特許第5671160号(P5671160)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5671160
(24)【登録日】2014年12月26日
(45)【発行日】2015年2月18日
(54)【発明の名称】太陽電池ウェーハカセット
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/673 20060101AFI20150129BHJP
【FI】
   H01L21/68 T
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-558775(P2013-558775)
(86)(22)【出願日】2012年1月18日
(65)【公表番号】特表2014-509788(P2014-509788A)
(43)【公表日】2014年4月21日
(86)【国際出願番号】KR2012000410
(87)【国際公開番号】WO2012128459
(87)【国際公開日】20120927
【審査請求日】2013年9月11日
(31)【優先権主張番号】10-2011-0026153
(32)【優先日】2011年3月24日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】513229923
【氏名又は名称】サン―ア フロンテック カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100146639
【弁理士】
【氏名又は名称】船本 康伸
(72)【発明者】
【氏名】リ,カン サン
(72)【発明者】
【氏名】チュン,ジュン ファン
【審査官】 松浦 陽
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−324219(JP,A)
【文献】 米国特許第06811040(US,B1)
【文献】 米国特許第06056123(US,A)
【文献】 特開平11−186181(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2010−0106132(KR,A)
【文献】 特開平07−115123(JP,A)
【文献】 特開平09−213645(JP,A)
【文献】 特開2000−040667(JP,A)
【文献】 特開平09−266177(JP,A)
【文献】 特開2000−164522(JP,A)
【文献】 特開平08−107080(JP,A)
【文献】 特開平10−273399(JP,A)
【文献】 特開平09−293685(JP,A)
【文献】 特開2009−170938(JP,A)
【文献】 特開2000−323423(JP,A)
【文献】 米国特許第06378538(US,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0092815(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/67 − 21/687
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の間隔を隔てて相対向するように配設される第1及び第2エンドプレートと、前記第1及び第2エンドプレートに両端が固設されて前記第1及び第2エンドプレートの間に収納される多数の太陽電池ウェーハの側面及び底面を支持する多数の支持バーとを備える太陽電池ウェーハカセットであって、
前記第1及び第2エンドプレート(110、120)のうちの少なくともいずれか一方のエンドプレートの内面に前記各支持バー(130)を組み付けるための組付スロット(111)が形成されるが、前記組付スロット(111)の、エンドプレートの縁方向である外側には入出開口部(111a)が形成され、エンドプレートの内面方向である内側には案内開口部(111b)が形成され、前記案内開口部(111b)の内縁部には係止爪(111c)が形成され、
前記各支持バー(130)の前記組付スロット(111)と対応する端部には、前記入出開口部(111a)を介して組付スロット(111)に嵌入する階段状の組付ブロック(140)が配設され、当該組付ブロックは、前記入出開口部に入出されるときに前記案内開口部(111b)に案内され、
前記係止爪(111c)の入出開口部(111a)側の上端及び下端のうちの少なくともいずれか一端に半円状の第1ピン孔(111d)が形成され、
前記組付ブロック(140)の前記第1ピン孔(111d)と相対向する端部には、前記第1ピン孔(111d)と対称をなす半円状の第2ピン孔(145)が形成され、
