を含んでよい。円錐部212および214は、(円錐部212で例示されているとおり)主要部210に永久的に固定される方法で取り付けられるか、または、複数のボルト止め締め具216で主要部210に取り付けられた円錐部214で例示されているとおり、取り外し可能に取り付けられてもよい。実施形態のうちのいくつかでは、移送部208は、閉鎖状態下で製品フローを真空チャンバー202内に案内するための終端円錐部214に永久接続されている。真空チャンバー202の主要部210および円錐部214の各々は、真空チャンバー202から製品を排出するためのポート218および220をそれぞれ備え、製品の排出は少なくとも部分的には重力により(任意的には1つ以上の能動的な搬送機構に補助されて)達成されてもよい。
【0079】
図3は、
図2の凍結乾燥装置200の切り取り断面を図示し、真空チャンバー202に関する局面をより詳細に示している。具体的には、チャンバー202は、回転ドラム302を収容するが、明確化のために回転ドラム302の回転支持部は
図3から省略されている。ドラム302は好ましくは、円錐部306および308で終端する筒状主要部304を有する概ね筒状形状をしている。ドラム302は、移送部208を介して凍結ペレットを収容するのに適合されている。
【0080】
円錐部308に開口部310が設けられている。開口部310を介して、ドラム302の内部体積部312は好ましくは、真空チャンバー202内の外部体積部314に開放連通している。それゆえ、圧力、温度、および/または湿度などのプロセス状態は、体積部312と314との間で等しくなる傾向にあり、そのため例えばドラムの内部のみ、または外部のみに加熱が行われたことにより、進行中のプロセスにおいて両体積部間のプロセス状態に差があったとしても、体積部312および314は、チャンバー202の処理体積部316をともに形成しているものと理解することができる。
【0081】
同様に、
図1の高いレベルの実施形態100を参照して説明したとおり、
図2および
図3に図示された凍結乾燥装置の実施形態200においても、真空チャンバー202はチャンバー202の壁318の中に閉じ込められた/により規定された処理体積部316の閉鎖状態を提供するタスク、すなわち環境320に対して滅菌を保護し、および/または閉じ込めを提供するタスクを割り当てられている。壁318は、そのいかなる開口部も環境320に対して密閉されているか密閉可能である、密閉壁として提供される。管206および凝縮器204もまた、密閉されている。
【0082】
さらに、いくつかの実施形態において、真空チャンバー202は、適切なプロセスパラメータを制御することで望ましいプロセスレジームに従って処理体積部316内のプロセス状態を達成するための機能を提供するように適合されている。これに関し、チャンバー壁318は、対応する配管/配線のための接続ポート322および323で図示されるとおり、例えば1つ以上の冷却/加熱手段、処理体積部316内のプロセス状態を感知するためのセンサー回路構成、洗浄/滅菌手段など(および/または、1つ以上の上述の手段を支持するための支持アームなどの支持手段)を具備することができる。壁318は、一重壁でもよく、二重壁でもよい。圧力状態の制御に関して、処理体積部316を望ましい下回った圧力まで排気するための真空ポンプが、管206を介して作動してもよいが、それにもかかわらず、真空ポンプは真空チャンバー202の「設備」としてもみなされる。
【0083】
その他の実施形態よれば、追加的または代替的な加熱手段を設けることができる。例えば、真空チャンバー202および/またはドラム302の内壁表面を加熱するために設けられた加熱手段に加え、またはその代わりに、マイクロ波放射を発生するためのマグネトロンを設けることができ、マイクロ波放射は、続いて導波管によりドラム302内へ案内される。管は真空チャンバー壁および処理体積部316を通過して、例えばドラム302の開口部310へと入ることができる。いくつかの実施形態によれば、マイクロ波加熱が利用できれば、加熱可能なドラムおよび/または真空チャンバー壁を省くことができる。
【0084】
好ましい実施形態では、移送部208は、必要に応じて内部体積部326内に閉鎖状態を提供する外壁324を有する二重壁を備える。閉鎖状態を提供するのに寄与する1つの局面として、外壁324を真空チャンバー202の壁318に永久的に接続させることができる。内壁328は、内部体積部326を通って真空チャンバー202の処理体積部316内へ延在する装填漏斗を形成する。外壁324により閉鎖状態が提供されるため、滅菌製品を装填漏斗328を介してチャンバー202内に運ぶことができる。
【0085】
より具体的には、ある実施形態において、装填漏斗328はドラム302内に突出し、そのためドラム302は漏斗328を介して直接充填される。円錐部308および開口部310は好ましくは、回転するドラム302内に望ましい量の粒子を収容し保持することができるように適合される。粒子を保持するためのドラム302のさらなる適合には、ドラム302の傾斜の制御が含まれてもよく、かつ当業者に知られるようなさらなる手段が含まれてもよい。開口部310は、装填漏斗328がドラム302と係合することなくドラム302内へ延在してもよいように設計され得る。本発明を特定の機構へ限定することを意図するものではないが、処理体積部316のドラム内部312のプロセス状態を制御するのはドラム302ではなくチャンバー202であるため、静止漏斗328と回転する円錐部310とのそのような(例えば、密閉)係合は必要とされないと考えられる。結果として、閉鎖状態を提供するための密封係合は、移送部208(より正確には、その外壁324)と静止真空チャンバー202との間にのみ必要であり、凍結乾燥装置200の設計が簡略化され、および/または凍結乾燥装置200の設計により多くの柔軟性がもたらされる。
【0086】
