特許第5671245号(P5671245)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッドの特許一覧

特許5671245磁気感度が低減されたMEMSジャイロスコープ
<>
  • 特許5671245-磁気感度が低減されたMEMSジャイロスコープ 図000002
  • 特許5671245-磁気感度が低減されたMEMSジャイロスコープ 図000003
  • 特許5671245-磁気感度が低減されたMEMSジャイロスコープ 図000004
  • 特許5671245-磁気感度が低減されたMEMSジャイロスコープ 図000005
  • 特許5671245-磁気感度が低減されたMEMSジャイロスコープ 図000006
  • 特許5671245-磁気感度が低減されたMEMSジャイロスコープ 図000007
  • 特許5671245-磁気感度が低減されたMEMSジャイロスコープ 図000008
  • 特許5671245-磁気感度が低減されたMEMSジャイロスコープ 図000009
  • 特許5671245-磁気感度が低減されたMEMSジャイロスコープ 図000010
  • 特許5671245-磁気感度が低減されたMEMSジャイロスコープ 図000011
  • 特許5671245-磁気感度が低減されたMEMSジャイロスコープ 図000012
  • 特許5671245-磁気感度が低減されたMEMSジャイロスコープ 図000013
  • 特許5671245-磁気感度が低減されたMEMSジャイロスコープ 図000014
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5671245
(24)【登録日】2014年12月26日
(45)【発行日】2015年2月18日
(54)【発明の名称】磁気感度が低減されたMEMSジャイロスコープ
(51)【国際特許分類】
   G01C 19/5726 20120101AFI20150129BHJP
   G01C 19/5747 20120101ALI20150129BHJP
【FI】
   G01C19/56 226
   G01C19/56 247
【請求項の数】3
【外国語出願】
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2010-68048(P2010-68048)
(22)【出願日】2010年3月24日
(65)【公開番号】特開2010-237204(P2010-237204A)
(43)【公開日】2010年10月21日
【審査請求日】2013年3月18日
(31)【優先権主張番号】61/164,662
(32)【優先日】2009年3月30日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】12/723,964
(32)【優先日】2010年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500575824
【氏名又は名称】ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100089705
【弁理士】
【氏名又は名称】社本 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100080137
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 昭男
(74)【代理人】
【識別番号】100096013
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100096068
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 住江
(72)【発明者】
【氏名】バージェス・アール・ジョンソン
(72)【発明者】
【氏名】バラト・パント
【審査官】 神谷 健一
(56)【参考文献】
【文献】 特表2003−510573(JP,A)
【文献】 特表2005−524093(JP,A)
【文献】 特開2007−108072(JP,A)
【文献】 特開2007−304099(JP,A)
【文献】 特開2008−096441(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 7/00− 7/34
G01C 19/00−19/72
G01D 5/00− 5/252
G01D 5/39− 5/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
傾斜磁場(dBz/dx)に感応しない音叉式ジャイロスコープ(100)であって、該音叉式ジャイロスコープは、
導電性サスペンション(134)を介して絶縁基板(129)に連結されたアンカー(144)と接続される第1導電性プルーフマス(110)及び第2導電性プルーフマス(120)であって、当該絶縁基板(129)の数が1又は複数であるものと、
