(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
コンテンツを含むコンテンツデータをパケット化したコンテンツパケットとしてネットワーク上を伝送される、コンテンツの利用状況を管理するコンテンツ管理装置であって、
前記コンテンツパケットに含まれる、前記ネットワークにおけるパケットの伝送経路を示す情報として、パケットの送信元のアドレス情報を含む送信元情報と、パケットの伝送経路における中継点のアドレス情報を含む付加経路情報との、少なくともいずれかを含むパケット経路情報を取得する経路情報取得部と、
前記取得したパケット経路情報と、予め設定してあるコンテンツと経路との関連を示すコンテンツ−経路対応情報とに基づき、パケット経路情報に対応する特定のコンテンツを識別するコンテンツ識別部と、
を備えるコンテンツ管理装置。
コンテンツを含むコンテンツデータをパケット化したコンテンツパケットとしてネットワーク上を伝送される、コンテンツの利用状況を管理するコンテンツ管理装置におけるコンテンツ管理方法であって、
前記ネットワークを伝送されたコンテンツパケットを参照し、前記コンテンツパケットに含まれる、前記ネットワークにおけるパケットの伝送経路を示す情報として、パケットの送信元のアドレス情報を含む送信元情報と、パケットの伝送経路における中継点のアドレス情報を含む付加経路情報との、少なくともいずれかを含むパケット経路情報を取得するステップと、
前記取得したパケット経路情報と、予め設定してあるコンテンツと経路との関連を示すコンテンツ−経路対応情報とに基づき、パケット経路情報に対応する特定のコンテンツを識別するステップと、
を有するコンテンツ管理方法。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下の実施形態では、インターネット(Internet)等のWAN(Wide Area Network)、固定電話網または移動体通信網などの公衆回線網、ケーブルTVまたはデジタル放送等のデジタル通信が可能な放送網、専用回線による通信網、特定の事業者等におけるイントラネット(Intranet)、各拠点のLAN(Local Area Network)等、有線または無線の各種ネットワークの少なくともいずれかを含むネットワークにおいて、コンテンツ管理システムを構成した場合の構成例及びその動作を示す。本実施形態において用いるネットワークでは、IP(Internet Protocol)等の汎用プロトコルを利用したパケット通信が可能であるものとする。ここでは、一例として一般に普及しているIPネットワークを想定して説明するが、他のプロトコルを利用するネットワークに応用することは可能である。
【0019】
[基本構成例]
図1は本発明の実施形態に係るコンテンツ管理システムの第1の構成例を示す構成図である。本実施形態のコンテンツ管理システムは、コンテンツを配信するコンテンツ配信装置11と、配信されたコンテンツを受信して再生するコンテンツ再生装置12と、コンテンツの利用状況等を管理するコンテンツ管理装置15とを備え、これらがネットワーク10に接続されている。
【0020】
コンテンツ配信装置11は、プロセッサ、メモリ等を有するコンピュータ等の情報処理装置からなるサーバ装置等によって構成され、デジタルデータのコンテンツを含むコンテンツデータを、ネットワーク10を介してコンテンツ再生装置12に対して配信する。コンテンツ配信装置11は、コンテンツデータを格納するストレージ装置を備えていてもよいし、他のストレージ装置にコンテンツデータを格納しておき、コンテンツ配信装置11が対象のコンテンツデータを適宜読み出して配信するようにしてもよい。コンテンツ配信装置11の機能構成及び動作の詳細については後述する。コンテンツ配信装置11は、コンテンツの作成者または権利者、ネットワークまたは通信回線への接続サービスを提供する通信業者またはネットワークプロバイダ、コンテンツに関する各種サービスを提供するサービスプロバイダなど、ネットワーク上の各拠点においてコンテンツ配信を管理する管理者によって運用可能である。
【0021】
ここで、コンテンツは、音楽、動画、静止画、テキスト等を表現するものであり、デジタルデータとして伝送可能なもの(デジタルコンテンツ)を想定する。コンテンツデータは、表現対象のデータ本体だけでなく、データ本体とその再生機能等を持つプログラムを含むコンテンツ、或いは、ゲームソフトウェア等のプログラム、もしくは他のアプリケーションのプログラム等のプログラムが主体となるコンテンツ等を含むものとする。
【0022】
コンテンツ再生装置12は、パーソナルコンピュータ(PC)、携帯電話端末、スマートフォン、携帯情報端末、ゲーム端末、音楽再生端末、デジタル録画装置、デジタル放送対応テレビ、デジタル放送用セットトップボックスなどの通信機能を持つ各種電子機器により構成される。なお、コンテンツ再生装置の代わりにコンテンツ受信装置を設けて、配信されたコンテンツの受信を行い、他の再生装置によってコンテンツの再生を行うような構成とすることも可能である。
【0023】
コンテンツ管理装置15は、プロセッサ、メモリ等を有するコンピュータ等の情報処理装置によって構成され、デジタルデータのコンテンツの利用状況の取得及び蓄積、著作権管理等のコンテンツ管理処理を行うものである。コンテンツ管理装置15の機能構成及び動作の詳細については後述する。このコンテンツ管理装置15は、ネットワークを接続するゲートウェイ、ルータ、ファイアウォール、アクセス管理サーバ、中継サーバなどにおいて構成可能である。よって、コンテンツ管理装置15は、コンテンツの作成者または権利者、ネットワークまたは通信回線への接続サービスを提供する通信業者またはネットワークプロバイダ、コンテンツに関する各種サービスを提供するサービスプロバイダなど、ネットワーク上の各拠点においてコンテンツ伝送を管理する管理者によって運用可能である。
【0024】
このコンテンツ管理装置15は、コンテンツ配信装置11と同一の管理者が運用してもよいし、他の管理者が運用することも可能である。コンテンツ管理装置15は、ネットワーク10上の複数箇所に設けるようにしてもよい。なお、コンテンツ管理装置15の機能の一部または全部を、コンテンツ利用者側のコンテンツ再生装置、コンテンツ受信装置等において設けるようにすることも可能である。
【0025】
ネットワーク10は、上述したように、インターネット等のWAN、固定電話網または移動体通信網などの公衆回線網、ケーブルTVまたはデジタル放送等のデジタル通信が可能な放送網、専用回線による通信網、各拠点のLAN等、有線または無線の各種ネットワークの少なくともいずれかを含むものとする。このネットワーク10は、パケット通信が可能であり、そのためにIPパケットを伝送するIPネットワークを構成可能となっている。例えば、インターネットまたは携帯電話網を利用した音楽、動画、写真、イラスト、文章等のコンテンツのダウンロード配信またはストリーミング配信、各種通信網を利用したブロードキャスト用の番組の一斉配信またはオンデマンド配信などを実施するシステムに適用可能である。
【0026】
コンテンツ配信装置11から送信されたコンテンツデータ30は、コンテンツデータを含めてパケット化したコンテンツパケット31としてネットワーク10を伝送され、コンテンツ再生装置12まで到達して受信される。コンテンツパケット31は、本実施形態ではネットワークのOSI(Open Systems Interconnection)参照モデルのアプリケーション層等の上位階層に対して下位に位置する階層、具体的には、第3層(ネットワーク層)、第4層(トランスポート層)におけるパケットを想定する。すなわち、コンテンツパケット31は、IPネットワークの例ではネットワーク層のIPパケットを基本構成とし、トランスポート層のTCP(Transmission Control Protocol)を利用したTCP/IPの通信、或いは、UDP(User Datagram Protocol)を利用したUDP/IPの通信等によって伝送されるパケットである。なお、上位階層のセッション層からアプリケーション層においては、各種のプロトコルに応じたコンテンツデータの通信が可能である。このコンテンツデータを下位階層のトランスポート層においてTCPまたはUDPのパケットとしてカプセル化し、ネットワーク層においてIPパケットとして伝送するようになっている。また、ネットワーク10において、IPsec(Security Architecture for Internet Protocol)を用いて所定のノード間を暗号化した通信経路を形成して暗号化通信を行うシステム、IPパケットのペイロードのデータを暗号化して伝送するシステムなどにも適用可能である。
【0027】
コンテンツパケット31は、ヘッダ部32とペイロード部33とを有して構成される。本実施形態では、コンテンツパケット31のヘッダ部32にパケット経路情報34を含めるものとする。パケット経路情報34は、ネットワーク10におけるパケットの伝送経路を示す、パケットの送信元と中継点のうちの少なくとも一つのアドレス情報を含むものであり、IPネットワークの例では送信元、中継点のIPアドレスが一つ以上格納される。このパケット経路情報34には、ネットワーク10上のコンテンツパケット31の少なくとも一つの中継点のアドレス情報を含めるようにしてもよいし、送信元と中継点のアドレス情報を含めてもよい。また、パケット経路情報34は、コンテンツパケット31が通過したネットワーク上のノードの履歴として、アドレス情報の順列を持つようにしてもよい。IPネットワークの例では、送信元、中継点、送信先のアドレス情報として、IPアドレス及びポートの情報が用いられる。よって、アドレス情報にはIPアドレスとともにポートの情報を用いてもよい。IPアドレスは、ネットワーク構成に応じて、グローバルIPアドレスまたはプライベートIPアドレスが適宜用いられる。なお、送信元、中継点、送信先のアドレス情報として、MAC(Media Access Control)アドレスを用いることも可能である。
【0028】
本実施形態のコンテンツ管理システムでは、コンテンツパケット31のパケット経路情報34を用い、コンテンツ管理装置15において、パケットの伝送経路とコンテンツとを関連付けた対応情報(コンテンツ−経路対応情報)に基づいてコンテンツを識別する。パケットの伝送経路とコンテンツとを関連付けておくことによって、特定の経路を通ったコンテンツパケット31は特定のコンテンツであるとみなすことが可能である。したがって、特定のパケット経路情報34を持つコンテンツパケット31は特定のコンテンツであるとみなし、このコンテンツパケット31の伝送により特定のコンテンツが伝送されたことを認識する。つまり、ネットワークを経由したコンテンツの伝送において、コンテンツパケット≒コンテンツデータ(IPネットワークの例ではIPパケット≒コンテンツデータ)と仮定し、コンテンツパケットの伝送経路及び伝送量を取得、判別することで、コンテンツの管理を行う。
