(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1などの従来技術は、入力データを加工して出力データを生成する場合に特化した突合せ(照合)の方式であり、画面の入出力や、入力データと出力帳票の比較・照合には適用されていない。
【0008】
従来技術においては、画面や帳票の確認については、紙に出力した情報同士の突合せ(照合)による確認が主になる。そのため、確認誤りや、漏れの可能性がある。また、目視確認であるため、膨大な時間がかかっている。
【0009】
また上述の従来技術においては、突合せ(照合)の結果から不良箇所の特定を行うことは困難であり、従来の対応としては、テスト作業を一時中断し、不良箇所の特定はテスト作業とは切り分けて実施している。
【0010】
以上を鑑み、本発明の主な目的は、(1)従来では主に紙情報同士を目視で比較・確認することで実施していた検証作業(テスト結果照合作業)を、機械的に実施(コンピュータを用いた自動化の仕組みを実現)し、当該作業を効率化することができる技術を提供することである。(2)また、紙情報の目視確認による検証作業と比較して、確認の誤りや漏れ等を無くし(または低減し)、より精度の高い検証作業を実現することである。(3)また更に、従来はテスト作業と分けて実施していた不良箇所特定(不良箇所の候補の決定)を、テスト作業と共に、データ項目をもとに機械的に実施することを可能とし、不良対策時間の削減を可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の代表的な形態は、システム開発に係わる検証・テスト結果照合のための処理を行う情報処理システム(テスト結果照合システム)等であって、以下に示す構成を有することを特徴とする。
【0012】
本発明のシステムでは、検証・テスト(入力と出力の照合を含む)の対象のプログラム等に対する入出力データを、キー入力(画面入力)やデータ直接投入(データ受信・読込み等)などの入力形態、及び、画面出力や帳票出力(プリンタ出力)などの出力形態に関わらず、電子的なデータ情報(入力情報ファイル、出力情報ファイル)の形で取得・保持する処理機能(入出力情報取得部)を有する。
【0013】
本システムでは、検証・テスト(入力と出力の照合を含む)の対象のプログラム等に対する入出力データを、キー入力(画面入力)や帳票入力やデータ直接投入(データ受信・記録情報からの読込み等)などの入力形態、及び、画面出力や帳票出力(プリンタ出力)などの出力形態に関わらず(少なくとも画面、帳票、直接投入などの形態は適用可能とし、特定の形態に限定されない)、当該形態に応じて、必要情報を電子的なデータ情報(入力情報ファイル、出力情報ファイル)の形で抽出・取得・保持する処理機能(入出力情報取得部)を有する。
【0014】
また本システムでは、対象プログラム等に対する入力と出力による入出力データ(入力情報ファイルと出力情報ファイル)における相関関係情報(関連情報)を取得・登録する処理機能(関連情報登録部、関連情報DBなど)を有する。更に、本システムでは、入出力データの相関関係(関連情報)をデータベースに蓄積し、次回の利用(検証)時に当該関連情報を参照や更新することができる処理機能(関連情報登録部、関連情報DBなど)を有する。
【0015】
また本システムでは、上記入出力データとその相関関係情報(関連情報)を用いて、これらのデータ情報を機械的に突合せ(照合)し、正常/エラーの区分を有する比較結果一覧情報を作成・出力する処理機能(入出力比較部)を有する。
【0016】
更に、本システムは、上記突合せ(照合)の結果、対象プログラム等における不良ないしエラーが判明(検出)した場合、データ項目を元に、対象プログラム等に対応するプログラムロジック等(プログラム格納領域)を検索し、当該不良ないしエラーの発生箇所に該当・影響するプログラム及び行(プログラム内の部分)を検索・摘出する処理機能(影響箇所検索部)、及び、当該不良ないしエラーの発生箇所の候補を検出・決定し、その情報(不良箇所候補一覧)を作成・出力する処理機能(不良箇所候補編集部)を有する。
【発明の効果】
【0017】