前記第1及び第2ピン孔(111d、145)にはフック状の固定ピン(150)が押し込まれて前記組付ブロック(140)が組付スロット(111)に固定されるようにしたことを特徴とする太陽電池ウェーハカセット。
【請求項2】
所定の間隔を隔てて相対向するように配設される第1及び第2エンドプレートと、前記第1及び第2エンドプレートに両端が固設されて前記第1及び第2エンドプレートの間に収納される多数の太陽電池ウェーハの側面及び底面を支持する多数の支持バーとを備える太陽電池ウェーハカセットであって、
前記第1及び第2エンドプレート(110、120)のうちの少なくともいずれか一方のエンドプレートの内面に前記各支持バー(130)を組み付けるための組付スロット(111)が形成されるが、前記組付スロット(111)の、エンドプレートの縁方向である外側には入出開口部(111a)が形成され、エンドプレートの内面方向である内側には案内開口部(111b)が形成され、前記案内開口部(111b)の内縁部には係止爪(111c)が形成され、
前記各支持バー(130)の前記組付スロット(111)と対応する端部には、前記入出開口部(111a)を介して組付スロット(111)に嵌入する階段状の組付ブロック(140)が配設され、当該組付ブロックは、前記入出開口部に入出されるときに前記案内開口部(111b)に案内され、
前記支持バー(130)は、芯材(131)と、前記芯材(131)の表面を被覆する表材(132)とから構成されるが、前記芯材(131)の少なくとも一端には、他の部位に比べて小径の縮径部(131a)が形成され、前記組付ブロック(140)は、その中央部位に前記芯材(131)の縮径部(131a)が嵌入する軸孔(141)が形成され、前記組付ブロックの表面の、前記軸孔が形成されている側の端部である内端部及びその反対側の端部である外端部には、第1突出部(142)及び第2突出部(143)がそれぞれ形成され、前記第1突出部(142)と第2突出部(143)との間には、前記係止爪(111c)と対応する凹溝部(144)が形成されるが、前記第1突出部(142)は、前記表材(132)によって被覆される、
ことを特徴とする太陽電池ウェーハカセット。
【請求項3】
所定の間隔を隔てて相対向するように配設される第1及び第2エンドプレートと、前記第1及び第2エンドプレートに両端が固設されて前記第1及び第2エンドプレートの間に収納される多数の太陽電池ウェーハの側面及び底面を支持する多数の支持バーとを備える太陽電池ウェーハカセットであって、
前記第1及び第2エンドプレート(110、120)のうちの少なくともいずれか一方のエンドプレートの内面に前記各支持バー(130)を組み付けるための組付スロット(111)が形成されるが、前記組付スロット(111)の、エンドプレートの縁方向である外側には入出開口部(111a)が形成され、エンドプレートの内面方向である内側には案内開口部(111b)が形成され、前記案内開口部(111b)の末端には係止爪(111c)が形成され、前記各支持バー(130)の前記組付スロット(111)と対応する端部には、前記組付スロット(111)に比べて短く、しかも、前記入出開口部(111a)を介して組付スロット(111)に嵌入する階段状の組付ブロック(140)が配設され、当該組付ブロックは、前記入出開口部に入出されるときに前記案内開口部(111b)に案内され、
前記入出開口部(111a)側に嵌入して入出開口部(111a)を閉鎖する階段状の閉鎖ブロック(160)が配設されたことを特徴とする太陽電池ウェーハカセット。
【請求項4】
前記係止爪(111c)の入出開口部(111a)側の上端及び下端のうちの少なくとも一端に半円状の第1ピン孔(111d)が形成され、前記閉鎖ブロック(160)の前記第1ピン孔(111d)と相対向する端部には前記第1ピン孔(111d)と対称をなす半円状の第2ピン孔(161)が形成され、前記第1及び第2ピン孔(111d、161)にはフック状の固定ピン(150)が押し込まれて前記閉鎖ブロック(160)が組付スロット(111)に固定されるようにしたことを特徴とする請求項3に記載の太陽電池ウェーハカセット。
【請求項5】
