特許第5671485号(P5671485)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 綜研化学株式会社の特許一覧

特許5671485導電膜用粘着テープおよびタッチパネル用積層体
<>
  • 特許5671485-導電膜用粘着テープおよびタッチパネル用積層体 図000005
  • 特許5671485-導電膜用粘着テープおよびタッチパネル用積層体 図000006
  • 特許5671485-導電膜用粘着テープおよびタッチパネル用積層体 図000007
  • 特許5671485-導電膜用粘着テープおよびタッチパネル用積層体 図000008
  • 特許5671485-導電膜用粘着テープおよびタッチパネル用積層体 図000009
  • 特許5671485-導電膜用粘着テープおよびタッチパネル用積層体 図000010
  • 特許5671485-導電膜用粘着テープおよびタッチパネル用積層体 図000011
  • 特許5671485-導電膜用粘着テープおよびタッチパネル用積層体 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5671485
(24)【登録日】2014年12月26日
(45)【発行日】2015年2月18日
(54)【発明の名称】導電膜用粘着テープおよびタッチパネル用積層体
(51)【国際特許分類】
   C09J 7/00 20060101AFI20150129BHJP
   C09J 133/14 20060101ALI20150129BHJP
   C09J 11/06 20060101ALI20150129BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20150129BHJP
【FI】
   C09J7/00
   C09J133/14
   C09J11/06
   G06F3/041
   G06F3/041 495
【請求項の数】11
【全頁数】35
(21)【出願番号】特願2012-3153(P2012-3153)
(22)【出願日】2012年1月11日
(65)【公開番号】特開2013-142124(P2013-142124A)
(43)【公開日】2013年7月22日
【審査請求日】2014年3月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000202350
【氏名又は名称】綜研化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001070
【氏名又は名称】特許業務法人SSINPAT
(72)【発明者】
【氏名】工藤 良太
(72)【発明者】
【氏名】金塚 洋平
【審査官】 澤村 茂実
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−18892(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/093607(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/042648(WO,A1)
【文献】 特開2001−123136(JP,A)
【文献】 特開2011−74308(JP,A)
【文献】 特開2010−215923(JP,A)
【文献】 特開2010−241864(JP,A)
【文献】 特開2010−189545(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 1/00−201/10
G06F 3/041
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次に示す成分(a-1)〜(a-4)
(a-1)アルコキシアルキル(メタ)アクリレート及び/又はアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート 50〜99.8重量%、
(a-2)水酸基含有モノマー 0.1〜10重量%、
(a-3)窒素含有モノマー 0.1〜5重量%および
(a-4)アルキル(メタ)アクリレート 0〜49.8重量%
を含むモノマーを共重合して得られる、酸性基を実質的に有しない重量平均分子量が5万以上40万未満であるアクリル系ポリマー(A)と、
イソシアネート化合物(B)とから得られるゲル分率が0〜30重量%の範囲内にある粘着剤によって形成された粘着剤層を有する粘着テープであり、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に粘着剤を乾燥厚さで25μmの厚さで塗布し10mm幅に裁断した短冊状試験片を、ガラス基板の表面に接着面積が10mm×10mmになるように貼着して、短冊状試験片のガラス基板と接着していない端部に800gの加重を付与して23℃で20分後に測定したときのガラス基板に対する該短冊状試験片のずれ幅である微小クリープ試験の値が7mm〜9mmの範囲内にあることを特徴とする導電膜用粘着テープ。
【請求項2】
上記アクリル系ポリマー(A)のガラス転移温度(Tg-1)が−70℃〜0℃の範囲内にあることを特徴とする請求項第1項記載の導電膜用粘着テープ。
【請求項3】
上記導電用粘着テープが、金属あるいは金属酸化物と直接接触する静電容量方式のタッチパネル用の粘着剤であることを特徴とする請求項第1項記載の導電膜用粘着テープ。
【請求項4】
上記導電膜用粘着テープを形成する粘着剤層の平均厚さが、乾燥厚さで10〜1000μmの範囲内にあることを特徴とする請求項第1項記載の導電膜用粘着テープ。
【請求項5】
上記導電膜用粘着テープが両面粘着テープであって、該両面粘着テープは厚さ方向の中央近傍に支持体を有しないことを特徴とする請求項第1項記載の導電膜用粘着テープ。
【請求項6】
次に示す成分(a-1)〜(a-4)
(a-1)アルコキシアルキル(メタ)アクリレート及び/又はアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート 50〜99.8重量%、
(a-2)水酸基含有モノマー 0.1〜10重量%、
(a-3)窒素含有モノマー 0.1〜5重量%および
(a-4)アルキル(メタ)アクリレート 0〜49.8重量%
を含むモノマーを共重合して得られる、酸性基を実質的に有しない重量平均分子量が5万以上40万未満であるアクリル系ポリマー(A)と、
イソシアネート化合物(B)とから得られるゲル分率が0〜30重量%の範囲内にある粘着剤によって形成された粘着剤層を有する粘着テープであり、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に粘着剤を乾燥厚さで25μmの厚さで塗布し10mm幅に裁断した短冊状試験片を、ガラス基板の表面に接着面積が10mm×10mmになるように貼着して短冊状試験片のガラス基板と接着していない端部に800gの加重を付与して23℃、20分後に測定したときのガラス基板に対する該短冊状試験片のずれ幅である微小クリープ試験の値が7mm〜9mmの範囲内にある粘着テープと透明電極層とが積層されてなることを特徴とするタッチパネル用積層体。
【請求項7】
上記アクリル系ポリマー(A)のガラス転移温度(Tg-1)が−70℃〜0℃の範囲内にあることを特徴とする請求項第6項記載のタッチパネル用積層体。
【請求項8】
上記導電膜用粘着テープが、金属あるいは金属酸化物と直接接触する静電容量方式のタッチパネル用の粘着剤であることを特徴とする請求項第6項記載のタッチパネル用積層体。
【請求項9】
上記導電膜用粘着テープを形成する粘着剤層の平均厚さが、平均乾燥厚さで10〜1000μmの範囲内にあることを特徴とする請求項第6項記載のタッチパネル用積層体。
【請求項10】
上記導電膜用粘着テープが両面粘着テープであって、該両面粘着テープは厚さ方向の中央近傍に支持体を有しないことを特徴とする請求項第6項記載のタッチパネル用積層体。
【請求項11】
上記タッチパネル用積層体が透明基板を有しており、該透明基板がガラス基板であることを特徴とする請求項第6項記載のタッチパネル用積層体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタッチパネル用の積層体に使用される導電膜用の粘着テープおよびこの粘着テープを用いて部材を貼着したタッチパネル用積層体に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、主に用いられているタッチパネルユニットには、大別して抵抗膜式タッチパネルと静電容量方式のタッチパネルとがあり、これらは共には各種材料の積層体であり、その貼り合わせには主にアクリル系粘着剤が使用されている。タッチパネルユニットは、画面の最表面に配置されることから、使用されるアクリル系粘着剤には、高い透明性が求められ、さらに、高い耐熱性、耐湿熱性などの特性が必要とされる。具体的には、各種材料の積層体であるタッチパネルユニットは、タッチパネル装置の最表面に配置されることから、外部からの水分の浸入によって白化現象を生ずることがあり、また、貼付の際、空気を巻き込むことによる発泡および積層する材料から発生するアウトガスによる発泡などが、外観不良が生じることが問題になる。
【0003】
また、これまでのタッチパネルの主流であった抵抗膜方式のタッチパネルにおいては、ポリカーボネート(PC)あるいはインモールドフィルム(IMD)の貼り付けのために種々の粘着剤が使用されてきた。
【0004】
しかしながら、PCの材料上の特性として高温条件でアウトガスが発生すること、また、PCは水分を通しやすいために耐熱条件で発泡が起きること、湿熱条件で水分流入による粘着剤層の白化現象を抑えることが難しいという問題もある。さらに、IMDはサブミクロンオーダーの段差を有するために、その段差に粘着剤が追随できずに泡を巻き込むという問題もある。
【0005】
従来は、上記のような問題を、粘着剤に酸成分を配合することにより解決していた。即ち、酸成分は混入した水分を分散させて析出させないという機能を有しており、粘着剤層に浸入した水分は酸成分の分散力によって粘着剤層内に分散され析出することがなかったので、粘着剤層が白化するのを防止し、また水素結合を形成することからその水素結合による高い凝集力によって、耐熱発泡における泡の発生を抑えていたのである。
【0006】
ところで、近時、マルチタッチ化をはじめとする機能の充実化に伴い、抵抗膜方式のタッチパネルに代わって静電容量方式のタッチパネルが主流になりつつある。この静電容量方式のタッチパネルにおいては、抵抗膜方式のタッチパネルで要求されていた特性は当然必要となるが、それに加えて、粘着剤が配線を形成している導電層と直接接触するために、粘着剤が導電層の特性を変動させないという特性が必要になる。導電層は、酸化インジウムスズ(ITO)のような金属あるいは金属酸化物で形成されており、酸との接触により腐食を起こし、その抵抗値が上昇してしまうので、従来使用されていた酸成分を用いて耐熱性、耐湿熱性などの特性を確保するという手段は用いることができない。
【0007】
このようなITO等の金属あるいは金属酸化物からなる透明電極の腐食に関しては、特許文献1(特開2010-77287号公報)には、アルコキシアルキルアクリレートを主成分とする重合体が開示されており、この特許文献1では、重量平均分子量が40万〜160万のアルコキシアルキルアクリレート系のポリマーであってカルボキシル基含有モノマーを使用しないポリマーを用いることが開示されている。
【0008】
このようにカルボキシル基含有モノマーを使用せずに40万〜160万のアルコキシアルキルアクリレート系のポリマーを使用することにより、ITOなどの金属あるいは金属酸化物からなる透明電極の腐食に関してはある程度改善されるものの、湿熱白化性、耐熱発泡性などの性能に関しては充分な効果を得られていない。さらに、作業性も充分とはいえない。
【0009】
さらに、特許文献1に開示されているポリマーの重量平均分子量は40万〜160万と大きいので、これを溶媒に溶解して塗布液を調製する際に固形分の量が多くなるとポリマー溶液の粘度が高くなりすぎる。タッチパネル用途、特に静電容量方式のタッチパネル用途においては、表面支持体とITOなどの導電性膜を接着するために厚膜の粘着剤層を形成する必要があるが、重量平均分子量が40万〜160万のアルコキシアルキルアクリレート系ポリマーを用いたのでは固形分含量が高い塗布液を調製することができないので、固形分含有量が低い塗布液を調製し、繰返し塗布する必要があり、一度の塗工で必要とされる厚さの粘着剤層を形成することが困難であるとの問題を有している。
【0010】
