(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
説明される特徴、機能、及び利点は、本明細書において開示される種々の実施形態において個別に達成されるか、又は以下の説明及び図面を参照しながら示すことができる更なる詳細を含む更に他の実施形態において組み合わせることができる。
【0009】
熱電併給システムの運転効率は、熱電発生器を、燃料電池からの相対的に高温の排気流と燃料電池に向かう相対的に低温の吸気流との間に配置することにより向上させることができる。この配置によって、熱電発生器は電力を、高温の排気流と低温の吸気流との間の相対的に大きな温度差に応じて、追加の冷却システムを使用することなく発生させることができる。更に、この配置によって、低温吸気流を、吸気流が燃料電池に供給される前に予備加熱することができる。熱電発生器の効率は、燃料電池排気流と燃料電池吸気流との温度差の絶対値が大きいので高めることができる。更に、この配置によって、熱電発生器が利用する温度差を発生させて電力を発生させるために追加燃料を使用するという必要がなくなり、追加燃料を使用するのではなく、燃料電池排気流内の廃熱を熱電発生器が利用することにより、電力を発生させる。更に、熱電併給システムの重量は、別体の冷却システムが無くなるので、他の熱電併給システムよりも低減される。
【0010】
特定の実施形態では、開示される熱電併給システムを使用するプラットフォームは、燃料電池からの排気を冷却するための追加の冷却システムを必要としない。更に、余剰電力は、電力が利用されない場合には、燃料電池からの廃熱となってしまう熱を熱電発生器によって利用して発生させる。このように、電力の一部が廃熱から取り出されて、熱電併給システムによる燃料の電力への変換効率を高めることができる。
【0011】
図1は、電力を発生させるシステム100の第1の実施形態の図であり、システムは参照番号100で一括指示されている。システム100は、発電システムが配置されるプラットフォームを含む。例えば、プラットフォームは、航空機、宇宙船、船舶、又は陸上輸送手段のような移動プラットフォームとすることができる。別の例では、プラットフォームは、事業用発電所、工業用地、オフィスビルディングにおける、又は略静止状態の別の構造物における発電システムのような静止プラットフォームとすることができる。特定の実施形態では、プラットフォーム102の発電システムは、電力を発生させる構成要素群を含む。例えば、電力を発生させる構成要素群は、アノード106及びカソード108を有する燃料電池104を含むことができる。電力を発生させる構成要素群は更に、第1TE110及び第2TE120のような1つ以上の熱電発生器(TE)を含むことができる。
【0012】
特定の実施形態では、第1TE110は、燃料電池104のアノード106に接続され、第2TE120は、燃料電池104のカソード108に接続される。この配置によって、高温排気107をアノード106から第1TE110の高温側112に送り込むことができる。同様に、カソード108からの高温排気109は、第2TE120の高温側122に送り込むことができる。高温排気107,109に比べて冷たい吸気162(燃料170及び酸化剤172のような)を入口に流入させることができ(例えば、それぞれの燃料貯蔵システム及び酸化剤貯蔵システムから)、TE110,120の該当する低温側114,124を通して送り込むことができる。この配置では、TE110,120は、高温排気107,109と吸気162との間の最大温度差の位置に設けるか、又は位置の近傍に設けることができる。例示的な実施形態では、燃料電池104は、固体酸化物燃料電池(SOFC)のような高温燃料電池である。SOFCの場合、高温排気107,109は、600℃超の温度を有することができる。例えば、高温排気107,109は、約600℃〜約800℃の温度を有することができる。吸気162の温度は、種々の要素の中でもとりわけ、システム100の運転環境によって変わり得る。例えば、大気を酸化剤172として使用する場合、大気の温度は約50℃未満とすることができる。プラットフォーム102の発電システムを人間が運転するか、又は人間に近い動作をすることにより運転する場合、大気は通常、約−50℃〜50℃とすることができる。特定の実施形態を目的とする場合、吸気162は、約20℃であると仮定する。高温排気107,109の温度、及び吸気162の温度は、システム100の特定の実施形態、特定の用途、又は使用、及び特定の運転状況に依存して広範囲に変化する可能性がある。従って、上に説明した温度は、例示であり、限定的に捉えられてはならない。