前記支持バー(130)は、芯材(131)と、前記芯材(131)の表面を被覆する表材(132)とから構成されるが、前記芯材(131)の少なくとも一端には他の部位に比べて小径の縮径部(131a)が形成され、前記組付ブロック(140)は、その中央部位に前記芯材(131)の縮径部(131a)が嵌入する軸孔(141)が形成され、前記組付ブロックの表面の、前記軸孔が形成されている側の端部である内端部及びその反対側の端部である外端部には、第1突出部(142)及び第2突出部(143)がそれぞれ形成され、前記第1突出部(142)と第2突出部(143)との間には前記係止爪(111c)と対応する凹溝部(144)が形成されるが、前記第1突出部(142)は前記表材(132)によって被覆されることを特徴とする請求項3に記載の太陽電池ウェーハカセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池ウェーハカセット分野に係り、さらに詳しくは、エンドプレートの外面の上に存在する係合孔及び工具嵌入溝などによるエッジ部を除去する構造を改善することにより、エンドプレートのエッジ部によって受け台の上面が削られながら異物が発生するという現象を防ぐことのできる太陽電池ウェーハカセットに関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池ウェーハカセットは、太陽電池ウェーハを外乱から保護するための保護装置である。
図1は、従来の太陽電池ウェーハカセットの構成を示す斜視図である。
図1を参照すると、従来の太陽電池ウェーハカセット1は、所定の間隔を隔てて相対向するように配設される一対のエンドプレート3を備えており、前記一対のエンドプレート3の間には、その末端部が前記エンドプレート3に組み付けられて太陽電池ウェーハwの側面及び底面を支持する多数の支持バー5が水平に配設されている。
【0003】
図3及び図4は、図2のI−I線に沿って切り取った断面図であり、特に、図3は、支持バーのエンドプレートへの組付前の断面図であり、図4は、支持バーのエンドプレートへの組付後の断面図である。
【0004】
図3及び図4を参照すると、従来の太陽電池ウェーハカセットは、エンドプレート3への支持バー5の組付けのために、エンドプレート3には段付き状の係合孔30が形成され、前記支持バー5の両端には無頭ボルト50が形成され、さらに、前記無頭ボルト50と係合される係合キャップ6が形成されている。
【0005】
このような構成により、前記エンドプレート3の内側から係合孔30に向かって前記支持バー5の無頭ボルト50を嵌め込み、前記エンドプレート3の外側から係合孔30に向かって係合キャップ6を嵌め込んで無頭ボルト50と係合キャップ6とを螺合すると、図3に示す形状となる。
【0006】
しかしながら、このような従来の組付構造は、太陽電池ウェーハカセット1を、図2に示すように立てた状態でこれを受けている受け台aに沿って移動させるとき、太陽電池ウェーハカセット1の底面に位置する係合キャップ6の工具嵌入溝6aと係合孔30の各エッジ部eによって受け台aの表面が擦り削られて異物が発生するという問題点があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記の従来の問題点を解消するために案出されたものであり、その目的は、エンドプレートの外面の上に存在する係合孔及び工具嵌入溝などを除去して外面を滑らかに改善することにより、外面と受け台とが擦り合わされても異物が発生しない太陽電池ウェーハカセットを提供することである。
【0008】
また、本発明の他の目的は、エンドプレートの外面を滑らかに改善するとともに、エンドプレートと支持バーとの結合構造を改善した太陽電池ウェーハカセットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一側面による太陽電池ウェーハカセットは、所定の間隔を隔てて相対向するように配設される第1及び第2エンドプレートと、前記第1及び第2エンドプレートに両端が固設されて前記第1及び第2エンドプレートの間に収納される多数の太陽電池ウェーハの側面及び底面を支持する多数の支持バーとを備える太陽電池ウェーハカセットであって、前記第1及び第2エンドプレートのうちの少なくともいずれか一方のエンドプレートの内面に前記各支持バーを組み付けるための組付スロットが形成されるが、前記組付スロットの外側及び内側には入出開口部及び案内開口部がそれぞれ形成され、前記案内開口部の内縁部には係止爪が形成され、前記各支持バーの前記組付スロットと対応する端部には、前記入出開口部を介して組付スロットに嵌入する階段状の組付ブロックが配設されたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明よる太陽電池ウェーハカセットは、前記係止爪の入出開口部側の上端及び下端のうちの少なくともいずれか一端に半円状の第1ピン孔が形成され、前記組付ブロックの前記第1ピン孔と相対向する端部には、前記第1ピン孔と対称をなす半円状の第2ピン孔が形成され、前記第1及び第2ピン孔にはフック状の固定ピンが押し込まれて前記組付ブロックが組付スロットに固定されるようにする。
