(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の構成要素が、前記第1の構成要素を前記骨要素に取外し可能に定着させる締結具を収容する少なくとも一つのボアを含む、請求項1に記載のアライメントガイド。
屈曲/伸展角度、内反/外反角度、遠位側切断の切除レベル、前側/後側位置決め、内旋/外旋、及び内側/外側位置決めから成る群から選択された二以下の自由度を制御するように調節が行われる、請求項1に記載のアライメントガイド。
前記第1の構成要素に対する前記第2の構成要素の向き及び相対変位が、前記二自由度を制御するように継続的に調節可能である、請求項1に記載のアライメントガイド。
前記第1の構成要素が、前記第1の構成要素を前記骨要素に取外し可能に定着させる締結具を収容する少なくとも一つのボアを含む、請求項7に記載のアライメントガイド。
屈曲/伸展角度、内反/外反角度、遠位側切断の切除レベル、前側/後側位置決め、内旋/外旋、及び内側/外側位置決めから成る群から選択された五以下の自由度を制御するように調節が行われる、請求項7に記載のアライメントガイド。
前記第1の構成要素に対する前記第2の構成要素の向き及び相対変位が、前記二自由度を制御するように継続的に調節可能である、請求項7に記載のアライメントガイド。
前記第2の構成要素及び前記第1の構成要素に対する前記第3の構成要素の向き及び相対変位が、三以下の更なる自由度を制御するように継続的に調節可能である、請求項7に記載のアライメントガイド。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記課題を解消するための移植片用に骨要素を準備するためにコンピュータ支援整形外科で使用されるアライメントガイドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
移植片用に骨要素を準備するためにコンピュータ支援整形外科で使用されるアライメントガイドが、本明細書で開示される。一実施形態では、本発明の方法論は、術中ナビゲーションシステムの使用、及び移植片構成要素のアライメントのための縮小されたコンパクトなアライメントガイドの使用に基づく。
【0006】
本発明の一実施形態によれば、骨要素に固定可能であり、固定剛体として役立つ第1の構成要素と、第1の構成要素に対して移動可能であり、手術器具を収容する少なくとも一つのガイドを有する第2の構成要素とを含む、移植片を受け入れるように骨要素を準備するためのアライメントガイドであって、第2の構成要素及び二つの制御機構が第1のリンクを形成し、二つの制御機構が並行して働いて二以下の自由度で調節を行って、移植片用に骨要素を準備するために少なくとも一つのガイドの二以下の自由度でのアライメントをもたらす、アライメントガイドが開示される。
【0007】
本発明の一実施形態によれば、骨要素に固定可能であり、第1のボールヘッド締結具(ball head fastener)を収容する第1のボアと、第2のボールヘッド締結具を収容する第2のボアとを備え、固定剛体として役立つ第1の構成要素と、第1の構成要素に対して移動可能であり、第1のボールヘッド締結具の第1のボールを収容する第1のボールソケットと、第2のボールヘッド締結具の第2のボールを収容する第2のボールソケットと、手術器具を収容する少なくとも一つのガイドとを備える第2の構成要素とを含む、移植片を受け入れるように骨要素を準備するためのアライメントガイドであって、第1のボールヘッド締結具及び第2のボールヘッド締結具が並行して働いて二以下の自由度で調節を行って、移植片用に骨要素を準備するために少なくとも一つのガイドの二以下の自由度でのアライメントをもたらす、アライメントガイドが開示される。
【0008】
本発明の一実施形態によれば、骨要素に固定可能であり、固定剛体として役立つ第1の構成要素と、第1の構成要素に対して移動可能な第2の構成要素と、第2の構成要素及び第1の構成要素に対して移動可能であり、手術器具を収容する少なくとも一つのガイドを備える第3の構成要素とを含む、移植片を受け入れるように骨要素を準備するためのアライメントガイドであって、第2の構成要素及びn個の制御機構が第1のリンクを形成し、n個の制御機構が並行して働いてn以下の自由度でアライメントガイドの調節を行って、移植片用に骨要素を準備するために少なくとも一つのガイドのn以下の自由度でのアライメントをもたらし、第3の構成要素及びm個の制御機構が第2のリンクを形成し、m個の制御機構が並行して働いてm以下の更なる自由度でアライメントガイドの調節を行って、移植片用に骨要素を準備するために少なくとも一つのガイドのm以下の更なる自由度でのアライメントをもたらし、第1の構成要素に対する少なくとも一つのガイドの調節の合計自由度がn + m以下の自由度である、アライメントガイドが開示される。
【0009】
本明細書に示される態様によれば、骨要素に固定可能であり、第1のボールヘッド締結具を収容する第1のボアと、第2のボールヘッド締結具を収容する第2のボアとを備え、固定剛体として役立つ第1の構成要素と、第1の構成要素に対して移動可能であり、第1のボールヘッド締結具の第1のボールを収容する第1のボールソケットと、第2のボールヘッド締結具の第2のボールを収容する第2のボールソケットと、第3のボールヘッド締結具の第3のボールを収容する第3のボールソケットと、第4のボールヘッド締結具の第4のボールを収容する第4のボールソケットと、第5のボールヘッド締結具の第5のボールを収容する第5のボールソケットとを備える第2の構成要素と、第2の構成要素及び第1の構成要素に対して移動可能であり、第3のボールヘッド締結具を収容する第3のボアと、第4のボールヘッド締結具を収容する第4のボアと、第5のボールヘッド締結具を収容する第5のボアと、手術器具を収容する少なくとも一つのガイドとを備える第3の構成要素とを含む、移植片を受け入れるように骨要素を準備するためのアライメントガイドであって、第1のボールヘッド締結具及び第2のボールヘッド締結具が並行して働いて二以下の自由度で調節を行って、移植片用に骨要素を準備するために少なくとも一つのガイドの二以下の自由度でのアライメントをもたらし、第3のボールヘッド締結具、第4のボールヘッド締結具、及び第5のボールヘッド締結具が並行して働いて三以下の更なる自由度で調節を行って、移植片用に骨要素を準備するために少なくとも一つのガイドの三以下の更なる自由度でのアライメントをもたらし、第1の構成要素に対する少なくとも一つのガイドの調節の合計自由度が五以下の自由度である、アライメントガイドが開示される。
【0010】
本明細書に示される態様によれば、アライメントガイドの第1の構成要素を大腿骨の遠位顆部(distal condyles)に固定するステップと、可動ナビゲーション追跡装置を使用して、第1の構成要素に対するアライメントガイドの第2の構成要素の向き及び相対変位を追跡するステップと、第2の構成要素を大腿骨に対する所望の位置で位置決めするため、第1の構成要素に対する前記第2の構成要素の並列調節によって、前記アライメントガイドのn以下の自由度を制御するステップと、可動ナビゲーション追跡装置を使用して、第2の構成要素及び第1の構成要素に対するアライメントガイドの第3の構成要素の向き及び相対変位を追跡するステップと、第3の構成要素を大腿骨に対する所望の位置で位置決めするため、第2の構成要素及び第1の構成要素に対する第3の構成要素の並列調節によって、アライメントガイドのm以下の更なる自由度を制御するステップと、ドリルビット又は類似の手段を使用して、大腿骨の大腿骨皮質(femoral cortex)に少なくとも一つの穴を形成するステップと、定着手段として役立つようにドリルビットを大腿骨皮質上で維持するステップと、大腿骨の遠位顆部に少なくとも一つの穴を形成するステップと、アライメントガイドを大腿骨から除去するステップと、定着手段に取付け可能な切断ブロック(cutting block)を大腿骨皮質上で位置決めするステップと、切断ブロックをガイドとして使用して、遠位側大腿骨切除を行うステップと、切断ブロックを前側大腿骨皮質から除去するステップと、遠位顆部に形成した穴に基づいて切断ブロックを遠位顆部上で位置決めするステップと、移植片を受け入れるための大腿骨の切除を完了するステップとを含む、移植片を受け入れるように大腿骨を準備するための方法が開示される。
