(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記高いアモルファス含有率を有する少なくとも1種のビニルアルコールコポリマーを使用して、前記第一の金型部材及び前記第二の金型部材の少なくとも一つを生成する前記工程が、該第一の金型部材及び該第二の金型部材の少なくとも一つを射出成形する工程を含む、請求項1〜6の何れか1項に記載の方法。
少なくとも一つの前記第一の金型部材及び前記第二の金型部材の射出成型が、少なくとも一つの該第一の金型部材及び該第二の金型部材の成型面を、完全に射出成型により生成する工程を含む、請求項7記載の方法。
前記第一の金型部材及び前記第二の金型部材の少なくとも一つを、射出成型する工程が、該第一の金型部材及び該第二の金型部材の少なくとも一方の本体を、射出成型により形成し、該射出成型された本体を機械加工、旋盤加工又は削摩することにより、該第一の金型部材及び該第二の金型部材の少なくとも一つの成型面を形成する工程を含む、請求項7又は8記載の方法。
前記高いアモルファス含有率を有する少なくとも1種のビニルアルコールコポリマーを使用して、前記第一の金型部材及び前記第二の金型部材の少なくとも一つを形成する前記工程が、該少なくとも1種の高いアモルファス含有率を有するビニルアルコールコポリマーを使用して、該第一の金型部材及び該第二の金型部材の少なくとも一つの上に、成型面を生成する工程を含み、ここで該少なくとも一つの第一の金型部材及び第二の金型部材の非-成形領域が、第二の材料で作られており、かつ前記重合性組成物を、該第一の金型部材又は該第二の金型部材内に配置する前記工程が、該重合性組成物を、該高いアモルファス含有率を有するビニルアルコールコポリマーを含む該成型面と直接接触した状態に置く工程を含む、請求項1〜10の何れか1項に記載の方法。
前記レンズ本体に表面処理を施すことなしに、あるいは前記重合性組成物の硬化中に、該組成物内に、該レンズ本体中に湿潤剤の相互貫入型網状構造(IPN)を形成する成分を存在させることなしに、該レンズ本体が眼科学的に許容される湿潤性の前面及び後部面を有する、請求項1〜11の何れか1項に記載の方法。
前記方法が、更に、前記金型アセンブリーを分離する工程をも含み、該分離は、前記第一の金型部材及び前記第二の金型部材の一つ及び唯一つと接触状態に維持されている前記レンズ本体を与え、ここで該第一の金型部材及び第二の金型部材の一つ及び唯一つは、前記少なくとも1種の高いアモルファス含有率を有するビニルアルコールコポリマーを含む該第一の金型部材及び第二の金型部材の少なくとも一つであり、あるいは該分離は、該レンズ本体を形成するのに使用した該金型部材の全てから解放された該レンズ本体を与える、請求項1〜12の何れか1項に記載の方法。
前記液体を適用する前記工程が、更に該液体を攪拌し、あるいは前記少なくとも1種の高いアモルファス含有率を有するビニルアルコールコポリマーを含む前記第一の金型部材及び第二の金型部材の少なくとも一つを攪拌する工程をも含む、請求項14記載の方法。
前記少なくとも1種の高いアモルファス含有率を有するビニルアルコールコポリマーを含む、前記第一の金型部材及び前記第二の金型部材の少なくとも一つを溶解する前記工程が、70℃又はそれ以下の温度にて行われ、また該少なくとも1種の高いアモルファス含有率を有するビニルアルコールコポリマーを含む、該第一の金型部材及び該第二の金型部材の少なくとも一つが、240分未満なる期間内に完全に溶解する、請求項14又は15記載の方法。
前記方法が、更に、前記レンズ形状を有するキャビティ内に前記硬化されたレンズ本体を含む前記金型アセンブリーを、包装用溶液を含むブリスターパッケージ内に配置し、該パッケージを封止し、かつ滅菌する工程をも含み、該金型アセンブリーが、該滅菌処理の後に、該包装用溶液中に完全に溶解する、請求項1〜12の何れか1項に記載の方法。
前記第一の金型部材及び前記第二の金型部材の少なくとも一方の前記成型面が、前記少なくとも1種の高いアモルファス含有率を有するビニルアルコールコポリマーを含み、また該第一の金型部材及び該第二の金型部材の少なくとも一方の前記非-成形領域が、前記包装用溶液に対して不溶性である少なくとも1種のポリマー材料で作られており、かつブリスターパッケージとして使用するように形作られている、請求項17記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0027】
高いアモルファス含有率を有するビニルアルコールコポリマーで作成された眼科学レンズ成型用金型が、眼科学レンズ本体を流延成形するのに使用し得ることが見出された。眼科学レンズは、「湿式」成型品取出し処理、レンズ取出し処理又は成型品取出し及びレンズ取出しの両処理方法を使用して、即ち該レンズ本体及び該金型アセンブリー又は金型部材に液体を適用する工程を含む方法を使用して、部分的に又は完全に、1又はそれ以上の高いアモルファス含有率を有するビニルアルコールコポリマーで作成された金型から、成型品取出し処理、レンズ取出し処理又は成型品取出し及びレンズ取出しの両処理に付すことができる。眼科学レンズは、また「乾式」成型品取出し処理、レンズ取出し処理又は成型品取出し及びレンズ取出しの両処理方法を使用し、即ち該レンズ本体及び該金型アセンブリー又は金型部材に液体を適用する工程を含まない方法を使用して、成型品取出し処理、レンズ取出し処理又は成型品取出し及びレンズ取出しの両処理に付すことができる。水に対する低い溶解度を有する材料で作られた金型とは異なり、少なくとも1種の高いアモルファス含有率を有するビニルアルコールコポリマーで作られた金型は、水又は水性溶液に対して、高いアモルファス含有率を有するビニルアルコールコポリマーで作られた金型部材を部分的に又は完全に溶解することによって、成型品取出し処理、レンズ取出し処理又は成型品取出し及びレンズ取出しの両処理に掛けることができる。純粋なPVOH製の金型とは異なり、高いアモルファス含有率を有するビニルアルコールコポリマーで作られた金型は、射出成型により製造でき、あるいは圧縮成型、連続圧縮成型、熱成型等によって生成し得る。様々な変性型のPVOH製の金型とは異なり、少なくとも1種の高いアモルファス含有率を有するビニルアルコールコポリマーで作成した金型は、低温における水及び水性溶液を包含する水及び水性溶液等の液体に迅速かつ完全に溶解することができ、また液体に該金型を溶解することにより生成される、該少なくとも1種のビニルアルコールコポリマーの溶液は、製造上の難点、例えば過度の発泡、該液体のゲル化、又は溶解した該ビニルアルコールコポリマーによる、該液体の不透明化を示すことがない。更に、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを成型するための、少なくとも1種の高いアモルファス含有率を有するビニルアルコールコポリマーで作られたこれら金型の使用は、レンズ表面に表面処理を施すことなしに、また該レンズ本体内にポリマー系の湿潤剤の相互貫入型網状構造(IPN)を形成する成分を、該重合性組成物中に存在させることなしに、眼科学的に許容される湿潤性の表面を有する該レンズ本体を与えることを可能とする。
【0028】
ここで使用するように、ビニルアルコールコポリマーは、ビニルアルコールの単位及びビニルアルコール以外のモノマーの単位を含むポリマーである。これは、ビニルアルコールホモポリマーとは異なる。該ホモポリマーは、ビニルアルコールの繰返し単位のみを含むポリマー、即ちポリ(ビニルアルコール)(PVOH)、又は変性された形状にあるPVOH、例えば該PVOHを射出成形可能なものとする、可塑剤等の成分と結合されたPVOHの一形態にあるものである。高いアモルファス含有率を有する前記ビニルアルコールコポリマーは、高いビニルアルコール含有率を有する、あるいは低いビニルアルコール含有率を有する、ビニルアルコールコポリマーを含むことができる。該ビニルアルコールコポリマーは、約95%に等しいか又はそれ以上、あるいは約90%に等しいか又はそれ以上、あるいは約85%に等しいか又はそれ以上、あるいは約80%に等しいか又はそれ以上、あるいは約75%に等しいか又はそれ以上、あるいは約70%に等しいか又はそれ以上、あるいは約65%に等しいか又はそれ以上、あるいは約60%に等しいか又はそれ以上、あるいは約55%に等しいか又はそれ以上、あるいは約50%に等しいか又はそれ以上、あるいは約45%に等しいか又はそれ以上、あるいは約40%に等しいか又はそれ以上、あるいは約35%に等しいか又はそれ以上、あるいは約30%に等しいか又はそれ以上、あるいは約25%に等しいか又はそれ以上、あるいは約20%に等しいか又はそれ以上、あるいは約15%に等しいか又はそれ以上、あるいは約10%に等しいか又はそれ以上、あるいは約5%に等しいか又はそれ以上、あるいは約5%に等しいか又はそれ以下なる百分率で、該ポリマー鎖中にビニルアルコール単位を含むことができる。該ポリマー鎖中の該ビニルアルコール単位の百分率は、質量%基準で、又はモル%基準で表すことができる。
【0029】
前記高いアモルファス含有率を有するビニルアルコールコポリマーは、エチレン-ビニルアルコールコポリマー(即ち、エチレン単位とビニルアルコール単位とを含むコポリマー)以外のビニルアルコールコポリマーであり得る。高いアモルファス含有率を有するビニルアルコールコポリマーは、本質的にエチレン単位を含まないビニルアルコールコポリマーであり得る。
【0030】
前記高いアモルファス含有率を有するビニルアルコールコポリマーは、3種又はそれ以上の異なるモノマー単位で構成されるポリマーであり得、ここで該モノマー単位の一つ(例えば、第一の単位)は、ビニルアルコールを含む。トライマーの一例において、該第一のモノマー単位は、ビニルアルコールを含むことができ、第二及び第三のモノマー単位は、エチレン又はビニルアルコール以外のモノマー単位を含むことができ、あるいは該モノマー単位の一つ(例えば、該第二の単位)は、該モノマー単位の残りの一つ(例えば、第三のモノマー単位)が、エチレン又はビニルアルコールを含まない場合には、エチレンを含むことができる。
【0031】
前記用語「高いアモルファス含有率を有するビニルアルコールコポリマー」とは、多数のアモルファス領域を含み、従って少数の結晶性領域、即ち原子的な長さのスケールで、三次元的な規則性を有する少数の領域を含む、ビニルアルコールコポリマーを意味する。ポリマーにおいて、結晶性領域は、該ポリマーの分子内折り畳み、隣接ポリマー鎖の重なり合い、又はこれら両者によって生じ得る。ポリマーは、結晶性領域及びアモルファス領域両者を含むことができる。通常、与えられたポリマーの結晶含有率を記載するために、結晶化度が使用され、ゼロなる結晶化度は、完全に非-晶質(アモルファス)のポリマーを示し、また1なる結晶化度は、完全に結晶性のポリマーを示している。結晶含有率は、また百分率で表すことも可能であり、この場合、0%なる平均結晶化度レベルは、完全に非-晶質(アモルファス)のポリマーを示し、また100%なる平均結晶化度レベルは、完全に結晶性のポリマーを示す。該結晶化度の程度又はレベルは、示差走査式測熱法(DSC)を利用して決定することができる。該結晶化度の程度又はレベルは、該ポリマーのサンプルを、0℃から250℃まで、10℃/分なる加熱速度にて加熱し、また該サンプルに対して行われた最初の冷却及び加熱サイクルに基いて、該結晶化度の程度又はレベルを測定することにより、DSC法を利用して決定することができる。ここにおいて使用するように、該高いアモルファス含有率を有するビニルアルコールコポリマーは、約0%〜約35%なる範囲の平均結晶化度レベルを有するビニルアルコールコポリマーとして理解され、例えば約30%又はそれ以下、約25%又はそれ以下、約20%又はそれ以下、又は約10%〜約30%なる範囲、約15%〜約25%なる範囲、又は約17%〜約20%なる範囲の平均結晶化度レベルを有するビニルアルコールコポリマーを含む。
【0032】
前記高いアモルファス含有率を有するビニルアルコールコポリマーは、熱可塑性ビニルアルコールコポリマー、即ち加熱した場合に液体又は可鍛性物質となり、十分に冷却した場合に凍結してガラス状態となり、また繰返し再-溶融し、また再-成形することのできるビニルアルコールコポリマーであり得る。
【0033】
前記高いアモルファス含有率を有するビニルアルコールコポリマーは、押出し性のビニルアルコールコポリマー、即ち所定形状の物体を形成するためのダイを介して、該ポリマーを押出し又は引抜くことにより加工することのできるビニルアルコールコポリマーであり得る。
【0034】
前記高いアモルファス含有率を有するビニルアルコールコポリマーは、射出成型に適したビニルアルコールコポリマー、即ち該コポリマーを加熱して流動状態とし、またこれを金型に注入して加工することにより、所望の形状を有する物体の製造を可能とするビニルアルコールコポリマーであり得る。射出成型に適した該ビニルアルコールコポリマーは、その分解温度以下の融点を有することができる。例えば、該融点は、該コポリマーの分解温度よりも、約20℃を越える、約40℃を越える、約60℃を越える、約80℃を越える、又は約100℃を越える、高い値であり得る。一例において、該ビニルアルコールコポリマーの分解温度は、約300℃である。
【0035】
一例において、前記ビニルアルコールコポリマーの融点は、約140℃〜約190℃なる範囲、約155℃〜約180℃なる範囲、約160℃〜約172℃なる範囲、又は約150℃〜約230℃なる範囲の値であり得る。もう一つの例において、該ビニルアルコールコポリマーのガラス転移温度は、約60℃〜約85℃なる範囲、約65℃〜約80℃なる範囲、又は約70℃〜約76℃なる範囲の値であり得る。
【0036】
前記高いアモルファス含有率を有するビニルアルコールコポリマーは、水及び水性溶液に対して可溶性である。該ビニルアルコールコポリマーは、水及び水性溶液に対して迅速に溶解し得る。該ビニルアルコールコポリマーは、水及び水性溶液に対して溶解し、肉眼で検知可能な残渣を残すことはない。一例において、該ビニルアルコールコポリマーは、約30℃〜約80℃なる範囲の温度にて、約20分未満の期間内に、水に溶解して、該ビニルアルコールコポリマーの6%溶液を生成し得る。
【0037】
前記高いアモルファス含有率を有するビニルアルコールコポリマーは、良好な水に対する溶解性を有するが、酢酸エチル、ベンゼン及びトルエンに対しては事実上不溶性であり得る。
【0038】
特定の一つの例において、前記高いアモルファス含有率を有するビニルアルコールコポリマーは、日本国、大阪の日本合成(Nippon Gohsei)社により製造されている、ニチゴG-ポリマー(Nichigo G-Polymer
TM)である。
【0039】
前記高いアモルファス含有率を有するビニルアルコールコポリマーは、様々な型の重合性レンズ形成組成物を流延成形するのに使用し得る。該重合性組成物は、少なくとも1種の親水性モノマーを含むことができる。該重合性組成物は、更に少なくとも1種の架橋剤、少なくとも1種の開始剤、少なくとも1種の着色剤、少なくとも1種のUV遮断剤、及びこれらの任意の組合せをも含むことができる。該少なくとも1種の開始剤は、少なくとも1種のUV開始剤又は少なくとも1種の熱開始剤を含むことができる。一例において、該親水性モノマーは、シリコーンを含まないモノマー、例えば2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)を含むことができる。
【0040】