【0029】
[パケットの構成例]
図2は本発明の実施形態において用いられるコンテンツパケット31のパケット構成の例を示す図である。コンテンツパケット31のヘッダ部32には、当該パケットのID情報35、送信元情報36、送信先情報37、付加経路情報38が格納される。送信元情報36はコンテンツパケット31の送信元のアドレス情報であり、送信先情報37はコンテンツパケット31の送信先(宛先)のアドレス情報である。付加経路情報38は、パケットの伝送経路における中継点のアドレス情報を含む経路情報である。この付加経路情報38は、実際にパケットが伝送された伝送経路を示す実伝送経路情報、パケットの伝送経路を指定する指定経路情報、パケットの伝送経路を指示するための経路制御情報のうちの、少なくともいずれかを含むものである。ここで、コンテンツパケット31における、送信元情報36と付加経路情報38の少なくともいずれかが上記のパケット経路情報34として用いられるものとする。なお、付加経路情報38には送信元のアドレス情報を含むことも可能であるので、パケット経路情報34としては、付加経路情報38のみを用いるようにしてもよい。
【0030】
コンテンツパケット31のペイロード部33には、コンテンツ本体のコンテンツデータ39が格納される。なお、コンテンツデータ39には、DRM(Digital Rights Management)を始めとした著作権管理用の著作権管理情報等を付加し、ネットワークの上位階層のプロトコルまたはプログラムによって著作権管理等を行うことも可能である。この場合、本実施形態の経路情報を用いたコンテンツ管理と、管理情報を用いた上位階層のプロトコルまたはプログラムによる著作権管理等のコンテンツ管理とを併用するシステムを適宜構成可能である。
【0031】
上記のようなパケット経路情報34を用いる代わりに、コンテンツパケット31のヘッダ部32においてコンテンツのID情報を格納する方法も考えられる。しかし、このように任意の情報をパケットのヘッダ部に格納した場合、通信経路全体において格納情報が保持される保証は無く、コンテンツの識別が不可能な場合がある。また、ヘッダ部のID情報とペイロード部のコンテンツ本体の中身との対応が必ずしも保証されないので、コンテンツ識別結果の信頼性が低下する場合がある。
【0032】
図3は本実施形態に係るコンテンツパケットの第1例として、IPv4のIPパケットに適用したパケット構成の例を示す図である。第1例のIPパケット51は、IPv4に対応するものであり、ヘッダ部52において、バージョン番号、ヘッダ長、サービスタイプ、パケット長、識別子、フラグ、フラグメントオフセット、TTL、プロトコル番号、ヘッダチェックサムの各情報を有している。また、ヘッダ部52には、送信元IPアドレス56、宛先IPアドレス57が格納され、ヘッダ部52のオプションフィールド59において、付加経路情報54が格納される。なお、オプションフィールド59を使用する場合に、ヘッダ部52の長さが32ビットの整数倍にならない場合はビット数調整用の可変長のパディングフィールドが付加される。IPパケット51のペイロード部53には、コンテンツのデータを含むデータ本体58が格納される。このようなIPv4のパケットフォーマットは、RFC 791等において規定されている。オプションフィールド59には、パケットの経路を予め指定する指定経路情報を付加したり、パケットの伝送経路を指示し経路制御を行うための経路制御情報を付加したり、実際にパケットが伝送された実伝送経路情報を記録することが可能になっている。本実施形態では、このオプションフィールド59を用いて付加経路情報54を付加し、オプションフィールド59に格納された付加経路情報54を参照してパケット経路情報を取得し、特定のコンテンツを識別する。付加経路情報54において、パケットの伝送経路の情報とパケットの経路制御の情報とを併用することによって、任意の経路とコンテンツとを関連付けることも可能である。
【0033】
図4は本実施形態に係るコンテンツパケットの第2例として、IPv6のIPパケットに適用したパケット構成の例を示す図である。第2例のIPパケット61は、IPv6に対応するものであり、ヘッダ部62において、バージョン番号、トラフィッククラス、フローラベル、ペイロード長、ネクストヘッダ、最大ホップ数の各情報を有している。また、ヘッダ部62には、送信元IPアドレス66、宛先IPアドレス67が格納され、ヘッダ部62の拡張ヘッダ69において、付加経路情報64が格納される。IPパケット61のペイロード部63には、コンテンツのデータを含むデータ本体68が格納される。このようなIPv6のパケットフォーマットは、RFC 2460等において規定されている。IPv6では、IPv4のオプションフィールドの代わりに、オプション用の拡張ヘッダを設けている。拡張ヘッダ69には、ホップバイホップ・オプションヘッダ、ルーティングヘッダ、ディスティネーション・オプションヘッダなどの各種情報を付加できるようになっている。本実施形態では、この拡張ヘッダ69を用いて付加経路情報64を付加し、拡張ヘッダ69に格納された付加経路情報64を参照してパケット経路情報を取得し、特定のコンテンツを識別する。例えば、ルーティングヘッダに予め所定の経路を示す指定経路情報を格納してパケットの経路を指定したり、パケットの伝送経路を指示して経路制御を行うための経路制御情報を格納したり、実際にパケットが伝送された実伝送経路情報を記録し、任意または特定のノードで参照可能なようにする。或いは、ホップバイホップ・オプションヘッダまたはディスティネーション・オプションヘッダに所定の指定経路情報を格納したり、実伝送経路情報を記録し、経路上の任意または特定のノードで参照可能なようにしてもよい。付加経路情報64において、パケットの伝送経路の情報とパケットの経路制御の情報とを併用することによって、任意の経路とコンテンツとを関連付けることも可能である。
【0034】
[他の構成例]
図5は本発明の実施形態に係るコンテンツ管理システムの第2の構成例を示す構成図である。第2の構成例は、コンテンツ中継装置の機能を持つ中継装置16を介してコンテンツデータ30を伝送する場合の例を示している。第1のネットワーク10と第2のネットワーク20とが中継装置16を介して接続され、コンテンツ配信装置11から配信されたコンテンツデータ30が第1のネットワーク10、中継装置16、第2のネットワーク20を経由してコンテンツ再生装置12に伝送される。中継装置16には、コンテンツ管理装置15が接続される。ここで、上記第1の構成例と同様の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。なお、
図5では説明のために2つのネットワーク10、20を示しているが、1つのネットワーク上に中継装置16が設けられる構成、3つ以上のネットワークを経由してコンテンツデータ30が伝送される構成などにおいても、同様に適用可能である。
【0035】
中継装置16は、コンテンツ配信装置11から送信されたコンテンツデータ30を中継し、コンテンツ再生装置12に対して送信するものである。中継装置16は、コンテンツデータ30の中継の際に、コンテンツパケットのパケット経路情報を参照する、自装置の中継点のアドレス情報をパケット経路情報に付加する、等の処理を行う。中継装置16の機能構成及び動作の詳細については後述する。この中継装置16は、ネットワークを接続するゲートウェイ、ルータ、ファイアウォール、アクセス管理サーバ、中継サーバなどにおいて構成可能である。よって中継装置16は、コンテンツの作成者または権利者、ネットワークまたは通信回線への接続サービスを提供する通信業者またはネットワークプロバイダ、コンテンツに関する各種サービスを提供するサービスプロバイダなど、ネットワーク上の各拠点の中継点においてコンテンツ中継を管理する管理者によって運用可能である。また、中継装置16は、コンテンツ配信装置11、コンテンツ管理装置15と同一の管理者が運用してもよい。
【0036】
ここで、コンテンツ配信装置11から送信され、第1のネットワーク10を伝送される中継前のコンテンツパケット31Aは、ヘッダ部32Aにパケット経路情報34Aが含まれているものとする。そして、中継装置16が自装置のアドレス情報をパケット経路情報に付加することで、中継後のコンテンツパケット31Bには、ヘッダ部32Bに中継装置16のアドレス情報(中継点情報)を含むパケット経路情報34Bが格納される。コンテンツ管理装置15は、中継装置16が参照したコンテンツパケット31Aのヘッダ部32Aのパケット経路情報34A、及び、中継装置16のアドレス情報に基づき、特定の経路に関連付けられたコンテンツを識別する。なお、コンテンツ管理装置15を第2のネットワーク20に設け、第2のネットワーク20を伝送される中継後のコンテンツパケット31Bのヘッダ部32Bのパケット経路情報34Bに基づいてコンテンツの識別を行うような構成も可能である。また、コンテンツ管理装置15は、ネットワーク上の複数箇所に設けるようにしてもよい。なお、コンテンツ管理装置15の機能の一部または全部を、コンテンツ利用者側のコンテンツ再生装置、コンテンツ受信装置等において設けるようにすることも可能である。
【0037】
このように中継装置16によってコンテンツパケット31にパケット経路情報34を付加し、中継装置16の位置、またはこれより下流側の位置のコンテンツ管理装置15によってパケット経路情報34を取得してコンテンツの識別を行うことができる。
【0038】
図6は本発明の実施形態に係るコンテンツ管理システムの第3の構成例を示す構成図である。第3の構成例は、コンテンツ配信時に予めパケット経路情報が付与されていない場合の例を示している。
図5に示した第2の構成例と同様、第1のネットワーク10と第2のネットワーク20とが中継装置16を介して接続され、コンテンツ配信装置11から配信されたコンテンツデータ30が第1のネットワーク10、中継装置16、第2のネットワーク20を経由してコンテンツ再生装置12に伝送される。コンテンツ管理装置15は、第2のネットワーク20に設けられる。ここで、上記第1、第2の構成例と同様の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。なお、
図6では説明のために2つのネットワーク10、20を示しているが、1つのネットワーク上に中継装置16が設けられる構成、3つ以上のネットワークを経由してコンテンツデータ30が伝送される構成などにおいても、同様に適用可能である。また、コンテンツ管理装置15は、ネットワーク上の複数箇所に設けるようにしてもよい。なお、コンテンツ管理装置15の機能の一部または全部を、コンテンツ利用者側のコンテンツ再生装置、コンテンツ受信装置等において設けるようにすることも可能である。