ドラム302は処理体積部316内に収容されているため、処理体積部316内の望ましいプロセス状態の提供を補助するのに柔軟に適合されてもよい。追加の冷却およびまたは/加熱手段がドラム壁330に関連して、例えば任意に設けられてもよい。
【0087】
図4は、真空チャンバー202の壁318、およびドラム302の壁330の断面を図示している。
図4に図示される実施形態では、真空チャンバー壁318は、外壁402、および処理体積部316に面する内壁表面406を有する内壁404を備える二重壁である。内壁表面406は好ましくは、1つ以上の冷却および加熱手段により温度制御が可能である。具体的には、
図4において二重壁318内の内部体積部403の少なくとも一部に渡って延在する管システム410を備えるものとして図示される、冷却回路構成408が設けられている。管システム410は、冷却媒体流入部412と冷却媒体流出部414との間に接続される。管410は
図3に既に図示されているポート322のうちの1つを介して二重壁318に入り、そこから出てもよい。管410は、所定のプロセスレジームに必要とされるような処理体積部316の冷却のための、冷却媒体貯臓器、ポンプ、弁、および制御回路構成などの追加の装置と外部接続されてもよい。具体的には、制御回路構成および/または冷却回路構成408は、ドラム302に粒子を装填する間の内壁表面406の冷却に適合され得る。
【0088】
図4に図示された実施形態では、二重壁318は、対応する電源回路構成420を有する1つ以上の加熱コイル418により例示的に実現される加熱回路構成416をさらに具備している。電源は任意には、所定のプロセスレジームに必要とされるような処理体積部316および314を加熱するための制御回路構成により制御され得る。例えば、制御回路構成および/または加熱回路構成416は、凍結乾燥プロセス、洗浄プロセス、および/または滅菌プロセス中に内壁表面406を加熱するのに適合され得る。
【0089】
上述の制御回路構成は、処理体積部316および314内のプロセス状態を感知するために内壁404に配置され、かつ、ライニング426を介してプロセス制御回路構成の遠隔制御要素に接続されるセンサー装置424を含む回路構成422を備えてもよい。センサー装置424は、例えば圧力、温度、および/または湿度などの状態を感知するためのセンサー素子を含んでもよい。
【0090】
好ましい実施形態では、パイプ429を壁318内に含む滅菌装置428が設けられる(概して、洗浄および滅菌のために個別の装置を設けることができるが、
図4にはそうしたシステムの1つのみが図示されている)。滅菌パイプ429は、滅菌媒体アクセスポイント430へ滅菌媒体を供給し、例えば蒸気を滅菌媒体として使用することができる。アクセスポイント430を、複数のノズルを有する多重ノズルヘッド432として提供することができ、ノズル434のうちのいくつかを、内壁表面406の滅菌のために内壁表面406に向けることができ、その他のノズル436を、ドラム304の壁330の外側表面438の滅菌のために当該外側表面438に向けることができる。プロセス室316および314の内部へ洗浄媒体を供給するためのシステムを、本明細書で滅菌装置428について記載したのと同様に提供することができる。
【0091】
ドラム304に目を向けると、その壁330もまた、真空チャンバー202の内壁404の内壁表面406に向いた、ドラム304の外壁440の外側表面438を有する二重壁として提供され得る。その一方で、内壁442、より正確にはその内壁表面444は、ドラム304の内部の体積部312を規定し、体積部312は、それにもかかわらず、共通の処理体積部316の一部である。
【0092】
さらなる実施形態では、ドラム302は、以下に詳述するような温度制御可能な内壁表面444を追加的に備えてもよい。二重壁330は、
図4において加熱コイル448および対応する電源450により提供されるものとして図示される加熱装置446を収容することができ、加熱装置446は凍結乾燥プロセス、洗浄プロセス、および/または滅菌プロセス中に内壁表面444の(例えば、追加の)加熱に適合され得る。さらに、二重壁330は、ドラム二重壁312の内部441の少なくとも部分に沿って冷却媒体を案内するための管454を含む冷却装置452を収容する。冷却装置452は、ドラム302に粒子を装填する間の、ドラム302の内部体積部312に面する内壁表面444の(追加の)冷却に適合され得る。
【0093】
収容/真空チャンバー202の内壁表面406を冷却するためのシステム408において採用される冷却媒体は、例えば窒素(N
2)、または窒素/空気混合物、またはかん水/シリコーンオイル混合物を含んでよいが、それらに限定されない。
図4に図示される加熱装置416に加え、またはその代わりに、例えば当該分野で周知の加熱コイルを加熱に採用することができる。1つの実施形態では、収容/真空チャンバーの内壁表面温度は、およそ−60℃から+125℃の範囲内に制御可能である。ドラム302に関連する温度制御を、収容/真空チャンバー202について上述されたのと同様に設けることができる。追加的にまたは代替的に、気体の冷却および/または加熱媒体の利用が可能であり、それは当該分野の技術の範囲内である。収容/真空チャンバー202および/またはドラム302の、二重壁318および/または330内に適用される電気加熱手段は、熱の均一供給を可能にする金属箔、ならびにその他の同様に機能する装置および/または材料を、追加的にまたは代替的に含むことができる。
【0094】
凍結乾燥装置200の運転を制御するための制御回路構成は、内部ドラム体積部312内のプロセス状態を感知するために、内壁442に配置されるセンサー装置456を備えてもよく、装置456は、センサーライニング460を介して制御回路構成の中央制御要素に接続されるセンサー素子458を備える。温度プローブをまた、乾燥される製品に近接してドラム内に任意に設けることができ、例えば、ドラム302の主要部304、および/または終端円錐部306および308に設けられてもよい。