【0013】
システム100は更に、アノード106に接続される第1熱交換器130と、カソード108に接続される第2熱交換器140とを含むことができる。特定の実施形態では、TE110,120の高温側112,122からの排気は、熱交換器130,140の高温側132,142の該当する入口に送り込むことができる。TE110,120の低温側114,124からの排気は、熱交換器130,140の低温側134,144の該当する入口に送り込むことができる。この実施形態では、熱交換器130,140は吸気162を、吸気162が燃料電池104に予備加熱後の吸気180として供給される前に予備加熱することができる。吸気180を予備加熱することにより燃料電池104を、特に燃料電池104が高温燃料電池である場合に効率的に運転することができる。特定の実施形態では、熱交換器130,140は逆流熱交換器であるが、他の実施形態では、熱交換器130,140は、他の物理的配置を有することができる。
【0014】
特定の実施形態では、システム100は、燃料電池104の運転効率を向上させるように作動させることができる。従って、コントローラ150は、第1制御バルブ152、第1制御バルブ154、又は両方の制御バルブを作動させて、燃料電池104に供給される予備加熱後の吸気180の温度を制御することができる。特定の実施形態では、制御バルブ152,154は、燃料電池出口と熱交換器高温側入口との間に位置する。制御バルブ152,154は調整可能であることにより、予備加熱後の吸気180の入口温度を制御することができる。例えば、コントローラ150は、制御バルブ152,154を作動させて、高温排気107,109の一部がTE110,120を迂回することができることにより、予備加熱後の吸気180の温度を高くすることができる。制御バルブ152,154を開いて、高温排気107,109の少なくとも一部がTE110,120を迂回する場合、熱交換器130,140の該当する高温側132,142に供給されるガスの温度が高くなり、これにより、熱交換器130,140の該当する低温側134,144から流出する予備加熱後の吸気180の温度が高くなる。このように、予備加熱後の吸気180への予備加熱量をコントローラ150が、制御バルブ152,154の作動により制御することができる。特定の実施形態では、コントローラ150は、第1制御バルブ152を作動させて、予備加熱後の吸気180の所定の温度を実現する、/又は維持することができる。例えば、予備加熱後の吸気180の所定の温度は、燃料電池104の発電量を最適化するように選択される温度とすることができる。このように、TE110,120は、電力を、燃料電池104で生じた廃熱を利用して発生させることができる。すなわち、特定の実施形態では、燃料電池104は、燃料電池104が単独で発電を行なう燃料電池であるかの如く作動させることができ、TE110,120は、燃料電池104で生じた廃熱を回収して、余剰電力を発生させることができる。例示的な実施形態では、予備加熱後の吸気180の所定の温度は、約600℃とすることができる。このように、燃料電池104の発生電力を大きくすることができ、必要に応じて、TE110,120により供給される熱電併給電力を小さくして、予備加熱後の吸気180を更に予備加熱することができることにより、燃料電池104の運転を行なうことができるか、又は燃料電池104の運転効率を高めることができる。別の特定の実施形態では、コントローラ150は、制御バルブ152,154を作動させて、燃料電池104及びTE110,120の組み合わせから発生する合計電力出力の最大化、最適化、又はそれ以外の制御を行うことができる。例えば、コントローラ150は、TE110,120からの電力出力をモニタリングすることができ、制御バルブ152,154を調整して、電力出力を制御方式に基づく最大化、最適化、又はそれ以外の制御を行うことができる。
【0015】
