特許第5671106号(P5671106)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5671106
(24)【登録日】2014年12月26日
(45)【発行日】2015年2月18日
(54)【発明の名称】人工寛骨臼体外組立体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/34 20060101AFI20150129BHJP
【FI】
   A61F2/34
【請求項の数】14
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-152196(P2013-152196)
(22)【出願日】2013年7月23日
(62)【分割の表示】特願2009-544482(P2009-544482)の分割
【原出願日】2008年1月8日
(65)【公開番号】特開2014-415(P2014-415A)
(43)【公開日】2014年1月9日
【審査請求日】2013年7月23日
(31)【優先権主張番号】0752558
(32)【優先日】2007年1月8日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】509191757
【氏名又は名称】グラデール,トーマ
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】グラデール,トーマ
【審査官】 川島 徹
(56)【参考文献】
【文献】 特表平08−503872(JP,A)
【文献】 特開2003−175099(JP,A)
【文献】 特表2006−516216(JP,A)
【文献】 米国特許第05609647(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0241781(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
寛骨臼体外組立体の製造方法であり、前記方法は:
(a)円錐状表面を備える凹状受容面を有するとともに、末梢受容構造を有する金属挿入シェルを与えるステップ、
(b)セラミック関節インサートを与えるステップを含み、
前記セラミック関節インサートは、前記金属挿入シェルと区別され、かつ別に製造され、円錐状表面を備える外部表面を有するとともに、凹状関節表面を含む内部受容面を有し
(c)前記セラミック関節インサートの前記外部表面を、前記金属挿入シェルの前記凹状受容面内で体外で係合させるステップであって前記外部表面の前記円錐状表面と前記凹状受容面の前記円錐状表面とが互いに当接する、ステップ、
(c1)インパクターが取り外し可能に固定され得る組立体構造を含む留置及び配向インサートを、前記末梢受容構造を使用することによって、前記金属挿入シェルに取り外し可能に固定するステップ、及び
(d)前記挿入シェル、前記セラミック関節インサート、並びに前記留置及び配向インサートの組立体を細菌防御エンベロープにおいて滅菌して、前記患者の骨盤内で、前記金属挿入シェル及び前記セラミック関節インサートの同時インパクトを与えることが可能な人寛骨臼体外組立体を得るステップ、を含む方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であり、前記滅菌ステップ(d)が、ガンマ線の照射によってもたらされ得ることを特徴とする、方法。
【請求項3】
請求項1又は2のいずれか一項に記載の方法であり、前記留置及び配向インサートがポリエチレンからなることを特徴とする、方法。
【請求項4】
請求項1又は2のいずれか一項に記載の方法であり、前記インパクターが取り外し可能に固定され得る組立体構造が、前記留置及び配向インサートにおいて形成される固定ねじ穴を有し、前記インパクターの前記対応するねじ部のねじ込みを可能にする、方法。
【請求項5】
請求項1又は2のいずれか一項に記載の方法であり、前記金属挿入シェルに固定される前記留置及び配向インサートは、前記セラミック関節インサートの前記内部受容面上に位置するか、又は前記内部受容面から短い距離(e)をおく、ことを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1又は2のいずれか一項に記載の方法であり、前記留置及び配向インサートは前記金属挿入シェルに固定され、前記留置及び配向インサートを前記金属挿入シェル内に保持するように、セラミック関節インサート上に位置するように適合される突出する1つ又は複数の弾性リブを備えること、を特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1又は2のいずれか一項に記載の方法であり、前記金属挿入シェルが、前記凹状受容面の環状エッジの近くで、4mm以下で2mmを超える厚さ(E)を持つことを特徴とする、方法。
【請求項8】
請求項1又は2のいずれか一項に記載の方法であり、前記セラミック関節インサートが、4mm以下の厚さを持つことを特徴とする、方法。
【請求項9】
請求項1又は2のいずれか一項に記載の方法であり、前記末梢受容構造が、環状であることを特徴とする、方法。
【請求項10】