【0095】
好ましい実施形態において、二重壁330はさらに、概して符号461で参照される洗浄/滅菌装置を含む。複数の洗浄および/または滅菌媒体アクセスポイント462は、蒸気などの洗浄/滅菌媒体を処理体積部316および314に供給することができる。アクセスポイント462は、外壁表面438に向けられたノズル466を備え、かつ真空チャンバー202の壁318の内壁表面406の洗浄/滅菌のために内壁表面406に向けられたノズル468を備える、多重ノズルヘッド464として提供され得る。さらに、滅菌装置461も好ましくは、ドラム二重壁330の内壁表面444の洗浄/滅菌のためにドラム302内の内部体積部312および316に向けられた多重ノズルヘッド470を備える。1つ以上の洗浄/滅菌媒体が、いずれにせよ、パイプ472を介してアクセスポイント462および470へ運ばれ得る。一方の真空チャンバー202の壁318に関連する滅菌システム428のノズル436、およびドラム302の壁330に関連する滅菌システム460のノズル468が、回転ドラムを収容する収容チャンバーを備える凍結乾燥装置のSiPのためのシステムの特定の局面を実行することが注目されるべきである。
【0096】
ドラム302は、一重壁部と二重壁部とを備えることが一般的に注目される。例えば、ドラム302は、一重壁円錐部306および308(例えば、
図3を参照)を備えてもよく、かつ二重壁主要部304を備えてもよい。
【0097】
図5は、真空チャンバー506に収容された回転ドラム504を備える凍結乾燥装置502を含むプロセスラインの例示的な実施形態500を図示している。凍結乾燥装置506の種々の特性は、
図2および
図3に図示される凍結乾燥装置200の特性と同様であってよい。しかしながら、
図5において、移送部508および510は、凍結乾燥装置502をライン500のプロセス装置512および514に接続して図示されている。
【0098】
好ましい実施形態において、ドラム504の内部体積部516は、真空チャンバー506の二重壁522内に閉じ込められる外部体積部520と開口部518を介して連通しており、内部体積部516と外部体積部520とは共に、凍結乾燥装置502の処理体積部524を形成する。処理体積部524全体を閉じ込める壁522は密閉され、そのため閉鎖状態下での処理、すなわち凍結乾燥装置500の環境526に対する滅菌および/または閉じ込めの保護の提供が可能である。
【0099】
移送部508は、製品フローを噴霧チャンバー512から凍結乾燥装置502へ案内するために設けられ、噴霧チャンバー512は、粒子発生器の1つの例示的な実施形態にすぎず、概略のみが
図5に表されている。噴霧チャンバー512は、例えば噴霧/プリルチャンバー、および/または塔、および/または冷却/冷凍トンネルなどの当該分野で知られるいかなる種類の噴霧および/またはプリル装置として実施されてもよい。
【0100】
移送部508は、外壁530と内壁532とを有する二重壁528を好ましくは備える。製品フローを噴霧チャンバー512から凍結乾燥装置502へ案内するために(
図1のタスク136と同様)、移送部506の二重壁528の内壁532は、ドラム504と係合することなくドラム504内へ延在する装填漏斗を形成する。二重壁528の外壁530は、閉鎖状態を提供するのに適合されている(タスク132を参照)。
【0101】
プロセスライン500において凍結乾燥粒子の製造のための端から端までの閉鎖状態を達成するために、その他の特徴の中でもとりわけ、外壁530が噴霧チャンバー512および凍結乾燥装置502と密閉取り付け接続状態にあることが好ましい。具体的には、二重壁528の外壁530は、真空チャンバー506の二重壁522の外壁534に取り付けられ、その取り付けは、両方の内部体積部、すなわち処理体積部524および移送部508内の移送体積部536の密閉に寄与する。プロセスライン500全体の包括的な密閉の提供のために接続されるのに加え、プロセスライン500の凍結乾燥装置500、移送部508、およびさらなる装置512、514/移送部510がそれぞれ、例えば凍結乾燥装置500の場合は密閉真空チャンバー506を提供することで、または移送部506の場合は密閉外壁530を提供することで、閉鎖状態下での運転に個別に適合されていることが注目されるべきである。プロセスライン500の端から端までの閉鎖状態は、いかなるアイソレータも追加することなく達成される。
【0102】
図5に図示されているように、移送部508は、噴霧チャンバー512から凍結乾燥装置500への凍結粒子の重力移送に適合される。
図5に詳細には示されていないが、移送部508の二重壁528は、移送体積部536内の望ましいプロセス状態を提供するのに適合され得る(
図1におけるタスク106を参照)。例えば、内部壁532は、温度制御可能な内壁表面538を備えてもよい。具体的には、
図4における真空チャンバー202および回転ドラム302の各二重壁318および330について例示的に上述したことと同様に、二重壁528は、少なくとも噴霧チャンバー512から移送部508を介して凍結乾燥装置500への製品移送中に内壁表面538を冷却するための冷却装置を含んでもよく、および/または、少なくとも移送部508の洗浄および/または滅菌中に内壁表面538を加熱するための加熱装置を備えてもよい。対応する冷却および/または加熱は、移送部508を望ましいプロセス状態に適合させるための時間スケールを短縮するように、すなわち、例えば製造プロセスから洗浄/滅菌プロセスへの移行、またはその逆の移行などの、プロセス間の移行における機械的応力を制限するために必要な冷却時間または加熱時間を最小化するようにも適用されてよい。
図4に図示されるのと同様に、移送部508はCiP/SiPにも適合されてよい。
【0103】