本発明の代表的な形態によれば、(1)従来では主に紙情報同士を目視で比較・確認することで実施していた検証作業を、機械的に実施し、当該作業を効率化することができる。(2)また、紙情報の目視確認による検証作業と比較して、確認の誤りや漏れ等を無くし(または低減し)、より精度の高い検証作業を実現できる。(3)また更に、従来はテスト作業と分けて実施していた不良箇所特定を、データ項目をもとに機械的に実施可能とし、不良対策時間の削減を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施の形態によるテスト結果照合システムを含む全体構成を模式的に示す図である。
【
図2】本実施の形態のテスト結果照合システム(手法)における処理概要(処理動作例)を示す図である。
【
図3】(a)はPC入力画面から外部ファイル(入力)を作成するイメージ、(b)はMT記録情報から外部ファイル(入力)を作成するイメージ、を示す模式図である。
【
図4】(a)はPC出力画面から外部ファイル(出力)を作成するイメージ、(b)はMT記録情報から外部ファイル(出力)を作成するイメージ、を示す模式図である。
【
図5】ファイル仕様書のサンプルのイメージを示す模式図である。
【
図6】入出力情報取得部の処理動作例を示すフローチャートである。
【
図7】(a)は入力情報ファイルのデータ項目定義、(b)は入力情報ファイルのサンプルのイメージを示す模式図である。
【
図8】(a)は出力情報ファイルのデータ項目定義、(b)は出力情報ファイルのサンプルのイメージを示す模式図である。
【
図9】関連情報登録部の処理動作例を示すフローチャートである。
【
図10】関連情報ファイル(A,B)のサンプルを示す模式図である。
【
図11】出力値演算ファイルのサンプルを示す模式図である。
【
図12】入出力比較部の処理動作例を示すフローチャートである。
【
図13】(a)は算出結果ファイルのサンプルその1、(b)はサンプルその2、を示す模式図である。
【
図14】比較結果一覧のサンプルその1を示す模式図である。
【
図15】比較結果一覧のサンプルその2を示す模式図である。
【
図16】影響箇所検索部の処理動作例を示すフローチャートである。
【
図17】(a)は検索結果ファイルのサンプルその1、(b)はサンプルその2、を示す模式図である。
【
図18】プログラム情報ファイルのサンプルを示す模式図である。
【
図19】不良箇所候補編集部の処理動作例を示すフローチャートである。
【
図20】(a)は不良箇所候補一覧のサンプルその1、(b)はサンプルその2、を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態(テスト結果照合システム等)を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。なお、本実施の形態のテスト結果照合手法は、対応するシステム(情報処理システム)、装置(コンピュータ)、方法、プログラムなどを総合的に含む。また以下で単に「入力」、「出力」と記載する場合、検証対象プログラム等に対する入力、出力を指している。
【0020】
図1等に示される、本実施の形態のテスト結果照合手法(テスト結果照合システム100等)は、対象のプログラム等のテスト(検証)の際、画面(端末入出力画面)やテープ記録情報などを元にした入力情報(入力データ)と、画面(端末入出力画面)やテープ記録情報や帳票(プリンタ出力)などを元にした出力情報(出力データ)と、これら入力と出力の相関関係を保持する相関関係情報(関連情報)とを用いることにより、入力に対する出力が妥当な内容であるかを確認(検証)するための手法である。この確認(検証)は、入力(入力情報)と出力(出力情報)の突合せ(照合)を含む。また本手法は、入力と出力の突合せ(照合)の結果、エラー等有りとなった場合、エラー等となる項目の名称を元にプログラムを検索し、該当の項目を使用するプログラム及び行など(影響箇所)を抽出することにより、不良箇所の候補を選定する処理機能を有する。
【0021】
以下、本実施の形態においては、画面入力または外部ファイルより取得した住所を元に郵便番号を参照・設定する処理(対応するプログラム)に関するテスト(検証)を例として説明する。
【0022】
[システム]
図1は、本実施の形態のシステム(テスト結果照合システム)100を含む全体構成例を示している。
図1のように、本実施の形態のシステム100は、サーバ200(コンピュータ)上の情報処理システムとして構成され、本システム100の範囲外には、外部ファイル1、端末2、ファイル仕様書3、及びプログラム格納領域16、等が存在する。