【0039】
中継装置16は、コンテンツ配信装置11から送信されたコンテンツデータ30を中継し、コンテンツ再生装置12に対して送信するものである。中継装置16は、コンテンツデータ30の中継の際に、自装置の中継点のアドレス情報をパケット経路情報に付加する、等の処理を行う。
【0040】
ここで、コンテンツ配信装置11から送信され、第1のネットワーク10を伝送される中継前のコンテンツパケット31Aは、ヘッダ部32Aにパケット経路情報が含まれていないものとする。そして、中継装置16が自装置のアドレス情報をヘッダ部にパケット経路情報として付加することで、中継後のコンテンツパケット31Bには、ヘッダ部32Bに中継装置16のアドレス情報(中継点情報)を含むパケット経路情報34Bが格納される。コンテンツ管理装置15は、第2のネットワーク20を伝送される中継後のコンテンツパケット31Bのヘッダ部32Bのパケット経路情報34Bに基づき、特定の経路に関連付けられたコンテンツを識別する。
【0041】
図7は本発明の実施形態に係るコンテンツ管理システムの第4の構成例を示す構成図である。第4の構成例は、複数の中継装置を設けた場合の例を示している。コンテンツ配信装置11は中継装置16を介して第1のネットワーク10と接続される。そして、第1のネットワーク10と第2のネットワーク20とが中継装置17を介して接続され、コンテンツ配信装置11から配信されたコンテンツデータ30が中継装置16、第1のネットワーク10、中継装置17、第2のネットワーク20を経由してコンテンツ再生装置12に伝送される。コンテンツ管理装置15は、第2のネットワーク20に設けられる。ここで、上記第1〜第3の構成例と同様の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。なお、
図7では説明のために2つのネットワーク10、20を示しているが、1つのネットワーク上に複数の中継装置16、17が設けられる構成、3つ以上の中継装置が設けられる構成、3つ以上のネットワークを経由してコンテンツデータ30が伝送される構成などにおいても、同様に適用可能である。また、コンテンツ管理装置15は、ネットワーク上の複数箇所に設けるようにしてもよい。なお、コンテンツ管理装置15の機能の一部または全部を、コンテンツ利用者側のコンテンツ再生装置、コンテンツ受信装置等において設けるようにすることも可能である。
【0042】
中継装置16、17は、コンテンツ配信装置11から送信されたコンテンツデータ30を中継し、コンテンツ再生装置12に向けて送信するものである。中継装置16、17は、コンテンツデータ30の中継の際に、自装置の中継点のアドレス情報をパケット経路情報に付加する、等の処理を行う。この第4の構成例では、コンテンツ配信時に予めパケット経路情報が付与されている場合、パケット経路情報が付与されていない場合のいずれも含めて適用可能である。
【0043】
コンテンツ配信装置11から送信されたコンテンツデータ30に対して、中継装置16が自装置のアドレス情報をパケット経路情報に付加することで、中継後の第1のネットワーク10を伝送されるコンテンツパケット31Aには、ヘッダ部32Aに中継装置16のアドレス情報(第1の中継点情報)を含むパケット経路情報34Aが格納される。そして、中継装置17が自装置のアドレス情報をパケット経路情報に付加することで、中継後の第2のネットワーク20を伝送されるコンテンツパケット31Bには、ヘッダ部32Bに中継装置17のアドレス情報(第2の中継点情報)をさらに含むパケット経路情報34Bが格納される。コンテンツ管理装置15は、第2のネットワーク20を伝送されるコンテンツパケット31Bのヘッダ部32Bのパケット経路情報34Bに基づき、特定の経路に関連付けられたコンテンツを識別する。
【0044】
このように複数の中継装置16、17によってコンテンツパケット31にパケット経路情報34を付加し、中継装置17の位置、またはこれより下流側の位置のコンテンツ管理装置15によってパケット経路情報34を取得してコンテンツの識別を行うことができる。また、多数の中継装置を設けることで、パケット経路情報の判定精度を向上でき、コンテンツデータの管理をより精密に行うことができる。
【0045】
図8は本発明の実施形態に係るコンテンツ管理システムの第5の構成例を示す構成図である。第5の構成例は、コンテンツ配信装置11とコンテンツ再生装置12との間でピアトゥーピア接続を行う場合の例を示している。この場合、コンテンツ配信装置11は、コンテンツ再生装置12と同等の通信機能を持つ各種電子機器により構成されるものを含む。コンテンツデータ30は中継装置18を経由して伝送するものとする。コンテンツ配信装置11、中継装置18、コンテンツ再生装置12はネットワーク10に接続され、中継装置18にコンテンツ管理装置15が接続されている。ここで、コンテンツ配信装置11とコンテンツ再生装置12とはネットワーク10を介してピアトゥーピア接続され、両装置間で通信が可能となっている。コンテンツ配信装置11から配信されたコンテンツデータ30は、一旦中継装置18を経由し、コンテンツ再生装置12に伝送される。ここで、上記第1の構成例と同様の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。なお、
図8では説明のために1つのネットワーク10を示しているが、複数のネットワークを経由してコンテンツデータ30が伝送される構成などにおいても、同様に適用可能である。また、コンテンツ管理装置15は、ネットワーク上の複数箇所に設けるようにしてもよい。なお、コンテンツ管理装置15の機能の一部または全部を、コンテンツ利用者側のコンテンツ再生装置、コンテンツ受信装置等において設けるようにすることも可能である。
【0046】
中継装置18は、コンテンツ配信装置11から送信されたコンテンツデータ30を一旦中継し、コンテンツ再生装置12に対して送信するものである。中継装置18は、コンテンツデータ30の中継の際に、コンテンツパケットのパケット経路情報を参照する、自装置の中継点のアドレス情報をパケット経路情報に付加する、等の処理を行う。なお、中継装置は複数設けるようにしてもよい。また、中継装置18において必ずしも自装置の中継点のアドレス情報をパケット経路情報に付加しなくてもよい。この中継装置18は、ピアトゥーピア接続用の接続管理サーバまたは中継サーバ、ゲートウェイなどにおいて構成可能である。よって中継装置18は、コンテンツの作成者または権利者、ネットワークまたは通信回線への接続サービスを提供する通信業者またはネットワークプロバイダ、コンテンツに関する各種サービスを提供するサービスプロバイダなど、ネットワーク上の各拠点の中継点において中継点の管理者によって運用可能である。また、中継装置18は、コンテンツ配信装置11、コンテンツ管理装置15と同一の管理者が運用してもよい。
【0047】
コンテンツ配信装置11から送信され、第1のネットワーク10を伝送されるコンテンツパケット31は、中継装置18で中継され、ここで中継装置18が自装置のアドレス情報をヘッダ部のパケット経路情報に付加する。これにより、中継後のコンテンツパケット31には、ヘッダ部32に中継装置18のアドレス情報(中継点情報)を含むパケット経路情報34が格納される。コンテンツ管理装置15は、中継装置18が参照したコンテンツパケット31のヘッダ部32のパケット経路情報34、及び、中継装置18のアドレス情報に基づき、特定の経路に関連付けられたコンテンツを識別する。なお、コンテンツ管理装置15をネットワーク10上に設け、ネットワーク10を伝送される中継後のコンテンツパケット31のヘッダ部32のパケット経路情報34に基づいてコンテンツの識別を行うような構成も可能である。
【0048】
このようにピアトゥーピア接続で通信を行う場合においても、中継装置18を介して伝送することで、コンテンツ管理装置15によってパケット経路情報34を取得してコンテンツの識別を行うことができる。
【0049】
上記のような各構成例において、コンテンツ管理装置によってコンテンツパケットを捕捉し、コンテンツパケットのパケット経路情報を用いて経路に関連付けられたコンテンツを識別することによって、特定のコンテンツの伝送状況を検出し、把握することが可能である。ここで、コンテンツパケットの伝送量等、各コンテンツに対応する通信量を検出、蓄積することによって、特定のコンテンツの利用状況を把握することができる。
【0050】
[コンテンツとパケット経路情報との対応例]
次に、コンテンツとパケットの経路との関連付け、及びパケット経路情報に基づくコンテンツの識別について、具体例を挙げて説明する。
【0051】
図9は本発明の実施形態に係るコンテンツとパケットの経路との対応関係の第1例を示す図である。
図9では、3つのコンテンツX、コンテンツY、コンテンツZについて、それぞれのコンテンツデータを含むコンテンツパケットを異なる経路で伝送するものとし、各コンテンツと経路とを関連付けた例を示している。この場合、ネットワークにはルータまたは中継装置等からなるA、B、C、D、Fの中継点があり、それぞれが図示のように接続されているものとする。図示例では、説明を簡単にするために概念的な構成を示している。ここで、コンテンツXのパケットはA−C−D−Fの経路、コンテンツYのパケットはA−C−E−Fの経路、コンテンツZのパケットはB−C−D−Fの経路でそれぞれ伝送されるように、コンテンツとパケット経路情報との関連付けを設定する。
【0052】
各コンテンツを伝送するコンテンツパケットは、経路制御によってコンテンツ毎に異なる所定の経路を通過させるようにすることが可能である。例えば、コンテンツの権利者毎、作成者毎、配信者毎などで適宜分類分けを行い、送信元、所定区間の中継点などのアドレス情報を決定すればよい。コンテンツとパケット経路情報との関連付け方法として、コンテンツの識別情報を所定のビット数の情報で設定し、識別情報の各ビットと中継点のアドレス情報とを対応付けるなどして、コンテンツとパケット経路情報との対応関係を設定する方法などが一例として考えられる。
【0053】
図9の第1例では、パケット経路情報としてA−C−D−Fを含む場合、当該パケットがコンテンツXのコンテンツパケットであると判定できる。また、パケット経路情報としてA−C−E−Fを含む場合、当該パケットがコンテンツYのコンテンツパケットであると判定できる。また、パケット経路情報としてB−C−D−Fを含む場合、当該パケットがコンテンツZのコンテンツパケットであると判定できる。ここで、送信元または中継点としてAを含む場合は権利者Mのコンテンツ、送信元または中継点としてBを含む場合は権利者Nのコンテンツなどとして、コンテンツの分類に応じてパケット経路情報を設定することも可能である。このように、パケット経路情報におけるアドレス情報の組み合わせによって、複数のコンテンツを識別することができる。