また、このような静電容量方式のタッチパネルでは、ITOなどで形成された電極に粘着テープが直接貼着される。このように貼着された粘着テープは硬化反応の進行に伴って収縮する性質があり、他方ITO電極はこのような収縮するとの性質を有していない。このためにITO電極と粘着テープとの積層体は、粘着テープの硬化反応の進行に伴ってカールするという現象が生ずる。特にこのようなカールは、粘着テープが硬質である場合に顕著に表れる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2010-77287号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、金属あるいは金属酸化物からなる導電膜を有するタッチパネル用の粘着剤において、耐熱性、耐湿熱安定性に優れ、金属あるいは金属酸化物に対する腐食性のない粘着テープ、および、これを用いたタッチパネル用積層体を提供することを目的としている。
【0013】
また、本発明はITOなどの電極に貼着した際に、ITOなどの電極にカールが発生しにくい粘着テープおよびこれを用いたタッチパネルを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の導電膜用粘着テープは、次に示す成分(a-1)〜(a-4)
(a-1)アルコキシアルキル(メタ)アクリレートおよび/またはアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート 50〜99.8重量%、
(a-2)水酸基含有モノマー 0.1〜10重量%、
(a-3)窒素含有モノマー 0.1〜5重量%および
(a-4)アルキル(メタ)アクリレート 0〜49.8重量%
を含むモノマーを共重合して得られる、酸性基を実質的に有しない重量平均分子量が5万以上40万未満であるアクリル系ポリマー(A)と、
イソシアネート化合物(B)とから得られるゲル分率が0〜30重量%の範囲内にある粘着剤によって形成された粘着剤層を有する粘着テープであり、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に粘着剤を乾燥厚さで25μmの厚さで塗布し10mm幅に裁断した短冊状試験片を、ガラス基板の表面に接着面積が10mm×10mmになるように貼着して短冊状試験片のガラス基板と接着していない端部に800gの加重を付与して20分後に測定したときのガラス基板に対する該短冊状試験片のずれ幅である微小クリープ試験の値が7mm〜9mmの範囲内にあることを特徴としている。
【0015】
すなわち、本発明は微小クリープ試験により表される粘着テープの微小クリープ試験の値が7〜9mmになるように柔らかく形成する。このように粘着テープを軟質にすることにより、ITO等の電極と貼着した際に粘着テープと電極との間に発生する内部応力をこの軟質の粘着テープで吸収することができる。従って、本発明の粘着テープを用いてITO等の電極を貼着することにより、ITO等の電極を貼着した積層体に発生するカールを低減することができる。
【0016】
さらに本発明のタッチパネル用積層体は、
次に示す成分(a-1)〜(a-4)
(a-1)アルコキシアルキル(メタ)アクリレートおよび/またはアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート 50〜99.8重量%、
(a-2)水酸基含有モノマー 0.1〜10重量%、
(a-3)窒素含有モノマー 0.1〜5重量%および
(a-4)アルキル(メタ)アクリレート 0〜49.8重量%
を含むモノマーを共重合して得られる、酸性基を実質的に有しない重量平均分子量が5万以上40万未満であるアクリル系ポリマー(A)と、
イソシアネート化合物(B)とから得られるゲル分率が0〜30重量%の範囲内にある粘着剤によって形成された粘着剤層を有する粘着テープであり、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に粘着剤を乾燥厚さで25μmの厚さで塗布し10mm幅に裁断した短冊状試験片を、ガラス基板の表面に接着面積が10mm×10mmになるように貼着して短冊状試験片のガラス基板と接着していない端部に800gの加重を付与して20分後に測定したときのガラス基板に対する該短冊状試験片のずれ幅である微小クリープ試験の値が7mm〜9mmの範囲内にある導電膜用粘着テープと透明電極層とが積層されてなることを特徴としている。
【0017】
本発明の導電膜用粘着テープおよびタッチパネル用積層体においては、アクリル系ポリマー(A)のガラス転移温度(Tg)が通常は−70℃〜0℃の範囲内にある。
また、本発明の導電膜用粘着テープおよびタッチパネル用積層体においては、粘着テープは、通常は、金属あるいは金属酸化物と直接接触する静電容量方式のタッチパネル用の粘着テープである。
【0018】
さらに、本発明の導電膜用緒粘着テープおよびタッチパネル用積層体においては、粘着テープの平均厚さは、乾燥厚さで通常は、10〜1000μmの範囲内にある。
またさらに、本発明の導電膜用粘着テープおよびタッチパネル用積層体においては、粘着テープは、両面粘着テープであって、この両面粘着テープは厚さ方向の中央近傍に支持体を有しない。
【発明の効果】
【0019】
本発明の導電膜用粘着テープは、実質的に酸成分を含有していないので、銀、ITO、ATO、酸化錫などの金属あるいは金属酸化物からなる配線の腐食による劣化を有効に抑えることができる。
【0020】
さらに、本発明の導電膜用粘着テープでは、使用する粘着剤の重量平均分子量(Mw)が5万以上40未満であるので、溶媒中に固形分を高濃度に保つことができ、一回の塗工工程で充分な厚塗りをすることができる。
【0021】
本発明においては、アクリル系ポリマーの官能基にイソシアネート系架橋剤によって好適量の架橋構造が形成されるので、本発明の導電膜用粘着テープは、耐熱性、耐湿熱安定性に優れており、また非常に良好な段差追従性を有する。
【0022】
従って、本発明の導電膜用粘着テープ、および、この粘着テープを用いたタッチパネル用積層体は、ITO、ATO、酸化錫などの金属あるいは金属酸化物からなる透明導電膜に対する腐食がおこりにくく透明導電膜の電気的特性の変動が少ないと共に、白化、発泡も発生しにくい。
【0023】
特に本発明の導電膜用粘着テープは微小クリープ試験で表される粘着剤が軟質であり、粘着テープの硬化反応により寸法変化が生じたとしても、この寸法変化により生ずる内部応力を、この粘着テープが吸収するので、本発明のタッチパネル用積層体では反り変形が発生しにくい。従って、微細化される電極を確実に連結することでき、電気的接続を確実に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、本発明のタッチパネル用積層体を組み込んだ抵抗膜方式のタッチパネルにおけるタッチパネルユニットの例を模式的に示す断面図である。
図2図2は、本発明のタッチパネル用積層体を組み込んだ静電容量方式のタッチパネルにおけるタッチパネルユニットの例を模式的に示す断面図である。
図3図3は、静電容量方式のタッチパネルにおける端部の構成の例を模式的に示す断面図である、
図4図4は、タッチパネルの端部に形成された額縁印刷部分への粘着テープの粘着状態を模式的に示す断面図である。
図5図5は、タッチパネル用積層体に生ずる発泡の状態を説明するための断面図である。
図6図6は、タッチパネル用積層体に生ずる白化現象の発生を説明するための断面図である。
図7図7は、微小クリープ試験の測定方法を説明する図である。
図8図8は、ITO電極と粘着テープとの積層体のカール(反り量)の測定方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
次に本発明の導電膜用粘着テープおよびタッチパネル用積層体について具体的に説明する。
本発明の導電膜用粘着テープを形成する粘着剤は、アクリル系ポリマー(A)とイソシアネート系架橋剤(B)とからなる。
【0026】
本発明において、アクリル系ポリマー(A)は、次に示す成分(a-1)〜(a-4)
(a-1)アルコキシ(メタ)アクリレートおよび/またはアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートと、
(a-2)水酸基含有モノマーと、
(a-3)窒素含有モノマーと、必要により
(a-4) )アルキル(メタ)アクリレートを共重合させて得られるポリマーである。
【0027】
ここで使用されるアクリル系ポリマー(A)を構成する(a-1)アルコキシ(メタ)アクリレートおよびまたはアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートの例としては、2-メトキシメチル(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシエチルアクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、3-メトキシプロピル(メタ)アクリレート、3-エトキシプロピル(メタ)アクリレート、4-メトキシブチル(メタ)アクリレート、4-エトキシブチル(メタ)アクリレートを挙げることができ、これらの(a-1)アルコキシアルキル(メタ)アクリレートおよびアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートの中でも2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレートを使用することが好ましく、これらは単独であるいは組合わせて使用することができる。
【0028】
本発明のアクリル系ポリマー(A)において、上記の(a-1)アルコキシアルキル(メタ)アクリレートは、アクリル系ポリマー(A)全体量100重量%中に、50〜99.8重量%、好ましくは50〜99.3重量%、より好ましくは50〜98.6重量%の量で共重合している。(a-1)アルコキシアルキル(メタ)アクリレートあるいはアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートが99.8重量%よりも多いと、必然的に架橋性官能基を有するモノマーの使用量が少なくなり充分な架橋密度を達成できない。また、50重量%よりも少ないと本発明の粘着剤の耐白化性が低下する。
【0029】
上記(a-1)アルコキシアルキル(メタ)アクリレートおよび/またはアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートと共重合してアクリル系ポリマー(A)を形成する(a-2)水酸基含有モノマーは、架橋性官能基として水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物である。このような水酸基含有モノマーの例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロシキブチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8-ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレートを挙げることができる。上記のような水酸基含有モノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロシキブチル(メタ)アクリレートが好ましく、これらの水酸基含有モノマーは単独であるいは組合わせて使用することができる。
【0030】
本発明のアクリル系ポリマーにおいて、上記の(a-2)水酸基含有モノマーはアクリル系ポリマー(A)100重量%中に、0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜9重量%、より好ましくは1〜8重量%の量で共重合している。(a-2)水酸基含有モノマーが10重量%よりも多いと、架橋密度が高くなり本発明の粘着剤が軟質構造を保てなくなる。また、0.1重量%よりも少ないと有効に架橋構造を形成することができず、耐水性が低下すると共に、架橋シートに必要な強度が発現せず、微小クリープ試験の結果ズレ量が大きくなりすぎる。
【0031】
本発明において上記(a-1)アルコキシアルキル(メタ)アクリレートおよび(a-2)水酸基含有モノマーおよび/またはアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートと共重合してアクリル系ポリマー(A)を形成する(a-3)窒素含有モノマーの例としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有モノマー、
(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−ヘキシル(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有モノマー、
