(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
図1は、従来技術及び本発明が適用される移動通信システムであるE−UMTSのネットワーク構造を示す図である。E−UMTSシステムは、従来のUMTSシステムから発展したシステムであり、現在3GPPで基礎的な標準化作業を行っている。E−UMTSシステムは、LTEシステムということもできる。
【0003】
E−UMTSネットワークは、E−UTRAN(Evolved UMTS Terrestrial Radio Access Network)とCN(core network)に区分される。E−UTRANは、端末(以下、UE(User Equipment)ともいう)と、基地局(以下、eNode Bともいう)と、ネットワークのエンドに位置して外部ネットワークと接続されるサービングゲートウェイ(Serving Gateway;S-GW)と、UEの移動性を管理する移動管理エンティティ(Mobility Management Entity;MME)とから構成される。1つのeNode Bには、少なくとも1つのセルが存在する。
【0004】
図2及び
図3は、3GPP無線アクセスネットワーク規格に準拠したUEと基地局間の無線インタフェースプロトコルの構造を示す。前記無線インタフェースプロトコルは、水平的には物理層と、データリンク層と、ネットワーク層とからなり、垂直的にはデータ情報送信のためのユーザプレーンと、制御信号伝達のための制御プレーンとからなる。プロトコル層は、通信システムにおいて周知の開放型システム間相互接続(Open System Interconnection;OSI)基準モデルの下位3層に基づいて、第1層(L1)、第2層(L2)、第3層(L3)に区分される。
【0005】
以下、
図2の無線プロトコルの制御プレーンと、
図3の無線プロトコルのユーザプレーンの各層を説明する。
【0006】
第1層(L1)の物理層は、物理チャネルを用いて上位層に情報伝送サービス(Information Transfer Service)を提供する。物理層は、上位層である媒体アクセス制御(MAC)層とトランスポートチャネルで接続されており、前記トランスポートチャネルを介してMAC層と物理層間でデータが移動する。また、異なる物理層間、すなわち送信側と受信側の物理層間では物理チャネルを介してデータが移動する。
【0007】
第2層のMAC層は、論理チャネルを介して上位層の無線リンク制御(RLC)層にサービスを提供する。第2層のRLC層は、信頼性のあるデータの送信をサポートする。第2層のPDCP層は、IPv4やIPv6などのIPパケットの送信時に、帯域幅が小さい無線区間で効率的に送信するために、相対的にサイズが大きく不要な制御情報を含むIPパケットヘッダのサイズを小さくするヘッダ圧縮機能を実行する。
【0008】
第3層の最も下位に位置する無線リソース制御(RRC)層は制御プレーンでのみ定義され、無線ベアラ(Radio Bearer;RB)の設定、再設定及び解除に関連して、論理チャネル、トランスポートチャネル及び物理チャネルの制御を管理する。ここで、RBとは、UEとUTRAN間のデータ送信のために第2層(L2)により提供されるサービスを意味する。
【0009】
従来の無線リソース割り当て要求方法によれば、端末は、基地局に無線リソース割り当て要求をした後、前記基地局から無線リソースが割り当てられるまでダウンリンクチャネルを継続してモニタしなければならない。しかし、無線リソース割り当て過程において、前記端末が前記基地局に前記無線リソース割り当て要求をするや否や無線リソースが割り当てられるわけではないので、ダウンリンクチャネルを継続してモニタすることは不要な電力消費をもたらす。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の一態様は、上記及び後述する従来技術の問題についての本発明者らの知見に関するものである。その知見に基づいて本発明の特徴が得られた。
【0016】
本発明は3GPP規格に準拠して開発されたUMTSなどの移動通信システムにおいて実現されるように開示されているが、他の規格に準拠して動作する他の通信システムにも適用することができる。
【0017】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態の構造及び動作を説明する。
【0018】