前記重合性レンズ形成組成物は、シリコーンヒドロゲル重合性組成物であり得る。該シリコーンヒドロゲル重合性組成物は、a) 少なくとも1種のシリコーンモノマー、少なくとも1種のシリコーンマクロマー、少なくとも1種のシリコーンプレポリマー、又はこれらの組合せ、及びb) 少なくとも1種の親水性モノマーを含むことができる。該シリコーンヒドロゲル重合性組成物の一例において、該親水性モノマーは、N-ビニル基を有する親水性モノマーを含むことができる。もう一つの例において、該シリコーンヒドロゲル重合性組成物は、更に一形態のシリコーンオイルをも含むことができる。更に別の例において、該シリコーンヒドロゲル重合性組成物は、コンフィルコン(comfilcon) A重合性組成物を含むことができ、またその重合反応生成物は、コンフィルコンAレンズ本体である。
【0041】
前に論じた如く、前記高いアモルファス含有率を有するビニルアルコールコポリマーは、眼科学レンズを成型するための少なくとも一つの金型部材を製造するのに使用し得る。該金型部材は、当業者には公知の、従来の射出成型手順により製造できる。例えば、所定量の該ビニルアルコールコポリマーを加熱して、溶融熱可塑性ポリマーを生成し得る。該溶融熱可塑性ポリマーを、眼科学レンズ成型体の形状を有する金型キャビティに計量分配することができる。例えば、該金型キャビティは、1又は2種の光学的性能を有する成型面を含むことができる。該光学的特性を有する成型面は、プレート又は他のハウジング内に配置された1又はそれ以上の取外し可能なインサートからなる部品として与えることができ、又は該成型キャビティの一部として一体的に機械加工することができる。該金型キャビティ内の該溶融熱可塑性ポリマーは、次いで冷却し、該成型装置から分離し、また引続き眼科学レンズを生成するのに使用される所定量の重合性組成物を受取るステーションに移すことができる。
【0042】
前記高いアモルファス含有率を有するビニルアルコールコポリマーを射出成形するのに使用されるプロセス設定は、以下に列挙するものを含むことができる:
約180℃〜約250℃なる範囲の溶融温度;
約180℃〜約250℃なる範囲のバレル温度;
約30℃〜約70℃なる範囲のスロート温度;
約30℃〜約95℃なる範囲の金型温度;
約1秒〜約5秒なる範囲の滞留時間;
約50mm/秒〜約250mm/秒なる範囲の射出速度;
約100mm/秒〜約300mm/秒なる範囲の可塑化速度;
約5〜約18MPa(約50〜約180bar)なる範囲の射出成型圧力;
約1〜約20MPa(約10〜約200bar)なる範囲の保持圧力;
約0.5〜約2.5MPa(約5〜約25bar)なる範囲の背圧。
一例において、これらのプロセス設定の少なくとも2つを使用して、前記ビニルアルコールコポリマーを射出成形する。もう一つの例においては、これらプロセス設定の3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、又は全てを使用して、該ビニルアルコールコポリマーを射出成形する。
【0043】
あるいはまた、前記少なくとも一つの金型部材は、射出成形及び機械加工、旋盤加工処理又は削摩加工処理の組合せにより製造でき、例えばここでは、該金型部材の基本的な形状が、射出成型により調製され、また前記光学的特性を有する成型面の全て又は一部は、該金型部材の一部を除去することにより、例えば該金型部材の一部、例えばコンタクトレンズの光学的ゾーンを成型するのに使用される該金型の領域の全て又は一部を機械加工、旋盤加工処理又は削摩加工処理することにより調製される。
【0044】
もう一つの例において、前記高いアモルファス含有率を有するビニルアルコールコポリマーは、金型部材の少なくとも一つの成型面を成型するために使用することができ、ここでは、該金型部材の非-成型部分の少なくとも幾つかが、該ビニルアルコールコポリマー以外の材料で作られている。一例において、該金型部材の非-成型部分は、本質的に水又は水性溶液に対して不溶性の材料、例えば金属又はポリマー材料で作ることができる。一例において、該非-成型部分は、該ビニルアルコールコポリマーを含む成型面に対するフレーム又は支持体を含むことができる。該ビニルアルコールコポリマーは、該成型面全体を製造するために使用することができ、あるいは該成型面の一部、例えば多層成型面の一層を作成するのに使用でき、ここで該ビニルアルコールコポリマー層は、流延成形の際に、前記重合性組成物と直接接触する、該多層成型面の一部又は層である。該ビニルアルコールコポリマーを含む該成型面の該一部又は層は、射出成型法又はフィルム流延法等の様々な方法を利用して製造することができる。
【0045】
前記高いアモルファス含有率を有するビニルアルコールコポリマーは、眼科学デバイスを流延成形するように形作られた金型を製造するのに使用することができる。該眼科学デバイスは、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを包含するコンタクトレンズを含むことができる。該ビニルアルコールコポリマーが、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを流延成形するために使用される場合、該ビニルアルコールコポリマーを用いて成型された該レンズ本体の表面は、該レンズ本体に表面処理を施すことなしに、あるいは該レンズ本体の硬化中に、該レンズ本体内に湿潤剤の相互貫入型網状構造(IPN)を形成する成分を、該レンズ本体を成型するのに使用する該重合性組成物中に存在させることなしに、眼科学的に許容される湿潤性を有する成型された表面であり得る。
【0046】
ここで使用する用語「眼科学的に相溶性のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ」とは、着用者が目の刺激等を含む実質的な不快感を経験又は報告することなしに、該ヒトの目に装着し得る、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを意味する。このようなレンズは、しばしば酸素透過率、表面湿潤性、モジュラス、含水率、イオノフラックス、意匠及び任意のこれらの組合せを有しており、これら特性は、該レンズを、長期間に渡り、例えば少なくとも1日、少なくとも1週間、少なくとも2週間、又は約1ヵ月間に渡り、患者の目から該レンズを取出す必要性なしに、該目に快適に装着することを可能とする。典型的には、眼科学的に相溶性のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、著しい角膜の膨潤、角膜の脱水(「ドライアイ」)、上部-上皮湾曲状病変(SEALs)、又はその他の有意の不快さを引起すことはなく、あるいはこれらに関連することはない。眼科学的に相溶性のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、毎日装着される又は長期間装着型コンタクトレンズに対する臨床的許容要件を満たしている。
【0047】
眼科学的に相溶性のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、眼科学的に許容される湿潤性表面を有するが、眼科学的に許容される湿潤性表面を有するレンズは、必ずしも眼科学的に相溶性ではない可能性がある。「眼科学的に許容される湿潤性表面」を有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、レンズの装着者に、該シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの目への配置又は装着に係る不快感を経験させ又はそのような報告をさせる程に、該レンズ着用者の目の涙膜に悪影響を及ぼすことのない、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを意味するものと理解できる。
【0048】
眼科学レンズは、前面及び後部面等の表面を有するレンズ本体を含む。ここで使用する眼科学的に許容される湿潤性を有する眼科学レンズは、全て眼科学的に許容される湿潤性を有する表面を備えたレンズ本体である。湿潤性とは、1又はそれ以上のレンズ表面が親水性であることを意味する。ここで使用するように、レンズの表面は、該レンズが、以下のようにして行われる湿潤性評価アッセイにおいて、3又はそれ以上の評価値を与えられた場合に、眼科学的に許容される湿潤性を有するものと考えることができる。眼科学レンズを蒸留水に浸漬し、該水から取出し、形成された水膜が、該レンズ表面から後退するに要する時間(例えば、水切り(water break up)時間(WBUT))の長さを決定する。このアッセイは、1-10なる線形評価値に基いて、レンズを等級付けし、ここで、10なる評価値は、該レンズから水滴が落下するのに20秒又はそれ以上を要するようなレンズを意味する。5秒を越える、例えば少なくとも10秒又はより望ましくは少なくとも約15秒なるWBUTを有するレンズは、眼科学的に許容される湿潤性を有するレンズであり得る。また、湿潤性は、レンズ表面の一方又は両方における接触角を測定することにより決定することもできる。該接触角は、動的又は静的接触角、定着した液滴の接触角、懸垂液滴の接触角、あるいは係留気泡の接触角であり得る。より低い接触角は、一般にコンタクトレンズ表面の高い湿潤性を意味する。例えば、レンズの眼科学的に許容される湿潤性表面は、約120度未満の接触角を有することができる。しかし、幾つかの例において、該レンズは、90度程度の接触角を有することができ、また更なる例において、該レンズは、約80度未満の前進接触角を有することができる。
【0049】
ここに記載するように、高いアモルファス含有率を有するビニルアルコールコポリマーを使用して流延成形された前記眼科学レンズは、完全に水和された際に、眼科学的に許容される湿潤性表面を有することができ、また該レンズに眼科学的に許容される湿潤性表面を持たせるために、表面処理を適用し、又は該レンズ本体にポリマー系湿潤剤の相互貫入型網状構造を存在させる必要はない。しかし、該レンズに対する表面処理の適用又は該レンズ本体内でのポリマー系湿潤剤の相互貫入型網状構造を存在させることは、眼科学的に許容される湿潤性であると考えられるレベル以上に、該レンズ表面の湿潤性を更に高めるために利用することができる。
【0050】
金型部材の、眼科学的に許容される湿潤性表面を有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを成型する能力を示す一尺度は、該金型部材の接触角である。接触角は、動的又は静的接触角、定着した液滴の接触角、懸垂液滴の接触角、あるいは係留気泡の接触角を含むことができる。一例において、該接触角は、係留気泡法を利用して測定することができ、また接触角テスター、例えばキョウワ界面化学社(Kyowa Kaimen Kagaku Co., Ltd)により製造されているモデル(Model) CA-DT又はクルス(Kruss) DSA 100装置(ハンブルグのクルス社(Kruss GmbH, Hamburg))等を用いて、純水中で行うことができる。これらの測定は、25℃にて行うことができる。
【0051】
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ本体を含む、コンタクトレンズ本体を流延成形する方法は、典型的に1対の金型部材(即ち、第一の金型部材及び第二の金型部材)を製造することにより開始される。これらの金型部材は、熱可塑性ポリマーの成形材料を、成型すべき形状のキャビティ内で射出成形することにより、該ポリマー製の成形材料を旋盤処理して、完全な金型部材を製造することにより、あるいは射出成型と旋盤処理との組合せ、例えば射出成型して、該金型部材の基本的な形状を作成し、次いで該金型部材のレンズ形成領域の全て又は一部を旋盤処理することにより製造することができる。
【0052】
典型的には、2つの金型部材を結合して、コンタクトレンズ本体を流延成形する。該2つの金型部材は、これらの間にデバイスの形状を有するキャビティを画成するために、一緒に組み立てできる様なサイズとされまた構造とされる。これら2つの金型部材各々は、レンズの前面を成形するのに使用される、凹型のレンズ形成用表面、又はレンズの後部面を成形するのに使用される、凸型のレンズ形成用表面の何れかを含むことができる。本開示の目的にとって、凹型のレンズ形成表面を有する該金型部材は、第一の金型部材又は雌金型部材と呼ばれ、また凸型のレンズ形成表面を有する該金型部材は、第二の金型部材又は雄金型部材と呼ばれる。該第一及び第二の金型部材は、これらが相互に結合されて、金型アセンブリーを形成する際に、これらの間にレンズ形状を有するキャビティを形成するような構造をもたせることができる。上記とは別の金型部材の構成、例えば3個以上の金型部材又は上記のものとは異なる形状又は構造を有する金型部材を含む金型アセンブリーを、ここに記載した前記高いアモルファス含有率を有するビニルアルコールコポリマーと共に使用することができる。更に、該金型部材は、2以上のレンズ形成領域を含む構成のものとすることも可能である。例えば、一個の金型部材を、前部レンズ表面並びに後部レンズ表面を成形するように、即ち雌又は雄金型部材の何れかとして作用するように形作られた、領域を含むような形状として製造することができる。
【0053】
前に論じた如く、高いアモルファス含有率を有するビニルアルコールコポリマーを使用して、金型部材を、金型アセンブリーとすることにより、それらの間にレンズ形状を有するキャビティを形成するように形作る場合、該金型部材を組み立てて金型アセンブリーとする方法は、更に該金型部材間にある種の接続を形成する段階を含むことができる。前記第一の金型部材及び前記第二の金型部材に、好ましくは該第一の金型部材及び該第二の金型部材の少なくとも一方に、該レンズ形状を有するキャビティ内で生成される眼科学レンズ製品に実質的な損傷を生じることなしに、一緒に組み立てられた後に容易に分離される構造を持たせることができる。一例において、該金型部材は、該金型部材の要素の形状に基く機械的な接続部、例えば該金型部材間の絞締め、該金型部材間のネジ切り、該金型部材間の孔と突起部、又は他の締結構造を形成するように形作ることができる。もう一つの例においては、溶着部を、1又はそれ以上の該金型部材の領域を溶融することにより、該金型部材間に形成して、これら金型部材を相互に接着することができる。もう一つの例においては、糊、コンタクトセメント又は封止剤等の接着性物質を使用して、該金型部材間に結合を形成することができる。更に別の例において、該金型部材は、付随的な要素、例えばクリップ、クランプ又はブラケットを用いて結合することができる。該金型部材間に使用した接続部の型とは無関係に、該接続部は、前記硬化工程中、該金型部材を整合状態に維持するためのものであり、また前記成型品取出し工程前に、又は該成型品取出し工程の一部として、分離し得るものである必要がある。
【0054】
レンズ本体の前記製造工程中に、前記個々の金型部材が、結合されて金型アセンブリーを形成する前に、前記重合性レンズ形成組成物が、該金型部材中に満たされる。典型的には、これは、予め決められた量の該重合性組成物を、該金型部材の一つの上に配置、例えば該重合性組成物を該第一の金型部材の前記凹型の成型面内に配置することにより達成される。次いで、該重合性組成物を含む該金型部材ともう一つの金型部材とを接触状態に置くことにより、例えば該第二の金型部材の該凹型成型面と、該第一の金型部材とを、該第一及び第二金型部材間に、レンズ形状のキャビティが形成されるように、接触状態に置くことにより、該金型アセンブリーを組立てる。ここでは、該レンズ形状のキャビティが、該重合性組成物を含んでいる。次いで、使用する場合には、該硬化工程中に該金型部材を適当な整合状態に維持するために使用されるあらゆる手段によって、該接続部が、該第一及び第二金型部材間に形成される。前に記載した如く、該接続部を形成する方法は、例えば該金型部材を一緒に溶着し、該金型部材を一緒に糊付けし、該金型部材に圧力を適用して、絞締めを嵌合させ、該金型部材を一緒にネジ止めし、該金型部材にクランプを取付ける、等の工程を含むことができる。