請求項1又は2のいずれか一項に記載の方法であり:
前記末梢受容構造が、連続又は非連続環状溝を含み、
前記留置及び配向インサートが、前記環状溝と弾性的に係合される、連続又は非連続環状リブを含むことを特徴とする、方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であり:
前記環状溝が連続であり、
前記留置及び配向インサートの前記環状リブが、前記環状溝と弾性的に係合する、連続的外部環状リブであることを特徴とする、方法。
【請求項12】
請求項1又は2のいずれか一項に記載の方法であり:
前記末梢受容構造が、雌ねじ又は雄ねじを有し、
前記留置及び配向インサートは、前記末梢受容構造に対して前記留置及び配向インサートをねじ込むことによって前記留置及び配向インサートを取外し可能に固定するよう前記末梢受容構造のねじ山と協働する、方法。
【請求項13】
請求項4に記載の方法であり、前記固定ねじ穴は、開放穴であり、前記開放穴は、前記固定ねじ穴へとねじ込まれるよう適応されるねじロッドを有する分離ツールと協働するよう適応され、また、前記留置及び配向インサートの前記固定ねじ穴への前記ねじロッドのねじ込み中に、前記固定最終関節インサートの前記凹状関節表面に対して位置するよう適合される遠位端部を備えること、を特徴とする、方法。
【請求項14】
請求項4に記載の方法であり、前記方法は:
前記留置及び配向インサートは、前記留置及び配向インサートが前記挿入シェルの前記末梢受容構造に対して固定されると、前記留置及び配向インサートと前記セラミック関節インサートの前記凹状関節表面の下部との間において自由空間(S)が残るよう、適合され、
前記留置及び配向インサートは、前記挿入シェルの前記末梢受容構造内の末梢で密封接触し、
前記固定ねじ穴は開放穴であり、前記開放穴は、前記留置及び配向インサートと前記セラミック関節インサートとの間における前記自由空間(S)と、外部との間において連絡を与え、そこに加圧流体パイプの端部を密封して係合するよう寸法を定められることを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、股関節(hip)の自然寛骨臼と置換するよう意図された人工寛骨臼(prosthetic cotyle)に係る。
【背景技術】
【0002】
完全人工股関節は、球関節を構成する2つの部分を有する。該2つの部分とは即ち、股関節の自然寛骨臼を置換するよう意図されたメス型部分(female part)、及び、大腿骨頭を置換するよう意図されたオス型部分(male part)である。
【0003】
関節のオス型部分は一般的に、大腿骨の髄管へと貫通するよう意図されたロッドを有し、その近位端部は、寛骨臼へと貫通するよう意図された球頭に対してネックによって接続される。
【0004】
関節のメス型部分は、股関節の自然寛骨臼を置換しなければならず、また全体として寛骨臼と称され、通常は、半球形の挿入シェル(insertion shell)を有する。該挿入シェルは、骨盤の骨における寛骨臼窩洞(prepared cotyle cavity)において収容され、また、そこに最終関節インサート(final joint insert)が収容される。挿入シェルは、通常通り金属を有する。
【0005】
関節インサートは、ポリエチレン又はセラミック等である低い摩擦係数を有する材料を有して作られる。
【0006】
シングルモーション(single−motion)人工寛骨臼において、ポリエチレン又はセラミックのインサートは、挿入シェルへと固定され、同軸の実質的に半球形の関節腔を有する。該関節腔において、インサートは、関節のオス型部分の球頭を係合及びピボットさせる。続いて、関節の回転運動は、オス型人工部分の球頭とインサートの関節腔との間において発生する。
【0007】
挿入シェルを寛骨臼窩洞において留置するとき、挿入シェルを保持及び操作するようインパクター(impacter)を使用すること、及び、特にはセメントが挿入シェルの外部表面と骨の寛骨臼窩洞との間において固まるよう十分な期間に、インパクターを適した配向を有して骨の寛骨臼窩洞へと駆動するための力をインパクターに加えることは、可能でなければならない。
【0008】
シングルモーション人工寛骨臼において、インパクターは一般的に、挿入シェルの中心において与えられるねじ穴へと固定されるねじ込み端部を有する。
【0009】
人工股関節を使用するときの主な問題は、脱臼の危険性、即ち球形の大腿骨頭が関節腔から外れることの危険性である。
【0010】
脱臼の危険性を低減するために、ダブルモーション人工寛骨臼構造が提案されている。該構造において、挿入シェルは、金属からなり、挿入シェルにおいて回転可能に取り付けられるポリエチレンの関節インサートを受容する。この構造の欠点は、関節インサートの進行性の摩耗の発生であり、該摩耗は、使用から数年後に関節の不安定性及び脱臼の危険性を引き起こす。
【0011】
脱臼を防ぐ他の効果的な手段は、シングルモーション人工寛骨臼において、大きな直径を有する球形の人工大腿骨頭を使用することである。球形大腿骨頭が関節腔から外れるには、大腿骨頭は、大腿骨頭の半径と実質的に同等の距離を出なければならない。したがって、人工大腿骨頭の直径がより大きいと、その脱臼が発生するよう必要とされる力は、より大きい。