【0023】
ネットワーク23に、ユーザ(検証を行う人)の端末2や、サーバ200等が接続される。端末2は、一般的なPC等のコンピュータであり、ユーザはキーボード等により情報を入力し、ディスプレイ画面やプリンタに出力される情報を参照する。ユーザは端末2からネットワーク23を経由してサーバ200にアクセスし本システム100の各処理を操作する。これによりユーザによる対象プログラム等の検証(テスト)の作業が可能である。サーバ200は、制御部201(プロセッサ等を含む)、記憶部202(制御部201がアクセス・利用するメモリやディスク等)、記憶部203(ディスクやテープ、その他のデータ記憶手段やデータ入出力手段、あるいは紙・書類やその取り込み・保持手段)、通信部204(ネットワークインタフェース等)、等を備えるコンピュータである。本システム100は、サーバ200において、制御部201が所定のソフトウェアプログラム(本実施の形態のプログラムを含む)を実行すること等により実現される。
【0024】
本システム100は、制御部201上に実現される各処理部(4,7,12,15,19)、及び記憶部202上に実現される各データ情報(5,6,8,9,10,11,13,14,17,18,20)を有する。即ち、本システム100は、入出力情報取得部4、関連情報登録部7、入出力比較部12、影響箇所検索部15、及び不良箇所候補編集部19等の処理部と、入力情報ファイル5、出力情報ファイル6、関連情報ファイル(A)8、関連情報DB9、関連情報ファイル(B)10、出力値演算ファイル11、算出結果ファイル13、比較結果一覧14、検索結果ファイル17、プログラム情報ファイル18、及び不良箇所候補一覧20等のデータ情報とを有して構成される。また、本システム100は、外部の記憶部203のデータ情報(外部ファイル1、ファイル仕様書3、プログラム格納領域16)を利用する。
【0025】
なお関連情報ファイル(A)8と関連情報ファイル(B)10はいずれも関連情報ファイル(入力と出力の相関関係の情報)であるが、本例ではA,Bで区別する。Aは、入力情報ファイル5から関連情報登録部7(関連情報ファイル(A)8)へのデータの流れを示しており、Bは、出力情報ファイル6から関連情報登録部7(関連情報ファイル(B)10)へのデータの流れを示している。
【0026】
[処理概要]
図2は、本実施の形態のシステム100での処理概要(処理動作例)を示す(サーバ200の外部は省略)。まず端末2より入力された情報(端末入力データ)や、端末2へ出力された情報を、データ化し、外部ファイル1として準備する。外部ファイル1には、端末入力データや、検証対象のプログラム等の入力となるデータを設定する。
【0027】
次に、外部ファイル1を入出力情報取得部4に読み込む。その内容が入力(入力情報)の場合は、入力情報ファイル5を生成し、また出力(出力情報)の場合は、出力情報ファイル6を生成する。
【0028】
上記の入出力データ(5,6)が準備できたら、関連情報登録部7により、端末2等から入力情報ファイル5と出力情報ファイル6との相関関係を設定し、関連情報ファイル(A)8として作成する。上記の関連情報を設定する際は、関連情報DB9へ、設定した関連情報ファイル(B)10を格納し蓄積することができる。即ち、前回の開発(検証)において使用した関連情報ファイル(A)8を活用して、今回の開発(検証)用の関連情報ファイル(A)8を作成することができる。
【0029】
上記の各ファイル(5,6,8)の準備が整うと、入力情報ファイル5、出力情報ファイル6、関連情報ファイル(A)8、及び出力結果の演算のために使用する出力値演算ファイル11を、入出力比較部12に入力する。入出力比較部12では、入力情報ファイル5及び出力値演算ファイル11を用いて、出力結果を試算し、算出結果ファイル13として作成する。
【0030】
次に、入出力比較部12では、算出結果ファイル13と出力情報ファイル6の突合せ(照合)を行い、比較結果一覧14を生成する。
【0031】
更に、比較結果一覧14において、エラー等が存在する場合、影響箇所検索部15において、当該エラーや要確認などとなった項目の項目名を元に、プログラム格納領域16を検索し、当該エラー等の項目を使用するプログラムの名称、記載行数、及び記載箇所を、検索結果ファイル17として出力する。
【0032】
