【実施例1】
【0015】
<システム>
図1は、本実施例を適用するシステムの構成の一例を示す模式図である。放送波からの情報を受信する場合を例示している。ただし放送に限定されず通信網によるIP放送(マルチキャスト)であってもよく、総称して配信ともいう。
【0016】
1は放送局などの情報提供局に設置される送信装置、2は放送用衛星として、3は地上中継局として設置される中継装置、4はユーザの宅内などに設置される受信装置を示す。5は受信した放送を表示する表示パネル、6はIP放送用のデータを配信する配信サーバである。7はユーザの宅内などに設置される例えばBDレコーダなどの記録再生装置である。
【0017】
8は3Dの実現方式によって必要になる3D視聴用の専用メガネである。立体映像表示の形式によっては、ユーザは立体映像視聴専用のメガネの着用が必要となる。
【0018】
送信装置1は、中継装置2および3を介して、変調された信号電波を伝送する。例えばケーブルによる伝送、電話線による伝送などを用いることもできる。受信装置4で受信されたこの信号電波は、後に述べるように、復調されて情報信号となる。また、ユーザは、表示パネル5で示すディスプレイを受信装置4に接続して情報信号が示す映像音声を視聴することができる。受信装置4にディスプレイが内蔵されている場合はそのディスプレイで情報信号が示す映像音声を視聴することができる。
【0019】
また、受信装置4は別の記録再生装置7に対して受信した情報信号を転送することが可能である。この操作をネットワーク配信やアップロードともいう。
【0020】
<送信装置>
図2は、
図1のシステムのうち、送信装置1の構成の一例を示すブロック図である。
【0021】
201はソース発生部、202はMPEG方式等で圧縮を行うエンコード部、203はスクランブル部、204は変調部、205は送信アンテナ、206は番組情報付与部である。カメラ、記録再生装置などから成るソース発生部201で発生した映像音声などの情報は、より少ない占有帯域で伝送できるよう、エンコード部202でデータ量の圧縮が施される。必要に応じてスクランブル部203で、特定の視聴者には視聴可能となるように伝送暗号化される。変調部204で伝送するために適した信号となるよう変調された後、送信アンテナ205から、中継装置2に向けて電波として送信される。このとき、番組情報付与部206では、例えば電子番組表表示や現在視聴中の番組情報表示のために番組情報を付加する。
【0022】
なお、一つの電波には複数の情報が、時分割、スペクトル拡散などの方法で多重されることが多い。簡単のため
図2には記していないが、この場合、ソース発生部201とエンコード部202の系統が複数個あり、エンコード部202とスクランブル部203との間に、複数の情報を多重するマルチプレクス部(多重化部)が置かれる。
【0023】
3D映像の送信・受信を実現する方式としては様々な方式が考えられる。例えば3D映像を送出する方法の一例として、左目用画像データと右目用画像データを多重化して送出する方法がある。これに限らず受信時に判別可能なように送信ならびに受信の運用形態が決められれば、受信機は運用形態に応じて立体映像であることを判別して立体映像表示することが可能である。
【0024】
<受信装置>
図3は本発明を実施する受信装置4の構成の一例を示すブロック図である。301は放送装置1からの送信データを受信するための入力端子である。302は受信したデータを解析しデータ種別毎に分離し後段へ転送する分離部である。必要に応じてデスクランブル処理を行い視聴可能となるよう復号する。分離の手順としては予め定められたIDを持つPAT(Program Association Table)データをデータの中より検出し、所定の方法に基づいて解析することでPMT(Program Map Table)のIDを得る。その情報を用いて次に入力データよりPMTデータを検出し、所定の方法に基づいて解析することで、映像データや音声データ、番組情報(SI情報とも呼ぶ)を含むデータ(例えばEIT)のIDを知ることが出来る。以上により種類別にデータを分別することが可能であり、例えば映像データ・音声データを抽出して後段のデコード処理部305へと転送する。番組情報データは番組情報処理部304へと転送する。番組情報処理部304は入力ストリームより抽出される番組情報を解析し、必要なデータは例えばメモリ312などに記録する。例えば番組名称や放送チャンネル番号、放送開始時刻、放送終了時刻、番組内容詳細などのデータなどである。これらの情報の中には電子番組表を構成するための情報が含まれている。
【0025】
デコード処理部305は分離された映像データ・音声データを、画面に表示する、もしくはスピーカから出力するデータにデコードする。なおデコード処理部の中で映像と音声のデコード処理を行うブロックがそれぞれ別に存在する。デコードされたデータは表示制御部
