(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の接着剤用共重合体ラテックスは、脂肪族共役ジエン系単量体、および、これと共重合可能な他の単量体を共重合することにより得られる共重合体ラテックスと、カルボン酸のアルカリ金属塩と、2価金属の炭酸塩とを含んでいる。
【0016】
共重合体ラテックスは、脂肪族共役ジエン系単量体、および、これと共重合可能な他の単量体を含む単量体組成物を乳化重合することにより得られる。
【0017】
脂肪族共役ジエン系単量体としては、例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロル−1,3−ブタジエンなどのブタジエン系単量体などが挙げられる。
【0018】
これらの脂肪族共役ジエン系単量体のうち、好ましくは、ブタジエン系単量体が挙げられ、より好ましくは、1,3−ブタジエンが挙げられる。
【0019】
また、これらの脂肪族共役ジエン系単量体は、単独(1種類のみ)で用いることもでき、2種以上併用することもできる。
【0020】
脂肪族共役ジエン系単量体は、単量体組成物100質量部中に、例えば、30質量部以上、好ましくは、35質量部以上、また、例えば、80質量部以下、好ましくは、75質量部以下の割合で配合される。
【0021】
上記した脂肪族共役ジエン系単量体と共重合可能な他の単量体としては、例えば、ビニルピリジン系単量体、芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体、エチレン系不飽和カルボン酸単量体、エチレン系不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体、ヒドロキシアルキル基を含有する不飽和単量体、エチレン系不飽和カルボン酸アミド単量体などが挙げられる。
【0022】
ビニルピリジン系単量体としては、例えば、2−ビニルピリジン、3−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−メチル−5−ビニルピリジンなどが挙げられる。
【0023】
芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、モノクロロスチレンなどが挙げられる。
【0024】
シアン化ビニル単量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられる。
【0025】
エチレン系不飽和カルボン酸単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのエチレン系不飽和モノカルボン酸単量体、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのエチレン系不飽和ジカルボン酸単量体(またはその無水物)などが挙げられる。
【0026】
エチレン系不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体としては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートなどのアクリル酸アルキルエステル単量体、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレートなどのメタクリル酸アルキルエステル単量体が挙げられる。
【0027】
ヒドロキシアルキル基を含有する不飽和単量体としては、例えば、β−ヒドロキシエチルアクリレート、β−ヒドロキシエチルメタクリレートなどが挙げられる。
【0028】
エチレン系不飽和カルボン酸アミド単量体としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミドなどが挙げられる。
【0029】
また、他の単量体として、上記した単量体の他に、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデンなど、通常の乳化重合において使用される単量体が挙げられる。
【0030】
これらの他の単量体は、単独(1種類のみ)で用いることもでき、2種以上併用することもできる。
【0031】
これらの他の単量体のうち、好ましくは、ビニルピリジン系単量体、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル単量体、エチレン系不飽和カルボン酸単量体、エチレン系不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体から選択される1種以上の単量体が挙げられ、より好ましくは、ビニルピリジン系単量体、芳香族ビニル系単量体から選択される1種以上の単量体が挙げられ、具体的には、2−ビニルピリジン、スチレン、アクリロニトリル、アクリル酸、メチルメタクリレートから選択される1種以上が挙げられる。
【0032】
他の単量体は、単量体組成物100質量部中に、例えば、20質量部以上、好ましくは、25質量部以上、また、例えば、80質量部以下、好ましくは、75質量部以下の割合で配合される。
【0033】