【0012】
しかしながら、患者の寛骨臼腔は、固定寸法を有しており、それを修正することは多大な困難を伴う(あるいは全く修正され得ない)。固定関節インサートの必要な厚さは、人工大腿骨頭の可能な直径を確定する。したがって、人工大腿骨頭の直径が増大され得るよう薄い固定関節インサートを使用することは、想定されている。大腿骨頭の直径の利益を受けるために固定関節インサートの厚さを更に低減すると同時に摩耗の危険性を低減するよう、セラミックインサート及び金属挿入シェルを有するインサートは、想定されている。セラミックは、優れた低摩擦係数、及びポリエチレンより大きな機械的強度を備える。セラミックのより大きな機械的強度により、セラミックは、薄くても関節における機械的応力に耐え得る。現在のセラミックを有して、固定関節インサートは、約4mm又はそれより薄い厚さで使用され得る。かかるセラミックインサート人工寛骨臼の1つは、EP 1 290 992 A1(特許文献1)において記載される。
【0013】
人工大腿骨頭の直径を更に増大させるよう、上述された特許文献1は、セラミック固定インサートの同一の厚さを有する挿入シェルの厚さを低減することを教示する。故に、金属シェルは0.1乃至2mmの厚さを有し、セラミックインサートは4mmより薄い厚さを有する。
【0014】
しかしながら、セラミックインサートの破裂の危険性における大きな増大は、それを留置するための人工寛骨臼のインパクション(impaction)中、あるいはその後の人工器官の使用中に、観察される。
【0015】
本発明によれば、かかる破裂はセラミックインサート上における機械力の不均等な分布によって引き起こされる、と考察されるが、EP 1 290 992 A1(特許文献1)は、かかる問題について言及しておらず、また人工寛骨臼の正しいインパクションに対する手段を記載していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】EP 1 290 992 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明によって対処される問題は、患者の骨盤の寛骨臼腔へのインパクション中においても、またその後の人工器官の使用中においても、人工股関節の脱臼の危険性を低減すると同時に、セラミックインサートの破裂の危険性を低減する、ことである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上述された目的及び他の目的を達成するよう、本発明は:
・ 患者の骨盤における寛骨臼窩洞にアンカーされるよう適合された実質的に半球形である凸状外部アンカー面を備え、また、環状エッジを有する凹状受容面を備える、金属挿入シェル、及び、
・ 該挿入シェルの凹状受容面において係合される外部面を備え、また、大腿骨人工頭又は可動関節インサートの係合及びピボットを可能にするよう実質的に半球形である凹状関節表面を含む内部受容面を備える、セラミック固定最終関節インサート、
を有する人工寛骨臼を提案する。該セラミック固定最終関節インサートは、約4mmより薄いか、あるいはそれと同等である厚さを備える。挿入シェルは、環状受容構造を有する。該環状受容構造は、挿入シェルに挿入される固定最終関節インサートの受容面を越えて突出し、また、インパクターがセラミック固定最終関節インサートの存在下で該環状受容面に対して固定され得るよう適合され得る環状受容面を有する。挿入シェルは、環状エッジの近くにおいて、約4mmより薄いかあるいは同等であり且つ2mmより大きい厚さを備える。
【0019】
挿入シェル及び関節インサートの薄い厚さにより、最大寸法は、大腿骨頭及び凹状関節表面に対して与えられ、その後の使用中における関節の脱臼の危険性を効率的に低減する。同時に、かかる薄い厚さにも関わらず、環状受容構造は、インパクターによるインパクション中に人工寛骨臼の効率的な保持を与えるだけではなく、インパクションに先立って組み立てられるときに挿入シェルと関節インサートとの間に効率的な協働を与える。この協働は、セラミック関節インサートが挿入シェルと接触したままとなり且つなんらかの力を吸収するため、インパクション中の挿入シェルの変形の危険性を低減する。この協働はまた、インパクション中に関節インサートの破裂の危険性を低減する。インパクション力は、挿入シェルに対して加えられ、その後、セラミック関節インサートにわたって分配されるよう伝達される。インパクション後、この協働はまた、変形されていない挿入シェルと関節インサートとの間において機械力が通常の分配方途において伝達されるため、関節インサートのその後の破裂の危険性を低減する。
【0020】
留置中、挿入シェルは、固定最終関節インサートに対して取り付けられたままである。そのため、かかる2つの部分の間における接触面(interface)は、アクセス不可能であり且つ滅菌されたままであり、手術中に汚染される危険性がない。
【0021】
