(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(A)多面体骨格を有するポリシロキサン化合物であって、多面体骨格を形成するSi原子上に、少なくとも1つの、加水分解性シリル基を含有する基を有することを特徴とするポリシロキサン化合物、
(B)光酸発生剤、
とからなるポリシロキサン系組成物。
(A)多面体骨格を有するポリシロキサン化合物が、分子中にSi原子6〜24個から形成される多面体骨格を有するポリシロキサン化合物であることを特徴とする請求項1記載のポリシロキサン系組成物。
(A)成分における加水分解性シリル基を含有する基が、アルコキシシリルエチル基またはアルコキシシリルプロピル基であることを特徴とする、請求項3に記載のポリシロキサン系組成物。
(2)成分における、多面体構造ポリシロキサン化合物と反応可能な官能基が化合物の両末端に結合していることを特徴とする、請求項6〜8のいずれか1項に記載のポリシロキサン系組成物。
(2)成分が、ポリアルキレン、ポリイソブチレン、ポリエステル、ポリアクリル酸ブチル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリイミド、ポリシロキサンからなる群において選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、請求項6〜9のいずれか1項に記載のポリシロキサン系組成物。
多面体構造ポリシロキサン化合物と、(1)および(2)成分との反応がヒドロシリル化反応によって行われることを特徴とする、請求項6〜10のいずれか1項に記載のポリシロキサン系組成物。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明は、(A)多面体骨格を有するポリシロキサン化合物であって、多面体骨格を形成するSi原子上に、少なくとも1つの、加水分解性シリル基を含有する基をすることを特徴とするポリシロキサン、および、(B)光酸発生剤、とからなるポリシロキサン系組成物および該組成物を用いた光学部材に関する。
【0022】
<(A)多面体骨格を有するポリシロキサン
化合物>
本発明における(A)成分は、多面体骨格を形成するSi原子上に、少なくとも1つの、加水分解性シリル基を含有する基を有することを特徴とするポリシロキサン
化合物である。また、分子中にSi原子を6〜24個から形成される多面体骨格を有するポリシロキサン化合物が好ましい。
【0023】
本発明における(A)成分は、具体的に例えば、分子中に好ましくはSi原子を6〜24個から形成される多面体骨格を有するポリシロキサン化合物であって、多面体骨格を形成するSi原子上に、少なくとも1つの、直接または間接的に結合したアルケニル基を有するポリシロキサン(化合物I)と加水分解性シリル基を有するヒドロシラン化合物(化合物II)。
【0024】
または、分子中に好ましくはSi原子を6〜24個から形成される多面体骨格を有するポリシロキサン化合物であって、多面体骨格を形成するSi原子上に、少なくとも1つの、直接または間接的に結合したヒドロシリル基を有するポリシロキサン(化合物III)と加水分解性シリル基を有するアルケニル化合物(IV)とのヒドロシリル化付加反応により合成することが可能である。
【0025】
また、後述する(1)および(2)成分と反応可能な官能基を有する多面体構造ポリシロキサンであって、(1)及び(2)と反応させて得られる化合物であってもよい。
【0026】
以下、アルケニル基を有するポリシロキサン(化合物I)について、説明する。
本発明において使用されるアルケニル基を有するポリシロキサン(化合物I)は、多面体骨格に含有されるSi原子の数は6〜24であることが好ましく、具体的に、例えば、以下の構造で示される多面体構造を有するシルセスキオキサンが例示される(ここでは、Si原子数=8を代表例として例示する)。
【0027】
【化1】
【0028】
上記式中R
1〜R
8はビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、メルカプト基、アミノ基を含有する有機基、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、またはこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部をハロゲン原子、シアノ基などで置換したクロロメチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基などから選択される同一又は異種の、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10の非置換又は置換の1価の炭化水素基である。
【0029】
ただし、R
1〜R
8のうちの少なくとも1つは、アルケニル基である。前記アルケニル基においては、耐熱性の観点からビニル基が好ましく、アルケニル基以外の基が選択される場合は、耐熱性の観点からメチル基が好ましい。
【0030】
上記、多面体構造を有するシルセスキオキサンは、例えば、RSiX
3(式中Rは、上述のR
1〜R
8を表し、Xは、ハロゲン原子、アルコキシ基等の加水分解性官能基を表す)のシラン化合物の加水分解縮合反応によって、得られる。または、RSiX
3の加水分解縮合反応によって分子内に3個のシラノール基を有するトリシラノール化合物を合成したのち、さらに、同一もしくは異なる3官能性シラン化合物を反応させることにより、閉環し、多面体骨格を有するシルセスキオキサンを合成する方法も知られている。
【0031】
本発明でのアルケニル基を有するポリシロキサン(化合物I)において、さらに好ましい例としては、以下の構造で示されるような多面体構造を有するシリル化ケイ酸が例示される(ここでは、Si原子数=8を代表例として例示する)。該化合物においては、多面体骨格を形成するSi原子とアルケニル基とが、シロキサン結合を介して結合していることから、得られる硬化物の剛直になり過ぎず、良好な成形体を得ることができる。
【0032】
【化2】
【0033】
上記、構造中、R
9〜R
32は、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、メルカプト基、アミノ基を含有する有機基、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、またはこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部をハロゲン原子、シアノ基などで置換したクロロメチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基などから選択される同一又は異種の有機基である。ただし、これらR
9〜R
32のうち、少なくとも1つはアルケニル基である。前記アルケニル基においては、耐熱性の観点からビニル基が好ましく、アルケニル基以外の基が選択される場合も、耐熱性、耐光性の観点からメチル基が好ましい。
【0034】
多面体構造を有するシリル化ケイ酸の合成方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いて合成される。前記合成方法としては、具体的に、例えば、テトラエトキシシラン等のテトラアルコキシシランを4級アンモニウムヒドロキシド等の塩基存在下で加水分解縮合させる方法が挙げられる。