本発明の接着剤用共重合体ラテックスを得るには、まず、脂肪族共役ジエン系単量体、および、これと共重合可能な他の単量体を共重合して、共重合体ラテックスを得る。
【0034】
共重合体ラテックスを得るには、脂肪族共役ジエン系単量体、および、これと共重合可能な他の単量体を含む単量体組成物を乳化重合する。
【0035】
そして、単量体組成物を乳化重合するには、単量体組成物に乳化剤および重合開始剤を添加する。
【0036】
乳化剤としては、ポリエチレングリコールのアルキルエステル型、アルキルフェニルエーテル型、アルキルエーテル型などのノニオン性界面活性剤、例えば、高級アルコールの硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩、脂肪族スルホン酸塩、ノニオン性界面活性剤の硫酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物などのアニオン性界面活性剤が挙げられる。また、アニオン性界面活性剤として、ロジン酸石鹸、脂肪酸石鹸などの、後述するカルボン酸のアルカリ金属塩も挙げられる。
【0037】
これらの乳化剤は、単独(1種類のみ)で用いることもでき、2種以上併用することもできる。
【0038】
また、これら乳化剤のうち、好ましくは、アニオン性界面活性剤が挙げられ、より好ましくは、ロジン酸石鹸、脂肪酸石鹸、ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物が挙げられる。
【0039】
乳化剤は、単量体組成物100質量部に対して、例えば、0.5質量部以上、好ましくは、1.0質量部以上、また、例えば、7.0質量部以下、好ましくは、6.0質量部以下の割合で添加される。
【0040】
重合開始剤は、ラジカル重合開始剤であって、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなどの水溶性重合開始剤、例えば、クメンハイドロパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、t−ブチルハイドロパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイドなどの油溶性重合開始剤が挙げられる。
【0041】
これらの重合開始剤のうち、好ましくは、水溶性重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムが挙げられ、油溶性重合開始剤としては、クメンハイドロパーオキサイドが挙げられる。
【0042】
重合開始剤は、単量体組成物100質量部に対して、例えば、0.01質量部以上、好ましくは、0.05質量部以上、また、例えば、3.0質量部以下、好ましくは、2.0質量部以下の割合で添加される。
【0043】
また、単量体組成物を乳化重合するには、必要により、還元剤、連鎖移動剤を添加することができる。
【0044】
還元剤としては、例えば、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、ピロ亜硫酸塩、亜ジチオン酸塩、ジチオン酸塩、チオ硫酸塩、ホルムアルデヒドスルホン酸塩、ベンズアルデヒドスルホン酸塩、硫酸第一鉄、例えば、L−アスコルビン酸、エリソルビン酸、酒石酸、クエン酸などのカルボン酸類およびその塩、例えば、デキストロース、サッカロースなどの還元糖類、例えば、ジメチルアニリン、トリエタノールアミンなどのアミン類が挙げられる。
【0045】
これらの還元剤のうち、好ましくは、カルボン酸類およびその塩が挙げられ、より好ましくは、L−アスコルビン酸、エリソルビン酸が挙げられる。
【0046】
還元剤は、重合開始剤100質量部に対して、例えば、0質量部以上、また、例えば、1.0質量部以下、好ましくは、0.7質量部以下の割合で添加される。
【0047】
連鎖移動剤としては、例えば、n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、t−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ステアリルメルカプタンなどのアルキルメルカプタン、例えば、ジメチルキサントゲンジサルファイド、ジイソプロピルキサントゲンジサルファイドなどのキサントゲン化合物、例えば、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィドなどのチウラム化合物、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノールなどのフェノール化合物、例えば、アリルアルコールなどのアリル化合物、例えば、ジクロルメタン、ジブロモメタン、四臭化炭素などのハロゲン化炭化水素化合物、例えば、α−ベンジルオキシスチレン、α−ベンジルオキシアクリロニトリル、α−ベンジルオキシアクリルアミドなどのビニルエーテル、例えば、トリフェニルエタン、ペンタフェニルエタン、アクロレイン、メタアクロレイン、チオグリコール酸、チオリンゴ酸、2−エチルヘキシルチオグリコレート、α−メチルスチレンダイマーなどが挙げられる。
【0048】
これらの連鎖移動剤は、単独(1種類のみ)で用いることもでき、2種以上併用することもできる。
