特許第5670010号(P5670010)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5670010
(24)【登録日】2014年12月26日
(45)【発行日】2015年2月18日
(54)【発明の名称】三次元ヒンジ金具の壁域を補強する方法
(51)【国際特許分類】
   B21J 5/06 20060101AFI20150129BHJP
   A47C 1/025 20060101ALI20150129BHJP
【FI】
   B21J5/06 Z
   A47C1/025
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2007-171326(P2007-171326)
(22)【出願日】2007年6月29日
(65)【公開番号】特開2008-68318(P2008-68318A)
(43)【公開日】2008年3月27日
【審査請求日】2010年2月18日
【審判番号】不服2013-19724(P2013-19724/J1)
【審判請求日】2013年10月10日
(31)【優先権主張番号】06090167.5
(32)【優先日】2006年9月13日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】597175260
【氏名又は名称】ファインツール インターナショナル ホールディング アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100173521
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100153419
【弁理士】
【氏名又は名称】清田 栄章
(72)【発明者】
【氏名】パウル・フラウヒガー
【合議体】
【審判長】 栗田 雅弘
【審判官】 石川 好文
【審判官】 久保 克彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−202329(JP,A)
【文献】 特開平11−236957(JP,A)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高トルク負荷のために三次元ヒンジ金具の壁域を補強する方法であって、ストリップ帯から均一に彎曲された外形をもつ半製品が切断され、引き続いて半製品がスタンプ、逆スタンプ、母型、リング尖端と案内板から成る変形精密切削工具によってつぼ状本体部分に変形され且つ精密切削されており、噛切り用循環縁が本体部分に形成され、適切な材料移動が変形により惹起された壁域(10)内の材料流出をほぼ補償するように、ヒンジ金具の縁(8)とつぼ状本体部分(3)の間の壁域(10)の壁厚(s)は少なくとも二工程冷間流動押圧過程によりスタンプ運動(SM)に対して斜めにそれぞれに反対流れ方向(C、D)における適切な材料移動によって補強される方法において、第一工程には、半製品(2)の中心材料はまず最初にスタンプ方向(SM)に対して同じに延びる方向に、材料容積(V)が半製品(2)の外逆面(G)にスタンプ方向(SM)に対して斜め方向(C)に母型(12)に形成された空間(14)に発生するように、流動されること、及び第二工程には、発生した材料容積(V)は、冷間流動押圧によって第一工程と反対方向(D)に、縁(8)とつぼ状本体部分(3)のへこみ(6)の間の壁域(10)が必要された負荷適合した壁厚(s)で形成するように、案内板(11)に形成された空間(18)に移動されることを特徴とする方法。
【請求項2】
壁域(10)内の壁厚(s)の補強は母型(12)と案内板(11)における空間(14、18)の大きさと形状の選択によって調整されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
壁厚(s)はそれぞれの用途に適した破壊負荷に適合させて調整されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、高トルク負荷のために三次元ヒンジ金具の壁域を補強する方法であって、ストリップ帯から実質的に均一に彎曲された外形をもつ半製品が切断され、引き続いて半製品がスタンプ、逆スタンプ、母型、リング歯と案内板から成る変形精密切削工具によって突起、へこみ、窪み、空所、シンク、孔とピボットの全部又は少なくともそれらのいずれか一個をもつつぼ状本体部分に変形され且つ精密切削されており、噛切り用循環縁が本体部分に形成される方法に関する。
【背景技術】
【0002】
座席調整成分、例えば継手ヒンジ金具の固定継手部材と旋回自在継手部材は、公知の如く変形と精密打抜き或いは精密切削によって最終的使用目的のために非常に高い寸法安定性で製造される(欧州特許694434号明細書(特許文献1)、ドイツ特許第3244399号明細書(特許文献2)、ドイツ特許第2834492号明細書(特許文献3)、ドイツ特許第3227222号明細書(特許文献4))。
【0003】
これら継手部材は、突起、へこみ、窪み、空所、シンク、孔とピボットの全部又は少なくともそれらのいずれか一個をもつ実質的につぼ状に形状された本体部分から成る。均一に彎曲された外形を備えた本体部分は半径方向内方に本体部分に向いた歯切りが加工されている循環縁を有する。この歯切りは機能的に非常に高いトルクを伝達するにちがいないので、縁と本体部分の間の壁域即ち結合部がつぼ状本体部分に対して著しい負荷にさらされ、それはしばしば破壊を導く。これは座席調整成分の安全性と信頼性を減少させる。
【特許文献1】欧州特許694434号明細書
【特許文献2】ドイツ特許第3244399号明細書
【特許文献3】ドイツ特許第2834492号明細書