【0035】
本合成方法においては、テトラアルコキシシランの加水分解縮合反応により、多面体構造を有するケイ酸塩が得られ、さらに得られたケイ酸塩をアルケニル基含有シリルクロライド等のシリル化剤と反応させることにより、多面体構造を形成するSi原子とアルケニル基とが、シロキサン結合を介して結合した多面体構造ポリシロキサンを得ることが可能となる。本発明においては、テトラアルコキシランの替わりに、シリカや稲籾殻等のシリカ含有する物質からも、同様の多面体構造を有するシリル化ケイ酸を得ることが可能である。
【0036】
本発明においては、多面体骨格に含有されるSi原子の数として、6〜24、さらに好ましくは、6〜10のものを好適に用いることが可能である。また、Si原子数の異なる多面体骨格を有するポリシロキサン
化合物の混合物であってもよい。
【0037】
また、本発明においては、1分子中に含まれるアルケニル基の数は、少なくとも1つ、より好ましくは、少なくとも2つ、さらに好ましくは、少なくとも3つ含有することが望ましい。次に、加水分解性シリル基を有するヒドロシラン化合物(化合物II)について説明する。
【0038】
本発明における加水分解性シリル基を有するヒドロシラン化合物(化合物II)としては、分子中に、加水分解可能なシリル基とヒドロシリル基を含有していれば、特に制限はない。
【0039】
具体的に、例えば、トリクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルクロロシラン、フェニルジクロロシランのようなハロゲン化シラン類;トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、フェニルジメトキシシランのようなアルコキシシラン類;メチルジアセトキシシラン、フェニルジアセトキシシランのようなアシロキシシラン類;ビス(ジメチルケトキシメート)メチルシラン、ビス(シクロヘキシルケトキシメート)メチルシランのようなケトキシメートシラン類などがあげられるが、これらに限定されるものではない。これらのうちでは特に、アルコキシシラン類を好適に使用することができる。
【0040】
以下、ヒドロシリル基を有するポリシロキサン(化合物III)について、説明する。
本発明において使用されるヒドロシリル基を有するポリシロキサン(化合物III)は、多面体骨格に含有されるSi原子の数は6〜24であることが好ましく、具体的に、例えば、以下の構造で示される多面体構造を有するシルセスキオキサンが例示される(ここでは、Si原子数=8を代表例として例示する)。
【0041】
【化3】
【0042】
上記式中R
1〜R
8はビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、メルカプト基、アミノ基を含有する有機基、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、またはこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部をハロゲン原子、シアノ基などで置換したクロロメチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基などから選択される同一又は異種の、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10の非置換又は置換の1価の炭化水素基である。
【0043】
ただし、R
1〜R
8のうちの少なくとも1つは、水素原子である。
【0044】
上記、多面体構造を有するシルセスキオキサンは、例えば、RSiX
3(式中Rは、上述のR
1〜R
8を表し、Xは、ハロゲン原子、アルコキシ基等の加水分解性官能基を表す)のシラン化合物の加水分解縮合反応によって、得られる。または、RSiX
3の加水分解縮合反応によって分子内に3個のシラノール基を有するトリシラノール化合物を合成したのち、さらに、同一もしくは異なる3官能性シラン化合物を反応させることにより、閉環し、多面体骨格を有するシルセスキオキサンを合成する方法も知られている。
【0045】
本発明でのヒドロシリル基を有するポリシロキサン(化合物III)において、さらに好ましい例としては、以下の構造で示されるような多面体構造を有するシリル化ケイ酸が例示される(ここでは、Si原子数=8を代表例として例示する)。該化合物においては、多面体骨格を形成するSi原子と反応性基であるヒドロシラン基とが、シロキサン結合を介していることから、得られる硬化物の剛直になり過ぎず、良好な成形体を得ることができる。
【0046】
【化4】
【0047】
上記、構造中、R
9〜R
32は、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、メルカプト基、アミノ基を含有する有機基、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、またはこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部をハロゲン原子、シアノ基などで置換したクロロメチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基などから選択される同一又は異種の有機基である。ただし、これらR
9〜R
32のうち、少なくとも1つは水素原子である。
【0048】
多面体構造を有するシリル化ケイ酸の合成方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いて合成される。前記合成方法としては、具体的に、例えば、テトラエトキシシラン等のテトラアルコキシシランを4級アンモニウムヒドロキシド等の塩基存在下で加水分解縮合させる方法が挙げられる。
【0049】
本合成方法においては、テトラアルコキシシランの加水分解縮合反応により、多面体構造を有するケイ酸塩が得られ、さらに得られたケイ酸塩をヒドロシリル基含有シリルクロライド等のシリル化剤と反応させることにより、多面体構造を形成するSi原子とヒドロシリル基とが、シロキサン結合を介して結合したポリシロキサンを得ることが可能となる。本発明においては、テトラアルコキシランの替わりに、シリカや稲籾殻等のシリカ含有する物質からも、同様の多面体構造を有するシリル化ケイ酸を得ることが可能である。
【0050】
本発明においては、多面体骨格に含有されるSi原子の数として、6〜24、さらに好ましくは、6〜10のものを好適に用いることが可能である。また、Si原子数の異なる多面体骨格を有するポリシロキサン
化合物の混合物であってもよい。
【0051】
また、本発明においては、1分子中に含まれるヒドロシリル基の数は、少なくとも1つ、より好ましくは、少なくとも2つ、さらに好ましくは、少なくとも3つ含有することが望ましい。
【0052】
次に、加水分解性シリル基を有するアルケニル化合物(化合物IV)について説明する。
本発明における加水分解性シリル基を有するアルケニル化合物(化合物IV)としては、分子中に、加水分解可能なシリル基とアルケニル基を含有していれば、特に制限はない。