特定の実施形態では、システム100の1つ以上の構成要素は、別の構成要素と合体させることができるか、又はシステム100から省略することができる。例えば、TEを1つだけ設けることができるか、制御バルブを1つだけ設けることができるか、熱交換器を1つだけ設けることができるか、又はこれらの構成のいずれかの組み合わせとすることができる。
【0016】
別の特定の実施形態では、廃熱は、アノード106からの高温排気107からのみ回収することができるか、又はカソード108からの高温排気109からのみ回収することができる。この実施形態では、熱回収システム群(TE110,120及び熱交換器130,140のような)、熱電併給システム群(TE110,120のような)、及び制御システム群(制御バルブ152,154のような)は1組のみ設けることができる。
【0017】
図2は、電力を発生させるシステム100の第2の実施形態の図であり、システムは参照番号200で一括指示されている。特定の実施形態では、システム200は、システム100の構成要素群と同じ、又は略同様の多くの構成要素を含む。このような構成要素群には、
図1における番号と同じ参照番号を付して、参照及び説明が容易になるようにしている。
【0018】
システム200では、コントローラ250は、1つ以上の制御バルブ252,254を制御する。これらの制御バルブ252,254は、燃料電池出口と燃料電池入口との間に(
図1のシステム100における燃料電池出口と熱交換器高温側入口との間にではなく)配置される。従って、制御バルブ252,254は、TE110,120及び熱交換器130,140の両方を迂回する高温排気107,109の量を制御する。制御バルブ252,254は、燃料電池に送り込まれる予備加熱後の吸気280への予備加熱量を、予備加熱後の吸気280に直接混合される高温排気107,109の一部を制御することにより制御するように作動させることができる。例えば、高温排気107,109の第1部分は、燃料電池104の吸気側に送り込むことができ、高温排気107,109の第2部分は、TE110,120及び熱交換器130,140を通るように、制御バルブ252,254の位置に応じて送り込むことができる。
【0019】
図3は、電力を発生させるシステムの第3の実施形態の図であり、システムは参照番号300で一括指示されている。特定の実施形態では、システム300は、システム100の構成要素群と同じ、又は略同様の多くの構成要素を含む。このような構成要素群には、
図1における番号と同じ参照番号を付して、参照及び説明が容易になるようにしている。
【0020】
図3の特定の実施形態では、
図1及び2の熱交換器130及び140のような熱交換器は設けていない。熱交換器を設けるのではなく、燃料電池104の出口に接続されるTE(熱電発生器)310,320は、電力を高温排気107,109と吸気162との温度差に応じて発生させる他に、熱を高温排気107,109と吸気162との間で授受する。コントローラ350は、燃料電池出口と燃料電池入口との間に配置される1つ以上の制御バルブ352,354を制御する。従って、これらの制御バルブ352,354は、TE310,320を迂回する高温排気107,109の量を制御する。制御バルブ352,354は、燃料電池104に送り込まれる予備加熱後の吸気380への予備加熱量を、TE310,320の低温側114,124からの予備加熱後の吸気380に直接混合される高温排気107,109の一部を制御することにより制御するように作動させることができる。
【0021】
図4〜6はそれぞれ、特定の実施形態による熱電発生器(TE)400の斜視図、端面図、及び側面図である。TE400は、
図1及び2を参照しながら説明したTE110,120のうちのいずれか1つ以上のTEとすることができる。TE400、すなわち熱電発生器412は、電気を、熱電発生器412の高温側414と熱電発生器412の低温側410との温度差に応じて発生させる。特定の実施形態では、高温側414は、高温側入口430と、高温側出口432とを有する。高温側414は、
図1及び2を参照しながら説明したように、高温燃料電池からの高温排気107,109のような高温流体402を流入させるように適合させることができる。低温側410は、低温側入口420と、低温側出口422とを有することができる。低温側410は、