【0054】
図10は本発明の実施形態に係るコンテンツとパケットの経路との対応関係の第2例を示す図である。
図10の第2例は、
図9に示した第1例の変形例であり、経路上の中継点の順番を異ならせた例である。
図10では、2つのコンテンツX、コンテンツYについて、各コンテンツと経路とを関連付けた例を示している。ここで、コンテンツXのパケットはA−C−D−E−Fの経路、コンテンツYのパケットはA−C−E−D−Fの経路でそれぞれ伝送されるように、コンテンツとパケット経路情報との関連付けを設定する。
【0055】
図10の第2例では、パケット経路情報としてA−C−D−E−Fを含む場合、当該パケットがコンテンツXのコンテンツパケットであると判定できる。また、パケット経路情報としてA−C−E−D−Fを含む場合、当該パケットがコンテンツYのコンテンツパケットであると判定できる。このように、パケット経路情報におけるアドレス情報に加えて、アドレス情報の順列によって、複数のコンテンツを識別することができる。
【0056】
[パケット経路情報の利用形態]
次に、本実施形態のコンテンツ管理システムにおけるパケット経路情報の利用形態の例をいくつか列挙する。ここではIPネットワークに適用した場合を例示する。
【0057】
(1)パケット経路情報として送信元情報のみを用いた利用形態
例えば、管理対象のコンテンツの種別、数があまり多くない場合、パケット経路情報として送信元情報のみを用いた利用形態が可能である。IPパケットの場合、送信元のIPアドレスとポートの組合せの種類によって、複数のパケット経路情報を設定し、各コンテンツと対応付けてコンテンツ−経路対応情報を設定すればよい。この場合、コンテンツ配信装置11では、配信するコンテンツに対応した送信元IPアドレス及びポートからコンテンツパケットを送信する。コンテンツ管理装置15では、パケット経路情報としてコンテンツパケットの送信元IPアドレス及びポートを取得し、コンテンツ−経路対応情報に基づいて特定の送信元IPアドレス及びポートに対応する特定のコンテンツを識別する。なお、パケットの送信元情報の代わりに、送信元のアドレス情報を持つ付加経路情報を用いるようにしてもよい。このように、送信元のアドレス情報を用いて、特定の送信元からのコンテンツパケットが特定のコンテンツであることを識別可能である。この場合、送信元のコンテンツ配信装置のみでコンテンツと経路の対応付けが可能であり、中継装置及び中継点の情報については特に考慮する必要が無い。よって、途中の中継点の経路に関わらず、パケット経路情報を用いたコンテンツの識別が可能となる。
【0058】
(2)パケット経路情報として付加経路情報のみを用いた利用形態
上記(1)とは反対に、パケット経路情報として付加経路情報のみを用いた利用形態とし、送信元に関わらず特定の中継点のアドレス情報によってコンテンツを識別することも可能である。この利用形態では、付加経路情報として中継点のアドレス情報のみを想定する。IPパケットの場合、1つまたは複数の中継点のIPアドレスとポートの組合せ、順列によって、複数のパケット経路情報を設定し、各コンテンツと対応付けてコンテンツ−経路対応情報を設定すればよい。この場合、コンテンツ配信装置11及び中継装置16において、コンテンツに対応した特定の経路を該当コンテンツパケットが通過するように、経路制御を行う。経路制御は、コンテンツパケットに設けた指定経路情報、経路制御情報によって行うこともできるし、中継装置16が持つ経路制御情報によって行うこともできる。また、コンテンツ配信装置11から中継装置16に対して、あるいは中継装置16から他の中継装置17に対して、制御信号、経路制御情報等を別途送信し、経路制御を行うことも可能である。コンテンツ管理装置15では、付加経路情報に格納されたコンテンツパケットの中継点のアドレス情報を取得し、コンテンツ−経路対応情報に基づいて特定の中継点に対応する特定のコンテンツを識別する。このように、中継点のアドレス情報を用いて、特定の中継点を経由したコンテンツパケットが特定のコンテンツであることを識別可能である。なお、ネットワーク構成、通信プロトコル、経路制御方法、コンテンツの種別などによって、単一のコンテンツに対して複数の経路が想定される場合、これらの複数の経路とコンテンツとを対応付けたコンテンツ−経路対応情報を用いればよい。
【0059】
(3)パケット経路情報として送信元情報及び付加経路情報を用いた利用形態
上記(1)と(2)を組み合わせて、パケット経路情報として送信元情報及び付加経路情報を用いた利用形態も可能である。この場合、より多様なコンテンツ−経路対応情報の設定が可能になる。なお、パケットの送信元情報の代わりに、付加経路情報に送信元と中継点のアドレス情報を含めて用いるようにしてもよい。この場合、コンテンツ配信装置11では、配信するコンテンツに対応した送信元IPアドレス及びポートからコンテンツパケットを送信する。そして、コンテンツ配信装置11及び中継装置16において、コンテンツに対応した特定の経路を該当コンテンツパケットが通過するように、経路制御を行う。コンテンツ管理装置15では、送信元情報及び付加経路情報参照してコンテンツパケットの送信元と中継点のアドレス情報を取得し、コンテンツ−経路対応情報に基づいて特定の送信元及び中継点に対応する特定のコンテンツを識別する。このように、送信元及び中継点のアドレス情報を用いて、特定の送信元から送信され、特定の中継点を経由したコンテンツパケットが特定のコンテンツであることを識別可能である。この場合、多種のコンテンツ−経路対応情報が可能であり、識別用の中継点のアドレス情報の数を増やすほど、コンテンツ識別結果の信頼性を高めることができる。なお、ネットワーク構成、通信プロトコル、経路制御方法、コンテンツの種別などによって、単一のコンテンツに対して複数の経路が想定される場合、これらの複数の経路とコンテンツとを対応付けたコンテンツ−経路対応情報を用いればよい。
【0060】
また、変形例として、コンテンツ配信装置11において配信するコンテンツに対応した特定の送信元IPアドレス及びポートからコンテンツパケットを送信するとともに、コンテンツ配信装置11の管理下にある中継装置によって特定の中継点を経由するようにコンテンツパケットを通過させる形態をとることもできる。例えば、コンテンツ配信装置11を含むイントラネットなどで実施可能である。この場合、コンテンツパケットのパケット経路情報として、配信側において送信元と初期段階の中継点のアドレス情報を設定して付与させることができる。したがって、コンテンツ配信装置11において送信元と中継点を含めたパケット経路情報を付与してコンテンツと経路の対応付けが可能である。このため、その先の中継点のアドレス情報を特に必要とすることなく、途中の中継点の経路に関わらず、パケット経路情報を用いたコンテンツの識別が可能となる。また、このような構成を用いることにより、例えばコンテンツ配信側の組織内などにおいて、コンテンツの利用状況の把握、管理等が可能になる。
【0061】
[各装置の構成及び動作例]
次に、本実施形態において用いるコンテンツ配信装置、中継装置、並びにコンテンツ管理装置の機能構成及び動作について例示する。以下では、IPv6のIPネットワークに適用した場合を想定した一例を説明する。
【0062】
図11は本発明の実施形態に係るコンテンツ配信装置の機能構成を示すブロック図である。コンテンツ配信装置70は、入出力インタフェース71、配信処理部72を有して構成される。入出力インタフェース71は、コンテンツ配信装置70をネットワークまたは中継装置と接続するインタフェースであり、コンテンツ配信装置70におけるデータの入出力を行うものである。入出力インタフェース71はIEEE 802.3規格などに対応するネットワークインタフェースであってもよい。配信処理部72は、プロセッサ、メモリ等を有してなるコンピュータにおいて所定のプログラムを実行することにより、コンテンツ配信に関する各機能を実現するもので、配信制御部73、経路情報設定部74を有している。
【0063】
配信制御部73は、対象のコンテンツデータ75を読み出して配信先のコンテンツ再生装置等へ配信するための制御を行うもので、所定の宛先に対してコンテンツデータ75を含むコンテンツパケットであるIPパケットを送信する。入出力インタフェース71は出力部として機能し、コンテンツパケットを含むIPパケットを出力する。経路情報設定部74は、予め設定してあるコンテンツ−経路対応情報76に基づき、コンテンツに対応する特定の経路を規定するための情報として、パケット経路情報を設定する。ここで、IPパケットのヘッダ部の送信元IPアドレスがパケット経路情報の一つとして利用可能である。また、パケットの伝送経路の中継点を示す指定経路情報、パケットの伝送経路を制御するための経路制御情報などの付加経路情報をパケット経路情報として設定する場合、IPパケットのヘッダ部の拡張ヘッダに付加経路情報を格納する。コンテンツ−経路対応情報76は、詳しくは後述するが、特定のコンテンツに対応付けて設定されたコンテンツ経路情報と、コンテンツを識別するためのID情報とを有し、これらを関連付けた情報である。なお、コンテンツ配信装置70において指定経路情報、経路制御情報などの付加経路情報を設定せず、中継装置において指定経路情報、経路制御情報を付与するようにしてもよい。
【0064】
例えば、第1のコンテンツ(権利者AのコンテンツA1)は第1の中継点を経由して配信されるように、また、第2のコンテンツ(権利者BのコンテンツB2)は第2の中継点を経由して配信されるように、それぞれコンテンツと経路とを対応付けておく。これにより、パケット経路情報を参照することによって各コンテンツを含むコンテンツパケットを識別できる。また、パケット経路情報として、複数のアドレス情報を組み合わせることによって、多数のコンテンツを区別することが可能である。さらに、パケット経路情報は、アドレス情報の組み合わせだけでなく、パケットが通過した中継点のアドレス情報の順番を含めるようにし、特定のアドレス情報とその順列によってコンテンツの識別を行うことも可能である。ここで、コンテンツデータ75、コンテンツ−経路対応情報76は、コンテンツ配信装置70内に設けたメモリまたはストレージに格納してもよいし、他のストレージ装置またはサーバ装置等に格納してもよいし、これらを併用する構成としてもよい。
【0065】