【0055】
次いで、前記レンズ形状を有するキャビティ内に前記重合性組成物を含む、前記第一及び第二の金型部材で構成される前記金型アセンブリーを硬化する。該レンズ形状を有するキャビティ内の該重合性組成物の硬化は、該レンズ形状を有するキャビティの形状を有する重合反応生成物、即ちレンズ本体を生成する。典型的には、硬化は、一形態の電磁輻射を、該重合性組成物を含む該金型アセンブリーに適用することを含み、これにより該金型アセンブリーの該レンズ形状を有するキャビティ内の該重合性組成物の重合が起る。該一形態の電磁輻射は、熱輻射、可視光、紫外(UV)光等を含むことができる。2又はそれ以上の型の電磁輻射の任意の組合せ並びに1又はそれ以上の型の電磁輻射の2又はそれ以上のレベルの組合せを利用して、該金型アセンブリーを硬化することができる。この硬化法は、通常該重合性組成物において使用される型の開始剤と適合するものであり、即ちUV開始剤を含む重合性組成物は、通常UV光を用いて硬化され、また熱開始剤を含む重合性組成物は、通常熱輻射を利用して、また通常該熱開始剤の開始温度以上の温度にて硬化される。使用する硬化法とは無関係に、該硬化工程中の温度は、前記ビニルアルコールコポリマーの融点以下又はガラス転移点以下の温度に維持することができる。該硬化法は、典型的には、成型品の金型からの取出し及びレンズ製品の取出し後に、前記レンズ本体が、該レンズ形状を有するキャビティの形状を維持するのに十分な程度に、該重合性組成物が重合されるまで、該金型アセンブリーを硬化する工程を含む。故に、該硬化工程は、該重合性組成物の重合性成分全ての完全な反応をもたらさなくてもよい。
【0056】
ここで使用する用語「成型品の取出し」とは、前記重合性組成物の硬化後に、前記金型アセンブリーの前記金型部材を分離する工程を意味する。該成型品取出し工程を実施した結果、該2つの金型部材は、相互に分離され、また前記レンズ本体は、これを流延成形するのに使用した該金型部材の一方及び唯一つのみと接触した状態(即ち、結合又は接着した状態)に維持されている。
【0057】
乾式成型品取出し工程は、硬化後に前記金型アセンブリーの前記金型部材を分離するための機械的な工程の利用を含む。乾式成型品取出し工程において、前記重合されたレンズ本体を含む該金型アセンブリーは、該成型品取出し工程中に、有機溶媒、水又は水性溶液等の液体とは接触しておらず、また典型的に該重合されたレンズ本体を含む該金型アセンブリーは、該乾式成型品取出し工程に先立って液体に暴露されてはいない。乾式成型品取出し工程後に、該重合されたレンズ本体は、該レンズ本体を成形するのに使用した該金型部材の一つ及び唯一つと接触状態に維持されている。一例において、乾式成型品取出し工程は、該金型部材の一つ又はそれ以上を絞って、該金型部材を変形させ、かつ該金型部材を分離し、該重合されたレンズ本体と、該金型部材の一方とを接触状態に維持する工程を含むことができる。該金型アセンブリーの該金型部材が、該金型部材間の絞締めによって、少なくとも部分的に一緒に維持されている場合、乾式成型品取出し工程は、該金型部材の1又はそれ以上に圧力を印加して、該成型面又は金型部材を相互に引離し、該絞締めを破壊する工程を含むことができる。該金型アセンブリーの該金型部材が、該金型部材の間の溶着によって少なくとも部分的に一緒に維持されている場合、乾式成型品取出し工程は、該溶着材料を介して切断する工程を含むことができる。
【0058】
湿式成型品取出し工程は、液体を適用して、硬化後の前記金型アセンブリーの前記金型部材を分離する工程を含む。湿式成型品取出し工程において、前記重合されたレンズ本体を含む該金型アセンブリーは、該取出し工程中、有機溶媒、水又は水性溶液等の液体と接触している。湿式成型品取出し工程後、該重合されたレンズ本体は、これを成形するのに使用した該金型部材の一つ、及び唯一つとの接触状態に維持することができ、あるいは該レンズ本体を成形するのに使用した該金型部材両者から解放することができる。湿式成型品取出し工程は、付随的に、該金型アセンブリーに液体を適用することに加えて、該金型部材を分離するための機械的な方法の使用を含み、該機械的な方法は、該金型部材の1又はそれ以上を絞り、該金型部材を変形させる工程、該金型部材の1又はそれ以上に圧力を印加して、該金型部材を相互に離し、絞締めを破壊する工程、又は該金型アセンブリーを一緒に維持している溶着部又は接着部を介してこれを切断する工程を含む。
【0059】
湿式又は乾式成型品取出し工程の一部として、該成型品取出し工程後、該レンズ本体を、特定の金型部材、例えば前記第一又は第二金型部材の何れかと接触状態に維持しておくことが望ましい可能性がある。該レンズ本体と、所定の該金型部材との接触状態の維持を助けるために、該第一又は第二金型部材に、熱を、例えば加熱空気を該金型部材の背面に吹き付けることにより、適用することができる。あるいはまた、該第一又は第二の金型部材を、例えば冷却空気を該金型部材の背面に吹き付けることにより、あるいは該金型部材の一方に冷却液体を適用することにより、冷却することができる。また、該金型からの取出し前又は該取出し工程と同時の、該第一又は第二金型部材の何れかに対する圧力の印加は、該取出し工程後に、該レンズ本体と、特定の金型部材(即ち、該第一又は第二金型部材)との接触状態維持の補助を可能とする。
【0060】
ここで使用する用語「レンズ取出し」とは、前記金型アセンブリーの前記金型部材が、成型品の取出し工程において分離された後に、前記レンズ本体が接触状態に維持されている、前記一つの金型部材から該レンズ本体を分離する工程を意味する。
【0061】
乾式レンズ取出し工程は、前記金型からの取出し工程の後に、前記レンズ本体と接触状態にある前記一つの残された金型部材からの、該レンズ本体を分離するための機械的加工工程の使用を含む。乾式レンズ取出し工程において、該レンズ本体及びこれが接触状態にある該一つの残された金型部材は、該レンズ取出し工程の一部として、水、又は水性溶液等の液体と接触させられることはない。湿式成型品取出し工程(重合されたレンズ本体を含む金型アセンブリーに液体を適用する工程を含む)は、乾式レンズ取出し工程前に使用することができるが、乾式レンズ取出し工程に先立って、乾式成型品取出し工程を使用することが、より一般的である。乾式成型品取出し工程及び乾式レンズ取出し工程を一緒に使用する場合、該レンズ本体が、該金型アセンブリーの金型部材両者から分離(即ち、該第一及び第二金型部材両者から分離)される後まで、該レンズ本体は、有機溶媒、水、又は水性溶液等の液体に暴露されることはなかった。一例において、乾式レンズ取出し工程は、前記成型品の取出し段階後に、該重合されたレンズ本体が接触状態にある該一つの残された金型部材から該レンズ本体を持ちあげるための真空装置の使用を含むことができる。また、乾式レンズ取出し工程は、該一つの残された金型部材を絞って、該一つの残された金型部材と該レンズ本体との間の結合を、少なくとも部分的に破壊する工程を含むことができる。乾式レンズ取出し工程は、該レンズ本体の端部と該金型部材との間に掻出し工具を挿入して、少なくとも部分的に、該レンズ本体と該金型部材との間の結合を破壊する工程を含むことができる。
【0062】
湿式レンズ取出し工程は、有機溶媒、水、又は水性溶液等の液体を適用して、前記成型品の取出し工程後に、前記レンズ本体が接触状態にある前記一つの残された金型部材から、該レンズ本体を分離する工程を含む。該液体の適用後又はこれと同時に、湿式レンズ取出し工程は、更に前記成型品の取出し段階後に該重合されたレンズ本体が接触状態にある該一つの残された金型部材から該レンズ本体を持ちあげるための真空装置を使用する工程をも含む。場合により、湿式レンズ取出し工程は、該レンズ本体の分離を補助するための機械的手段を使用する工程、例えば該一つの残された金型部材を絞って、該一つの金型部材との間の結合を少なくとも部分的に破壊する工程;あるいは該レンズ本体の端部と該金型部材との間に掻出し工具を挿入して、該レンズ本体と該金型部材との間の結合を、少なくとも部分的に破壊する工程をも含むことができる。
【0063】
前記高いアモルファス含有率を有するビニルアルコールコポリマーから作成された金型部材の高い水溶性のために、該ビニルアルコールコポリマー製の金型部材を溶解するための液体の適用を含む、湿式成型品取出し工程、湿式レンズ取出し工程、又は湿式成型品取出し工程及び湿式レンズ取出し工程両者の使用が可能となる。これら諸工程において、前記硬化されたレンズ本体を含む、該金型アセンブリー、金型部材、又は成型面は、前記液体を適用する前に、トレーに移すことができる。該トレーは、該金型アセンブリー、金型部材又は成形表面が、該液体で溶解された後に、該レンズ本体を収容するようなサイズ及び構造を有する、別々の窪みを含むことができる。例えば、該レンズ本体を成形するために使用した該金型アセンブリーが、完全に該ビニルアルコールコポリマーで作られている場合、その硬化後に、該硬化されたレンズ本体を含む該金型アセンブリーは、該トレーに移すことができる。もう一つの例において、該金型アセンブリーの該成型面が、完全に該ビニルアルコールコポリマーで作られており、また該金型アセンブリーの前記非-成形部分が該液体に不溶性の物質で作られている場合、該金型アセンブリーの該非-成形部分を、該金型アセンブリーの該成型面から分離することができ、また該硬化されたレンズ本体を含む該金型アセンブリーの該成型面を、該トレーに移すことができる。もう一つの例において、成型品取出し工程後に、完全に該ビニルアルコールコポリマーで作成された金型部材及びこれに付着している該レンズ本体は、該トレーに移すことができる。更に別の例において、成型品取出し工程後に、該一つの及び唯一つの金型部材の該成型面が、完全に該ビニルアルコールコポリマーで作られている場合、該成型面及びこれに付着している該レンズ本体は、該トレーに移すことができる。
【0064】
前記湿式成型品取出し工程、前記湿式レンズ取出し工程、又はこれら湿式成型品取出し及び湿式レンズ取出し工程両者において適用された前記液体は、水又は水性溶液を含むことができる。一例において、該水性溶液は、加工助剤を含む水性溶液を含むことができ、該加工助剤は、前記ビニルアルコールコポリマーの溶解速度を高める。もう一つの例において、該加工助剤は、前記レンズ本体の洗浄を助け、あるいは該レンズ本体からの抽出性物質の除去を助ける化合物であり得る。更に別の例において、該加工助剤は、加工中の該レンズ本体の損傷又は変形に対する保護を補助する化合物、例えばツイーン(Tween) 80を含む界面活性剤であり得る。
【0065】
前記液体を適用する前記工程の直前、該工程の前又は該工程の後に、該液体の温度を制御することができ、例えば前記ビニルアルコールコポリマー製の金型部材の溶解速度を高める温度に、該液体を維持することができる。
【0066】
前記液体を適用する前記工程中又はその後に、該液体又は前記金型アセンブリー又は金型部材を攪拌して、例えば前記ビニルアルコールコポリマー製の金型部材の溶解速度を高めることが可能である。特定の一つの例において、超音波エネルギーを、該液体、該金型アセンブリー、又は該金型部材に適用することができる。
【0067】
例えば、前記金型アセンブリーに、湿式成型品取出し工程の一部として適用される、又は湿式レンズ取出し工程の一部としてレンズ本体及び一つの金型部材に適用される前記液体は、約90℃又はそれ以下、約80℃又はそれ以下、約70℃又はそれ以下、約60℃又はそれ以下、約50℃又はそれ以下、約40℃又はそれ以下、又は約30℃又はそれ以下の温度にて適用することができる。
【0068】
前記液体の適用によって、約240分未満、約180分未満、約120分未満、約90分未満、約60分未満、又は約30分未満の期間内に、前記ビニルアルコールコポリマーを含む、1又はそれ以上の前記金型部材の完全な溶解を達成することができる。あるいはまた、該液体の適用により、該ビニルアルコールコポリマーを含む、1又はそれ以上の該金型部材の部分的な溶解を達成することができ、ここで、該1又はそれ以上の該金型部材の部分的な溶解は、該金型アセンブリーの該金型部材を分離(即ち、該金型アセンブリーの取出し)して、一つの金型部材からレンズ本体を分離し(即ち、該レンズ本体を取出し)、あるいは成型品取出し及びレンズ取出し両者(即ち、該レンズ本体を、その成型のために使用した全ての該金型部材から完全に分離する)のために十分なものである。例えば、該液体の適用によって、質量又は体積基準で10%、25%,50%,75%、又は90%を越える、該金型部材の溶解の達成が可能となる。
【0069】
前に論じた如く、前記高いアモルファス含有率を有するビニルアルコールコポリマーの優れた諸特性のために、該高いアモルファス含有率を有するビニルアルコールコポリマーの溶解を含む、成型品取出し工程、レンズ取出し工程又はこれら工程両者は、水性溶液中に他の水溶性ポリマーを溶解する際に経験する諸問題点の幾つかにより、著しく影響されることはない。例えば、PVOHは、水性溶液に溶解した場合、大量の泡の生成、該溶液のゲル化、不透明な溶液の生成、又はこれら問題の任意の組合せをもたらす恐れがある。該泡、ゲル又は不透明な溶液の存在は、機械的加工及び製造段階にとって破壊的であるので、これらの問題点を制御し又は排除するために、追加の手段及び経費が必要とされる。該高いアモルファス含有率を有するビニルアルコールコポリマーを含む金型部材を水又は水性溶液に溶解する工程を含む、湿式成型品取出し工程、レンズ取出し工程又はこれら両工程の一部として生成される、該ビニルアルコールコポリマーの溶液は、該液体及び該金型部材を攪拌した場合においてさえ、大容量の泡を生成することはない。更には、該溶液は容易にゲル化することはなく、このことは、大きなタンク又は浴内で、該成型品取出し工程、レンズ取出し工程又はこれら両工程を実施することを可能とし、該タンク又は浴では、単一の所定容積の液体が、複数のレンズ及び金型部材に適用される。これら条件の下で、該溶液はゲル化することがないので、該タンク又は浴から該溶液を容易に排出し、また該タンク又は浴を新たな又は再循環液体で再度満たすことが可能となる。該液体中の該高いアモルファス含有率を有するビニルアルコールコポリマーの溶液は、透明な状態を維持しているので、該レンズ本体が該金型部材から分離されたか否か、又は該該金型部材が溶解されたか否かを決定するために、該レンズ本体及び該金型部材を、手作業で又は自動化システムを用いて観測することが可能となる。
【0070】
該レンズ本体の型及び使用する前記成型品取出し/レンズ取出し工程に依存して、成型品取出し及びレンズ取出し後、該レンズ本体を、1又はそれ以上の洗浄段階に掛けることができ、該段階は、有機溶媒、有機溶媒の水性溶液、水、又は本質的に有機溶媒を含まない水性溶液中での洗浄段階を含む。この洗浄段階を使用して、該レンズ本体から汚れ又は破壊屑を排除し、該レンズ本体から物質を抽出し、あるいは該レンズ本体を水和することができる。例えば、洗浄段階を使用して、該レンズ本体から希釈物を除去し、該レンズ本体から未反応あるいは部分的に反応したモノマー、マクロマー又はプレポリマーを除去し、又は該レンズ本体の湿潤性を高めることができる。