【0011】
本発明は、添付図面を参照して更に説明される。添付図面において、同様の構造は複数の図面を通して同様の符号によって参照される。図示される図面は必ずしも縮尺通りではなく、その代わり、本発明の原理を例証するにあたって全体的に強調される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1A】スキーム1〜4は、本発明のアライメントガイドが有することができる構造を示し、少なくとも二つの制御機構が並列して働いて二自由度で調節を行う、閉鎖運動連鎖を有する並列マニピュレータ構造の様々な実施形態を示すフローチャートである。
【
図1B】スキーム5〜9は、本発明のアライメントガイドが有することができる構造を示し、少なくとも二つの制御機構が並列して働いて二自由度で調節を行う、閉鎖運動連鎖を有する並列マニピュレータ構造の様々な実施形態を示すフローチャートである。
【
図1C】スキーム10〜13は、本発明のアライメントガイドが有することができる構造を示し、少なくとも二つの制御機構が並列して働いて二自由度で調節を行う、閉鎖運動連鎖を有する並列マニピュレータ構造の様々な実施形態を示すフローチャートである。
【
図1D】スキーム14〜17は、本発明のアライメントガイドが有することができる構造を示し、少なくとも二つの制御機構が並列して働いて二自由度で調節を行う、閉鎖運動連鎖を有する並列マニピュレータ構造の様々な実施形態を示すフローチャートである。
【
図1E】スキーム18〜20は、本発明のアライメントガイドが有することができる構造を示し、少なくとも二つの制御機構が並列して働いて二自由度で調節を行う、閉鎖運動連鎖を有する並列マニピュレータ構造の様々な実施形態を示すフローチャートである。
【
図1F】スキーム21〜23は、本発明のアライメントガイドが有することができる構造を示し、少なくとも二つの制御機構が並列して働いて二自由度で調節を行う、閉鎖運動連鎖を有する並列マニピュレータ構造の様々な実施形態を示すフローチャートである。
【
図1G】スキーム24〜26は、本発明のアライメントガイドが有することができる構造を示し、少なくとも二つの制御機構が並列して働いて二自由度で調節を行う、閉鎖運動連鎖を有する並列マニピュレータ構造の様々な実施形態を示すフローチャートである。
【
図1H】スキーム27〜29は、本発明のアライメントガイドが有することができる構造を示し、少なくとも二つの制御機構が並列して働いて二自由度で調節を行う、閉鎖運動連鎖を有する並列マニピュレータ構造の様々な実施形態を示すフローチャートである。
【
図2】開放ループ運動連鎖を有する従来技術の直列マニピュレータ構造を示すフローチャートである。
【
図3】本発明のアライメントガイドの一実施形態を示す正面斜視図である。
【
図4】
図3のアライメントガイドの後面斜視図である。
【
図6】本発明のアライメントガイドの一実施形態を示す正面斜視図である。
【
図7A】移植片用に骨要素を準備するための骨要素に固定された
図6のアライメントガイドを示す正面斜視図である。
【
図7B】移植片用に骨要素を準備するための骨要素に固定された
図6のアライメントガイドを示す正面斜視図である。
【
図8A】
図6のアライメントガイドを使用して移植片を受け入れるように大腿骨を準備する方法の実施形態を示す斜視図である。
【
図8B】
図6のアライメントガイドを使用して移植片を受け入れるように大腿骨を準備する方法の実施形態を示す斜視図である。
【
図8C】
図6のアライメントガイドを使用して移植片を受け入れるように大腿骨を準備する方法の実施形態を示す斜視図である。
【
図8D】
図6のアライメントガイドを使用して移植片を受け入れるように大腿骨を準備する方法の実施形態を示す斜視図である。
【
図8E】
図6のアライメントガイドを使用して移植片を受け入れるように大腿骨を準備する方法の実施形態を示す斜視図である。
【
図8F】
図6のアライメントガイドを使用して移植片を受け入れるように大腿骨を準備する方法の実施形態を示す斜視図である。
【
図8G】
図6のアライメントガイドを使用して移植片を受け入れるように大腿骨を準備する方法の実施形態を示す斜視図である。
【
図8H】
図6のアライメントガイドを使用して移植片を受け入れるように大腿骨を準備する方法の実施形態を示す斜視図である。
【
図8I】
図6のアライメントガイドを使用して移植片を受け入れるように大腿骨を準備する方法の実施形態を示す斜視図である。
【
図9】本発明のアライメントガイドの一実施形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
上記の図面は本明細書に開示される実施形態を説明しているが、図示する実施形態に限定されるものでなく、説明のために具体的な実施形態を提示するものである。当業者であれば、本明細書に開示される発明の原理の範囲及び趣旨に含まれる他の多数の修正及び実施形態を考案することができる。
【0014】
人工器官構成要素のより精密な位置決めを支援して、外科医が的確に人工器官を配置するために術中に情報に基づく決定を行うことができるように、コンピュータ技術が導入されてきた。コンピュータ支援膝関節置換術は、外科手術可視化を強化することにより、整形外科医がより低侵襲性の処置を行う能力を向上する。CAOSでは、外科医が最良の決定を下すのを支援するため、データプロセッサを使用してデータの受け渡しが行われる。患者の膝の三次元(3D)表現は、患者データを入力することによって作成される。ソフトウェアは、各患者の膝関節のデジタルモデルを生成する。それに加えて、ソフトウェアは、骨及び周囲の軟組織に関する詳細データを提供することができる。場合によっては、X線又はCTスキャンのいずれかが不要である。このことは、放射線被爆を伴わないため、患者の利益になる。患者の関節が手術中に移動するにつれて、その移動するデジタル動画を生成する技術が適用される。表現をリアルタイムで処理するため、CAOSがソフトウェアと組み合わされる。特定の処置それぞれに対するマップとして役立つデジタルモデルが生成される。次に、その表現は、手術の間外科医をガイドするように外科医が利用可能にされる。手術器具をマップに組み入れることができるので、器具の位置及び進行度合いを数分の一ミリメートル及び数分の一度以内で監視し制御することができる。外科医は、このリアルタイムデータを使用して処置を術中に補正することができる。
【0015】