第1の導電性プルーフマスの対向する2つの端(111)及び第2の導電性プルーフマスの対向する2つの端(121)とに、電気的に接続された電気抵抗中間ポイント(171)であって、音叉式ジャイロスコープから感知電荷増幅器(130)に入力を提供し、2つの導電性プルーフマス(110,120)の対向端からの接続の電気抵抗が、電気抵抗中間ポイント(171)において等価であり、感知電荷増幅器は音叉式ジャイロスコープの回転を示す出力信号(Vout)を発生する、電気抵抗中間ポイントと、
を備え、
該出力信号は傾斜磁場(dBz/dx)に依存せず、
前記アンカーが、少なくとも1つの中間ポイント固定アンカーを含み、
前記電気抵抗中間ポイント(171)が、固定点において、第1導電性プルーフマス(110)と第2導電性プルーフマス(120)の間の、少なくとも1つの中間ポイント固定アンカーと電気的に接続され、
磁場の勾配の存在下で、前記プルーフマスが、モータ軸に沿って、反対の速度で、振動運動で移動する際に、前記電気抵抗中間ポイント(171)において、磁場の勾配に起因する電圧が生成されない、
ことを特徴とする音叉式ジャイロスコープ。
【請求項2】
請求項1記載の音叉式ジャイロスコープ(100)において、第1導電プルーフマス(110)及び第2導電性プルーフマス(120)がAC接地と容量結合されており、且つ、電気抵抗中間ポイント(171)が感知電荷増幅器(130)の入力と電気的に接続されていることを特徴とするジャイロスコープ。
【請求項3】
請求項1記載の音叉式ジャイロスコープ(100)において、第1導電プルーフマス(110)及び第2導電性プルーフマス(120)がバイアス電圧(VSB)を有する1又は複数の感知キャパシタンス電極(115、125)と容量結合されており、感知電荷増幅器(130)の入力がバイアス電圧を有する1又は複数の感知キャパシタンス電極と接続されており、電気抵抗中間ポイント(171)がAC接地に接続されていることを特徴とするジャイロスコープ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、MEMSジャイロスコープの磁気感度低減に関する。なお、本発明は、2009年3月30日付提出の米国仮特許出願第61/164,662号の利益を主張するものであり、その内容全体を参照によって、ここに援用する。
【背景技術】
【0002】
音叉振動式(tuning fork vibratory)の微小電気機械システム(MEMS)ジャイロスコープは、傾斜磁場に感応してしまうが、それは傾斜磁場内のプルーフマスのモータ運動によって誘導される起電力(emf)に起因する。MEMSジャイロスコープを傾斜磁場に感応しないようにすることで、回転レートの計測における誤差を最小限に抑え、その結果として、透過性磁性材料をMEMSジャイロスコープのパッケージングに使用できるようにすることが望まれている。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、傾斜磁場に感応しない音叉式ジャイロスコープに関する。該音叉式ジャイロスコープは、導電性サスペンションを介して、1又は複数の絶縁基板に連結されたアンカーと接続される、第1の導電性プルーフマス及び第2の導電性プルーフマスを備え、且つ、第1の導電性プルーフマスの対向端及び第2の導電性プルーフマスの対向端とに電気的に接続された電気抵抗中間ポイントを備えている。該音叉式ジャイロスコープは、感知電荷増幅器に入力を提供する。感知電荷増幅器は、音叉式ジャイロスコープの回転を示す出力信号を発生する。該出力信号は、傾斜磁場の影響を受けていない。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1A】外部印加磁場における透過性磁性材料例、及び誘導磁場を示す図である。
図1B図1AのZ方向における全磁場の勾配を、X軸上の位置の関数として示す図である。
図1C】本発明に係る音叉式MEMSジャイロスコープの一実施形態のブロック図である。
図2図1Cの音叉式ジャイロスコープの断面図を、感知電荷増幅器への接続の概念説明図とともに示す図である。
図3】傾斜磁場例におけるプルーフマスに関する一実施形態の側面図である。
図4図1Cの音叉式MEMSジャイロスコープの集中回路の一実施形態である。
図5】本発明に係る音叉式MEMSジャイロスコープの集中回路の一実施形態である。
図6図5の音叉式MEMSジャイロスコープの実施形態のブロック図である。
図7】本発明に係る、電気抵抗中間ポイントを有する外面(out-of-plane)式の音叉式MEMSジャイロスコープの一実施形態のブロック図である。
図8】従来例の音叉式MEMSジャイロスコープのブロック図である。
図9】本発明に係る磁場勾配計の一実施形態のブロック図である。
図10】本発明に係る磁場勾配計の一実施形態のブロック図である。
図11】本発明に係る、傾斜磁場の存在下での音叉式ジャイロスコープの出力におけるバイアスを低減又は除去するための方法の一実施形態のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
