特許第5670037号(P5670037)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5670037
(24)【登録日】2014年12月26日
(45)【発行日】2015年2月18日
(54)【発明の名称】静磁場測定器
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/055 20060101AFI20150129BHJP
   G01R 33/387 20060101ALI20150129BHJP
   G01R 33/3873 20060101ALI20150129BHJP
【FI】
   A61B5/05 332
   G01N24/06 520Y
   A61B5/05 390
   G01N24/06 520E
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2009-222445(P2009-222445)
(22)【出願日】2009年9月28日
(65)【公開番号】特開2011-67516(P2011-67516A)
(43)【公開日】2011年4月7日
【審査請求日】2012年9月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000153498
【氏名又は名称】株式会社日立メディコ
(72)【発明者】
【氏名】白川 洋
【審査官】 島田 保
(56)【参考文献】
【文献】 特開平02−297337(JP,A)
【文献】 特開2002−159463(JP,A)
【文献】 特開平05−142316(JP,A)
【文献】 特開2004−073752(JP,A)
【文献】 特開平08−224220(JP,A)
【文献】 特開昭62−274606(JP,A)
【文献】 特開昭60−189905(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/055
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体を配置する空間に静磁場を発生させる静磁場発生手段と、前記空間における静磁場を均一に調整する静磁場均一度調整手段と、を備えた磁気共鳴イメージング装置の静磁場均一度を測定する静磁場測定器であって、
ファントムと該ファントムに電磁波を照射し前記ファントムから発生したMR信号を受信するコイルを有するRFプローブと、前記空間内に配置されて前記RFプローブを前記空間内の複数の位置に固定する治具と、該治具に固定した前記RFプローブにおける前記コイルに照射信号を送信し前記コイルから前記電磁波を発生させ、前記コイルにより受信したMR信号に基づいて前記静磁場均一度を測定するRFユニットと、を有し、
前記静磁場均一度調整手段は、前記磁気共鳴イメージング装置の高周波コイル及び傾斜磁場コイルを固定するベース板を有し、該ベース板は複数の磁石片を配置するための磁石片配置箇所を有し、前記治具は、外周台座と内周台座の2つに分離され前記外周台座に対し前記内周台座が所定の角度で回転し固定する機構を備える台座と、前記外周台座と前記内周台座のどちらか一方に垂直に固定され前記RFプローブを固定する複数の箇所に配置した固定治具を有するプレートと、を有し、
前記静磁場均一度を測定する際は、前記プレートは前記空間内の静磁場に対して略平行となる向きに設置され、前記台座は前記ベース板上に設置されることを特徴とする静磁場測定器。
【請求項2】
前記コイルと前記RFユニットとの間に配置され、前記RFユニットから前記コイルに前記照射信号を送信する際の経路と、前記コイルから前記RFユニットに前記MR信号を送信する際の経路と、を切り替える送受信切換え回路を有することを特徴とする請求項1に記載の静磁場測定器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気共鳴イメージング装置(以下、MRI装置という)の被検体を配置する空間の静磁場均一度測定方法、静磁場均一度調整方法、及び静磁場均一度測定治具に関する。
【背景技術】
【0002】
MRI装置の静磁界を一定にするために、MRI装置の撮影領域の近傍にRFプローブを設置し、最初に測定した静磁界と、その後、適当なタイミングで周波数として測定した静磁界との値に差分が生じた場合、その差分をNMR信号の送信周波数等で補正し撮影するMRI装置の技術はあった(特許文献1参照)。
【0003】
また、3次元方向に移動するプロッタにNMRプローブを取り付け、MRI装置の被検者が置かれる空間に対し、静磁場強度の均一度を測定し、静磁場強度を調整するMRI装置の磁場均一度調整方法に関する技術はあった(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-159463号公報