ビニルピロリドン、アクリロイルモルホリン、ビニルカプロラクタム等の窒素系複素環含有モノマー、
シアノ(メタ)アクリレート等のシアノ基含有モノマー
マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系モノマー等のマレイミド基含有モノマーを挙げることができる。
【0032】
本発明のアクリル系ポリマー(A)において、上記の(a-3)窒素含有モノマーはアクリル系ポリマー(A)100重量%中に、0.1〜5重量%、好ましくは0.2〜4.8重量%、より好ましくは0.4〜4.5重量%の量で共重合している。(a-3)窒素含有モノマーが5重量%よりも多いと、架橋密度が高くなり本発明の粘着剤が軟質構造を保てなくなる。また、0.1重量%よりも少ないと有効に架橋構造を形成することができず、耐水性が低下すると共に、架橋シートに必要な強度が発現せず、微小クリープ試験の結果ズレ量が大きくなりすぎる。また、粘着テープに必要な強度が発現しないので、ITO等の電極と粘着テープとの積層体に発生するカール変形(反り変形)が大きくなる。
【0033】
さらに、本発明のアクリル系ポリマー(A)は、上記(a-1)アルコキシアルキル(メタ)アクリレートおよび/またはアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、(a-2)水酸基含有モノマーおよび(a-3)窒素含有モノマーの他に、(a-4) アルキル(メタ)アクリレートが共重合していてもよい。
【0034】
ここで、アクリル系ポリマーを形成する(a-4)アルキル(メタ)アクリレートの例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、iso-プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、iso-ブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデカ(メタ)アクリレートおよびジデカ(メタ)アクリレートを挙げることができる。これらの(メタ)アクリレートは単独であるいは組み合わせて使用することができる。これらの中でも、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、iso-ブチル(メタ)アクリレートを使用することが好ましい。
【0035】
本発明のアクリル系ポリマーにおいて、上記の(a-4)アルキル(メタ)アクリレートはアクリル系ポリマー(A)100重量%中に、0〜49.8重量%、好ましくは0〜49.3重量%、より好ましくは0〜48.6重量%の量で共重合している。(a-4)アルキル(メタ)アクリレートが48.9重量%よりも多いと、主モノマーとして(a-1)アルコキシアルキル(メタ)アクリレートおよび/またはアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートを共重合させた作用効果が滅失してしまう。
【0036】
本発明の導電膜用粘着テープを形成するアクリル系ポリマー(A)は、次に示す成分(a-1)〜(a-4)
(a-1)アルコキシアルキル(メタ)アクリレートおよび/またはアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートと、
(a-2)水酸基含有モノマーと、
(a-3)窒素含有モノマーと、必要により
(a-4)アルキル(メタ)アクリレートを所定量共重合して得られるポリマーであるが、このアクリル系ポリマー(A)の特性を損なわない範囲内で他のモノマーが共重合していてもよい。
【0037】
ここで共重合可能な他のモノマーの例としては、酢酸ビニル;(メタ)アクリロニトリル;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート;スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、へキシルスチレン、ヘプチルスチレンおよびオクチルスチレンなどのアルキルスチレン、フロロスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ヨウ化スチレン、ニトロスチレン、アセチルスチレンおよびメトキシスチレン等のスチレン系単量体;グリシジル(メタ)アクリレート等を本願の作用効果を損なわない範囲、好ましくは0〜5重量%で使用することができる。
【0038】
本発明で使用するアクリル系ポリマー(A)は、酸性基を実質的に有しない。ここで酸性基を実質的に有していないとは、共重合に際して作為的に酸性基を有するモノマーを配合しないことを意味し、得られるポリマーの酸価で表すと通常は0.5mgKOH/g以下である。ここで酸性基を有するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等のカルボキシル基を有するモノマー、リン酸基を有するモノマー、硫酸基を有するモノマーなどを挙げることができる。本発明においてアクリル系ポリマー(A)には、上記のような酸性基含有モノマーは共重合していない。このように酸性基含有モノマーを共重合させていないので、本発明のアクリル系ポリマー(A)は、金属あるいは金属酸化物からなる配線と直接接触してもこれらを腐食することがなく、本発明の粘着テープを形成する粘着剤に配線が接触しても、その配線の抵抗値を長期間にわたって変動させないとする特性を賦与することができる。
【0039】
さらに、本発明で使用するアクリル系ポリマー(A)は、重量平均分子量が5万以上40万未満、好ましくは20万〜38万の範囲内にある。このような重量平均分子量(Mw)を有するアクリル系ポリマー(A)を使用することにより、ヘイズの変動が少なく、対ガラス発泡性が良好であるどの耐湿熱安定性に優れ、段差追従性に優れ、また積層体にカールが発生しにくくなるとの効果を奏する。
【0040】
本発明において、上記のようなアクリル系ポリマー(A)を製造するに際しては得られるアクリル系ポリマーのFoxの式により求めたガラス転移温度(Tg)は、通常は−70℃〜0℃、好ましくは−70℃〜−30℃の範囲内になるようにモノマーを選択する。このようなガラス転移温度(Tg)を有するアクリル系ポリマー(A)を用いることにより常温で優れた接着強度を有する粘着剤を得ることができる。
【0041】
なお、本発明の粘着テープを形成する粘着剤には、水素結合性官能基を有し、酸性基を実質的に有しない重量平均分子量が10万未満の低分子量(メタ)アクリル系ポリマーが含有されていてもよい。
【0042】
本発明で使用することができる低分子量(メタ)アクリル系ポリマーは、通常は、水素結合性官能基含有モノマーと他のモノマーとの共重合体である。
この低分子量(メタ)アクリル系ポリマーを形成する水素結合性官能基含有モノマーとしては、通常は前掲の窒素含有モノマー(a-3)を用いる。
【0043】
また、ここで使用される他のモノマーの例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、iso-プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、iso-ブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデカ(メタ)アクリレート、ジデカ(メタ)アクリレートなどのような脂肪族(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどのような脂環属(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート;さらには、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、へキシルスチレン、ヘプチルスチレンおよびオクチルスチレンなどのアルキルスチレン、フロロスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ヨウ化スチレン、ニトロスチレン、アセチルスチレンおよびメトキシスチレン等のスチレン系単量体;グリシジル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、アクリロニトリルなどを挙げることができる。本発明ではメチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどを好ましく使用することができる。これらのモノマーは単独であるいは組合わせて使用することができる。
【0044】
本発明で使用することができる低分子量(メタ)アクリル系ポリマーにおいては、水素結合性官能基含有モノマーと他のモノマーとは通常は0.1〜20:99.9〜80の重量比、好ましくは0.5〜15;99.5〜85の重量比で共重合されている。
【0045】
本発明で使用する低分子量(メタ)アクリル系ポリマーは、重量平均分子量(Mw)が10万未満、好ましくは5000以上5万未満の範囲内にある。このような重量平均分子量(Mw)を有する低分子量(メタ)アクリル系ポリマーは、上述のアクリル系ポリマー(A)と共に使用すると、擬似的な架橋剤のように作用して良好な凝集力と段差追従性が発現する。
【0046】
なお、本発明で使用することができる低分子量(メタ)アクリル系ポリマーもまた、酸性基を実質的に有しない。ここで酸性基を実質的に有していないとは、前掲のアクリル系モノマー(A)におけるのと同義である。このように本発明で使用する低分子量(メタ)アクリル系ポリマーには、酸性基含有モノマーは共重合していないので、本発明の低分子量(メタ)アクリル系ポリマーは、金属あるいは金属酸化物からなる配線と直接接触してもこれらを腐食することがなく、本発明の粘着剤に、配線の抵抗値を長期間にわたって変動させないとする特性を賦与することができる。
【0047】
本発明において、上記のような低分子量(メタ)アクリル系ポリマーを製造するに際しては得られる低分子量(メタ)アクリル系ポリマーのFoxの式により求めたガラス転移温度(Tg)は、通常は50℃〜110℃、好ましくは60℃〜100℃の範囲内になるようにモノマーを選択する。このようなガラス転移温度(Tg)を有する低分子量(メタ)アクリル系ポリマーを用いることにより常温で優れた接着強度を有する粘着剤を得ることができる。
【0048】
なお、本発明の導電膜用粘着剤は、上記アクリル系ポリマー(A)と低分子量(メタ)アクリル系ポリマーとを用いる場合、この粘着剤において、アクリル系ポリマー(A)の重量平均分子量は、低分子量(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量よりも常に大きいとの関係を有しておりアクリル系ポリマー(A)の重量平均分子量と、低分子量(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量との差が8万〜39万の範囲内になるように、アクリル系ポリマー(A)および低分子量(メタ)アクリル系ポリマーを選定することが好ましい。
【0049】
上記のアクリル系ポリマー(A)および低分子量(メタ)アクリル系ポリマーは、公知の方法により製造することができるが、溶液重合により製造することが好ましい。溶液重合においては、重合溶媒として、例えば酢酸エチル、メチルエチルケトン、トルエン、アセトンなどを使用することができる。具体的には反応容器内に重合溶媒、モノマーを仕込み、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下で重合開始剤を添加し、反応温度50〜90℃程度に加熱し、4〜20時間反応させる。
【0050】
溶液重合に用いる反応開始剤としては、アゾ系開始剤、過酸化物系開始剤を挙げることができる。これらの反応開始剤は、モノマー100重量部に対して、通常は0.01〜5重量部の範囲内の量で使用される。また、上記重合反応中に、重合開始剤、連鎖移動剤、などを適宜追加添加してもよい。
【0051】
上記のような条件において、重量平均分子量は、公知技術に従って、分子量調整剤を使用して調製することもできるし、使用する溶媒の種類、重合開始剤の種類および量、反応時間、反応温度などの反応条件を調製することにより調節することもできる。
【0052】
本発明の粘着テープを形成する粘着剤は、さらにイソシアネート系架橋剤(B)を含有している。