図1及び2を参照しながら説明したように、吸気162のような低温流体404を流入させるように適合させることができる。「hot」及び「cold」は相対関係を表わす用語であり、本明細書において使用されるように、温度差が該当する流体402と404との間にあることを示唆することを理解されたい。すなわち、高温流体402は、低温流体404よりも高い温度を有する。
【0022】
高温側414は、低温側410から熱電発生器412を挟んで分離される。熱電発生器412は、バイメタル接合、テルル化ビスマス半導体接合、電気エネルギーを温度差に応じて発生させることができる他の材料、又はこれらの材料のいずれかの組み合わせを含むことができる。図示の実施形態では、TE400は放射状又は環状であり、低温側410が高温側414を取り囲んでいる。すなわち、TE400のうちの高温流体が流入する領域(高温側414)は、チューブの中心に位置することができ、TE400のうちの低温流体が流入する外側領域(低温側410)から熱電発生器412を挟んで分離することができる。この実施形態では、外側ケーシング408を低温側410の周りに設けることができる。しかしながら、他の実施形態では、TE400は、環状構造以外の平行平板のような物理構造を有することができる。また、図示の実施形態は、高温流体の同軸流402、又は高温流体流402が、低温流体404と同じ方向に流れるように構成される。しかしながら、他の実施形態では、TE400は、高温流体402が低温流体404とは反対の方向に流れる構成の逆流装置である。TE400は更に、パワーコネクタ(図示せず)を有することにより、TE400によって発生する電気を回路に流すことができる。
【0023】
図7は、電力を発生させる方法の第1の実施形態のフローチャートであり、方法は参照番号700で一括指示されている。方法700では、工程702において、電力を、燃料電池を使用して発生させることができる。例えば、
図1及び2を参照しながら説明した燃料電池104は電流を、燃料と酸化剤との化学反応を利用して発生させることができる。特定の実施形態では、燃料電池は、固体酸化物燃料電池のような高温燃料電池とすることができる。
【0024】
方法700では更に、工程704において、余剰電力を、熱電発生器(TE)を使用して発生させることができる。TEは、余剰電力を、熱電発生器に生じる温度差に応じて発生させることができる。例えば、
図4〜6を参照しながら説明した熱電発生器412を使用して、余剰電力を、TEの低温側とTEの高温側との温度差に応じて発生させることができる。特定の実施形態では、方法700では、工程706において、燃料電池からの燃料電池排気をTEの高温側に送り込み、工程708において、燃料電池吸気をTEの低温側に送り込むことができる。このように、燃料電池排気と燃料電池吸気との温度差を利用して、余剰電力をTEで発生させることができる。
【0025】
特定の実施形態では、燃料電池の運転を行なうことができるか、又は燃料電池の運転効率を、燃料電池吸気を予備加熱する場合に高めることができる。この実施形態では、方法では更に、工程710において、燃料電池吸気をTEから熱交換器(HX)を通して送り込み、TEの高温側から流入する燃料電池排気から熱を回収することにより、燃料電池吸気を予備加熱することができる。方法では更に、工程712において、燃料電池吸気への予備加熱量を、バイパスバルブを調整することにより制御することができる。例えば、工程714では、燃料電池排気の第1部分を燃料電池の吸気口に送り込むことができ、燃料電池排気の第2部分を、TE及びHXを通って、バイパスバルブの位置に応じて送り込むことができる。
【0026】
図8は、特定の実施形態による発電を制御する制御方式のフローチャートである。例えば、制御方式は複数の制御則を示し、これらの制御則をコントローラが使用して、制御バルブを操作することにより、
図1及び2を参照しながらそれぞれ説明したシステム100又はシステム200のような熱電併給システムの発生電力を調整することができる。制御方式では、工程802において、コントローラの制御パラメータ群を設定する。これらの入力パラメータは、燃料電池最低入口温度T
1、及び燃料電池最適入口温度(又は、燃料電池所望入口温度)T
2を含むことができる。特定の実施形態では、T
2は、燃料電池から出力される電力の量が大きくなるように選択することができる。例えば、燃料電池が高温燃料電池である場合、T