306へ送付する。
【0026】
306は映像・音声データや各種アプリケーション用インタフェース(IF)の表示データから出力データを生成する表示制御部である。例えばデコード処理部(305で処理された映像データの上に、受信装置4が独自に用意する例えばメニュー画面などのOSDを重ね合わせるなどして表示する画像を生成する。表示制御部306は3D映像表示手法の少なくとも一つ以上に対応しているものとする。
【0027】
307は出力端子であり、生成されたデータを例えば表示用液晶パネルなどの表示デバイスに転送する。308は使用者がリモコンを用いて操作を行う際のリモコンIFである。309は入力端子であり例えばリモコンからの信号を受信する受光部である。310は例えば選局操作や音量操作などの各種操作を行うボタン群を配し、使用者が直接ボタンを操作することで受信装置4の制御を行うための操作部である。311は受信装置4の動作を制御する制御部であり、例えばCPUで構成される。312は情報を記録するための不揮発性メモリである。313は各ブロック間で制御命令を伝達するシステムバスである。
【0028】
なお、
図3の中で各ブロックを結ぶ矢印で示された線は受信したデジタルデータの流れである。各ブロックで適宜処理が行なわれるため、各ブロック間に流されるデータの内容・形式は各々異なるものである。
【0029】
上記は送出装置1からの放送受信を例にとって説明を行ったが、例えば配信サーバ6からのネットワーク経由のストリームを受信する場合、例えば番組情報データは映像・音声データと独立したストリーム(メタデータとも呼ばれる)に情報が含まれることもある。この場合分離部302でメタデータより番組情報を取得し、番組情報処理部304へデータを転送することで、放送受信時と同様に以降の実施例が適用可能である。さらには該当の配信コンテンツが3Dであるかどうかがメタデータに記してあっても良い。
【0030】
以上の構成に基づいて以下の実施例を説明する。受信するデジタル情報の中に、どの番組が3D映像を含むかを判別する情報が含まれているとする。例えば、EIT内に番組に3D画像が含まれるかを示す情報を含んで送信することが考えられる。なお、EITに限らず受信時に判別可能なように運用形態が決められれば、それに合わせて受信機(番組情報処理部304および制御部311)が判別することで効果は得られる。
【0031】
<3D表示手法>
3D映像を表示するための一つの方法として偏光を用いた方式がある。直線偏光(右目用の映像と左目用の映像を偏光方向に90度の差異を設ける)や円偏光(偏光軸の回転方向が右目用の映像と左目用の映像で逆である)といった方式で表示を行い、ユーザは左右にそれぞれの偏光に対応したフィルタを設けた専用メガネを着用することで、夫々の眼に視差を持った映像が到達することで映像が飛び出して見える手法である。
【0032】
他の一つの3D表示実現方法として、ユーザがシャッタメガネを着用する手法もある。ストリーム送信の段階で右目用映像と左目用映像を一つのストリームにマルチプレクスし、受信装置はそれを受信する。視差のついた右目用画像と左目用画像とを交互に切り替えて表示し、シャッタメガネが受信装置からの制御信号に同期して右目、左目交互にレンズ部分に組み込まれた液晶を透過させて映像を視聴可能なように制御することで立体表示を実現する。
【0033】
他の一つの3D表示実現方法としては、色分離(色分割とも呼ぶ)による手法がある。左右それぞれの映像を例えば赤や青、赤や緑といった色の組み合わせの異なる映像に分離し、表示位置を横方向にずらして視差を生成する。この方式でもユーザは視聴時に専用のメガネを使用し、左右それぞれに異なる色のフィルタを配置することで視差によって生み出される立体表示を体感できる。
【0034】
他の3D表示実現方法としては、レンチキュラ方式やパララックス(視差)・バリア方式に代表される、ユーザが裸眼で視聴して立体感が得られる手法がある。この場合、表示画像は右目用映像と左目用映像を1画面上に交互に表示し、それを特殊な形状のフィルタを表示画面上に設けることで両眼に夫々の画像を到達させる。これらの方式の場合、ユーザは専用メガネの着用が不要である。
【0035】
以上に示したように3D表示を実現する方法には多くの方式が存在するが、本発明においては上記で紹介した方式をはじめ受信装置が対応している3D表示方式は何であってもそれに対応した電子番組表の表示画像を生成できれば良く、制御部311および表示制御部
306によって実現可能であると考えれば良い。
【0036】
そのため特定の方式で必要となる画像表示面上の偏光フィルタや位相差板に関する議論は省略する。例えば上述したシャッタメガネを用いる方式の場合、放送受信時と同様に交互に右目用、左目用表示画像を生成し、視差をつけた電子番組表画像を生成、表示することで3D表示電子番組表を作成できる。以下の実施例においてもこの方式を前提に説明を行う。