一実施形態では、本発明の方法論は、術中ナビゲーションシステムの使用、及び移植片構成要素のアライメントのための縮小されたコンパクトなアライメントガイドの使用に基づく。一実施形態では、本発明のアライメントガイドは、ナビゲーションシステムを使用して小さな解剖学的範囲に穿孔する際に特に重要なことがある、穿孔精度を改善するため、ドリルビットの安定性を増大させるのに使用される。一実施形態では、本発明のアライメントガイドと共に使用される術中ナビゲーションシステムは、ナビゲーションシステムを稼働させるコンピュータ(例えば、3Dグラフィックボードを備えた中央制御装置)と、物体を追跡してその移動を仮想風景において再現するのに使用される検出装置とを含む。一実施形態では、本発明の方法論は、患者固有の医療データを収集する測定プロセスと、手術計画を生成する意思決定プロセスと、手術計画を患者に提携させる登録プロセスと、計画において指定した目標を精密に達成する実行プロセスとを含む。人工器官構成要素の正確な配置に向けて外科医をガイドするため、患者の解剖学的構造に対する穴の配置の精密且つ的確な位置付けを術中検出装置によって追跡することができ、求められる配置をビデオモニタ上で外科医に対して視覚的に伝達することができる。一実施形態では、一つの検出装置を直接又は間接的に大腿骨に締結することができ、一つの検出装置を脛骨に締結することができ、追加の検出装置(一つ又は複数)を本発明のアライメントガイドの可動構成要素に締結することができる。一実施形態では、ナビゲーションシステムソフトウェアは、レジストレーションモジュール、追跡モジュール、及びグラフィカル人間-機械インターフェースを含む。
【0016】
一実施形態では、本発明のアライメントガイドは、コンピュータ支援TKA中に外科医に対してガイダンスを提供する一方で、骨切断を準備する。一実施形態では、本発明のアライメントガイドは、コンピュータ支援TKA中に外科医に対してガイダンスを提供して、アウトライアーの数を低減する一方で、使いやすさを維持する。一実施形態では、本発明のアライメントガイドは、コンピュータ支援TKA中に外科医に対してガイダンスを提供して、解剖学的パラメータの一つ又は多数の術中調節を可能にする。
【0017】
一実施形態では、本発明のアライメントガイドは、多数の「脚体」を用いたガイドを有するエンドエフェクタプラットフォームに接続された固定支持体又はベースプレートで構成された五自由度の並列マニピュレータである。一実施形態では、本発明のアライメントガイドは、合計五つのアクチュエータ(「制御機構」とも呼ばれる)を備えた二つの独立運動連鎖によってそのエンドエフェクタプラットフォームがベースプレートに連結された閉ループ運動連鎖機構である、五自由度の並列マニピュレータである。一実施形態では、第1の運動連鎖は可動リンク及び二つのアクチュエータを備え、第2の運動連鎖は別個の可動リンク及び三つのアクチュエータを備える。一実施形態では、第1の運動連鎖のアクチュエータの数(二つ)に第2の運動連鎖のアクチュエータの数(三つ)を加えた数は、エンドエフェクタプラットフォームの自由度の数(五つ)と同じである。一実施形態では、本発明のアライメントガイドは、良好な位置決め精度及び安定性を有する五自由度の並列マニピュレータである。一実施形態では、この精度及び安定性は、少なくとも部分的には、脚体が本質的に引っ張り/圧縮で働き、事実上屈曲されず、それによって不要な変形が小さくなるという事実に起因する。
【0018】
一実施形態では、本発明のアライメントガイドは、少なくとも二つの制御機構が並列して働いて二自由度で調節を行う、閉鎖運動連鎖を有する並列運動リンケージ(parallel kinematic linkage)システムである。一実施形態では、本発明のアライメントガイドは、少なくとも二つの制御機構が並列して働いて二自由度で調節を行い(「第1のリンク」)、少なくとも三つの制御機構が並列して働いて更なる三自由度で調節を行い(「第2のリンク」)、第1のリンク調節及び第2のリンク調節が順次行われる、閉鎖運動連鎖を有する並列運動リンケージシステムである。一実施形態では、本発明のアライメントガイドは、例えば、
図1A〜1Hのスキーム1〜29のいずれかに示されるような、閉鎖運動連鎖を有する並列運動リンケージシステムである。
図1A〜1Hは、少なくとも二つの制御機構が並列して働いて二自由度で調節を行う、閉鎖運動連鎖を有する並列マニピュレータ構造の様々な実施形態を示す。これは、
図2に示されるような、調節が順次行われる開ループ運動連鎖を有する直列運動リンケージシステム、つまり、全ての追加の軸線がその前の軸線の上に載置されるものとは対照的である。本発明のアライメントガイドは、スキーム1-29のいずれかに示されるような構造を有することができ、少なくとも二つの制御機構が並列して働いて六以下の自由度で調節を行う。一実施形態では、本発明のアライメントガイドは、並列して働いて二自由度で調節を行う二つの制御機構を有する(例えば、スキーム1〜3、スキーム5〜6、スキーム8〜9、スキーム12〜15、スキーム19〜22、及びスキーム24を参照)。一実施形態では、本発明のアライメントガイドは、並列して働いて三自由度で調節を行う三つの制御機構を有する(例えば、スキーム4、スキーム7、スキーム10、スキーム16〜17、及びスキーム22〜24を参照)。一実施形態では、本発明のアライメントガイドは、並列して働いて四自由度で調節を行う四つの制御機構を有する(例えば、スキーム11、スキーム18、及びスキーム25を参照)。一実施形態では、本発明のアライメントガイドは、並列して働いて五自由度で調節を行う五つの制御機構を有する(例えば、スキーム26を参照)。一実施形態では、本発明のアライメントガイドは、並列して働いて六自由度で調節を行う六つの制御機構を有する(例えば、スキーム27〜29を参照)。本発明のアライメントガイドは、少なくとも二つの制御機構が並列して働いて六以下の自由度で調節を行う、スキーム1〜29、並びに
図1には存在しない可能性がある追加のスキームのいずれかに示されるような構造を有することができる。
【0019】
本発明の詳細な実施形態を本明細書に開示するが、開示される実施形態は、様々な形態で具体化されてもよい本発明の単なる例証であることを理解されたい。それに加えて、本発明の様々な実施形態に関連して与えられる実施例はそれぞれ、例証目的のものであって制限目的ではない。更に、図面は必ずしも縮尺通りではなく、いくつかの特徴は、特定の構成要素の詳細を示すために誇張されていることがある(また、図面に示されるあらゆるサイズ、材料、及び類似の詳細は、当然ながら例証目的のものであって制限目的ではない)。したがって、本明細書に開示される特定の構造的及び機能的な詳細は、限定的なものと解釈すべきではなく、単に、本発明を様々に用いるように当業者に教示するための代表的な原則と解釈すべきである。
【0020】
図3は、
図4及び
図5と併せて、本発明のアライメントガイド10の一実施形態を示す。一実施形態では、アライメントガイド10は、多数の「脚体」によってガイド41を備えたエンドエフェクタプラットフォーム40に接続された、固定支持体又はベースプレート20で構成された五自由度の並列マニピュレータである。一実施形態では、アライメントガイド10は、二つの独立運動連鎖(可動構成要素30とアクチュエータ51及び53;並びに可動構成要素40とアクチュエータ55、57、及び59)によってそのエンドエフェクタプラットフォーム40がベースプレート20に連結された閉ループ運動連鎖機構である、五自由度の並列マニピュレータである。閉ループ運動連鎖機構は、少なくとも一つの閉ループが存在するようにしてリンク及び関節が配列された機構である。これは、直列ロボットアーム(serial robot robotic arm)(例えば、関節式アームなどの多関節ロボット)などの開ループ機構とは対照的である。一実施形態では、第1の運動連鎖は可動リンク30とアクチュエータ51及び53とを備える。一実施形態では、第2の運動連鎖は可動リンク40とアクチュエータ55、57、及び59とを備える。一実施形態では、第1の運動連鎖のアクチュエータの数(即ち、二つ)に第2の運動連鎖のアクチュエータの数(即ち、三つ)を加えた数は、エンドエフェクタプラットフォームの自由度の数(即ち、五つ)と同じである。一実施形態では、本発明のアライメントガイド10は、良好な位置決め精度を有する五自由度の並列マニピュレータである。一実施形態では、この精度及び安定性は、少なくとも部分的には、脚体が本質的に引っ張り/圧縮で働き、事実上屈曲されず、それによって不要な変形が小さくなるという事実に起因する。