本発明で使用するイソシアネート系架橋剤(B)の例としては、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、クロルフェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添されたジフェニルメタンジイソシアネートなどの分子中に二個以上のイソシアネート基を有する化合物:それらをトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの多価アルコールと付加反応させた化合物やイソシアヌレート化合物、ビュレット型化合物、さらには公知のポリエーテルポリオールあるいはポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンなどと付加反応させたウレタンプレポリマー型の分子内に二個以上のイソシアネート基を有する化合物を挙げることができる。
【0053】
これらの中でも、被着体への馴染み性を向上させ貼り合わせ時の泡の巻き込みを低減することができ、高温でのアウトガスを抑制できる点でキシリレンジイソシアネートおよびそのトリメチロールプロパン付加体が好ましく、また、貼り付け面の段差追従性を向上させ、耐熱発泡性を良好にすることができる点でヘキサメチレンジイソシアネートおよびそのトリメチロールプロパン付加体、イソシアヌレート体誘導体が好ましい。
【0054】
このようなイソシアネート系架橋剤(B)は単独であるいは組合わせて使用することができる。
このようにイソシアネート系架橋剤(B)を配合することにより、粘着剤の凝集力が向上し、貼り付け時に僅かに気泡を巻き込んでも、この気泡の膨張を抑えることができる。
【0055】
本発明の粘着テープを構成する粘着剤は、上記アクリル系ポリマー(A)と、このアクリル系ポリマー(A)100重量部に対して、イソシアネート系架橋剤(B)を0.01〜3重量部、好ましくは0.03〜2重量部配合することにより得られる。このようにイソシアネート系架橋剤を使用することにより、微小クレープズレ量を本発明で規定する範囲内にすることができる。
【0056】
本発明の粘着テープを構成する粘着剤には、本発明の粘着剤の効果を損なわない範囲で、さらに酸化防止剤、光安定剤、金属腐食防止剤、粘着賦与剤、可塑剤、帯電防止剤、架橋促進剤、リワーク剤などを配合することもできる。
【0057】
このようにして得られた粘着剤は、公知の粘着剤と同様に、適当な濃度に希釈された後、塗工、乾燥することにより、各種部材の接着に用いることができる。本発明で用いるアクリル系ポリマー(A)、イソシアネート系架橋剤(B)を溶媒中に含有する塗布溶液は、アクリル系ポリマー(A)の重量平均分子量(Mw)が低いことから、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセトン、トルエンなどの溶剤を用いて不揮発分の濃度を所望の濃度に調整することができる。そのため、本発明の粘着テープを構成する粘着剤を用いることにより、塗工後の粘着剤の厚さを容易に所望の厚さにすることができる。特に本発明の粘着剤は、不揮発分含量の高い溶液を容易に調製することができ、例えば不揮発分を10〜70%、好ましくは20〜60%の範囲内で調整することが可能であるので、少ない塗布回数で所望の厚さの粘着剤層を形成することができる。また、このように不揮発分含量の高い溶液を用いることにより、塗工・乾燥後の塗膜のレベリング性が向上し、さらに乾燥時間も短縮され作業性が向上する。さらに揮発溶剤量が少ないので環境への負荷も小さくなる。
【0058】
このような特性を利用して、本発明の導電膜用粘着テープは、上記粘着剤を乾燥厚さで10〜1000μmの範囲内の厚さ、好ましくは25〜500μmの範囲内の厚さに塗布し、溶剤を除去した後、養生することにより得られる。
【0059】
この導電膜用粘着剤シートは、通常は不揮発分が10〜70%、好ましくは20〜60%に調整された粘着剤の塗布液を、表面が剥離処理された支持体(例:剥離処理PET等)の表面に乾燥厚が10〜1000μmの範囲内の厚さ、好ましくは25〜500μmの範囲内の厚さになるように塗布し、溶媒を除去した後、形成された粘着層の表面に、表面が剥離処理されたカバーフィルムを貼着して通常は0〜50℃の温度で1日〜10日養生することにより得られる。本発明の導電膜用粘着テープは、上記のように剥離加工した支持体(1)上に塗布液を塗布し、溶媒を除去した後、塗布面に別の支持体(2)を載置して養生することにより製造することができる。このように支持体(1)の一方の表面に塗布液を塗布し、溶媒除去後、塗布面に支持体(2)を載置して養生することにより本発明の導電膜用粘着テープは製造されているので、この導電膜用粘着テープの内部近傍には支持体は含有されておらず、支持体なしの両面接着性粘着テープである。ただし、本発明の導電膜用粘着テープは、支持体の両面に粘着剤層を形成した三層型の粘着テープであってもよい。
【0060】
このようにして得られた導電膜用粘着テープの粘着剤層のゲル分率は、通常は0〜30%、好ましくは0〜25%の範囲内にあり、比較的低い値を示す。すなわち、本発明では使用するイソシアネート系架橋剤の量が少ないので、数分子間で架橋構造が形成されることはあるが、このように架橋構造に関与するポリマー分子の数が少ない場合、架橋物は溶媒に溶解してゲル分率として測定されないことがあり、本発明においてはイソシアネート系の架橋剤を使用しているにも拘わらず、ゲル分率が0重量%になることがある。このように本発明の粘着テープを構成する粘着剤は、少量のイソシアネート系架橋剤(B)を使用しているので、軟質な粘着剤を形成することができる。
【0061】
本発明の粘着テープを構成する粘着剤は軟質であり、以下に示す微小クリープ試験により求められる値が7〜9mmの範囲内にある。
この微小クリープ試験は、図7に示すように、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの一方の面に粘着剤を乾燥厚さで25μmの厚さで塗布し10mm幅に裁断した短冊状試験片を用いて測定される。この微小クリープ試験において被着体はガラス基板であり、このガラス基板の表面に接着面積が10mm×10mmになるように上記短冊状試験片を貼着する。こうして貼着された短冊状試験片のガラス基板と接着していない端部に800gの加重を23℃、20分間付与し続ける。そして、20分経過後における短冊状試験片とガラス基板とのズレ幅が微小クリープ試験の値である。
【0062】
接着剤が硬質であるほどこの微小クリープ試験の値は小さくなり、また、必要な架橋構造が形成されていないなど、粘着剤が軟質過ぎると短冊状試験片がガラス基板から落下してしまう。本発明ではこの微小クリープ試験により求められる値が7〜9mmの範囲内にあり、粘着剤が軟質ではあるけれども必要な強度を有している。このためにITO等の電極に貼着した際に、電極に良好に接着すると共に、粘着テープ基材等に寸法変化が生じたとしてもこの寸法変化を粘着テープ内で吸収することができ電極と粘着テープとを含む積層体に反り変形(カール)が発生しにくいとの特性を有するようになる。さらに、粘着剤について測定した粘着剤の微小クリープ試験の結果が上記のような値を示し、粘着剤が軟質であるので、タッチパネルの縁部に形成される額縁印刷部に対する形態追従性が非常に優れており、額縁印刷部に気泡が発生することがないとの作用効果も奏する。
【0063】
このように本発明の粘着テープは粘着剤が上述のように軟質であるものの、基本的には本発明の粘着剤は、(a-1)アルコキシアルキル(メタ)アクリレートおよび/またはアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、(a-2)水酸基含有モノマー、(a-3)窒素含有モノマーおよび必要により(a-4)アルキル(メタ)アクリレートを含むモノマーを共重合して得られる、酸性基を実質的に有しない重量平均分子量が5万以上40万未満であるアクリル系ポリマー(A)と、イソシアネート化合物(B)とから形成されており、ヘイズ変化、対ガラス発泡、ITOなどの電極抵抗値変化等は上記のアクリル系ポリマー(A)とイソシアネート化合物(B)とによって良好な特性が確保されている。
【0064】
このようにして得られた粘着テープは、各種部材に対して貼着することができるが、特に異種部材を貼り合わせるタッチパネル用積層体の貼着に好適である。
図1および図2に示すように、タッチパネルユニットには、抵抗膜方式タッチパネルのユニット(図1参照)と、静電容量方式タッチパネルのユニット(図2参照)がある。
【0065】
図1に抵抗膜方式タッチパネルユニット10-1の例を示す。
図1に示されるように、抵抗膜方式のタッチパネルユニット10-1は、貼り合わせ剤30によって間隙34が形成されるように上部積層体11-1と下部積層体13-1とを貼り合わせることにより形成されており、間隙34内には有効に間隙幅を確保するためにスペーサー32が配置されている。
【0066】
上部積層体11-1には、間隙34に面して金属あるいは金属酸化物からなる透明導電膜27-1が配置されている。この透明導電膜27-1は、ITO(インジウムチンオキサイド)、ATO(アンチモンチンオキサイド)酸化錫などの透明性を有する導電材料で形成されており、通常は図1に示すようにポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)あるいはガラスなどの透明部材からなる上部電極支持体25-1の表面に形成されている。
【0067】
上部積層体11-1の最表面には表面支持体21-1が配置されており、この表面支持体21-1は通常は透明性の高いガラスのような透明部材あるいは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、シクロオレフィンポリマー(COP)などの透明プラスチックフィルムまたはプラスチック板である。
【0068】
上記表面支持体21-1と上部電極支持体25-1とを接着するために、本発明の粘着剤からなる粘着剤層23-1が形成されている。
また、下部積層体13-1は、同様に間隙34に面して金属あるいは金属酸化物からなる透明導電膜27-2が形成されており、この透明導電膜27-2は、ITO、ATO,酸化錫などの透明性を有する導電材料で形成されており、通常は図1に示すようにポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などの透明フィルムあるいはガラスなどの透明部材からなる下部電極支持体25-2の表面に形成されている。
【0069】
下部積層体13-1の最深部にはフラットパネルディスプレイ(FPD)の表面と対面するように深部の表面支持体21-2が形成されており、この深部の表面支持体21-2はガラスのような透明部材あるいは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、シクロポリオレフィンポリマー(COP)などの透明プラスチックフィルム、プラスチック板などの透明性の高い部材から形成されている。
【0070】
下部積層体13-1において、深部の表面支持体21-2と下部電極支持体25-2とを接着するために、本発明の導電膜用粘着テープからなる粘着剤層23-2が形成されている。
また、貼り合わせ剤30として本発明の導電膜用粘着テープが使用されることもある。
【0071】
なお、上記透明導電膜27-1、27-2は、回路が形成されており、表面支持体21-1の上から指などで圧力を加えることにより、圧力が加わった部分の間隙34が消滅して透明導電膜27-1、27-2が接触して通電し、加圧部分を検知するように形成されている。
【0072】
抵抗膜方式のタッチパネルユニット10-1において、表面支持体21-1の厚さは通常は25〜2000μmであり、上部透明電極膜27-1の厚さは通常10〜100nmであり、上部電極支持体25-1の厚さは通常は25〜2000μmである。これらを積層する粘着剤層23-1の厚さは上述の通り、10〜1000μmの範囲内、好ましくは25〜500μmの範囲内にある。
【0073】
同様に抵抗膜方式のタッチパネルユニットにおいて、深部の支持体21-2の厚さは通常は25〜2000μmであり、下部透明電極膜27-2の厚さは通常10〜100nmであり、上部電極支持体25-2の厚さは通常は25〜2000μmである。これらを積層する粘着剤層23-2の厚さは上述の通り、10〜1000μmの範囲内、好ましくは25〜500μmの範囲内にある。
【0074】
また、抵抗膜方式のタッチパネルユニット10-1において、中央に形成されている間隙の幅は、通常は1〜2000μmの範囲内にある。
他方、静電容量方式のタッチパネルユニット10-2は、一般にはガラス、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリメチルメタクリレートなどの透明性の高い部材からなる中央支持体60を挟んで上部積層体15-1と下部積層体15-2とを配置された構造を有していることが多い。
【0075】