一般に、LTEシステムにおいては、無線リソースを効率的に使用するために、基地局は各ユーザがどのデータをどの程度送信することを望んでいるか把握していなければならない。ダウンリンクデータの場合、前記ダウンリンクデータはアクセスゲートウェイから基地局に送信される。従って、基地局は各ユーザにどの程度のデータをダウンリンクで送信すべきか把握できる。これとは逆に、アップリンクデータの場合、UEが直接アップリンクで送信しようとするデータに関する情報を基地局に通知しなければ、基地局は各UEがどの程度のアップリンク無線リソースを必要とするのか把握できない。従って、基地局が適切にアップリンク無線リソースをUEに割り当てることができるように、各UEが基地局に、基地局が無線リソースをスケジューリングするのに必要な情報を提供しなければならない。
【0019】
このために、UEは送信しなければならないデータがある場合、これを基地局に通知し、基地局はこの情報に基づいてUEにリソース割り当てメッセージを送信する。
【0020】
前記過程において、すなわち、送信するデータがあることをUEが基地局に通知する場合、UEは基地局に前記UEのバッファに格納されているデータの量を通知する。これをバッファ状態報告(buffer status report: BSR)という。
【0021】
前記BSRは、MAC制御要素の形態に生成され、MACプロトコルデータユニット(Protocol Data Unit;PDU)に含まれてUEから基地局に送信される。すなわち、BSRを送信するためにも、アップリンク無線リソースを必要とする。これは、BSRを送信するためのアップリンク無線リソース割り当て要求情報を送信しなければならないことを意味する。BSRが生成されたとき、割り当てられたアップリンク無線リソースがあれば、UEは前記アップリンク無線リソースを利用してBSRを送信する。このようにUEがBSRを基地局に送信する過程をBSR過程という。前記BSR過程は、1)全てのバッファにデータがないときに、あるバッファにデータが新しく到着した場合、2)ある空のバッファにデータが到着し、前記バッファに関する論理チャネルの優先順位が、以前データを格納していたバッファに関する論理チャネルの優先順位より高い場合、3)セルが変わった場合に開始する。これに関連して、BSR過程がトリガされてアップリンク無線リソースが割り当てられたとき、前記無線リソースでバッファにある全てのデータを送信することはできるが、BSRをさらに含むには前記無線リソースが不足する場合、UEは前記トリガされたBSR過程をキャンセルする。
【0022】
しかし、BSRが生成されたとき、割り当てられたアップリンク無線リソースがなければ、UEはスケジューリング要求(SR)過程(すなわち、リソース割り当て要求過程)を行う。
【0023】
前記SR過程は2つの方法、すなわち、物理アップリンク制御チャネル(Physical Uplink Control Channel;PUCCH)に設定されるD−SRチャネルを用いる方法と、ランダムアクセスチャネル(Random Access Channel;RACH)過程を用いる方法とを含む。すなわち、UEは、SR過程がトリガされたとき、D−SRチャネルが割り当てられていれば、前記D−SRチャネルを用いて無線リソース割り当て要求を送り、D−SRチャネルが割り当てられていなければ、RACH過程を開始する。ここで、前記D−SRチャネルを用いる場合、UEは前記D−SRチャネルを介してアップリンクでリソース割り当て要求信号を送信する。前記SR過程は、UEにUL−SCHリソースが割り当てられるまで継続して行われる。
【0024】
図4は、専用スケジューリング要求(D−SR)チャネルを用いるスケジューリング要求(SR)過程を示す図である。
【0025】
図4に示すように、基地局(例えば、eNB)は、構成されたD−SRチャネルリソースを端末(UE)に周期的に割り当てる。前記端末は、アップリンクで送信するデータがあるが無線リソースが割り当てられていなければ、前記構成されたD−SRチャネルを用いてアップリンクでデータを送信する。前記端末は、アップリンクで送信するデータがなければ、前記構成されたD−SRチャネルを用いない。その後、前記端末から前記D−SRチャネルを受信した前記基地局は、スケジューリングアルゴリズムに従ってリソース配分を決定し、割り当てられたアップリンク無線リソースの量を物理ダウンリンク制御チャネル(Physical Downlink Control Channel;PDCCH)で前記端末に通知する。
【0026】