【0053】
具体的に、例えば、トリクロロビニルシラン、メチルジクロロビニルシラン、ジメチルクロロビニルシラン、フェニルジクロロビニルシランのようなハロゲン化シラン類;トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、メチルジエトキシビニルシラン、メチルジメトキシビニルシラン、フェニルジメトキシビニルシランのようなアルコキシシラン類;メチルジアセトキシビニルシラン、フェニルジアセトキシビニルシランのようなアシロキシシラン類;ビス(ジメチルケトキシメート)メチルビニルシラン、ビス(シクロヘキシルケトキシメート)メチルビニルシランのようなケトキシメートシラン類などがあげられるが、これらに限定されるものではない。これらのうちでは特に、アルコキシシラン類を好適に使用することができる。
【0054】
本発明においては、化合物Iと化合物II、または、化合物IIIと化合物IVとのヒドロシリル化付加反応によって、(A)成分を製造することが可能である。
【0055】
上記のヒドロシリル化反応の際は、遷移金属触媒が通常用いられる。遷移金属触媒としては、例えば、白金−オレフィン錯体、塩化白金酸、白金の単体、担体(アルミナ、シリカ、カーボンブラック等)に固体白金を担持させたもの;白金−ビニルシロキサン錯体、例えば、Pt
n(ViMe
2SiOSiMe
2Vi)
n、Pt〔(MeViSiO)
4〕
m;白金−ホスフィン錯体、例えば、Pt(PPh
3)
4、Pt(PBu
3)
4;白金−ホスファイト錯体、例えば、Pt〔P(OPh)
3〕
4、Pt〔P(OBu)
3〕
4(式中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を表し、n、mは整数を表す)、Pt(acac)
2、また、Ashbyらの米国特許第3159601及び3159662号明細書中に記載された白金−炭化水素複合体、並びにLamoreauxらの米国特許第3220972号明細書中に記載された白金アルコラ−ト触媒も挙げられる。
【0056】
また、白金化合物以外の触媒の例としては、RhCl(PPh
3)
3、RhCl
3、Rh/Al
2O
3、RuCl
3、IrCl
3、FeCl
3、AlCl
3、PdCl
2・2H
2O、NiCl
2、TiCl
4、等が挙げられる。これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用しても構わない。触媒活性の点から塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体、Pt(acac)
2等が好ましい。
【0057】
<(1)、(2)と反応可能な官能基を有する多面体構造ポリシロキサン化合物>
(1)、(2)と反応可能な官能基を有する多面体構造ポリシロキサン化合物は、具体的に説明すると、(1)および(2)成分と反応可能な官能基を含有する基が、Si原子から形成される多面体構造、好ましくは6〜24個のSi原子から形成される多面体構造ポリシロキサンのSi原子上に存在する化合物である。
【0058】
本発明において使用される(1)、(2)と反応可能な官能基を有する多面体構造ポリシロキサン化合物は、多面体骨格に含有されるSi原子の数は6〜24であることが好ましく、具体的に、例えば、以下の構造で示される多面体構造を有するシルセスキオキサンが例示される(ここでは、Si原子数=8を代表例として例示する)。
【0059】
【化5】
【0060】
上記式中R
1〜R
8はビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、メルカプト基、アミノ基を含有する有機基、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、またはこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部をハロゲン原子、シアノ基などで置換したクロロメチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基などから選択される同一又は異種の、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10の非置換又は置換の1価の炭化水素基である。
【0061】
上記、多面体構造を有するシルセスキオキサンは、例えば、RSiX
3(式中Rは、上述のR
1〜R
8を表し、Xは、ハロゲン原子、アルコキシ基等の加水分解性官能基を表す)のシラン化合物の加水分解縮合反応によって、得られる。または、RSiX
3の加水分解縮合反応によって分子内に3個のシラノール基を有するトリシラノール化合物を合成したのち、さらに、同一もしくは異なる3官能性シラン化合物を反応させることにより、閉環し、多面体骨格を有するシルセスキオキサンを合成する方法も知られている。
【0062】
本発明での(1)、(2)と反応可能な官能基を有する多面体構造ポリシロキサン化合物において、さらに好ましい例としては、以下の構造で示されるような多面体構造を有するシリル化ケイ酸が例示される(ここでは、Si原子数=8を代表例として例示する)。該化合物においては、多面体骨格を形成するSi原子と(1)、(2)と反応可能な官能基とが、シロキサン結合を介して結合していることから、得られる硬化物の剛直になり過ぎず、良好な成形体を得ることができる。
【0063】
【化6】
【0064】
上記、構造中、R
9〜R
32は、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、メルカプト基、アミノ基を含有する有機基、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、またはこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部をハロゲン原子、シアノ基などで置換したクロロメチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基などから選択される同一又は異種の有機基である。
【0065】
多面体構造を有するシリル化ケイ酸の合成方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いて合成される。前記合成方法としては、具体的に、例えば、テトラエトキシシラン等のテトラアルコキシシランを4級アンモニウムヒドロキシド等の塩基存在下で加水分解縮合させる方法が挙げられる。
【0066】
本合成方法においては、テトラアルコキシシランの加水分解縮合反応により、多面体構造を有するケイ酸塩が得られ、さらに得られたケイ酸塩を(1)、(2)と反応可能な官能基含有シリルクロライド等のシリル化剤と反応させることにより、多面体構造を形成するSi原子と(1)、(2)と反応可能な官能基とが、シロキサン結合を介して結合したポリシロキサンを得ることが可能となる。本発明においては、テトラアルコキシランの替わりに、シリカや稲籾殻等のシリカ含有する物質からも、同様の多面体構造を有するシリル化ケイ酸を得ることが可能である。
【0067】