2は比較的高い温度、例えば摂氏数百度の温度とすることにより、燃料電池の運転効率を向上させることができる。T
1は、燃料電池の動作基準に基づいて選択することができる。例えば、燃料電池は、燃料電池の最低運転温度に達するまで最小限の電力を発生するか、又は電力を発生しないようにすることができる。T
1は、燃料電池をこの最低運転温度よりも高い温度に保持するように選択することができる。
【0027】
これらの入力パラメータは更に、最小バルブ開度Θ
min及び最大バルブ開度Θ
maxのようなバルブ開度を含むことができる。最小バルブ開度Θ
minは、
図1の制御バルブ152,154、及び
図2の制御バルブ252,254のうちの1つの制御バルブのような制御バルブを開くことができる最小量とすることができる。最大バルブ開度Θ
maxは、制御バルブを開くことができる最大量とすることができる。
【0028】
工程804では、コントローラは、燃料電池の入口温度T
iをモニタリングすることができる。例えば、熱電対又は他の温度モニタリング装置が、リアルタイムで、又はほぼリアルタイムで、
図1の吸気180の温度、又は
図2の吸気280の温度を検出することができる。T
iに基づいて、コントローラは、制御バルブの開度Θ
ctrl、すなわち制御変数を調整することができる。例えば、工程806において、T
i−T
1が0(ゼロ)よりも小さい場合、コントローラは、バルブ開度Θ
ctrlを、最大バルブ開度Θ
maxに等しくなるように工程808において調整して、燃料電池入口ガスへの予備加熱量を最大にすることができる。工程810において、T
i−T
2が0(ゼロ)よりも大きい場合、コントローラは、バルブ開度Θ
ctrlを、最小バルブ開度Θ
minに等しくなるように工程812において調整して、燃料電池入口ガスへの予備加熱量を最小にすることができる。T
i−T
1が0(ゼロ)以上であり、かつT
i−T
2が0(ゼロ)以下である場合、コントローラは、制御関数F(T
i)を実行して、バルブ開度Θ
ctrlを選択することができる。例えば、制御関数は、比例制御関数、微分制御関数、積分制御関数、別の制御関数、又はこれらの制御関数のいずれかの組み合わせとすることができる。
【0029】
図9は、特定の実施形態による
図8の制御方式を詳細に示す図である。
図9は、制御方式の1つの実施形態における燃料電池入口温度T
iに対するバルブ開度のグラフ902を含む。グラフ902は、T
iがT
1よりも低い場合、制御バルブが最大値Θ
maxまで開かれることを示している。更に、T
iがT
2よりも高い場合、制御バルブは最小開度Θ
minに設定される(制御バルブを閉じることができる)。T
iがT
1とT
2との間である場合、制御バルブの開度は、T
iを開度制御値Θ
ctrlに関連付ける関数に従って設定される。
図9は更に、904に、制御バルブ及び制御バルブ開度Θ
ctrlを示し、制御バルブを通過する流体の質量流量が制御バルブ開度Θ
ctrlに応じて変化するときの流量とバルブ開度との関係を表わしている。
【0030】
本明細書において説明される実施形態の図は、種々の実施形態の構造の概要が理解されることを意図して示されている。これらの図は、本明細書において説明される構造又は方法を利用する装置及びシステムの構成要素群及び特徴群の全てを完全に記載するために利用されることを意図して示されているのではない。多くの他の実施形態が存在することは、この技術分野の当業者にとっては、本開示を精読すれば明らかである。他の実施形態を利用し、本開示から想到することにより、構造的及び論理的な置き換え、及び変更を本開示の範囲から逸脱しない範囲で行なうことができる。更に、これらの図は、代表的に示されているに過ぎず、かつ寸法通りに描かていない可能性がある。これらの図の内部の特定部分が誇張されているのに対して、他の部分が縮小されている可能性がある。従って、本開示及びこれらの図は、限定的にではなく、例示として捉えられるべきである。
【0031】
特定の実施形態を本明細書において例示し、記載してきたが、同じ、又は同様の目的を達成するように意図されるこの後に続く全ての構成を、提示された特定の実施形態の代わりに用いることができることを理解されたい。本開示は、種々の実施形態の後に続くあらゆる、かつ全ての適応化又は変更を含むものである。これらの上記実施形態の組み合わせ、及び本明細書において詳細には説明されない他の実施形態が存在することは、この技術分野の当業者にとっては、本説明を精読すれば明らかである。