【特許文献2】特開2004-73752号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1ではRFプローブをMRI装置の撮影領域の近傍に固定しているため、MRI装置の被検者が置かれる空間に対し、広域に渡り静磁場の均一性を測定したい場合、複数のRFプローブをMRI装置に設置する必要があった。また、特許文献2では、MRI装置の静磁場強度の測定に際し、高価な3次元方向に移動するプロッタを使用しており、測定装置のコスト面に対し課題があった。
【0006】
そこで本発明の目的は、MRI装置の被検体を配置する空間において、その空間内の静磁場均一度を広域に渡り、且つ、安価で測定することが可能な静磁場均一度測定方法と、静磁場均一度測定方法に使用する静磁場均一度測定治具、さらに、静磁場均一度測定方法を用いて容易に静磁場均一度の調整が可能な静磁場均一度調整方法、及びこれら静磁場均一度測定方法と、静磁場均一度調整方法を好適に実施することが可能なMRI装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、被検体を配置する空間に静磁場を発生させる静磁場発生手段と、前記空間における静磁場を均一に調整する静磁場均一度調整手段と、を備えた磁気共鳴イメージング装置の静磁場均一度を測定する静磁場測定器であって、ファントムと該ファントムに電磁波を照射し前記ファントムから発生したMR信号を受信するコイルを有するRFプローブと、前記空間内に配置されて前記RFプローブを前記空間内の複数の位置に固定する治具と、該治具に固定した前記RFプローブにおける前記コイルに照射信号を送信し前記コイルから前記電磁波を発生させ、前記コイルにより受信したMR信号に基づいて前記静磁場均一度を測定するRFユニットと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、MRI装置の被検体を配置する空間において、その空間内の静磁場均一度を広域に渡り、且つ安価で測定することが可能な静磁場均一度調整方法、と、静磁場均一度測定方法に使用する静磁場均一度測定治具、及び静磁場均一度を容易に調整することが可能な静磁場均一度調整方法と、これら静磁場均一度測定方法と静磁場均一度調整方法とを、好適に実施することが可能なMRI装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明を実施するMRI装置の概略図。
図2図1のMRI装置の一例として、その一部を示したオープン型MRI装置の3D図
図3】本発明に使用する送受信兼用簡易磁場測定器の構成図。
図4図2で示したオープン型MRI装置の被検体を配置する空間における静磁場均一度の測定方法を説明する図。
図5】(a)図4で示す静磁場均一度の測定方法で用いる静磁場均一度測定治具の正面図。(b)図5(a)を上部から見た場合の図。
図6図4で示した静磁場均一度測定方法に基づいて実施する静磁場均一度の調整方法を説明する図。
図7】実施例1及び実施例2の動作を示したフローチャート図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面に従って本発明のMRI装置の静磁場均一度測定方法、及び静磁場均一度調整方法、MRI装置の好ましい実施形態について詳説する。なお、発明の実施形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
【0011】
最初に本発明を実施するMRI装置の概略図を図1に基づいて説明する。図1は、本発明を実施するMRI装置の一実施例の全体構成を示すブロック図である。このMRI装置は、NMR現象を利用して被検体の断層画像を得るもので、図1に示すように、MRI装置は静磁場発生系2と、傾斜磁場発生系3と、送信系5と、受信系6と、信号処理系7と、シーケンサ4と、中央処理装置(CPU)8とを備えて構成される。
【0012】
静磁場発生系2は、垂直磁場方式であり、被検体1の周りの空間にその体軸と直交する方向に、静磁場発生装置26により静磁場を発生させるもので、被検体1の周りに永久磁石方式又は超電導方式の静磁場発生源が配置されている。静磁場発生装置26には静磁場を発生させる主磁石、又は静磁場コイルがある。
【0013】