末梢受容構造(peripheral receiving structure)は、挿入シェルへと挿入される固定最終関節インサートの受容面を越えて突出するため、また、環状エッジ付近、即ち末梢受容構造を構成する範囲における挿入シェルの十分な厚さにより、挿入シェルの中心において与えられるねじ穴に対するアクセスを防ぐ固定最終関節インサートの存在にも関わらず、挿入シェルに対するインパクターの信頼性の高い固定は可能である。
【0022】
更に、人工器官の使用の極端位置(extreme positions)において、人工大腿骨頭を有する人工ネックは、突出する末梢受容構造に対して位置する(bear against)ようになる。故に、人工ネックは、固定最終セラミックインサートで終端せず、したがって局所的点荷重の印加によって損傷される危険性がない。
【0023】
環状受容面は望ましくは、挿入シェルの凹状受容面から延在し、またそこに連続し、故に挿入シェルの内部面の環状部分である。かかる末梢受容構造は、小型であり且つ通常の製造手段を使用して容易に製造される。この末梢受容構造はまた、挿入シェルと一個構成であり、故に、人工器官の優れた固定及び優れた配向に対して外科医が必要な力を加え得るよう信頼性が高い。
【0024】
人工寛骨臼は、留置及び配向インサートと有利に関連付けられ得、挿入シェルの末梢受容構造に対して取外し可能に固定され、インパクターが取外し可能に固定され得る組立体構造を有する。挿入シェルの末梢に対して固定されるこの種類のインサートは、人工器官を固定及び配向するよう外科医によって加えられる力のシェルにわたる優れた分布を達成する。
【0025】
本発明の他の有利な態様によれば、人工寛骨臼は、挿入シェルにおいて係合されるセラミック固定最終関節インサート、及び挿入シェルに対して固定される留置及び配向インサートを有して、滅菌状態において組み立てられてパッケージされる。
【0026】
かかる組合せ(コンビネーション)の1つの利点は、留置及び配向インサートが輸送及び操作中にセラミック関節インサートを挿入シェルにおいて保持する、ことである。故に、挿入シェルにおいて単純に係合され、また、人工寛骨臼の留置前の偶発的な除去の危険性を有することなく、外科医の所望に応じてそこから除去され得る、関節インサートを与えることが可能である。この組合せは、関節インサート及び挿入シェルの厚さ特徴とは無関係に使用され得る。
【0027】
関節インサートを更に強化するよう、挿入シェルの環状受容面に対して固定される留置及び配向インサートは、セラミック固定最終関節インサートの内部受容面上に位置し(bear on)得るか、あるいはそこから小さな距離を置き得る。
【0028】
代替的に、あるいはこれに加えて、環状受容面に対して固定される留置及び配向インサートは、挿入シェルにおいてそれを保持するようセラミック固定最終関節インサート上に位置するようになるよう適合される1つ又はそれより多くの突出する弾性リブを有し得る。
【0029】
留置及び配向インサートは、容易に滅菌され得且つ外科的環境において使用され得る低コスト材料である、ポリエチレンを有し得る。
【0030】
組立体構造は望ましくは、留置及び配向インサートにおいて形成される固定ねじ山(threaded fixing hole)を有し得、インパクターの対応するねじ部(threaded portion)のねじ込みを可能にする。これは、既知の入手可能であるインパクターの使用が可能である、単純で信頼性が高く安価な組立体構造を作る。
【0031】
本発明の第1の有利な実施例によれば:
・ 末梢受容構造は、連続的あるいは非連続的環状溝を有し得、
・ 留置及び配向インサートは、該環状溝において弾性的に係合される連続的あるいは非連続的環状リブを有し得る。
【0032】
本発明の第2の有利な実施例によれば:
・ 末梢受容構造は、雌ねじ又は雄ねじを有し得、
・ 留置及び配向インサートは、留置及び配向インサートを末梢受容構造に対してそれをねじ込むことによって取外し可能に固定するよう、末梢受容構造のねじ山に対応する雄ねじ又は雌ねじを有し得る。
【0033】
したがって、多種の末梢受容構造並びに留置及び配向インサートは、製造が容易且つ安価であり、また、人工器官の優れた固定及び配向に対して外科医が必要な力を加えることができるよう十分な強度を与える。
【0034】
本発明の第1の実施例において、固定ねじ穴は、有利には開放穴であり得、留置及び配向インサートの固定穴へのねじロッドのねじ込み中、固定最終関節インサートの凹状関節表面に対して位置するよう適合される遠位端部を備え、固定穴へとねじ込まれるよう適合される、ねじロッド(threaded rod)を有する分離ツールと協働するよう適合される。
【0035】
あるいは、本発明の第1の実施例において、以下のことが有利に与えられ得る:
・ 留置及び配向インサートは、留置及び配向インサートが挿入シェルの末梢受容構造に対して固定されると、留置及び配向インサートと固定最終関節インサートの凹状関節表面の下部との間において自由空間が残されるよう適合される。
・ 留置及び配向インサートは、挿入シェルの短い環状伸張部(short annular extension)におけるその末梢において密封接触され得る。
・ 固定穴は、開放穴であり得、外部と、留置及び配向インサートと固定最終関節インサートとの間における自由空間との間において連通を与え、また、そこにシリンジの端部を密封して係合する寸法にされる。