【0037】
<電子番組表の表示>
電子番組表を表示する際に受信装置4が3D放送番組の情報を強調表示する例を
図4に示す。なお図面では右目用映像と左目用映像とを組み合わせてユーザが立体視した状態を表現している。
【0038】
51は表示パネル5の映像表示部分である。本図では制御部311はユーザからの所定の操作に応じて表示部分全面を用いて電子番組表を表示している。401で示した番組情報は3D放送番組の情報であり、前面に飛びだして見えるよう表示する。このとき402には下段の番組表でユーザがフォーカスを当てている番組の詳細を表示しているが、3D放送番組にフォーカスを当てている場合には402の番組説明欄を飛び出して表示するようにしても良い。受信装置4における処理のフローチャートを
図5に示す。
【0039】
ステップ(以降Sと省略する)501では制御部311はリモコンIF308あるいは操作部310から入力されるユーザ操作に応じて番組表を開く際の現在時刻情報と視聴チャンネル情報から、表示範囲を算出し、表示すべき番組情報を不揮発性メモリ312より取得し、右目用と左目用夫々の電子番組表表示画像データを作成し、S502へ進む。
【0040】
S502では表示範囲に含まれた番組情報データの内容を番組毎に3D放送であるかどうかを判断する。各番組が3D放送であるかどうかは例えば、データストリーム中の所定の位置に該当番組が3Dであるかどうかを判別する情報が含まれているなら、その情報を参照する。あるいは番組名称や3D番組であることを示す文字データが含まれているかどうかで判断しても良い。番組が3D放送である場合にはS503へ進み、含まれてない場合にはS504へ進む。
【0041】
S503では対象の3D番組が表示される矩形を算出し、その部分の左目用画像データと右目用画像データの表示位置をずらして視差を設定しS504へ進む。具体的な視差の設定方法は上述した立体表示手法に準ずる。
【0042】
S504では表示範囲の全ての番組情報データについて3D放送番組か否かの検索が終了していたらS505へ進み、終了していない場合S502へ進む。S505では表示制御部
306が生成された電子番組表データを所定の方法で表示して処理を終了する。例えば左目用画像と右目用画像を交互に表示する、などである。
【0043】
図4の403で指し示したようにこのような3D表示と2D表示を切り替える機能を例えばリモコンのカラーボタン(赤)に割り当て、ユーザが好きなタイミングで切り替えができるようにしても良い。3D表示OFFの場合には制御部311が視差の無い電子番組表データを生成し、表示制御部
306が表示する。
【0044】
立体映像表示の形式によっては、ユーザは立体映像視聴専用のメガネの着用が必要となる。従って、ユーザ自身がメガネの着用状況に応じて簡単に2D・3D表示を切替可能とすることでユーザの利便性を向上することも求められる。ユーザが好きなタイミングで3D表示と2D表示を切り替えることができれば、例えばユーザは自分が専用メガネを着用しているかどうかに合わせて表示を切り替えることが可能である。
【0045】
表示を切り替える別の方法として例えば
図6に示すような機能メニューを作成、表示してユーザに選択させることにより実現しても良い。
図6(a)は3D表示OFFの状態で所定の操作によって機能メニューを立ち上げた場面の一例である。ユーザは機能メニューの中から3D表示の項目を選択すると制御部311と表示制御部
306は3D表示に切り替える。
【0046】
図6(b)は3D表示ONの状態で機能メニューを表示した場面の一例である。機能メニュー自体も飛び出させて表示することでその背面に飛び出して表示された番組情報がある場合にも違和感無く視聴することが可能である。ユーザが3D表示OFFの項目を選択すると制御部311と表示制御部
306は2D表示に切り替える。
【0047】
一般的にユーザが3D放送を視聴している最中はユーザは専用のメガネを掛けるなどしているために電子番組表も3D表示が有効になっていることが望ましいと考えられる。
図7は電子番組表表示時に自律的に3D表示の有効・無効を切り替える動作を説明したフローチャートである。
【0048】
S701では制御部311は例えばユーザが視聴中の番組情報と、表示制御部306の表示状態といった、現在の視聴状態を取得してS702へ進む。S702では視聴状態が3Dである(3D放送を3D表示で視聴している)場合S703へ進み、2Dである(3D放送番組を2Dで表示している場合も含む)場合S704へ進む。S703では上述した実施の一例のようにして電子番組表を3D表示して処理を終了する。S704では電子番組表を2D表示して処理を終了する。
【0049】
さらには3D放送を偶然選局した直後に電子番組表を立ち上げた(すなわちユーザとしては意図していない3D視聴状態)場合を想定して、ある一定以上現在の番組を視聴していたかどうかをS702での判定に加えても良い。
