特許第5671103号(P5671103)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5671103
(24)【登録日】2014年12月26日
(45)【発行日】2015年2月18日
(54)【発明の名称】磁石式留め金
(51)【国際特許分類】
   A44C 5/20 20060101AFI20150129BHJP
【FI】
   A44C5/20 B
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-134738(P2013-134738)
(22)【出願日】2013年6月27日
(65)【公開番号】特開2014-8408(P2014-8408A)
(43)【公開日】2014年1月20日
【審査請求日】2013年6月27日
(31)【優先権主張番号】12173916.3
(32)【優先日】2012年6月27日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】506425538
【氏名又は名称】ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】セドリック・ニコラ
(72)【発明者】
【氏名】パトリック・ラゴ
【審査官】 大瀬 円
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2005/0102802(US,A1)
【文献】 実開昭57−188826(JP,U)
【文献】 米国特許第4941236(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A44C 5/00−5/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストラップ部分の形状の第1及び第2の可撓性端部(8、9)を備える磁石式留め金を有するブレスレット又はリストバンドであって、
前記端部は分離可能であり、前記ブレスレットが閉位置にある場合に重なるよう配設され、これにより前記ブレスレットが外側及び内側を有するリングを形成し、かつ前記端部(8、9)が重なり領域を画定し、
各前記端部は接触表面を有し、前記接触表面は前記重なり領域において他方の前記端部の前記接触表面と隣接するよう配設され、これにより、前記第1の端部(8)は前記リングの前記外側にあり、前記第2の端部(9)は前記内側にあり、
前記ブレスレットは、前記第1の端部と一体である第1の磁性回路部分(11a、11b;111;211)及び前記第2の端部と一体である第2の磁性回路部分(12a、12b、12c、12d、12e、12f;112;212)を備え、前記第1及び第2の磁性回路部分は、前記ブレスレットが前記閉位置にある場合に互いに引き合って、2つの前記端部(8、9)の前記接触表面を結合するよう配設される、磁石式留め金を有するブレスレット又はリストバンドにおいて;
前記第1及び第2の磁性回路部分はそれぞれ、柔らかい強磁性合金のヨーク(14、14b、16a、16b、16c、16d、16e、16f;114、116;214、216)を含み、前記ヨークは細長い形状を有し、前記ブレスレットに対して横方向かつ前記磁性回路部分が一体となっている前記端部の前記接触表面に対して平行に配設されること、
前記第1の磁性回路部分(11a、11b;111;211)は、前記強磁性ヨークと前記第1の端部(8)の前記接触表面との間に配設される双極磁石(18A;118A;218A)の列を含み、前記列の前記磁石は、互いに平行かつ前記第1の端部の前記接触表面に対して垂直な分極方向を有すること、
複数の前記第2の磁性回路部分(12a、12b、12c、12d、12e、12f;112;212)は前記第2の端部(9)と一体であり、前記第2の磁性回路部分は、互いに対して平行に、互いから離間して配設され、これにより、前記ブレスレットの長さを選択することができること、
を特徴とし、
複数の前記第1の磁性回路部分(11a、11b;111;211)は前記第1の端部(8)と一体であり、前記第1の磁性回路部分は互いに対して平行に配設され、互いから離間し、
前記第1の磁性回路部分(11a、11b;111;211)は、前記第2の磁性回路部分(12a、12b、12c、12d、12e、12f;112;212)よりも、互いから大きく離間している、磁石式留め金を有するブレスレット又はリストバンド。
【請求項2】