いくつかの実施形態において、移送部508は、凍結乾燥装置502を噴霧チャンバー512から構成可能に密閉可能に隔離するための弁540を備える。閉鎖状態において、弁540は移送部508に接続する両方の装置502および512に閉鎖状態を提供することができる。換言すれば、流入部542およびドラム504内に突出している流出部543は互いから密閉され、そのため噴霧チャンバー512内の処理体積部および凍結乾燥装置502の処理体積部524のそれぞれから見て閉塞した盲管を形成する。
【0104】
移送部510は、凍結乾燥装置502を、続く排出部514に接続する。簡潔に言えば、移送部510は、
図1の移送部108に見られるような種々の構造的、機能的、および設計的局面を共有していることが注目される。移送部510は、一方が真空チャンバー506に、他方が排出部514に永久的に機械的に取り付けられている外壁546を有する二重壁544を備え、滅菌の保護および/または閉じ込めの提供に関してそれらの間に閉鎖接続を提供している。内壁548は、内部で凍結乾燥粒子が、凍結乾燥装置502の処理体積部524および520から、排出部514により設けられる処理体積部550へと案内される、管を形成する。
【0105】
凍結乾燥プロセス終了後の凍結乾燥装置502からの粒子の排出については、当該分野の種々の技術のうちの1つ以上によって凍結乾燥粒子をドラム504から取り出すことができる。例えば、回転中であっても、回転中でなくても、対応して制御する支持杭552によってドラム504を傾斜させることができる。ドラム504の開口部518から真空チャンバー504の処理体積部520を介して移送部510へと凍結乾燥粒子を案内するために、概略的に示された排出ガイド手段554が設けられる。ガイド手段554/およびまたは移送部510の内壁548は、任意的にシュートおよび/または供給/排出ホッパーを有する、処理体積部520内に延在する管を備えてもよい。1つの例では、ガイド手段は、粒子を移送部510へ案内するために、ドラム504の開口部518に近い部分に管を形成し、かつ開口部555に近い部分に開口シュートまたはチャネルを形成する連続構造を備えてもよい。
【0106】
移送部510、具体的には内壁/管548は、排出部514への粒子の重力移送に適合される。移送部510はまた、処理体積部524と550とを互いから構成可能に隔離するための弁560を備えてもよい。
【0107】
排出部514および移送部510のうちの一方または両方は、閉鎖状態下でバイアル、中間貯蔵容器(「IBC」)などの受取器558へと製品フローを案内するためのガイド手段556を備えてもよい。排出部514はさらに、充填などのプロセスのために製品に閉鎖状態を提供するのに適合されてもよい。
【0108】
いくつかの実施形態においては、凍結乾燥粒子の冷却が必要とされなくてもよいため、移送部510は、内部移送体積部562の冷却に適合されていない。しかしながら、移送部508について記載されたように、加熱、および任意的にはまた、冷却装置は、それにもかかわらず、異なるプロセス間の温度適合に必要な期間を短縮するために設けられてもよい。プロセスライン500全体は、図示されるとおり、1つ以上の洗浄/滅菌媒体アクセスポイント564を組み込むことで、CiP/SiPに適合されてもよい。
【0109】
図6は、本発明による凍結乾燥装置のさらなる実施形態600の断面図である。これらの実施形態において、凍結乾燥装置600は、回転ドラム604を収容する真空チャンバー602を備え、これら構成要素の多くの局面における構成および機能は、本明細書における他の実施形態においてすでに記載されたものと同様であるであろう。
図5に図示される実施形態502とは対照的に、凍結乾燥装置600は、製品の直接排出に適合されている。すなわち、受取器606への製品の充填は、真空チャンバー602内部の処理体積部603内の閉鎖状態下で実行することができ、そのためバルク製品フロー607は、処理体積部603を通って続き、受取器606内で終わる。
【0110】
ある実施形態においては、滅菌チャンバー二重ゲートシステム608に、密閉可能ゲート610を介して1つ以上のIBC606を装填することができる。チャンバー608は、開いたときに真空チャンバー602と滅菌チャンバー608との間のIBCの移動を可能にする、さらなる密閉可能ゲート612を任意的に備える。環境からゲート610を介してチャンバー608へIBC606を装填した後、滅菌装置616によりIBC606を滅菌することができる。IBC606の滅菌後、ゲート612は開かれ、IBC606が牽引システム618により真空チャンバー602へと移される。閉じられたとき、ゲート612は、真空チャンバー602により提供される処理体積部603に対する滅菌および/または閉じ込めを維持するように構成されている。
【0111】
いくつかの実施形態では、回転ドラム604は、傾斜可能にすることができ、および/または、概略的に示された、乾燥後に製品バッチの取り出しのために開くように制御可能にすることができる周囲開口部620を具備することができる。牽引システム618は続いて、充填されたIBC606をチャンバー608から取り出す前にIBC606を適切に滅菌密閉するために、IBC606をチャンバー608内に戻すことができる。充填されたIBC606の適切な密閉は、代わりに真空チャンバー602内で行われてもよい。
【0112】
追加の実施形態はまた、真空チャンバー602内のIBC606を滅菌するための1つ以上の手段を提供し、IBC606はその後、例えば製造運転の開始前、および処理体積部603内の滅菌状態を確立したときに滅菌されてもよい。そのような構成は、全製造量を収容するのに必要な受取器を運転開始前、すなわち閉鎖状態の確立前に真空チャンバー内にすべて保管することができる場合に有利となる可能性がある。このため、例えば処理体積部内の継続的閉鎖状態下で充填した後に受取器を密閉するために、真空チャンバー602により確立される処理体積部内に1つ以上の手段が設けられることが必要となるであろう。これにより凍結乾燥装置の複雑性を増すという代償を伴うかもしれない一方で、他方では直接排出装置により余分な装置が省かれ、および/または、排出および充填のための1つ以上のアイソレータが省かれ得る。直接排出/充填のために収容チャンバー(真空チャンバー)により提供される処理体積部を使用することの一般的な効果は、チャンバーがいずれにせよ望ましいプロセス状態を制御することに適合されていることによる。