現在利用可能な音叉振動式ジャイロスコープは、傾斜磁場に感応してしまう。透過性磁性材料が、ジャイロスコープのセンサ付近又はジャイロスコープのパッケージ内にある場合、一様な印加磁場が透過性材料を帯磁させてしまい、それによって今度は、ジャイロスコープのセンサで傾斜磁場dBz/dxが発生してしまう。図1Aは、外部印加磁場Bext(平行矢印で図示)における透過性磁性材料15、及び誘導磁場B(曲線矢印で図示)を示す図である。図1Bは、図1AのZ方向Bzにおける全磁場の勾配を、X軸上の位置の関数として示す図である。ジャイロスコープのセンサの傾斜磁場dBz/dxに対する感度は、音叉振動式の微小電気機械システム(MEMS)ジャイロスコープ等の小型のジャイロスコープであるほど高くなってしまう。
【0006】
場合によっては、音叉式MEMSジャイロスコープがパッケージングに透過性磁性材料を含んでいることがある。例えば、コバール(kovar)は、優れた低熱膨張性及び頑丈な機械特性を有する透過性磁性材料である。それゆえ、コバールは音叉振動式MEMSジャイロスコープ、関連する電子機器、及びガラス−金属封着のためのパッケージに用いられる。透過性磁性材料(例:コバール)が含まれている音叉式MEMSジャイロスコープのパッケージは、図1A及び1Bに示されるように、一様な印加磁場の存在下において、音叉式センサメカニズムで傾斜磁場dBz/dxを生成しやすい。
【0007】
図8は、従来例の音叉式MEMSジャイロスコープ5のブロック図である。従来技術の音叉式MEMSジャイロスコープ5に関しては、傾斜磁場dBz/dx内で導電性プルーフマスが移動すると、傾斜磁場dBz/dxによって、感知電荷増幅器30で出力信号Voutが生成される。出力信号Voutによって、従来例の音叉式MEMSジャイロスコープ5の磁場環境によって変化する、不所望のバイアスシフトが生じてしまう。バイアスシフトは、音叉式MEMSジャイロスコープのパッケージ内又は付近にある透過性磁性材料の磁化にヒステリシスがある場合は、再生不可能な状態に変化してしまう。感知電荷増幅器30における傾斜磁場に誘導されたバイアスは、従来例の音叉式MEMSジャイロスコープ5では、エラー出力及び/又は不整合出力を招く結果となる。
【0008】
音叉式ジャイロスコープは、導電性サスペンションを介して、1又は複数の絶縁基板に連結されたアンカーと接続される、第1の導電性プルーフマス及び第2の導電性プルーフマスを備えている。第1の導電性プルーフマス及び第2の導電性プルーフマスには、誘導されたemfによって電位差が生じる。本明細書に記載の実施形態では、音叉式ジャイロスコープの傾斜磁場dBz/dxに対する感度は、第1導電性プルーフマスの対向端及び第2導電性プルーフマスの対向端に、電気抵抗中間ポイントを電気的に接続することによって、実質的に低減又は排除される。本明細書で説明するが、電気抵抗中間ポイントとは、第1導電性プルーフマスの対向端からの接続の電気抵抗が互いに等しく、且つ該電気抵抗が、第2導電性プルーフマスの対向端からの接続の電気抵抗とも等しい点のことである。一実施形態では、電気抵抗中間ポイントは、音叉式ジャイロスコープのプルーフマスの2つの端部にあるアンカーの間の、低抵抗の固定電気接続上のポイントである。
【0009】
図1Cは、本発明に係る音叉式ジャイロスコープ100の一実施形態のブロック図である。図2は、図1Cの音叉式ジャイロスコープ100の断面図を、感知電荷増幅器130への接続とともに示している。図2の断面図は、図1Cの切断線2−2におけるものである。この実施形態では、音叉式ジャイロスコープ100は音叉式微小電気機械システム(MEMS)ジャイロスコープ100である。音叉式ジャイロスコープ100は、本明細書では「ジャイロスコープ100」及び「MEMSジャイロスコープ100」とも称される。
【0010】
図1Cに示されるように、音叉式ジャイロスコープ100は、図1A及び図1Bに示される傾斜磁場dBz/dx内に位置している。図示の例では、磁場B1のZ成分は、第1導電性プルーフマス110に入射しており、磁場B2のZ成分は、第2導電性プルーフマス120に入射している。
【0011】
音叉式ジャイロスコープ100は、第1導電性プルーフマス110及び第2導電性プルーフマス120を備えている。図1Cの電気抵抗中間ポイント171は、第1導電性プルーフマス110の端112からの接続体の電気抵抗が、第1導電性プルーフマス110の端111からの接続体の電気抵抗と等しいポイントであり、該電気抵抗はまた、第2導電性プルーフマス120の端122からの接続体の電気抵抗と等しく、さらに、第2導電性プルーフマス120の端121からの接続体の電気抵抗とも等しいものである。
【0012】
音叉式MEMSジャイロスコープ100の第1導電性プルーフマス110及び第2導電性プルーフマス120は、モータモード(音叉共鳴モード:tuning fork resonant mode)において、X軸に沿って、相対する速度+Vx及び-Vxで移動する。上述のように、透過性磁性材料がMEMSジャイロスコープ100付近又はジャイロスコープのパッケージ内にある場合、一様な印加磁場Bextは、透過性材料15(図1A)を磁化し、それによって、MEMSジャイロスコープセンサ100で傾斜磁場dBz/dxが発生する。透過性材料における残留磁化によってもまた、MEMSジャイロスコープセンサ100で傾斜磁場dBz/dxが発生する。傾斜磁場dBz/dxに対する音叉式MEMSジャイロスコープ100の磁気感度は、誘導されたemfによる電位差を有するプルーフマス110及び120各々の、第2端112及び122と第1端111及び121の間に、電気抵抗中間ポイント171を提供することによって、実質的に低減又は排除される。