前記強磁性ヨーク(14、14b、16a、16b、16c、16d、16e、16f;114、116;214、216)の長さは、ストラップ部分の形状である前記端部(8、9)の幅の半分より長い、請求項1に記載の磁石式留め金を有するブレスレット。
【請求項3】
2つの前記第2の磁性回路部分(12a、12b、12c、12d、12e、12f;112;212)の間の前記離間した空間は、前記第2の磁性回路部分の1つの幅の3/4等しいかそれよりも大きい、請求項1又は2に記載の磁石式留め金を有するブレスレット。
【請求項4】
前記第2の磁性回路部分(12a、12b、12c、12d、12e、12f;112;212)の個数は、前記第1の磁性回路部分(11a、11b;111;211)の個数よりも多く、前記第2の磁性回路部分(12a、12b、12c、12d、12e、12f;112;212)の間の前記離間した空間は、前記第2の端部(9)の端に向かって次第に増大する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の磁石式留め金を有するブレスレット。
【請求項5】
前記第2の磁性回路部分(12a、12b、12c、12d、12e、12f;112;212)はそれぞれ、前記第2の磁性回路部分の前記強磁性ヨーク(16a、16b、16c、16d、16e、16f;116;216)と前記第1の端部(9)の前記接触表面との間に配設される双極磁石(18B;118B;218B)の列を含み、前記列の前記磁石は、互いに平行かつ前記第2の端部の前記接触表面に対して垂直な分極方向を有し、
前記第1及び第2の磁性回路部分(8、9)の前記磁石の列は全て、同数の前記磁石(18A、18B;118A、118B;218A、218B)を有し、前記磁石は、前記ブレスレットが前記閉位置にある場合に、前記第1の磁性回路部分の前記磁石(18A;118A;218A)がそれぞれ前記第2の磁性回路部分の前記磁石(18B;118B;218B)と組み合わされることができ、2つの組み合わさった前記磁石が重なって、同一方向に分極されるよう配設される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の磁石式留め金を有するブレスレット。
【請求項6】
前記列の中のいくつかの前記磁石の分極方向は、同一の前記列の他の前記磁石の分極方向と反対方向になっている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の磁石式留め金を有するブレスレット。
【請求項7】
前記磁石の前記列の各前記磁石は、前記磁石の前記列の中で最も近い隣接する前記磁石に対して反対方向に分極される、請求項6に記載の磁石式留め金を有するブレスレット。
【請求項8】
前記第1及び第2の端部(8、9)はそれぞれ、前記磁性回路部分(11a、11b、12a、12b、12c、12d、12e、12f;111、112;211、212)が埋め込まれているエラストマ層を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の磁石式留め金を有するブレスレット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、永久磁石を備える磁石式留め金を有するブレスレット又はリストバンドに関し、特に、このタイプの磁石式留め金を備える腕時計のブレスレットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の図10dは、第1及び第2の可撓性ストランドを備える磁石式留め金を有する腕時計のブレスレットを図示しており、両ストランドは分離可能であり、ブレスレットが閉位置にある場合に互いに重なるよう配設される。ブレスレットは更に2つの磁性要素を備え;第1のブレスレットストランドは固定された第1の磁性要素を含み、中空シャフトの形状である第2のストランドは、「可動要素」と呼ばれる第2の磁性要素を含み、この第2の磁性要素は、中空シャフトの内部で摩擦締り嵌めとして長手方向に摺動するよう配設される。ストランドが閉位置にある場合、2つの磁性要素は互いに対向しており、互いに引き合う。このようにして、2つの磁性要素により、ブレスレッドが閉位置にある場合に2つのストランドを互いに固定することができる。その上、可動磁性要素をその中空シャフト内で摺動させることにより、ブレスレットの長さを調整することができる。更に、特許文献1は、ブレスレットが閉位置にある場合に、単に一方のストランドを他方に対して長手方向に摺動させることにより、ブレスレットの長さを調節することができることを教示している。実際、固定された磁性要素によって発生する可動磁性要素状の牽引力が摩擦力を上回るのに十分であれば、一方のストランドを他方の上で摺動させることにより、可動磁性要素をその中空シャフト内で摺動させることができる。