【0050】
これにより電子番組表を起動した時点でのユーザの視聴状態に合わせた表示を行うことが可能であり、特に専用メガネを利用して3D映像を視聴する方式の場合、ユーザがわざわざ専用メガネを掛けたり外したりといった動作が必要なくなるという利点がある。また、裸眼立体方式の場合においても3D映像と2D画像の切り替わりがなくなるため眼の疲労を軽減できるという利点がある。
【0051】
また3D表示の有効・無効の状態を常に不揮発性メモリ312などに記録しておくことで次回電子番組表表示時に前回と同じ設定で起動するようにしても良い。
【0052】
以上の実施例によりユーザは多くの番組が並ぶ番組表の中から直感的に、3D放送番組を発見することができる。これらの放送をたとえば視聴予約・録画予約するのも簡単に実現可能である。なお、録画予約は受信装置本体が記録媒体を有している場合(
図3には未記載)、その記録媒体で良い。あるいは受信装置本体が記録媒体を挿入可能なスロットを有しており(図には未記載)、可搬性のある記録媒体を挿入して記録しても良い。あるいは例えばHDMIケーブルやIEEE1394ケーブルによって接続された、またはIPを用いたDLNA(Digital Living Network Alliance)で規定された形式に基づいて接続された外部の記録再生装置7に記録するのでも良い。
【0053】
以下、ユーザの使い勝手をさらに向上させる実施例について説明する。まず、ユーザの嗜好を利用した実施例について説明する。例えばユーザの嗜好を解析する、あるいはユーザが指定した単語が含まれる番組情報を検索するなどの技術を用いて受信装置4がおすすめ番組を強調表示する例を
図8に示す。また、この時の受信装置4における処理のフローチャートを
図9に示す。
【0054】
S501では制御部310はユーザ操作に応じて番組表を開く際の現在時刻情報と視聴チャンネル情報から、表示範囲を算出し、表示に必要な番組情報を取得してS901へ進む。
【0055】
S901では表示範囲にお勧めの番組の放送が存在するかどうかを判断する。各番組がお勧めの番組であるかを判別する手法については数多くの手法が考えられるため、その中の1つ以上の方式に従えば良いが、例えば、それまでのユーザの視聴傾向(例えば長時間視聴している番組のジャンル情報を積算しておき、その結果を解析することで好みのジャンルを抽出する)から判断する方法が考えられる。
【0056】
あるいはユーザが好みの出演者名をリモコンなどのIFを用いて指定し、制御部311が番組情報から一致する出演者名を検索する方法が考えられる。該当の番組がお勧めされる番組である場合にはS503へ進み、そうでない場合にはS504へ進む。S503では対象の3D番組が表示される矩形を算出し、その部分の左目用画像データと右目用画像データの表示位置をずらして視差を設定しS504へ進む。具体的な視差の設定方法は上述した立体表示手法に準ずる。
【0057】
S504では表示範囲の全ての番組情報データについて3D放送番組か否かの検索が終了していたらS505へ進み、終了していない場合S502へ進む。S505では表示制御部
306が生成された電子番組表データを所定の方法で表示して処理を終了する。例えば左目用画像と右目用画像を交互に表示する、などである。
【0058】
これによりユーザは多くの番組が並ぶ番組表の中から直感的に、視聴したい番組を発見することができる。
【0059】
図8の802に示すようにこのような3D表示と2D表示を切り替える機能を例えばリモコンのカラーボタン(赤)に割り当て、ユーザが好きなタイミングで切り替えができるようにしても良い。例えばユーザは自分が専用メガネを着用しているかに合わせて表示を切り替えることが可能である。表示を切り替える別の方法として例えば
図6に示すようなメニューを作成して実現しても良い。また本電子番組表表示時にはそれ以前に視聴していた番組の表示が2D・3Dのいずれであったかに合わせて2D・3Dの表示を選択してもよい。
【0060】
また、この場合お勧め度合いに応じて視差の量を可変にしても良い。すなわち最もお勧めする番組を最も前に飛び出すように生成し、例えば各お勧め番組について10段階のランク付けがされていれば、10段階の視差量を割り振って表示を行う。あるいは一画面の番組表内に表示している番組の中でお勧めする番組に限定して、各番組のお勧め度合いに応じて大きな視差から順に小さな視差を割り当てていくなどとしても良い。
【0061】
これによりユーザは直感的に受信装置のお勧めする番組に気がつくことが可能となり、視聴したい番組を容易に発見することができる。
【0062】
次に、ユーザが視聴中の番組の表示を継続しつつ、画面の一部を使用して番組表を表示する例を、