以下、DRXについて説明する。DRXとは、不連続受信(discontinuous reception)をいい、基地局と移動端末とが通信を行う過程で、前記基地局が前記移動端末にいつ(すなわち、どの時点で)無線リソース割り当て情報を送信するかに関する動作を意味する。
【0027】
すなわち、前記移動端末がダウンリンクチャネル(例えば、PDCCH)を常にモニタすることは、前記移動端末の好ましくない電力消費をもたらす。よって、これを解決するために、前記移動端末及び前記基地局が所定の一貫した規則に従い、特定の時間にのみ、前記基地局が前記移動端末に前記PDCCHで無線リソース割り当て情報を送信するようにする。これにより、前記移動端末は前記特定の時間にのみ前記PDCCHをモニタすればよいので、電力消費を低減することができる。
【0028】
一般に、移動端末はPDCCHを継続してモニタしないようにするDRX機能を伴い、RRCにより設定される。LTEシステムにおいて、前記DRX機能は、長いDRX周期(Long DRX Cycle)、DRX非アクティブタイマー(DRX Inactivity Timer)、DRX再送タイマー(DRX Retransmission Timer)を含み、選択的に、短いDRX周期(Short DRX Cycle)、DRX短周期タイマー(DRX Short Cycle Timer)を含む。
【0029】
以下、アクティブ時間について説明する。前記アクティブ時間とは、移動端末が起動してダウンリンクチャネル(例えば、PDCCH)をモニタすべき特定の時間を意味する。そして、前記アクティブ時間を除いた時間の間、前記移動端末は前記ダウンリンクチャネルをモニタする必要がない。
【0030】
前記アクティブ時間は次の時間を含む。
1)オンデュレーションタイマー(On-Duration Timer)、DRX非アクティブタイマー、DRX再送タイマー、又はコンテンション解決タイマー(Contention Resolution Timer)が動作している時間
2)スケジューリング要求過程が行われている時間
3)アップリンク送信に関連して、(再送のための)無線リソース割り当てメッセージが送信されている時間
4)RACHメッセージ(RACH MSG)2を送信してから、(最初の送信又は新しい送信のための無線リソースの割り当てを通知する)C−RNTI又はTemporary C−RNTIを受信するまでの時間
【0031】
DRX周期が設定されると、移動端末はサブフレーム(すなわち、送信時間間隔(Transmission Time Interval;TTI))毎に次の動作を行う。
【0032】
短いDRX周期が使用される場合、[(SFN×10)+sub−frame number]を短いDRX周期で除算した余りがDRX開始オフセット(DRX Start Offset)と同じであれば、前記オンデュレーションタイマーを駆動する。
【0033】
HARQ RTT(Round Trip Time)タイマーが当該サブフレームで満了し、当該HARQ過程のソフトバッファにおいてデータの復号に成功していない場合、当該HARQ過程のためのDRX再送タイマーを駆動する。
【0034】
DRXコマンドMAC制御要素(DRX Command MAC control element)が受信された場合、前記オンデュレーションタイマーを停止する。あるいは、DRX非アクティブタイマーを停止する。
【0035】
DRX非アクティブタイマーが満了するか、又はDRXコマンドMAC制御要素が当該サブフレームで受信され、短いDRX周期が設定されており、DRX短周期タイマーが駆動されていなければ、DRX短周期タイマーを駆動し、短いDRX周期を使用し、そうでなければ、長いDRX周期を使用する。
【0036】
DRX短周期タイマーが当該サブフレームで満了した場合、長いDRX周期を使用する。
【0037】
前記アクティブ時間の間、Half−duplex FDD端末のアップリンク送信に必要なサブフレームを除くPDCCHフレームにおいて、前記PDCCHをモニタする。
【0038】
前記PDCCHがDL送信を示す場合、当該HARQ過程のためのHARQ RTTタイマーを駆動し、当該HARQ過程のためのDRX再送タイマーを停止する。
【0039】
前記PDCCHが新しい送信(DL又はUL)を示す場合、前記DRX非アクティブタイマーを駆動又は再駆動する。
【0040】
DLアサイメントが当該サブフレームのために設定され、DL送信を示すPDCCHの復号に成功していない場合、当該HARQ過程のためのHARQ RTTタイマーを駆動する。
【0041】