【0003】
しかしながら、この公知の解決法は、ある欠点を有する。実際、磁性要素間の牽引力が摩擦力を上回るのに十分でない場合、ブレスレットの長さの調整は不可能となる。反対に、可動磁性要素が中空シャフト内であまりに容易に摺動してしまうと、ブレスレットを十分に締めることができなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】フランス特許第2834622号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、上述のような先行技術の欠点を克服することである。本発明は、添付の請求項1に従った磁石式留め金を有するブレスレットを提供することにより、この目的を達成する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの利点は、複数の第2の磁性回路部分のうちいずれの1つを、第1の磁性回路部分と重なった位置に配置するかを選択することのみによって、ブレスレットの長さを選択することができる点である。更に、第2の磁性回路部分のいずれもが第1の磁性回路部分の上に正確に重なっていない場合でも、第1の磁性回路部分と、これに最も近い第2の磁性回路部分との間に存在する相互牽引は、上記第2の部分を重なり位置に移動させるのに通常十分である。
【0007】
本発明の別の利点は、単一の磁石の代わりに双極磁石の列全体を使用することにより、ブレスレットが閉位置にある場合に、2つの端部の接触表面を互いにより良好に固定することができる。更に、柔らかい強磁性合金で作製されたヨークが各磁性回路部分に存在することには、磁場を適切に導くことができ、従って第1及び第2の磁性回路部分の間の相互牽引力が更に増大する、という利点がある。
【0008】
本発明の有利な変形例によると、強磁性ヨークの長さは、ブレスレットの端部の長さの半分より長い。この特徴によると、ストラップ形状の端部は長さ方向には可撓性となる一方で、幅方向には比較的剛性とすることができる。この特徴には、ブレスレットが閉位置にある場合に、ブレスレットを手首の形状に適合させることができ、かつ接触表面間の適切な接着を保証することができる、という利点がある。
【0009】
本発明の別の有利な変形例によると、2つの第2の磁性回路部分の間の空間は、第2の磁性回路部分の1つの幅の3/4に少なくとも等しい。この特徴には、ブレスレットを装着する人の手首の形状にブレスレットを適合させることができる、という利点がある。
【0010】
本発明の有利な実施形態によると、複数の第1の磁性回路部分は第1の端部と一体であり、上記第1の部分は互いに対して平行に配設され、互いから離間している。磁性回路部分をこのように複数設けることにより、磁石による牽引力をこれに比例して増大させることができ、この牽引力により、ブレスレットが閉位置にある場合に2つの端部の接触表面を結合する。
【0011】
この後者の実施形態の有利な変形例によると、第1の端部と一体である第1の磁性回路部分は、第2の端部と一体である第2の磁性回路部分よりも、互いに大きく離間している。実際、閉位置において、第1の端部はブレスレットが形成するリングの外側にあり、第2の端部は内側にある。これらの条件において、同一の所定の角度は、内側端部上より外側端部上においてより長い円弧に対することは明らかであろう。このようにして、第1の磁性回路部分が第2の磁性回路部分よりも互いに大きく離間しているという特徴により、端部の重なりによる効果を補正し、ブレスレットが閉位置にある場合に、第1及び第2の磁性回路部分の適切な位置合わせを保証する。
【0012】
上述の後者の変形例の好ましい実施形態によると、第2の磁性回路部分の間の空間は、ブレスレットの第2の端部の端から離れるにつれて次第に減少する。実際、(第1の磁性回路部分が重なっている)第2の磁性回路部分がブレスレットの端から遠く離れるほど、ブレスレットはきつく締まる、即ち、ブレスレットの直径が小さくなる。これらの条件において、端部の重なりによる効果を補正し、ブレスレットが閉位置にある場合に、第1及び第2の磁性回路部分の適切な位置合わせを保証するために、ブレスレットをきつく締めるにつれて、第2の磁性回路部分の間の空間を減少させる必要がより高くなることは明らかであろう。
【0013】