【特許文献4】ドイツ特許第3227222号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この先行技術では、この発明の課題は、継手ヒンジ金具が継手ヒンジ金具の内歯部を支持する縁とつぼ状本体部分の間の壁域の破壊に対する格段に高い安全性をもって費用適切に使用され得るように、前記種類の方法を改良することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、請求項1の特徴事項を備える前記種類の方法、即ちヒンジ金具の縁とつぼ状本体部分の間の壁域の壁厚が少なくとも二段冷間流動押圧過程による狙った材料移動によってスタンプ運動に対して斜めにそれぞれに反対流れ方向に、狙った材料移動が変形により惹起された材料流出を壁域内でほぼ更に補償するように、補強される方法によって解決される。
【0006】
この方法の好ましい構成は、従属請求項に採用できる。
【発明の効果】
【0007】
この発明による方法に基づいて製造された継手ヒンジ金具は、ヒンジ金具の縁とつぼ状本体部分の間の壁域の壁厚が少なくとも二段冷間流動押圧過程による狙った材料移動によってスタンプ運動に対して斜めにそれぞれに反対流れ方向に、変形にもかかわらずおよそ元の壁厚に一致する厚さを達成し、楽な極端に高い破壊負荷に抵抗することを特徴としている。
【0008】
これは、問題のない大きなトルクが伝達され得るので、継手ヒンジ金具は特殊に或いは特定負荷値にも、例えば自動車の座席背もたれにおける安全ベルトの固定に適しているように使用できると言う驚くべき利点と結びついている。
【0009】
結合部の壁域への材料移動によって、追加的に材料厚さ全体にわたる切削が可能であるので、精密切削の使用範囲が複雑で且つ複雑に構成された三次元多機能部材にも経済的に可能であると言う利点が生じる。
【0010】
更なる利点と細部は、添付図面を参照して次の詳細な説明から明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
この発明は次に実施例において詳細に説明される。
【実施例】
【0012】
この発明による方法によって、自動車座席成分用の三次元多機能継手ヒンジ金具1が製造されており、その継手ヒンジ金具は高い負荷にも、例えば6000N以上でも破壊しない。
【0013】
図1は、円形であるけれども、鋼製スタンプ帯の半製品2(図3参照)から例えば3−8mmの厚さにより製造された幾何学形状によって確定されていない継手ヒンジ金具1を示す。
【0014】
半製品2は複雑な変形精密切削処理を受けて、その処理経過において三次元継手ヒンジ金具1が生じる。
【0015】
三次元継手ヒンジ金具1は、変形過程によって突起4、窪み5、へこみ6と孔7が形成されるか、又はもたらせられるつぼ状本体部分3から成る。本体部分3は半径方向内方に整合された歯切り9を有する循環縁8を有する。へこみ6と縁8は壁域10によって連結されている。
【0016】
つぼ状本体部分3の縁8とへこみ6の間の壁域10は変形では弱化され、即ちへこみ6の方向に壁域10から材料の流出を生じる。これは、負荷の際に壁域10の図2に示された亀裂Rをまねく。
【0017】
図3a乃至図3dでは、発明による方法の経過が概略的に図示されている。図3aにより、半製品2は案内板11と母型12の間にしっかりと緊張される。案内板11により案内されたスタンプ13が母型12の上方への方向SMへの運動を奏する。母型12には空間14が設けられ、およそスタンプ軸線Aから横に位置する。
【0018】
この発明による方法の第一工程では、スタンプ13が母型12の上方への方向に移動し、それにより適切な材料容積Vが空間14にスタンプ13から横に流出する(矢印方向Cを参照)。この材料容積Vは空間14を満たし、それにより材料発生15をスタンプ13に対して置いた半製品2の逆面Gに生じる。
【0019】
変形された半製品2は、この発明による方法の第二工程において半製品の母型12aと案内板11aの間に締めつけられ、半製品の母型12aと案内板11aがそれぞれ一つのリング尖端16を有し、そのリング尖端16により補足的に保持され、逆面Gへの材料発生15が逆スタンプ17によって矢印方向Cと反対の方向に(矢印方向Dを参照)に移動されるので、材料が案内板11aにおけるスタンプ13横に存在する空間18に流出し、つぼ状本体部分3内の縁8とへこみ6の間の壁域10を壁厚sに補強され(図3cと図3dを参照)、その壁厚はこの例ではおよそ変形にて流出された材料容積に一致する。
【0020】
空間14と18の寸法によって、異なる材料容積Vが決定され得て、それにより壁域10の壁厚sを所定破壊負荷のために確実な程度に補強することができる。そのような破壊防止継手部材1を図4が示す。空間14と18の選択すべき寸法は、半製品2の材料の流動行動、スタンプ13と17の硬度と荷重性、潤滑剤、工具の構成並びに用途に必要な破壊負荷から生じる。
【0021】
それ故に、この壁域における破壊負荷を著しく超過する楽な破壊防止性を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】継手ヒンジ金具を通る断面を示す。
図2】継手ヒンジ金具の縁とつぼ状本体部分の間の結合領域内の亀裂の拡大図を示す。
図3a】この発明による方法の最初の経過の原理表示を示す。
図3b】この発明による方法の途中の経過の原理表示を示す。
図3c】この発明による方法の最終の経過の原理表示を示す。
図3d】この発明による方法の別の最終の経過の原理表示を示す。
図4】この発明による方法に基づいて製造された三次元継手ヒンジ金具を通る断面の斜視表示を示す。
【符号の説明】
【0023】
1.....継手ヒンジ金具
2.....半製品(プラチナ)
3.....継手ヒンジ金具の本体部分
4.....突起
5.....窪み
6.....へこみ
7.....孔
8.....縁
9.....歯切り
10....縁とへこみの間の壁域
11....案内板
12....母型
13....スタンプ
14....母型内の空間
15....材料発生
16....リング尖端
17....逆スタンプ
18....案内板内の空間
A.....スタンプ軸線
C.....流動の矢印方向
D.....反対流動の矢印方向
G.....半製品の逆面
R.....縁とへこみの間の壁域の亀裂
SM....スタンプの方向
s.....縁とへこみの間の壁域の壁厚
V.....材料容積
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図3d
図4