(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0003】
[0003]椎骨の骨折や椎間板ヘルニアを含む脊椎の特定の疾病では、脊椎固定による治療が必要である。いくつかの脊椎関節固定法(method of spinal joint immobilization)が公知であり、これには、外科的固定術、および、ピンや骨プレートを冒された椎骨に取り付けることが含まれる。公知であるデバイスの1つはボーンインターフェイスアンカ(bone interface anchor)である。ボーンインターフェイスアンカは、間隔が開いた少なくとも2つの椎骨に挿入され、スタビライゼーションロッド(stabilization rod)で2つ以上のアンカを互いに連結し、アンカを架けた椎骨を安定にする。
【0004】
[0004]これら従来技術による固定法で外科的移植をするとき、手術部位は組織の塊、スポンジおよび他の手術用具で混雑し、アンカへのアクセスが妨げられる。現在の多軸ねじ法(polyaxial screw system)の難題は、脊柱構築(spinal construct)において、通常、側方連結具でスタビライゼーションロッドと骨盤ねじとの間を固定するというものである。しかしながら、S1〜L5関節では、S1弓根ねじ、L5弓根ねじ、および、側方連結具をスタビライゼーションロッドに取り付けることが、S1〜L5関節に特殊な制約があるために、非常に困難または不可能になることがある。S1またはL5の弓根ねじのいずれかが使用されないと、脊柱構築の一体性が低下するということが証明されている。本発明は、多軸ねじを側方連結具と組み合わせて1つのデバイスにする。このデバイスによれば、S1〜L5関節での脊柱構築において必要な全ての位置を確実に固定できる。
【0005】
[0005]例えば、
図5を参照すると、人の骨格の一部によって仙腸骨領域と、L1〜L5およびS1椎骨を示している。多軸弓根ねじ(polyaxial pedicle screw)100がL2〜L4椎骨の弓根に取り付けられたところが示されており、多軸弓根ねじ102が仙骨に取り付けられているところが示されており、また、多軸弓根ねじ104が腸骨に取り付けられているところが示されている。従来の多軸弓根ねじ106がL5椎骨の一方の弓根に取り付けられている。スタビライゼーションロッド110aおよび110bが椎骨の両側にある弓根ねじ100および102を上下方向に連結しているところが示されている。多軸弓根ねじ104は、スタビライゼーションロッド110aに側方連結具112を介して取り付けられることが理想的である。しかしながら、S1〜L5関節では、
図5の矢印114で示されるように、多軸弓根ねじ106がこのような連結具と干渉し、このように連結することが問題となることがある。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[0020]本明細書で使用する場合、用語「長手方向」は、本明細書でさらに後述するように、本体部材を貫通するように配置された内腔の仮想中心線に概ね平行に向けられた方向をいう。用語「側方の」および「横断の」は、長手方向に平行でない任意の方向に概ね向けられていることをいう。
【0014】
[0021]
図5で続けると、本発明の多軸弓根ねじ108は、L5椎骨の他方の弓根に取り付けられている。従来の多軸弓根ねじ106とは対照的に、本発明の多軸弓根ねじ108は側方連結具116を含み、この側方連結具116は多軸弓根ねじ108から一体に延びている。側方連結具116が一体に延びているので、スタビライゼーションロッド110bと多軸弓根ねじ104との間を多軸弓根ねじ108によって適切に連結することが容易である。
【0015】
[0022]改良した多軸ねじ本体300の一実施形態は、
図1Aおよび1Bに示されているように、本体部材301と、側方連結具302とを備え、側方連結具302は本体部材301から一体に延びている。一実施形態において、本体部材301は内腔305を画定する側壁303を含み、内腔305は、長手方向に配置されて本体部材301を貫通しており、第1の端部および第2の端部を本体部材301の第1の端部307および第2の端部309の近傍に有する。この実施形態では、弓根ねじ311が内腔305から、内腔305の第2の端部にある開口313を通って延びていてもよい。開口313は、周囲の側壁303に配置された内面を含む。内面は、弓根ねじ311の頭部が収まるようになっている。一実施形態において、開口313は、周囲の壁部303に配置された曲線的な内面を含む。曲線的な内面は、弓根ねじ311の頭部、例えば、球状の頭部が収まるようになっていてもよい。本発明に役立ちうる本体部材301の一例がPurcell et al.の米国特許第7,377,923号に開示されている。米国特許第7,377,923号は、参照することによりその全内容が本明細書に組み込まれるものとする。
【0016】
[0023]チャネル315が一対のアパーチャ317によって画定されている。一対のアパーチャ317は、例えば穴、または、軸方向に延びていて、端部が開口した溝穴317であり、向かい合わせに配置されて側壁303を貫通している。溝穴317は、