図12は本発明の実施形態に係る中継装置の機能構成を示すブロック図である。中継装置80は、ネットワークインタフェース81、82、通信制御部83を有して構成される。ネットワークインタフェース81、82は、中継装置80をネットワークと接続するインタフェースであり、IEEE 802.3規格などに対応するOSI参照モデルの第1層(物理層)、第2層(データリンク層)におけるデータの入出力を行うものである。通信制御部83は、プロセッサ、メモリ等を有してなるコンピュータにおいて所定のプログラムを実行することにより、通信制御に関する各機能を実現するもので、経路制御部84、経路情報付与部85を有している。
【0066】
経路制御部84は、コンテンツパケットを含む受信したIPパケットのヘッダ部を参照し、自装置に予め設定された経路制御情報と、IPパケットの宛先IPアドレス、ポート、拡張ヘッダの付加経路情報(経路制御情報、中継点を示す指定経路情報等)などのパケット経路情報とに基づき、所定の経路の宛先に対してIPパケットを送信する。なお、経路制御部84は、自装置に持っている経路制御情報とIPパケットのヘッダ部のパケット経路情報との少なくともいずれかによって経路制御を行うことも可能である。ネットワークインタフェース81、82は入出力部として機能し、コンテンツパケットを含むIPパケットを入出力する。
【0067】
経路情報付与部85は、IPパケットのヘッダ部の拡張ヘッダにおいて、自装置の中継点のアドレス情報(IPアドレス、ポートなど)を含む実伝送経路情報に相当する付加経路情報をパケット経路情報として付与する。なお、中継装置80において経路制御情報、指定経路情報等の付加経路情報を付与するようにしてもよい。また、ここで説明する中継装置80は、経路制御と経路情報付与の少なくともいずれかの機能を持つものとしているが、ネットワーク上には、宛先IPアドレスを参照して次のノードに転送する一般的なルータ機能を持つ中継装置が設けられていてもよい。
【0068】
図13は本発明の実施形態に係るコンテンツ管理装置の機能構成を示すブロック図である。コンテンツ管理装置90は、入出力インタフェース91、管理処理部92を有して構成される。入出力インタフェース91は、コンテンツ管理装置90を中継装置80またはネットワークと接続するインタフェースであり、コンテンツ管理装置90におけるデータの入出力を行うものである。入出力インタフェース91はIEEE 802.3規格などに対応するネットワークインタフェースであってもよい。管理処理部92は、プロセッサ、メモリ等を有してなるコンピュータにおいて所定のプログラムを実行することにより、コンテンツ管理に関する各機能を実現するもので、経路情報取得部93、コンテンツ識別部94、利用情報生成部95、著作権管理処理部96、利用者管理処理部97、コンテンツ経路管理処理部98を有している。
【0069】
経路情報取得部93は、コンテンツ配信装置70で設定したパケット経路情報、中継装置80で参照または付与したパケット経路情報などのIPパケットのヘッダ部のパケット経路情報を参照し、対象のIPパケットのパケット経路情報を取得する。或いは、経路情報取得部93は、自装置でネットワーク上に伝送されるコンテンツを含むパケット等のIPパケットのヘッダ部を参照し、対象のIPパケットのパケット経路情報を取得する。コンテンツ識別部94は、取得したパケット経路情報と、予め設定してあるコンテンツ−経路対応情報76とに基づき、パケット経路情報に対応する特定のコンテンツを識別する。ここで、コンテンツ−経路対応情報76は、コンテンツ管理装置90内に設けたメモリまたはストレージに格納してもよいし、他のストレージ装置またはサーバ装置等に格納してもよいし、これらを併用する構成としてもよい。
【0070】
図14はコンテンツ−経路対応情報の一例を示す図である。コンテンツ−経路対応情報は、特定のコンテンツに対応付けて設定されたコンテンツ経路情報111と、コンテンツを識別するID情報であるコンテンツID112とを有し、これらを関連付けたテーブル等の情報によって構成される。また、コンテンツ−経路対応情報は、各コンテンツに関する情報として、コンテンツ関連情報113、コンテンツデータサイズ114を有するものとしてもよい。コンテンツ経路情報111としては、「1234:5678::1234:0:0:9abc」等のIPアドレスと、「49152」等のポート番号とを有するものを用いる。これらの一つまたは複数のIPアドレス、ポートを含むアドレス情報に対応するコンテンツIDとして、「AB0001」等のID情報を割り当てて設定する。なお、ネットワーク構成などによって、単一のコンテンツに対して複数の経路が想定される場合、これらの複数の経路の各コンテンツ経路情報とコンテンツとを対応付けたコンテンツ−経路対応情報を設定すればよい。コンテンツ関連情報113は、コンテンツの作成者、タイトル、著作権情報などを含むものである。著作権情報は、各コンテンツの著作権に関する情報として、著作権の内容、権利者、使用料金などの情報が含まれる。コンテンツデータサイズ114は、各コンテンツのデータサイズの情報であり、データサイズをキロバイト単位などで格納する。
【0071】
コンテンツ識別部94は、上記のようなコンテンツ−経路対応情報76に基づき、経路情報取得部93で取得したパケット経路情報が特定のアドレス情報を含むものであるか否かを判定し、パケット経路情報に対応するコンテンツIDを抽出する。例えば、図示例では、IPパケットのパケット経路情報にIPアドレスとポートの組として「1234:5678::1234:0:0:9abc, 49152」、「5678:9abc::1234:0:0:0001, 49152」を含む場合、当該IPパケットはコンテンツID「AB0001」のコンテンツデータを含むコンテンツパケットであると識別できる。よって、特定経路のパケットの識別によって対応する特定のコンテンツが伝送されていることが判定できる。
【0072】
パケット経路情報の判定において、他の一般のパケットとの区別を容易にするために、例えばポート番号に動的/プライベートポート(DYNAMIC AND/OR PRIVATE PORTS)である49152〜65535を用いる、或いは特定のポート番号を定義するなど、各種の設定例が考えられる。また、コンテンツ配信装置、中継装置、コンテンツ管理装置などにおいて、コンピュータの仮想化技術を用いて、複数のネットワークインタフェース、コンピュータ等を仮想化して形成したものによって構成することも可能である。仮想化したネットワークインタフェース等にそれぞれIPアドレス、ポートを割り当てることによって、各装置毎にハードウェアを設ける必要がなく、複数の送信元及び中継点の配置、設定が容易にできる。これによって、パケット経路情報の柔軟な設定が可能になる。
【0073】
また、コンテンツ管理装置90の管理処理部92において、利用情報生成部95は、コンテンツ識別部94の識別結果に基づき、コンテンツ毎に、識別したコンテンツの利用量、利用時間などを示す情報を含む利用情報を生成し、コンテンツ利用情報99として格納する。ここで、コンテンツ利用情報99は、コンテンツ管理装置90内に設けたメモリまたはストレージに格納してもよいし、他のストレージ装置またはサーバ装置等に格納してもよいし、これらを併用する構成としてもよい。
【0074】
図15はコンテンツ利用情報の一例を示す図である。コンテンツ利用情報は、コンテンツID121に対応して、コンテンツ索引情報122、利用量123、時間情報124、著作権情報125等を有して構成される。コンテンツ索引情報122は、各コンテンツに関する情報であり、コンテンツIDに対応したコンテンツの作成者、タイトルなどの情報を含む。利用量123は、各コンテンツの配信数、情報量、使用回数、使用時間など、それぞれのコンテンツが利用された量を示す情報である。
図15の例では利用されたコンテンツの数(コンテンツ利用数)を示している。この利用量123は、コンテンツのデータサイズとパケットサイズとの関係などから求めることができる。例えば、コンテンツ利用数を求める場合、伝送されたコンテンツパケットの数とパケットサイズとを乗算したもの(パケット伝送量)を、当該コンテンツのコンテンツデータサイズ114で除算することで算出される。或いは、利用量123として各コンテンツに対応するパケット伝送量そのものを用いてもよい。時間情報124は、各コンテンツが配信された時間に関する情報、例えば、都度の伝送時刻(開始時刻、終了時刻など)、伝送にかかった時間、最終伝送時刻、累計時間などの情報である。この利用量123、時間情報124等のコンテンツ利用情報によって、コンテンツの利用状況を把握することが可能である。また、著作権情報125は、各コンテンツの著作権に関する情報であり、著作権管理処理部96において実行する著作権管理等に使用する。著作権情報125としては、著作権の内容、権利者、使用料金などの情報が用いられる。
【0075】
コンテンツ管理装置90の管理処理部92において、著作権管理処理部96は、コンテンツ識別部94の識別結果に基づき、識別したコンテンツの著作権管理に関する処理を実行する。例えば、著作権管理処理部96は、コンテンツ利用情報99を参照してコンテンツ毎の著作権管理の処理を実行する。著作権管理の処理として、例えば、各コンテンツの利用量123の情報を用いて、特定の著作権に対応するコンテンツが利用された利用量を示す情報を生成する処理、利用量に応じた著作権料に対応する使用料金を算出する処理などを行う。また、著作権管理処理部96は、コンテンツ利用情報99を用いて、ネットワークの上位階層のプロトコルまたはプログラムによる著作権管理処理を行うことも可能である。この場合、正規の利用者の認証、コンテンツの利用制限などに関する処理を実行する。
【0076】
また、コンテンツ管理装置90の管理処理部92において、利用者管理処理部97は、コンテンツ識別部94の識別結果に基づき、識別したコンテンツに対する利用者の管理に関する処理を実行する。利用者管理処理として、例えば、パケット経路情報と利用者のID情報とを対応付けた利用者−経路対応情報を格納しておき、パケット経路情報に対応する利用者を識別する。これによって、コンテンツ再生装置側の利用者の認証、利用者毎のコンテンツの配信制御などの処理が可能である。また、上記のコンテンツ利用情報と同様にして、利用者毎のコンテンツの利用量の取得、コンテンツ使用料金の算出、などの処理を行うことも可能である。
【0077】