【0071】
一例において、前記洗浄溶液は、有機溶媒又は有機溶媒の水性溶液を含むことができる。該有機溶媒は、揮発性有機溶媒、例えば揮発性アルコールを含むことができる。揮発性アルコールの例は、メタノール、エタノール、プロパノール等を含むことができる。
【0072】
もう一つの例において、前記洗浄溶液は、水又は本質的に有機溶媒を含まない水性溶液を含むことができる。本発明のレンズを洗浄するために使用する、該本質的に有機溶媒を含まない水性溶液は、水性塩溶液、緩衝溶液、界面活性剤溶液、湿潤剤溶液、快適化剤(comfort agent)溶液、これらの組合せ等を含むことができる。一例において、1種又はそれ以上のポリマー系湿潤剤又は快適化剤は、本発明のレンズを洗浄するために使用することができる。しかし、本発明のレンズが、如何なるポリマー系湿潤剤又は快適化剤をも含まない水性溶液で洗浄された場合、該本体は、眼科学的に許容される湿潤性表面を有することができることを理解すべきである。従って、該ポリマー系湿潤剤又は快適化剤を使用して、このようなレンズの湿潤性を高めることができるが、その湿潤性は、このような薬剤の使用のみに依存するものではない。
【0073】
前記金型部材からの、及び使用する場合には1又はそれ以上の随意の洗浄段階からの前記レンズ本体の取出し後、該レンズ本体を、包装用溶液の一部と共にブリスターパッケージ内に収容することができる。一例において、該ブリスターパッケージは、疎水性のポリマーを含むことができる。次いで、該ブリスターパッケージを封止し、また例えば該パッケージを滅菌するのに適した条件下で、これをオートクレーブ処理することによって滅菌することができる。あるいはまた、前記高いアモルファス含有率を有するビニルアルコールコポリマーの高レベルの溶解度のために、該高いアモルファス含有率を有するビニルアルコールコポリマーを含む、該レンズ本体及び該金型部材又は成型面を、直接溶液の一部と共に該ブリスターパッケージに収容することができ(該ブリスターパッケージに該レンズ本体を収容する前に、該本体を金型から取出し、レンズを取出しあるいはこれら両工程を行う必要性なしに)、また該ビニルアルコールコポリマーを含む、該金型部材又は成型面を、その製造工程中に又はその完了後に、該包装用溶液中に溶解させることが可能である。
【0074】
一例において、前記第一及び第二金型部材両者を、完全に前記高いアモルファス含有率を有するビニルアルコールコポリマーで作成する場合、硬化後に、前記硬化されたレンズ本体を含む前記金型アセンブリーを、溶液の一部を含むブリスターパッケージ内に収納して、該金型アセンブリーの金型部材を溶解することができ、また別途の成型品取出し工程、レンズ取出し工程及びレンズ移送工程を実施する必要性を排除することができる。もう一つの例において、該第一の金型部材及び該第二の金型部材両者の成型面を、完全に該高いアモルファス含有率を有するビニルアルコールコポリマーで作成する場合、硬化処理後に、該金型部材の前記非-成形部分を、該金型アセンブリーから取出し、また該成型面及び該レンズ本体を、溶液の一部を含むブリスターパッケージ内に収納して、該成型面を溶解することができ、また別途の成型品取出し工程、レンズ取出し工程及びレンズ移送工程を実施する必要性を排除することができる。もう一つの例において、成型品取出し工程後に該レンズ本体が結合した状態にある、該第一及び第二金型部材の一つ及び唯一つを、完全に該ビニルアルコールコポリマーで作成する場合、硬化及び成型品取出し処理後に、該一つ及び唯一つの金型部材及び該結合しているレンズ本体を、溶液の一部を含む該ブリスターパッケージ内に収納して、該一つ及び唯一つの金型部材を溶解することができ、また別途にレンズ取出し工程及びレンズ移送工程を実施する必要性を排除することができる。更に別の例において、成型品取出し工程後に該レンズ本体が結合した状態にある、該第一及び第二金型部材の一つ及び唯一つの該成型面が、完全に該ビニルアルコールコポリマーで作成した成型面を含む場合には、硬化、成型品取出し処理及び該金型部材の該非-成形部分を除去した後に、該成型面及び該結合しているレンズ本体を、溶液の一部を含む該ブリスターパッケージ内に収納して、該成型面を溶解することができ、また別途にレンズ取出し及びレンズ移送工程を実施する必要性を排除することができる。
【0075】
前記ビニルアルコールコポリマーを含む、前記金型部材又は成型面は、前記ブリスターパッケージを封止する前、該ブリスターパッケージを封止した後、該ブリスターパッケージをオートクレーブ処理する前又は該ブリスターパッケージをオートクレーブ処理した後に、前記包装用溶液の前記部分に溶解することができる。例えば、該ブリスターパッケージを封止する前、該ブリスターパッケージを封止した後、該ブリスターパッケージをオートクレーブ処理する前又は該ブリスターパッケージをオートクレーブ処理した後に、該ブリスターパッケージに添加された約15質量%未満、約10質量%未満、約5質量%未満、又は約1質量%未満の該高いアモルファス含有率を有するビニルアルコールコポリマーは、該ブリスターパッケージ内に、不溶状態で残される可能性がある。
【0076】
前記金型部材又は成型面を溶解するのに使用される溶液の体積を増大する目的で、米国特許出願第61/313,524号に記載されているデバイス等のデバイスを使用することができる。この特許出願の内容全体を、参考としてここに組入れるものとする。あるいはまた、前記レンズ本体及び金型部材又は成型面は、前記ブリスターパッケージを封止する前に、包装用溶液で置換される、洗浄溶液の一部を含む、該ブリスターパッケージ内に収容することができる。ここでも、この目的のために、米国特許出願第61/313,524号に記載されたデバイスを使用することができる。
【0077】
一例において、金型部材の成型面が、全体として前記高いアモルファス含有率を有するビニルアルコールコポリマーで作られており、また該金型部材の非-成形部分が、水及び前記包装用溶液に対して不溶性のポリマーで作られている場合、該金型部材の非-成形部分は、更にブリスターパッケージとしても機能するような構造とすることができる。例えば、該金型部材の非-成形部分は、疎水性ポリマー、例えばポリプロピレンで作ることができる。該金型部材の非-成形部分は、液体を保持するためのキャビティ及び該キャビティから外に向かって伸びているフランジを含むように構成することができる。もう一つの例において、該金型部材の非-成形部分は、ブリスターパッケージとして機能するように形作ることができ、該ブリスターパッケージは、その中に収容されたレンズの光学的な検査を可能とするように形作られている。該金型部材の非-成形部分は、液体を保持するためのキャビティ、該キャビティから外に向かって伸びているフランジ及び光を平行化するように形付けられた底部壁表面を含むような構成とすることができる。内部に収容されたレンズの光学的検査を可能とするように形作られたブリスターパッケージは、米国特許第7,477,366号に記載されており、この米国特許の内容全体を、参考としてここに組入れる。
【0078】
金型部材の成型面が、全体として前記高いアモルファス含有率を有するビニルアルコールコポリマーで作られており、また該金型部材の非-成形部分が、ブリスターパッケージとして機能するように形作られている例において、前記眼科学レンズの製法は、前記金型アセンブリーを取外して、該レンズ本体を、ブリスターパッケージとして機能するように形作られた該金型部材と接触した状態に維持する段階を含むことができる。従って、この方法は、該ブリスターパッケージのキャビティに包装用溶液を添加して、該ビニルアルコールコポリマーで作られた成型面を溶解し、また該成型面から該レンズ本体を分離する工程を含むことができる。次いで、該レンズは、場合により、該ブリスターパッケージを封止し、かつ滅菌する前に、該ブリスターパッケージ内で検査することができる。
【0079】
前記高いアモルファス含有率を有するビニルアルコールコポリマーで作られた前記金型部材又は成型面が、前記レンズ本体を含む、前記ブリスターパッケージ内に封止された前記包装用溶液に溶解している例において、該高いアモルファス含有率を有するビニルアルコールコポリマーは、該包装用溶液中に存在する、眼科学的に許容される成分を含むことができる。一例において、該高いアモルファス含有率を有するビニルアルコールコポリマーは、該包装用溶液中に溶解した場合、更に湿潤剤、快適化剤、該レンズ本体が該ブリスターパッケージに対して固着するのを防止する薬剤、又はこれらの任意の組合せとして機能し得る。
【0080】
一例において、ここに記載する如き眼科学レンズの製法は、本質的に同一の方法を用いるが、前記高いアモルファス含有率を有する少なくとも1種の水溶性ビニルアルコールコポリマーの代わりに、低いアモルファス含有率を有するエチレンビニルアルコールコポリマーを含む第一及び第二金型部材を使用して製造した際の、許容されるレンズ本体の収率よりも高い、許容されるレンズ本体の収率をもたらす。この許容されるレンズ本体の収率は、化粧学的に許容されるレンズの収率であり得、あるいは眼科学的に許容されるレンズの収率であり得る。該許容されるレンズの収率は、手作業の肉眼による検査又は自動検査システムを用いた、自動化検査によって決定されたものとして、肉眼的に検出可能な欠陥を含まないことが分かっているレンズの収率であり得る。該許容されるレンズ本体の収率は、特定の加工段階、例えば硬化段階、又は成型品取出し段階、又はレンズ取出し段階、又は洗浄段階、又は包装段階、又は任意のこれら加工段階の組合せから得られる、許容し得るレンズの収率であり得る。
【0081】
ここで使用する用語「ヒドロゲル」とは、ポリマー材料、典型的には、水中で膨潤し得るあるいは水で膨潤され得る、ポリマー鎖の網状構造又はマトリックスを意味する。また、ヒドロゲルは、平衡状態で水を保持する材料であるものと理解することができる。該網状構造又はマトリックスは、架橋されていても、架橋されていなくてもよい。ヒドロゲルは、水膨潤性又は水で膨潤された、コンタクトレンズを含むポリマー材料を意味する。従って、ヒドロゲルは、(i) 水和されておらずかつ水膨潤性の、又は(ii) 部分的に水和されかつ水で膨潤している、又は(iii) 完全に水和されかつ水で膨潤されているものであり得る。該ヒドロゲルは、シリコーンヒドロゲル、シリコーンを含まないヒドロゲル、又は本質的にシリコーンを含まないヒドロゲルであり得る。
【0082】
前記用語「シリコーンヒドロゲル」又は「シリコーンヒドロゲル材料」とは、ケイ素(Si)-含有成分又はシリコーン(SiO)-含有成分を含む特定のヒドロゲルを意味する。例えば、シリコーンヒドロゲルは、典型的にケイ素-含有物質と公知の親水性ヒドロゲルプリカーサとを結合することにより調製される。シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、シリコーンヒドロゲル材料を含む、視力矯正コンタクトレンズを包含するコンタクトレンズである。
【0083】
「シリコーン-含有」成分は、モノマー、マクロマー又はプレポリマー内に、少なくとも一つの[-Si-O-Si-]結合を含む成分であり、ここで各ケイ素原子は、場合により、ある様式で、例えば場合によっては化学的であり得る、例えば共有結合的に結合した、同一でも異なっていてもよい、1又はそれ以上の有機置換基(R1、R2)又は置換された有機置換基、例えば-SiR1R2O-を有することができる。
【0084】
ここに記載するポリマーに関連した「分子量」とは、典型的にはサイズ排除クロマトグラフィー技術、光散乱技術、又は1,2,4-トリクロロベンゼン中での極限粘度測定により測定される、ポリマーの公称平均分子質量を意味する。ポリマーに関連する分子量は、数-平均分子量又は重量-平均分子量の何れかで表すことができ、また販売者により供給される材料の場合、該分子量は、その供給元に依存する。典型的には、任意のこのような分子量測定の基本は、その包装材料に与えられていない場合には、該供給元から容易に得ることができる。典型的に、ここで言う、モノマー、マクロマー、プレポリマーの分子量、又はここでのポリマーの分子量は、重量-平均分子量を意味する。数-平均及び重量-平均両者の分子量測定は、ゲル浸透クロマトグラフィー又は他の液体クロマトグラフィー技術を利用して行うことができる。分子量値を測定するための他の方法を用いることも可能であり、その例は、数-平均分子量を決定するための末端基分析の利用又は束一性の測定(例えば、凝固点降下、沸点上昇、又は浸透圧)、又は重量-平均分子量を決定するための光散乱技術、超遠心分離法又は粘度測定法の利用等である。
【0085】
親水性ポリマーの「網状構造」又は「マトリックス」とは、典型的に架橋が、共有結合により又は物理的結合、例えば水素結合により、ポリマー鎖間に形成されることを意味する。網状構造は、2又はそれ以上のポリマー成分を含むことができ、また相互貫入型の網状構造(IPN)を含むことができ、該IPNにおいて、第一のポリマーと第二のポリマーとの間に、存在する場合には、幾分かの共有結合が存在するように、これら2つのポリマーが、物理的に絡み合っているが、該ポリマーは、該網状構造を破壊することなしには相互に分離することはできない。
【0086】
「親水性」物質は、水を好む、又は水に対して親和性を有する物質である。親水性化合物は、水に対する親和性を持ち、また通常は帯電し、又は水を引付ける極性部分又は基を有している。
【0087】
本明細書において使用するような「親水性ポリマー」とは、水に対して親和性を持ち、また水を吸収し得るポリマーとして定義される。親水性ポリマーは、必ずしも水に対して溶解性ではない。親水性ポリマーは、水に対して溶解性又は水に対して不溶性、例えば実質的に不溶性であり得る。
【0088】
「親水性成分」とは、ポリマーであってもポリマーでなくてもよい親水性物質である。親水性成分は、残りの反応性成分と結合した場合に、得られる水和レンズに対して少なくとも約20%(w/w)、例えば少なくとも約25%(w/w)の含水率を与えることのできる成分を含む。親水性成分は、親水性モノマー、親水性マクロマー、親水性プレポリマー、親水性ポリマー又はこれらの任意の組合せを含むことができる。親水性マクロマー、親水性プレポリマー、及び親水性ポリマーは、また親水性部分と疎水性部分とを含むものと理解することができる。典型的には、該親水性部分及び該疎水性部分は、該マクロマー、プレポリマー、及びポリマーが、親水性となるような相対的な量で存在する。
【0089】
「モノマー」とは、比較的分子量の低い化合物、例えば重合性の700ダルトン未満の平均分子量を有する化合物を意味する。一例において、モノマーは、他の分子と結合すべく重合して、ポリマーを生成することのできる、1又はそれ以上の官能基を含む、1単位の分子を含むことができ、該他の分子は、該モノマーと同一の構造又はそれとは異なる構造を有するものである。
【0090】
「マクロマー」とは、中程度又は高い分子量を有する化合物又はポリマーを意味し、これらは、重合可能な、又は更に重合可能な1又はそれ以上の官能基を含むことができる。例えば、マクロマーは、約700ダルトン〜約2,000ダルトンなる範囲の平均分子量を有する化合物又はポリマーであり得る。
【0091】
「プレポリマー」とは、重合性又は架橋性のより高分子量の化合物を意味する。ここで使用するプレポリマーは、1又はそれ以上の官能基を含むことができる。一例において、プレポリマーは、全体としての分子が、重合性又は架橋性を維持しているような、一緒に結合された一連のモノマー又はマクロマーであり得る。例えば、プレポリマーは、約2,000ダルトンを越える平均分子量を有する化合物であり得る。