【0013】
2つの導電性プルーフマス110及び120は、導電性サスペンション150〜155、113、114、123及び124、第1サスペンションバー133、及び第2サスペンションバー134を介して、1又は複数の絶縁基板129に結合された導電性アンカーと電気的に接続されている。本明細書において、「導電性の第1及び第2プルーフマス110及び120」は、「第1及び第2導電性プルーフマス110及び120」とも称される。
【0014】
アンカー145は、第1中間ポイントの固定アンカー145である。アンカー144は、第2中間ポイントの固定アンカー144である。固定電気接続体170は、第1中間ポイントの固定アンカー145及び第2中間ポイントの固定アンカー144間に形成される。図1Cの実施形態では、第1中間ポイントの固定アンカー145及び第2中間ポイントの固定アンカー144は、2つの導電性プルーフマス110及び120との中間位置にある平面に配置されている。
【0015】
導電性サスペンション150〜155及び113、114、123及び124は、導電性アンカーサスペンション150〜155及び導電性プルーフマスサスペンション113、114、123及び124を含む。各アンカーサスペンション150〜155は一端を、各々のアンカー140〜145と機械的に結合されている。別の一端に関しては、アンカーサスペンション152、153及び155の第1部分は、第1サスペンションバー133と機械的に連結されおり、アンカーサスペンション150、151及び154の第2部分は、第2サスペンションバー134と機械的に連結されている。本明細書において、アンカーサスペンション155は、第1中間ポイントサスペンション155とも称され、また第2アンカーサスペンション154は、第2中間ポイントサスペンション154とも称される。本明細書に記載の機械的連結は、機械的に連結されたコンポーネント間に、電気的な接続ポイントを提供している。
【0016】
第1プルーフマスサスペンション113は、第1プルーフマス110の第1端111を第1サスペンションバー133に機械的及び電気的に接続している。第2プルーフマスサスペンション123は、第2プルーフマス120の第1端121を第1サスペンションバー133に機械的及び電気的に接続している。第3プルーフマスサスペンション114は、第1プルーフマス110の第2端112を第2サスペンションバー134に機械的及び電気的に接続している。第4プルーフマスサスペンション124は、第2プルーフマス120の第2端122を第2サスペンションバー134に機械的及び電気的に接続している。
【0017】
第1中間ポイントサスペンション155は、第1中間ポイント固定アンカー145を第1サスペンションバー133に機械的及び電気的に接続している。第1中間ポイント固定アンカー145は、固定電気接続体170に電気的に接続されているため、固定電気接続体170は、第1プルーフマス110の第1端111及び第2プルーフマス120の第1端121の両方と、電気的に接続されていることになる。
【0018】
第2中間ポイントサスペンション154は、第2中間ポイント固定アンカー144を第2サスペンションバー134に機械的及び電気的に接続している。第2中間ポイント固定アンカー144は、固定電気接続170と電気的に接続されているため、第1プルーフマス110の第2端112及び第2プルーフマス120の第2端122の両方と電気的に接続されていることになる。
【0019】
第1導電性プルーフマス110及び第2導電性プルーフマス120は、プルーフマスサスペンション113、114、123、124、第1サスペンションバー133、第2サスペンションバー134、及びアンカーサスペンション150〜155によって、絶縁基板129の上方に取り付けられている。本明細書では、2つの導電性プルーフマス110及び120、プルーフマスサスペンション113、114、123、124、サスペンションバー133及び134、アンカーサスペンション150、151、152、153、154、155、及び2つの導電性プルーフマス110及び120の下方にある絶縁基板129は、ジャイロスコープセンサメカニズム160と総称され、音叉共鳴モードの周波数で、モータ軸Xに沿って移動する。
【0020】