静電容量方式のタッチパネル10-2における上部積層体15-1では、中央支持体60に接触して透明導電膜57-1が配置されており、最表面は、カバーガラスあるいはポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、シクロポリオレフィンポリマー(COP)等の光透過性部材からなる表面支持体51-1が配置されている。この透明導電膜57-1と表面支持体51-1とを接着するように本発明の粘着テープからなる粘着剤層53-1が配置されており、この粘着剤層53-1は、透明導電膜57-1と直接接触している。
【0076】
一方、静電容量方式のタッチパネルユニット10-2における上部積層体15-2では、中央支持体60に接触して透明導電膜57-2が配置されており、最深部には、カバーガラスあるいはポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、シクロポリオレフィンポリマー(COP)等の光透過性部材からなる表面支持体51-2が配置されている。この透明導電膜57-2と最深部の表面支持体51-2とを接着するように本発明の粘着テープからなる粘着剤層53-2が配置されており、この粘着剤層53-2は、透明導電膜57-2と直接接触している。
【0077】
静電容量方式のタッチパネルユニット10-2において、最深部の表面支持体51-2は、フラットパネルディスプレイと対面するように配置される。
上記静電容量方式のタッチパネルユニット10-2において、上部積層体51-1の厚さは通常は175〜3000μm、上部透明電極膜57-1の厚さは通常は10〜100nmであり、両者を接着する粘着剤層53-1の厚さは上述のように10〜1000μmである。また下部積層体15-2において、下部透明電極膜57-2の厚さは通常は10〜100nmであり、最深部の表面支持体51-2の厚さは通常は25〜2000μmであり、両者を接着する粘着剤層の厚さは上述のように10〜1000μmである。また、上記上部積層体15-1と下部積層体15-2の間にある中央支持体60の厚さは、通常は25〜2000μmの範囲内にある。
【0078】
なお、上部電極膜51-1および下部電極膜51-2は、回路を形成している。また、図2に示す静電容量方式のタッチパネルユニット10-2においては、上部電極膜10-2をX軸方向およびY軸方向にそれぞれ独立に設けられた二系列の回路とすることにより、下部積層体15-2を省略することもできる。
【0079】
静電容量方式のタッチパネルにおいては、タッチパネルユニット10-2の表面に指が接触することによる接触部分の静電容量の変化を読み取って接触位置を検知する。
上記のようなタッチパネルユニットには、例えば図2にAで示す縁部の表面支持体51-1の粘着剤と接触する面に額縁印刷が施される。この額縁印刷部分を図3に拡大して示す。図3において額縁印刷部分は付番62で示されている。この額縁印刷部分62の厚さ(t0)は通常10〜50μmであり、その断面はほぼ矩形に形成されている。粘着剤層53-1は、上述した本発明の粘着テープを表面支持体51-1に貼着することにより形成されるので、粘着テープに形成された粘着剤層が硬質で形態追従性に乏しいと、図4(イ)に示すように額縁印刷部分62の端部であって表面支持体51-1との間に粘着剤層53-1が表面支持体51-1および額縁印刷部分62の縁部のいずれにも接触していない空隙64が形成されてしまう。この部分は本来は図4(ロ)に示すように空隙64を形成せずに表面支持体51-1および額縁印刷部分62の縁部に粘着剤層53-1が密着しなければならない。
【0080】
しかしながら、従来のように重量平均分子量が40万〜160万の粘着剤をベースにした粘着剤においては、こうした非常に微細な形態の変化に粘着剤層の形状が変化しきれずに、空隙64が形成されてしまうのである。
【0081】
表面支持体、粘着剤層および(支持体を有することもある)透明電極膜が積層された本発明のタッチパネル用積層体を構成する粘着剤層53-1は、上述のように特定の組成を有し、重量平均分子量(Mw)が5万以上40万未満のアクリル系ポリマー(A)をイソシアネート系架橋剤(B)で架橋することにより、非常に優れた形態追従性を有しており、額縁印刷部分62の周辺に空隙64が形成されることがない。
【0082】
なお、本発明のタッチパネル用積層体が、図5に示すように支持体51-2としてポリカーボネート(PC)のようにアウトガスの発生し易い部材を用いた場合、例えば耐熱試験条件80℃の条件で試験を行うと支持体からのアウトガスが発生して支持体と粘着剤層との間に気泡66を生じさせることがある。また、アウトガスが発生しない支持体を用いたとしても、支持体と粘着剤層との接着の際に泡68を巻き込むことがあり、温度変化によってこの気泡が成長すれば発泡原因となる。本発明の粘着シートを形成する粘着剤は、特定の組成を有し、重量平均分子量(Mw)が5万以上40万未満のアクリル系ポリマー(A)をイソシアネート系架橋剤(B)で架橋しているので、非常に高い凝集力を有しており、上記のようなアウトガスによる発泡および巻き込み気泡の成長による発泡を高い凝集力によって抑え込むことができる。従って、本発明のタッチパネル用積層体では、上記のような発泡は殆ど観察されないようにすることができる。ただし、アウターガスの発生し易いポリカーボネート(PC)を用いる場合には、ポリカーボネート(PC)からのアウターガスによる発泡を防止できないことがあるので、本発明では粘着テープと接触する透明基板としてガラス基板を用いる場合に特に適している。
【0083】
また、タッチパネル用積層体では、耐久試験条件(60℃、90%)に部材を放置すると、図6に示すように、支持体側及び端部から水分が浸入することがある。温度が高い条件では、この浸入した水分が析出することはないが、温度が下がると浸入した水分が析出し、目に見える大きさの液滴を形成することで、タッチパネル用積層体が白化し、ヘイズ値が上昇する。本発明のタッチパネル用積層体を形成する粘着剤層は、特定の組成を有することにより支持体層や端部から水分が浸入しても、水分が高い凝集力を有する粘着剤層中に分散され、目に見える大きさの液滴を形成しないため、白化現象によるヘイズ値の上昇が極めて発生しにくい。
【0084】
さらに、本発明の粘着テープを形成する粘着剤には酸性基が実質的に含有されていないので、金属あるいは金属酸化物からなる透明導電膜にこの粘着剤が直接接触したとしても、透明電極膜の抵抗値の変化は最大でも10%程度であり、この変化量はタッチパネルを駆動させる上では全く問題にならない量である。
【0085】
特に本発明の導電膜用粘着テープを構成する粘着剤が軟質であるので、ITOなどの電極とこの導電膜用粘着テープとの積層体を形成したときに、導電膜用粘着テープが硬化する際の寸法変化によって発生する内部応力を導電膜用粘着テープ自身が吸収するので、電極と粘着テープとの積層体に反り変形(カール)が発生しにくいとの特性を有している。
【0086】
なお、本発明において、電極と導電膜用粘着テープとの積層体のカールは、図8に示す方法により測定した値を基にして評価したものである。
上記のように本発明のタッチパネル用積層体は、粘着テープを構成する粘着剤として特定の組成を有する重量平均分子量5万以上40万未満の主アルキル系ポリマー(A)と、イソシアネート系架橋剤(B)とを有する粘着テープを用いて支持体と透明導電性膜とを粘着しており、優れた形態追従性を有しており、縁部に形成された額縁印刷部分に空隙が形成されることなく、また、巻き込みによる発泡を抑えることができ、さらに水分を析出させないので粘着剤層が白化してヘイズ値が上昇することもない。
【実施例】
【0087】
次に本発明の実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが本発明はこれらによって限定されるものではない。
以下に示す方法により、粘着剤の重量平均分子量、ゲル分率、不揮発分、湿熱白化性、耐熱発泡性、ITO腐食性、塗工性、作業性、段差追従性、接着強度を測定した。
〔測定方法〕
<分子量>
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用いて、標準ポリスチレン換算による重量平均分子量(Mw)を求めた。
測定条件
装置:HLC-8120GPC(東ソー(株)製)
カラム:TSK-GEL HXL-H(ガードカラム、東ソー(株)製)
TSK-GEL 7000HXL(東ソー(株)製)
TSK-GEL GMHXL(東ソー(株)製)
TSK-GEL GMHXL(東ソー(株)製)
TSK-GEL G2500HXL(東ソー(株)製)
サンプル濃度:1.0mg/cm3となるようにテトラヒドロフランで希釈
移動相溶媒:テトラヒドロフラン
流速:1.0cm3/min
カラム温度:40℃
<ゲル分率>
23℃で7日間熟成後の粘着剤約0.1gをサンプリング瓶に採取し、酢酸エチル30ccを加えて4時間振盪した後、このサンプル瓶の内容物を200メッシュのステンレス製金網で濾過し、金網上の残留物を100℃で2時間乾燥して乾燥重量を測定し、次式により求めた。
【0088】
【数1】
<ヘイズ>
得られた粘着テープの片面の剥離シートを剥がして、厚み38μmポリエチレンテレフタレートフィルムを貼り合わせ、50mm×50mmのサイズに裁断した。次いで、もう一方の剥離フィルムを剥がして、厚み2mmPC板に貼り合わせ、50℃、5atmのオートクレーブで20分間処理した後、1時間静置して試験片を作成した。
【0089】
作成した試験片の耐久試験前のヘイズを測定した後、60℃、90%環境下、85℃、85%環境下にそれぞれ静置した。500時間経過後、試験片を取り出して、常温で1時間静置した後、ヘイズを測定し、耐久試験前のヘイズとの差を求めた。
【0090】
ヘイズの測定には、MH−150(村上色彩技術研究所(株)製)を用いた。
<発泡>
得られた粘着テープの片側の剥離シートを剥がし、ITOを蒸着した厚み38μmポリエチレンテレフタレートフィルムを貼り合わせて、50mm×50mmのサイズに裁断した。次いで、もう一方の剥離フィルムを剥がして、厚み2mmガラス基板に貼り合わせ、50℃、5atmのオートクレーブで20分間処理した後、1時間静置して試験片を作成した。
【0091】
作成した試験片の耐久試験用のヘイズを測定した後、60℃、90%環境下、85℃、dry環境下、85℃、85%環境下にそれぞれ静置した。500時間経過後の試験片を取り出し、常温下で1時間静置下後、目視で発泡の度合いを確認した。
評価の基準は以下の通りである
(評価) (内容)
○ :目視では粘着剤層に気泡は確認できない。
× :大きな気泡が確認できる。または、粘着剤層が基材または被着体から浮いている。
【0092】
<ITO抵抗変化率>
発泡試験において、予め発泡試験前の抵抗値を測定しておき、次いで85℃、85%環境下に500時間置かれた試験片の抵抗値を測定し、抵抗値の変化率を求めた。
【0093】
なお、抵抗値は、テスター(三和電気計器(株)製、デジタルマルチメーターPC510)を用いて測定した。
<段差追従性>
得られた導電膜用粘着テープの片面の剥離処理されたPETフィルムを剥がし、25μmPETフィルムを貼り合わせ、50mm×50mmに裁断して試験片を作成した。
【0094】
次いで、25mm×25mmに裁断したPETフィルムをガラス板上に置き、作成した試験片のもう一方の面の剥離処理されたPETフィルムを剥がし、ガラス板上のPETフィルムを、全面を覆うように貼り付け、80℃環境下に500時間静置した後、常温下に1時間静置し、段差部分の外観を目視によって観察した。
(評価) (内容)
○ :目視では貼りつけ段差部分に気泡は確認できない。
× :実用可能な程度であるが、貼りつけ段差部分に、目視ではっきりと気泡が確認できる。
【0095】
<微小クリープズレ量>
厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に粘着剤を乾燥厚さで25μmの厚さで塗布し10mm幅に裁断した短冊状試験片を調製した。この短冊状試験片の一方の端部を、ガラス基板の表面に接着面積が10mm×10mmになるように貼着した。次いで、短冊状試験片のガラス基板と接着していない端部に800gの加重を付与して23℃、20分後に測定したときのガラス基板に対する該短冊状試験片のずれ幅を測定して、微小クリープ試験の値とした。
【0096】
<ITOカール性>
ITO(電極)に粘着テープを貼着した積層体を70℃で3日間養生し、図8に示すように、ITO(電極)が上面になり、粘着テープが下面になるように基盤上に載置し、基盤面から積層体の上面までの距離(反り量・カール量)を測定した。この測定した値に基づいて以下の基準でITOカール性を評価した。
○ :基盤面から積層体上面までの距離が5mm以下である。
× :基盤面から積層体上面までの距離が5mmを超える。
【0097】
〔実施例1〕