【0011】
さらに、本発明よる太陽電池ウェーハカセットにおいて、前記支持バーは、芯材と、前記芯材の表面を被覆する表材とから構成されるが、前記芯材の少なくとも一端には、他の部位に比べて小径の縮径部が形成され、前記組付ブロックは、その中央部位に前記芯材の縮径部が嵌入する軸孔が形成され、表面の内端部及び外端部には、第1突出部及び第2突出部がそれぞれ形成され、前記第1突出部と第2突出部との間には、前記係止爪と対応する凹溝部が形成されるが、前記第1突出部は、前記表材によって被覆される。
【0012】
本発明の他の側面による太陽電池ウェーハカセットは、所定の間隔を隔てて相対向するように配設される第1及び第2エンドプレートと、前記第1及び第2エンドプレートに両端が固設されて前記第1及び第2エンドプレートの間に収納される多数の太陽電池ウェーハの側面及び底面を支持する多数の支持バーとを備える太陽電池ウェーハカセットであって、前記第1及び第2エンドプレートのうちの少なくともいずれか一方のエンドプレートの内面に前記各支持バーを組み付けるための組付スロットが形成されるが、前記組付スロットの外側及び内側には入出開口部及び案内開口部がそれぞれ形成され、前記案内開口部の末端には係止爪が形成され、前記各支持バーの前記組付スロットと対応する端部には、前記組付スロットに比べて短く、しかも、前記入出開口部を介して組付スロットに嵌入する階段状の組付ブロックが配設され、前記入出開口部側に嵌入して入出開口部を閉鎖する階段状の閉鎖ブロックが配設されたことを特徴とする。
【0013】
本発明の他の側面による太陽電池ウェーハカセットは、前記係止爪の入出開口部側の上端及び下端のうちの少なくとも一端に半円状の第1ピン孔が形成され、前記閉鎖ブロックの前記第1ピン孔と相対向する端部には前記第1ピン孔と対称をなす半円状の第2ピン孔が形成され、前記第1及び第2ピン孔にはフック状の固定ピンが押し込まれて前記閉鎖ブロックが組付スロットに固定されるようにする。
【0014】
本発明の他の側面による太陽電池ウェーハカセットにおいて、前記支持バーは、芯材と、前記芯材の表面を被覆する表材とから構成されるが、前記芯材の少なくとも一端には他の部位に比べて小径の縮径部が形成され、前記組付ブロックは、その中央部位に前記芯材の縮径部が嵌入する軸孔が形成され、表面の内端部及び外端部には第1突出部及び第2突出部がそれぞれ形成され、前記第1突出部と第2突出部との間には前記係止爪と対応する凹溝部が形成されるが、前記第1突出部は前記表材によって被覆される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、エンドプレートの外面が滑らかに改善されることにより、外面と受け台とが擦り合わされても異物が発生しない。
【0016】
また、本発明によれば、既存の部品である螺合方式の係合キャップが除去されることにより、係合キャップの緩みがなくなり、さらに、このような係合キャップの緩みがなくなることにより、エンドプレートと支持バーとの間の結合力が強固になる。
【0017】
さらに、本発明によれば、エンドプレートへの支持バーの組付構造が簡単になるので、組付工数及び解体工数が低減される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、従来の太陽電池ウェーハカセットの一例を示す斜視図である。
図2図2は、従来の太陽電池ウェーハカセットを移動させるときの斜視図である。
図3図3は、図2のI−I線に沿って切り取った断面図であり、特に、支持バーのエンドプレートへの組付前の断面図である。
図4図4は、図2のI−I線に沿って切り取った断面図であり、特に、支持バーのエンドプレートへの組付後の断面図である。
図5図5は、本発明に係る太陽電池ウェーハカセットの要部斜視図である。
図6図6は、本発明に係る太陽電池ウェーハカセットにおいて、支持バーと組付ブロックとの組み合わせ過程を示す図である。
図7図7は、本発明に係る太陽電池ウェーハカセットにおいて、横長状の組付ブロックの構成図である。
図8A図8Aは、図5のII−II線に沿って切り取った断面図であり、エンドプレートへの支持バー及び閉鎖ブロックの組付前の状態図である。
図8B図8Bは、図5のII−II線に沿って切り取った断面図であり、エンドプレートへの支持バーの組付状態図である。
図8C図8Cは、図5のII−II線に沿って切り取った断面図であり、エンドプレートへの支持バー及び閉鎖ブロックの組付状態図である。
図9図9は、本発明に係る太陽電池ウェーハカセットの他の実施形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態に係る太陽電池ウェーハカセットを開示する。