傾斜磁場発生系3は、MRI装置の座標系(静止座標系)であるX,Y,Zの3軸方向に傾斜磁場を印加する傾斜磁場コイル9と、それぞれの傾斜磁場コイルを駆動する傾斜磁場電源10とから成り、後述のシ-ケンサ4からの命令に従ってそれぞれのコイルの傾斜磁場電源10を駆動することにより、X,Y,Zの3軸方向に傾斜磁場Gx,Gy,Gzを印加する。撮影時には、スライス面(撮影断面)に直交する方向にスライス方向傾斜磁場パルス(Gs)を印加して被検体1に対するスライス面を設定し、そのスライス面に直交して且つ互いに直交する残りの2つの方向に位相エンコード方向傾斜磁場パルス(Gp)と周波数エンコード方向傾斜磁場パルス(Gf)を印加して、エコー信号にそれぞれの方向の位置情報をエンコードする。
【0014】
シーケンサ4は、高周波磁場パルス(以下、「RFパルス」という)と傾斜磁場パルスをある所定のパルスシーケンスで繰り返し印加する制御手段で、CPU8の制御で動作し、被検体1の断層画像のデータ収集に必要な種々の命令を送信系5、傾斜磁場発生系3、および受信系6に送る。
【0015】
送信系5は、被検体1の生体組織を構成する原子の原子核スピンに核磁気共鳴を起こさせるために、被検体1にRFパルスを照射するもので、高周波発振器11と変調器12と高周波増幅器13と送信側の高周波コイル(送信コイル)14aとから成る。高周波発振器11から出力されたRFパルスをシーケンサ4からの指令によるタイミングで変調器12により振幅変調し、この振幅変調されたRFパルスを高周波増幅器13で増幅した後に被検体1に近接して配置された高周波コイル14aに供給することにより、RFパルスが被検体1に照射される。
【0016】
受信系6は、被検体1の生体組織を構成する原子核スピンの核磁気共鳴により放出されるエコー信号(NMR信号)を検出するもので、受信側の高周波コイル(受信コイル)14bと信号増幅器15と直交位相検波器16と、A/D変換器17とから成る。送信側の高周波コイル14aから照射された電磁波によって誘起された被検体1の応答のNMR信号が被検体1に近接して配置された高周波コイル14bで検出され、信号増幅器15で増幅された後、シーケンサ4からの指令によるタイミングで直交位相検波器16により直交する二系統の信号に分割され、それぞれがA/D変換器17でディジタル量に変換されて、信号処理系7に送られる。
【0017】
信号処理系7は、各種データ処理と処理結果の表示及び保存等を行うもので、光ディスク19、磁気ディスク18等の外部記憶装置と、CRT等からなるディスプレイ20とを有する。受信系6からのデータがCPU8に入力されると、CPU8が信号処理、画像再構成等の処理を実行し、その結果である被検体1の断層画像をディスプレイ20に表示すると共に、外部記憶装置の磁気ディスク18等に記録する。
【0018】
操作部25は、MRI装置の各種制御情報や上記信号処理系7で行う処理の制御情報を入力するもので、トラックボール又はマウス23、及び、キーボード24から成る。この操作部25はディスプレイ20に近接して配置され、操作者がディスプレイ20を見ながら操作部25を通してインタラクティブにMRI装置の各種処理を制御する。
【0019】
なお、図1において、送信側の高周波コイル14aと受信側の高周波コイル14bと傾斜磁場コイル9は、被検体1が挿入される静磁場発生系2の静磁場空間内に、被検体1に対向して設置されている。
【0020】
現在MRI装置の撮像対象核種は、臨床で普及しているものとしては、被検体の主たる構成物質である水素原子核(プロトン)である。プロトン密度の空間分布や、励起状態の緩和時間の空間分布に関する情報を画像化することで、人体頭部、腹部、四肢等の形態または、機能を2次元もしくは3次元的に撮像する。
【0021】
図2は、図1で示したMRI装置の一例として、その一部を示したオープン型MRI装置の3D図である。空間203には、図1で示した静磁場発生装置26により静磁場が発生しており、MRI装置の撮影の際は、空間203には被検体1が配置される。
【0022】
図3は、本発明で使用する送受信兼用簡易磁場測定器の構成図である。図3に示すように送受信兼用簡易磁場測定器は、RFユニット301と減衰器302と増幅器303とフィルター回路304と送受信切り替え回路305とRFプローブ306と増幅器307と、を備えて構成される。
【0023】
まず、RFユニット301によって照射信号を発生させる。発生させた照射信号は次に減衰器302によって一度減衰させる。減衰させた照射信号は次に増幅器303によって適正な出力値に調整し、調整した照射信号は次にフィルター回路304に送る。フィルター回路304はシールド室308と外部との間に設置される。シールド室308は、MRI装置が発生する磁場等に影響を与える外来電磁波ノイズ等を遮蔽するために設けている。
【0024】