図10を用いて説明する。51は表示パネルの表示画面を示す。1001で示した範囲が電子番組表である。ユーザが3D映像視聴時、背面となる3D映像の飛び出しに対して、さらに前面に番組表が前面に飛び出して見えるように視差量を設定して表示することで、表示している3D映像と組み合わせても違和感の無い表示を可能とする。
【0063】
この時の番組表表示のシーケンスは
図7と類似している。ただしS703では例えば制御部311は右目用画像と左目用画像に可能な範囲で最大の視差を設けて、表示制御部
306が表示することで番組表を3Dで表示して処理を終了して良い。視差量を最大に設定すれば背面の映像が飛び出して表示される場合でも違和感なく視聴することが可能である。また、例えば制御部311は背面の映像に設定される視差量より大きな視差を設定して、表示制御部
306が表示することで番組表を3Dで表示して処理を終了して良い。
【0064】
例えばHDMIケーブルなどで接続された記録再生機器7からBDやDVDなどの記録媒体に格納された3Dコンテンツを再生している際にも、同様に処理しても同じ効果が得られる。
【0065】
次に、3Dの番組を番組表中に個別の列として表示する例を
図11(a)〜(f)に示す。
【0066】
51は表示パネルの表示画面を示す。1101は3D番組のみを表示する番組一覧表示部分を示す。
図11の例では18:00から19:00まで091チャンネルで3D放送がおこなわれ、19:00から011チャンネルにて3D放送が行われるということが独立した列に記載されており、ユーザが3D放送番組を見つけやすくなっている。空欄となっている時間帯は3D放送番組が存在しないことを意味する。
【0067】
この時、例えば3D番組の列の表示On・Offを切り替える機能をリモコンボタンに割り当てておき(
図11ではリモコンの赤ボタンへ割り当てた例を示す)、ユーザが該当のボタンを押すことによって表示有無を切り替えても良いし、常に表示するようにしておいても良い。
図11に示した例では視差を設けての表示は行っていないが、例えば制御部311は1101に示した3D番組の列のみ前面に飛び出して見えるよう視差を設定し表示しても良い。
【0068】
また例えば同時間帯に複数の3D放送番組が行われる場合は、
図11(b)に示すように、番組内容を1番組分だけを表示しつつも1102で示すような例えば色の異なる線を表示するなどによって複数の番組内容が存在することをユーザにわかるような表示として良い。ユーザがリモコン操作などによりカーソルをこの部分を選択することで初めて番組内容の表示を切り替えて表示する(
図11(c))。この時やはり別の3D番組があることを1103で示すような例えば色の異なる線を表示するなどによって表す。あるいは
図11(d)に示すように、同じ時間帯の3D番組を一覧表示列に平行して表示しても良い。
【0069】
表示シーケンスを
図12に示す。S501では制御部311はユーザ操作に応じて番組表を開く際の現在時刻情報と視聴チャンネル情報から、表示範囲を算出し、表示に必要な番組情報を取得してS1201へ進む。S1201では表示時間帯における表示範囲以外の全チャンネルの番組情報から3D番組を検索、取得してS1202へ進む。S1202では番組表の3D番組表示部に該当する部分の表示データを更新して、表示のための電子番組表データを生成してS505へ進む。S505では表示制御部
306が生成された電子番組表データを所定の方法で表示して処理を終了する。
【0070】
なお、受信装置起動直後のタイミングで番組表を生成する場合、全チャンネルの番組情報取得が完了していない可能性がある。この場合取得できたところまでの情報から3D番組のデータを抜き出して表示を行い、3D番組が見つかるたびに適宜画面の更新をかければ良い。
【0071】
また、上記説明では電子番組表を2Dで表示しているが、これを3Dで表示する場合は、(e)および(f)に示す実施方法もある。すなわち番組が複数重複している時間帯には奥行きを変更してデータが並んでいるように表示する。例えばリモコンの左右キーなどの所定の操作によって、(e)から(f)に、あるいはその逆にというように最前面に表示される番組を切り替えて表示する。勿論3つ以上の番組が重なっている場合であっても、同様の表示とユーザ操作による表示の切替が可能である。
【0072】
本実施例によれば、ユーザが番組表の表示範囲に含まれない放送局の番組であっても容易に3D番組に気がつくことが可能となり、視聴や録画予約といった動作を行うことが容易になる。
【0073】
次に、電子番組表を3D表示している場合に、番組表のサイズを変更する場合の例を
図13に示す。
【0074】
図13(a)は6チャンネル4時間分の番組データを表示している。一方で(b)は(a)の破線で囲んだ3チャンネル2時間分の番組データを拡大表示して、各番組の情報をより詳細に表示する。この時、(a)で飛び出して表示しているデータを拡大するため(b)において該当番組の右目用画像と左目用画像の視差量を拡大させた比率に合わせて増加させることで、切替時に違和感のない3D表示を実現する。
【0075】
一方で
図13(b)から(a)の状態に遷移する場合には縮小比率に応じて視差量を縮小することで、切替時に違和感のない3D表示を実現する。勿論、拡大・縮小が本実施例に示す以外のチャンネル・時間数で行なわれる場合、多段階で行なわれる場合においても同様の制御によって対応が可能である。
次に、
図14を用いて特定放送局(チャンネル)の現在時刻以降の番組を複数日分電子番組表に表示する実施例を説明する。特定放送局の選択は例えばリモコンの任意のボタンに選択する機能を割り当ててユーザが操作するものとする。
【0076】
図14(a)においては3D番組が放送される予定の個所について視差を生成し、飛び出して表示する例を示す。これによって現在時刻から先に指定のチャンネルにおいて3D放送が行なわれるかどうかをユーザは直感的に理解することが可能である。
図14(b)においては、同様の表示でユーザは例えば嗜好に合ったお勧め番組を直感的に発見することができる。これによってユーザの注目を自然とそれらの番組に集めることができ、例えば番組の録画予約や視聴予約を簡単に実行可能である。
【0077】
以上で述べた各実施例は適宜組み合わせて実施することも可能である。例えば
図4の表示を行っている際に
図13を用いて説明したような拡大・縮小の手法を組み合わせる、あるいは、
図14における同一放送局の放送番組一覧の表示データサイズを縮小すればより一覧性を高めることが可能となるなどである。任意の組み合わせによる表示および状態遷移が行なわれて良い。
【0078】
また、変形例として、カーソルのあたっている個所を強調表示するために前面に表示するようにしたり、ある放送局の番組全てを前面に表示するなどして、ユーザの注目を向けさせるようにしたりすることで使い勝手を高めることなどが考えられる。
【0079】
以上示した実施例により、3D番組の放送が行なわれる際の電子番組表表示方法について説明した。電子番組表上でユーザが3D番組を簡単に見つけることができる使い勝手の良い電子番組表の表示を実現可能とした。また、3Dで表示される番組と電子番組表を同時に表示させても違和感のない電子番組表の表示を実現可能とした。また立体映像視聴方式がメガネを必要とするタイプであれば、2D・3D表示の切替を簡単に行えることで利便性を向上することを可能とした。
次に、これまで説明したシステムとは別のシステムにおける処理について説明する。ここでは、受信装置のデータ出力先がパネルではなく別の受信装置(もしくは記録再生装置)である場合について
図15以降の図を用いて説明する。
図15は本発明を実施する別の一例、受信装置15の接続を示すシステム構成図である。
【0080】
受信装置15は送信装置1ならびに配信サーバ6から送出されるデータを受信する。受信装置15内部で受信データのデコードや電子番組表の表示画面を生成すると、異なる受信装置(あるいは記録再生装置でも良い)16へのデータ出力を行う。
【0081】
受信装置15と受信装置16の接続は、受信装置15の生成する電子番組表データと視差・奥行き情報の伝送方法が規定されているデジタルデータ送受信の方法で行なわれる。例えば右目用画像と左目用画像を両方伝送し、受信装置16においてその通りに表示することや、画像データと奥行き情報を伝送し、受信装置16がそれらの情報から所定の手順で3Dの電子番組表を生成する方法が挙げられる。
【0082】
16は外部入力端子を持ち、受信装置15からデータが入力可能、かつ3D表示が可能な受信装置である。3D表示データを表示パネル5へ出力する。受信装置16が表示パネルを内包している場合には、表示パネル5への接続は不要である。
【0083】
図16は受信装置15の内部構成を示す。映像・音声データのデコードを行う手順、また電子番組表データを生成する手順は受信装置4と変わるところは無い。
1601は表示制御部306と同様に、映像データの出力画面を生成する出力データ生成部である。
1602は所定の送信用データを生成、電子番組表データを重畳して出力する出力部である。
1603は他の受信装置16へデータを送信する出力端子である。
【0084】
本システム構成においても上述の実施例がそのまま適用可能であり、受信装置自体が表示装置に直結していない場合においても、ユーザが3D表示された電子番組表を視聴し、使い勝手の良い電子番組表を使用することが可能である。すなわち3D番組を探して視聴することが簡単に実行可能であり、受信装置15がさらに録画機能を有する場合には、3D番組の予約録画設定を行うことが簡単に実行可能である。
【実施例2】
【0085】
本実施例では、電子番組表以外のもので、3D表示によって使い勝手を向上可能なグラフィックについての実施例を説明する。