【0036】
本発明の他の態様は、人工股関節寛骨臼を製造する方法を提案する。当該方法は:
a) 凹状受容面及び突出する環状受容面を備える金属挿入シェルを与える段階、
b) 外部面及び凹状関節表面を備えるセラミック関節インサートを与える段階、
c) 挿入シェルの凹状受容面において関節インサートの外部面を係合させる段階、及び、
d) 細菌防御(プロテクション)エンベロープにおいて形成される組合せを滅菌する段階、
を有する。
【0037】
利点は、特に関節インサートと挿入シェルとの間の接触面において人工器官をより滅菌させること、及び、同時に挿入シェルにおいて取外し可能に単純に係合される関節インサートの使用を可能にすること、である。
【0038】
滅菌は、ガンマ線の照射によって、関節インサート及び挿入シェルの組立て後にもたらされ得る。この種類の滅菌工程は、使用される材料、即ち挿入シェルの金属及び関節インサートのセラミックに対応するものである。
【0039】
当該方法は更に、滅菌前に、留置及び配向インサートを挿入シェルに対して固定する段階、という追加的な段階c1)を有利に有し得る。
【0040】
この方法は、留置及び配向インサートを固定する段階を有する方法を有しても有さなくても、関節インサート及び挿入シェルの特定の厚さ特徴の存在又は欠如とは無関係に使用され得る。
【0041】
本発明の他の態様は更に、その後に続く段階:
e) 手術室において密封されたエンベロープを開放する段階、
f) インパクターを人工寛骨臼に対して固定する段階、及び、
g) 骨における寛骨臼窩洞において人工寛骨臼を係合し、骨に対して固定するよう人工寛骨臼にインパクト(衝撃)を与える(impacting)段階、
を有するかかる方法を提案する。
【0042】
本発明の他の目的、特性、及び利点は、添付の図面を参照して与えられる、以下における特定の実施例の説明から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】留置及び配向インサートを有する本発明の人工寛骨臼の分解図である。
図2】挿入シェルの側面図である。
図3図1からの要素の断面図である。
図4】組立体後の図1からの要素の断面図である。
図5】インパクターに対して固定された本発明の人工寛骨臼の部分的断面図である。
図6図5からの細部の図である。
図7】留置及び配向インサートを取り外す第1の方途を示す断面図である。
図8】留置及び配向インサートを取り外す第1の方途を示す断面図である。
図9】留置及び配向インサートを取り外す第2の方途を示す断面図である。
図10】留置及び配向インサートが関節インサートを保持するために弾性リブを更に有する人工寛骨臼を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図1、3及び4において、シングルモーション又はダブルモーションの人工寛骨臼が図示される。後者は、挿入シェル1と、セラミック固定最終関節インサート4とを有し:
・ 挿入シェル1は、患者の骨盤における寛骨臼窩洞にアンカーされるよう適合された実質的に半球形である凸状外部アンカー面2を備え、また凹状受容面3を備え、また、
・ セラミック固定最終関節インサート4は、該挿入シェル1の凹状受容面3において係合する外部面5を備え、また、大腿骨人工頭又は可動関節インサート(図示せず)の係合及びピボットを可能にするよう実質的に半球形である凹状関節表面7を有する内部受容面6を備える。
【0045】
最終関節インサート4は、挿入シェル1に対して固定されるため、固定最終関節インサートと称される。
【0046】
図1、3及び4において、挿入シェル1は、アンカーフィン27を有する。該アンカーフィン27は、患者の寛骨臼窩洞の骨へと貫通するよう意図され、挿入シェル1の優れたアンカー(固着)を確実なものとする。
【0047】
図1及び3は、夫々斜視及び断面における分解図であり、図4は、共に組み立てられるときの図1及び3からの要素の断面図である。
【0048】
図4の構成中、人工寛骨臼は、滅菌状態においてパッケージされ、挿入シェル1において係合されるセラミック固定最終関節インサート4に対して組み立てられる。挿入シェル1は、末梢受容構造8を有する。該末梢受容構造8は、人工寛骨臼留置インパクターを固定するための手段を受容するよう適合され、インパクターが挿入シェル1において係合されるセラミック固定最終関節インサート4を有して人工寛骨臼に対して固定され得るよう形成される。
【0049】
セラミック固定最終関節インサート4は、大きな直径を有する人工大腿骨頭の使用を可能にするよう小さな厚さE’を備える。
【0050】
関節インサートの厚さを特徴付けるために、凹状関節表面に対して垂直である異なる方向における平均厚さ(mean thickness)は、一般的に考えられる。図1、3及び4中の固定最終関節インサート4におけるように、関節インサートが平らな下部を備えるとき、該下部の厚さは、一般的にはその小さな厚さを画定するよう考慮に入れられることはない。
【0051】
したがって固定最終関節インサート4の厚さは、図3、4及び図6乃至8において示される厚さE’と実質的に同等である。
【0052】