動作状態において、取り付けられているプルーフマス110及び120は、音叉式MEMSジャイロスコープ100の駆動力に応答して、音叉共鳴モードの周波数で、モータ軸Xに沿って移動する。プルーフマス110及び120の移動によって、通信可能に接続された感知電荷増幅器130に電荷が流れ込む。このAC電流のためのリターンパスは、図2のCpmで示されるキャパシタンスによって提供され、プルーフマス110及び120をAC接地に結合している。このキャパシタンスは、例えば感知キャパシタンス、駆動キャパシタンス、寄生キャパシタンス等である。本明細書において、「AC接地」は、音叉共鳴モードの周波数において無視できる程度のわずかなインピーダンスを有する接地への電気的な接続を表している。図1Cの点線115及び125は、各々のプルーフマス110及び120を、AC接地に結合するキャパシタンスCpmを示している。キャパシタンスCpmは、基板上の平板、又はプルーフマスの近傍のインターデジタルコームフィンガ等の多様な幾何学的形状の電極を含む。
【0021】
感知電荷増幅器130は、固定電気接続170上の点である電気抵抗中間ポイント171から提供される入力を受信する。図1Cに示されるように、固定電気接続170の電気抵抗中間ポイント171は、第1プルーフマス110及び第2プルーフマス112各々の、第1端である111及び121と第2端である112及び122との中間点である。感知電荷増幅器130は、音叉共鳴モードを示す出力信号Voutを発生する。感知電荷増幅器130は、自身の入力156において、仮想接地を提供する。このようにして、仮想接地が固定電気接続170の電気抵抗中間ポイント171に提供され、第1中間ポイント固定アンカー145及び第2中間ポイント固定アンカー144と接続されることになる。
【0022】
モータ軸Xに沿った傾斜磁場dBz/dxの存在下で、第1プルーフマス110及び第2プルーフマス120が、反対の速度(例:-Vx及び+Vx)でX軸に沿って振動運動で移動する時、固定電気接続170の電気抵抗中間ポイント171で、傾斜磁場dBz/dxに応答して電圧が発生することはない。出力信号Voutは傾斜磁場dBz/dxに依存していない。
【0023】
移動しているプルーフマス110及び120の自由電荷にかかるローレンツ力は、各プルーフマス110、120において、電荷分離を発生させる。電荷キャリアにかかるローレンツ力による、プルーフマス110における電荷分離を図2に示す。磁場Bz内のプルーフマス110及び120の振動速度に起因して、電荷分離は符号で振動しており、図1CにB1及びB2で示されている。感知電荷増幅器130は、自身の入力で仮想接地を提供するため、プルーフマス110の接続端111、112及びプルーフマス120の接続端121、122は、ほぼ仮想接地となる。感知電荷増幅器130とプルーフマス110及び120の間にある接続体156には、抵抗R1、R2及びR3図2)が存在するが、この抵抗は小さいため、この抵抗によって通常発生する仮想接地からの偏差は無視してよい。R2及びR3は実質的には等しいので、傾斜磁場dBz/dxによって発生する電圧Voutはゼロに等しい。
【0024】
プルーフマスの1端のみが仮想接地に接続されている場合(図8で示される従来技術の音叉式ジャイロスコープ5のように)、プルーフマスの長さLy(図1C及び8)における接地に関するAC電圧の平均は、ゼロではないであろう。従来技術の音叉式ジャイロスコープ5では、このAC電圧が、プルーフマス10及び20とAC接地間のキャパシタンスCpmにおいて正味の電流を発生させている。この電流は、感知電荷増幅器30に流れ込み、出力信号Voutを発生させる。Z軸に沿う磁場の存在下において、X軸に沿ってプルーフマス10が移動することによって発生する、プルーフマス10のY軸の長さLyとクロスするemfは、
Vemf = vx*Bz*Ly (1)
によって求められる。
式(1)において、vxは軸Xのプルーフマス10の速度であり、Bzは、Z軸のプルーフマス10によって経験される磁場であり、Lyは、Y軸のプルーフマス10の長さである。2つのプルーフマス10及び20は反対方向に移動するので、一様な磁場は、感知電荷増幅器30で正味の電流を発生しない(少なくともこのサンプルモデルにおいては)。
【0025】
従来技術の音叉式ジャイロスコープ5(図8)は、電気抵抗中間ポイント171を備えておらず、且つ、感知電荷増幅器30の入力がアンカー45と接続されているので、X軸の磁場Bzの勾配によって、出力信号が発生してしまう。従来技術の音叉式ジャイロスコープ5に関して、感知電荷増幅器30での出力電圧(図2の回路における集中定数近似と仮定して)は、
Vout ≒ 2ωmot*x0dBz/dx*Δx*Ly*Cpm/Cf (2)
によって求められる。
式(2)において、ωmotはプルーフマスのモータ周波数であり、x0はプルーフマスのモータ移動の振幅であり、dBz/dxは磁場の勾配であり、△xはジャイロの中心から1プルーフマスの中心との間の距離であり、Lyはy方向におけるプルーフマスの長さであり、Cpmは1プルーフマスのAC接地につながるキャパシタンスであり、Cfは感知電荷増幅器におけるフィードバックキャパシタンスである。
【0026】
しかしながら、図1Cの感知電荷増幅器130は、固定電気接続170の電気抵抗中間ポイント171から提供される入力を受信するよう構成されており、また、R2 ≒ R3に設定されているので、感知電荷増幅器130の入力における電流は、プルーフマス110及び120の各サイドからほぼ等しく且つ符号が反対となる。このように、感知電荷増幅器130の入力における電流は、ほぼゼロであるから、音叉式MEMSジャイロスコープ100において、傾斜磁場dBz/dxによって出力信号Voutが発生することはない。