【0086】
図17には番組検索結果を表示するグラフィックの一例を示す。51は表示画面を示す。1701は検索を番組ジャンルで分類表示するためのタブが並んでいる。ユーザは例えばリモコンの左右キーなどで検索結果を見たいジャンルを選択すれば、その下に検索結果の一覧が表示される。表示の順序は例えば検索時刻に近い時間順で並べるものである。1画面に表示しきれない検索結果についてはユーザの所定の操作によってページを切り替えて閲覧できるようにする。
図17に示すようにページが切り替わるたびに移動するバーを検索結果の横に示し、複数ページ存在することを示すとユーザの使い勝手も良い。これらの番組名称や放送時刻の情報は電子番組表での実施例と同様、受信した放送データ中に例えば1週間分などある決められた先までの情報が含まれている。
図17は「映画」のタブにカーソルがあてられ、映画番組の検索結果を一覧に表示する例を示している。一覧に表示された番組の中で3D放送番組があればその番組表示欄を前面に浮き出て見えるように表示を行う。変形例としてユーザの嗜好情報などから受信装置がお勧めの番組を判断して、一覧表示された番組の中のお勧め番組を飛び出して見えるよう表示するなどしても良い。
【0087】
この制御によって、ユーザは3D放送番組、あるいはお勧めの番組を直感的に選択することができ使い勝手を向上することが可能である。
【0088】
次に、3D放送番組を表示中に受信装置の機能メニュー一覧を3Dで表示する例を
図18を用いて説明する。
図18中の1801は機能メニューの表示欄を示し、例えばこの中からユーザが一項目を選択すると、さらに細かい設定メニューに切り替えて表示したり、表示メニューの範囲を拡大したりするものである。
【0089】
現在3D表示の可否は、送信されるデジタル情報中の情報によって判別する。かつ3D表示によって視聴していることは例えば制御部
311が
表示制御部
306の動作状態を認識することで判断できる。ユーザが3D表示をして視聴している場合に、例えばリモコンにあるメニュー表示を行うボタンを押下するといった所定の操作によってメニューを表示する際に、制御部
311は表示用メニューデータを視差情報を設けて右目用画像と左目用画像を生成する。これを表示制御部
306で交互に表示を行い、前面に飛び出して見えるようメニュー画面を表示する。
【0090】
背景に表示される画像の飛び出し量を勘案し、必ずそれよりも前面に表示されるような視差を設ける。この方法によりユーザにとって違和感の無いOSD表示を実現可能である。
【0091】
本実施例では画面の左横部にメニューを表示したが、表示位置は任意の場所でよいし、機能メニューの構成についても
図18に示した通りである必要はない。さらには、例えばユーザが選択したカーソルの当たっている項目のみをより前面に飛び出して見えるようにするなど、項目毎にさらに視差を設けて表示をすることでよりユーザの操作しやすいメニュー表示としても良い。
【0092】
次に、
図19を用いてユーザが3D放送を視聴している場合に視聴中の番組について詳細を確認する画面表示の一例について説明する。1901は番組の詳細情報を表示する一例を表している。ユーザがこの情報を表示する方法としては、例えば先の実施例で示した機能メニューのひとつとして番組の詳細情報を表示するための選択肢があっても良い。
【0093】
またはリモコンに詳細情報を表示するためのボタンが存在しても良い。この時、すなわちユーザが3D表示をして視聴している場合に、この詳細情報を表示する際には制御部311は表示用画像データを視差情報を設けて右目用画像と左目用画像を生成する。これを表示制御部
306で交互に表示を行うことで、前面に飛び出して番組詳細情報画面を表示する。この時、背景に表示される画像の飛び出し量を勘案し、必ずそれよりも前面に表示されるような視差を設ける。
【0094】
この方法によりユーザにとって違和感の無いOSD表示を実現可能である。詳細説明画面の表示位置は
図19で示した位置に限らず任意の場所でよい。
【0095】
次に、
図20を用いて内蔵された記録媒体に受信したデジタルデータを記録し、また記録したデジタルデータを再生する機能を有する受信装置の一例について説明する。2001は録画や再生を制御する記録再生制御部である。2002はデジタルデータを記録する記録媒体である。記録再生制御部2001では例えば分離部から出力された映像・音声および記録された番組が3D放送番組であるかどうかを示す情報を含む番組情報データなどから成るデジタルデータを入力として、記録に適当な暗号化を行ったり、再生時に再生箇所を特定するためのインデックス情報を生成したりといった処理を行う記録制御と、前記インデックス情報を参照して再生するデジタルデータを記録媒体2002から読み出し、デコード処理が破綻しないようデコード処理部へ転送する再生制御を行う。勿論記録と再生を同時に行うことも可能である。