【0021】
アライメントガイド10は、移植片用に骨要素を準備するため、術中ナビゲーションシステムと併用される。アライメントガイド10は、骨要素に固定可能な第1の構成要素20を含む。一実施形態では、第1の構成要素20は骨要素に髄外固定可能である。第1の構成要素20は、第1のボールヘッド締結具51を収容する第1のボア21と、第2のボールヘッド締結具53を収容する第2のボア23とを含む。一実施形態では、第1の構成要素20は、第1の構成要素20を骨要素に取外し可能に定着させるピン又は類似の手段を収容する、少なくとも一つの小穴24を含む。一実施形態では、第1の構成要素20は、特定の解剖学的基準点を作成する、大腿骨の表面レジストレーションのための固定剛体として役立つ。一実施形態では、第1の構成要素20は、アタッチメント25を介して第1の構成要素20に取り付けられた能動的追跡システムによって特定の解剖学的基準点を作成する、大腿骨の表面レジストレーションのための固定剛体として役立つ。一実施形態では、第1の構成要素20は、第1の構成要素20の遠位側プレート22を介して骨要素に髄外固定可能である。一実施形態では、第1の構成要素20は、調節量(主に前後軸に沿った)を減少させるため、第1の構成要素20を大腿骨に対して予備位置決めするガイダンスを提供することができる前側スタイラス(anterior stylus)28を含む。アライメントガイド10はまた、第1の構成要素20に対して移動可能な第2の構成要素30を含む。一実施形態では、第2の移動可能な構成要素30は第1の構成要素20に堅く接続される。第2の構成要素30は、第1のボールヘッド締結具51の第1のボールを収容する第1のボールソケット31と、第2のボールヘッド締結具53の第2のボールを収容する第2のボールソケット(図示なし)と、第3のボールヘッド締結具55の第3のボールを収容する第3のボールソケット35と、第4のボールヘッド締結具57の第4のボールを収容する第4のボールソケット(図示なし)と、第5のボールヘッド締結具59の第5のボールを収容する第5のボールソケット(図示なし)とを含む。第2の構成要素30、第1のボールヘッド締結具51、及び第2のボールヘッド締結具53は、二つの制御機構が並列して働いて二自由度で調節を行う「第1のリンク」を形成する。アライメントガイド10はまた、第2の構成要素30及び第1の構成要素20に対して移動可能な第3の構成要素40を含む。一実施形態では、第3の移動可能な構成要素40は第2の構成要素30に堅く接続される。第3の構成要素40は、第3のボールヘッド締結具55を収容する第3のボア45と、第4のボールヘッド締結具57を収容する第4のボア47と、第5のボールヘッド締結具59を収容する第5のボア49とを含む。第3の構成要素40、第3のボールヘッド締結具55、第4のボールヘッド締結具57、及び第5のボールヘッド締結具59は、三つの制御機構が並列して働いて三以下の更なる自由度で調節を行う「第2のリンク」を形成する。第3の構成要素40は、少なくとも一つの穴を骨要素に開ける手術器具を収容する少なくとも一つのガイド41を含む。一実施形態では、手術器具はドリルビットであるが、骨要素に穴を開けるのに他の手術器具を使用することができる。
図1〜3に示される実施形態では、第3の構成要素40は四つのガイド41を含む。ガイド41の数は、アライメントガイド10の特定の用途向けに変えることができる。一つ、二つ、三つ、四つ、五つ、六つ、又はそれ以上のガイド41が含まれてもよい。一実施形態では、第3の構成要素40は、アタッチメント42を介して第3の構成要素40に取り付けられる能動的追跡システムによって、手術中に患者の大腿骨が移動するにつれてその移動するデジタル動画を生成する可動体として役立つ。
【0022】
第1のボールヘッド締結具51及び第2のボールヘッド締結具53は、並列して働いて二自由度で調節を行って、移植片用に骨要素を準備するためにガイド41の二自由度でのアライメントをもたらし、第3のホールヘッド締結具55、第4のボールヘッド締結具57、及び第5のボールヘッド締結具59は、並列して働いて三以下の自由度で調節を行って、移植片用に骨要素を準備するためにガイド41の三以下の更なる自由度でのアライメントをもたらす。一実施形態では、屈曲/伸展角度、内反/外反角度、遠位側切断の切除レベル(distal cut resection level)、前側/後側位置決め、内旋/外旋、及び内側/外側位置決めから成る群から選択された六以下の自由度を制御するように調節が行われる。並列マニピュレータアライメントガイド10の運動連鎖のアクチュエータ(即ち、制御機構)は、本明細書に記載されるようなボール/ソケットタイプに限定されないことに留意されたい。滑りタイプ、ヒンジタイプ、サドルタイプ、及びピボットタイプを含むがそれらに限定されない、他のアクチュエータ/制御機構を使用することができる。一実施形態では、アクチュエータは、一対の歯車を備えるラックピニオン式のリニアアクチュエータであり、ラック上でのピニオンの運動を係止するのにラチェットデバイスが使用される。一実施形態では、アクチュエータは、インジケータデバイス(例えば、ダイヤル)を有するカムリニアアクチュエータであるので、術中ナビゲーションシステムはカムをどの位置まで回すかを外科医に通知することができ、カムアクチュエータを調節する際にシステムの表示画面を参照する必要がなくなる。
【0023】
図6は、本発明のアライメントガイド100の一実施形態を示す。一実施形態では、アライメントガイド100は、多数の「脚体」によって、ガイド141が取り付けられるエンドエフェクタプラットフォーム140に接続された、固定支持体又はベースプレート120で構成された五自由度の並列マニピュレータである。一実施形態では、アライメントガイド100は、二つの独立運動連鎖(可動構成要素130とアクチュエータ351及び353;並びに可動構成要素140とアクチュエータ155、157、及び159)によってそのエンドエフェクタプラットフォーム140がベースプレート120に連結された閉ループ運動連鎖機構である、五自由度の並列マニピュレータである。閉ループ運動連鎖機構は、少なくとも一つの閉ループが存在するようにしてリンク及び関節が配列された機構である。これは、直列ロボットアーム(例えば、関節式アームなどの多関節ロボット)などの開ループ機構とは対照的である。一実施形態では、第1の運動連鎖は可動リンク130とアクチュエータ151及び153とを備える。一実施形態では、第2の運動連鎖は可動リンク140とアクチュエータ155、157、及び159とを備える。一実施形態では、第1の運動連鎖のアクチュエータの数(二つ)に第2の運動連鎖のアクチュエータの数(三つ)を加えた数は、エンドエフェクタプラットフォームの自由度の数(五つ)と同じである。一実施形態では、本発明のアライメントガイド100は、良好な位置決め精度を有する五自由度の並列マニピュレータである。この精度及び安定性は、少なくとも部分的には、脚体が本質的に引っ張り/圧縮で働き、事実上屈曲されず、それによって計画外の変形が小さくなるという事実に起因する。