脱臼の危険性を低減するために、小さな厚さE’が選択され、(EP 1 290 992 A1(特許文献1)において記載される種類のシングルモーション人工寛骨臼の場合において)固定最終関節インサート4の凹状関節表面7へと挿入されるよう意図される人工大腿骨頭(図示せず)の直径を増大させるようにするか、あるいは、(文献WO 2004/069091において記載される種類のダブルモーション人工寛骨臼の場合におけるように)人工大腿骨頭を受容するよう意図される可動関節インサート(図示せず)の使用を可能にする。
【0053】
厚さE’は、固定最終関節インサート4が早すぎる摩耗又は劣化を有さずに患者によって人工股関節の通常使用中にもたらされるストレスに耐え得るよう、選択される。
【0054】
小さな厚さE’とは、厚さE’が約4mmより小さい(薄い)かあるいは同等であり、望ましくは3.5mmより小さいかあるいは同等である、ことを意味する。特許文献EP 1 188 729において記載されるセラミックは、とりわけこの目的に対して使用され得る。
【0055】
挿入シェルの厚さを特徴付けるよう、その凹状受容面の上方エッジの近辺におけるその厚さは、一般的に考慮される。したがって挿入シェル1の厚さは、図3及び図6乃至9中に示される厚さEと実質的に同等である。この厚さEは、挿入シェル1の凹状受容面3の環状エッジ9の付近における挿入シェル1の平均厚さである。
【0056】
シングルモーション又はダブルモーション人工寛骨臼に対する脱臼の危険性を更に且つ効率的に低減するよう、小さな厚さEが選択される。小さな厚さEとは、十分な機械的強度を保証するよう、厚さE’が約4mmより小さい(薄い)かあるいは同等であり、望ましくは3mmより小さいかあるいは同等であるが2mmより大きい、ことを意味する。
【0057】
図4及び8中において、挿入シェル1は、挿入シェル1へと挿入される固定最終関節インサート4の受容面6を越えて突出する末梢受容構造8を有する、ことがより特に見受けられる。
【0058】
末梢受容構造8は、本実施例においては、挿入シェル1の凹状受容面3から延在し且つそれと連続的である内部環状受容面10(図4及び8中に破線で示される)を有して、挿入シェル1の壁の短い環状伸張部を構成する。
【0059】
図1乃至9中の実施例において、インパクターを固定することができるよう、留置及び配向インサート11は、挿入シェル1の末梢受容構造8に対して取外し可能に固定されて与えられる。故に留置及び配向インサート11は、挿入シェル1において係合されるセラミック固定最終関節インサート4の存在下において挿入シェル1に対して固定され得(図4,5,6,7及び9)、また、患者の寛骨臼窩洞への人工寛骨臼のインパクション後に挿入シェル11(図8においてよりよく図示される通り)から離され得る。
【0060】
留置及び配向インサート11は、インパクターが取外し可能に固定され得る組立体構造12を有する。留置及び配向インサート11が挿入シェル1に対する末梢に固定されると、インパクターを用いて人工器官を固定及び配向するよう外科医によって加えられる力は、挿入シェル1にわたって分配される。
【0061】
図1乃至9において示される実施例において、組立体構造12は、留置及び配向インサート11において作られる固定ねじ穴13を有する。この固定ねじ山13は、それへとねじ込まれるインパクター15のねじ部14を備える(図5及び6)。したがって、留置及び配向インサート11からインパクター15を分離するには、インパクター15のねじ部14を固定ねじ穴13からねじって外すことで十分である。
【0062】
図1乃至9中に示される実施例において、末梢受容構造8は、環状溝16を有し、該環状溝16において環状リブ17は、留置及び配向インサート11において係合されて与えられる。環状リブ17は、挿入シェル1、固定最終関節インサート4、並びに留置及び配向インサート11を組み立てるときに、環状溝16において弾性的に係合される。該組立て工程は、矢印30及び31によって図3に図式的に示される。
【0063】
図1乃至9に示される実施例において、環状溝16及び環状リブ17は、連続的である。環状溝16及び環状リブ17の連続特徴は、全体的末梢(entire periphery)の周囲において挿入シェル1の留置及び配向インサート11の均一且つ最大保持力を可能にする。
【0064】
しかしながら、環状リブ17及び環状溝16の他の形状は、想定され得る。例えば、環状溝16及び環状リブ17は、非連続的であり得る。
【0065】
同様に、留置及び配向インサート11又は挿入シェル1における環状溝16及び環状リブ17の夫々の配列は、図1乃至9に示されるものとは異なってもよい。
【0066】
図1乃至9において、環状溝16は、挿入シェル1の末梢受容構造8の環状内部受容面10において与えられる一方、留置及び配向インサート11の環状リブ17は、環状溝16において弾性的に係合される外部環状リブ17である。留置及び配向インサート11は、挿入シェル1の末梢を越えて横方向に突出することはない。したがって、人工寛骨臼のインパクション及び配向中に、患者の骨盤の骨材料(bony material)と留置及び配向インサート11との間において衝突の危険性がない。
【0067】