以下、無線リソース割り当て要求方法について説明する。端末がD−SRチャネルで基地局に無線リソース割り当て要求をした場合、前記端末は無線リソースの割り当てが完了するまでダウンリンクチャネルを継続してモニタする。ところが、一般に、端末は前記無線リソース割り当て要求を送信するや否や無線リソースが割り当てられるわけではない。
【0042】
図4に示すように、端末がD−SRチャネルを用いる時点(時点1)から、実際に端末に無線リソースが割り当てされる時点(時点4)までは、シグナリング遅延時間及び基地局の処理時間を含めて約7〜8msかかる。つまり、端末は無線リソース割り当て要求を送信するや否や基地局から無線リソース割り当てメッセージを受信できるわけではない。
【0043】
しかし、一般に、端末はダウンリンクチャネルを継続してモニタし、これは端末の不要な電力消費をもたらす。
【0044】
図5は、バッファ状態報告(BSR)とスケジューリング要求(SR)がトリガされた後の無線リソース割り当て過程を示す図である。
【0045】
図5に示すように、無線リソース割り当て過程は4つの異なる区間に分けられる。
【0046】
第1区間は、バッファ状態報告(BSR)とスケジューリング要求(SR)がトリガされるか又は進行中の時点から、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)でSRを送信可能な最初の時点までの区間である。一般に、前記第1区間は、前記SR要求の送信のための前記PUCCHの無線リソースの割り当ての設定に応じて様々に変化する。
図5においては、前記PUCCHの無線リソースが0ms、20ms、40msに割り当てられると仮定する。SRが2msでトリガされる場合、実際にSRが基地局に送信されるのは20msであるので、端末は2msから20msまで何の動作もしない。しかし、一般に、当該区間において端末はダウンリンクチャネル(例えば、PDCCH)を継続してモニタし、このような端末の不要なモニタ動作は不要な電力消費をもたらす。
【0047】
第2区間は、前記SRが送信された時点から、端末が基地局(例えば、eNB)からアップリンクグラント(ULグラント)メッセージを受信可能な最初の時点までの区間である。一般に、前記第2区間は、アップリンク/ダウンリンクのラウンドトリップ時間(Round Trip Time;RTT)及び/又は基地局の処理時間に関連する。従って、前記SRが送信された後、前記端末が前記無線リソース割り当てメッセージを受信するまで待機する遅延時間が存在する。しかし、一般に、当該区間においても端末はダウンリンクチャネルを継続してモニタする。従って、前記第2区間においても、前記第1区間のように、端末の不要な電力消費をもたらす。
【0048】
第3区間は、前記端末が基地局からULグラントメッセージを受信可能な最初の時点から、前記端末が実際に前記基地局から前記端末の無線リソース割り当てメッセージ(又は、情報)を受信する時点までの区間である。ここで、前記端末は、以前に送信したSRの復号に前記基地局が成功した後、前記無線リソース割り当てメッセージを受信する。従って、前記第3区間においては、前記第1及び第2区間とは異なり、前記端末が前記ダウンリンクチャネルをモニタして受信しなければならない。
【0049】
第4区間は、前記端末が実際に前記端末の無線リソース割り当てメッセージを受信した時点から、前記端末が前記PUCCHで次のSRを送信可能な時点(以前のSRの送信に失敗した場合)までの区間である。前記以前に送信したSRが前記基地局に正常に受信されていない場合、前記端末は前記無線リソース割り当てメッセージを受信することができない。この場合、当該区間において前記ダウンリンクチャネルをモニタすることは不要な動作である。
【0050】
前述したように、無線リソース割り当て過程において、端末がダウンリンクチャネル(例えば、PDCCH)をモニタする動作は、特定の区間では不要である。すなわち、端末が全区間でダウンリンクチャネルを継続してモニタすることは、端末の不要なバッテリ消費をもたらす。
【0051】
そこで、本発明においては、高い電力効率を有する改善された無線リソース割り当て方法を提示する。このために、本発明においては、タイマーを利用してダウンリンクチャネルのモニタ時間を調節することを提案する。
【0052】