【0027】
図3は、例示の傾斜磁場dBz/dxにおけるプルーフマス110及び120に関する一実施形態の側面図である。磁場のZ成分は、Xの関数として変化する。すなわち、音叉式MEMSジャイロスコープ100の例において、該磁場は、プルーフマス110及び120のモータ軸(X軸)に沿って勾配を有している。図1C及び図3では、磁場Bzの振幅は、B1(プルーフマス110のほぼ中央でマイナスZ方向)及びB2(プルーフマス120のほぼ中央でプラスZ方向)で示されている。音叉式MEMSジャイロスコープ例100は、プルーフマス110でのBzの積分がプルーフマス120のそれと等しく且つ反対になるような、任意の空間的に変化する磁場に感応しない。
【0028】
図4は、図1Cの音叉式MEMSジャイロスコープ100の集中回路の一実施形態である。図4は、プルーフマス110及び120の両方及び感知電荷増幅器130のための等価回路を示す。図1及び図2で示されるプルーフマス110及び120の各々に関する分布キャパシタンス及びemf(電荷分離)は、図4では、1つの集中キャパシタンス及び2つの集中電圧源に置き替えられている。
【0029】
感知電荷増幅器130は電気抵抗中間ポイント171で接続されており、電気抵抗中間ポイント171は、第1中間ポイント固定アンカー145及び第2中間ポイント固定アンカー144間に形成される、固定電気接続体170上の点であるので、電気抵抗中間ポイント171と、プルーフマス110及び120各々の第2端である112及び122並びに第1端である111及び121の間にある電気抵抗は等しい。この接続ポイント171では、ジャイロスコープセンサメカニズム160のシンメトリによって、誘導されたemfによって発生する電圧はゼロである。固定電気接続体170の抵抗は有限であるが小さいため、感知電荷増幅器の出力Voutにおいて実質的なノイズとなることはない。ジャイロスコープセンサメカニズム160からの所望の回転レート信号は、図1及び図2で示されるように、感知電荷増幅器130をプルーフマス110及び120の第2端である112及び122並びに第1端である111及び121の両方に接続することによって、影響を受けることはない。
【0030】
図5は、本発明に係る音叉式MEMSジャイロスコープ101の集中回路の一実施形態である。図6は、図5の音叉式MEMSジャイロスコープ101についての実施形態のブロック図である。音叉式MEMSジャイロスコープ101(図5)は、音叉式MEMSジャイロスコープ100(図4)と類似しているが、感知電荷増幅器130が、各プルーフマス110及び120にではなくて、キャパシタンス電極115及び125に接続されており、且つ固定電気接続体170の電気抵抗中間ポイント171が、AC接地に接続されていることが異なっている。音叉式MEMSジャイロスコープ101は、キャパシタンスCS1及びCS2のそれぞれに印加されるバイアス電圧である+VSB及び-VSBを含む。感知キャパシタンスCS1及びCS2は、音叉式MEMSジャイロスコープ100に関する図2において示されるキャパシタンスCpmの一部を形成する。
【0031】
プルーフマス110及び120は、抵抗R2及びR3間のノードでAC接地と接続されており、これら抵抗は実質的に等しい。音叉式MEMSジャイロスコープ101において、プルーフマス110及び120をAC接地に接続することにより、プルーフマス110及び120が傾斜磁場内を移動する時に、感知キャパシタンスCS1及びCS2ではゼロ(0)電流が発生する。従って、傾斜磁場は、感知電荷増幅器でゼロ(0)電流を発生することになる。
図5に示されるバイアスの±VSBがあるため、ジャイロスコープセンサメカニズム160の回転によって発生するプルーフマス110及び120の感知軸差動振動運動(differential sense-axis oscillatory motion)は、感知電荷増幅器130への入力で、ゼロではないAC電流を発生する。
【0032】
音叉式MEMSジャイロスコープ101は、傾斜磁場dBz/dxの存在下で、モータモードにおいて、+vx及び-vxの相反する速度でX軸に沿って移動するプルーフマス110及び120を示している(図6)。上述したように、透過性磁性材料がMEMSジャイロスコープ101の近傍又はジャイロスコープのパッケージ内にある場合、一様な印加磁場が透過性材料を磁化してしまい、それによってMEMSジャイロスコープセンサ101で傾斜磁場が発生する。また、透過性材料における残留磁化によって、MEMSジャイロスコープ101で傾斜磁場が発生することがある。音叉式MEMSジャイロスコープ101は、傾斜磁場dBz/dxに感応しない。
【0033】