また、コンテンツ管理装置90の管理処理部92において、コンテンツ経路管理処理部98は、パケット経路情報に基づいた配信制御処理を行う。この際、コンテンツ−経路対応情報76において、コンテンツ管理情報としてのコンテンツ本体のID情報と、特定のコンテンツに対応付けて設定されたコンテンツ経路情報とを含めて持つようにしておく。コンテンツ経路管理処理部98は、コンテンツパケットのペイロード部のコンテンツデータを読み込んで識別したコンテンツ本体のID情報と、ヘッダ部のパケット経路情報とを対にして参照する。そして、コンテンツ経路管理処理部98は、コンテンツ本体のID情報に対応するコンテンツ経路情報と、コンテンツパケットのパケット経路情報との一致により、コンテンツの正当性を判定する。ここで、所定のコンテンツ経路情報と異なるパケット経路情報を持つコンテンツパケットは、正規のルートを経由したコンテンツではないと判断する。識別したコンテンツのパケット経路情報がコンテンツ本体のID情報に対応するコンテンツ経路情報と一致しない場合、中継装置などにおいて該当するコンテンツの伝送を制限する等の処理を行う。このように、パケット経路情報に基づいた配信制御処理を行うことで、コンテンツの利用制限などの管理処理が可能である。上記のコンテンツ経路管理処理部98の例のように、本実施形態の経路情報を用いたコンテンツ管理処理と、コンテンツ管理情報を用いた上位階層のプロトコルまたはプログラムによるコンテンツ識別、著作権管理等のコンテンツ管理処理とを組み合わせて、コンテンツ管理を行うことも可能である。
【0078】
次に、本実施形態のコンテンツ管理装置90によるコンテンツ管理に関する各種処理の手順について述べる。
【0079】
図16は本実施形態に係るコンテンツ管理装置におけるコンテンツ識別及び利用情報生成に関する処理の手順を示すフローチャートである。コンテンツ管理装置90の管理処理部92において、経路情報取得部93により、対象のIPパケットのヘッダ部のパケット経路情報を参照し、IPパケットのパケット経路情報を取得する(ステップS11)。そして、コンテンツ識別部94により、取得したパケット経路情報と、コンテンツ−経路対応情報76とに基づき、パケット経路情報に対応する特定のコンテンツであるかどうかを識別する(ステップS12)。次に、利用情報生成部95により、該当するコンテンツに関する利用情報を生成し、コンテンツ利用情報99として自装置または他装置のストレージ等に書き込む(ステップS13)。
【0080】
さらに利用情報生成部95は、コンテンツ利用情報99として、例えばコンテンツ毎の利用量123に基づきコンテンツの利用ランキングを生成することができる。ここで、利用量としては所定の期間内(一週間等)におけるコンテンツ利用数を使用することが可能である。
図17は利用ランキングの一例を示す図である。利用ランキングは各コンテンツの利用量の順位を反映した利用ランキング情報126を含んでいる。コンテンツ管理装置90はこのような利用ランキングを、ネットワーク10を介してコンテンツ配信装置11、コンテンツ再生装置12などに送信することが可能である。コンテンツの作成者、権利者、コンテンツの利用者などが利用ランキングを参照することにより、次回のコンテンツのプロデュース、人気コンテンツの把握などが可能となる。
【0081】
また、利用情報生成部95は、コンテンツ利用情報99として、例えば識別したコンテンツの送信元情報に対応した送信元毎の当該コンテンツの送信量を示す情報を生成することができる。すなわち利用情報生成部95は、
図15、
図17にあるコンテンツ利用情報から同じ送信元のコンテンツを集めることにより、同一の送信元のコンテンツの送信量を示す情報を生成することができる。送信元のコンテンツ配信業者などは、当該情報に基づき自らの所有するコンテンツの人気度を測定するなどの活用に用いることができる。コンテンツの送信元は、コンテンツパケット31のヘッダ部32における送信元情報36に基づき把握される。
【0082】
また、経路情報取得部93が所定の期間内において所定量以上の特定のパケット経路情報を取得した場合、経路情報取得部93は、特定のパケット経路情報内の付加経路情報を変更する旨の付加経路情報変更命令を生成し、特定のパケット経路情報に対応するコンテンツデータの送信元に送信するようにしてもよい。このような操作により、所定量以上の特定のコンテンツパケットが特定の経路を送信される場合、コンテンツを特定しつつ送信経路を変更することができ、パケット経路のトラフィック増大を緩和するなどの処置を採ることが可能となる。
【0083】
また、コンテンツの利用者側に近い位置にコンテンツ管理装置90を設けることにより、例えば地域別のコンテンツ利用状況の把握などが可能になる。この際、例えば所定の地域ごとにコンテンツ管理装置90を配置し、各地域のコンテンツ管理装置90までの経路情報によって、特定のコンテンツの識別とともに、そのコンテンツを利用している送信先のコンテンツ再生装置12が位置する地域を識別する。これにより、地域ごとの視聴率の算出など、送信先の情報を含むコンテンツの利用状況を示す情報を取得可能である。
【0084】
図18は本実施形態に係るコンテンツ管理装置における著作権管理に関する処理の手順を示すフローチャートである。コンテンツ管理装置90の管理処理部92において、著作権管理処理部96により、コンテンツ利用情報99を参照し、対象のコンテンツの利用情報を取得する(ステップS21)。そして、著作権管理処理部96により、コンテンツ利用情報99から対象のコンテンツの利用量の情報を出力する(ステップS22)。次に、著作権管理処理部96により、利用量に応じた著作権料に対応する使用料金を算出する(ステップS23)。この使用料金の情報に基づいて、各コンテンツの権利者への著作権料の支払いを行う、コンテンツの利用者に対して使用料金の課金を行うなどの処理が可能である。
【0085】
また、
図16のコンテンツ識別及び利用情報生成に関する処理と、
図18の著作権管理に関する処理を組み合わせることが可能である。例えば、経路情報取得部93が所定の期間内(1週間等)において所定量以上の特定のパケット経路情報を取得した場合、
図16のステップS11により、そのようなパケット経路情報を取得する。このとき、著作権管理処理部96は、当該特定のパケット経路情報に対応するコンテンツの著作権情報を管理することが望ましい。所定の期間内に所定量以上の特定のパケット経路情報を取得した場合という状況は、特定のコンテンツが所定の期間内に所定量以上送信された事象を意味する。このような事象は特定のコンテンツの違法送信などが原因となっていることも考えられるため、著作権情報を管理することが望ましいのである。
【0086】
さらに著作権管理処理部96は、予め保持されたパケット経路情報と、経路情報取得部93が初めて取得したパケット経路情報とを比較し、初めて取得したパケット経路情報に対応するコンテンツの著作権情報を管理するのが望ましい。ここで、予め保持されたパケット経路情報は、コンテンツ−経路対応情報76に保持された情報を採用することができるが、特に限定はされない。また経路情報取得部93は、取得したパケット経路情報のうち、コンテンツ−経路対応情報76に保持されていないものを初めて取得したパケット経路情報に相当すると判断することができる。しかしながら、この判断方法も特に限定はされない。
【0087】
いわゆる初めて取得したパケット経路情報は、予め登録されていないコンテンツに対応する情報であり、このようなコンテンツの著作権情報を管理することは、違法送信の監視の観点からも好ましい。ここで、初めて取得したパケット経路情報か否かの判断の前提として、通信データが対象コンテンツであることを判断する必要があるが、上位レイヤの管理情報(コンテンツの識別情報、電子透かし情報等)などに基づき当該判断をすることができる。
【0088】
さらに別の利用方法を説明する。
図19A、
図19Bに示すように、単一のコンテンツの容量が大きすぎる場合などには、当該コンテンツが二つのコンテンツパケット片31C、31Dに分けられて別々の経路で送信されることがある。ここでは二つのコンテンツパケット片31C、31Dは第1のコンテンツパケット片31C、第2のコンテンツパケット片31Dを含む。各コンテンツパケット片31C、31Dは、各々第1のコンテンツデータ片39C、第2のコンテンツデータ片39Dを含む。
【0089】
経路情報取得部93は、単一のコンテンツに対応する二つのコンテンツパケット片31C、31Dを取得する。この際、コンテンツ識別部94は、複数のコンテンツパケット片31C、31Dの各々に含まれるパケット経路情報片に対応する単一のコンテンツを識別する。そして、著作権管理処理部96は、識別した単一のコンテンツの著作権管理に関する処理を実行することもできる。ここで、コンテンツ識別部94が、複数のコンテンツパケット片が単一のコンテンツに対応することを識別する方法は特に限定されない。本実施形態の場合は、二つのコンテンツパケット片の間でID情報35、送信元情報36、送信先情報37、付加経路情報38が同じなため、コンテンツ識別部94は複数のコンテンツパケット片31C、31Dが単一のコンテンツに対応することを識別することができる。尚、本実施形態は単一のコンテンツが二つのコンテンツパケット片に分割された例について説明したが、単一のコンテンツが三つ以上の複数のコンテンツパケット片に分割された場合においても本発明は適用可能である。
【0090】
図20は本実施形態に係るコンテンツ管理装置における利用者管理に関する処理の手順を示すフローチャートである。コンテンツ管理装置90の管理処理部92において、利用者管理処理部97により、上記取得したパケット経路情報を参照し(ステップS31)、予め設定した利用者−経路対応情報に基づき、パケット経路情報に対応する特定の利用者の識別を行う(ステップS32)。そして、利用者管理処理部97により、利用者毎の利用量の取得、コンテンツの配信制御などの利用者に対応した管理処理を行う(ステップS33)。
【0091】
図21は本実施形態に係るコンテンツ管理装置におけるコンテンツ経路管理に関する処理の手順を示すフローチャートである。コンテンツ管理装置90の管理処理部92において、コンテンツ経路管理処理部98により、コンテンツパケットのコンテンツデータを参照し、コンテンツ本体のID情報を取得する(ステップS41)。そして、コンテンツ経路管理処理部98により、上記取得したパケット経路情報を参照し(ステップS42)、コンテンツパケットのパケット経路情報とコンテンツ本体のID情報に対応するコンテンツ経路情報とが一致するか経路判定を行う(ステップS43)。ここで、一致する場合(ステップS43:OK)は、該当コンテンツが正当なものであると判断し、処理を終了する。また、一致しない場合(ステップS43:NG)は、該当コンテンツが正当なものではないと判断し、中継装置などにおいてコンテンツの伝送制限をする等の配信制御処理を行う(ステップS44)。
【0092】