【0113】
さらなる別の実施形態では、プロセスラインは、最終受取器のために収容/真空チャンバーに配置された結合設備を備える。例えば、そうした結合設備は、
図5に図示される移送部508および510のような変更された移送部として提供される。受取器は、収容チャンバー(真空チャンバー)内部および/または外部に突出する排出管に直接結合される。これに関し、充填前には受取器の内部の滅菌の保証のみが必要とされる。滅菌の維持は、受取器が結合状態にある間、すなわち受取器の結合から分離/密閉まで必要である。
【0114】
本発明による凍結乾燥装置の洗浄/滅菌に関して、およびこれに関して
図2を再度参照すると、
図2に図示される凍結乾燥装置200は、支持構造224を介してフレーム222上に配置されている。フレーム222は、水平配向に対する凍結乾燥装置200の傾斜角226を提供する。チャンバー202および/または凝縮器204のゼロになることがない傾斜は、例えば洗浄および/または滅菌プロセスに関した自己排出処理の実施のために用いることができる。好ましい実施形態において、真空チャンバー202へ導入される1つ以上の洗浄媒体、および/または滅菌媒体、または凝縮物を、接続管206を介して凝縮器204へと排出することができ、すべての排出物はポート228を介して凍結乾燥装置200を出てもよい。さらなるその他の実施形態では、凝縮器は水平に設置されるが(これは凝縮器が自己排出式でないことを意味し得る)、真空チャンバーのみは永久的または一時的な/調整可能な傾斜を有して設置されてもよい。
【0115】
その他の実施形態において、管206を介して排出する代わりに、真空チャンバー202は、追加的にまたは代替的に排出ポートを備える。排出要件が解除されるのであればそれに伴い、管206はより柔軟に設計され得るであろう。
【0116】
傾斜角226が好ましくは、永久的にまたは一時的に設定されるか、または任意には、フレーム222が調整可能な傾斜226の範囲、例えば0°〜45°の間の動きに適合されてもよい。いくつかの実施形態において、ポート220または218を介しての製品の排出に関して、一時的な/調整可能な傾斜角226が好ましいかもしれない。変更可能または調整可能な傾斜の場合、例えば移送部208などの、しかし潜在的には管206といった他の装置への接続部は、それら自体が柔軟性を持つか、または接続部も適切に変更可能/調整可能でもあるように構成される。
【0117】
図3に示すように、ドラム302を水平線332に対してゼロになることのない傾斜角334を有して同様に配置することも可能である。これにより、ドラム302の内部体積部312を、洗浄および/または滅菌媒介、滅菌凝縮物などに関して自己排出式に提供することができる。ドラム302は、液体や凝縮物などの洗浄/滅菌プロセスの残余物がドラム302を出てチャンバー202に入るように構成されている。上述のように、残余物は続いて管206を介して真空チャンバー202を出てもよい。
図3に示すように、ドラム304の傾斜330および真空チャンバー202の傾斜226は、一般的に互いに対して相互に反対であるように選択され得る。すなわち、ドラムとチャンバーとは、反対方向に傾斜している。これは、特に小型の凍結乾燥装置の設計を含む、より大きな設計の自由度をもたらすと考えられている。ドラム302は、所定の傾斜角330に永久的に傾斜させることができ、あるいは、傾斜330は、例えばドラム302が凍結乾燥中に水平に設置され、かつ例えば洗浄/滅菌残余物の排出のために選択的にのみ傾けられるように調整可能であってもよい。一般的に、本発明は、凍結乾燥装置の自己排出機能に関して柔軟な設計概念を提供する。本発明のこの局面は、CiP/SiP概念の実施のための重要な局面であると考えられる。
【0118】
図7は、流れ
図700を用いて、
図2および
図3の凍結乾燥装置200の運転の例示的な実施形態700を図示する。一般的に、凍結乾燥装置200の運転は、閉鎖状態下での凍結乾燥粒子のバルクウェア製造のためのプロセスに関する(
図7、702を参照)。
【0119】
工程704において、少なくとも凍結乾燥装置200の洗浄および/または滅菌が行われる。具体的には、これには処理体積部316(
図3を参照)を閉じ込める、真空チャンバー202の内壁表面406(
図4)の全体の、および外壁表面438と内壁表面444(
図4)とを有するドラム302の、洗浄および/または滅菌が含まれてもよい。続く製造運転に備えるために、例えば滅菌後の滅菌の維持のために、いかなる洗浄および/または滅菌も通常、真空チャンバー202の閉鎖状態下で実施されることが好ましい。一般的に、処理体積部、および/または処理体積部内で処理される製品のための、密閉または「閉鎖状態」の提供に関する局面の1つとして、そうした密閉には、処理体積部を閉じ込める壁にあるすべての開口部の封止が含まれる。これらの開口部には、少なくとも、ノズル、例えば温度プローブなどのセンサー回路構成、センサー素子の取付け具、ドラム支持体などのうちの1つ以上に設けられるポート、ドリル孔などが含まれ得る。開口部はまた、移送部208などの移送部を取り付けるために設けられた開口部を含み、その開口部は真空チャンバー202の内壁および/またはドラム302の内壁/外壁に設けられてもよい。密閉の概念のために、内部ドラム302への、動力、冷却/加熱媒体、洗浄/滅菌媒体などのいかなる供給もまた、環境320から真空チャンバー202の壁を、必然的に最終的に通過すると考えられねばならないこと、および「閉鎖状態」を維持するための適切な対策が、設計概念において考慮されねばならないことが注目される。