本発明においては、多面体骨格に含有されるSi原子の数として、6〜24、さらに好ましくは、6〜10のものを好適に用いることが可能である。また、Si原子数の異なる多面体骨格を有するポリシロキサンの混合物であってもよい。
【0068】
<(1)の化合物>
本発明の(1)成分は、上記(1)、(2)と反応可能な官能基を有する多面体構造ポリシロキサン化合物と反応可能な官能基を1つ有し、さらに加水分解性シリル基を1つ以上有する(A)成分、(2)成分とは異なる化合物である。
【0069】
前記加水分解性シリル基は、光酸発生剤の存在下で光線を照射することにより架橋反応を起こし、(A)成分の硬化物を与えることができる。
【0070】
上記(1)、(2)と反応可能な官能基を有する多面体構造ポリシロキサン化合物と反応可能な官能基としては、例えばビニル基、アリル基、プロペニル基等のアルケニル基;ヒドロシリル基;(メタ)アクリロイル基;エポキシ基;メルカプト基;ハロゲン基を挙げることができる。また加水分解性シリル基以外の官能基であることが好ましい。特に耐熱性・耐光性の観点より、好ましくはアルケニル基またはヒドロシリル基である。アルケニル基の中では、ビニル基が好ましい。
【0071】
加水分解性シリル基としては、例えばメトキシシリル基、エトキシシリル基、プロポキシシリル基等のアルコキシシリル基;アセトキシシリル基;クロロシリル基、ブロモシリル基等のハロゲン化シリル基等が挙げられる。中でもアルコキシシリル基あるいはアセトキシシリル基が好ましく、特には、
−Si(OR
33)
mR
343-m
(R
33は炭素数1〜6のアルキル基、R
34は炭素数1〜6のアルキル基またはアリール基である。R
33とR
34は同一の基でも良いし異なった基でも良い。mは1〜3の整数である。)で表されるアルコキシシリル基が好ましい。
【0072】
なお、
多面体構造ポリシロキサン化合物と反応可能な官能基としてヒドロシリル基を用いる場合、ヒドロシリル基と加水分解性シリル基は同一のケイ素に結合しているものが好適に用いられ、具体的には
HSi(OR
35)
mR
363−m
(R
35は炭素数1〜6のアルキル基、R
36は炭素数1〜6のアルキル基またはアリール基である。R
35とR
36は同一の基でも良いし異なった基でも良い。mは1〜3の整数である)の構造式の化合物を用いることが好ましい。
【0073】
また、
多面体構造ポリシロキサン化合物と反応可能な官能基としてアルケニル基を用いる場合、アルケニル基と加水分解性シリル基は同一のケイ素に結合しているものが好適に用いられ、具体的には
ASi(OR
37)
mR
383−m
(Aはアルケニル基、R
37は炭素数1〜6のアルキル基、R
38は炭素数1〜6のアルキル基またはアリール基である。R
37とR
38は同一の基でも良いし異なった基でも良い。mは1〜3の整数である)の構造式の化合物を用いることが好ましい。
【0074】
<(2)の化合物>
本発明の(2)成分は、
多面体構造ポリシロキサン化合物と反応可能な官能基を2つ以上有する化合物であり、前記(A)成分、(1)成分とは異なる化合物である。
多面体構造ポリシロキサン化合物と反応可能な官能基としては、例えばビニル基、アリル基、プロペニル基等のアルケニル基;ヒドロシリル基;(メタ)アクリロイル基;エポキシ基;メルカプト基;ハロゲン基等を含有する有機基が挙げられ、耐熱性・耐光性の観点よりアルケニル基またはヒドロシリル基が好ましい。
【0075】
アルケニル基の中ではビニル基が好ましい。また(2)成分はいわゆる単量体が互いに結合した二量体以上のポリマーからなる化合物が好ましく、具体的にはポリアルキレン、ポリイソブチレン、ポリエステル、ポリアクリル酸ブチル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリイミド、ポリシロキサンが例示される。これらにアルケニル基好ましくはビニル基、あるいはヒドロシリル基が結合した化合物が好ましい。これらは単独で使用してもよく、複数を併用してもよい。さらには、耐熱性・耐光性の観点からポリシロキサンが好ましく、末端にヒドロシリル基もしくはアルケニル基を有するポリシロキサンが好ましい。
【0076】
なお、(2)成分は、(1)、(2)と反応可能な官能基を有する多面体構造ポリシロキサン化合物、(1)成分とは異なる化合物であり、多面体構造ポリシロキサン構造を含まない化合物であることが好ましい。なおここでは末端にヒドロシリル基を有する化合物を代表例として例示する。末端にアルケニル基を有する化合物は末端部分の水素がアルケニル基に置き換わった構造の化合物である。
【0077】
【化7】
【0078】
上式Y
1〜Y
4およびZ
1〜Z
2については、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、メルカプト基、アミノ基を含有する有機基;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;またはこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部をハロゲン原子、シアノ基などで置換したクロロメチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基などから選択される同一又は異種の、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10の非置換又は置換の1価の炭化水素基が挙げられる。nは0〜1000、特に0〜200であることが好ましく、さらには0〜100であることが好ましい。
【0079】
Y
1〜Y
4およびZ
1〜Z
2の構造としてはアルキル基またはアリール基が好適に用いられ、特に耐熱性の観点からメチル基、フェニル基が好ましく用いられる。また、Y
1〜Y
4およびZ
1〜Z
2の置換基は全て同じ基であっても良いし、異なった基でも良い。
【0080】
(2)成分は、(2)成分中に2個以上存在する反応可能な官能基により、複数の箇所で上記多面体構造ポリシロキサンの反応性基と結合することが可能である。(2)成分が(A)成分に適度に導入されることで、硬化物の脆さが改善され、硬化物の靭性向上が期待できる。さらには薄膜を基板上に作製する際の皮膜性向上の効果も有する。
【0081】
本発明の(A)成分は上記で説明した多面体構造ポリシロキサンの反応性基と、(1)、(2)成分の反応性基とを反応させて得ることができる。
【0082】
この反応は上記多面体構造ポリシロキサンと(1)成分、または本化合物と(2)成分の反応性基の組み合わせにより様々な反応が可能であり、例えばアルケニル基とヒドロシリル基によるヒドロシリル化付加反応、アルケニル基とメルカプト基による付加反応、アルケニル基とハロゲン化アルキル基による付加反応などがある。これらの中では反応が比較的容易であり、結合部分の耐熱性が高く、反応物の安定性が高いアルケニル基とヒドロシリル基によるヒドロシリル化付加反応を用いることが好ましい。
【0083】
ヒドロシリル化反応の際は、遷移金属触媒が通常用いられる。遷移金属触媒としては、例えば、白金−オレフィン錯体、塩化白金酸、白金の単体、担体(アルミナ、シリカ、カーボンブラック等)に固体白金を担持させたもの;白金−ビニルシロキサン錯体、例えば、Pt
n(ViMe
2SiOSiMe
2Vi)
n、Pt〔(MeViSiO)
4〕