【0049】
これらの連鎖移動剤のうち、好ましくは、アルキルメルカプタンが挙げられ、より好ましくは、n−オクチルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンが挙げられる。
【0050】
連鎖移動剤は、単量体組成物100質量部に対して、例えば、0質量部以上、好ましくは、0.05質量部以上、また、例えば、10質量部以下、好ましくは、7質量部以下の割合で添加される。
【0051】
また、乳化重合において、必要により、炭化水素類を添加することができる。
【0052】
炭化水素類としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロヘプタンなどの飽和炭化水素、例えば、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、4−メチルシクロヘキセン、1−メチルシクロヘキセンなどの不飽和炭化水素、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素などが挙げられる。
【0053】
炭化水素類としては、好ましくは、シクロヘキセン、トルエンが挙げられる。炭化水素類がシクロへキセンまたはトルエンであると、低沸点で重合終了後に水蒸気蒸留などによって回収、再利用することができ、環境負荷の観点から好適である。
【0054】
また、単量体組成物を乳化重合するには、必要により、例えば、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムなどの電解質、重合促進剤、キレート剤などを添加することができる。
【0055】
そして、単量体組成物を、その重合転化率が、例えば、90%以上となるように乳化重合する。
【0056】
その後、例えば、ハイドロキノンなどの重合禁止剤を添加して重合反応を停止させて、例えば、減圧蒸留などの方法により未反応の単量体を除去する。
【0057】
これにより、共重合体ラテックスが調製される。
【0058】
得られた共重合体ラテックスの粒子径は、例えば、0.07μm以上、好ましくは、0.09μm以上、また、例えば、0.3μm以下、好ましくは、0.25μm以下である。
【0059】
得られた共重合体ラテックスの固形分濃度は、例えば、35質量%以上、好ましくは、40質量%以上、また、例えば、55質量%以下、好ましくは、50質量%以下である。
【0060】
次いで、本発明の接着剤用共重合体ラテックスを得るには、共重合体ラテックスと、カルボン酸のアルカリ金属塩と、2価金属の炭酸塩とを配合する。
【0061】
カルボン酸のアルカリ金属塩としては、例えば、ロジン酸石鹸(ロジン酸のアルカリ金属塩)および/または脂肪酸石鹸(脂肪酸のアルカリ金属塩)が挙げられる。
【0062】
ロジン酸石鹸としては、例えば、ロジン酸ナトリウム、ロジン酸カリウムなどが挙げられる。これらのロジン酸石鹸のうち、好ましくは、ロジン酸ナトリウムが挙げられる。
【0063】
脂肪酸石鹸としては、例えば、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸ナトリウム、ミリスチン酸カリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、パルミチン酸ナトリウム、パルミチン酸カリウムなどの炭素数12〜18のアルキル基を有する飽和脂肪酸石鹸、例えば、ヘキサデセン酸ナトリウム、ヘキサデセン酸カリウム、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウムなどの炭素数12〜18のアルキル基を有する不飽和脂肪酸石鹸が挙げられる。
【0064】
これらの脂肪酸石鹸のうち、好ましくは、不飽和脂肪酸石鹸が挙げられ、より好ましくは、オレイン酸カリウムが挙げられる。
【0065】
カルボン酸のアルカリ金属塩は、単量体組成物(すなわち、接着剤用共重合体ラテックスの固形分)100質量部に対して、例えば、0.3質量部以上、好ましくは、0.5質量部以上、また、例えば、8.0質量部以下、好ましくは、7.0質量部以下の割合で配合される。
【0066】
また、カルボン酸のアルカリ金属塩は、接着剤用共重合体ラテックス100質量部中に、例えば、0.3質量部以上、好ましくは、0.5質量部以上、また、例えば、8.0質量部以下、好ましくは、7.0質量部以下の割合で配合される。
【0067】
カルボン酸のアルカリ金属塩が接着剤用共重合体ラテックス中に上記範囲で配合されていると、接着剤用共重合体ラテックスと後述するレゾルシン−ホルマリン樹脂とを配合して得られる接着剤組成物の安定性を確保することができる。なお、接着剤用共重合体ラテックスに対するカルボン酸のアルカリ金属塩の配合割合が上記範囲未満であると、接着剤用共重合体ラテックスの安定性が劣り、共重合体ラテックスや接着剤組成物において凝集物などが発生する場合がある。また、接着剤用共重合体ラテックスに対するカルボン酸のアルカリ金属塩の配合割合が上記範囲を超過すると、初期接着力や耐熱接着力が低下する場合がある。
【0068】