フィルター回路304を通して送る照射信号は次に照射信号の送信と、後述するMR信号の受信と、の切り替えを行う送受信切り替え回路305に送る。次に、照射信号は送受信切り替え回路305を通し、RFプローブ306に送る。RFプローブ306は、MR信号を発生するファントムとファントムに巻かれているコイルなどから構成されている(特に図示しない)。RFプローブ306に送った照射信号はRFプローブ306内のコイルを通し、RFプローブ306内のファントムに電磁波として照射する。
【0025】
電磁波を照射されたファントムからのMR信号をRFプローブ306内のコイルにより受信する。受信したMR信号は、送受信切り替え回路305を通し、増幅器307にMR信号を送る。増幅器307によって増幅したMR信号はフィルター回路304を通しRFユニット301に送る。RFプローブ306を磁場均一度測定に必要な箇所でのRFプローブ306内のファントムからMR信号を受信し、その周波数をそれぞれ求められることで、磁場均一度の算出が可能である。
【実施例1】
【0026】
本発明の実施例について図4及び図5(a)、図5(b)を用いて説明する。
図4は、図2で示したオープン型MRI装置の被検体1を配置する空間203における静磁場均一度の測定方法を説明する図である。図5(a)は、図4で示す静磁場均一度の測定方法で用いる静磁場均一度測定治具の正面図である。図5(b)は、図5(a)を上部から見た場合の図である。
【0027】
図4は、本実施例の静磁場均一度の測定方法の説明がより分かりやすいように、ベース板404に対し空間203を挟んで対向して配置する上部構造物を省略して図示している。この場合の上部構造物はベース板404を含む下部構造物と略同一の構成である。空間203には静磁場発生装置26により静磁場が発生している。操作者は、台座402とプレート401と、を備えた静磁場均一度測定治具を空間203の略中央底部に対し、台座402が平行となるように設置する。プレート401は、台座402の一部に台座402と垂直になるように固定されている。
【0028】
この為、プレート401は、操作者により、空間203の静磁場に対し略平行となる向き、つまりベース板404に対し垂直となる向きに設置される。この場合、MRI装置の高周波コイル(送信コイル)14a、傾斜磁場コイル9、は操作者により外され、高周波コイル(送信コイル)14a、傾斜磁場コイル9を固定するベース板404の上に台座402を設置する。これは後述する実施例2で示す静磁場均一度調整を簡易に行うためである。本実施例の静磁場均一度測定方法で使用するRFプローブ306は、自身で電磁波を照射するため静磁場均一度測定を行う場合、特にMRI装置の高周波コイル(送信コイル)14aを必要としない。設置したプレート401は、その中心部に加え、外周にも略均等にRFプローブ306を固定することが可能な固定治具403を複数箇所備えている。空間203における静磁場均一度を測定する場合は、操作者は、プレート401の複数箇所に備えられた固定治具403に、送受信兼用簡易磁場測定器の単一のRFプローブ306を順次、所望する箇所の固定治具403に取り付け静磁場均一度測定を行う。台座402を備えたプレート401は、ベース板404の上に安定的に設置しているため、操作者は、空間203における各箇所において、静磁場均一度の測定を安定的に実施することができる。
【0029】
また、静磁場均一度測定治具の台座402は、外周台座402aと内周台座402bと、から成り、さらに、プレート401は、内周台座402bに固定し、且つ内周台座402bに対し垂直となるように設置している。外周台座402aの内側には、内周台座402bの外側に設けられた切り欠き502に掛かる突起501が設けられ、また、切り欠き502は、例えば30度毎に設けられている。操作者は、外周台座402aをベース板404に固定し、外周台座402aに対し、内周台座402bを回転させ、内周台座402bの各々の切り欠き502に外周台座402aの突起501を掛けることで、MRI装置の空間203において、プレート401を、静磁場方向を回転軸とした向きに30度ずつ回転させることが容易にできる。操作者は、その各々の回転角度で静磁場均一度測定を行うことで、MRI装置の空間203において、より多くの箇所から静磁場均一度の測定データを取得することが出来る。
【0030】
これにより、操作者はMRI装置の空間203において、広域且つ高次元の静磁場均一度の測定データを収集することが出来るため、より正確な静磁場均一度測定が可能となる。
【0031】
ここで、本実施例の静磁場均一度測定治具は、内周台座402bにプレート401を固定しているが、内周台座402bではなく、外周台座402aにプレート401を固定してもよい。その場合、操作者は、外周台座402aではなく、内周台座402bをベース板404に固定して静磁場均一度測定を行う。