音叉式MEMSジャイロスコープ100及び101は、面内(in-plane)の音叉式MEMSジャイロスコープ100及び101であり、1又は複数の絶縁基板129の面に平行する軸に関する回転を測定する。図7は、面外(out-of-plane)の音叉式MEMSジャイロスコープ102の一実施形態のブロック図であり、1又は複数の絶縁基板129の面と垂直の軸に関するの回転を測定する。本発明によると、面外の音叉式MEMSジャイロスコープ102は、電気抵抗中間ポイント171を有している。面外の音叉式MEMSジャイロスコープ102のプルーフマス110及び120は、音叉式MEMSジャイロスコープ100及び101のプルーフマス110及び120とは形状が異なっている。面外の音叉式MEMSジャイロスコープ102のキャパシタンス電極115及び125は、1又は複数の絶縁基板129内に存在し、且つDC接地に接続されているが、これは、図7には示していない。感知キャパシタンス電極117及び127は、プルーフマス110及び120と同じ導電性材料で形成されるインターデジタルコームフィンガであり、感知バイアス電圧+VSB及び-VSBを介してAC接地と接続されているが、これは図7には示していない。この実施形態では、面外の音叉式MEMSジャイロスコープ102は、AC接地に接続された電気抵抗中間ポイント171を有するよう構成され、感知電荷増幅器130への入力は、図5で示される接続と同じ様式で、感知キャパシタンス電極117及び127に接続されている。
【0034】
図9は、本発明に係る磁場勾配計104の一実施形態のブロック図である。磁場勾配計104は、第1導電性プルーフマス10、第2導電性プルーフマス20、及び感知電荷増幅器30を備えている。第1導電性プルーフマス10は、導電性サスペンション13、14、33及び34を介して、1又は複数の絶縁基板29に取り付けられているアンカー40〜45に接続されている。第2導電性プルーフマスは、導電性サスペンション23、24、33及び34を介して、1又は複数の絶縁基板29に取り付けられているアンカー40〜45に接続されている。本明細書では、2つの導電性プルーフマス10及び20、プルーフマスサスペンション13、14、23、24、サスペンションバー133及び134、アンカーサスペンション50、51、52、53、54、55、並びに2つの導電性プルーフマス10及び20の下方にある絶縁基板29は、磁場勾配計センサメカニズム60と総称され、音叉共鳴モード(モータモード)の周波数で、モータ軸Xに沿って移動する。
【0035】
第1及び第2プルーフマス10及び20は、DC接地に容量結合されている。感知電荷増幅器30は、アンカーの1つ(例:アンカー45)からの第1入力及びDC接地からの第2入力を受信するよう構成される。第1導電性プルーフマス及び第2導電性プルーフマスが傾斜磁場にさらされている場合、感知電荷増幅器30は、傾斜磁場を示す出力信号を発生する。第1導電性プルーフマス及び第2導電性プルーフマスが、加速や回転の影響を受けている場合、感知電荷増幅器30は、加速又は回転を示す出力信号を発生しない。
【0036】
磁場勾配計104のアンカー及びサスペンションは、従来技術の音叉式ジャイロスコープ5(図8)のアンカー及びサスペンションと構成が類似している。磁場勾配計104におけるプルーフマス10及びプルーフマス20は、感知キャパシタンス電極15及び25を介してDC接地に容量結合されるので、従来技術の音叉式ジャイロスコープ5において回転力の感知を可能にしていたバイアス電圧は、除去される。式(2)におけるdBz/dxの乗数である2ωmot*x0Δx*Ly*Cpm/Cfを増大させることで、感知電荷増幅器からの出力Voutも増大する。磁場勾配計104におけるプルーフマス10及び20の幾何学的形状は、Lyを増大するために調節することが可能であり、それによって乗数を増大することができる。DC接地へのキャパシタンスCpmが増大するにつれて、磁場勾配計104の感度も向上する。各プルーフマスの中心及び磁場勾配計60の中心の間の距離△xが増大するにつれて、磁場勾配計104の感度も向上する。プルーフマスのモータ移動の振幅であるx0が増大するにつれて、磁場勾配計104の感度も向上する。プルーフマスの運動のモータ周波数である2ωmotが増大するにつれて、磁場勾配計104の感度も向上する。磁場勾配計104は、傾斜磁場dBz/dxを検出するために、印加バイアス電流を必要としない。
【0037】
図10は、本発明に係る磁場勾配計108の一実施形態のブロック図である。磁場勾配計108は、第1導電性プルーフマス10、第2導電性プルーフマス20、及び読み出し増幅器85を備えている。第1導電性プルーフマス10は、導電性サスペンション13、14、33及び34を介して、1又は複数の絶縁基板29に取り付けられているアンカー40〜45に接続されている。第2導電性プルーフマスは、導電性サスペンション23、24、33及び34を介して、1又は複数の絶縁基板29に取り付けられているアンカー40〜45に接続されている。本明細書では、2つの導電性プルーフマス10及び20、プルーフマスサスペンション13、14、23、24、サスペンションバー133及び134、アンカーサスペンション50、51、52、53、54、55、並びに2つの導電性プルーフマス10及び20の下方にある絶縁基板29は、磁場勾配計センサメカニズム60と総称され、音叉共鳴モード(モータモード)の周波数で、モータ軸Xに沿って移動する。プルーフマス及び接地間の容量結合が磁場勾配計108の運転に与える影響は無視できるものであるが、それは磁場勾配計108等のMEMS音叉共鳴センサでは、容量結合の値は通常は打ち消される(encounter)からである。