図1A、1B、2、3A、3Bおよび4に示されているように、本体部材301の第1の端部307の方を向いた開口端部を含み、固定用ロッドを開口から溝穴317に装着し、間に収めるようにしてある。一実施形態では、溝穴317が閉じている端部よりも開口した端部で狭く、これにより、固定用ロッドは溝穴317にスナップ式に嵌る、および/または、溝穴317から外れない。
【0017】
[0024]別の実施形態では、アパーチャ317は、
図1Cに示されるように、穴317を備えている。この実施形態では、固定用ロッドがチャネル315に沿って穴317に装着される。
【0018】
[0025]内腔305の相対的なオリエンテーションに関する本明細書の全ての記載は、内腔305の仮想中心線LC
L(
図1A、1B、3A、3Bおよび4参照)の相対的なオリエンテーションをいう。同様に、チャネル315の相対的なオリエンテーションに関する本明細書の全ての記載は、一対のアパーチャ317を通るように配置された仮想線CC
L(
図1A、1B、2、3Bおよび4参照)の相対的なオリエンテーションをいう。さらに、側方連結具302(または本明細書で後述する他の任意の側方連結具)の相対的なオリエンテーションに関する本明細書の全ての記載は、側方連結具302(または本明細書で後述する他の任意の側方連結具)の仮想中心線OC
L(
図1A、1B、3Aおよび3B参照)の相対的なオリエンテーションをいう。チャネル315は、内腔305に対し、概ね垂直に横断する方向に向けられている。側方連結具302は、本体部材301の内腔305およびチャネル315に対し、さまざまな方向を向いていてもよい。
【0019】
[0026]多軸ねじ本体300は、医療専門家が本体部材301に対する側方連結具302のオリエンテーションを選択できるので、より有用である。手術部位が混雑することを考えれば、本端部材301に対する側方連結具302の特定のオリエンテーションが本体部材301に対する側方連結具302の他のオリエンテーションより優れているということがありうる。したがって、医療専門家がオリエンテーションを連続した範囲から選択できるようにすれば、ねじ本体300の有用性が増すだけでなく、医療専門家が、側方連結具302の最適な相対的オリエンテーションを選択することにより、患者に対して最善の配慮をできるようになる。
【0020】
[0027]
図2を参照すると、本体部材301の端面を第1の端部307から見ている。数学的には、無数のオリエンテーションの線を内腔305の中心線LC
Lに概ね平行な平面で取り囲むことができる。端部に矢印がある
図2の各々の線314、316、318、320、322、324、326、328、330は、線OC
Lが内腔305に対してとりうるオリエンテーションを表している。線314、316、318、320、322、324、326、328、330の図示した全てのオリエンテーションが内腔305に概ね平行な平面にある点には留意しなければならない。実際、数学的には、線OC
Lが内腔305に対してとりうる全てのオリエンテーションは、内腔305に概ね平行な平面内に必ずある。このことは、とりうるオリエンテーションの各々に一致する平面を
図2の紙面に垂直に通すだけで簡単に可視化できる。
【0021】
[0028]しかしながら、部品の製造時に達成できる寸法公差に限界があるために、また、側方連結具302の大きさが有限であるために、内腔305に概ね平行な平面内において、互いに実質的に異なるオリエンテーションの数は無限ではない。オリエンテーションについての平面グループ400を定義して、内腔305に概ね平行な平面内にある側方連結具302の実質的に特有なオリエンテーションの全てを含めることができる。平面グループ400は、
図2に示されている線314、316、318、320、322、324、326、328、330で表されているオリエンテーションの全てを含む。
【0022】
[0029]側方連結具302のオリエンテーションの平面グループ400における第1のサブグループ402は、横断チャネル315の中心線CC
Lと、内腔305の中心線LC
Lとによって形成される平面に概ね垂直であり、かつ、内腔305に概ね平行である平面にある実質的に特有なオリエンテーションを全て含む。
図2を参照すると、線314、316および318は、各々、横断チャネル315に概ね垂直であり、かつ、内腔305に概ね平行である平面内にある側方連結具302のオリエンテーションの例を表している。したがって、線314、316および318は第1のサブグループ402の構成要素である。
【0023】
[0030]
図1Aおよび1Bを参照すると、この実施形態では、側方連結具302が側壁303から、横断チャネル315に概ね垂直であり、かつ、内腔305に概ね平行である面内で延びている。側方連結具302は、内腔105の中心線LC
Lと、チャネル315の中心線CC
Lとによって形成される平面に概ね垂直な方向に延びている。よって、この実施形態では、側方連結具302がオリエンテーションの平面グループ400の第1のサブグループ402の構成要素である。側方連結具302は側壁304と一体であり、骨盤固定器の部材に取り付けられるようになっている。