【0032】
また、静磁場均一度測定治具の材質は主に塩化ビニール等の安価な材料で構成することが可能である。
【0033】
以上説明した様に、本実施例の静磁場均一度測定方法によれば、単一のRFプローブ306を備えた送受信兼用簡易磁場測定器と、静磁場均一度測定治具を用いることで、MRI装置の空間203において、広域且つ高次元の測定データを安定的に、且つ安価に収集することができる。
【実施例2】
【0034】
次に、本発明の実施例について図6を用いて実施例1と同一な箇所は一部説明を省略する。図6は、図4で示した静磁場均一度測定方法に基づいて実施する静磁場均一度の調整方法を説明する図である。実施例1の静磁場均一度測定方法により得られたMRI装置の空間203における静磁場均一度に基づいて、空間203内の静磁場を均一に調整する為に、操作者は、ベース板404に設けた複数の磁石片配置箇所602に微細な磁石片601を配置しシミングを行う。この場合、操作者により既にMRI装置の高周波コイル(送信コイル)14a、傾斜磁場コイル9、は外しており、ベース板404が露出しているため、容易に磁石片501を配置してシミングを行うことができる。
【0035】
以上説明した様に、本実施例の静磁場均一度調整方法によれば、磁石片を配置しシミングを行うベース板404が露出しているため、容易にシミングを行うことができる。
【実施例3】
【0036】
次に、本発明の実施例について図7のフローチャートを用いて説明する。
図7は実施例1及び実施例2の動作を示したフローチャート図である。
まず、ステップS701では、操作者は、MRI装置のガントリーカバー202及び高周波コイル(送信コイル)14a、傾斜磁場コイル9をベース板404から取り外す。次に、ステップS702では、操作者は、台座402を備えたプレート401をベース板404の略中央に設置する。次に、ステップS703では、操作者は、設置したプレート401の複数箇所に備えられた固定治具403に、単一のRFプローブ306を順次、所望する箇所の固定治具403に取り付け、MRI装置の空間203における静磁場均一度測定を行う。さらに、操作者は、プレート401を、静磁場方向を回転軸とした向きで回転させ、各々の回転角度で静磁場均一度測定を行う。次に、ステップS704では、操作者は、ステップS703の静磁場均一度測定によって得られる静磁場均一度の値が例えば5ppm以下にあるかを判定する。静磁場均一度の値が5ppm以下ならば、ステップS706に進み、静磁場均一度の値が5ppmより大きければ、ステップS705に進む。次に、ステップS705では、操作者は、ステップS703の静磁場均一度測定によって得られる静磁場均一度に基づいて、MRI装置の空間203内の静磁場を均一に調整する為に、ベース板404に設けた複数の磁石片配置箇所502に微細な磁石片501を配置しシミングを行う。シミング後、再度ステップS703に戻る。次に、ステップS706では、操作者は、MRI装置の高周波コイル(送信コイル)14a、傾斜磁場コイル9をベース板404に取り付け、さらにガントリーカバー202を取り付ける。
【0037】
以上説明した様に、ステップS701〜S706を実施することにより、実施例1及び実施例2で示した静磁場均一度測定方法と静磁場均一度調整方法とを、好適に実施したMRI装置を提供することができる。
【0038】
以上、本発明の実施例を述べたが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0039】
1 被検体、2 静磁場発生系、3 傾斜磁場発生系、4 シーケンサ、5 送信系、6 受信系、7 信号処理系、8 中央処理装置(CPU)、9 傾斜磁場コイル、10 傾斜磁場電源、11 高周波発振器、12 変調器、13 高周波増幅器、14a 高周波コイル(送信コイル)、14b 高周波コイル(受信コイル)、15 信号増幅器、16 直交位相検波器、17 A/D変換器、18 磁気ディスク、19 光ディスク、20 ディスプレイ、21 ROM、22 RAM、23 トラックボール又はマウス、24 キーボード、25 操作部、26 静磁場発生装置、201 ガントリー、202 ガントリーカバー、203 空間、301 RFユニット、302 減衰器、303 増幅器、304 フィルター回路、305 送受信切り替え回路、306 RFプローブ、307 増幅器、308 シールド室 、401 プレート、402 台座、403 固定治具、404 ベース板、402a 外周台座、402b 内周台座、501 突起、502 切り欠き、601 磁石片、602 磁石片配置箇所
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7