m;白金−ホスフィン錯体、例えば、Pt(PPh
3)
4、Pt(PBu
3)
4;白金−ホスファイト錯体、例えば、Pt〔P(OPh)
3〕
4、Pt〔P(OBu)
3〕
4(式中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を表し、n、mは整数を表す)、Pt(acac)
2、また、Ashbyらの米国特許第3159601及び3159662号明細書中に記載された白金−炭化水素複合体、並びにLamoreauxらの米国特許第3220972号明細書中に記載された白金アルコラ−ト触媒も挙げられる。
【0084】
また、白金化合物以外の触媒の例としては、RhCl(PPh
3)
3、RhCl
3、Rh/Al
2O
3、RuCl
3、IrCl
3、FeCl
3、AlCl
3、PdCl
2・2H
2O、NiCl
2、TiCl
4、等が挙げられる。これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用しても構わない。触媒活性の点から塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体、Pt(acac)
2等が好ましい。
【0085】
本反応において、(1)成分は多面体構造ポリシロキサン化合物の反応性基1molに対して(1)成分の官能基が0.1〜1.5molとなる割合で用いられることが好ましく、さらには0.3〜0.9molとなる割合で用いられることが好ましい。
(2)成分は本化合物100重量部に対して1〜200重量部用いることが好ましく、さらには5〜100重量部用いることが好ましい。
【0086】
本反応において、(2)成分が少な過ぎると得られる硬化物は、靭性が悪くなるため好ましくない場合がある。また(2)成分が多過ぎると、本化合物が(2)成分によって過剰に架橋されて(A)成分はゲル化し、組成物の成形性が著しく悪くなるので好ましくない場合がある。
【0087】
次に、(B)成分として使用する光酸発生剤について説明する。光酸発生剤とは、可
視光、紫外線、赤外線、X線、α線、β線、γ線等の活性エネルギー線を照射することにより、架橋性シリル基を架橋させることができる酸性活性物質を放出することができる化合物である。
【0088】
光酸発生剤により発生する酸のpKaは、限定はされないが、好ましくは、3未満、さらに好ましくは、1未満である。
【0089】
本発明の組成物に使用できる光酸発生剤としては、公知の光酸発生剤を使用することができる。例えば、特開2000−1648号公報、特表2001−515533号公報、WO2002−83764において好適とされている各種の化合物を挙げることができるが、本発明は特にこれらに限定されるわけではなく、本発明において好ましく使用できる光酸発生剤としては、スルホン酸誘導体、オニウム塩類、カルボン酸エステル類が挙げられる。
【0090】
本発明で使用できるスルホン酸誘導体としては例えば、ジスルホン類、ジスルホニルジアゾメタン類、ジスルホニルメタン類、スルホニルベンゾイルメタン類、トリフルオロメチルスルホネート誘導体などのイミドスルホネート類、ベンゾインスルホネート類、1−オキシ−2−ヒドロキシ−3−プロピルアルコールのスルホネート類、ピロガロールトリスルホネート類、ベンジルスルホネート類を挙げることができる。
【0091】
具体的には、ジフェニルジスルホン、ジトシルジスルホン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(クロルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(キシリルスルホニル)ジアゾメタン、フェニルスルホニルベンゾイルジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)メタン、1、8−ナフタレンジカルボン酸イミドメチルスルホネート、1、8−ナフタレンジカルボン酸イミドトシルスルホネート、1、8−ナフタレンジカルボン酸イミドトリフルオロメチルスルホネート、1、8−ナフタレンジカルボン酸イミドカンファースルホネート、コハク酸イミドフェニルスルホネート、コハク酸イミドトシルスルホネート、コハク酸イミドトリフルオロメチルスルホネート、コハク酸イミドカンファースルホネート、フタル酸イミドトリフルオロスルホネート、シス−5−ノルボルネン−エンド−2,3−ジカルボン酸イミドトリフルオロメチルスルホネート、ベンゾイントシラート、1、2−ジフェニル−2−ヒドロキシプロピルトシラート、1、2−ジ(4−メチルメルカプトフェニル)−2−ヒドロキシプロピルトシラート、ピロガロールメチルスルホネート、ピロガロールエチルスルホネート、2,6−ジニトロフェニルメチルトシラート、オルト−ニトロフェニルメチルトシラート、パラ−ニトロフェニルトシラートなどを挙げることができる。
【0092】
一般に、スルホン酸誘導体およびカルボン酸エステルは、酸を遊離するために、加熱ステップ(50℃〜100℃)を取ることが好ましい。
【0093】
本発明で使用できるオニウム塩としては、テトラフルオロボレート(BF
4-)、ヘキサフルオロホスフェート(PF
6-)、ヘキサフルオロアンチモネート(SbF
6-)、ヘキサフルオロアルセネート(AsF
6-)、ヘキサクロルアンチモネート(SbCl
6-)、テトラフェニルボレート、テトラキス(トリフルオロメチルフェニル)ボレート、テトラキス(ペンタフルオロメチルフェニル)ボレート、過塩素酸イオン(ClO
4-)、トリフルオロメタンスルフォン酸イオン(CF
3SO
3-)、フルオロスルフォン酸イオン(FSO
3-)、トルエンスルフォン酸イオン、トリニトロベンゼンスルフォン酸アニオン、トリニトロトルエンスルフォン酸アニオン等のアニオンを有するスルホニウム塩またはヨードニウム塩を使用することができる。
【0094】
スルホニウム塩としては、例えば、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアシルネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオベンジル)ボレート、メチルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、メチルジフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロベンジル)ボレート、ジメチルフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルナフチルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、トリトイルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、アニシルジフェニルスルホニウムヘキサヘキサフルオルアンチモネート、4−ブトキシフェニルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、4−ブトキシフェニルジフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロベンジル)ボレート、4−クロロフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリス(4−フェノキシフェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ジ(4−エトキシフェニル)メチルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、4−アセチルフェニルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、4−アセチルフェニルジフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロベンジル)ボレート、トリス(4−チオメトキシフェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ジ(メトキシスルホニルフェニル)メチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジ(メトキシナフチル)メチルスルホニウムテトラフルオロボレート、ジ(メトキシナフチル)メチルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロベンジル)ボレート、ジ(カルボメトキシフェニル)メチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、(4−オクチルオキシフェニル)ジフェニルスルホニウムテトラキス(3,5−ビス−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリス(ドデシルフェニル)スルホニウムテトラキス(3,5−ビス−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、4−アセトアミドフェニルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、4−アセトアミドフェニルジフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロベンジル)ボレート、ジメチルナフチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフルオロメチルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフルオロメチルジフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロベンジル)ボレート、フェニルメチルベンジルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、10−メチルフェノキサチイニウムヘキサフルオロホスフェート、5−メチルチアントレニウムヘキサフルオロホスフェート、10−フェニル−9,9−ジメチルチオキサンテニウムヘキサフルオロホスフェート、10−フェニル−9−オキソチオキサンテニウムキサンテニウムテトラフルオロボレート、10−フェニル−9−オキソチオキサンテニウムテトラキス(ペンタフルオロベンジル)ボレート、5−メチル−10−オキソチアトレニウムテトラフルオロボレート、5−メチル−10−オキソチアトレニウムテトラキス(ペンタフルオロベンジル)ボレート、および5−メチル−10,10−ジオキソチアトレニウムヘキサフルオロホスフェートなどが挙げられる。これらは、1種のみまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0095】
本発明において使用できるヨードニウム塩としては、(4−n−デシロキシフェニル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、〔4−(2−ヒドロキシ−n−テトラデシロキシ)フェニル〕フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、〔4−(2−ヒドロキシ−n−テトラデシロキシ)フェニル〕フェニルヨードニウムトリフルオロスルホネート、〔4−(2−ヒドロキシ−n−テトラデシロキシ)フェニル〕フェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、〔4−(2−ヒドロキシ−n−テトラデシロキシ)フェニル〕フェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメチルスルフォネート、ジ(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジ(ドデシルフェニル)ヨードニウムトリフラート、ジフェニルヨードニウムビスルフェート、4,4'−ジクロロジフェニルヨードニウムビスルフェート、4,4'−ジブロモジフェニルヨードニウムビスルフェート、3,3'−ジニトロジフェニルヨードニウムビスルフェート、4,4'−ジメチルジフェニルヨードニウムビスルフェート、4,4'−ビススクシンイミドジフェニルヨードニウムビスルフェート、3−ニトロジフェニルヨードニウムビスルフェート、4,4'−ジメトキシジフェニルヨードニウムビスルフェート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、(4−オクチルオキシフェニル)フェニルヨードニウムテトラキス(3,5−ビス−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、米国特許第5,554,664号に開示されている(トリルクミル)ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(CH
3C
6H
4)
2I−(SO
2CF
3)
3、米国特許第5,514,728号に開示されている(C
6H
5)
2I−B(C
6F
5)
4、および米国特許第5,340,898号に開示されているものなどが挙げられる。これらは、1種のみまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0096】
その他のオニウム塩としては、芳香族ジアゾニウム塩を使用することができ、例えばp−メトキシベンゼンジアゾニウム・ヘキサフルオロアンチモネートなどを使用することができる。
【0097】