次に、検索結果ファイル17と、プログラムの種別、業務、及び担当者などが一覧化された情報であるプログラム情報ファイル18とを用いて、不良箇所候補編集部19において、不良箇所候補一覧20を作成する。
【0033】
[外部ファイル(入力)]
図3(a)は、端末2(PC等)の入力画面から入力情報(外部ファイル1(入力))を取得・作成する場合のイメージを示す。各項目の項目名及び設定値を、外部ファイル1のレイアウトイメージで示すように取得する。同様に、
図3(b)は、MT(磁気テープ)記録情報から入力情報(外部ファイル1(入力))を取得・作成する場合のイメージを示す。
【0034】
入力形態(入力情報を取得する形態)は、
図3の例に限らず各種可能であり、入出力情報取得部4は、それらの形態に対応した構成である。
【0035】
[外部ファイル(出力)]
図4(a),(b)は、入力情報の場合(
図3)と同様に、出力情報における外部ファイル1の取得・作成のイメージを示す。
【0036】
出力形態(出力情報を取得する形態)は、
図4の例に限らず各種可能であり、入出力情報取得部4は、それらの形態に対応した構成である。
【0037】
[ファイル仕様書]
図5は、ファイル仕様書3の具体的なサンプルのイメージを示す。各項目(項目名)に対し、属性、桁数、初期値、等が設定されている。図示の通り、本例では、D_Cは一意の連番、NAMEは氏名漢字、N_KANAは氏名カナ、ZIP_Cは郵便番号、ADDRESSは住所、TEL_NOは電話番号が設定される。
【0038】
[入出力情報取得]
図6は、入出力情報取得部4の処理動作を示す(Sは処理ステップを表す)。入出力情報取得部4では、外部ファイル1として保持した入出力データを取り込み(S101)、ファイル仕様書3を参照(ファイル仕様書3と突合せ)し、必要情報、各項目に対する属性や初期値などを設定する(S102)。
【0039】
次に、外部ファイル1のファイル名を元に、入力情報か出力情報かの判定を行う(S103)。入力情報の場合、入力情報ファイル5を作成・出力し(S104)、出力情報の場合、出力情報ファイル6を作成・出力する(S105)。
【0040】
外部ファイル1のファイル名は、入力の場合は「i」から始まる名称を、出力の場合は「o」から始まる名称を設定することとする。本例では、入力ファイル名は「in_clno001.txt」、出力ファイル名は「out_clno001.txt」としている。
【0041】
また、ファイル仕様書3が存在しない場合は、端末2から画面入力に属性等を設定することも可能としている。
【0042】
[入力情報ファイル]
図7(a)は、入力情報ファイル5のデータ項目定義を示す。本例では、外部ファイル1より入出力情報取得部4にて
図7(a)に示すデータを選択し、取得し、属性等を設定する。
図7(b)は、それにより得た、具体的な入力情報ファイル5のイメージを示す。
【0043】
[出力情報ファイル]
同様に、
図8(a)は、出力情報ファイル6のデータ項目定義を示し、
図8(b)は、それにより得た、具体的な出力情報ファイル6のイメージを示す。
【0044】
[関連情報登録部]
図9は、関連情報登録部7の処理動作を示す。関連情報登録部7では、まず入力情報ファイル5、出力情報ファイル6を取り込む(S201)。次に、関連情報DB9の累積ファイル(関連情報ファイル(B)10)を活用する(Y)か否(N)かを、端末2よりユーザが選択する(S202)。当該関連情報ファイル(B)10を使用しない場合(N)、入力情報ファイル5、出力情報ファイル6を元に、関連情報ファイル(A)8を作成する(S203)。次に、当該関連情報ファイル(A)8を編集する(S204)。編集が完了すると、当該関連情報ファイル(A)8を出力する(S205)。
【0045】
前記S202で、当該関連情報ファイル(B)を活用する場合(Y)、関連情報DB9から、使用したい関連情報ファイル(B)10を選択し、入力情報ファイル5、出力情報ファイル6との項目差異を明確にし、関連情報ファイル(A)8として作成する(S206)。その後、前記S203のように関連情報ファイル(B)10を利用しない場合と同様、当該関連情報ファイル(A)8を編集し(S204)、出力する(S205)。
【0046】
[関連情報ファイル]
図10は、関連情報ファイル(A)8の具体的なイメージを示す。関連情報ファイル(B)10も同様のフォーマットである。本ファイルフォーマットでは、入力情報ファイル5、出力情報ファイル6の各項目同士の、(a)突合種別、(b)相関情報、(c)出力形式を設定する。