2価金属の炭酸塩としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどが挙げられる。これらの2価金属の炭酸塩のうち、好ましくは、炭酸カルシウムが挙げられる。
【0069】
2価金属の炭酸塩は、単量体組成物(すなわち、接着剤用共重合体ラテックスの固形分)100質量部に対して、例えば、0.005質量部以上、好ましくは、0.01質量部以上、また、例えば、0.5質量部以下、好ましくは、0.1質量部以下の割合で配合される。
【0070】
2価金属の炭酸塩は、接着剤用共重合体ラテックス100質量部中に、例えば、0.005質量部以上、好ましくは、0.01質量部以上、より好ましくは、0.05質量部以上、また、例えば、0.5質量部以下、好ましくは、0.1質量部以下の割合で配合される。
【0071】
また、2価金属の炭酸塩は、カルボン酸のアルカリ金属塩100質量部に対して、例えば、0.05質量部以上、好ましくは、0.1質量部以上、また、例えば、30質量部以下、好ましくは、20質量部以下の割合で配合される。
【0072】
2価金属の炭酸塩が接着剤用共重合体ラテックス中に上記範囲で配合されていると、接着剤用共重合体ラテックスと後述するレゾルシン−ホルマリン樹脂とを配合して得られる接着剤組成物の泡立ちを低減することができる。なお、接着剤用共重合体ラテックスに対する2価金属の炭酸塩の配合割合が上記範囲未満であると、接着剤組成物の泡立ちの抑制が不十分となる場合がある。また、接着剤用共重合体ラテックスに対する2価金属の炭酸塩の配合割合が上記範囲を超過すると、炭酸塩の沈降や凝集物が発生する場合がある。
【0073】
共重合体ラテックスと、カルボン酸のアルカリ金属塩とを配合するには、例えば、カルボン酸のアルカリ金属塩を水に溶解させて、得られた溶解液を共重合体ラテックスに配合する。
【0074】
また、共重合体ラテックスと、2価金属の炭酸塩とを配合するには、2価金属の炭酸塩を水に分散させて、分散液(スラリー)を調製し、得られた分散液(スラリー)を共重合体ラテックスに配合する。
【0075】
なお、カルボン酸のアルカリ金属塩を乳化剤として共重合ラテックスの重合に用いた場合には、得られた共重合体ラテックスにカルボン酸のアルカリ金属塩を配合しなくてもよい。また、カルボン酸のアルカリ金属塩を乳化剤として共重合ラテックスの重合に用いた場合において、さらに、得られた共重合体ラテックスにカルボン酸のアルカリ金属塩を配合することもできる。
【0076】
これにより、接着剤用共重合体ラテックスが調製される。
【0077】
得られた接着剤用共重合体ラテックスは、ゴムとゴム補強繊維とを接着するための接着剤組成物に配合される。
【0078】
ゴムとしては、特に限定されず、例えば、天然ゴム、SBR、NBR、クロロプレンゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、それらの各種変性ゴムなどが挙げられる。また、ゴムには、例えば、充填剤、軟化剤、加硫剤、加硫促進剤などを配合することができる。
【0079】
ゴム補強繊維としては、例えば、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ガラス繊維などが挙げられる。また、これらの繊維の形態としては、特に限定されず、例えば、コード、ケーブル、織物、帆布、短繊維などが挙げられる。
【0080】
接着剤組成物は、接着剤用共重合体ラテックスとレゾルシン−ホルマリン樹脂とを配合し、混合することにより得られる。
【0081】
接着剤組成物を調製するには、接着剤用共重合体ラテックス100質量部(固形分)に対して、レゾルシン−ホルマリン樹脂を、例えば、5質量部以上、また、例えば、100質量部以下、好ましくは、90質量部以下、配合する。
【0082】
また、接着剤組成物には、必要に応じて、イソシアネート、ブロックドイソシアネート、エチレン尿素、2,6−ビス(2,4−ジヒドロキシフェニルメチル)−4−クロロフェノール、一塩化イオウとレゾルシンの縮合物およびレゾルシン−ホルマリン縮合物との混合物などの変性レゾルシン−ホルマリン樹脂、ポリエポキシド、変性ポリ塩化ビニル、カーボンブラックなどの接着助剤、アンモニア水などのpH調整剤、充填剤、架橋剤、加硫剤、加硫促進剤などを配合することができる。
【0083】
接着剤組成物の固形分濃度は、例えば、10質量%以上、好ましくは、13質量%以上、また、例えば、25質量%以下、好ましくは、20質量%以下である。
【0084】
また、上記した接着剤組成物では、カルボン酸のアルカリ金属塩や、2価金属の炭酸塩を含有する接着剤用共重合体ラテックスと、レゾルシン−ホルマリン樹脂とを配合しているが、例えば、カルボン酸のアルカリ金属塩や、2価金属の炭酸塩を含有しない接着剤用共重合体ラテックスと、レゾルシン−ホルマリン樹脂と、カルボン酸のアルカリ金属塩と、2価金属の炭酸塩とを配合して、接着剤組成物を調製することもできる。
【0085】
そして、ゴムとゴム補強繊維とを接着するには、まず、接着剤組成物をゴム補強繊維に処理する。
【0086】
接着剤組成物をゴム補強繊維に処理するには、例えば、ディッピングマシンなどを用いて、接着剤組成物にゴム補強繊維を浸漬させる。
【0087】