上述の実施形態の別の有利な変形例によると、第2の磁性回路部分はそれぞれ、第2の部分の強磁性ヨークと第2の端部の接触表面との間に配設された双極磁石の列を含み;1つの列の分極方向は互いに平行であり、第2の端部の接触表面に対して垂直である。更に、第1及び第2の磁性回路部分の磁石の列は全て、同数の磁石を有し;ブレスレットが閉位置にある場合に第1の部分の磁石がそれぞれ第2の部分の磁石と組み合わさり、2つの組み合わさった磁石が重なり、同じ方向に分極されるように、磁石を配設する。上述の構成において、第1及び第2の磁性回路部分がそれぞれ磁石を含むという特徴により、接触表面間の磁石による牽引力を更に増大させることができる。
【0014】
本発明の別の有利な実施形態によると、列中の特定の磁石の分極方向は、同じ列中の他の磁石の分極方向と反対方向になっている。この特徴には、磁性回路部分において磁場をより良好に導くことができる、という利点がある。この後者の実施形態の有利な変形例によると、磁石の列の中の各磁石は、磁石の列の中で最も近くにある磁石と反対方向に分極される。この後者の特徴には、磁場が移動する経路を短縮する効果、及びこれに伴い、接触表面の直近の磁場を強化する効果がある。
【0015】
添付の図面を参照して、単なる非限定的な例としての以下の説明を読むことにより、本発明の他の特徴及び利点が明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本発明による磁石式留め金を有するブレスレットの第1の実施形態に対応する腕時計の、上面平面図と部分側面断面図とを組み合わせたものであり、ブレスレットの端部を明瞭に示すために、2つのブレスレットストランドを開位置で示す。
図2a図2aは、閉位置における図1の腕時計の概略斜視図である。単純化のために、腕時計自体は削除してある。
図2b図2bは、図2aのブレスレットの磁石式留め金をより詳細に示す部分断面図であり、特に、ブレスレットの2つの端部の重なりを、その重なり領域において示す。
図3a図3aは、本発明の第2の実施形態によるブレスレットの磁石式留め金の概略図であり、ブレスレットが閉位置にある場合の第1及び第2の磁性回路部分の配置を斜視図で示す。
図3b図3bは、ブレスレットが閉位置にある場合の、第1の磁性回路部分の磁石の1つと、第2の磁性回路部分の磁石の1つとの間の協働をより詳細に示す、図3aの実施形態の部分前面図である。
図4図4は、本発明の第3の実施形態によるブレスレットの磁石式留め金の概略図であり、ブレスレットが閉位置にある第1の磁性回路部分と第2の磁性回路部分との間の協働を前面図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1を参照すると、本発明の第1の実施形態による腕時計が示されている。腕時計は、2対のホーン3を有する腕時計ケース1を含み、このホーン3に2つのブレスレットストランド5及び6が取り付けられる。ここで説明する実施形態では、ストランドはエラストマ製であり、これにより、腕時計を装着する人の手首の周りに巻くために必要な可撓性をストランドに与える。ストランド5、6はそれぞれ端部を含み、図1、2a及び2bではこれら2つの端部をそれぞれ8及び9で表す。図2a及び2bの概略図に示すように、閉位置において端部は互いに重なり、重なり領域を定義することにも留意されたい。このようにして、各端部は、ブレスレットが閉位置にある場合に他方の端部の接触表面と隣接するよう配設される、接触表面を有する。重なり領域において、第1のストランド(参照符号5)の端部8は、閉位置にあるブレスレットが形成するリングの外側にあり、その一方で、第2のストランド(参照符号6)の端部9はこのリングの内側にある。
【0018】
図1及び図2aを同時に参照すると、図1の上面図に示すようにブレスレットストランドが開いている場合、第1のストランド5の接触表面は端部8の下側にあり、第2のストランド6の接触表面は第2の端部9の上部にあることは明らかである。本発明によると、ブレスレットは、第1の端部8と一体である第1の磁性回路部分と、第2の端部9と一体である複数の第2の磁性回路部分とを更に含む。再び図1を参照すると、図示した実施形態において、第1の端部8は2つの第1の磁性回路部分(それぞれ11a、11bで表す)を有し、第2の端部9は6個の第2の磁性回路部分12a、12b、12c、12d、12e及び12fを有することがわかる。一般的に言って、実際的にはいずれの個数の回路があってよいことは当業者には理解できるであろう。しかしながら、第2の磁性回路部分の個数は少なくとも2つでなければならないことに留意されたい。更に、第1の磁性回路部分の個数は好ましくは、第2の磁性回路部分の個数以下である。一般的規則として、第1及び第2の磁性回路部分の個数が多くなると、牽引力の増大及び信頼性の改善がもたらされる。例えば、図1の実施形態より更に信頼性が高い実施形態は、第1の磁性回路部分を8個と、第2の磁性回路部分を16個備えてよい。この後者の実施形態は、若干コストが高くなるという欠点を有することになる。