【0024】
[0031]一実施形態では、側方連結具302が部分的に中空であるが、他の実施形態では、側方連結具302が管状または中実の部材である。側方連結具302は、一部にねじ山が切られていてもよく、例えば、
図1Bに示すように、側方連結具302の遠位端部にねじ山が切られていてもよい。あるいは、当該技術分野で公知のように、側方連結具302の全体にねじ山が切られていてもよい。ねじ山304は、側方連結具302の外面306に設けられてもよいし、内面に設けられてもよい。側方連結具302は他の連結機構を含んでいてもよく、例えば、バヨネット型ソケット連結具、バネ仕掛けのボタンとアパーチャとの連結具、割ピン連結具、および、当該技術分野において公知であろう他の連結具などを含んでいてもよい。側方連結具302は、当該技術分野で公知の任意の断面形状をしていてもよく、これには、限定をしない例として、円形、楕円形、卵形または多角形の断面が含まれ、多角形の断面は任意の数の直線または曲線の辺を含む。
【0025】
[0032]
図1Bを参照すると、側方連結具302は、本体部材301の第1の端部307から第2の端部309までの長手方向の広がりのいずれからでも本体部材301から延びることができる。例えば、側方連結具302は、
図1Bにそれぞれ点線308、310で示すように、第1の端部307の近傍、または、第2の端部309の近傍で本体部材301から延びてもよく、あるいは、第1の端部307と、第2の端部309との間のいずれかより延びてもよく、例えば図示のように312から延びてもよい。側方部材302の各々のオリエンテーション308、310、312は、横断チャネル315に概ね垂直であり、かつ、内腔305に概ね平行である平面内にあり、したがって、オリエンテーションの第1のサブグループ402内にある。
【0026】
[0033]
図3Aおよび3Bを参照すると、多軸ねじ本体350の別の実施形態では、側方連結具302が横断チャネル315に概ね垂直であり、かつ、内腔305に概ね平行である平面内のオリエンテーション332で側壁303から延びている。このオリエンテーション332では、側方連結具302が本体部材301から、全体的に第1の端部307の方へ向かって離れるように延びる。側方連結具332は、
図3Bの点線336、338で示すように、多軸ねじ本体350から第1の端部307へ相対的に向かう、または、第2の端部309へ相対的に向かう方向に、本体部材301の第1の端部307から第2の端部309までの全長のいずれかから延びることができる。したがって、側方連結具302の各々のオリエンテーション332、336および338は、横断チャネル315に概ね垂直であり、かつ、内腔305に概ね平行である平面内にあり、したがって、オリエンテーションの第1のサブグループ402内にある。さらに、オリエンテーションの第1のサブグループ402は、
図2にそれぞれ線314、318および316で表されているように、本体部材301から、チャネル315の第1の端部317aの近傍、チャネル315の第2の端部317bの近傍、または、チャネル315の第1の端部と第2の端部との間のいずれかより延びる側方連結具302を含む。
【0027】
[0034]
図3Bを参照すると、側方連結具302は、点線334によって、オリエンテーションが少なくとも1つの面内で湾曲しているように示されている。例えば、オリエンテーション334が(
図3Bに示すように、遠位端335も含めて)紙面内だけで曲げられているとすると、オリエンテーション334の全体が、横断チャネル315に概ね垂直であり、かつ、内腔305に概ね平行である面内にあり、したがって、オリエンテーション334は、第1のサブグループ402の構成要素になる。
【0028】
[0035]しかし、オリエンテーション334が紙面に出入りする湾曲を含む場合(
図3Bに示すように遠位端337を含む)、オリエンテーション334は1つ以上の面にあることになり、したがって、実質的に特有なオリエンテーションの平面グループ400以外のグループに属することになる。このグループは、曲線グループ500と呼ぶこととする。曲線グループ500の各構成要素は、例えば
図2の線314、316および318で示すように、横断チャネル315に対する任意の位置で本体部材301から延びることもできるし、あるいは、本体部材301の第1の端部307から第2の端部309までの長手方向の広がりの任意の位置より延びることもできる(
図1Bおよび3B参照)。
【0029】
[0036]
図2を参照すると、側方連結具302のオリエンテーションの平面グループ400の第2のサブグループ404に含まれるオリエンテーションは、内腔305と概ね同一平面あるが、横断チャネル315に対して必ずしも概ね垂直ではない。線316および330は、内腔305を含む平面内にあり、したがって、線316および330は、第2のサブグループ404の一部であるオリエンテーションを表す。
図1Bおよび2を参照すると、点線308および310、ならびに、線312および316で表されるオリエンテーションが第1のサブグループ402と第2のサブグループ404の両方の構成要素であることに注意しなければならない。