図1乃至9に示されない本発明の他の実施例において、末梢受容構造8及び留置及び配向インサート11は、留置及び配向インサート11を末梢受容構造8上へとねじ込むことによって取外し可能に固定するよう、互いに協働するねじ山を有する。末梢受容構造8のねじ山は、留置及び配向インサート11のねじ山が雄ねじであるときに雌ねじであり、末梢受容構造8のねじ山は、留置及び配向インサート11のねじ山が雌ねじであるときに雄ねじである。
【0068】
使用時には、人工寛骨臼は、挿入シェル1において係合されるセラミック固定最終関節インサート4を有して、滅菌状態で組み立てられてパッケージされる(図4)。挿入シェル1を寛骨臼窩洞に留置するよう、外科医は、留置及び配向インサート11において作られる固定ねじ穴13へと固定されるねじ端部14を有するインパクター15を使用する(図5及び6)。
【0069】
インパクター15は、留置及び配向インサート11の上方面28に対して位置するフランジ26を有する。フランジ26は、留置及び配向インサート上にインパクション及び配向力を分配する。
【0070】
外科医は、挿入シェル1を骨の寛骨臼窩洞へと駆動するよう力を加え、挿入シェル1の配向を調整するよう回転トルクを加え、また、特には骨における寛骨臼窩洞と挿入シェル1の外部表面との間におけるセメントが固まるよう十分な期間の間、挿入シェル1を固定位置に保持するよう、インパクター15を使用する。
【0071】
かかる手術中、挿入シェル1は、強い力を受け、該強い力は、小さい厚さE(図6)により、患者の骨盤の骨に接触する挿入シェル1のみを変形させ得る。挿入シェル1のインパクション中の挿入シェル1のこの変形は、挿入シェル1において係合される固定最終関節インサート4の存在によって防がれる。
【0072】
したがって、患者の骨盤の骨が挿入シェル1をその小さい厚さEにより変形させる傾向がある場合、セラミック固定最終関節インサート4は、いかなる変形にも対向するよう十分に剛性であり且つ強固である。セラミック固定最終関節インサート4は、挿入シェル1を強化する。
【0073】
挿入シェル1、固定最終関節インサート4,及び留置及び配向インサート11は有利に、滅菌状態において共にパッケージされ得る。続いて外科医は、単一の動作において固定最終関節インサート4を有して挿入シェル1にインパクトを与え得る。これによって外科医は、貴重な手術時間を節約し、可能性のある感染につながる手術の危険性を低減する支援をする。
【0074】
固定最終関節インサート4を取り付けられた挿入シェル1がインパクトを与えられると、外科医は、留置及び配向インサート11を挿入シェル1の末梢受容構造8から除去し、選択された人工大腿骨頭を固定最終関節インサート4の凹状関節表面7に配置する(lodges)。
【0075】
留置及び配向インサート11を挿入シェル1から分離する段階は、より特には図7乃至9において示される。
【0076】
留置及び配向インサート11を分離する第1の方途は、図7及び8において示される。
【0077】
図7及び8において、開放固定ねじ穴13は、固定穴13へとねじ込まれるよう適合されたねじロッド19を有する分離ツール18の係合を可能にする。分離ツール18は、ねじロッド19を留置及び配向インサート11の固定穴13へとねじ込むときに固定最終関節インサート4の凹状関節表面7に対して位置するよう適合される遠位端部20を備える。
【0078】
ねじロッド19を固定穴13へとねじ込む(使用されるねじの構造に依存して一方向又は他方向にそれを回すことによる)ことは、留置及び配向インサート11の環状リブ17が環状溝16から弾性的に逃れているときに、留置及び配向インサート11が完全に分離されるまで、軸方向I−Iにおいて留置及び配向インサート11を挿入シェル1から離れるよう動かす(図8)。
【0079】
分離ツール18の遠位端部20は、固定最終関節インサート4の凹状関節表面7に対して損傷を与えることなく位置するよう適合される。
【0080】
留置及び配向インサート11の分離の第2の方途は、図9に示される。
【0081】
この図9中、留置及び配向インサート11が挿入シェル1の末梢受容構造8に対して固定されると、留置及び配向インサート11と固定最終関節インサート4の凹状関節表面7の下部との間において自由空間を残すよう、留置及び配向インサート11は適合される。留置及び配向インサート11は、挿入シェル1の短い環状伸張部における末梢に沿って密封接触される。
【0082】
固定穴13の開放特徴は、留置及び配向インサート11と固定最終関節インサート4との間において形成される自由空間Sと、外部との間における連通を与える。
【0083】
固定穴13は、加圧流体供給パイプ21の端部の係合を可能にする寸法にされる。
【0084】
パイプ21は、矢印22によって示される通り流体を外部から自由空間Sへと供給する。続いて流体は、自由空間Sを充填し、パイプ21及び自由空間Sにおける流体圧力は、矢印32によって定義付けられる方向において留置及び配向インサート11上において軸I−Iに沿ってスラスト(thrust)をもたらす。十分な流体圧力、及び該圧力が加えられ得る留置及び配向インサート11の十分な範囲を有して、留置及び配向インサート11は、環状リブ17を環状溝16から逃れさせることによって、挿入シェル1から迅速且つ容易に引き出される。