【0092】
「ポリマー」とは、1又はそれ以上のモノマー、マクロマー、プレポリマー又はこれらの混合物を重合することにより生成される物質を意味する。ここで使用するようなポリマーは、重合することはできないが、他のポリマー、例えば重合性組成物中に存在する他のポリマーと架橋し得る、あるいは重合性組成物中の他のポリマーを製造するためのモノマー、マクロマー及び/又はプレポリマーの反応中に架橋し得る分子を意味する。
【0093】
「相互貫入型網状構造」即ち「IPN」とは、網状構造にある2又はそれ以上のポリマーの組合せを意味し、該ポリマーの少なくとも一つは、合成(例えば、重合)されたものであり、及び/又は他方のポリマーの存在下で、これらの間に如何なる共有結合の存在もなしに、又は実質的に共有結合の存在なしに架橋されたものである。IPNは、2つの別々の網状構造を形成するが、並列位置又は相互貫入状態にある、2種の鎖で構成し得る。IPNの例は、逐次IPN、併発IPN、セミ-IPN及びホモ-IPNを含む。
【0094】
「擬似-IPN」とは、前記異なるポリマーの少なくとも一つが架橋しているが、一方で少なくとも一つの他のポリマーが、架橋状態にない(例えば、線状又は分枝状)にある、重合反応生成物を意味し、ここで該非-架橋性ポリマーは、これが該網状構造から実質的に抽出できないように、分子スケールで該架橋ポリマー内に分散し又はこれにより保持されている。
【0095】
「ポリマー混合物」とは、重合反応生成物を意味し、ここで異なるポリマーは、実質的に架橋されていない、線状又は分枝状であり、また得られる生成ポリマーブレンドは、分子スケールにおいてポリマー混合物である。
【0096】
「グラフトポリマー」とは、主鎖のものとは異なるホモポリマー又はコポリマーを含む側鎖を有する、分岐ポリマーを意味する。
【0097】
「結合(付着)」とは、特に述べない限り、電荷の付着、グラフト、複合体、結合(化学結合又は水素結合)、又は接着の内の任意のものを意味する。
【0098】
「眼科学的に許容されるレンズ-形成成分」とは、ヒドロゲルコンタクトレンズの着用者が目の刺激等を含む実質的な不快感を経験又は報告することなしに、該コンタクトレンズに配合することのできる、レンズ-形成成分を意味する。眼科学的に許容されるヒドロゲルコンタクトレンズは、眼科学的に許容される表面湿潤性を持ち、また典型的には、著しい角膜の膨潤、角膜の脱水(「ドライアイ」)、上部-上皮湾曲状病変(SEALs)、又はその他の有意の不快さを引起すことはなく、あるいはこれらに関連することはない。
【0099】
前記用語「有機溶媒」とは、少なくとも一つの物質、例えば、非-限定的に、未だ抽出処理に付されていないコンタクトレンズ本体中に存在する未反応物質、希釈剤等を、溶媒和又は溶解する能力を有する有機物質を意味する。一例において、該物質は、水又は水性溶液に対して不溶性又は溶解しない物質である。もう一つの例において、該物質は、水又は水性溶液に対してそれ程可溶性ではなく、又はそれ程溶解しない物質であり、即ち該物質は、水又は水性溶液に比して、有機溶媒に対して高い溶媒和能を有する。従って、このような抽出処理に付されていないコンタクトレンズ本体と接触状態にある該有機溶媒は、該レンズ本体中に存在する少なくとも1種の物質を溶媒和又は溶解するのに効果的であり、又は極めて高度に、該レンズ本体中に存在する該少なくとも1種の物質に対する溶媒和能又は溶解能を高めて、該レンズ本体中の該少なくとも1種の物質の濃度を減じ、又は水又は水性溶液で処理されたレンズ本体と比較して、該レンズ本体中の該少なくとも1種の物質の濃度を減じるのに有効である。該有機溶媒は、希釈することなしに、即ち100%の有機溶媒として使用でき、あるいは100%未満の有機溶媒を含む組成物として、例えば、非-限定的に、有機溶媒含有水性溶液として使用し得る。一般に、有機溶媒は、上記少なくとも1種の物質に作用、例えば直接作用する。有機溶媒の例は、非-限定的に、アルコール、例えばエタノール、イソプロパノール等のアルカノール、クロロホルム、酢酸ブチル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート等、及びこれらの混合物を含む。
【0100】
前記用語「界面活性剤」又は「界面活性成分」とは、これが存在している、水又は水性溶液等の水の表面張力を低下する能力を有する物質を意味する。該水の表面張力を低下することにより、該界面活性剤又は界面活性成分は、以前に有機溶媒による抽出過程に付されていないコンタクトレンズ本体と接触している場合に、該界面活性剤又は界面活性成分を含まない水と比較して、該界面活性剤又は界面活性成分を含有する該水が、該レンズ本体と一層密に接触し、及び/又はより効果的な洗浄を行い、又は該レンズ本体からそこに存在する少なくとも1種の物質を除去することを容易にする。一般的に、界面活性剤又は界面活性成分は、該少なくとも1種の物質に直接作用して、該少なくとも1種の物質を溶媒和し又は溶解することはない。界面活性剤又は界面活性成分の例は、非-限定的に、ベタイン型のものを含む両性イオン型界面活性剤、ポリソルベート80等のポリソルベート型のものを含むノニオン性界面活性剤、ポロキサマー又はポロキサミン型のもの、フッ素化界面活性剤等、及びこれらの混合物を含む。一例において、1種又はそれ以上の界面活性剤を、ここに記載する前記重合性組成物、ここに記載する洗浄液体、ここに記載する前記包装用溶液、及び任意のこれらの組合せに配合することができる。
【0101】
付随的な定義は、以下の節においても見出すことができる。
【0102】
レンズ処方物:ヒドロゲルは、本発明のコンタクトレンズに対して使用する一群の材料を表す。ヒドロゲルは、平衡状態において水を含有する、水和され架橋されたポリマー系を含む。従って、ヒドロゲルは、1種又はそれ以上の反応性成分から製造されるコポリマーである。該反応性成分は、架橋剤によって架橋することができる。
【0103】
親水性モノマー:親水性モノマーは、例えば親水性部分を有するシリコーン-含有モノマー、親水性のシリコーンを含まないモノマー、又はこれらの組合せであり得る。該親水性モノマーは、疎水性モノマーとの組合せで使用することができる。該親水性モノマーは、親水性及び疎水性部分両者を有するモノマーであり得る。該重合性レンズ組成物において使用する親水性モノマーの型及び量は、使用される他のレンズ-形成モノマーの型に応じて変えることができる。非-限定的なその例は、シリコーンヒドロゲルにおいて使用するための親水性モノマーに関連して、本明細書に与えられている。
【0104】
架橋剤:前記ヒドロゲルを製造する際に使用する前記モノマー、マクロマー、又はプレポリマーに対する架橋剤は、当分野において公知の架橋剤を含むことができ、また該架橋剤の例は、本明細書において与えられている。適当な架橋剤は、例えばジアクリレート-(又はジビニルエーテル-)官能化されたエチレンオキサイドオリゴマー又はモノマー、例えばトリ(エチレングリコール)ジメタクリレート(TEGDMA)、トリ(エチレングリコール)ジビニルエーテル(TEGDVE)、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)、及びトリメチレングリコールジメタクリレート(TMGDMA)を含む。典型的に、該架橋剤は、前記重合性組成物中に比較的少ない総量にて存在し、例えば該重合性組成物の約0.1%(w/w)〜約10%(w/w)なる範囲、又は約0.5%(w/w)〜約5%(w/w)なる範囲、又は約0.75%(w/w)〜約1.5%(w/w)なる範囲の量で、該重合性シリコーンヒドロゲル組成物中に存在する。
【0105】
幾つかの例において、1種又はそれ以上の前記モノマー、マクロマー又はプレポリマーが、架橋官能性を含むことができる。このような場合において、該架橋官能性を有するモノマー、マクロマー又はプレポリマーに加えて、追加の架橋剤を使用することは随意であり、また該架橋官能性を有するモノマー、マクロマー又はプレポリマーは、前記重合性シリコーンヒドロゲル組成物中に大量に、例えば少なくとも約3%(w/w)、少なくとも約5%(w/w)、少なくとも約10%(w/w)、又は少なくとも約20%(w/w)なる量で存在し得る。
【0106】
シリコーンヒドロゲル重合性レンズ-形成組成物:シリコーンヒドロゲル重合性レンズ-形成組成物は、少なくとも一つのシリコーン含有成分及び少なくとも一つの相溶性親水性モノマーを含むことができる。幾つかの例において、該重合性組成物は、更に少なくとも一つの相溶性架橋剤を含むことができる。特別な例において、該シリコーン含有成分は、架橋剤及びシリコーン含有成分両者として作用し得る。ここにおいて論じるような重合性組成物に関連して、「相用性」成分とは、重合前に重合性組成物中に存在した場合、該組成物から重合されたレンズ本体を製造することを可能とするに十分な期間に渡り安定である、単一の相を形成する成分を意味する。幾つかの成分に対して、これらが相溶性であり得る、ある濃度範囲を見出すことができる。更に、「相用性」成分は、重合レンズ本体を形成するために重合された場合、コンタクトレンズとして使用するのに十分な物理的諸特性(例えば、十分な透明性、モジュラス、引張強さ等)を有するレンズを生成する成分である。
【0107】
シリコーン含有成分:前記シリコーン含有成分のSi及びこれに結合したO部分(Si-O部分)は、該シリコーン含有成分の全分子量の、20%(w/w)を越える量、例えば30%(w/w)を越える量で、該シリコーン含有成分中に存在し得る。有用なシリコーン含有成分は、重合性官能基、例えばビニル基、アクリレート基、メタクリレート基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基、N-ビニルラクタム基、N-ビニルアミド基、及びスチリル基を含む。本発明のコンタクトレンズを、例えば重合により得ることのできる該シリコーン含有成分は、1種又はそれ以上のシリコーン-含有モノマー、1種又はそれ以上のシリコーン-含有マクロマー、1種又はそれ以上のシリコーン-含有プレポリマー、又はこれらの混合物を含む。ここに記載するようにして製造されるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、シリコーン-含有モノマー及び/又はシリコーンを主成分とするマクロマー及び/又はシリコーンを主成分とするプレポリマー、及び親水性モノマー又はコモノマー、及び架橋剤を主成分とするものであり得る。ここに記載した該他のシリコーン-含有化合物に加えて、本発明のレンズにおいて有用であり得る更なるシリコーン含有成分の例は、米国特許第3,808,178号、同第4,120,570号、同第4,136,250号、同第4,139,513号、同第4,153,641号、同第4,740,533号、同第5,034,461号、同第5,496,871号、同第5,959,117号、同第5,998,498号、及び同第5,981,675号;及び公開米国特許出願第2007/0066706 A1号、同第2007/0296914 A1号、及び同第2008/0048350 A1号において見出すことができる。これら刊行物の内容全体を、参考としてここに組入れるものとする。該シリコーン含有成分は、シリコーン-含有モノマー又はシリコーン-含有マクロマー又はシリコーン-含有プレポリマーであり得る。
シリコーン-含有モノマー、マクロマー又はプレポリマーは、例えば以下の一般的な構造(I)を有するものであり得る:
【0109】
ここでR
5はH又はCH
3であり、XはO又はNR
55であり、但しR
55はH又は炭素原子数1〜4の一価のアルキル基であり、aは0又は1であり、Lは1〜20個の炭素原子、又は2〜10個の炭素原子を含み、場合によりエーテル及び/又はヒドロキシル基を含む二価の結合基、例えばポリエチレングリコール鎖であり、pは1〜10なる範囲又は2〜5なる範囲の数であり得、R
1、R
2、及びR
3は同一又は異なっていてもよく、夫々1〜12個の炭素原子を有する炭化水素基(例えば、メチル基)、1又はそれ以上のフッ素原子で置換されている炭化水素基、シロキサニル基、及びシロキサン鎖-含有部分から独立に選択される基であり、ここでR
1、R
2、及びR
3の少なくとも一つは、少なくとも一つのシロキサン単位(-OSi)を含む。例えば、R
1、R
2、及びR
3の少なくとも一つは、-OSi(CH
3)
3及び/又はOSi(R
52R
53R
54)を含むことができ、ここでR
52、R
53、R
54は、夫々独立にエチル基、メチル基、ベンジル基、フェニル基又は1〜約100個、又は約1〜約50個、又は約1〜約20個の繰返しSi-O単位を含む一価のシロキサン鎖である。
【0110】
前記3つの基:R
1、R
2、及びR
3の1、2、又は全ては、また他のシロキサニル基又はシロキサン鎖-含有部分を含むことができる。前記構造(I)のシリコーン-含有モノマー、マクロマー又はプレポリマー中に存在する、結合基:-X-L-は、1又はそれ以上のヘテロ原子を含むことができ、該ヘテロ原子はO又はNである。該結合基は、直鎖又は分岐鎖であり得、ここでその炭素鎖セグメントは、直鎖であり得る。該結合基:-X-L-は、場合により例えばカルボキシル基、アミド基、カルバメート基、及びカーボネート基から選択される、1又はそれ以上の官能基を含むことができる。このような結合基の例は、例えば米国特許第5,998,498号及び公開米国特許出願第2007/0066706 A1号、同第2007/0296914 A1号、及び同第2008/0048350号に与えられている。これら刊行物の開示事項全てを、参考としてここに組入れる。本開示に従って使用される、該シリコーン-含有モノマー、マクロマー又はプレポリマーは、例えば前記構造(I)に示されているように、単一の不飽和基又はアクリロイル基を含むことができ、あるいは場合により2つの不飽和基又はアクリロイル基、例えば該モノマー、マクロマー又はプレポリマーの各末端において一つ宛有することができる。これら2つの型の該シリコーン-含有モノマー、マクロマー又はプレポリマーの任意の組合せが、場合により、本開示に従って有用な重合性組成物において使用することができる。
【0111】
本開示に従って有用なシリコーン含有成分の例は、例えばまた非-限定的に、ポリシロキサニルアルキル(メタ)アクリル酸系モノマー、マクロマー又はプレポリマーを含み、より具体的には非-限定的なものとして、メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、ペンタメチルジシロキサニルメチルメタクリレート、及びメチルジ(トリメチルシロキシ)メタクリロキシメチルシランを含む。
有用な前記シリコーン-含有モノマー、マクロマー、又はプレポリマーの具体的な例は、例えば3-[トリス(トリメチルシリルオキシ)シリル]プロピルメタクリレート(米国PA州モリスビル(Morrisville, PA, USA)のゲレスト(Gelest)社から入手できる「トリス(Tris)」)及びモノメタクリロキシプロピル末端を有するポリジメチルシロキサン(米国PA州モリスビルのゲレスト社から入手できる「MCS-M11」)であり得る。幾つかのシリコーン-含有モノマーの例は、公開米国特許出願第2008/0269429号に記載されている。これらシリコーン-含有モノマーは、二価の結合基としてアルキレン基(例えば、-(CH
2)
p-)を有することができ、また「a」は、前記構造(I)に関しては0であり得、また少なくとも2つのシロキサニル基を有することができる。これらのシリコーン含有成分は、ここでは構造(A)群のシリコーン-含有モノマーと命名される。これらのシリコーン-含有モノマーの非-限定的な例は、以下に示すようなものである:
【0115】
本開示において有用なシリコーン含有成分のその他の具体的な例は、例えば、3-メタクリロキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ)プロピル-ビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン(米国PA州モリスビル(Morrisville, PA, USA)のゲレスト(Gelest)社から入手できる「SiGMA」)及びメチルジ(トリメチルシロキシ)シリルプロピルグリセロールエチルメタクリレート(「SiGEMA」)であり得る。これらのシリコーン含有成分は、前記構造(I)に示された前記二価の結合基Lにおける少なくとも一つのエーテル基及び少なくとも一つのヒドロキシル基、及び少なくとも2つのシロキサニル基を含む。これらのシリコーン含有成分は、ここでは構造(B)群のシリコーン含有成分と称される。この群のシリコーン含有成分に係る追加の例及びその詳細は、例えば米国特許第4,139,513号に与えられており、この特許の内容全体を、参考としてここに組入れる。SiGEMAは、例えば以下の例示的な非-限定的構造によって表すことができる:
【0117】
前記構造(A)及び(B)を有するシリコーン含有成分は、個々に又はその任意の組合せとして、本開示に従って有用な重合性組成物において使用することができる。該構造(A)及び/又は(B)を有するシリコーン含有成分は、更に少なくとも1種のシリコーンを含まない親水性モノマー、例えば本明細書において記載したような親水性モノマーとの組合せで使用することができる。組合せで使用する場合には、例えば該構造(A)を有するシリコーン含有成分の量は、例えば約10%(w/w)〜約40%(w/w)なる範囲、又は約15%(w/w)〜約35%(w/w)なる範囲、又は約18%(w/w)〜約30%(w/w)なる範囲内の値であり得る。該構造(B)を有するシリコーン含有成分の量は、例えば約10%(w/w)〜約45%(w/w)なる範囲、又は約15%(w/w)〜約40%(w/w)なる範囲、又は約20%(w/w)〜約35%(w/w)なる範囲内の値であり得る。
本開示に従って有用な、前記有用なシリコーン含有成分の他の具体例は、以下の式により表される化学物質、又は公開日本国特許出願第2008-202060A号に記載されている化学物質であり得る:
【0118】
【化5】
X-22-1625
Mw = 9,000又は18,000;
【0119】
【化6】
FMM, Mw = 1,500
【0120】
【化7】
X-22-1622, Mw = 582
【0121】
【化8】
DMS-R18, Mw = 4500 〜 5500
【0122】
【化9】
MCR-M07, Mw = 1132
【0123】
本開示に従って有用な、前記有用なシリコーン含有成分の更に別の具体例は、以下の式で表される化学物質、又は公開米国特許出願第2009/0234089号に記載されている化学物質であり得、ここで、該米国特許出願の内容全体を、参考としてここに組入れる。一例において、該シリコーン含有成分は、1又はそれ以上の、以下の式(II)で表される親水性ポリシロキサン成分を含むことができる:
【0125】
ここで、R
1は水素原子又はメチル基から選択され、R
2は水素原子又はC
1-4炭化水素基から選択され、mは0〜10なる範囲の整数を表し、nは4〜100なる範囲の整数を表し、a及びbは1又はそれ以上の整数を表し、a+bは20-500なる範囲の値に等しく、b/(a+b)は0.01-0.22なる範囲の値に等しく、またシロキサン単位の構成は、ランダム構成を含む。このようなシリコーン含有成分の例は、頁7の実施例2を包含する、公開米国特許出願第2009/0234089号の実施例部分に記載されている。
【0126】
その他のシリコーン含有成分を使用することも可能である。例えば、他の適当な型の例は、ポリ(オルガノシロキサン)モノマー、マクロマー又はプレポリマー、例えばα,ω-ビスメタクリロキシ-プロピルポリジメチルシロキサンを含むことができる。もう一つの例は、mPDMS(モノメタクリロキシプロピル末端を持ちモノ-n-ブチル末端を有するポリジメチルシロキサン)である。その他の有用なシリコーン含有成分は、シリコーン-含有ビニルカーボネート又はビニルカーバメートモノマー、マクロマー又はプレポリマーを含み、これは非-限定的に、1,3-ビス[4-(ビニルオキシカルボニルオキシ)ブト-1-イル]テトラメチルシロキサン、3-(ビニルオキシカルボニルチオ)プロピル-[トリス(トリメチルシロキシシラン]、3-[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルアリルカーバメート、3-[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルビニルカーバメート;トリメチルシリルエチルビニルカーボネート、及びトリメチルシリルメチルビニルカーボネートを包含する。1又はそれ以上のこれらシリコーン含有成分の例は、例えば米国特許第5,998,498号及び公開米国特許出願第2007/0066706 A1号、同第2007/0296914 A1号、及び同第2008/0048350号に与えられているものであり得る。これら刊行物の開示事項全体を、参考としてここに組入れる。
【0127】
本開示に従って使用し得る幾つかの、前記シリコーン-含有モノマー、マクロマー又はプレポリマーは、単一の個々のモノマー、マクロマー又はプレポリマーとして使用でき、又は2又はそれ以上の個々のモノマー、マクロマー又はプレポリマーの混合物として使用できる。例えば、MCR-M07は、しばしば広範囲の分子量を有するシリコーン-含有化合物の混合物として与えられる。あるいはまた、本開示に従って使用し得る幾つかの該シリコーン-含有モノマー、マクロマー又はプレポリマーは、異なる分子量を有する1又はそれ以上のモノマー、マクロマー又はプレポリマーとして与えることができる。例えば、X-22-1625は、約9,000ダルトンなる分子量を有する低分子量型として、及び約18,000ダルトンなる分子量を有する高分子量型として入手し得る。
【0128】
ここに記載の如く使用するための前記重合性組成物は、1種又はそれ以上の、シリコーンを含まない疎水性モノマーを包含する疎水性モノマーを含むことができる。このようなシリコーンを含まない疎水性モノマーは、非-限定的に、アクリル酸及びメタクリル酸並びにメチルメタクリレートを包含するこれらの誘導体を含む。2種又はそれ以上の疎水性モノマーの任意の組合せを使用することも可能である。
【0129】
親水性モノマー:シリコーンを含まない親水性モノマーを包含する親水性モノマーは、本発明のシリコーンヒドロゲルを製造するのに使用する前記重合性組成物中に含められる。該シリコーンを含まない親水性モノマーは、1又はそれ以上のケイ素原子を含む親水性化合物を排除する。親水性モノマーは、シリコーン-含有モノマー、マクロマー又はプレポリマーとの組合せで、シリコーンヒドロゲルを製造するための該重合性組成物において使用することができる。シリコーンヒドロゲルにおいて、親水性モノマー成分は、他の重合性組成物の成分と組合せた場合に、少なくとも約10%(w/w)、又は更に少なくとも約25%(w/w)なる含水率を、生成する水和レンズに与えることのできるモノマー成分を含む。シリコーンヒドロゲルに関連して、全親水性モノマーは、該重合性組成物の、約25%(w/w)〜約75%(w/w)なる範囲、又は約35%(w/w)〜約65%(w/w)なる範囲、又は約40%(w/w)〜約60%(w/w)なる範囲であり得る。
【0130】
前記親水性モノマーとして含めることのできるモノマーは、典型的に少なくとも一つの重合性二重結合、少なくとも一つの親水性官能基、又はこれら両者を有する。重合性二重結合の例は、例えばビニル、アクリル系、メタクリル系、アクリルアミド系、メタクリルアミド系、フマール酸系、マレイン酸系、スチリル系、イソプロペニルフェニル系、O-ビニルカーボネート系、O-ビニルカルバメート系、アリル系、O-ビニルアセチル系及びN-ビニルラクタム系及びN-ビニルアミド系二重結合を含む。一例において、該親水性モノマーは、ビニル基-含有(例えば、アクリル基-含有モノマー又は非-アクリル系のビニル基-含有モノマー)である。このような親水性モノマーは、それ自体架橋剤として使用することができる。
【0131】
このような親水性モノマーは、必ずという訳ではないが、架橋剤であり得る。上記の如きアクリロイル部分の亜群として考えると、「アクリル-型」又は「アクリル基-含有」又はアクリレート-含有モノマーは、アクリル基を含むモノマー(CR'H=CRCOX)であり、ここでRはH又はCH
3であり、R'はH、アルキル基、又はカルボニル基であり、またXはO又はNであり、このモノマーは、また容易に重合することが知られている。
【0132】
シリコーンヒドロゲルに関連して、前記親水性成分は、アクリル系モノマー(例えば、α-炭素位におけるビニル基とカルボン酸末端基を有するモノマー、α-炭素位におけるビニル基とアミド末端基を有するモノマー等)及び親水性ビニル基(CH
2=CH-)-含有モノマー(即ち、アクリル酸基の一部ではないビニル基を含むモノマー)を含有する、ケイ素を含まない親水性のモノマー成分を含むことができる。
【0133】
例示的なアクリル系モノマーは、N,N-ジメチルアクリルアミド(DMA)、2-ヒドロキシエチルアクリレート、グリセロールメタクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、メタクリル酸、アクリル酸、メチルメタクリレート(MMA)、エチレングリコールメチルエーテルメタクリレート(EGMA)、及びこれらの任意の混合物を含む。一例において、該アクリル系モノマー全体の含有率は、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ製品を製造するのに使用される前記重合性組成物の、約5%(w/w)〜約50%(w/w)なる範囲内にあり、また該モノマーは、該重合性組成物の約10%(w/w)〜約40%(w/w)なる範囲、又は約15%(w/w)〜約30%(w/w)なる範囲の量で存在し得る。
【0134】
上記の如く、前記親水性モノマーは、また親水性ビニル基-含有モノマーを含むこともできる。本発明によるレンズ材料に配合し得る親水性ビニル基-含有モノマーは、非-限定的に、以下に列挙するモノマーを含む:N-ビニルラクタム(例えば、N-ビニルピロリドン(NVP))、N-ビニル-N-メチルアセタミド(VMA)、N-ビニル-N-エチルアセタミド、N-ビニル-N-エチルホルムアミド、N-ビニルホルムアミド、N-2-ヒドロキシエチルビニルカルバメート、N-カルボキシ-β-アラニンN-ビニルエステル等、及びこれらの混合物。ビニル基-含有モノマーの一例は、N-ビニル-N-メチルアセタミド(VMA)である。VMAの構造は、CH
3C(O)N(CH
3)-CH=CH
2に相当する。一例において、前記重合性組成物の該ビニル基-含有モノマー全体の含有率は、前記シリコーンヒドロゲルレンズ製品を製造するのに使用される該重合性組成物の、約0%(w/w)〜約50%(w/w)なる範囲、例えば約50%(w/v)までであり、また該重合性組成物の約20%(w/w)〜約45%(w/w)なる範囲、又は約28%(w/w)〜約40%(w/w)なる範囲の量で存在し得る。当分野において公知の他のシリコーンを含まないレンズ-形成親水性モノマーも、適したものであり得る。
【0135】
付随的な例は、米国特許第5,070,215号(この特許の内容全体を、参考としてここに組入れる)に記載されている親水性ビニルカーボネート又はビニルカルバメート、及び米国特許第4,190,277号(この特許の内容全体を、参考としてここに組入れる)に記載されている親水性オキサゾロンモノマーである。他の適当な親水性モノマーは、当業者には明らかであろう。本開示のポリマーに配合することのできる、より好ましい親水性モノマーは、またN,N-ジメチルアクリルアミド(DMA)、2-ヒドロキシエチルアクリレート、グリセロールメタクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N-ビニルピロリドン(NVP)、及びポリエチレングリコールモノメタクリレート等の親水性モノマーを含む。幾つかの例においては、DMA、NVP及びこれらの混合物を含む親水性モノマーが使用される。
【0136】
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造するのに使用される材料の追加の例は、米国特許第6,867,245号に記載されている材料を含む。
【0137】
本発明のコンタクトレンズ、例えば本発明のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する上で有用な架橋剤は、非-限定的に、上記した架橋剤を含む。架橋剤において使用するためのアクリレート-官能化エチレンオキサイドオリゴマーの例は、オリゴ-エチレンオキサイドジメタクリレートを含むことができる。該架橋剤は、TEGDMA、TEGDVE、EGDMA、TMGDMA、又はこれらの任意の組合せであり得る。典型的には、前記重合性シリコーンヒドロゲル組成物において、該架橋剤は、該重合性組成物に対して比較的少ない総量にて存在し、例えば該重合性組成物の質量基準で、約0.1%(w/w)〜約10%(w/w)なる範囲、又は約0.5%(w/w)〜約5%(w/w)なる範囲、あるいは約0.75%(w/w)〜約1.5%(w/w)なる範囲の量で存在する。
【0138】
追加のヒドロゲル成分:ここに記載するレンズ及び方法において使用する前記重合性組成物は、また追加の成分、例えば1種又はそれ以上の開始剤、例えば1種又はそれ以上の熱開始剤、1種又はそれ以上の紫外(UV)光開始剤、可視光開始剤、これらの任意の組合せ等、1種又はそれ以上のUV吸収性薬剤又は化合物、又はUV輻射光又はエネルギー吸収剤、着色剤、顔料、離型剤、抗菌性化合物、及び/又はその他の添加剤を含むことも可能である。本開示に関連する用語「添加剤」とは、本発明のヒドロゲルコンタクトレンズ用重合性組成物又は前記重合されたヒドロゲルコンタクトレンズ製品において与えられる化合物又はあらゆる化学薬剤を意味するが、これは、ヒドロゲルコンタクトレンズの製造のために必ずしも必要とされない。
【0139】
前記重合性組成物は、1種又はそれ以上の開始剤化合物、即ち重合性組成物の重合を開始し得る化合物を含むことができる。熱開始剤、即ち「分解開始(立上がり」温度を有する開始剤を使用することができる。例えば、本発明の重合性組成物において使用し得る例示的な熱開始剤は、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN、バゾ(VAZO
TM)-64)、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルペンタンニトリル)(バゾ(VAZO
TM)-52)、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)(バゾ(VAZO
TM)-67)、及び1,1'-アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)(バゾ(VAZO