図2に示されている残りの線320、322、324、326および328がある平面は、内腔305と概ね同一平面でもなく、横断チャネル315に対して概ね垂直でもなく、したがって、平面グループ400の第3のサブグループ406の構成要素であるオリエンテーションを表している。
【0030】
[0037]
図4を参照すると、多軸ねじ本体375の別の実施形態は、例えば、側方部材377、379、381または383のいずれかのような側方部材を含む。側方部材377、379、381または383の各々は、本体部材301から、例えば
図2の線314、316および318で示されているように、横断チャネル315に対する任意の位置より延びてもよいし、本体部材301の第1の端部307から第2の端部309までの長手方向の広がりの任意の位置より延びてもよい(
図1Bおよび3B参照)。さらに、曲線385で示されているように、側方部材377、379、381、383は、横断チャネル315に対し、任意の回転方向のオリエンテーションを有することができる。
【0031】
[0038]側方部材377、379、381、383は、本体部材301から、内腔305に対し、任意の角度で延びてもよい。側方連結具377、379、381、381は、実質的に特有なオリエンテーションの第3のサブグループ406の一部であり、この第3のサブグループ406が含む構成要素は、内腔305に概ね平行であるが、内腔305と概ね同一平面、または、横断チャネル315に概ね垂直ではない平面内にある。なお、点線によって表されているオリエンテーション387は、第3のサブグループ406の構成要素ではないが、第1のサブグループ402および第2のサブグループ404の構成要素である。
【0032】
[0039]上記に公開した実質的に特有なオリエンテーションのグループは、側方連結具302の本体部材301に対する実質的に特有なオリエンテーションで可能性のある全てのものを分類するのに便利な方法を提供するものである。全てのオリエンテーションを含む包括的なグループは、曲線グループ500と、平面グループ400をそのサブグループとして含むことになる。平面グループ400は、上記に定義したように、第1、第2および第3のサブグループ402、404、406を含む。なお、実質的に特有なオリエンテーションには、第1のサブグループ402および第2のサブグループ404の両方の構成要素であるものがある。
【0033】
[0040]側方連結具302は本体部材301から一体に、上述した実質的に特有なオリエンテーションのいずれに延びてもよく、また、多軸ねじ本体300、350、375は、当該技術分野において公知である方法で製造してもよい。このような方法には、限定をしない例として、鋳造、機械加工、または、鋳造と機械加工の組合せが含まれる。多軸ねじ本体300、350、375の材料は、当該技術分野で公知である適当な材料であってもよく、このような材料には、限定をしない例として、ステンレススチール、ニチノールもしくはチタン、ステンレススチール、他の形状記憶金属材料、他の金属、プラスチック、合成素材、他の適当な材料、または、これらの任意の組合せが含まれる。上記に定義したサブグループ402、404、406および曲線グループ500は、実質的に特有なオリエンテーションに関するものであって、数学的に可能なオリエンテーションのグループではないので、サブグループ402、404、406の各々、および、曲線グループ500は、無数の構成要素を含むものではない。むしろ、実質的に特有なオリエンテーションの数は本体部材301および側方部材302の有限な大きさと形状、ならびに、最新の製造技術の寸法公差によって制限されるために、サブグループ402、404、406の各々、および、曲線グループ500が含む構成要素は、数は大きいが有限である。
【0034】
[0041]改良した多軸ねじ本体を公開した。側方連結具は多軸ねじ本体の本体部材から一体に延び、従来の多軸ねじ本体で従来の固定用ロッド連結具を利用するものよりも利用するスペースが少ない。側方連結具は、本体部材から求められた任意のオリエンテーションに一体に延び、医療専門家に最適なオリエンテーションを選ぶ選択権を与えることができる。
【0035】
[0042]当業者には分かるであろうが、上述した実施形態は、本明細書に開示した広い概念から逸脱することなく変更することができる。したがって、本開示内容が開示した特定の実施形態に限定されず、修正例も包含しようとするものであり、修正例が1つまたは複数の実施形態に示された特徴を他の任意の実施形態に示された特徴と組み合わせたものを含みうることは理解されよう。本開示内容を応用しうるさまざまな修正例、同等の工程、ならびに、多数の構造体が、本開示内容が対象とする技術分野の当業者には、本明細書を検討すれば、直ちに明らかになるであろう。したがって、本記載が例示に過ぎず、当業者が本明細書に記載の多軸ねじ本体を作り、使用できるようにすること、また、本明細書に記載の多軸ねじ本体の実施するベストモードを教えることを目的として公開されていると解釈すべきである。