上述したように、本実施形態によれば、IPパケット等のコンテンツパケットに含まれるパケット経路情報を取得し、取得したパケット経路情報と、予め設定してあるコンテンツと経路との関連を示すコンテンツ−経路対応情報とに基づき、パケット経路情報に対応する特定のコンテンツを識別することができる。この際、パケットの伝送経路とコンテンツとを関連付けておくことによって、特定の経路を通過し、特定のパケット経路情報を持つコンテンツパケットは特定のコンテンツであるとみなし、このコンテンツパケットの伝送により特定のコンテンツが伝送されたことを認識することができる。したがって、コンテンツパケットの伝送経路を取得、判別してコンテンツを識別し、識別した特定のコンテンツパケットの伝送量、伝送回数等を取得することで、各コンテンツデータのサイズとパケットサイズとの関係などから、対象のコンテンツの利用量などを算出して取得できる。この場合、コンテンツパケットのヘッダ部に格納したパケット経路情報を用いることで、コンテンツ管理装置及び中継装置はヘッダ部のみを処理すればよく、コンテンツ管理装置において必ずしもペイロード部のコンテンツ本体を処理しなくてもコンテンツの識別、管理が可能である。
【0093】
このように、コンテンツパケットのパケット経路情報の識別によって、コンテンツの利用状況の把握等のコンテンツ管理を行うことが可能になる。また、経路情報を用いた利用者管理、コンテンツ配信制御等も可能である。このとき、IPネットワーク等の汎用ネットワークに適用し、ネットワークの下位階層のIPパケットレベルで取り扱うことによって、汎用性のあるシステムを構築可能である。また、IPネットワークにおいてRFC(Request for Comments)に規定されたIPパケットの経路情報を用いることによって、オープンなネットワークを経由する構成、異種の複数ネットワークを接続する構成などにおいても、パケットの経路情報を保持可能であり、コンテンツ管理装置におけるコンテンツの識別、管理が可能である。よって、一般に広く普及したIPネットワーク等の汎用性のあるネットワークシステムにおいて、コンテンツの利用状況の把握等を行うことができる。この場合、コンテンツ管理において、必ずしも、コンテンツデータ自体に管理情報を付与する、或いは、専用のプログラムまたはプロトコルを用いる等の手法を用いる必要がなくなる。このため、ハードウェア、ソフトウェア、システム構成等の制約を大幅に削減でき、多様な利用形態に対して容易に適用可能であり、コンテンツ管理の適用範囲を広げることができる。
【0094】
また、コンテンツの利用状況の把握とともに、特定のコンテンツに関する利用量を示す情報の生成、利用量に応じた著作権料に対応する使用料金の算出など、各種の著作権管理を行うことも可能である。すなわち、コンテンツパケットのパケット経路情報を著作権情報として利用し、著作権管理処理を行うことができる。また、本実施形態ではIPパケット等の汎用プロトコルのパケットの経路情報を利用するため、例えばDRMなどのネットワークの上位階層のプロトコルまたはプログラムによる著作権管理処理と容易かつ柔軟に組み合わせることが可能である。したがって、システム構成等の制約をあまり受けることなく、状況に応じた適切な著作権管理を実施することができる。
【0095】
なお、上述した実施形態において例示した各構成要素を任意に組み合わせることも可能である。また、著作権管理以外の他のコンテンツ管理処理において本実施形態の経路情報を用いたコンテンツ管理を適宜応用することもできる。また、上記実施形態のコンテンツ配信装置、中継装置、コンテンツ管理装置などは、複数の装置の機能を1つの装置にまとめて構成することもできるし、1つの装置の機能を別個の複数の装置に分離して構成することもできるし、各機能の処理を分散する構成も可能であり、種々の構成によって各機能実現可能である。
【0096】
本発明に係る実施形態の種々の態様として、以下のものが含まれる。
コンテンツを含むコンテンツデータをパケット化したコンテンツパケットとしてネットワーク上を伝送される、コンテンツの利用状況を管理するコンテンツ管理装置であって、
前記コンテンツパケットに含まれる、前記ネットワークにおけるパケットの伝送経路を示す情報として、パケットの送信元のアドレス情報を含む送信元情報と、パケットの伝送経路における中継点のアドレス情報を含む付加経路情報との、少なくともいずれかを含むパケット経路情報を取得する経路情報取得部と、
前記取得したパケット経路情報と、予め設定してあるコンテンツと経路との関連を示すコンテンツ−経路対応情報とに基づき、パケット経路情報に対応する特定のコンテンツを識別するコンテンツ識別部と、
を備えるコンテンツ管理装置。
【0097】
上記のコンテンツ管理装置であって、
前記コンテンツパケットは、ヘッダ部に送信元情報、送信先情報、付加経路情報を有し、
前記経路情報取得部は、前記コンテンツパケットのヘッダ部に格納された送信元情報と付加経路情報との少なくともいずれかをパケット経路情報として取得するコンテンツ管理装置。
【0098】
上記のコンテンツ管理装置であって、
前記パケット経路情報として用いられる付加経路情報は、実際にパケットが伝送された伝送経路を示す実伝送経路情報、パケットの伝送経路を指定する指定経路情報、パケットの伝送経路を指示するための経路制御情報のうちの、少なくともいずれかを含む情報である、コンテンツ管理装置。
【0099】
上記のコンテンツ管理装置であって、
前記パケット経路情報として用いられる付加経路情報は、パケットの伝送経路における送信元と少なくとも一つの中継点のアドレス情報を含むものである、コンテンツ管理装置。
【0100】
上記のコンテンツ管理装置であって、
前記ネットワークは、IP(Internet Protocol)を利用したパケット通信が可能なIPネットワークであり、
前記コンテンツパケットは、前記IPネットワーク上を伝送されるIPパケットであり、
前記経路情報取得部は、前記パケット経路情報として、前記IPパケットのヘッダ部に含まれる送信元情報と付加経路情報との少なくともいずれかを取得するコンテンツ管理装置。
【0101】
上記のコンテンツ管理装置であって、
前記コンテンツパケットは、前記IPネットワークにおけるTCP(Transmission Control Protocol)またはUDP(User Datagram Protocol)を利用した通信によって伝送されるパケットであるコンテンツ管理装置。
【0102】
上記のコンテンツ管理装置であって、
前記経路情報取得部は、IPv4のパケットにおけるヘッダ部のオプションフィールド、または、IPv6のパケットにおけるヘッダ部の拡張ヘッダに格納された付加経路情報を取得するコンテンツ管理装置。
【0103】
上記のコンテンツ管理装置であって、
前記経路情報取得部は、前記パケット経路情報のアドレス情報として、IPアドレスの情報を取得するコンテンツ管理装置。
【0104】
上記のコンテンツ管理装置であって、
前記経路情報取得部は、前記パケット経路情報のアドレス情報として、IPアドレスとポートの情報を取得するコンテンツ管理装置。
【0105】
上記のコンテンツ管理装置であって、
前記コンテンツ−経路対応情報は、特定のコンテンツに対応付けて設定されたコンテンツ経路情報と、コンテンツを識別するためのID情報とを含むものであり、
前記コンテンツ識別部は、前記コンテンツ−経路対応情報を用いてパケット経路情報に対応するコンテンツのID情報を抽出するコンテンツ管理装置。
【0106】
上記のコンテンツ管理装置であって、
前記コンテンツの識別結果に基づき、識別したコンテンツに関するコンテンツ利用情報を生成する利用情報生成部を、
さらに備えるコンテンツ管理装置。
【0107】
上記のコンテンツ管理装置であって、
前記利用情報生成部は、前記コンテンツ利用情報として、コンテンツ毎の利用量を示す情報を生成するコンテンツ管理装置。
【0108】
上記のコンテンツ管理装置であって、
前記利用情報生成部は、前記コンテンツ利用情報として、コンテンツの配信数、情報量、使用回数、使用時間の少なくともいずれかを含む、コンテンツが利用された利用量を示す情報を生成するコンテンツ管理装置。
【0109】
上記のコンテンツ管理装置であって、
前記コンテンツの識別結果に基づき、識別したコンテンツの著作権管理に関する処理を実行する著作権管理処理部を、
さらに備えるコンテンツ管理装置。
【0110】
上記のコンテンツ管理装置であって、
前記著作権管理処理部は、前記著作権管理の処理として、特定の著作権に対応するコンテンツが利用された利用量を示す情報を生成するコンテンツ管理装置。
【0111】
上記のコンテンツ管理装置であって、
前記著作権管理処理部は、前記著作権管理の処理として、前記コンテンツ利用情報を用いて、コンテンツの利用量に応じた著作権料に対応する使用料金を算出する処理を行うコンテンツ管理装置。
【0112】
上記のコンテンツ管理装置であって、
前記コンテンツの識別結果と、予め設定してあるコンテンツの利用者と経路との関連を示す利用者−経路対応情報とに基づき、パケット経路情報に対応する利用者を識別し、コンテンツの利用者管理に関する処理を実行する利用者管理処理部を、
さらに備えるコンテンツ管理装置。
【0113】
上記のコンテンツ管理装置であって、
前記利用者管理処理部は、前記利用者管理の処理として、前記利用者の識別結果に基づき、コンテンツ再生装置側の利用者の認証、利用者毎のコンテンツの配信制御、利用者毎のコンテンツの利用量の取得、利用者毎のコンテンツ使用料金の算出、のうちの少なくともいずれかの処理を行うコンテンツ管理装置。
【0114】
上記のコンテンツ管理装置であって、
前記コンテンツ−経路対応情報は、コンテンツ本体のID情報と、特定のコンテンツに対応付けて設定されたコンテンツ経路情報とを含むものであり、
前記識別したコンテンツのパケット経路情報とコンテンツ本体のID情報とを参照し、パケット経路情報に基づいた配信制御処理を行うコンテンツ経路管理処理部を、
さらに備えるコンテンツ管理装置。
【0115】
上記のコンテンツ管理装置であって、
前記コンテンツ経路管理処理部は、前記識別したコンテンツのパケット経路情報が前記コンテンツ本体のID情報に対応するコンテンツ経路情報と一致しない場合、該当するコンテンツパケットの伝送を制限する処理を行うコンテンツ管理装置。
【0116】
コンピュータに、上記いずれかに記載のコンテンツ管理装置の各部の機能を実現させるためのプログラム。
【0117】
コンテンツを含むコンテンツデータをパケット化したコンテンツパケットとしてネットワーク上を伝送される、コンテンツの利用状況を管理するコンテンツ管理装置におけるコンテンツ管理方法であって、
前記ネットワークを伝送されたコンテンツパケットを参照し、前記コンテンツパケットに含まれる、前記ネットワークにおけるパケットの伝送経路を示す情報として、パケットの送信元のアドレス情報を含む送信元情報と、パケットの伝送経路における中継点のアドレス情報を含む付加経路情報との、少なくともいずれかを含むパケット経路情報を取得するステップと、