【0047】
(a)「突合種別」は、本実施の形態では、「完全一致」、「相関関係」、「対象外」の3種類の中から選択することを可能とする。それぞれ種別を示す値などで管理される。「完全一致」は、入力情報ファイル5と出力情報ファイル6の設定値が同一(完全一致)であることを意味する。「相関関係」は、入力情報を元に出力値を算出する場合など、「完全一致」以外で相関関係を指定し突合せを行う際に選択する。「対象外」を選択した場合は、入出力の比較は行われない。
【0048】
(b)「相関情報」は、aの「突合種別」が「相関関係」の場合に設定することが可能であり、入力値から出力値を算出するための処理方式を設定するか、算出方式、算出結果等が設定された出力値演算ファイル11の名称を設定する。当該処理方式を用いて、入力情報を元に出力値を算出し、算出された値と出力情報の値が完全一致するかを判定する。
【0049】
(c)「出力形式」は、突合せ結果、判定をどのように出力するかについて規定するフラグとなる。本実施の形態では、0=「出力対象外」、1={「正常:○」,「エラー:×」}、2={「正常:○」,「要確認:△」}、3={「正常:○」,「要確認:△」}、といったように比較結果一覧14に出力される場合を例として説明する。上記「要確認:△」は、エラーかどうかわからないため要確認であることを示す。上記2=「要確認:△」の場合は、当該要確認を影響調査検索(影響箇所検索)の対象とすることを示す。上記3=「要確認:△」の場合は、当該要確認を影響調査検索の対象外とすることを示す。
【0050】
上記2={○,△}を設定する場合としては、一定条件でエラーとなる場合や、データ不備により設定した相関条件において全件正常とならないことが予め予測されている場合などが考えられる。例えば、本例では「TEL_NO」に出力形式として「2」が設定されており、突合せ対象となるデータの中に、「-」があるケース、無いケースが混在することが判明しており、システム上は問題無しとしているが、データの中に「-」が無いデータ不備がどれくらい存在するかについてサンプル検知したいために、比較結果一覧14上に「△」と設定するために用いている。
【0051】
[出力値演算ファイル]
図11は、出力値演算ファイル11として作成された具体的なイメージを示す。当該ファイルの名称は、先述の関連情報ファイル(A)8の「相関情報」の欄に参照先ファイルとして設定する。本例では、ZIP_Cの相関情報を示すaddress_comp.txtを示す。図示のように、入力(IN)の住所情報に応じて出力(OUT)の郵便番号情報が決定される。
【0052】
[入出力比較部]
図12は、入出力比較部12の処理動作を示す。入出力比較部12では、まず入力情報ファイル5、出力情報ファイル6、関連情報ファイル(A)8、及び出力値演算ファイル11を取り込む(S301)。次に、入力情報ファイル5、関連情報ファイル(A)8の先頭記録、先頭項目を読み込み(S302)、「突合種別」が何であるかを判定する(S303)。
【0053】
S303で「完全一致」である場合、入力情報ファイル5の設定値を算出結果とし、算出結果ファイル13に蓄積(溜め込み)を行う(S304)。
【0054】
S303で「相関関係」である場合、関連情報ファイル(A)8の「相関情報」欄に記載の処理方式か、指定された出力値算出ファイル11を読み込み、処理結果を算出する(S305)。そして算出結果を算出結果ファイル13に蓄積する(S306)。
【0055】
S303で「対象外」である場合、及び、S304,S306の処理後には、関連情報ファイル(A)8に、次項目が存在するか判定する(S307)。
【0056】
次項目が存在する場合(Y)、次項目の蓄積(読込み)を行い(S308)、S303の判定を同様に繰り返し行う。S303〜S307の処理は、S307の判定で次項目が存在しなくなるまで繰り返し行う。
【0057】
S307で次項目が存在しない場合(N)、次記録が存在するか判定を行う(S309)。次記録が存在する場合(Y)、次記録の読込みを行い(S310)、S303に戻って1記録目と同様の処理を繰り返し行う。
【0058】
S309で次記録が存在しない場合(N)、算出結果ファイル13を出力する(S311)。
【0059】