【0032】
本開示の要約は、要約が請求項の範囲又は意味を解釈又は限定するために使用されることはないという理解の下に提供される。更に、これまでの詳細な説明において、種々の特徴をグループ化してまとめるか、又は単一の実施形態の中で記載することにより、本開示を簡素化することができる。本開示は、請求される実施形態が、各請求項に明示的に列挙されるよりも多くの特徴を必要とするという意図を表わしているものとして解釈されるべきではない。多くの特徴を必要とするのではなく、以下の請求項が示しているように、請求される主題は、開示されるこれらの実施形態の全ての実施形態の特徴群の全てよりも少ない特徴にある。
【0033】
上に開示される主題は、例示として捉えられるべきであり、限定的に捉えられるべきではなく、添付の請求項は、本開示の範囲に含まれる全てのこのような変形、強化、及び他の実施形態を包含するものである。従って、法律により許容される最大範囲まで、本開示の範囲は、以下の請求項、及びこれらの請求項の均等物の最も広い許容可能な解釈により決定されるべきであり、これまでの詳細な説明によって制限又は限定されてはならない。
また、本願は以下に記載する態様を含む。
(態様1)
予備加熱後の吸気を流入させる燃料電池入口、及び高温燃料電池排気を排出する燃料電池出口を有する燃料電池と、
HX低温側入口、HX低温側出口、HX高温側入口、及びHX高温側出口を有する熱交換器(HX)と、
TE低温側とTE高温側との温度差に応じて発生させる熱電発生器(TE)と
を備えており、TEが、
吸気を流入させるTE低温側入口と、
HX低温側入口に接続されるTE低温側出口と、
燃料電池出口に接続されて高温燃料電池排気を流入させるTE高温側入口と、
HX高温側入口に接続されるTE高温側出口と
を含む、システム。
(態様2)
更に、燃料電池出口とHX高温側入口との間にバイパス制御バルブを備えており、予備加熱後の吸気の入口温度を制御するためにバイパス制御バルブを調整することができる、態様1に記載のシステム。
(態様3)
更に、バイパス制御バルブに接続されるコントローラを備えており、システムが作動している間に、コントローラが、予備加熱後の吸気の温度を変化させるためにバイパス制御バルブの開度を調整する、態様2に記載のシステム。
(態様4)
吸気が酸化剤を含んでいる、態様1に記載のシステム。
(態様5)
燃料電池が高温燃料電池を含んでいる、態様1に記載のシステム。
(態様6)
燃料電池が固体酸化物燃料電池(SOFC)を含んでいる、態様1に記載のシステム。
(態様7)
TEが放射状要素を備えており、放射状要素の内部で、高温ガスが、TE高温側入口からTE高温側出口に向かって、TE低温側入口からTE低温側出口に向かって流れる低温ガスと平行に流れている、態様1に記載のシステム。
(態様8)
HXが逆流熱交換器を含んでいる、態様1に記載のシステム。
(態様9)
コントローラは、TEから発生する電力出力を、バイパスバルブを調整することにより調整する、態様1に記載のシステム。
(態様10)
燃料電池を使用して電力を発生させる工程と、
余剰電力を、熱電発生器(TE)を使用して、
燃料電池からTEの高温側に排気を送り込み、
燃料電池吸気をTEの低温側に送り込む
ことにより発生させる工程と、
燃料電池吸気を予備加熱する工程と
を含む方法。
(態様11)
燃料電池吸気をTEから熱交換器(HX)を通して送り込み、TEの高温側から流入する燃料電池排気から熱を回収することにより、燃料電池吸気を予備加熱する、態様10に記載の方法。
(態様12)
燃料電池排気の一部がTEを迂回することができるようにし、燃料電池排気の一部を燃料電池吸気と混合させることにより、燃料電池吸気を予備加熱する、態様10に記載の方法。
(態様13)
更に、バイパスバルブを調整することにより燃料電池吸気への予備加熱量を制御する工程を含む、態様10に記載の方法。
(態様14)
TEの高温側に流入する手前の燃料電池排気温度が約600℃〜約800℃である、態様10に記載の方法。
(態様15)
TEに流入する手前の燃料電池吸気の温度が約50℃よりも低い、態様10に記載の方法。