前記取得したパケット経路情報と、予め設定してあるコンテンツと経路との関連を示すコンテンツ−経路対応情報とに基づき、パケット経路情報に対応する特定のコンテンツを識別するステップと、
を有するコンテンツ管理方法。
【0118】
コンピュータに、上記のコンテンツ管理方法の各ステップの手順を実行させるためのプログラム。
【0119】
コンテンツを含むコンテンツデータをパケット化したコンテンツパケットとしてネットワーク上を伝送される、コンテンツを配信するコンテンツ配信装置であって、
配信対象のコンテンツを含むコンテンツデータを配信先へ配信するための制御を行うもので、所定の宛先に対して前記コンテンツデータを含めてパケット化したコンテンツパケットを送信する配信制御部と、
前記コンテンツに対応する特定のパケットの経路を規定するための情報として、パケットの伝送経路における送信元と中継点の少なくともいずれかのアドレス情報を含むパケット経路情報を、前記コンテンツパケットのヘッダ部に設定する経路情報設定部と、
前記コンテンツパケットを出力する出力部と、
を備えるコンテンツ配信装置。
【0120】
上記のコンテンツ配信装置であって、
前記経路情報設定部は、前記パケット経路情報として、パケットの送信元のアドレス情報を含む送信元情報と、パケットの伝送経路における中継点のアドレス情報を含む付加経路情報との、少なくともいずれかを含む情報を設定するコンテンツ配信装置。
【0121】
上記のコンテンツ配信装置であって、
前記経路情報設定部は、前記パケット経路情報として付加経路情報を設定する場合、パケットの伝送経路を指定する指定経路情報、パケットの伝送経路を指示するための経路制御情報のうちの、少なくともいずれかを含む情報を設定するコンテンツ配信装置。
【0122】
上記のコンテンツ配信装置であって、
前記経路情報設定部は、前記パケット経路情報として付加経路情報を設定する場合、パケットの伝送経路における送信元と少なくとも一つの中継点のアドレス情報を含む情報を設定するコンテンツ配信装置。
【0123】
上記のコンテンツ配信装置であって、
前記経路情報設定部は、前記パケット経路情報のアドレス情報として、IPアドレスの情報を設定するコンテンツ配信装置。
【0124】
上記のコンテンツ配信装置であって、
前記経路情報設定部は、前記パケット経路情報のアドレス情報として、IPアドレスとポートの情報を設定するコンテンツ配信装置。
【0125】
上記のコンテンツ配信装置であって、
前記経路情報設定部は、予め設定してあるコンテンツと経路との関連を示すコンテンツ−経路対応情報に基づき、前記パケット経路情報を設定するコンテンツ配信装置。
【0126】
上記のコンテンツ配信装置であって、
前記コンテンツ−経路対応情報は、特定のコンテンツに対応付けて設定されたコンテンツ経路情報と、コンテンツを識別するためのID情報とを含むものであり、
前記経路情報設定部は、前記コンテンツ−経路対応情報を用いてコンテンツに対応する特定のパケットの経路を規定するためのパケット経路情報を設定するコンテンツ配信装置。
【0127】
コンピュータに、上記いずれかに記載のコンテンツ配信装置の各部の機能を実現させるためのプログラム。
【0128】
コンテンツを含むコンテンツデータをパケット化したコンテンツパケットとしてネットワーク上を伝送される、コンテンツを配信するコンテンツ配信装置におけるコンテンツ配信方法であって、
所定の宛先に対して、配信対象のコンテンツを含むコンテンツデータを含めてパケット化したコンテンツパケットを送信するステップと、
前記コンテンツに対応する特定のパケットの経路を規定するための情報として、パケットの伝送経路における送信元と中継点の少なくともいずれかのアドレス情報を含むパケット経路情報を、前記コンテンツパケットのヘッダ部に設定するステップと、
前記コンテンツパケットをネットワークに対して出力するステップと、
を有するコンテンツ配信方法。
【0129】
コンピュータに、上記のコンテンツ配信方法の各ステップの手順を実行させるためのプログラム。
【0130】
コンテンツを含むコンテンツデータをパケット化したコンテンツパケットとしてネットワーク上を伝送される、コンテンツを中継するコンテンツ中継装置であって、
前記コンテンツパケットを入出力する入出力部と、
受信したコンテンツパケットのヘッダ部に格納された送信先情報と、自装置に予め設定された経路制御情報とに基づき、所定の経路の宛先に対して前記コンテンツパケットを送信する制御を行う経路制御部と、
前記コンテンツパケットのヘッダ部において、ネットワークにおけるパケットの伝送経路を示すパケット経路情報として、自装置の中継点のアドレス情報を含む情報を付与する経路情報付与部と、
を備えるコンテンツ中継装置。
【0131】
上記のコンテンツ中継装置であって、
前記パケット経路情報は、パケットの送信元のアドレス情報を含む送信元情報と、パケットの伝送経路における中継点のアドレス情報を含む付加経路情報との、少なくともいずれかを含むものであり、
前記経路情報付与部は、自装置の中継点のアドレス情報を含む付加経路情報を前記パケット経路情報として付与するコンテンツ中継装置。
【0132】
上記のコンテンツ中継装置であって、
前記パケット経路情報として用いられる付加経路情報は、実際にパケットが伝送された伝送経路を示す実伝送経路情報、パケットの伝送経路を指定する指定経路情報、パケットの伝送経路を指示するための経路制御情報のうちの、少なくともいずれかを含む情報であり、
前記経路情報付与部は、自装置の中継点のアドレス情報を前記実伝送経路情報に相当する付加経路情報として付与するコンテンツ中継装置。
【0133】
上記のコンテンツ中継装置であって、
前記経路情報付与部は、前記パケット経路情報のアドレス情報として、IPアドレスの情報を付与するコンテンツ中継装置。
【0134】
上記のコンテンツ中継装置であって、
前記経路情報付与部は、前記パケット経路情報のアドレス情報として、IPアドレスとポートの情報を付与するコンテンツ中継装置。
【0135】
上記のコンテンツ中継装置であって、
前記経路制御部は、さらに、前記コンテンツパケットのヘッダ部に格納されたパケット経路情報に基づき、所定の経路の宛先に対して前記コンテンツパケットを送信する制御を行うコンテンツ中継装置。
【0136】
上記のコンテンツ中継装置であって、
前記経路制御部が用いるパケット経路情報は、パケットの送信元のアドレス情報を含む送信元情報と、パケットの伝送経路における中継点のアドレス情報を含む付加経路情報との、少なくともいずれかを含むものであり、
前記付加経路情報を含む場合、この付加経路情報は、実際にパケットが伝送された伝送経路を示す実伝送経路情報、パケットの伝送経路を指定する指定経路情報、パケットの伝送経路を指示するための経路制御情報のうちの、少なくともいずれかを含むものである、コンテンツ中継装置。
【0137】
コンテンツを含むコンテンツデータをパケット化したコンテンツパケットとしてネットワーク上を伝送される、コンテンツを中継するコンテンツ中継装置であって、
前記コンテンツパケットを入出力する入出力部と、
受信したコンテンツパケットのヘッダ部に格納された送信先情報と、ネットワークにおけるパケットの伝送経路を示すパケット経路情報とに基づき、所定の経路の宛先に対して前記コンテンツパケットを送信する制御を行う経路制御部と、
を備えるコンテンツ中継装置。
【0138】
上記のコンテンツ中継装置であって、
前記経路制御部が用いるパケット経路情報は、パケットの送信元のアドレス情報を含む送信元情報と、パケットの伝送経路における中継点のアドレス情報を含む付加経路情報との、少なくともいずれかを含むものであり、
前記付加経路情報を含む場合、この付加経路情報は、実際にパケットが伝送された伝送経路を示す実伝送経路情報、パケットの伝送経路を指定する指定経路情報、パケットの伝送経路を指示するための経路制御情報のうちの、少なくともいずれかを含むものである、コンテンツ中継装置。
【0139】
上記のコンテンツ中継装置であって、
前記経路制御部は、前記送信先情報と、前記パケット経路情報と、自装置に予め設定された経路制御情報とに基づき、所定の経路の宛先に対して前記コンテンツパケットを送信する制御を行うコンテンツ中継装置。
【0140】
上記のコンテンツ中継装置であって、
前記経路制御部は、前記パケット経路情報のアドレス情報として、IPアドレスの情報を取得するコンテンツ中継装置。
【0141】
上記のコンテンツ中継装置であって、
前記経路制御部は、前記パケット経路情報のアドレス情報として、IPアドレスとポートの情報を取得するコンテンツ中継装置。
【0142】
コンピュータに、上記いずれかに記載のコンテンツ中継装置の各部の機能を実現させるためのプログラム。
【0143】
コンテンツを含むコンテンツデータをパケット化したコンテンツパケットとしてネットワーク上を伝送される、コンテンツを中継するコンテンツ中継装置におけるコンテンツ中継方法であって、
前記コンテンツパケットをネットワークに対して入出力するステップと、
受信したコンテンツパケットのヘッダ部に格納された送信先情報と、自装置に予め設定された経路制御情報とに基づき、所定の経路の宛先に対して前記コンテンツパケットを送信する制御を行うステップと、
前記コンテンツパケットのヘッダ部において、ネットワークにおけるパケットの伝送経路を示すパケット経路情報として、自装置の中継点のアドレス情報を含む情報を付与するステップと、
を有するコンテンツ中継方法。
【0144】
コンテンツを含むコンテンツデータをパケット化したコンテンツパケットとしてネットワーク上を伝送される、コンテンツを中継するコンテンツ中継装置におけるコンテンツ中継方法であって、
前記コンテンツパケットをネットワークに対して入出力するステップと、
受信したコンテンツパケットのヘッダ部に格納された送信先情報と、ネットワークにおけるパケットの伝送経路を示すパケット経路情報とに基づき、所定の経路の宛先に対して前記コンテンツパケットを送信する制御を行うステップと、
を有するコンテンツ中継方法。
【0145】
コンピュータに、上記のコンテンツ中継方法の各ステップの手順を実行させるためのプログラム。
【0146】
なお、本発明は、本発明の趣旨ならびに範囲を逸脱することなく、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が様々な変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
【0147】
本出願は、2009年6月19日出願の日本特許出願、特願2009−146705に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。