【0024】
アライメントガイド100は、移植片用に骨要素を準備するため、術中ナビゲーションシステムと併用される。アライメントガイド100は、骨要素に固定可能な第1の構成要素120を含む。一実施形態では、第1の構成要素120は骨要素に髄外固定可能である。一実施形態では、第1の構成要素120は固定剛体として役立つ。一実施形態では、第1の構成要素120は、第1の構成要素120を骨要素に取外し可能に定着させるピン又は類似の手段を収容する、少なくとも一つの小穴124を含む。一実施形態では、第1の構成要素120は遠位側プレート122を介して骨要素に髄外固定可能である。一実施形態では、第1の構成要素120は、例えば、大腿骨の前側大腿骨皮質を位置合わせするガイドとして作用することができる、前側スタイラス128を含む。アライメントガイド100はまた、第1の構成要素120に対して移動可能な第2の構成要素130を含む。一実施形態では、第2の移動可能な構成要素130は第1の構成要素120に堅く接続される。第2の構成要素130は、第1のボールヘッド締結具151を収容する第1のボア121と、第2のボールヘッド締結具153を収容する第2のボア123とを含む。第2の構成要素130はまた、第1のボールヘッド締結具151の第1のボールを収容する第1のボールソケット131と、第2のボールヘッド締結具153の第2のボールを収容する第2のボールソケット(図示なし)と、第3のボールヘッド締結具155の第3のボールを収容する第3のボールソケット135と、第4のボールヘッド締結具157の第4のボールを収容する第4のボールソケット(図示なし)と、第5のボールヘッド締結具159の第5のボールを収容する第5のボールソケット(図示なし)とを含む。第2の構成要素130、第1のボールヘッド締結具151、及び第2のボールヘッド締結具153は、二つの制御機構が並列して働いて二自由度で調節を行う「第1のリンク」を形成する。アライメントガイド100はまた、第2の構成要素130及び第1の構成要素120に対して移動可能な第3の構成要素140を含む。一実施形態では、第3の移動可能な構成要素140は第2の構成要素130に堅く接続される。第3の構成要素140は、第3のボールヘッド締結具155を収容する第3のボア145と、第4のボールヘッド締結具157を収容する第4のボア147と、第5のボールヘッド締結具159を収容する第5のボア149とを含む。第3の構成要素140、第3のボールヘッド締結具155、第4のボールヘッド締結具157、及び第5のボールヘッド締結具159は、三つの制御機構が並列して働いて三以下の更なる自由度で調節を行う「第2のリンク」を形成する。第3の構成要素140は、少なくとも一つの穴を骨要素に開ける手術器具を収容する少なくとも一つのガイド141を含む。一実施形態では、手術器具はドリルビットであるが、骨要素に穴を開けるのに他の手術器具を使用することができる。
図6に示される実施形態では、第3の構成要素140は四つのガイド141を含む。ガイド141の数は、アライメントガイド100の特定の用途向けに変えることができる。一つ、二つ、三つ、四つ、五つ、六つ、又はそれ以上のガイド141が含まれてもよい。
図6の実施形態中に示されるように、第1の構成要素120の遠位側プレート122は二つの切欠き126を含み、二つの切欠き126はそれぞれ、骨要素に穴を開ける手術器具を収容する第3の構成要素140の下側ガイド141それぞれと整列する。一実施形態では、第3の構成要素140は、アタッチメント142を介して第3の構成要素140に取り付けられる能動的追跡システム160によって、手術中に患者の大腿骨が移動するにつれてその移動するデジタル動画を生成する可動体として役立つ。
【0025】
第1のボールヘッド締結具151及び第2のボールヘッド締結具153は、並列に配列されて二自由度で調節を行って、移植片用に骨要素を準備するためにガイド141の二自由度でのアライメントをもたらし、第3のボールヘッド締結具155、第4のボールヘッド締結具157、及び第5のボールヘッド締結具159は、並列に配列されて三以下の更なる自由度で調節を行って、移植片用に骨要素を準備するためにガイド141の三以下の更なる自由度でのアライメントをもたらす。一実施形態では、屈曲/伸展角度、内反/外反角度、遠位側切断切除レベル、前側/後側位置決め、内旋/外旋、及び内側/外側位置決めから成る群から選択された五以下の自由度を制御するように調節が行われる。並列マニピュレータアライメントガイド100の運動連鎖のアクチュエータ(即ち、制御機構)は、本明細書に記載されるようなボール/ソケットタイプに限定されないことに留意されたい。滑りタイプ、ヒンジタイプ、サドルタイプ、及びピボットタイプを含むがそれらに限定されない、他のアクチュエータ/制御機構を使用することができる。一実施形態では、アクチュエータは、一対の歯車を備えるラックピニオン式のリニアアクチュエータであり、ラック上でのピニオンの運動を係止するのにラチェットデバイスが使用される。一実施形態では、アクチュエータは、インジケータデバイス(例えば、ダイヤル)を有するカムリニアアクチュエータであるので、術中ナビゲーションシステムはカムをどの位置まで回すかを外科医に通知することができ、カムアクチュエータを調節する際にシステムの表示画面を参照する必要がなくなる。
【0026】
図7A及び7Bは、
図6のアライメントガイド100を備えた追跡装置システムの実現の一実施形態を詳述する。
図7Bに示されるように、アライメントガイド100は、第2の構成要素130及び第3の構成要素140が第1の構成要素120から取外し可能であるようにモジュール式にしてもよい。同様に、アライメントガイド100は、第3の構成要素140が第2の構成要素130から取外し可能であり、第2の構成要素130が第1の構成要素120から取外し可能であるようにモジュール式にしてもよい。一実施形態では、外科医は、CAOSシステムを使用して患者の骨200(例えば、大腿骨)を固体として再建する。骨標識点(boney landmarks)の特徴付けに基づいてこの仮想骨を確立するため、固体に連結されたいわゆる固定追跡装置210によって作成される確立された参照(established referential)が使用される。一実施形態では、一組の従来の係止ピン230を使用して骨200に直接取り付けられる支持体220を使用して、固定追跡装置210を大腿骨200の骨幹部に取り付ける一方、可動追跡装置160をアライメントガイド100の第3の構成要素40に取り付けることができる。本発明の他の実施形態では、固定追跡装置を本発明のアライメントガイドの第1の構成要素に直接取り付けることができる。骨がそれに取り付けられた参照に対して固体であると特徴付けられた後、外科医は、最適な移植片のサイズと移植片の配置とをCAOSシステムを使用して規定する。これらのパラメータが規定されると、外科医は、第1の構成要素120に対する第2の構成要素130の向きと、第2の構成要素130及び第1の構成要素120に対する第3の構成要素140の向きとを調節することによってそれらを再現する。CAOSシステムが固定追跡装置210に対する可動構成要素130及び140の向きを監視できるようにするため、可動追跡装置160は第3の構成要素140に取り付けられる。最適なパラメータの再現は、調節機構151、153、155、157、及び159を使用して、第1の構成要素120に対する第2の構成要素130及び第3の構成要素140の向きと位置を調節することによって得られる。CAOSシステムは、各調節機構151、153、155、157、及び159をどれだけ調節する必要が