開示される実施形態は、本発明の思想を当業者が容易に理解できるように提供されるものであり、これらによって本発明が限定されることはない。本発明の実施形態は本発明の技術的思想及び範囲内において他の形態に変形可能である。本明細書において、「及び/又は」は、前後に並べた構成要素のうちの少なくとも一つを含む意味として用いられている。本明細書において、他の構成要素の「上に」位置するということは、ある構成要素の上に他の構成要素が直接的に位置するということを意味し、前記ある構成要素の上に第3の構成要素がさらに位置してもよいという意味も含む。本明細書において、各構成要素または部分などを第1、第2などの表現を用いて指し示しているが、これは、明確な説明のために用いられた表現であり、これらによって限定されることはない。図示の構成要素の厚さ及び相対的な厚さは、本発明の実施形態を明確に表現するために誇張されたものであってもよい。なお、添付図面に示す事項は、本発明の実施形態を容易に説明するために図式化されたものであり、実際の実現形態とは異なる場合がある。
【0020】
添付の図5は、本発明に係る太陽電池ウェーハカセットの斜視図であり、本発明の組付構造が片側にのみ適用された状態図である。
【0021】
図5を参照すると、本発明の太陽電池ウェーハカセット100は、所定の間隔を隔てて相対向するように配設される四角パネル状の第1及び第2エンドプレート110、120(第2エンドプレートは、図9に示す)及び前記第1及び第2エンドプレート110、120の間に収納される多数の太陽電池ウェーハ(図示せず)の側面及び底面を支持する多数(6本)の支持バー130を備える。このような構成は、既存と同様である。
【0022】
このような構成に基づく本発明は、上記の第1及び第2エンドプレート110、120のうちの少なくともいずれか一方のエンドプレートの外面を滑らかに改善しており、このようなエンドプレートの改善に合わせて、エンドプレートと支持バー130との組み合わせ構造も改善している。
【0023】
以下、これについて具体的に説明する。
先ず、図5に示すように、前記第1及び第2エンドプレート110、120のうちのいずれか一方のエンドプレート(便宜上、「第1エンドプレート」と称する。)の内面に前記各支持バー130を組み付けるための組付スロット111が形成され、前記組付スロット111には、前記支持バー130の一方の端部に配設される組付ブロック140が嵌入する。
【0024】
本発明において、支持バー130は合計で6本であるため、前記組付スロット111の数も合計で6本にする必要がある。組付スロット111は、第1エンドプレート110の両端にそれぞれ2つずつ配設され、下端に2つが配設されて合計で6個である。
【0025】
また、前記組付スロット111は、その外側(エンドプレートの縁方向)及び内側(エンドプレートの内面方向)に入出開口部111a及び案内開口部111bがそれぞれ形成される。前記入出開口部111aには前記組付ブロック140が入出され、案内開口部111bには前記組付スロット111に組付ブロック140が入出されるときに組付ブロック140が案内される。
【0026】
さらに、前記案内開口部111bの内縁部(エンドプレートの内面方向に位置する縁部)には係止爪111cが形成される。前記係止爪111cは、組付スロット111に引き込まれた組付ブロック140が第1エンドプレート110の内側に引き抜かれることを防ぐ。
【0027】
前記組付ブロック140は、図5に示すように、支持バー130のいずれか一方の端部(一端)に一体に設けられてもよい。
【0028】
前記組付ブロック140と支持バー130との一体化のために、支持バー130及び組付ブロック140は、下記の構造を有していてもよい。
【0029】
すなわち、図6に示すように、前記支持バー130は、芯材131と、前記芯材131の表面を被覆する表材132と、から構成され、前記芯材131の少なくとも一端には他の部位に比べて小径の縮径部131aが形成される。
【0030】
前記組付ブロック140は、その中央部位に前記芯材131の縮径部131aが嵌入可能なように軸孔141が穿孔される。また、表面の内端部には第1突出部142が形成され、表面の外端部には第2突出部143が形成され、前記第1突出部142及び第2突出部143の間には前記組付スロット111の係止爪111cと対応する凹溝部144が形成される。
【0031】
このとき、前記第1突出部142は、前記表材132の射出時に、表材132によって塗布されて被覆される。このため、前記組付ブロック140は支持バー130と一体となる。