【0120】
工程704にさらに言及すると、洗浄および/または滅菌は、例えば真空チャンバー202の内壁表面406、および/またはドラム302の外壁表面438および内壁表面444の温度の制御を含んでもよい。例えば、壁表面のうちの1つ以上は、滅菌目的で蒸気を使用する際の壁表面の機械的応力を軽減させるために、および/または滅菌プロセス自体を補助するために、(前もって)加熱されてもよい。すべての洗浄/滅菌プロセスの残余物は、
図2および
図3に例示的に図示されるような、ドラムおよび/または真空チャンバーの自己排出機能に基づき、またはその他の適切な手段により、除去され得る。
【0121】
工程706において、凍結粒子は、凍結乾燥装置200のドラム302内に装填される。粒子は、ペレット、顆粒などの凍結粒子の製造に適合した、いかなる粒子発生器からも受け取ることができる。工程704で確立されたような閉鎖状態の継続性が、凍結乾燥装置200の処理体積部316において保証されることが好ましい。例えば、処理体積部316内での閉鎖状態の維持は、定期的な時間間隔(例えば、秒、分、時、日などを含む、1から、2、3、4、5、10、20、30、40、50、60、およびその間の単位時間)で判定され得る。密閉弁、移送部などの望まない開操作を含むがそれらに限定されない、閉鎖状態(または、その他のプロセス状態または仕様)の違反が検出されれば、製造運転700を中断できる。
【0122】
好ましい実施形態において、装填工程706の間、少なくともドラム302の内部の処理体積部312を、当該処理体積部に収容される粒子の最適な状態を提供するために制御することができる。例えば、粒子を凍結状態に保つのに加え、上流の粒子発生器における粒子生成の期間中に継続する装填プロセスの場合、対応する要件のうちの1つは、乾燥前の収容粒子の凝集の防止を含んでもよい。
【0123】
その結果、装填工程706は一般的に、真空チャンバーおよび/またはドラムの壁318および330の冷却による、処理体積部316の能動的な温度制御を含んでもよい。例えば、壁はCiP/SiP工程704の間に高温に加熱されているかもしれないため、壁の冷却時間を短縮するために、粒子の装填開始前に真空チャンバーおよび/またはドラムの壁の能動的な冷却を実行することができる。さらなる例では、滅菌後の冷却時間を6〜12時間(または、それを上回る)から1時間(または、それを下回る)にまで低減するために、能動的な冷却を採用することができる。少なくともドラム302の内部体積部312内において、当該内部体積部内の粒子の収容、および粒子の凝集の最小化のための最適温度を提供するために、冷却を継続してもよい。
【0124】
いくつかの実施形態において、望ましい冷却を提供するために、真空チャンバー202の壁318を同様に冷却することができる。これに関し、ドラム302には追加の冷却装置を具備することができ、ドラム自体が冷却に寄与できる。必要な冷却の量、凍結乾燥装置構成の詳細、およびその制御レジームによって、能動的な冷却がドラム302(の壁330)により代わりに実行されてよいが、真空チャンバー202(の壁318)は受動的なままである。
【0125】
装填された粒子に効率的な冷却を提供する、および/または粒子の凝集を防ぐためのさらなる手段として、装填工程706にはドラム302の回転の提供が含まれてもよい。例えば、ドラムは継続的または断続的な回転を保つことができ、および/または、一定にまたは回転速度を変えて回転されてもよい。1つの例によれば、一般的に乾燥中の回転速度より遅い一定の速度で、ドラム302を継続的に回転させることができる。ドラムの1つ以上の所定の回転パターンを適用でき、および/または、ドラムの現行の負荷、処理体積部312、314、および316などの内部の湿度(すなわち水蒸気含有量)、および温度などのプロセス状態の判定に応じてドラムを回転させることができる。
【0126】
工程708において、回転ドラムに装填された粒子が凍結乾燥される。真空チャンバー202は、製品の閉鎖状態の提供を担当する。滅菌の保護および/または閉じ込め状態の提供には、移送部208が上流の粒子発生器に対して密閉されることが含まれてもよい。さらに、凍結乾燥には、真空ポンプ207の作用により真空チャンバー202の処理体積部314内において、および粒子を保持するドラム302が開放連通状態にあるために処理体積部316のドラム内部312においても、あらかじめ規定された低圧状態を備える真空状態が確立されることが含まれてもよい。好ましい実施形態では、昇華により粒子から蒸発する水蒸気が、凝縮器204および真空ポンプ207の作用により、連通する処理体積部312および314から抜き取られる。
【0127】
乾燥中の望ましいプロセス状態を確立および/または維持するために、水蒸気を取り出す凝縮器204に加えて、圧力を望ましい真空レベルなどに圧力を保つ真空ポンプ、および、例えば真空チャンバー202の壁318および/またはドラム302の壁330内に設けられた加熱装置を、望ましいレベルの温度を達成するために、乾燥される粒子を含む処理体積部316を能動的に加熱するように制御することができる。ドラム302の負荷、進行中の昇華プロセスの強度などの詳細によっては、例えばドラム304の壁330のみ、例えばその内側表面444のみが加熱されれば十分となる可能性がある。代わりの実施形態では、ドラム設計の複雑さを制限するために、ドラムに加熱手段を具備しない。この場合、真空チャンバーのみ、例えばその内壁表面が、冷凍乾燥中に閉じ込められた処理体積部を加熱するように運転されてよい(および/または、マイクロ波加熱などのさらなる他の加熱機構を設けることができる)。そうした構成は、粒子保持ドラム302の内部および外部の処理体積部312および314が互いに連通しているために可能である。しかしながら、ドラムにより実行される加熱は、凍結乾燥される粒子の望ましい温度を達成するために、いくつかの実施形態にとってはより効率的となり得る。