あるかを把握することができ、また処置を術中監視するのに外科医による調節を継続的に監視することができる。
【0027】
図8A〜8Iは、アライメントガイド100を使用して移植片を受け入れるように大腿骨を準備する方法の一実施形態の斜視図を示す。類似の方法は、本発明のアライメントガイド10を使用して行うことができる。
図8Aに示されるように、外科医は、固定追跡装置(図示なし)を大腿骨200と連結し、任意の既知の技術を使用して、取り付けられた参照における骨を特徴付ける。この情報に基づいて、外科医は、CAOSシステムを使用して、移植される移植片の大腿骨部分に関する最適なサイズ、位置、及び向きを規定する。外科医は、アライメントガイド100を大腿骨200に接する適所に配置する。一実施形態では、外科医は、前側スタイラス128及び遠位側プレート122によって、前側大腿骨皮質及び遠位顆部をそれぞれ参照することができる。かかる制約によって、アライメントガイド100を大腿骨200に対する解剖学的且つ反復可能な位置に配置することが可能になる。この配置が行われると、外科医は、例えば従来の係止ピンを使用して、アライメントガイド100の第1の構成要素120を骨200にしっかりと固着する。
【0028】
図8Bに示されるように、アライメントガイド100の第1の構成要素120が骨200に固着されると、外科医は、CAOSを使用して規定された大腿骨構成要素の最適なサイズ、位置、及び向きを再現するため、第1の構成要素120に対して可動構成要素130及び140を調節する。調節は、一連の調節構成要素機構151、153、155、157、及び159を使用して行われる。
図8Cに示されるように、調節が確立されると、外科医は、上側ガイド141を通して前側大腿骨皮質に二つの穴を穿孔し、好ましくはドリルビットを、二つの穴を通して骨200に取り付けたままにする。アライメントガイド100に対する調節とナビゲーションとを併せて、穴の穿孔精度が改善される。
図8Dに示されるように、ドリルビットを使用して、下側ガイド141を通して二つの穴が遠位顆部に穿孔される。
図8Eに示されるように、アライメントガイド100は大腿骨200から除去される。二組の二つの穴は、移植される大腿骨構成要素の位置及び向きを複製する。
図8Fに示されるように、従来の遠位側切断ブロックは、二つの前側の穴に移植された二つの前側ピン上に位置決めされ、大腿骨遠位側の切断が行われる。
図8Gに示されるように、従来の遠位側切断ブロックは大腿骨200から除去される。
図8Hに示されるように、従来の四個組の切断ブロックは、遠位側大腿骨に存在する一組の二つの穴を使用して大腿骨200に対して位置決めされ、大腿骨の準備が完了する。
図8Iは、準備が完了した大腿骨200を示す。大腿骨を準備するのに他のタイプの切断ブロックを使用することができ、それらは本発明の趣旨及び範囲内にあることを理解されたい。
【0029】
図9は、本発明のアライメントガイド300の一実施形態の斜視図を示す。
図9に示される実施形態では、アライメントガイド300は、一連の並列連鎖を有する並列マニピュレータであるアライメントガイド10及びアライメントガイド100と比べて、調節の並列連鎖が一つのみの二自由度の並列マニピュレータである。一実施形態では、アライメントガイド300は、多数の「脚体」によってガイド341を備えたエンドエフェクタプラットフォーム340に接続された、固定支持体又はベースプレート320で構成された二自由度の並列マニピュレータである。一実施形態では、アライメントガイド300は、一つの独立運動連鎖(可動構成要素300とアクチュエータ351及び353)によってそのエンドエフェクタプラットフォーム340がベースプレート320に連結された閉ループ運動連鎖機構である、二自由度の並列マニピュレータである。閉ループ運動連鎖機構は、少なくとも一つの閉ループが存在するようにしてリンク及び関節が配列された機構である。これは、直列ロボットアーム(例えば、関節式アームなどの多関節ロボット)などの開ループ機構とは対照的である。一実施形態では、運動連鎖は可動リンク330とアクチュエータ351及び353とを備える。一実施形態では、運動連鎖のアクチュエータの数(即ち、二つ)は、エンドエフェクタプラットフォームの自由度の数(即ち、二つ)と同じである。一実施形態では、本発明のアライメントガイド300は、良好な位置決め精度を有する二自由度の並列マニピュレータである。一実施形態では、この精度及び安定性は、少なくとも部分的には、脚体が本質的に引っ張り/圧縮で働き、事実上屈曲されず、それによって不要な変形が小さくなるという事実に起因する。
【0030】
アライメントガイド300は、移植片用に骨要素を準備するため、術中ナビゲーションシステムと併用される。アライメントガイド300は、骨要素に固定可能な第1の構成要素320を含む。一実施形態では、第1の構成要素320は骨要素に髄外固定可能である。一実施形態では、第1の構成要素320は固定剛体として役立つ。第1の構成要素320は、第1のボールヘッド締結具321を収容する第1のボア321と、第2のボールヘッド締結具353を収容する第2のボア323とを含む。一実施形態では、第1の構成要素320は、第1の構成要素320を骨要素に取外し可能に定着させるピン又は類似の手段を収容する、少なくとも一つの小穴324を含む。一実施形態では、第1の構成要素320は遠位側プレート322を介して骨要素に髄外固定可能である。一実施形態では、第1の構成要素320は、例えば、大腿骨の前側大腿骨皮質を位置合わせするガイドとして作用することができる、前側スタイラス328を含む。アライメントガイド300はまた、第1の構成要素320に対して移動可能な第2の構成要素330を含む。一実施形態では、第2の移動可能な構成要素330は第1の構成要素320に堅く接続される。第2の構成要素330は、第1のボールヘッド締結具351の第1のボールを収容する第1のボールソケット331と、第2のボールヘッド締結具353の第2のボールを収容する第2のボールソケット(図示なし)とを含む。第1のボールヘッド締結具351及び第2のボールヘッド締結具353は並列に配列されて、二自由度で調節を行う。第2の構成要素330は、骨要素に穴を開ける手術器具を収容する少なくとも一つのガイド341を含む。一実施形態では、手術器具はドリルビットであるが、骨要素に穴を開ける他の手術器具を使用することができる。
図9に示される実施形態では、第2の構成要素330は四つのガイド341を含む。ガイド341の数は、アライメントガイド300の特定の用途向けに変えることができる。一つ、二つ、三つ、四つ、五つ、六つ、又はそれ以上のガイド341が含まれてもよい。一実施形態では、第2の構成要素330は、アタッチメント342を介して第2の構成要素330に取り付けられる能動的追跡システム360によって、手術中に患者の大腿骨が移動するにつれてその移動するデジタル動画を生成する可動体として役立つ。
【0031】