算出結果ファイル13の作成が完了したら、関連情報ファイル(A)8の「突合種別」をもとに、1記録目の1項目目から出力情報ファイル6と算出結果ファイル13の突合せ(照合)を行う(S312)。突合せの後、関連情報ファイル(A)8の「出力形式」(フラグ)を判定し(S313)、“1”以上である場合は、当該フラグに対し指定された形式で突合せ結果を出力し、比較結果一覧14用の蓄積を行う(S314)。S313の判定で“0”の場合、及び、S314の処理が完了すると、次項目が存在するか判定を行う(S315)。
【0060】
次項目が存在する場合(Y)、次項目の読み込みを行い(S316)、S313〜S315の処理を繰り返し行う。次項目が存在しない場合(N)、次記録が存在するか判定を行う(S317)。次記録が存在する場合(Y)、次記録の読込みを行い(S318)、S313に戻って1記録目と同様の処理を繰り返し行う。次記録が存在しない場合(N)、比較結果一覧14を出力する(S319)。
【0061】
[算出結果ファイル]
図13(a)は、算出結果ファイル13の具体的なイメージその1を示す。算出結果ファイル13には、入力情報ファイル5、出力情報ファイル6、関連情報ファイル(A)8の値は設定されず、前述(
図12)の通り、入力情報ファイル5及び関連情報ファイル(A)8を用いて取得した算出結果が設定される。
【0062】
図13(b)は、算出結果ファイル13のイメージその2として、関連情報ファイル(A)8の「突合種別」が「対象外」となる場合として、「カナ」が対象外の場合の例で示している。
【0063】
[比較結果一覧]
図14は、比較結果一覧14の出力例のイメージその1を示す。本例では、差異を表現するため、「002」の「ZIP_C」を「出力形式」=1の場合のエラー(×)とし、「003」の「TEL_NO」を「出力形式」=2の場合の「要確認」(△)としている。
【0064】
各キーに対し、それぞれの項目の比較結果が出力される。入出力比較部12において正常(全ての項目が比較条件に一致した場合)の分のみ出力、エラー(いずれか1つの項目でも比較条件に一致しなかった場合など)の分のみ出力など、比較結果一覧14の出力条件の選択が可能である。
【0065】
図15は、比較結果一覧14の出力例のイメージその2として、関連情報ファイル(A)8の「突合種別」が「対象外」となる場合として、「カナ」が対象外の場合の例で示している。
【0066】
[影響箇所検索部]
図16は、影響箇所検索部15の処理動作を示す。比較結果一覧14の項目別集計を読込み(S401)、比較結果一覧14の先頭項目の情報を取得する(S402)。先頭項目の情報について、「シュツリョクケイシキ」(出力形式)が“0”(突合せの対象外)であるかどうか判断を行い(S403)、“0”以外である場合(N)、「シュツリョクケイシキ」が“2”(要確認を影響調査検索の対象とする)であるか判定を行う(S404)。
【0067】
“0”以外かつ“2”以外の場合(N)(即ち“1”の場合)、つまり「要確認」を影響調査対象としない場合は、エラー件数が“0”以外(“1”以上)であるかどうか判定を行う(S405)。“0”以外の場合(Y)、つまり該当項目で1件以上エラーがあった場合は、プログラム格納領域16のプログラムを昇順でアクセスする(S406)。アクセスしたプログラムの中に、検索対象となるデータ項目名が存在するか判定を行い(S407)、存在する場合(Y)、プログラム名称ないしプログラムID(以下、P-IDとする)及びデータ項目名が存在する全ての行数の蓄積を行う(S408)。蓄積が完了するか、S407の判定でデータ項目名が存在しなかった場合(N)、プログラム格納領域16に次プログラムが存在するか判定する(S409)。
【0068】
次プログラムが存在する場合(Y)、次プログラムの読込みを行い(S410)、S407〜S409の処理を繰り返し行う。次プログラムが存在しない場合(N)、比較結果一覧14の項目別集計に次項目が存在するか判定する(S411)。
【0069】
次項目が存在する場合(Y)、次項目の読込みを行い(S412)、S403〜S411の処理を繰り返し行う。次項目が存在しない場合(N)、検索結果ファイル17を出力する(S413)。
【0070】
なお、S403の処理において「シュツリョクケイシキ」が“0”(突合せの対象外)である場合(Y)、S411の処理へ遷移する。
【0071】