攪拌機、環流冷却器、温度計および窒素導入管を備えた反応装置に、メトキシエチルアクリレート(MEA)55重量部、ブチルアクリレート(BA)36重量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA)7重量部、アクリルアミド(AM)2重量部および酢酸エチル(EtAc)100重量部、メチルエチルケトン(MEK)20重量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら70℃に昇温した。
【0098】
次いで、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2重量部を加え、窒素雰囲気下、70℃で5時間重合反応を行った。
反応終了後、酢酸エチル(EtAc)にて希釈し、固形分濃度30%に調整し、重量平均分子量35万のアクリル系ポリマー1(ポリマー1)を得た。得られたポリマー1についてFoxの式により求めたガラス転移温度(Tg)は、−48℃である。
【0099】
上記のようにして得られたポリマー1に、イソシアネート系硬化剤としてタケネートD−110N(三井化学(株)製)をポリマー1の固形分100重量部に対して0.1重量部の割合で添加して粘着剤組成物を得た(固形分含有率:30重量%)。
【0100】
得られた粘着剤組成物を剥離処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に乾燥厚さが50μmになるように塗工し、80℃で2分間乾燥させて溶媒を除去した後、もう一方の粘着剤表面に剥離処理されたPETフィルムを貼り合わせて23℃で7日間エイジングを行い、導電膜用粘着テープを得た。
【0101】
得られた導電膜用粘着テープを用いてゲル分率、ヘイズ変化、耐ガラス発泡、段差追従性、微小クリープズレ量、ITO抵抗変化率および対ITOカール性を測定した。結果を表1に併せて記載する。
【0102】
〔実施例2〕
攪拌機、環流冷却器、温度計および窒素導入管を備えた反応装置に、エトキシジエチレングリコールアクリレート(ECA)55重量部、ブチルアクリレート(BA)36重量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA)7重量部、アクリルアミド(AM)2重量部および酢酸エチル(EtAc)100重量部、メチルエチルケトン(MEK)20重量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら70℃に昇温した。
【0103】
次いで、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2重量部を加え、窒素雰囲気下、70℃で5時間重合反応を行った。
反応終了後、酢酸エチル(EtAc)にて希釈し、固形分濃度30%に調整し、重量平均分子量35万のアクリル系ポリマー2(ポリマー2)を得た。得られたポリマー2についてFoxの式により求めたガラス転移温度(Tg)は、−57℃である。
【0104】
上記のようにして得られたポリマー2に、イソシアネート系硬化剤としてタケネートD−110N(三井化学(株)製)をポリマー2の固形分100重量部に対して0.1重量部の割合で添加して粘着剤組成物を得た(固形分含有率:30重量%)。
【0105】
得られた粘着剤組成物を剥離処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に乾燥厚さが50μmになるように塗工し、80℃で2分間乾燥させて溶媒を除去した後、もう一方の粘着剤表面に剥離処理されたPETフィルムを貼り合わせて23℃で7日間エイジングを行い、導電膜用粘着テープを得た。
【0106】
得られた導電膜用粘着テープを用いてゲル分率、ヘイズ変化、耐ガラス発泡、段差追従性、微小クリープズレ量、ITO抵抗変化率および対ITOカール性を測定した。結果を表1に併せて記載する。
〔実施例3〕
攪拌機、環流冷却器、温度計および窒素導入管を備えた反応装置に、メトキシエチルアクリレート(MEA)55重量部、ブチルアクリレート(BA)36重量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA)7重量部、ジメチルアミノエチルアクリレート(DMAEA)2重量部および酢酸エチル(EtAc)100重量部、メチルエチルケトン(MEK)20重量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら70℃に昇温した。
【0107】
次いで、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2重量部を加え、窒素雰囲気下、70℃で5時間重合反応を行った。
反応終了後、酢酸エチル(EtAc)にて希釈し、固形分濃度30%に調整し、重量平均分子量35万のアクリル系ポリマー3(ポリマー3)を得た。得られたポリマー3についてFoxの式により求めたガラス転移温度(Tg)は、−48℃である。
【0108】
上記のようにして得られたポリマー3に、イソシアネート系硬化剤としてタケネートD−110N(三井化学(株)製)をポリマー3の固形分100重量部に対して0.1重量部の割合で添加して粘着剤組成物を得た(固形分含有率:30重量%)。
【0109】
得られた粘着剤組成物を剥離処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に乾燥厚さが50μmになるように塗工し、80℃で2分間乾燥させて溶媒を除去した後、もう一方の粘着剤表面に剥離処理されたPETフィルムを貼り合わせて23℃で7日間エイジングを行い、導電膜用粘着テープを得た。
【0110】
得られた導電膜用粘着テープを用いてゲル分率、ヘイズ変化、耐ガラス発泡、段差追従性、微小クリープズレ量、ITO抵抗変化率および対ITOカール性を測定した。結果を表1に併せて記載する。
【0111】
〔実施例4〕
攪拌機、環流冷却器、温度計および窒素導入管を備えた反応装置に、メトキシエチルアクリレート(MEA)55重量部、ブチルアクリレート(BA)36重量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA)7重量部、n-ビニルピロリドン(n-VP)2重量部および酢酸エチル(EtAc)100重量部、メチルエチルケトン(MEK)20重量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら70℃に昇温した。
【0112】
次いで、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2重量部を加え、窒素雰囲気下、70℃で5時間重合反応を行った。
反応終了後、酢酸エチル(EtAc)にて希釈し、固形分濃度30%に調整し、重量平均分子量35万のアクリル系ポリマー4(ポリマー4)を得た。得られたポリマー4についてFoxの式により求めたガラス転移温度(Tg)は、−48℃である。
【0113】
上記のようにして得られたポリマー4に、イソシアネート系硬化剤としてタケネートD−110N(三井化学(株)製)をポリマー4の固形分100重量部に対して0.1重量部の割合で添加して粘着剤組成物を得た(固形分含有率:30重量%)。
【0114】
得られた粘着剤組成物を剥離処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に乾燥厚さが50μmになるように塗工し、80℃で2分間乾燥させて溶媒を除去した後、もう一方の粘着剤表面に剥離処理されたPETフィルムを貼り合わせて23℃で7日間エイジングを行い、導電膜用粘着テープを得た。
【0115】
得られた導電膜用粘着テープを用いてゲル分率、ヘイズ変化、耐ガラス発泡、段差追従性、微小クリープズレ量、ITO抵抗変化率および対ITOカール性を測定した。結果を表1に併せて記載する。
【0116】
〔実施例5〕
攪拌機、環流冷却器、温度計および窒素導入管を備えた反応装置に、メトキシエチルアクリレート(MEA)55重量部、ブチルアクリレート(BA)36重量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA)7重量部、アクリロイルモルホリン(ACMO)2重量部および酢酸エチル(EtAc)100重量部、メチルエチルケトン(MEK)20重量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら70℃に昇温した。
【0117】
次いで、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2重量部を加え、窒素雰囲気下、70℃で5時間重合反応を行った。
反応終了後、酢酸エチル(EtAc)にて希釈し、固形分濃度30%に調整し、重量平均分子量35万のアクリル系ポリマー5(ポリマー5)を得た。得られたポリマー5についてFoxの式により求めたガラス転移温度(Tg)は、−48℃である。
【0118】
上記のようにして得られたポリマー5に、イソシアネート系硬化剤としてタケネートD−110N(三井化学(株)製)をポリマー5の固形分100重量部に対して0.1重量部の割合で添加して粘着剤組成物を得た(固形分含有率:30重量%)。
【0119】
得られた粘着剤組成物を剥離処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に乾燥厚さが50μmになるように塗工し、80℃で2分間乾燥させて溶媒を除去した後、もう一方の粘着剤表面に剥離処理されたPETフィルムを貼り合わせて23℃で7日間エイジングを行い、導電膜用粘着テープを得た。
【0120】
得られた粘導電膜用着テープを用いてゲル分率、ヘイズ変化、耐ガラス発泡、段差追従性、微小クリープズレ量、ITO抵抗変化率および対ITOカール性を測定した。結果を表1に併せて記載する。
【0121】
〔実施例6〕
攪拌機、環流冷却器、温度計および窒素導入管を備えた反応装置に、メトキシエチルアクリレート(MEA)91重量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA)7重量部、アクリルアミド(AM)2重量部および酢酸エチル(EtAc)100重量部、メチルエチルケトン(MEK)20重量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら70℃に昇温した。
【0122】
次いで、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2重量部を加え、窒素雰囲気下、70℃で5時間重合反応を行った。
反応終了後、酢酸エチル(EtAc)にて希釈し、固形分濃度30%に調整し、重量平均分子量33万のアクリル系ポリマー6(ポリマー6)を得た。得られたポリマー6についてFoxの式により求めたガラス転移温度(Tg)は、−50℃である。
【0123】
上記のようにして得られたポリマー6に、イソシアネート系硬化剤としてタケネートD−110N(三井化学(株)製)をポリマー6の固形分100重量部に対して0.1重量部の割合で添加して粘着剤組成物を得た(固形分含有率:30重量%)。
【0124】
得られた粘着剤組成物を剥離処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に乾燥厚さが50μmになるように塗工し、80℃で2分間乾燥させて溶媒を除去した後、もう一方の粘着剤表面に剥離処理されたPETフィルムを貼り合わせて23℃で7日間エイジングを行い、導電膜用粘着テープを得た。
【0125】
得られた導電膜用粘着テープを用いてゲル分率、ヘイズ変化、耐ガラス発泡、段差追従性、微小クリープズレ量、ITO抵抗変化率および対ITOカール性を測定した。結果を表1に併せて記載する。
【0126】
〔実施例7〕
攪拌機、環流冷却器、温度計および窒素導入管を備えた反応装置に、メトキシエチルアクリレート(MEA)55重量部、ブチルアクリレート(BA)37.5重量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA)7重量部、アクリルアミド(AM)0.5重量部および酢酸エチル(EtAc)100重量部、メチルエチルケトン(MEK)20重量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら70℃に昇温した。
【0127】
次いで、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2重量部を加え、窒素雰囲気下、70℃で5時間重合反応を行った。
反応終了後、酢酸エチル(EtAc)にて希釈し、固形分濃度30%に調整し、重量平均分子量30万のアクリル系ポリマー7(主ポリマー7)を得た。得られた主ポリマーについてFoxの式により求めたガラス転移温度(Tg)は、−49℃である。