【0096】
上記記録再生機能を有する場合、ユーザが記録された番組の中から、再生する番組を選択するためのインタフェースが必要になる。制御部311で表示データを作成し、表示制御部306を介して表示する。この時これまでの実施例と同様にして部分的に奥行き情報を生成して3D形式で表示することが考えられる。
【0097】
図21には録画された番組の一覧を3D表示する一例を示す。(a)に示した図において2101は記録媒体を選択するタブを示す。2102には記録媒体に記録された番組をユーザが整理するためのフォルダ群を表示する例を示している。2103には記録された各番組のうち2102で選択したフォルダ内に管理された番組を一覧表示する例を示す。各番組のサムネイル画像を表示しても良い。この時、各番組の番組情報も記録媒体に記録されていれば各番組が3D放送であったかどうかを判別可能である。3D放送番組を飛び出させて表示することで、ユーザは3D放送番組を簡単に認識することが可能となり、使い勝手を向上できる。
図21(a)に示した例においては、サムネイル部分の映像データを2Dで表示しているが、さらにこの部分を3Dで表示するようにしても良い。
【0098】
図21(b)に示す例では各番組をリスト形式の一覧として表示する例を示している。本例においても(a)で示した例と同様に各記録された番組が3D放送番組かどうかを判断して、3D放送番組の情報を示す箇所を前面に飛び出して表示を行うことでユーザは3D放送番組を簡単に認識することが可能である。
【0099】
図21(a)と
図21(b)の表示方法を切り替える機能を例えばカラーボタンに設けても良い。
図21においてはユーザが青ボタンを押下することで切替可能とする例を示している。また3D形式での表示と2D形式での表示を切り替える機能をカラーボタンに設けても良い。
図21においてはユーザが赤ボタンを押下することで切替可能な例を示している。
【0100】
本実施例の変形例として受信部の無い再生装置であっても良いし、記録媒体は受信装置に内蔵されていない可搬型の記録媒体でも良いし、また複数の記録媒体が接続されていても良い。例えばBlu−ray Diskのような取り外しが可能な記録媒体であってもDisk内に記録された番組について映像・音声および記録されたコンテンツが3D放送番組であるかどうかを示す情報を含む番組情報データなどから成るデジタルデータであれば同様の処理が可能であり同様の効果が見込める。複数の記録媒体を有する場合、例えば2101で示したタブによって対象の記録媒体を選択可能なように表示し、ユーザが任意の記録データを指定することが可能である。
【0101】
また、2102に示すフォルダ構成にて例えば「3D」という分類を設けて、制御部311は受信した番組情報から3D放送と判断された記録番組を自動的に割り振っても良い。すなわちユーザが「3D」フォルダを選択した場合、2103の表示領域には3D放送番組の情報のみから成る一覧が生成、表示される。
【0102】
なお、本実施
例に限らず、これまでに示したグラフィック表示の実施例についても記録媒体からの再生時であっても同様の処理が可能である。例えば機能メニューの表示について、上記記録番組一覧から3D映像をユーザが選択し再生した場合には機能メニューを3Dで飛び出して表示することが可能である。
【0103】
以上の実施例によりユーザは記録媒体からの再生時に使い勝手の良い受信装置(再生装置)を使用可能である。
【0104】
次に、放送番組ならびに記録媒体に記録されたコンテンツが3D表示用の映像と2D表示用の映像・音声データを個別に含んでいる場合について説明する。例えばBlu−ray Diskのように大容量のデジタル情報が記録可能であれば、同じ内容で表示方法が3D・2Dと異なる両方のデータを1つの記録媒体に記録することが可能である。受信装置(再生装置)が3D表示に対応している場合は3D映像を再生することが可能である。ユーザに対してIFを介して2D・3Dのいずれを再生するかを選択させても良い。この場合、制御部311はいずれの映像が再生されているかを判別することで、3D映像を表示している最中は前述の各実施例を適用してグラフィックを3Dで表示し、2D映像を表示している最中はグラフィックを2Dで表示するよう制御することが可能である。判別の方法としては例えば表示制御部306の動作状態を監視することで判別することが考えられる。あるいは例えば先に記したユーザが2D・3Dのどちらの映像の再生を選択したかという情報を参照しても良い。
【0105】
以上によりユーザは視聴している映像の状態に合わせたグラフィックを見ることが出来、違和感の無い表示を得られる。
【0106】
なお、上述した実施例は適宜組み合わせることができる。例えば、実施例1に示したEPGの表示と実施例2に示したEPG以外のグラフィック表示とを組み合わせることが可能である。