【0032】
一方、組付ブロック140は、前記組付スロット111に締まりばめされてもよいが、より安定した組付のために、図7に示すように、横長状である場合に、前記係止爪111cの入出開口部側の上端及び下端のうちの少なくともいずれか一端に半円状の第1ピン孔111dを形成し、前記組付ブロック140の前記第1ピン孔111dと相対向する端部に前記第1ピン孔111dと対称をなす半円状の第2ピン孔145を形成して、第1及び第2ピン孔111d、145による円形のピン孔にフック状の固定ピン150を押し込むことにより、組付ブロック140が組付スロット111に強固に固定されるようにしている。
【0033】
他方、前記組付ブロック140が、図5に示すように、横短状である場合には、閉鎖ブロック160が付設されてもよい。すなわち、図8A乃至図8Cに示すように、横短状の組付ブロック140の横長さは前記組付スロット111の長さに比べて短いため、組付スロット111の入出開口部側に隙間ができるが、この隙間に閉鎖ブロック160を嵌め込むことにより組付ブロック111が入出開口部111aに引き抜かれることを防ぐことができる。
【0034】
この場合、前記閉鎖ブロック160は、組付スロット111に締まりばめされてもよいが、より安定した組付のために、図5に示すように、前記係止爪111cの入出開口部111a側の上端及び下端のうちの少なくともいずれか一端に半円状の第1ピン孔111dを形成し、前記閉鎖ブロック160の前記第1ピン孔111dと相対向する端部には前記第1ピン孔111dと対称をなす半円状の第2ピン孔161を形成して、前記第1及び第2ピン孔111d、161によって円形のピン孔にフック状の固定ピン150を押し込むことにより、組付ブロック140が組付スロット111に強固に固定されるようにしている。
【0035】
以下、図8A乃至図8Cに基づき、前記エンドプレートと支持バーとの組み合わせ過程について説明する。
【0036】
先ず、図8Aに示すように、第1エンドプレート110に組み付けるための支持バー130及び閉鎖ブロック160を用意する。
【0037】
次いで、図8Bに示すように、支持バー130の端部に設けられた組付ブロック140を第1エンドプレート110に形成された組付スロット111の入出開口部111bを介して長手方向に沿って最後まで嵌め込む。
【0038】
次いで、図8Cに示すように、既に嵌め込まれた組付ブロック111の後方、すなわち、組付スロット111の入出開口部111b側に閉鎖ブロック160を嵌め込む。
【0039】
すると、組付スロット111に形成された第1ピン孔111dと閉鎖ブロック160に形成された第2ピン孔161が組み合わせられて円形のピン孔が設けられる。
【0040】
次いで、図8Cに示すように、第1ピン孔111dと第2ピン孔161によって設けられた円形のピン孔にフック状の固定ピン150を押し込むと、組立が終わる。
【0041】
図9は、本発明に係る太陽電池ウェーハカセットの他の実施形態を示す斜視図である。
図9の太陽電池ウェーハカセット100は、図5とは異なり、第1及び2エンドプレート110、120の外面を両方とも滑らかに改善し、これらの第1及び第2エンドプレート110、120の改善に合わせて、各エンドプレート110、120と支持バー130との組み合わせ構造を改善したものである。各エンドプレート110、120と支持バー130との組み合わせ構造及び組み合わせ過程は、上述した図5と同様であるため、これについての詳細な説明は省く。
【0042】
本発明の権利範囲は、上述した実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲内において種々の実施形態として実現可能である。特許請求の範囲において請求する本発明の要旨を逸脱することなく、当該発明が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば誰でも変形可能な種々の範囲まで本発明の請求範囲に記載の範囲内にあるものとみなす。
【符号の説明】
【0043】
100:太陽電池ウェーハカセット
110:第1エンドプレート
111:組付スロット
111a:入出開口部
111b:案内開口部
111c:係止爪
111d:第1ピン孔
120:第2エンドプレート
130:支持バー
131:芯材
131a:縮径部
132:表材
140:組付ブロック
141:軸孔
142:第1突出部
143:第2突出部
144:凹溝部
145:第2ピン孔
150:固定ピン
160:閉鎖ブロック
161:第2ピン孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図9