好ましくは、端末は、PUCCHでSRを送信した後、スリープモードタイマー(Sleep Mode Timer)を動作させ、直ちに連続受信モード(Continuous Reception Mode)で動作する。そして、前記スリープモードタイマーが満了すると、前記端末は、前記連続受信モードを停止し、不連続受信モード(Discontinuous Reception Mode)に移行する。前記スリープモードタイマーの動作中に基地局から前記端末に無線リソースが割り当てられると、前記端末は前記スリープモードタイマーを停止する。
【0053】
好ましくは、端末は、PUCCHでSRを送信した後、スリープ停止タイマー(Sleep Stop Timer)を動作させる。その後、前記端末は、不連続受信モードに移行するか、又は前記PDCCHなどのダウンリンクチャネルのモニタを停止する。そして、前記スリープ停止タイマーが満了すると、前記端末は、連続受信モードに移行し、前記ダウンリンクチャネルを継続してモニタする。前記過程において、さらに前記スリープ停止タイマーが満了すると、前記端末はスリープモードタイマーを動作させる。そして、前記スリープモードタイマーが満了すると、前記端末は、前記連続受信モードを停止し、前記不連続受信モードに移行する。前記スリープモードタイマーの動作中に基地局から前記端末に無線リソースが割り当てられると、前記端末は前記スリープモードタイマーを停止する。
【0054】
好ましくは、端末は、D−SRチャネルで無線リソース割り当て要求をした後、第1不連続受信モード(例えば、長いDRX)の場合は第2不連続受信モード(短いDRX)に移行することができる。
【0055】
前記過程において、タイマーの設定値は基地局により端末に通知されるようにしてもよい。また、前記スリープ停止タイマー(又は、受信停止タイマー)の設定値はHARQ動作のRTTに設定されるようにしてもよい。
【0056】
つまり、本発明においては、SRがトリガされた後、所定の条件を満たせば、端末はダウンリンクチャネルをモニタしたり受信したりする。また、本発明においては、前記過程において、所定の条件を満たさなければ、前記端末は前記ダウンリンクチャネルをモニタしたり受信したりしない。ここで、所定の条件とは、特定の時点や、端末がPUCCHでSRを送信したとき、及び/又は前記SRの送信が進行中の場合を意味する。
【0057】
図6は、本発明の一実施形態によるバッファ状態報告(BSR)とスケジューリング要求(SR)がトリガされた後の無線リソース割り当て過程を示す図である。
【0058】
図6に示すように、無線リソース割り当て過程は4つの異なる区間に分けられる。
【0059】
第1区間は、バッファ状態報告(BSR)とスケジューリング要求(SR)がトリガされるか又は進行中の時点から、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)でSRを送信可能な最初の時点までの区間である。一般に、前記第1区間は、前記SR要求の送信のための前記PUCCHの無線リソースの割り当ての設定に応じて様々に変化する。
図5においては、前記PUCCHの無線リソースが0ms、20ms、40msに割り当てられると仮定する。SRが2msでトリガされる場合、実際にSRが基地局に送信されるのは20msであるので、端末は2msから20msまで何の動作もしない。前述したように、本発明においては、前記第1区間でダウンリンクチャネルをモニタする動作が行われないので、端末の不要な電力消費を最小限に抑えることができる。
【0060】
第2区間は、前記SRが送信された時点から、端末が基地局(例えば、eNB)からULグラントメッセージを受信可能な最初の時点までの区間である。一般に、前記第2区間は、アップリンク/ダウンリンクのラウンドトリップ時間(RTT)及び/又は基地局の処理時間に関連する。従って、前記SRが送信された後、前記端末が前記無線リソース割り当てメッセージを受信するまで待機する遅延時間が存在する。前述したように、本発明においては、前記第2区間でダウンリンクチャネルをモニタする動作が行われないので、端末の不要な電力消費を最小限に抑えることができる。
【0061】
第3区間は、前記端末が基地局からULグラントメッセージを受信可能な最初の時点から、前記端末が実際に前記基地局から前記端末の無線リソース割り当てメッセージ(又は、情報)を受信する時点までの区間である。ここで、前記端末は、以前に送信したSRの復号に前記基地局が成功した後、前記無線リソース割り当てメッセージを受信する。従って、本発明においては、前記第3区間において、前記第1及び第2区間とは異なり、前記端末が前記ダウンリンクチャネルのためのモニタ動作を行う。
【0062】