【0019】
ここで図1を参照すると、本実施例では、第1の磁性回路部分11a、11bは、第2の部分12a、12b、12c、12d、12e及び12fと同様に、互いに対して平行に配設され、互いから離間していることがわかる。各磁性回路部分は、ブレスレットの幅と実質同じ長さにわたって延在することもわかる。実際、有利には、磁性回路部分の長さはブレスレットの幅の半分を超える。更に、図示した実施例では、2つの第2の磁性回路部分12a、12b、12c、12d、12e及び12fを隔てる空間は、第2の磁性回路部分のうちの1つの幅の3/4に少なくとも等しいこともわかる。最後に、図1は例として、第1又は第2の磁性回路部分を、それに最も近い磁性回路部分から隔てる空間のサイズの、可能な最大値を示してもいることがわかる。この図は、第1の磁性回路部分11a及び11bは4mm離間していることを示す。その上、第2の磁性回路部分12a及び12bは3.405mm離間しており、第2の部分12b及び12cは3.375mm離間しており、部分12c及び12dは3.36mm離間しており、部分12d及び12eは3.34mm離間しており、最後に部分12e及び12fは3.32mm離間している。これらの値は、第2の部分の間の空間は好ましくは第1の部分11a、11bの間の空間より小さい、という事実を示す。ブレスレットが閉位置にある場合、この有利な特徴により、第2の端部の小さい曲率半径が補償される。
【0020】
2つの第2の磁性回路部分を隔てる空間のサイズに関して上に挙げた数値はまた、第2の磁性回路部分の間の空間は好ましくは、ブレスレットの第2の端部9の端から離れるにつれて次第に減少する、という事実を示す。実際、(第1の磁性回路部分が重なっている)第2の磁性回路部分がブレスレットの端から遠く離れるほど、ブレスレットはきつく締まる、即ち、ブレスレットの直径が小さくなる。これらの条件において、端部の重なりによる効果を補正し、ブレスレットが閉位置にある場合に、第1及び第2の磁性回路部分の適切な位置合わせを保証するために、ブレスレットをきつく締めるにつれて、第2の磁性回路部分の間の空間を減少させる必要がより高くなる。
【0021】
本発明によると、全ての磁性回路部分11a、11b、12a、12b、12c、12d、12e、12fは、柔らかい強磁性合金のヨーク(図2bにおいてそれぞれ14、14b、16a、16b、16c、16d、16e及び16fで表す)を含む。以下でより詳細に見るように、本実施例では、ヨークは、ブレスレットの厚み内においてブレスレットの長手方向軸に対して横方向に、他方のブレスレットストランドとの接触表面に対して平行に配設される、小さな長方形のプレートの形状をとる。本発明によると、ブレスレットの第1の端部と一体である第1の磁性回路部分11a及び11bはそれぞれ、磁石の列を含む。その上、本実施例では、ブレスレットの端部の第2の磁性回路部分にも磁石が設けられている。図3a及び3bからより詳細にわかるように、双極磁石の各列は、ヨークの1つと、他方のブレスレットストランドとの接触表面との間に配設される。
【0022】
ここで図1及び2bを同時に参照すると、端部の一方を他方に対して長手方向にshiftすることにより、ブレスレットを閉位置において7つの異なる長さにすることができることを理解できる。図2bは、第1の磁性回路部分11a及び11bが第2の磁性回路部分12e及び12dに重なっていることを示す。しかしながら、ブレスレットを可能な限り短くするために、第1の磁性回路部分11bを第2の磁性回路部分12fに重ねる必要があることがわかる。反対に、第1の磁性回路部分11aを第2の磁性回路部分12aに重ねることにより、ブレスレットの長さを最長にすることができることもわかる。上述の2つの位置において、他方の磁性回路部分は第2の磁性回路部分と対向する位置にないため、第1の磁性回路部分のうち1つのみが第2の磁性回路部分と協働することに留意されたい。従って、以上から、最短及び最長の長さにそれぞれ対応する2つの末端位置におけるよりも、ブレスレットの中間長さに対応する5つの位置における方が、磁石式留め金は強力になることが明らかである。