【0128】
上記のようにして得られたポリマー7に、イソシアネート系硬化剤としてタケネートD−110N(三井化学(株)製)をポリマー7の固形分100重量部に対して0.1重量部の割合で添加して粘着剤組成物を得た(固形分含有率:30重量%)。
【0129】
得られた粘着剤組成物を剥離処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に乾燥厚さが50μmになるように塗工し、80℃で2分間乾燥させて溶媒を除去した後、もう一方の粘着剤表面に剥離処理されたPETフィルムを貼り合わせて23℃で7日間エイジングを行い、導電膜用粘着テープを得た。
【0130】
得られた導電膜用粘着テープを用いてゲル分率、ヘイズ変化、耐ガラス発泡、段差追従性、微小クリープズレ量、ITO抵抗変化率および対ITOカール性を測定した。結果を表1に併せて記載する。
【0131】
〔実施例8〕
攪拌機、環流冷却器、温度計および窒素導入管を備えた反応装置に、メトキシエチルアクリレート(MEA)55重量部、ブチルアクリレート(BA)34重量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA)7およびアクリルアミド4重量部および酢酸エチル(EtAc)100重量部、メチルエチルケトン(MEK)20重量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら70℃に昇温した。
【0132】
次いで、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2重量部を加え、窒素雰囲気下、70℃で5時間重合反応を行った。
反応終了後、酢酸エチル(EtAc)にて希釈し、固形分濃度30%に調整し、重量平均分子量30万のアクリル系ポリマー8(ポリマー8)を得た。得られたポリマー8についてFoxの式により求めたガラス転移温度(Tg)は、−45℃である。
【0133】
上記のようにして得られたポリマー8に、イソシアネート系硬化剤としてタケネートD−110N(三井化学(株)製)をポリマー8の固形分100重量部に対して0.1重量部の割合で添加して粘着剤組成物を得た(固形分含有率:30重量%)。
【0134】
得られた粘着剤組成物を剥離処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に乾燥厚さが50μmになるように塗工し、80℃で2分間乾燥させて溶媒を除去した後、もう一方の粘着剤表面に剥離処理されたPETフィルムを貼り合わせて23℃で7日間エイジングを行い、導電膜用粘着テープを得た。
【0135】
得られた導電膜用粘着テープを用いてゲル分率、ヘイズ変化、耐ガラス発泡、段差追従性、微小クリープズレ量、ITO抵抗変化率および対ITOカール性を測定した。結果を表1に併せて記載する。
【0136】
〔実施例9〕
攪拌機、環流冷却器、温度計および窒素導入管を備えた反応装置に、メトキシエチルアクリレート(MEA)55重量部、ブチルアクリレート(BA)43重量部、4-ヒドロキシブチルアクリレート(4-HBA)7重量部、アクリルアミド2重量部および酢酸エチル(EtAc)100重量部、メチルエチルケトン(MEK)20重量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら70℃に昇温した。
【0137】
次いで、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2重量部を加え、窒素雰囲気下、70℃で5時間重合反応を行った。
反応終了後、酢酸エチル(EtAc)にて希釈し、固形分濃度30%に調整し、重量平均分子量30万のアクリル系ポリマー9(ポリマー9)を得た。得られたポリマー9についてFoxの式により求めたガラス転移温度(Tg)は、−52℃である。
【0138】
上記のようにして得られたポリマー9に、イソシアネート系硬化剤としてタケネートD−110N(三井化学(株)製)をポリマー9の固形分100重量部に対して0.1重量部の割合で添加して粘着剤組成物を得た(固形分含有率:30重量%)。
【0139】
得られた粘着剤組成物を剥離処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に乾燥厚さが50μmになるように塗工し、80℃で2分間乾燥させて溶媒を除去した後、もう一方の粘着剤表面に剥離処理されたPETフィルムを貼り合わせて23℃で7日間エイジングを行い、導電膜用粘着テープを得た。
【0140】
得られた導電膜用粘着テープを用いてゲル分率、ヘイズ変化、耐ガラス発泡、段差追従性、微小クリープズレ量、ITO抵抗変化率および対ITOカール性を測定した。結果を表1に併せて記載する。
【0141】
〔実施例10〕
攪拌機、環流冷却器、温度計および窒素導入管を備えた反応装置に、メトキシエチルアクリレート(MEA)55重量部、ブチルアクリレート(BA)41重量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA)2重量部、アクリルアミド2重量部および酢酸エチル(EtAc)100重量部、メチルエチルケトン(MEK)20重量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら70℃に昇温した。
【0142】
次いで、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2重量部を加え、窒素雰囲気下、70℃で5時間重合反応を行った。
反応終了後、酢酸エチル(EtAc)にて希釈し、固形分濃度30%に調整し、重量平均分子量30万のアクリル系ポリマー10(ポリマー10)を得た。得られたポリマー10についてFoxの式により求めたガラス転移温度(Tg)は、−49℃である。
【0143】
上記のようにして得られたポリマー10に、イソシアネート系硬化剤としてタケネートD−110N(三井化学(株)製)をポリマー10の固形分100重量部に対して0.1重量部の割合で添加して粘着剤組成物を得た(固形分含有率:30重量%)。
【0144】
得られた粘着剤組成物を剥離処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に乾燥厚さが50μmになるように塗工し、80℃で2分間乾燥させて溶媒を除去した後、もう一方の粘着剤表面に剥離処理されたPETフィルムを貼り合わせて23℃で7日間エイジングを行い、導電膜用粘着テープを得た。
【0145】
得られた導電膜用粘着テープを用いてゲル分率、ヘイズ変化、耐ガラス発泡、段差追従性、微小クリープズレ量、ITO抵抗変化率および対ITOカール性を測定した。結果を表1に併せて記載する。
【0146】
〔実施例11〕
攪拌機、環流冷却器、温度計および窒素導入管を備えた反応装置に、メトキシエチルアクリレート(MEA)55重量部、ブチルアクリレート(BA)33重量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA)10重量部、アクリルアミド2重量部および酢酸エチル(EtAc)100重量部、メチルエチルケトン(MEK)20重量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら70℃に昇温した。
【0147】
次いで、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2重量部を加え、窒素雰囲気下、70℃で5時間重合反応を行った。
反応終了後、酢酸エチル(EtAc)にて希釈し、固形分濃度30%に調整し、重量平均分子量30万のアクリル系ポリマー11(ポリマー11)を得た。得られたポリマー11についてFoxの式により求めたガラス転移温度(Tg)は、−46℃である。
【0148】
上記のようにして得られたポリマー11に、イソシアネート系硬化剤としてタケネートD−110N(三井化学(株)製)をポリマー11の固形分100重量部に対して0.1重量部の割合で添加して粘着剤組成物を得た(固形分含有率:30重量%)。
【0149】
得られた粘着剤組成物を剥離処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に乾燥厚さが50μmになるように塗工し、80℃で2分間乾燥させて溶媒を除去した後、もう一方の粘着剤表面に剥離処理されたPETフィルムを貼り合わせて23℃で7日間エイジングを行い、導電膜用粘着テープを得た。
【0150】
得られた導電膜用粘着テープを用いてゲル分率、ヘイズ変化、耐ガラス発泡、段差追従性、微小クリープズレ量、ITO抵抗変化率および対ITOカール性を測定した。結果を表1に併せて記載する。
【0151】
〔実施例12〕
攪拌機、環流冷却器、温度計および窒素導入管を備えた反応装置に、メトキシエチルアクリレート(MEA)55重量部、ブチルアクリレート(BA)36重量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA)7重量部、アクリルアミド2重量部および酢酸エチル(EtAc)100重量部、メチルエチルケトン(MEK)20重量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら70℃に昇温した。
【0152】
次いで、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2重量部を加え、窒素雰囲気下、70℃で5時間重合反応を行った。
反応終了後、酢酸エチル(EtAc)にて希釈し、固形分濃度30%に調整し、重量平均分子量9万のアクリル系ポリマー12(ポリマー12)を得た。得られたポリマー12についてFoxの式により求めたガラス転移温度(Tg)は、−48℃である。
【0153】
上記のようにして得られたポリマー12に、イソシアネート系硬化剤としてタケネートD−110N(三井化学(株)製)をポリマー12の固形分100重量部に対して0.3重量部の割合で添加して粘着剤組成物を得た(固形分含有率:30重量%)。
【0154】
得られた粘着剤組成物を剥離処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に乾燥厚さが50μmになるように塗工し、80℃で2分間乾燥させて溶媒を除去した後、もう一方の粘着剤表面に剥離処理されたPETフィルムを貼り合わせて23℃で7日間エイジングを行い、導電膜用粘着テープを得た。
【0155】
得られた導電膜用粘着テープを用いてゲル分率、ヘイズ変化、耐ガラス発泡、段差追従性、微小クリープズレ量、ITO抵抗変化率および対ITOカール性を測定した。結果を表1に併せて記載する。
【0156】
〔製造例13〕
攪拌機、環流冷却器、温度計および窒素導入管を備えた反応装置に、メトキシエチルアクリレート(MEA)55重量部、ブチルアクリレート(BA)36重量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA)7重量部、アクリルアミド2重量部および酢酸エチル(EtAc)100重量部、メチルエチルケトン(MEK)20重量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら70℃に昇温した。
【0157】
次いで、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2重量部を加え、窒素雰囲気下、70℃で5時間重合反応を行った。
反応終了後、酢酸エチル(EtAc)にて希釈し、固形分濃度30%に調整し、重量平均分子量30万のアクリル系ポリマー13(ポリマー13)を得た。得られたポリマー13についてFoxの式により求めたガラス転移温度(Tg)は、−48℃である。
【0158】
上記のようにして得られたポリマー13に、イソシアネート系硬化剤としてタケネートD−110N(三井化学(株)製)をポリマー13の固形分100重量部に対して0.05重量部の割合で添加して粘着剤組成物を得た(固形分含有率:30重量%)。
【0159】
得られた粘着剤組成物を剥離処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に乾燥厚さが50μmになるように塗工し、80℃で2分間乾燥させて溶媒を除去した後、もう一方の粘着剤表面に剥離処理されたPETフィルムを貼り合わせて23℃で7日間エイジングを行い、導電膜用粘着テープを得た。
【0160】
得られた導電膜用粘着テープを用いてゲル分率、ヘイズ変化、耐ガラス発泡、段差追従性、微小クリープズレ量、ITO抵抗変化率および対ITOカール性を測定した。結果を表1に併せて記載する。
【0161】
【表1】
【0162】
〔比較例1〕