本発明において使用できる、商業的に入手できるオニウム塩としては、サンエイドSI−60、SI−80、SI−100、SI−60L、SI−80L、SI−100L、SI−L145、SI−L150、SI−L160、SI−L110、SI−L147(以上、三新化学工業(株)製)、UVI−6950、UVI−6970、UVI−6974、UVI−6990(以上、ユニオンカーバイド社製)、アデカオプトマーSP−150、SP−151、SP−170、SP−171、SP−172(以上、旭電化工業(株)製)、Irgacure 261、Irgacure250(チバスペシャルティケミカルズ(株)製)、CI−2481、CI−2624、CI−2639、CI−2064(以上、日本曹達(株)製)、CD−1010、CD−1011、CD−1012(以上、サートマー社製)、DS−100、DS−101、DAM−101、DAM−102、DAM−105、DAM−201、DSM−301、NAI−100、NAI−101、NAI−105、NAI−106、SI−100、SI−101、SI−105、SI−106、PI−105、NDI−105、BENZOIN TOSYLATE、MBZ−101、MBZ−301、PYR−100、PYR−200、DNB−101、NB−101、NB−201、BBI−101、BBI−102、BBI−103、BBI−109(以上、みどり化学(株)製)、PCI−061T、PCI−062T、PCI−020T、PCI−022T(以上、日本化薬(株)製)、IBPF、IBCF(三和ケミカル(株)製)CD1012(サートマー社製)、IBPF、IBCF(以上、三和ケミカル(株)製)、BBI−101、BBI−102、BBI−103、BBI−109(以上、みどり化学(株)製)、UVE1014(ゼネラルエレクトロニクス社製)、RHODORSIL−PI2074(ローディア社製)、WPI−113、WPI−114(和光純薬(株)製)等を挙げることができる。
【0098】
また、J. Polymer Science:Part A:polymer Chemistry,Vol.31, 1473−1482(1993), J. Polymer Science:Part A:polymer Chemistry,Vol.31, 1483−1491(1993)において記述されている方法により製造できるジアリールヨードニウム塩を使用することもできる。以上にあげた光酸発生剤は、1種のみまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0099】
本願の組成物を導電特性が要求される用途に用いる組成物、たとえば、静電気支援塗布可能組成物を調製する場合には、 (4−オクチルオキシフェニル)ジフェニルスルホニウムテトラキス(3,5−ビス−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリス(ドデシルフェニル)スルホニウムテトラキス(3,5−ビス−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、(4−オクチルオキシフェニル)フェニルヨードニウムテトラキス(3,5−ビス−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、および(トリルクミル)ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどなどを使用することが好ましい。
【0100】
このような塩を使用した組成物は、静電気支援塗料に十分な導電性を提供することができ、また、静電吹付、電気吹付、および静電気支援を用いた連続液体適用(たとえば、ロール塗布などによる)などを使用して塗布するのに好適である。このような塩を使用する場合、一般に、さらなる導電性増強剤は必要ではないが、これらの好ましい塩と共に使用してもよい。
【0101】
本発明の組成物は光酸発生剤を使用するため、熱過敏性基材を含む用途に好適である。酸の遊離を促進するために、増感剤を補足することもできる。増感剤の添加量は特に限定はされないが、(I)成分100重量部に対して0.01〜0.2重量部が好ましい。本発明に使用できる適当な増感剤の例としては、Radiation Curing in Polymer Science and Technology、第2巻、Fouassier and Rabek編,Elsevier SciencePubhshers LTD,1993の第13章に記載されているものなどがある。
【0102】
具体例としては、アントラセン、ピレン、ペリレンなどの芳香族炭化水素、ベンゾフェノン、キサントン、チオキサントン、ミヒラーケトン、9,10−フェナントラキノンなどの芳香族ケトン、エオシン、ケトクマリン、アクリジン染料、芳香族アミン、芳香族3級アミン、クマリン、イソベンゾフラン、およびこれらの誘導体があげられる。
【0103】
本発明の組成物における光酸発生剤の含有量は、特に制限はないが、硬化性の点から、(A)成分100重量部に対して0.01〜10.0重量部であることが好ましく、また、硬化物の物性バランスの点から0.02〜5.0重量部であることがさらに好ましい。光酸発生剤の量が少ないと、十分に硬化した硬化物が得られない。また、光酸発生剤の量が多いと、色が硬化物に残ったり、急硬化のために着色や、耐熱性や耐光性を損なったりするため、好ましくない。
【0104】
光酸発生剤は用途に応じて、効果を損なわない範囲で有機溶媒に溶解させて使用してもよい。溶媒としては使用する光酸発生剤を均一に溶解させ、大気圧下における沸点が30℃から250℃であるものが好ましい。
【0105】
具体的にはn−ペンタン、i−ペンタン、n−ヘキサン、i−ヘキサン、n−ヘプタン、i−ヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−オクタン、i−オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n−プロピルベンセン、i−プロピルベンセン、ジエチルベンゼン、i−ブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ−i−プロピルベンセン、n−アミルナフタレン、トリメチルベンゼン、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、i−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、t−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、3−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6−ジメチルー4−ヘプタノール、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、フェニルメチルカルビノール、ジアセトンアルコール、クレゾール、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2,4−ヘプタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセリン、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−i−ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、ジアセトンアルコール、アセトフェノン、フェンチョン、エチルエーテル、i−プロピルエーテル、n−ブチルエーテル、n−ヘキシルエーテル、2−エチルヘキシルエーテル、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、ジオキサン、ジメチルジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エトキシトリグリコール、テトラエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジエチルカーボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n−ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸i−アミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドン、硫化ジメチル、硫化ジエチル、チオフェン、テトラヒドロチオフェン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,3−プロパンスルトン等を挙げることができる。これらは単独で使用してもよいし2種以上を併用することもできる。