また、S404の処理において「シュツリョクケイシキ」が“2”(「要確認」を検索対象とする)である場合(Y)、S414へ遷移し、当該項目に対しエラー件数と要確認件数の合計が“0”以外(“1”以上)であるか確認を行う(S414)。“0”の場合(N)、S411の処理へ遷移する。“1”以上の場合(Y)、S406の処理へ遷移する。
【0072】
[検索結果ファイル]
図17(a)は、検索結果ファイル17の具体的なイメージその1を示す。データ項目に対し、エラーが存在しなかった場合は、「*****セ゛ンケンセイシ゛ョウ*****」(全件正常)と出力され、エラーが存在した場合は、該当項目を使用するP-ID、項目名が記載されている行数、及び各行の内容を設定する。
【0073】
図17(b)は、同じく検索結果ファイル17におけるイメージその2として、「ヨウカクニン」も検索条件に含める場合を示し、
図17(a)と比較すると、比較結果一覧14で「△」(要確認)が設定されていた「TEL_NO」の検索結果も出力されている。
【0074】
[プログラム情報ファイル]
図18は、プログラム情報ファイル18の具体的なイメージを示す。プログラム情報ファイル18には、各プログラムの基本情報(P-IDやプログラム名称、業務名、サブシステム名、(今回)改修有無、担当者名など)が設定されている。
【0075】
[不良箇所候補編集部]
図19は、不良箇所候補編集部19の処理動作を示す。なお以下でプログラム情報ファイル18には重複するP-IDは存在しないものとする。まず、検索結果ファイル17とプログラム情報ファイル18を読込み(S501)、検索結果ファイル17の先頭項目を読込む(S502)。
【0076】
次に、該当項目にP-IDが設定されているか判定を行い(S503)、設定されている場合(Y)、検索結果ファイル17のP-IDとプログラム情報ファイル18のP-IDが一致するまで、プログラム情報ファイル18を検索する(S504)。一致したP-IDについて、プログラム情報ファイル18に設定されている詳細情報を検索結果ファイル17に設定する(S505)。
【0077】
詳細情報の設定が完了した後、該当項目に次P-IDが存在するか判定を行い(S506)、次P-IDが存在する場合(Y)、次P-IDの読込みを行い(S507)、S504〜S506の処理を繰り返し行う。
【0078】
S503で該当項目にP-IDが設定されていない場合(N)、及び、S506で該当項目に次P-IDが存在しない場合(N)、次項目が存在するか判定を行い(S508)、次項目が存在する場合(Y)、次項目の読込みを行い(S509)、S503〜S508の処理を繰り返し行う。
【0079】
S508で次項目が存在しない場合(N)、詳細情報の設定が完了した比較結果ファイル17を、不良箇所候補一覧20として出力する(S510)。
【0080】
[不良箇所候補一覧]
図20(a)は、不良箇所候補一覧20の具体的なイメージその1を示す。不良箇所候補一覧20は、検索結果ファイル17から比較し、各プログラムの詳細情報が設定されている。
【0081】
図20(b)は、同じく不良箇所候補一覧20のイメージその2として、「ヨウカクニン」も検索条件に含める場合を示す。
【0082】
不良箇所候補一覧20は、設定により一覧の末尾にプログラム情報のみを抽出した候補プログラムとプログラム詳細情報の一覧を記載することも可能である。
【0083】
[効果等]
以上のように、本実施の形態の構成によれば、処理の入力、出力となるデータ情報(5,6)を取得し、入出力の関連情報(8,10)をもとに、機械的に出力情報の妥当性確認を行うことが可能となる。それにより、高効率で信頼性の高い検証作業を実施することができる。
【0084】
また、機械的に処理することから、開発に関わらない既存箇所においても確認作業が容易に実施できるため、入出力の全データを確認の対象とした検証作業を容易に実施することができ、デグレードしないことの確認を効率よく行うことができる。
【0085】
本技術の利用により、システム開発における検証工程において、入力データと出力値の相関関係、妥当性を機械的に検証し、検証に係る工数を削減することが可能である。また、突合せ確認によって不具合の可能性が発覚した場合、自動的に不良箇所候補(20)を抽出することから、不良発生箇所の特定に要する時間を削減することが可能である。
【0086】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。