【0023】
磁石による牽引力は距離と共に低下するため、この力は主に、互いに対して最も近くにある第1及び第2の磁性回路部分の間に働く。このような最も近い部分は一般に、実質的に重なった状態であるため、磁力はとりわけ、接触表面に対して垂直に働く。よって、磁性回路部分の間の牽引は、接触表面の互いに対する強固な接着を引き起こす効果を有する。その上、磁石による牽引力は、接触表面の互いに対するいずれの長手方向摺動への抵抗力にもなることは明らかであろう。この後者の特徴には、ブレスレットストランド間において平坦な接触表面を使用することができ、従って、ノッチ又はいずれの他の機械的固定手段を省略できる、という利点がある。よって、第1及び第2の磁性回路部分は、「磁石式ノッチ」の機能を果たすと言える。
【0024】
図3a及び3bは、本発明の第2の実施形態によるブレスレットの磁石式留め金を形成する第1及び第2の磁性回路部分の配置の、2つの部分概略図である。この第2の実施形態で使用する第1及び第2の磁性回路部分は、上述の第2の実施形態で使用したものと同一であってよい。第1の実施形態と第2の実施形態との違いは主として、第2の実施形態ではより多くの第1及び第2の磁性回路部分を使用する、という点である。図3aに示すように、第1の磁性回路部分111は互いに対して平行に、互いから規則的に離間して配設される。第2の磁性回路部分112についても同様である。
【0025】
本発明によると、第1及び第2の磁性回路部分111及び112はそれぞれ、柔らかい強磁性合金のヨークを含む(第1の部分が含むヨークは114、第2の部分が含むヨークは116で表す)。ここで説明する実施形態では、上述の実施形態と同様、ヨークは小さな長方形のプレートの形状をとる。これらは例えば、Arcelor Mittal(登録商標)がAFK502の名称で販売しているもの等の鉄−コバルト合金積層ストリップを切断することによって作製してよい。上述の例では、ヨークは長さ25.75mm、幅3.25mm、厚さ0.5mmである。これもまた図3a及び3bに示すように、各磁性回路部分において、ヨークは6個の磁石の列(これらの磁石をまとめて118で表す)と関連している。本実施例では、磁石は長さ4mm、幅3.25mm、高さ1mmである。例として、ここで使用する磁石はネオジウム−鉄−ホウ素製の標準的な磁石であってよい。
【0026】
図3a及び3bはまた、磁石118が、ヨーク14又は16と、2つのブレスレットストランド(図3bにおいて一点鎖線で表す)の間の接触表面との間に配設されることを示す。磁石はヨーク上で、隣接する磁石との間に1.25mmの空間を有するよう、規則的に離間している。第1の磁性回路部分111の磁石は、第2の磁性回路部分112の磁石に重なった位置で示されていることもわかる。よって、図示した実施形態によると、ブレスレットが閉位置にある場合、第1の部分の磁石118はそれぞれ、第2の部分の磁石118と組み合わさる。
【0027】
本発明によると、磁石は全て、ブレスレットストランドの端部の間の接触表面に対して垂直に分極される。この点に関して、接触表面に対して垂直とは、図3a及び3bにおける垂直方向であることがわかる。その一方で、磁石118が全て垂直方向に分極されているものの、列の中のいくつかの磁石は好ましくは、列の中の他の磁石と反対方向に分極されることも明らかであろう。よって、図3bは、いくつかの磁石118が(矢印の向きで示すように)上向きに分極され、その他の磁石が下向きに分極されることも示す。しかしながら、2つの重なった磁石(即ち2つの組み合わさった磁石)は、常に同じ方向に分極されることにも留意されたい。最後に、図示した実施例では、各磁石118は、磁石の列の中で最も近い隣接する磁石に対して反対方向に分極されることにも留意されたい。再び図3bを参照すると、ヨークにおける帯磁方向を矢印で示していることがわかる。これらの矢印から、上述のような磁石118及びヨーク114、116の配置によって磁力の経路が減少し、磁力による悪影響を制限しつつ連結を改善することができることがわかる。
【0028】
添付の請求項によって定義される本発明の範囲から逸脱しない限りにおいて、本明細書の主題を形成する実施形態に対して、当業者に明らかである様々な改変及び/又は改良を施してよいこともまた明らかであろう。具体的には、第2の磁性回路部分216はいずれのマグネットも含まなくてよいことが当業者には理解できるであろう。実際、ここで図4を参照すると、第1の磁性回路部分214のみが磁石218を含んでいることがわかる。
図1
図2a
図2b
図3a
図3b
図4