【0106】
<組成物>
本発明においては、本発明の組成物は、活性エネルギー線照射により硬化し、硬化速度が非常に速く、また、熱履歴を抑えることができる。前記活性エネルギー線源としては、紫外線、電子線等が例示される。活性エネルギー線の強度、照射時間は、用途や生産工程に合わせて、任意に設定されるが、活性エネルギー線照射のみで硬化が不十分な場合は、その後のアニールにより、さらに硬化を進行させてもよい。
【0107】
本発明に用いるポリシロキサン系組成物には、上記必須成分に加え、任意成分として本発明の効果を妨げない範囲で、必要に応じ増量剤として粉砕石英、炭酸カルシウム、カーボンなどの充填剤を添加してもよい。また、本発明のポリシロキサン系組成物には、必要に応じて着色剤、耐熱性向上剤などの各種添加剤や反応制御剤、離型剤あるいは充填剤用分散剤などを任意で添加することができる。この充填剤用分散剤としては、例えば、ジフェニルシランジオール、各種アルコキシシラン、カーボンファンクショナルシラン、シラノール基含有低分子量シロキサンなどが挙げられる。
【0108】
本発明のポリシロキサン系組成物には、任意成分として効果を損なわない範囲で用途に応じて水を添加してもよい。
【0109】
本発明のポリシロキサン系組成物を難燃性、耐火性にするために二酸化チタン、炭酸マンガン、Fe
2O
3、フェライト、マイカ、ガラス繊維、ガラスフレークなどの公知の添加剤を添加してもよい。なお、これら任意成分は、本発明の効果を損なわないように最小限の添加量に止めることが好ましい。
【0110】
本発明に用いるポリシロキサン系組成物は、上記した成分をロール、バンバリーミキサー、ニーダーなどの混練機を用いたり、遊星式攪拌脱泡機を用いて均一に混合し、必要に応じ加熱処理を施したりすることにより得ることができる。
【0111】
本発明のポリシロキサン系組成物は、成形体として使用することができる。成形方法としては、押出成形、圧縮成形、ブロー成形、カレンダー成形、真空成形、発泡成形、射出成形、液状射出成形、注型成形などの任意の方法を使用することができる。本発明によるポリシロキサン系組成物から得られる成形体は、耐熱性、耐光性に優れ、400nm程度の近紫外領域の波長の光に対しても、高い透明性を発現する。
【0112】
本発明のポリシロキサン系組成物は、光学材料用組成物として用いることができる。ここで言う光学材料とは、可視光、赤外線、紫外線、X線、レーザーなどの光をその材料中を通過させる用途に用いる材料一般を指す。本発明において得られる組成物の具体的な用途としては、例えば以下のものが挙げられる。
【0113】
ディスプレイ材料分野では、
液晶表示装置周辺材料における基板材料、カラーフィルター、ブラックマトリックス、導光板、プリズムシート、偏向板、位相差板、視野角補正フィルム、接着剤、パッシベーション膜、偏光子保護フィルム。
【0114】
カラーPDP(プラズマディスプレイ)における封止剤、反射防止フィルム、光学補正フィルム、ハウジング材、前面ガラスの保護フィルム、前面ガラス代替材料、カラーフィルター、接着剤、パッシベーション膜。
【0115】
LED表示装置に使用されるLED素子におけるモールド材、前面ガラスの保護フィルム、前面ガラス代替材料、接着剤、カラーフィルター、パッシベーション膜。
【0116】
プラズマアドレス液晶(PALC)ディスプレイにおける基板材料、カラーフィルター、導光板、プリズムシート、偏向板、位相差板、視野角補正フィルム、接着剤、パッシベーション膜、偏光子保護フィルム。
【0117】
有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイにおける前面ガラスの保護フィルム、カラーフィルター、前面ガラス代替材料、接着剤、パッシベーション膜。
【0118】
フィールドエミッションディスプレイ(FED)における各種フィルム基板、カラーフィルター、前面ガラスの保護フィルム、前面ガラス代替材料、接着剤、パッシベーション膜。
【0119】
プロジェクションテレビの投射レンズ、保護フィルム、封止剤、接着剤などが例示される。光センシング機器のレンズ用材料、封止剤、接着剤、フィルム。
【0120】
等の用途が例示される。
【0121】
光記録分野では、VD(ビデオディスク)、CD/CD−ROM、CD−R/RW、DVD−R/DVD−RAM、MO/MD、PD(相変化ディスク)、光カード用のディスク基板材料、ピックアップレンズ、保護フィルム、封止剤、接着剤等の用途が例示される
。
【0122】
光学機器分野では、スチールカメラのレンズ用材料、ファインダプリズム、ターゲットプリズム、ファインダーカバー、受光センサー部が例示される。また、ビデオカメラの撮影レンズ、ファインダー等の用途が例示される。
【0123】
光部品分野では、光通信システムでの光スイッチ周辺のファイバー材料、レンズ、導波路、素子の封止剤、接着剤などが例示される。光コネクタ周辺の光ファイバー材料、フェルール、封止剤、接着剤などが例示される。光受動部品、光回路部品ではレンズ、導波路、LED素子の封止剤、接着剤などが例示される。光電子集積回路(OEIC)周辺の基板材料、ファイバー材料、素子の封止剤、接着剤等の用途が例示される。
【0124】
光ファイバー分野では、装飾ディスプレイ用照明・ライトガイドなど、工業用途のセンサー類、表示・標識類など、また通信インフラ用および家庭内のデジタル機器接続用の光ファイバー等の用途が例示される。
【0125】
半導体集積回路周辺材料分野では、層間絶縁膜、LSI、超LSI材料用のマイクロリソグラフィー用のレジスト材料等の用途が例示される。
【0126】
自動車・輸送機分野では、自動車用のランプリフレクタ、ベアリングリテーナー、ギア部分、耐蝕コート、スイッチ部分、ヘッドランプ、エンジン内部品、電装部品、各種内外装品、駆動エンジン、ブレーキオイルタンク、自動車用防錆鋼板、インテリアパネル、内装材、保護・結束用ワイヤーネス、燃料ホース、自動車ランプ、ガラス代替品等の用途が例示される。
【0127】
また、鉄道車輌用の複層ガラス等の用途が例示される。また、航空機の構造材の靭性付与剤、エンジン周辺部材、保護・結束用ワイヤーネス、耐蝕コート等の用途が例示される。
【0128】
建築分野では、内装・加工用材料、電気カバー、シート、ガラス中間膜、ガラス代替品、太陽電池周辺材料が例示される。農業用では、ハウス被覆用フィルム等の用途が例示される。
【0129】
次世代の光・電子機能有機材料としては、次世代DVD、有機EL素子周辺材料、有機フォトリフラクティブ素子、光−光変換デバイスである光増幅素子、光演算素子、有機太陽電池周辺の基板材料、ファイバー材料、素子の封止剤、接着剤等の用途が例示される。