第1のボールヘッド締結具351及び第2のボールヘッド締結具353は、並列に配列されて二自由度で調節を行って、移植片用に骨要素を準備するためにガイド341の二自由度でのアライメントをもたらす。一実施形態では、屈曲/伸展角度、内反/外反角度、遠位側切断切除レベル、前側/後側位置決め、及び内旋/外旋から成る群から選択された二以下の自由度を制御するように調節が行われる。並列マニピュレータアライメントガイド300の運動連鎖のアクチュエータ(即ち、制御機構)は、本明細書に記載されるようなボール/ソケットタイプに限定されないことに留意されたい。滑りタイプ、ヒンジタイプ、サドルタイプ、及びピボットタイプを含むがそれらに限定されない、他のアクチュエータ/制御機構を使用することができる。一実施形態では、アクチュエータは、一対の歯車を備えるラックピニオン式のリニアアクチュエータであり、ラック上でのピニオンの運動を係止するのにラチェットデバイスが使用される。一実施形態では、アクチュエータは、インジケータデバイス(例えば、ダイヤル)を有するカムリニアアクチュエータであるので、術中ナビゲーションシステムはカムをどの位置まで回すかを外科医に通知することができ、カムアクチュエータを調節する際にシステムの表示画面を参照する必要がなくなる。
【0032】
一実施形態では、本発明の方法論は、術中ナビゲーションシステムの使用、及び置換手術中の移植片構成要素のアライメントのための縮小されたコンパクトなアライメントガイドの使用に基づく。一実施形態では、術中ナビゲーションシステムは、空間中における患者及びアライメントガイドの位置を追跡するコンピュータデジタイザを組み込む。光学、電磁気、電気機械、及び超音波検査を含むがそれらに限定されない異なるデジタイザ方式は、本発明の範囲及び趣旨内にある。一実施形態では、本発明と共に使用されるデジタイザ方式は光学追跡システムである。本発明の範囲及び趣旨内にある光学ベースのシステムは、能動的及び受動的追跡システムを含む。能動的追跡システムは、患者及び本発明のアライメントガイドに取り付けられた赤外線発光ダイオードを使用する。受動的追跡システムは、(ダイオードの代わりに)反射球を使用して、赤外線エミッタからの赤外光を反射して受信機に戻す。エミッタ及び受信機は両方とも一つのデジタイザカメラ内に位置する。位置合わせプロセスは、CAOSシステムに対する患者の位置を精密に規定するのに必要なことがある。位置合わせは、ナビゲーションシステムモニタ上で見られるような仮想患者における特有の基準標識(即ち、仮想患者及び実際の患者両方において識別することができる不変の標識点)を識別することによって実現されてもよい。一実施形態では、本発明のアライメントガイドの第1の構成要素は検出装置と結合される。一実施形態では、固定検出装置は大腿骨を術前計画に対して位置合わせするのに使用することができる。一実施形態では、本発明のアライメントガイドの第2の構成要素及び/又は第3の構成要素は第2の検出装置と結合される。一実施形態では、第2の検出装置は、固定の第1の構成要素に対するアライメントガイドの可動構成要素の向き及び相対変位を追跡するのに使用することができる。
【0033】
一実施形態では、移植片を受け入れるように骨要素を準備するための方法は、第1の構成要素のボアを通して移植された標準的なピンを使用して、本発明のアライメントガイドの第1の構成要素を大腿骨に接する適所で固定するステップを含む。この時点から、外科医は、移植片の大腿骨構成要素の最適な向き及び位置を規定するため、後側大腿顆部、遠位大腿顆部、前側大腿骨皮質、及び上顆軸(epicondylar axis)などの解剖学的標識点を位置合わせすることができる。解剖学的標識点の位置合わせは、例えば、CAOSシステムの少なくとも一つの固定ナビゲーション追跡装置を使用して実現することができる。一実施形態では、固定ナビゲーション追跡装置の一つは、アライメントガイドの第1の構成要素に取り付けることができる。患者の大腿骨上における移植片の最適な向き及び位置を再現するため、アライメントガイドの第2の構成要素及び第3の構成要素に対する調節は、アライメントガイドの制御機構を使用して行われて、移植片用に骨要素を準備するための適正な位置にアライメントガイドの少なくとも一つのガイドが適正に位置付けられる。第2の構成要素及び第3の構成要素に対する調節は、第2の構成要素、第3の構成要素、又は両方の構成要素に取り付けられた可動ナビゲーション追跡装置を使用して追跡することができる。一実施形態では、アライメントガイドは、五以下の自由度を調節するための五つの制御機構を含む。一実施形態では、制御機構は、ボールヘッドねじなど、五つの色分けされた調節用締結具である。ボールヘッド締結具は、好ましくは色分けされた締結具それぞれに対して、CAOSシステムによって規定される回旋回数並びに方向(即ち、時計回り又は反時計回り)に従って調節することができる。一実施形態では、締結具の調節は、例えばドライバー、又はねじの回転を可能にする任意のタイプの器具を使用して、手作業で行われる。一実施形態では、締結具の調節は、例えばCAOSシステムのロボットアームを使用して、ロボット制御で行われる。調節が行われると、ガイドを通して位置決めされるドリルビット又は他の類似の手段によって、穴を骨要素に位置決めすることができる。下側ガイドを通って得られる穴は大腿骨遠位側切断の位置及び向きを規定し、上側ガイドを通って得られる穴は、遠位側大腿骨切断に対する四個組の切断ブロックの位置及び向きを規定する。
【0034】
一実施形態では、移植片を受け入れるように大腿骨を準備するための方法は、アライメントガイドの第1の構成要素を大腿骨の遠位顆部に固定するステップと、可動ナビゲーション追跡装置を使用して、第1の構成要素に対するアライメントガイドの第2の構成要素の向き及び相対変位を追跡するステップと、第2の構成要素を大腿骨に対する所望の位置で位置決めするため、第1の構成要素に対する第2の構成要素の並列調節によって、アライメントガイドのn以下の自由度を制御するステップと、可動ナビゲーション追跡装置を使用して、第2の構成要素及び第1の構成要素に対するアライメントガイドの第3の構成要素の向き及び相対変位を追跡するステップと、第3の構成要素を大腿骨に対する所望の位置で位置決めするため、第2の構成要素及び第1の構成要素に対する第3の構成要素の並列調節によって、アライメントガイドのm以下の更なる自由度を制御するステップと、ドリルビット又は類似の手段を使用して、大腿骨の大腿骨皮質に少なくとも一つの穴を形成するステップと、定着手段として役立つようにドリルビットを大腿骨皮質上で維持するステップと、大腿骨の遠位顆部に少なくとも一つの穴を形成するステップと、アライメントガイドを大腿骨から除去するステップと、定着手段に取付け可能な切断ブロックを大腿骨皮質上で位置決めするステップと、切断ブロックをガイドとして使用して、遠位側大腿骨切除を行うステップと、切断ブロックを前側大腿骨皮質から除去するステップと、遠位顆部に形成した穴に基づいて切断ブロックを遠位顆部上で位置決めするステップと、移植片を受け入れるための大腿骨の切除を完了するステップとを含む。
【0035】