【0038】
読み出し増幅器85は、第1中間ポイント固定アンカー45からの第1入力及び第2中間ポイント固定アンカー44からの第2入力を受信するよう構成される。すなわち、読み出し増幅器85は、第1中間ポイント固定アンカー45及び第2中間ポイント固定アンカー44の電圧差を読み出すために接続されている。このようにして、出力電圧Voutは、プルーフマス10の第1端11及び第2端12間の誘導されたemfを、直接測定することができる。同様にして、出力電圧Voutは、導電プルーフマス20の第1端21及び第2端22間の誘導されたemfを、直接測定することができる。キャパシタンスは、該電流に関するリターンパスを提供していない。この磁場勾配計108は、磁場勾配計104よりも、傾斜磁場に対する感度が高い。
【0039】
第1導電性プルーフマス及び第2導電性プルーフマスが傾斜磁場にさらされている場合、読み出し増幅器85は、傾斜磁場を示す出力信号Voutを発生する。第1導電性プルーフマス及び第2導電性プルーフマスが、加速又は回転の影響を受けている場合、読み出し増幅器85は、加速又は回転を示す出力信号を発生しない。
【0040】
磁場勾配計108のアンカー及びサスペンションは、磁場勾配計104(図9)のアンカー及びサスペンションと構成が類似している。磁場勾配計104と関連して上述されたように、磁場勾配計108は、感度を最大化するよう構成することが可能である。磁場勾配計108は、傾斜磁場dBz/dxを検出するために、印加バイアス電流を必要としない。
【0041】
図11は、本発明に係る、傾斜磁場の存在下での音叉式ジャイロスコープの出力におけるバイアスを低減又は排除するための方法1000の一実施形態のフロー図である。音叉式ジャイロスコープは、図1図6図7の各図に示されている、音叉式ジャイロスコープ100、101又は102である。
【0042】
ブロック1102では、2つの導電性プルーフマスが、少なくとも1つの絶縁基板の上方に取り付けられている。ブロック1104では、電気抵抗中間ポイントが、2つの導電性プルーフマスの対向端に、電気的に接続されている。2つの導電性プルーフマスの対向端からの接続の電気抵抗は、電気抵抗中間ポイントにおいて等しい。音叉式ジャイロスコープに接続されている感知電荷増幅器130は、音叉式ジャイロスコープの回転を示す出力信号を発生する。音叉式ジャイロスコープの出力で発生された出力信号は、音叉式ジャイロスコープによって経験される傾斜磁場に依存していない。このようにして、傾斜磁場dBz/dxに対する音叉式MEMSジャイロスコープの磁気感度は、実質的に低減又は排除される。
【0043】
図1C図7の各図に示される音叉式ジャイロスコープ100、102に方法1100を適用すると、電気抵抗中間ポイント171は、感知電荷増幅器130の1入力と接続され、且つ、感知電荷増幅器の第2入力がAC接地に接続され、一方、2つの導電性プルーフマス110及び120は、AC接地に容量結合される。
【0044】
図6の音叉式ジャイロスコープ101に方法1100を適用すると、電気抵抗中間ポイント171はAC接地に接続され、2つの導電性プルーフマス110及び120は、バイアス電圧を有する1又は複数の感知キャパシタンス電極115及び125に容量結合され、且つ、感知電荷増幅器130の入力が、1又は複数の感知キャパシタンス電極115及び125に接続される。
【0045】
この実施形態では、固定電気接続170は、音叉式MEMSジャイロスコープ100の絶縁基板129上に、リソグラフィ技術でパターン化された(lithographically patterned)金属である。この実施形態の別の実装では、固定電気接続170は、プルーフマス110及び120と同じ導電性材質から形成される。この実施形態のさらに別の実装では、固定電気接続170は、ジャイロスコープセンサメカニズム160の外部の接続である。この実施形態のさらにまた別の実装では、プルーフマス110及び120は、ドープシリコンから形成される。この実施形態の一実装では、固定電気接続170は、絶縁基板129上に形成される。この実施形態の別の実装では、第2絶縁基板が第1及び第2プルーフマス110及び120上に配置される。後者の実施形態では、1又は複数のアンカーは、第2絶縁基板上に存在する。この実施形態のさらに別の実装では、電気抵抗中間ポイント171は、第1導電性プルーフマス110及び第2導電性プルーフマス120と同じ導電性材質から形成される。
【0046】
以下の請求項で規定される本発明についての多くの実施形態を記載した。しかしながら、上述の実施形態に対して、本請求項に係る発明の精神及び範囲を逸脱すことなく、多様な変形が可能であることが理解されるであろう。したがって、別の実施形態も、以下に記載の請求項の範囲に含まれる。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11