TM)-88)を含む。バゾ熱開始剤に関連して、そのグレード数(即ち、64、52、67、88等)は、溶液中での該開始剤の半減期が10時間であるような、摂氏温度である。ここに記載したこれらバゾ熱開始剤全ては、デュポン(DuPont)社(米国、デラウエア、ウイルミントン(Wilmington, Del., USA))から入手できる。ニトリット並びに他の型の開始剤を含む追加の熱開始剤は、シグマアルドリッチ(Sigma Aldrich)社から入手できる。眼科学的に相溶性のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、約0.05%(w/w)〜約0.8%(w/w)なる範囲の、又は約0.1%(w/w)〜約0.6%(w/w)なる範囲のバゾ(VAZO
TM)-64又は他の熱開始剤を含む、重合性組成物から得ることができる。
【0140】
UV吸収剤は、例えば、約320-380nmなる範囲のUV-A領域において比較的高い吸収値を示すが、約380nm以上では比較的透明である、強力なUV吸収剤であり得る。その例は、光重合性ヒドロキシベンゾフェノン及び光重合性ベンゾトリアゾール、例えば米国NJ州、ウエストパターニングソン(West Paterson, NJ, USA)の、サイテックインダストリーズ(Cytec Industries)社からシアソーブ(CYASORB) UV416として市場から入手できる、2-ヒドロキシ-4-アクリロイルオキシエトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-3-メタクリロキシ(methacrylyloxy)プロポキシベンゾフェノン、及び米国GA州、アテンズ(Athens, GA, USA)のノラムコ(Noramco)社から、ノルブロック(NORBLOC
TM) 7966として市販品として入手できる光重合性ベンゾトリアゾールを含む。本開示に従って使用するのに適した他の光重合性UV吸収剤は、重合性の、エチレン系不飽和トリアジン、サリチレート、アリール-置換アクリレート、及びこれらの混合物を含む。一般的に言えば、UV吸収剤は、存在する場合には、前記重合性組成物の約0.5質量%乃至該重合性組成物の約1.5質量%なる範囲に相当する量で与えられる。例えば、該組成物は、約0.6%(w/w)〜約1.0%(w/w)なる範囲の量の、1種又はそれ以上のUV吸収剤を含むことができる。
【0141】
本開示に従って有用な前記重合性組成物は、また着色剤を含むことができるが、着色された又は透明なレンズ製品両者が、本発明において意図されている。一例において、該着色剤は、得られるレンズ製品に色彩を与えるのに効果的な、反応性の染料又は顔料である。着色剤は、例えばバットブルー(VAT Blue) 6(7,16-ジクロロ-6,15-ジヒドロアントラジン-5,9,14,18-テトロン)、1-アミノ-4-[3-(β-スルファトエチルスルホニル)アニリノ(anilio)]-2-アンスラキノンスルホン酸(C.I.リアクティブブルー(Reactive Blue) 19、RB-19)、リアクティブブルー19とヒドロキシエチルメタクリレートとのコポリマー(RB-19 HEMA)、1,4-ビス[4-[(2-メタクリルオキシエチル)フェニルアミノ]アンスラキノン(リアクティブブルー(Reactive Blue) 246、RB-246、アイルランドアスロン(Athlone, Ireland)のアランケミカル社(Arran Chemical Company)から入手できる)、1,4-ビス[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-9,10-アンスラセンジオンビス(2-プロパン酸)エステル(RB-247)、リアクティブブルー(Reactive Blue) 4、RB-4、又はリアクティブブルー(Reactive Blue) 4とヒドロキシエチルメタクリレートとのコポリマー(RB-4 HEMA又は「ブルー(Blue)HEMA」)を含むことができる。他の例示的な着色剤は、例えば公開米国特許出願第2008/0048350号(この刊行物の内容全体を、参考としてここに組入れる)に記載されている。本開示に従って使用するのに適した他の着色剤は、フタロシアニン顔料、例えばフタロシアニンブルー及びフタロシアニングリーン、クロム系アルミナ-コバルト酸化物、クロム酸化物、及び赤色、黄色、褐色及び黒色用の、様々な鉄酸化物である。二酸化チタン等の不透明化剤も、配合することができる。幾つかの用途に対しては、着色剤の混合物を使用することも可能である。使用する場合、着色剤は、約0.1%(w/w)〜約15%(w/w)なる範囲、又は約1%(w/w)〜約10%(w/w)なる範囲、又は約4%(w/w)〜約8%(w/w)なる範囲の量で存在し得る。
【0142】
前記重合性組成物は、また成型品取出し助剤、即ち硬化されたコンタクトレンズの、その金型からのより容易な取出しを可能とする上で効果的な、1種又はそれ以上の成分をも含むことができる。例示的な成型品取出し助剤は、親水性シリコーン、ポリアルキレンオキシド、及びこれらの組合せを含む。該重合性組成物は、更に、ヘキサノール、エトキシエタノール、イソプロパノール(IPA)、プロパノール、デカノール及び任意のこれらの組合せからなる群から選択される希釈剤を含むことができる。希釈剤は、これを使用する場合には、典型的に約10%(w/w)〜約30%(w/w)なる範囲の量で存在する。比較的高い希釈剤濃度を有する組成物は、必ずと言う訳ではないが、低いイオノフラックス値、低いモジュラス、及び高い伸び率並びに20秒を越える水切り(water break up)時間(WBUT)を有する傾向にある。ヒドロゲルコンタクトレンズの製造において使用するのに適した追加の材料は、米国特許第6,867,245号に記載されている。この特許の開示事項全体を、参考としてここに組入れる。しかし、幾つかの例において、該重合性組成物は、希釈剤を含まないものである。
【0143】
重合性組成物の特別な一例において、該組成物は、第一の反応性比を有する第一のモノマー、及び該第一の反応性比よりも低い第二の反応性比を有する第二のモノマーを含む。当業者には理解されるように、反応性比は、各成長種の、該種自身のモノマーを添加した際の反応速度定数対他のモノマーを添加した際の速度定数の比として定義し得る。このような組成物は、また該第一の反応性比又は該第二の反応性比と類似する反応性比を有する、少なくとも1種の架橋剤を含むことができる。このような組成物は、また少なくとも2種の架橋剤を含むことができ、ここでその第一の架橋剤は、該第一の反応性比と類似する反応性比を持ち、また第二の架橋剤は、該第二の反応性比と類似する反応性比を有する。幾つかの例において、該レンズプリカーサ組成物は、1種又はそれ以上の除去し得る添加剤を含むことができる。例えば、該重合性組成物は、除去することのできる、1種又はそれ以上の相溶化剤、成型品取出し助剤、レンズ取出し助剤、湿潤性増強剤、及びイオノフラックス減衰剤を含むこともできる。
【0144】
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、しばしばシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズと呼ばれる。多くのシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、前に記載したような、シロキサンモノマー、マクロマー、プレポリマー又はこれらの任意の組合せ、及び少なくとも1種の親水性モノマーを含む、重合性レンズ用処方物を主成分とする。シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ材料の幾つかの例は、以下のUSANを有する材料を含む:アクアフィルコン(acquafilcon)A又はアクアフィルコンB、バラフィルコン(balafilcon)A、コンフィルコン(comfilcon)A、エンフィルコン(enfilcon)A、ガリフィルコン(galyfilcon)A、レンフィルコン(lenefilcon)A、ロトラフィルコン(lotrafilcon)A、ロトラフィルコンB、セノフィルコン(senofilcon)A、ナラフィルコン(narafilcon)A、及びフィルコン(filcon)II3。一例において、眼科学的に許容される湿潤性の前面及び後部面を持ち、該レンズ本体に対して表面処理が施されていない、又は該レンズ本体においてポリマー型湿潤剤の相互貫入型ポリマー網状構造(IPN)の存在しない、該レンズ本体は、コンフィルコン(comfilcon)Aシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ本体である。
【0145】
眼科学レンズ、例えばシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製法は、
図1に例示されている。本開示によれば、
図1に示された段階全て、又は
図1に示された段階の部分集合は、眼科学レンズの製法を含むことができる。
図1の段階の入力、出力又は入力及び出力両者として機能する事項が、
図2に示されている。
【0146】
図1は、高いアモルファス含有率を有するビニルアルコールコポリマーを準備(製造)する段階102を含んでいる。この高いアモルファス含有率を有するビニルアルコールコポリマーは、
図2においては要素202として示されている。
【0147】
図1の段階104は、少なくとも一つの第一の金型部材及び第二の金型部材を製造するために、又は少なくとも一つの第一の金型部材及び第二の金型部材の、少なくとも一つの成型面を製造するために、該高いアモルファス含有率を有するビニルアルコールコポリマーを使用する段階を示すものである。
図2の要素204は、生成される、該高いアモルファス含有率を有するビニルアルコールコポリマーを含む、金型部材又は成型面を例示するものである。
【0148】
図1は、また金型部材上又はその中に重合性組成物を配置する段階106を含んでいる。本開示に関連して、該重合性組成物は、例えば重合性シリコーンヒドロゲルポリマー形成組成物等のレンズ-形成用組成物であると考えることができる。該重合性組成物は、要素206として
図2に示されている。該重合性組成物は、重合に適した、予備重合又は予備硬化された組成物であると考えることができる。
【0149】
典型的には、前記重合性組成物又はレンズプリカーサ組成物は、該組成物の硬化又は重合前に重合されることがあってはならない。しかし、重合性組成物又はレンズプリカーサ組成物は、硬化工程を行う前に部分的に重合される可能性がある。幾つかの例において、該重合性組成物は、該硬化工程中に、該重合性組成物の他の成分と架橋を起こすポリマー成分を含んでいる可能性がある。該ポリマー成分は、ポリマー型湿潤剤又は快適化剤ではなく、又は該レンズ本体内に相互貫通型ポリマー網状構造を形成せず、あるいはポリマー型湿潤剤又は快適化剤ではなく、しかも該レンズ本体内に相互貫通型ポリマー網状構造を形成しない、ポリマー成分であり得る。
【0150】
本発明のレンズプリカーサ組成物は、ここに記載するように、硬化又は重合工程に先立って、容器、計量分配デバイス、又は金型部材中に与えることができる。
図1に戻ると、段階106において、該レンズプリカーサ組成物は、雌型金型部材又は雄型金型部材の、レンズ-形成面(即ち、レンズ表面を成形するのに使用する領域)に配置される。該雌型金型部材は、第一金型部材又は前部金型部材であると理解することができ、また該雄型金型部材は、第二の金型部材又は後部金型部材であると理解することができる。例えば、該雌型金型部材は、該レンズ金型により製造されるレンズの前面又はフロント表面を画成する、成型面を含む。該第二の金型部材は、雄型金型部材又は後部金型部材であると理解することができる。例えば、該第二の金型部材は、該レンズ金型内で作成されたレンズの後部面を画成する、成型面を含む(例えば、該第二又は雄型金型部材は、凸型レンズ-形成用成型面を有する)。
【0151】
更に、本開示に従えば、少なくとも一つの前記第一及び第二金型部材、又は少なくとも一つの該第一及び第二金型部材の成型面は、多量の、ここに記載した高いアモルファス含有率を有するビニルアルコールコポリマーを含み、該コポリマーから本質的になり、あるいは該コポリマーからなっている。一例において、ここに記載するような該金型部材又は成型面は、眼科学的に許容される湿潤性表面を有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造するのに十分な程度の極性を有する、成型面を有するように作成されている。例えば、該コポリマーは、約0.25%〜約8%なる範囲、又は約1%〜約7%なる範囲、又は約2%〜約5%なる範囲、又は約1%〜約4%なる範囲、又は約3%なる平均極性を有する。該ポリマーの平均極性は、オウエンス(Owens)-ベント(Wendt)-ラベル(Rabel)-ケーベル(Kaebel)モデルに基いて決定することができ、ここで該熱可塑性ポリマーの接触角は、既知極性を有する幾つかの異なる液体を用いて決定される。該オウエンス-ベント-ラベル-ケーベルの式は、線型方程式の形で書くことができ、そこでyは、該ポリマーに関する該異なる液体各々の観測された接触角(θ)に基いて計算され、またxは、該異なる液体各々の全表面エネルギー(σ
LT)の既知の極性(σ
LP)及び分散(σ
LD)成分に基いて計算される。異なる液体由来のデータ点(x,y)をプロットすることができ、また次に該プロットの線形回帰を使用して、傾き(m)及びy-切片(b)を決定することができる。次いで、該計算された傾き及びy-切片を使用して、該極性熱可塑性ポリマーの全表面エネルギー(σ
ST、ここでσ
ST= σ
SP + σ
SD)の極性(σ
SP)及び分散(σ
SD)成分を計算することができる。
線型方程式としてのオウエンス-ベント-ラベル-ケーベルの式は、以下の通りである:
【0153】
前記ポリマーの平均極性を決定するために使用できる、異なる極性を有する前記液体の例は、脱イオン水、ジヨードメタン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、及びホルムアミドを含むが、これらに限定されない。該異なる極性を有する液体の選択において、理想的には、異なる全表面エネルギー(σ
LT)を有する幾つかの液体を選択するのではなく、寧ろ該液体の、全表面エネルギーの極性成分(σ
LP)に基いて、ある範囲の極性を有する幾つかの液体が選択される。この方法を利用すれば、該ポリマーの平均極性は、該ポリマーに関する全表面エネルギーの該計算された極性(σ
SP)成分を、その計算された全表面エネルギー(σ
ST)によって割り、また極性の百分率を得るために100を乗じることにより計算される。
【0154】
金型アセンブリーを作成するために、前記第一の金型部材を、第二の金型部材と接触状態において、該第一の金型部材と該第二の金型部材との間の空間にデバイスの形状を有するキャビティを形成する。
図1に示された方法は、2つのコンタクトレンズ用金型部材を、相互に接触状態において、これらの間にレンズの形状を有するキャビティを形成することにより、コンタクトレンズ用金型アセンブリーを製造する段階108を含む。例えば、
図2を参照すると、該段階108の実施に続き、前記重合性シリコーンヒドロゲルレンズプリカーサ組成物206が、該コンタクトレンズ形状のキャビティ内に配置される。
【0155】
段階110において、
図1に示された該方法は、前記重合性組成物を硬化して、重合されたレンズ本体を製造する工程を含み、該レンズ本体は、要素208として