【0128】
凍結乾燥中に、処理体積部312内へ水蒸気を直接放出するために利用できる製品表面を最大化するために、ドラム304を任意に回転させることができる。乾燥中に適用される回転パターンとして、装填工程について上述されたものと基本的に同様の考慮がなされねばならない。しかしながら、回転速度は、いくつかの実施形態では、装填工程より高速に保たれてよい。1つの例では、ドラムは凍結乾燥中に継続的かつ一定の回転速度に保たれる。1つの実施形態では、凍結乾燥装置には、ドラムおよび/またはドラムの制御手順のための駆動ユニットの適合に従った可変速回転ドラムが設けられ、少なくとも2つの異なる回転モード、すなわち、粒子の装填中に適用される第1の(例えば連続的、低速)回転モード、および、粒子の凍結乾燥中に適用される第2の(連続的、より高速)回転モードが提供される。さらなる実施形態では、ドラムおよび/またはドラムの制御は、断続的な(始動および停止する)、または複数の速度の回転動作を提供するように適合される。
【0129】
別の実施形態では、回転速度は、例えば冷凍乾燥プロセスの現状に従って制御される。例えば、ドラムの回転速度を変化させることで、直接蒸発に利用可能な製品表面を増加または減少させることができ、それが今度は、処理体積部における湿度、温度などのプロセス状態に影響を及ぼすと考えられる。その結果、回転速度が冷凍乾燥プロセスの制御に任意的に使用できるプロセスパラメータとなる。
【0130】
工程710にて、例えば粒子の湿度が望ましいレベルにまで減少したことが検出されると、粒子の凍結乾燥が終了される。凍結乾燥装置から粒子が排出される間、バルク製品全体が独立した排出部/ステーション(
図5を参照)に運ばれるまで、または粒子が最終受取器に直接充填され、受取器が真空チャンバー内で密閉されるか、または真空チャンバーから取り出されてゲートを介して独立した密閉チャンバー(
図6を参照)またはアイソレータに運ばれるまで、真空チャンバー202は製品の閉鎖状態の維持を担当し続ける。
【0131】
排出工程では、能動的な温度制御は、必要であってもよいし、必要でなくてもよい。その理由は、乾燥された粒子は通常、乾燥に続いて冷却を必要としないからである。しかしながら、排出の完了後、真空チャンバー202の処理体積部316内の状態と環境とを適合させるために、例えば充填した(および密閉した)受取器を真空チャンバー202から取り除く前に加熱がなされてもよい。
【0132】
工程712では、プロセス700が終了される。これは、閉鎖状態をもはや維持する必要がないことを伴ってもよい。例えば、続く洗浄/滅菌プロセスを短い時間スケールで準備するために、真空チャンバー202および/またはドラム302に関連する加熱装置を使用して、能動的加熱を行なうことができる。矢印714による表示が意図するように、洗浄/滅菌後、凍結乾燥装置200はただちに次の製造運転に関わることができる。追加的にまたは代替的に、このときにセンサー回路構成およびその他の制御装置などの点検などのメンテナンス運転を行なうことができる。
【0133】
本発明の特定の実施形態によれば、凍結乾燥装置は内部に回転するドラムを有する収容部を備える。例えば真空チャンバーとして提供される収容部は、閉鎖状態の提供に適合されるため、凍結乾燥装置は、非滅菌環境で滅菌製品を製造するために運転され得る。いくつかの実施形態では、凍結乾燥装置は、完全内包型の充填および排出手段をさらに備えてもよい。プリル化、噴霧式冷凍などの粒子生成プロセスの間に、回転するドラム内にマイクロペレットなどの粒子を継続的に充填するために、傾斜した充填管が任意的にドラム内に達することができ、充填/装填中にドラム内の製品が運動状態に保たれる。
【0134】
本明細書に記載される凍結乾燥装置の実施形態は、例えばバルクウェアとしての滅菌自由流動凍結粒子の凍結乾燥に有益に使用され得る。回転ドラムを粒子の収容に使用することで、例えばトレーおよび/またはバイアル式乾燥機に比べ、乾燥時間の著しい低減が可能になる。その理由は、製品表面の増加にともない、質量および熱の移動が加速され得るからである。熱移動は凍結製品を通して行なわれる必要はなく、例えばストッパーが必要となり得るバイアル内の乾燥と比べて、水蒸気拡散の層が小さい。例えばバイアル/ストッパーを使用しないため、蒸気の通過を可能にする特定のバイアル/ストッパーへの適合は必要ない。バッチ全体の均一な乾燥状態が提供され得る。
【0135】
例えば滅菌液体窒素またはシリコーンオイルなどの滅菌冷却媒体の所要量を減らすために、特に冷却のために温度制御された壁表面を設けることが考えられ、それは凍結乾燥装置、および/または凍結乾燥装置を含むプロセスの費用効率に寄与する。
【0136】
凍結乾燥装置をCiP/SiPに適合させることができ、例えば、収容部を蒸気滅菌可能とすることができる。収容/真空チャンバーおよび/またはドラムは、液体/残余物の排出および/または製品の排出を補助するために、傾斜させるか、または傾斜可能とすることができる。製品を排出するために、収容/真空チャンバーは、ドラムから最終受取器への、または排出漏斗を含む移送部を介して独立した排出部への取り出しの後に粒子を案内するためのガイド/排出要素を備えてもよい。
【0137】
本明細書に記載されるような凍結乾燥装置の実施形態により、滅菌製品を製造するための非滅菌環境での運転が可能になる。これにより、閉鎖状態を達成するためにアイソレータを採用する必要性が回避され、それにより本発明に係る凍結乾燥装置が、入手可能なアイソレータのサイズに関して制限されないことを意味する。さらなる対応する効果には、解析要件の軽減が含まれる。GMP、医薬品安全性試験実施基準(「GLP」)、および/または医薬品臨床試験実施基準(「GCP」)、ならびに国際的なこられに相当するものの要件への適合を維持しながら、コストが大幅に低減される可能性がある。
【0138】