一実施形態では、移植片を受け入れるように骨要素を準備するためのアライメントガイドは、骨要素に固定可能であって、固定剛体として役立つ第1の構成要素と、第1の構成要素に対して移動可能な第2の構成要素と、第2の構成要素及び第1の構成要素に対して移動可能であって、手術器具を収容する少なくとも一つのガイドを備える第3の構成要素とを含み、第2の構成要素及びn個の制御機構が第1のリンクを形成し、n個の制御機構が並行して働いてn以下の自由度でアライメントガイドの調節を行って、移植片用に骨要素を準備するために少なくとも一つのガイドのn以下の自由度でのアライメントをもたらし、第3の構成要素及びm個の制御機構が第2のリンクを形成し、m個の制御機構が並行して働いてm以下の更なる自由度でアライメントガイドの調節を行って、移植片用に骨要素を準備するために少なくとも一つのガイドのm以下の更なる自由度でのアライメントをもたらし、第1の構成要素に対する少なくとも一つのガイドの調節の合計自由度がn + m以下の自由度である。一実施形態では、nは少なくとも2であり、mは少なくとも2である。一実施形態では、nは2であり、mは2である。一実施形態では、nは2であり、mは3である。一実施形態では、nは2であり、mは4である。一実施形態では、nは2であり、mは5である。一実施形態では、nは少なくとも3である。一実施形態では、nは3であり、mは2である。一実施形態では、nは3であり、mは3である。一実施形態では、nは少なくとも4である。一実施形態では、nは4であり、mは2である。
【0036】
一実施形態では、移植片を受け入れるように骨要素を準備するためのアライメントガイドは、骨要素に固定可能であって、固定剛体として役立つ第1の構成要素と、第1の構成要素に対して移動可能な第2の構成要素と、第2の構成要素及び第1の構成要素に対して移動可能な第3の構成要素と、第3の構成要素、第2の構成要素、及び第1の構成要素に対して移動可能であって、手術器具を収容する少なくとも一つのガイドを備える第4の構成要素とを含み、第2の構成要素及びn個の制御機構が第1のリンクを形成し、n個の制御機構が並行して働いてn以下の自由度でアライメントガイドの調節を行って、移植片用に骨要素を準備するために少なくとも一つのガイドのn以下の自由度でのアライメントをもたらし、第3の構成要素及びm個の制御機構が第2のリンクを形成し、m個の制御機構が並行して働いてm以下の更なる自由度でアライメントガイドの調節を行って、移植片用に骨要素を準備するために少なくとも一つのガイドのm以下の更なる自由度でのアライメントをもたらし、第4の構成要素及びo個の制御機構が第3のリンクを形成し、o個の制御機構が並行して働いてo以下の自由度でアライメントガイドの調節を行って、移植片用に骨要素を準備するために少なくとも一つのガイドのo以下の自由度でのアライメントをもたらし、第1の構成要素に対する少なくとも一つのガイドの調節の合計自由度がn + m + o以下の自由度である。一実施形態では、nは2であり、mは2であり、oは2である。
【0037】
本発明のアライメントガイドは、手術器具を収容する少なくとも一つのガイドを含む。一実施形態では、少なくとも一つのガイドは、骨要素上の的確な位置で手術器具を位置決めする助けとなる。一実施形態では、少なくとも一つのガイドは、骨要素に少なくとも一つの穴を作製するため、骨要素上の的確な位置で手術器具を位置決めする助けとなる。一実施形態では、アライメントガイドの少なくとも一つのガイドは最終可動構成要素の一部である。かかる実施形態では、第1の固定構成要素に対する少なくとも一つのガイドの調節の合計自由度は、各可動構成要素における調節の自由度の合計であり得る。一実施形態では、第1の固定構成要素、二つの制御機構を備えた第2の可動構成要素、及び三つの制御機構を備えた、手術器具を収容する少なくとも一つのガイドを含む第3の可動構成要素を有するアライメントガイドは、第1の固定構成要素に対する少なくとも一つのガイドの調節の合計五以下の自由度を有することができる。一実施形態では、第1の固定構成要素、三つの制御機構を備えた第2の可動構成要素、及び三つの制御機構を備えた、手術器具を収容する少なくとも一つのガイドを含む第3の可動構成要素を有するアライメントガイドは、第1の固定構成要素に対する少なくとも一つのガイドの調節の合計六以下の自由度を有することができる。一実施形態では、アライメントガイドの少なくとも一つのガイドは中間可動構成要素の一部である。一実施形態では、アライメントガイドの少なくとも一つのガイドは中間可動構成要素の一部であり、アライメントガイドの少なくとも一つの追加のガイドは最終可動構成要素の一部である。
【0038】
一実施形態では、本発明の方法論は、CAOSの使用、及び外科医が大腿骨及び脛骨の切断に着手できる的確さから、膝関節移植構成要素のアライメントのための縮小されたコンパクトなアライメントガイドの使用に基づく。一実施形態では、本発明の方法論は、CAOSの使用、及び正確なカップ傾斜が重要である寛骨臼構成要素の配置をナビゲートするため、寛骨臼移植構成要素のアライメントのための縮小されたコンパクトなアライメントガイドの使用に基づく。一実施形態では、本発明の方法論は、CAOSの使用、及びCAOSが関節窩及び上腕骨並びに脊椎の表示(spine indication)の準備のためのガイダンスを提供する、肩関節移植構成要素のアライメントのための縮小されたコンパクトなアライメントガイドの使用に基づく。
【0039】
本発明のアライメントガイドは、生体適合性であることが知られており、鋼合金(例えば、ステンレス鋼)、ポリマー(例えば、ポリフェニルスルホンやポリエーテルイミド)、チタン及びチタン合金、並びにそれらの組み合わせを含むがそれらに限定されない、外科器具類に使用される材料から作ることができる。本発明のアライメントガイドは、使い捨て用に作り、外科手術後に廃棄することができる。本発明のアライメントガイドは、外科医をガイドするとともに、CAOSで決定した最適な切断プラトー(cutting plateaus)を再現するように色分けされた、調節構成要素を有することができる(例えば、器具が黄色のねじを6回時計回りに回旋させ、緑色のねじを2回反時計周りに回旋させるなど)。本発明のアライメントガイドは、例えば、ガイドの代わりに骨要素を切断する鋸刃を受け入れるための、一つ又は複数の切断スロットを含むように製造することができ、或いは切断スロットとガイドの組み合わせを特徴とすることができる。例えば、切断スロットは、遠位側大腿骨切断を行うのに使用することができ、ガイドは、二つの穴を穿孔して、四個組の切断ブロックの位置を規定するのに使用することができる。
【0040】
本発明の多数の実施形態について記載してきたが、これらの実施形態は単なる例証であって制限目的のものではなく、当業者には多数の修正が明白になり得ることが理解される。例えば、本明細書に記載される任意の要素は任意の所望のサイズで提供されてもよい(例えば、本明細書に記載される任意の要素は任意の所望の特注サイズで提供されてもよく、又は、本明細書に記載される任意の要素は、小、中、大などのサイズ「群」から選択された任意の所望のサイズで提供されてもよい)。更に、構成要素の一つ又は複数が、次の材料のいずれかから作られてもよい。(a)任意の生体適合性材料(この生体適合性材料は、外科医の要望に応じて、表面の骨内方成長を可能にするか、又は表面の骨内方成長を阻害するように処理されてもよい)、(b)チタン、及び/又はTi-Al-Nb、Ti-6Al-4Vなどの合金、及び/又はステンレス鋼を含むがそれらに限定されない、純金属などの金属、(c)ポリマー、或いはそれらの任意の組み合わせ。更にまた、任意の金属構成物は機械加工された金属構成物であってもよい。更にまた、本明細書に記載される任意のステップは、任意の所望の順序で実施されてもよい(また、所望に応じて任意の更なるステップが追加されてもよく、且つ/又は所望に応じて任意のステップが削除されてもよい)。
【0041】
上記に開示したもの及び他の特徴と機能のいくつか、又はそれらの代替物は、他の多くの異なるシステム又は用途に望ましくは組み込まれてもよいことが理解されるであろう。以下の請求項に包含されることも意図される、種々の現在予期されない若しくは予測されない代替物、修正、変形、又は改善は、当業者によって今後成される可能性がある。