図2に示されているように、金型アセンブリー内に収容されている。該工程のこの点において、該重合されたレンズ本体は、未だ液体に暴露されてはいない。一例において、該重合されたレンズ本体は、重合されたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ本体であり得る。硬化中に、該重合性組成物の成分は重合されて、重合されたレンズ本体を生成する。従って、該硬化は、重合段階であると考えることもできる。該硬化段階110は、該重合性レンズプリカーサ組成物を、該レンズプリカーサ組成物の成分を重合するのに有効な一形態の電磁輻射に暴露する工程を含むことができる。例えば、該硬化段階110は、該重合性組成物を、様々な形態の電磁輻射の中でも特に、重合に要する量の熱又は紫外(UV)光に暴露する工程を含むことができる。該硬化段階110は、また酸素を含まない又は殆ど酸素を含まない環境内で、該組成物を硬化する段階を含むことができる。例えば、該硬化段階110は、窒素又は他の不活性ガスの存在下で行うことができる。該硬化段階110は、該重合性組成物を完全に重合するのに効果的であり得、あるいは該レンズ本体が、処理した場合に(例えば、成型品の取出し、レンズの取出し、洗浄、包装、滅菌等)、コンタクトレンズとして機能するに十分なその成型された形状を維持し得るようなレベルまで、該重合性組成物を重合することを可能とする。
【0156】
未だ液体に暴露されていない重合されたレンズ本体は、使用した成型品取出し及びレンズ取出し工程の型及び1又はそれ以上の随意の洗浄工程が実施されたか否かに依存して、該製造工程における様々な段階において存在し得る。例えば、未だ液体に暴露されていない重合されたレンズ本体は、湿式成型品取出し工程、湿式レンズ取出し工程、湿式成型品取出し及び湿式レンズ取出し工程、随意の洗浄工程、及びこれらの任意の組合せ工程を行う前の重合されたレンズ本体であり得る。例えば、該洗浄工程は、埃又は破砕屑を除去するための清浄化工程、又は該重合されたレンズ本体から1又はそれ以上の抽出性成分の一部、又は実質的全てを除去するための抽出工程、又は該ヒドロゲルレンズ本体を部分的に又は完全に水和させるための水和工程であり得る。例えば、未だ液体と接触させていない該重合されたレンズ本体は、硬化工程後の、金型アセンブリー又は2つの成型面のレンズ形状を有するキャビティ内に存在するレンズ本体を含むことができ、又は乾式成型品取出し工程後の、一つの及び唯一つの金型部材と接触状態にあるレンズ本体を含むことができ、又は1又は複数の乾式レンズ取出し工程後の、トレー又は他のデバイス中のコンタクトレンズ本体を含むことができる。未だ液体と接触させていない該重合されたレンズ本体は、レンズ-形成成分、例えばレンズの形状にある、ケイ素-含有ポリマーの網状構造又はマトリックス、及び重合後に該レンズ本体から取出すことのできる除去可能な成分を含むことができる。該除去可能な成分は、未反応モノマー、オリゴマー、部分的に反応したモノマー、又は該レンズ-形成成分に対して、共有結合により結合あるいはまた固定化されていない他の薬剤を含むものと理解することができる。該除去可能な成分は、また希釈剤を包含する1又はそれ以上の添加剤を含むものと理解することもでき、これらは、ここにおいて論じた如き、清浄化、抽出、又は水和手順中に、該重合されたレンズ製品から除去することができる。このように、該除去可能な成分を含む材料は、該レンズ本体のポリマー主鎖、網状構造、又はマトリックスに対して、架橋もしくは固定化されていない抽出性物質の、線状で架橋されていない、又は僅かに架橋された又は分枝されているポリマーを含むことができる。
【0157】
前記重合性組成物を硬化した後、
図1に示された方法は、前記金型部材から、前記重合されたレンズ本体を分離する段階112を含む。一例において、該金型部材から該重合されたレンズ本体を分離する段階は、該レンズ本体を製造するのに使用した、複数ある金型部材の一つ及び唯一つとの接触状態に維持されている、該重合されたレンズ本体を与える、成型品取出し工程を含むことができる。該成型品取出し工程に引続き、該重合されたレンズ本体は、該金型アセンブリーの金型部材の唯一つ上に位置し、又はこれと接触した状態に維持されている。成型品取出し工程後に、該重合されたレンズ本体が接触状態に維持されている該一つの及び唯一つの金型部材は、前記ビニルアルコールコポリマー202を用いて作成された金型部材204であり得、あるいは異なる金型部材であり得る。該金型部材から該重合されたレンズ本体を分離する前記工程112が、成型品取出し工程を含む場合、該分離段階は、更に該成型品取出し工程後に、接触状態に維持されている該一つの及び唯一つの金型部材から、該レンズ本体を取出す、レンズ取出し段階を含むことができる。該レンズ本体は、該成型品取出し工程後に、該重合されたレンズ本体が何れの金型部材と接触状態にあるかに依存して、前記雄型金型部材又は雌型金型部材から取出すことができる。あるいはまた、該段階112は、成型品取出し及びレンズ取出し工程の組合せを含むことができ、ここで、該レンズ本体は、これを作成するのに使用された全ての金型部材から同時に取出される。該レンズ本体を製造するのに使用した該金型部材又は成型面の少なくとも一つが、前記高いアモルファス含有率を有するビニルアルコールコポリマーを含む場合、該分離工程は、液体を、該レンズ本体及び少なくとも一つの金型部材又は成型面に適用して(該金型部材の非-成形部分と接触状態にあるか、あるいはこれとは分離されている、金型アセンブリー、単一の金型部材、一対の成型面又は単一の成型面として)、該ビニルアルコールコポリマーを少なくとも部分的に溶解し、結果として該レンズ本体を、該金型アセンブリー、単一の金型部材又は成型面から分離する工程を含むことができる。湿式分離工程において使用される該液体は、水又は水性溶液を含むことができる。
【0158】
図1に記載した方法は、場合により前記レンズ本体を洗浄する段階114を含む。この洗浄段階は、該重合されたレンズ本体を、液体、例えば有機溶媒、有機溶媒溶液、水又は水性溶液と接触させて、該レンズ本体から埃又は破砕屑を除去し、又は該レンズ本体を抽出処理して、該レンズ本体から抽出性の物質を除去し、又は該レンズ本体を完全に又は部分的に水和させる工程を含むことができる。一例において、該洗浄段階114は、湿式成型品取出し工程、湿式レンズ取出し工程又はこれら両工程中に使用された該液体を除去し、又は希釈するための洗浄段階を含むことができる。該洗浄段階114は、
図2に示したように、清浄化され、抽出処理され又は水和されたレンズ本体210を与える。該洗浄段階114は、場合により重合されたレンズ本体を含む金型アセンブリー、一金型部材と接触状態に維持されている重合されたレンズ本体、レンズ本体を作成するのに使用された金型全体から完全に分離されているレンズ本体について実施でき、また前記製造工程中に繰返し実施することができる。
【0159】
前記洗浄段階114は、場合により前記重合されたレンズ本体を水和処理する段階を含むことができる。該水和段階は、重合されたレンズ本体又は1又はそれ以上の、このようなレンズ本体のバッチと、水又は水性溶液とを接触させて、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ等の水和レンズ製品を製造する工程を含むことができる。該水和段階は、完全に又は部分的に該レンズ本体を水和することができる。一例において、該水和段階において水和された該重合されたレンズ本体は、該水和段階に先立って液体との接触処理に付されていない、レンズ取出し処理された重合レンズ本体であり、又は既に液体と接触させられている重合レンズ本体を含むことができる。
【0160】
前記分離段階112及び前記随意の洗浄段階114の完了後、
図1に示された方法は、場合により前記レンズ本体を包装して、包装された眼科学レンズ製品212を製造する段階116を含むことができる。例えば、該レンズ本体は、ブリスターパック、バイアルビン又は他の適当な容器に、所定体積の包装用液体、例えば緩衝処理された塩水溶液を包含する塩水溶液と共に収納することができる。一例において、該洗浄段階114及び該包装段階116は、未だ液体との接触処理に付されていない重合されたレンズ本体を包含する、重合されたレンズ本体を、ブリスターパッケージ又は容器内に、包装用溶液及び洗浄溶液両者として機能する包装用液体の一部と共に収容することにより、同時に行うことができる。もう一つの例において、該分離及び包装段階は、ブリスターパッケージ又は容器内に、金型アセンブリー、金型アセンブリーの2つの成型面、金型部材、又は成型面と接触状態にある重合されたレンズ本体を、該ビニルアルコールコポリマー製の金型部材又は成型面を溶解することにより、該レンズ本体を解放するのに役立つ包装用液体の一部と共に収容することにより、同時に行うことができる。
【0161】
場合により、
図1に示された方法は、更に1又はそれ以上の検査段階118を含むことができる。
図1に示された例において、該検査段階は、前記包装段階後であって、前記パッケージを封止し及び滅菌する前に行われるが、1又はそれ以上の該検査段階は、硬化前又は硬化後の、この方法の任意の時点において、乾燥レンズ又は湿潤レンズについて行うことができる。例えば、検査は、1又はそれ以上の金型部材について行って、該成型面の受容性を決定することを可能とし、前記重合性組成物を配置した後に金型部材について行って、該重合性組成物内の気泡の存在を検出し、硬化後の該乾燥レンズについて行って、該乾燥レンズ本体の受容性を決定し、又は分離、洗浄又は包装後に該湿潤レンズ本体について行って、該湿潤レンズ本体の受容性を決定することができる。
図1に示された如き随意の検査段階118は、包装され、検査された本体214を与えるが、他の工程においては、検査された金型部材、金型部材内の検査された重合性組成物、検査された乾燥レンズ本体、又は検査された湿潤レンズ本体を含むことができる。
【0162】
前記レンズ本体を包装する前記段階116の完了後に、該包装されたレンズ本体212を含む前記ブリスターパック又は容器を、
図1の随意の段階120に示されているように、封止し、また引続き滅菌して、例えばコンタクトレンズ等の眼科学レンズ製品を含む、滅菌された包装体を製造することができる。該包装されたレンズ本体を、滅菌に十分な量の、例えばオートクレーブ処理による熱輻射、γ-線輻射、電子ビーム輻射、紫外光輻射等を含む輻射に暴露することができる。使用された前の処理段階に依存して、該滅菌工程は、また該包装されたレンズ本体を部分的に又は完全に抽出し、完全に水和し、又は抽出及び水和両者の機能を果たすことができ、又は前記ビニルアルコールコポリマーを含む前記金型部材又は成型面を溶解する機能を果たすことができる。
【実施例】
【0163】
以下の非-限定的な実施例は、本発明の方法並びにデバイスの幾つかの局面を例証するものである。
【0164】
実施例1(比較例、理論的な例)
所定量の低いアモルファス含有率を有するエチレン-ビニルアルコールコポリマーを、顆粒又はペレットとして準備する。該ポリマーの一部を、従来の射出成型法により、コンタクトレンズ成型用金型部材に加工する。シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造するための重合性組成物は、本明細書に記載したように製造され、また
図1に示したように、流延成形された、複数の重合シリコーンヒドロゲルレンズ本体を作成するために使用される。該重合性組成物を含む該金型アセンブリーは、熱又はUV輻射を利用して硬化される。硬化後、該流延成形された重合レンズ本体を含む該金型アセンブリーは、湿式又は乾式成型品取出し処理に付されて、該金型アセンブリーの該2つの金型部材が分離される。該乾式成型品取出し段階の後、湿式レンズ取出し工程を利用して、該成型品取出し段階後に接触状態に維持されている該金型部材の一つから、該重合レンズ本体を解放する。該開放されたレンズ本体を、引続き有機溶媒を含む液体、次いで本質的に有機溶媒を含まない水性溶液を用いて洗浄するか、あるいは本質的に有機溶媒を含まない水性溶液を用いて洗浄する。該洗浄段階は、追加の水和段階を含むことができ、あるいは該レンズ本体を包装し、また滅菌する前に、別途の水和段階を含むことができる。許容し得るレンズ本体の収率は、約65%以下である。
【0165】
実施例2(理論的な例)
所定量の高いアモルファス含有率を有するビニルアルコールコポリマーを、顆粒又はペレットとして準備する。該ポリマーの一部を、従来の射出成型法により、コンタクトレンズ成型用金型部材に加工する。シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造するための重合性組成物は、本明細書に記載したようにして製造され、また
図1に示したように、流延成形された、複数の重合シリコーンヒドロゲルレンズ本体を作成するために使用される。該重合性組成物を含む該金型アセンブリーは、熱又はUV輻射を利用して硬化される。硬化後、該流延成形された重合レンズ本体を含む該金型アセンブリーは、湿式又は乾式の成型品取出し処理に付されて、該金型アセンブリーの該2つの金型部材が分離される。該乾式の成型品取出し段階の後、湿式レンズ取出し工程を利用して、該成型品取出し段階後に接触状態に維持されている該金型部材の一つから、該重合レンズ本体を解放する。該開放されたレンズ本体を、引続き有機溶媒を含む液体、次いで本質的に有機溶媒を含まない水性溶液を用いて洗浄するか、あるいは本質的に有機溶媒を含まない水性溶液を用いて洗浄する。該洗浄段階は、追加の水和段階を含むことができ、あるいは該レンズ本体を包装し、また滅菌する前に、別途の水和段階を含むことができる。許容し得るレンズ本体の収率は、約75%を越える。該製造工程が、該レンズ本体の最低限度の取扱いを含む場合、該金型アセンブリーが、該ブリスターパッケージ内に収納され、また該レンズ本体が、該ブリスターパッケージ内の該金型アセンブリーを溶解することにより、成型品取出し処理及びレンズ取出し処理に付され、次いで該パッケージ内で該レンズ本体を洗浄した際には、許容し得るレンズ本体の収率は、約85%を越える。
【0166】
実施例3(理論的な例)
所定量のニチゴG-ポリマー(Nichigo G-Polymer
TM)、即ち高いアモルファス含有率を有するビニルアルコールコポリマーを、顆粒又はペレットとして準備する。該ポリマーの一部を、従来の射出成型法により、雄型及び雌型のコンタクトレンズ成型用金型部材に加工する。シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造するための重合性組成物は、本明細書に記載したようにして製造され、また
図1に示したように、流延成形された、複数の重合シリコーンヒドロゲルレンズ本体を作成するために使用される。該重合性組成物を含む該金型アセンブリーは、熱又はUV輻射を利用して硬化される。硬化後、該流延成形された重合レンズ本体を含む該金型アセンブリーは、該重合されたレンズ本体を含む該金型アセンブリーを、トレーに入れ、該金型アセンブリーに対して液体を適用して、少なくとも部分的に該ビニルアルコールコポリマーを溶解し、結果として該レンズ本体を、該金型アセンブリーの両金型から解放することにより、同時に湿式の成型品取出し及びレンズ取出し処理に付される。場合によれば、該金型アセンブリー、該金型部材、又は該液体は、該成型品取出し及びレンズ取出し段階中に攪拌することができる。該開放されたレンズ本体は、引続き包装用溶液を含むブリスターパッケージに移され、また封止及び滅菌処理に付される。