好ましい実施形態において、閉鎖運転にアイソレータは必要とされないが、好ましい実施形態において、本発明に係る凍結乾燥装置は、閉鎖状態下での凍結乾燥のタスク専用の十分に定義された独立したプロセス装置を明確に構成し、当該プロセス装置は、1つの装置内で複数のタスク、例えば粒子生成および乾燥を実行するのに特に適合された高集積装置と対比して見られるべきである。例えば、プロセスラインにおいて例えば本明細書に記載された移送部を介して接続されると、凍結乾燥装置は閉鎖状態下で、凍結乾燥、凍結乾燥装置の洗浄、および凍結乾燥装置の滅菌のうちの少なくとも1つを含む個別の運転に適合され得る。本発明に係る凍結乾燥装置は、このように柔軟に採用され、および/または、凍結乾燥に所望により最適化されてよい。最適化は、例えば収容/真空チャンバーおよび/またはドラムに関連する冷却および/または加熱装置の提供および設計に関連してもよい。
【0139】
凍結乾燥される製品は、従来の(例えば棚式の)凍結乾燥プロセスにも適する実質的にあらゆる製剤、例えばモノクロナール抗体、その他のタンパク質ベースのAPI(医薬品有効成分)、DNAベースのAPI、細胞/組織物質、ワクチン、低溶解性/生体利用性を有するAPIなどの経口固体剤形のための、ODT、経口分散性錠剤、スティック充填製剤などの速分散性経口固体剤形のためのAPIにも基づくことができる。
【0140】
本発明に係る凍結乾燥装置の実施形態は、滅菌され、冷凍乾燥され、かつ均一に調整された、バルクウェアとしてのペレットまたはマイクロペレットなどの粒子の生成に採用されてもよい。得られる製品は、自由流動性があり、無塵で、かつ均質であり得る。そうした製品は取り扱い性に優れ、他の成分と容易に結合し得る。その成分は液体状態で不適合であるか、または短時間のみ安定であり、従来の凍結乾燥に適さない可能性がある。
【0141】
本発明を本発明の種々の実施形態に関連して説明してきたが、この説明は例示目的だけのためであることが理解されるべきである。
本願は、欧州特許出願EP 11 008 058.7−1266の優先権を主張し、完璧を期すためにその請求項の主題を以下に列挙する。
【0142】
1.閉鎖状態下での凍結乾燥粒子のバルクウェア製造のための凍結乾燥装置であって、該凍結乾燥装置は、
前記凍結粒子を収容するための回転ドラムと、
前記回転ドラムを収容する静止真空チャンバーと
を備え、
閉鎖状態下での前記粒子の製造のために、
前記真空チャンバーは、前記粒子の処理中の閉鎖運転に適合され、
前記ドラムは、前記真空チャンバーと開放連通している、凍結乾燥装置。
【0143】
2.項目1に記載の凍結乾燥装置であって、前記真空チャンバーは、温度制御可能な内壁表面を備えていることを特徴とする凍結乾燥装置。
3.項目2に記載の凍結乾燥装置であって、前記真空チャンバーは、二重壁の収容部を備えていることを特徴とする凍結乾燥装置。
【0144】
4.前記項目のいずれか1つに記載の凍結乾燥装置であって、前記ドラムは、温度制御可能な内壁表面を備えていることを特徴とする凍結乾燥装置。
5.前記項目のいずれか1つに記載の凍結乾燥装置であって、前記真空チャンバーおよび前記回転ドラムのうちの少なくとも一方は、洗浄プロセスおよび滅菌プロセスのうちの少なくとも一方に関して自己排出式に設定されていることを特徴とする凍結乾燥装置。
【0145】
6.前記項目のいずれか1つに記載の凍結乾燥装置であって、ドラムおよびチャンバーは、互いに反対の傾斜で配置されていることを特徴とする凍結乾燥装置。
7.前記項目のいずれか1つに記載の凍結乾燥装置であって、前記真空チャンバーおよび前記ドラムのうちの少なくとも一方は、定置洗浄「CiP」および/または定置滅菌「SiP」、および具体的には蒸気式SiPに適合されていることを特徴とする凍結乾燥装置。
【0146】
8.閉鎖状態下での凍結乾燥粒子の製造のためのプロセスラインであって、該プロセスラインは、前記項目のいずれか1つに記載の凍結乾燥装置を備えている、プロセスライン。
【0147】
9.項目8に記載のプロセスラインであって、前記プロセスラインの独立した装置と前記凍結乾燥装置との間の製品移送のために少なくとも1つの移送部が設けられ、前記凍結乾燥装置および前記移送部の各々が個別に閉鎖運転に適合されていることを特徴とするプロセスライン。
【0148】
10.項目9に記載のプロセスラインであって、凍結粒子を製造するための独立した装置から前記凍結乾燥装置への製品移送のために第1の移送部が設けられ、該第1の移送部は、前記開放されたドラムと係合することなく前記開放されたドラム内に突出している装填漏斗を備えていることを特徴とするプロセスライン。
【0149】
11.項目9または項目10のいずれか一方に記載のプロセスラインであって、前記凍結乾燥装置から前記凍結乾燥粒子を排出するための独立した装置への製品移送のために第2の移送部が設けられていることを特徴とするプロセスライン。
【0150】
12.項目9〜11のいずれか1つに記載のプロセスラインであって、前記移送部は、温度制御可能な内壁表面を備えていることを特徴とするプロセスライン。
13.項目1〜7のいずれか1つに記載の凍結乾燥装置を使用して実行される、閉鎖状態下での凍結乾燥粒子のバルクウェア製造のためのプロセスであって、該プロセスは、少なくとも以下のプロセス工程を含み:
・凍結粒子を前記凍結乾燥装置の前記ドラムへ装填する工程、
・前記凍結乾燥装置の前記真空チャンバーと開放連通している前記回転ドラム内の前記粒子を凍結乾燥させる工程、
・前記粒子を前記凍結乾燥装置から排出する工程、
前記凍結乾燥装置の前記真空チャンバーは、前記粒子の処理中に閉鎖状態下で運転されることを特徴とするプロセス。
【0151】
14.項目13に記載のプロセスであって、前記真空チャンバーおよび前記ドラムのうちの少なくとも一方の壁の温度を制御する工程を備える、プロセス。
15.項目13または項目14に記載のプロセスであって、前記ドラムは、前記乾燥工程におけるよりも遅い回転速度で、前記装填工程において回転されることを特徴とするプロセス。