このとき、本発明の接着剤組成物では、2価金属の炭酸塩を含有しているので、泡立ちが低減される。
【0088】
その後、例えば、100℃以上、好ましくは、110℃以上、また、例えば、180℃以下、好ましくは、160℃以下で、例えば、80秒以上、好ましくは、100秒以上、また、例えば、200秒以下、好ましくは、150秒以下、乾燥させ、その後、例えば、180℃以上、好ましくは、200℃以上、また、例えば、300℃以下、好ましくは、260℃以下で、例えば、30秒以上、好ましくは、50秒以上、また、例えば、100秒以下、好ましくは、80秒以下、加熱して焼き付けする。
【0089】
そして、上記処理の後、接着剤組成物が処理されたゴム補強繊維に、ゴムを接触させて、ゴムとゴム補強繊維とを加熱および加圧すると、ゴムとゴム補強繊維とが接着される。
【実施例】
【0090】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中、配合割合を示す部および%は質量基準によるものである。また、実施例中の配合割合などの数値は、上記の実施形態において記載される数値範囲の上限値または下限値に代替することができる。
1.共重合体ラテックスの合成
攪拌機付きオートクレーブに、水120質量部と、表1に示す乳化剤とを加え、乳化剤を水に溶解させた。
【0091】
次いで、表1に示す単量体組成物と、t−ドデシルメルカプタン0.62質量部とをオートクレーブに加えて乳化させた。
【0092】
次いで、過硫酸カリウム0.24質量部をオートクレーブに加え、内温を60℃に保ち、単量体組成物を重合した。
【0093】
重合転化率が93%に達した時点で、ハイドロキノン0.09質量部を加え、重合を停止させ、その後、減圧蒸留により未反応の単量体を除去して、共重合体ラテックスを得た。
【0094】
得られた共重合ラテックスに、表1に示す添加剤を加えて、各合成例の接着剤用共重合体ラテックスを得た。
2.接着剤組成物の調製
水260質量部に10%水酸化ナトリウム4質量部を添加して攪拌した後、レゾルシン7.9質量部、および、37%ホルマリン8.6質量部を加えて攪拌混合し、30℃にて6時間熟成し、レゾルシン−ホルマリン樹脂を合成した。
【0095】
次いで、各実施例および各比較例の接着剤用共重合体ラテックス100質量部に、接着剤組成物の固形分濃度が16.5質量%になるように水を添加して撹拌した後、レゾルシン−ホルマリン樹脂と、28%アンモニア水11.4質量部とを添加して攪拌混合した。
【0096】
その後、27%ブロックドイソシアネート分散液(明成化学工業(株)製SU−125F)46.3質量部添加して、30℃にて48時間熟成させて、接着剤組成物を得た。
3.接着剤組成物の消泡性試験
表2に示す各実施例および各比較例の接着剤組成物200g(200ml)を、メスシリンダー(1000ml)に投入し、接着剤組成物に空気800mlを吹き込み、発泡させた。
【0097】
発泡直後の接着剤組成物の上端(発泡体積)を、メスシリンダーの目盛りで確認した。また、泡が消えるまでの時間(消泡時間)を測定した。結果を表2に示す。
4.接着剤組成物の接着性評価
(1)タイヤコード浸漬処理
試験用シングルコードディッピングマシンを用いて、各実施例および各比較例で得られた接着剤組成物に、前処理されたポリエステル・タイヤコード(1670dtex/2)を浸漬し、120℃で120秒間乾燥した後、240℃で60秒間、焼き付けた。
(2)ゴム
下記の配合処方によりゴムを準備した。
<ゴム処方>
天然ゴム 70質量部
SBRゴム 30質量部
FEFカーボン 40質量部
プロセスオイル 4質量部
アンチゲンRD(*1) 2質量部
ステアリン酸 1.5質量部
亜鉛華 5質量部
加硫促進剤DM(*2) 0.9質量部
硫黄 2.7質量部
*1:2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合物(住友化学(株)社製)
*2:ジベンゾチアジルジスルフィド
(3)初期接着力および耐熱接着力の測定
表3に示す各実施例および各比較例の接着剤組成物で処理されたポリエステル・タイヤコードをゴムではさみ、160℃で20分(初期接着力の評価条件)、または、170℃で50分(耐熱接着力の評価条件)の条件で加硫プレスした。
【0098】
ゴムとゴム補強繊維との初期接着力および耐熱接着力を、ASTM D2138−67(H Pull Test)に準じて測定した。結果を表3に示す。比較例2に示すように、シリコーン系消泡剤を含有する接着剤組成物では、初期接着力および耐熱接着力が劣るという結果であった。
【0099】
【表1】
【0100】
【表2】
【0101】
【表3】
【0102】
なお、上記発明は、本発明の例示の実施形態として提供したが、これは単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。当該技術分野の当業者によって明らかな本発明の変形例は、後記請求の範囲に含まれる。
接着剤用共重合体ラテックスは、脂肪族共役ジエン系単量体、および、これと共重合可能な他の単量体を共重合することにより得られる共重合体ラテックスと、カルボン酸のアルカリ金属塩と、2価金属の炭酸塩とを含む。