【0085】
実際には、シリンジを使用して優れた結果が得られている。流体供給パイプ21は続いて、シリンジの端部であり得る。シリンジを使用することは、医療状況において特に有益であることが判明している。これは、滅菌され得る日常的な医療対象であり、手術室において容易に利用可能である。あるいは、流体供給パイプ21は、インパクター自体の管状部分であり得る。
【0086】
挿入シェル1を留置及び配向インサート11から分離するよう使用される流体は、水又は生理血清であり得、手術室において大変幅広く使用され得る、並びに使用されている流体である。
【0087】
実際、ポリエチレンの留置及び配向インサート11を使用して、優れた結果が得られている。ポリエチレンは、手術室において使用され得、容易に滅菌され得、且つ低コストであり得る材料である。
【0088】
図6中、留置及び配向インサート11は、セラミック固定最終関節インサート4の内側受容面6から小さな距離eをおいて挿入シェル1の末梢受容構造8に対して固定される、ことが分かる。この距離eは、末梢の全体の周囲における環状溝16において環状リブ17の信頼性高く安定した係合を可能にする。更には、患者の骨盤の寛骨臼窩洞への人工寛骨臼のインパクション中、留置及び配向インサート11は、セラミック固定最終インサート4の内部受容面6又はその末梢エッジから更に短い距離に達するよう、あるいはそれらの上に位置するよう、軸I−Iに沿って軸方向インパクション力によって大変僅かに変形される。
【0089】
ポリエチレン留置及び配向インサート11がセラミック固定最終関節インサート4の内部受容面6又はその末梢エッジにおいて位置するようになる場合、固定最終関節インサート4は、人工寛骨臼にインパクトを与え且つ配向する力を伝達する。固定最終関節インサート4は更に、挿入シェル1の凹状受容面に対して押し付けられて保持され、固定最終関節インサート4が挿入シェル1の剛性に寄与することを確実なものとし、また後者の変形を防ぐ。
【0090】
人工寛骨臼のインパクション中、留置及び配向インサート11と、セラミック固定最終関節インサート4の内部受容面6との間において大きな距離eが残る場合、図4及び図6乃至9に示される通り、円錐嵌め合い(conical fit)23は、固定最終関節インサート4と挿入シェル1との間において与えられ得る。故に、距離eの存在及びインパクションによって引き起こされたインパクトに関わらず、固定最終関節インサート4は、挿入シェル1の剛性に寄与し、患者の骨盤の骨材料によって誘発される特には矢印24によって示される半径方向力により発生し得る変形に対して後者の変形を防ぐ、ことは明らかである。
【0091】
図10に示される実施例において、留置及び配向インサート11は、セラミック関節インサート4に対して弾性的に位置する突出する弾性リブ11aを備え、それを挿入シェル1へと押し付けられて保持するようにする。図示される実施例において、リブ11aは、環状リップの形状であり、内部受容面6に対して位置するようになる。あるいは、リブは、セラミック関節インサート4の前方末梢エッジ上に位置するよう与えられ得るか、あるいは、複数のリブ又は他の弾性形状は、関節インサート4上に同時に位置するよう与えられ得る。
【0092】
明確には、周知のシングルモーション人工寛骨臼とは対称的に、挿入シェル1において係合されるセラミック固定最終関節インサート4の存在は、凹状受容面から凸状外部アンカー面2まで挿入シェルを介する穴を介して患者の骨盤の寛骨臼窩洞において挿入シェル1を固定するための固定スクリュの使用を除外する。
【0093】
この場合、挿入シェル1の凸状外部アンカー面2の上方エッジの近辺において、図2に示される外部固定突起25を与えることは、有益であり得る。この外部固定突起25は、開口29を有し、該開口29を介してスクリュ(図示せず)は、患者の骨盤の骨においてアンカーされるよう通る。
【0094】
留置及び配向インサート11を挿入シェル1に対して固定する僅かな方途が明記されてきたが、他の代替的な固定方法は、本発明における保護の分野内に有される。例えば、留置及び配向インサート11は、留置及び配向インサート11の強制的な挿入によって挿入シェル1の末梢受容構造8に対して固定され得る。
【0095】
挿入シェル1は、金属、チタニウム、又はクロミウム及びコバルト合金鋼を有し得る。挿入シェル1は、同様にPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)又は他の適切な材料を有し得る。挿入シェル1の外部凸状面2は有利には、HAP(ヒドロキシアパタイト)の層で覆われ得る。
【0096】
実際には、インパクション中の変形に対する優れた耐性及び優れた抗脱臼性能は、4mmより小さいかあるいは同等である厚さEを有する金属挿入シェル1において係合される3.5mmより小さいかあるいは同等である厚さE’を有するセラミック固定最終関節インサート4を有して達成されている。
【0097】
本発明は、明記されてきた実施例に制限されず、添付の請求項の範囲内に包含される変形及び一般化を有する。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10