第4区間は、前記端末が実際に前記端末の無線リソース割り当てメッセージを受信した時点から、前記端末が前記PUCCHで次のSRを送信可能な時点(以前のSRの送信に失敗した場合)までの区間である。本発明においては、端末の不要な電力消費を排除するために、当該区間において端末のモニタ動作が行われない。
【0063】
本発明において、前記スケジューリング要求(SR)は、新しい送信のためのアップリンクチャネル(例えば、UL−SCH)リソースを要求するのに使用される。また、SRがトリガされると、SRがキャンセルされるまで進行中とみなす。データユニット(例えば、MAC PDU)がアセンブルされ、当該データユニットがトリガされたBSRの最後のイベントまでを含むバッファ状態を含むBSRを含む場合、又はULグラントが送信可能な全ての進行中のデータを収容する場合、全ての進行中のSRをキャンセルすることができ、SR禁止タイマーを停止することができる。
【0064】
本発明は、無線通信システムにおいて物理ダウンリンクチャネルのモニタ動作を制御する方法であって、アップリンクデータ送信のために少なくとも1つの無線リソースを割り当てるためのシグナリングをトリガする段階と、前記トリガされたシグナリングがネットワークに送信されたか否かを判断する段階と、前記判断する段階に基づいて、前記物理ダウンリンクチャネルのモニタ動作を選択的に行う段階とを含み、前記トリガされたシグナリングが前記ネットワークに送信されたと判断されれば、前記モニタ動作を行い、前記トリガされたシグナリングが前記ネットワークに送信されていないと判断されれば、前記モニタ動作を行わず、前記シグナリングが物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)でネットワークに送信され、前記シグナリングがスケジューリング要求(SR)シグナリングであり、前記物理ダウンリンクチャネルが物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)であり、前記シグナリングがスケジューリング要求(SR)過程に関連するものである。
【0065】
本発明は、移動通信に関連して説明されているが、無線通信特性(例えば、インタフェース)を備えるPDAやラップトップコンピュータなどの移動機器を用いるあらゆる無線通信システムに使用できる。また、本発明を説明する特定の用語の使用により、特定の種類の無線通信システムに本発明の範囲を限定するものではない。本発明は、例えば、TDMA、CDMA、FDMA、WCDMA、OFDM、EV−DO、Wi−Max、Wi−Broなどの様々なエアインタフェース及び/又は物理層を使用する他の無線通信システムに適用することができる。
【0066】
本発明の実施形態は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア又はそれらの組み合わせを生産するための標準プログラミング及び/又は工学技術を用いる方法、装置又は製造物として実現される。「製造物」という用語は、ハードウェアロジック(例えば、集積回路チップ、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)など)、コンピュータ可読媒体(例えば、ハードディスクドライブ、フロッピーディスク、テープなどの磁気記録媒体)、光記憶装置(CD−ROM、光ディスクなど)、揮発性及び不揮発性メモリ装置(例えば、EEPROM、ROM、PROM、RAM、DRAM、SRAM、ファームウェア、プログラムロジックなど)において実行されるコードやロジックを指して用いられる。
【0067】
コンピュータ可読媒体内のコードはプロセッサによりアクセス及び実行される。前記本発明の実施形態が実現されるコードは、伝送媒体を介して、又はネットワーク上のファイルサーバから接続することもできる。その場合、前記コードが実現される製造物は、ネットワーク伝送ライン、無線伝送媒体、空間を伝播する信号、無線波、赤外線信号などの伝送媒体を含む。もちろん、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能であり、前記製造物が公知の情報伝達媒体を含むことを理解するであろう。
【0068】
本発明の思想や重要な特性から外れない限り、本発明は様々な形態で実現することができ、前述した実施形態によって限定されるものでなく、むしろ請求の範囲に記載の本発明の思想や範囲内で広く解釈されるべきであり、本発明の請求の範囲内で行われるあらゆる変更及び変形、並びに請求の範囲の均等物は本発明の請求の範囲に含まれる。