攪拌機、環流冷却器、温度計および窒素導入管を備えた反応装置に、メトキシエチルアクリレート(MEA)31重量部、ブチルアクリレート(BA)60重量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA)7重量部、アクリルアミド(AM)2重量部および酢酸エチル(EtAc)100重量部、メチルエチルケトン(MEK)20重量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら70℃に昇温した。
【0163】
次いで、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2重量部を加え、窒素雰囲気下、70℃で5時間重合反応を行った。
反応終了後、酢酸エチル(EtAc)にて希釈し、固形分濃度30%に調整し、重量平均分子量35万のアクリル系ポリマー14(ポリマー14)を得た。得られたポリマー14についてFoxの式により求めたガラス転移温度(Tg)は、−49℃である。
【0164】
上記のようにして得られたポリマー14に、イソシアネート系硬化剤としてタケネートD−110N(三井化学(株)製)をポリマー14の固形分100重量部に対して0.1重量部の割合で添加して粘着剤組成物を得た(固形分含有率:30重量%)。
【0165】
得られた粘着剤組成物を剥離処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に乾燥厚さが50μmになるように塗工し、80℃で2分間乾燥させて溶媒を除去した後、もう一方の粘着剤表面に剥離処理されたPETフィルムを貼り合わせて23℃で7日間エイジングを行い、粘着テープを得た。
【0166】
得られた粘着テープを用いてゲル分率、ヘイズ変化、耐ガラス発泡、段差追従性、微小クリープズレ量、ITO抵抗変化率および対ITOカール性を測定した。結果を表2に併せて記載する。
【0167】
〔比較例2〕
攪拌機、環流冷却器、温度計および窒素導入管を備えた反応装置に、メトキシエチルアクリレート(MEA)31重量部、2-エチルヘキシルアクリレート(2-EHA)60重量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA)7重量部、アクリルアミド(AM)2重量部および酢酸エチル(EtAc)100重量部、メチルエチルケトン(MEK)20重量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら70℃に昇温した。
【0168】
次いで、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2重量部を加え、窒素雰囲気下、70℃で5時間重合反応を行った。
反応終了後、酢酸エチル(EtAc)にて希釈し、固形分濃度30%に調整し、重量平均分子量35万のアクリル系ポリマー15(ポリマー15)を得た。得られたポリマー15についてFoxの式により求めたガラス転移温度(Tg)は、−59℃である。
【0169】
上記のようにして得られたポリマー15に、イソシアネート系硬化剤としてタケネートD−110N(三井化学(株)製)をポリマー15の固形分100重量部に対して0.1重量部の割合で添加して粘着剤組成物を得た(固形分含有率:30重量%)。
【0170】
得られた粘着剤組成物を剥離処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に乾燥厚さが50μmになるように塗工し、80℃で2分間乾燥させて溶媒を除去した後、もう一方の粘着剤表面に剥離処理されたPETフィルムを貼り合わせて23℃で7日間エイジングを行い、粘着テープを得た。
【0171】
得られた粘着テープを用いてゲル分率、ヘイズ変化、耐ガラス発泡、段差追従性、微小クリープズレ量、ITO抵抗変化率および対ITOカール性を測定した。結果を表2に併せて記載する。
【0172】
〔比較例3〕
攪拌機、環流冷却器、温度計および窒素導入管を備えた反応装置に、ブチルアクリレート(BA)91重量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA)7重量部、アクリルアミド(AM)2重量部および酢酸エチル(EtAc)100重量部、メチルエチルケトン(MEK)20重量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら70℃に昇温した。
【0173】
次いで、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2重量部を加え、窒素雰囲気下、70℃で5時間重合反応を行った。
反応終了後、酢酸エチル(EtAc)にて希釈し、固形分濃度30%に調整し、重量平均分子量35万のアクリル系ポリマー16(ポリマー16)を得た。得られたポリマー16についてFoxの式により求めたガラス転移温度(Tg)は、−50℃である。
【0174】
上記のようにして得られたポリマー16に、イソシアネート系硬化剤としてタケネートD−110N(三井化学(株)製)をポリマー16の固形分100重量部に対して0.1重量部の割合で添加して粘着剤組成物を得た(固形分含有率:30重量%)。
【0175】
得られた粘着剤組成物を剥離処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に乾燥厚さが50μmになるように塗工し、80℃で2分間乾燥させて溶媒を除去した後、もう一方の粘着剤表面に剥離処理されたPETフィルムを貼り合わせて23℃で7日間エイジングを行い、粘着テープを得た。
【0176】
得られた粘着テープを用いてゲル分率、ヘイズ変化、耐ガラス発泡、段差追従性、微小クリープズレ量、ITO抵抗変化率および対ITOカール性を測定した。結果を表2に併せて記載する。
【0177】
〔比較例4〕
攪拌機、環流冷却器、温度計および窒素導入管を備えた反応装置に、2-エチルヘキシルアクリレート(2-EHA)91重量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA)7重量部、アクリルアミド(AM)2重量部および酢酸エチル(EtAc)100重量部、メチルエチルケトン(MEK)20重量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら70℃に昇温した。
【0178】
次いで、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2重量部を加え、窒素雰囲気下、70℃で5時間重合反応を行った。
反応終了後、酢酸エチル(EtAc)にて希釈し、固形分濃度30%に調整し、重量平均分子量35万のアクリル系ポリマー17(ポリマー17)を得た。得られたポリマー17についてFoxの式により求めたガラス転移温度(Tg)は、−65℃である。
【0179】
上記のようにして得られたポリマー17に、イソシアネート系硬化剤としてタケネートD−110N(三井化学(株)製)をポリマー17の固形分100重量部に対して0.1重量部の割合で添加して粘着剤組成物を得た(固形分含有率:30重量%)。
【0180】
得られた粘着剤組成物を剥離処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に乾燥厚さが50μmになるように塗工し、80℃で2分間乾燥させて溶媒を除去した後、もう一方の粘着剤表面に剥離処理されたPETフィルムを貼り合わせて23℃で7日間エイジングを行い、粘着テープを得た。
【0181】
得られた粘着テープを用いてゲル分率、ヘイズ変化、耐ガラス発泡、段差追従性、微小クリープズレ量、ITO抵抗変化率および対ITOカール性を測定した。結果を表2に併せて記載する。
【0182】
〔比較例5〕
攪拌機、環流冷却器、温度計および窒素導入管を備えた反応装置に、メトキシエチルアクリレート(MEA)55重量部、ブチルアクリレート(BA)38重量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA)7重量部および酢酸エチル(EtAc)100重量部、メチルエチルケトン(MEK)20重量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら70℃に昇温した。
【0183】
次いで、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2重量部を加え、窒素雰囲気下、70℃で5時間重合反応を行った。
反応終了後、酢酸エチル(EtAc)にて希釈し、固形分濃度30%に調整し、重量平均分子量35万のアクリル系ポリマー18(ポリマー18)を得た。得られたポリマー18についてFoxの式により求めたガラス転移温度(Tg)は、−50℃である。
【0184】
上記のようにして得られたポリマー18に、イソシアネート系硬化剤としてタケネートD−110N(三井化学(株)製)をポリマー18の固形分100重量部に対して0.1重量部の割合で添加して粘着剤組成物を得た(固形分含有率:30重量%)。
【0185】
得られた粘着剤組成物を剥離処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に乾燥厚さが50μmになるように塗工し、80℃で2分間乾燥させて溶媒を除去した後、もう一方の粘着剤表面に剥離処理されたPETフィルムを貼り合わせて23℃で7日間エイジングを行い、粘着テープを得た。
【0186】
得られた粘着テープを用いてゲル分率、ヘイズ変化、耐ガラス発泡、段差追従性、微小クリープズレ量、ITO抵抗変化率および対ITOカール性を測定した。結果を表2に併せて記載する。
【0187】
〔比較例6〕
攪拌機、環流冷却器、温度計および窒素導入管を備えた反応装置に、メトキシエチルアクリレート(MEA)55重量部、ブチルアクリレート(BA)32重量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA)7重量部、アクリルアミド(AM)6重量部および酢酸エチル(EtAc)100重量部、メチルエチルケトン(MEK)20重量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら70℃に昇温した。
【0188】
次いで、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2重量部を加え、窒素雰囲気下、70℃で5時間重合反応を行った。
反応終了後、酢酸エチル(EtAc)にて希釈し、固形分濃度30%に調整し、重量平均分子量35万のアクリル系ポリマー19(ポリマー19)を得た。得られたポリマー19についてFoxの式により求めたガラス転移温度(Tg)は、−43℃である。
【0189】
上記のようにして得られたポリマー19に、イソシアネート系硬化剤としてタケネートD−110N(三井化学(株)製)をポリマー19の固形分100重量部に対して0.1重量部の割合で添加して粘着剤組成物を得た(固形分含有率:30重量%)。
【0190】
得られた粘着剤組成物を剥離処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に乾燥厚さが50μmになるように塗工し、80℃で2分間乾燥させて溶媒を除去した後、もう一方の粘着剤表面に剥離処理されたPETフィルムを貼り合わせて23℃で7日間エイジングを行い、粘着テープを得た。
【0191】
得られた粘着テープを用いてゲル分率、ヘイズ変化、耐ガラス発泡、段差追従性、微小クリープズレ量、ITO抵抗変化率および対ITOカール性を測定した。結果を表2に併せて記載する。
【0192】
〔比較例7〕
攪拌機、環流冷却器、温度計および窒素導入管を備えた反応装置に、メトキシエチルアクリレート(MEA)55重量部、ブチルアクリレート(BA)36重量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA)7重量部、アクリルアミド(AM)2重量部および酢酸エチル(EtAc)120重量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら70℃に昇温した。
【0193】
次いで、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2重量部を加え、窒素雰囲気下、70℃で5時間重合反応を行った。
反応終了後、酢酸エチル(EtAc)にて希釈し、固形分濃度30%に調整し、重量平均分子量60万のアクリル系ポリマー20(ポリマー20)を得た。得られたポリマー20についてFoxの式により求めたガラス転移温度(Tg)は、−48℃である。
【0194】
上記のようにして得られたポリマー20に、イソシアネート系硬化剤としてタケネートD−110N(三井化学(株)製)をポリマー20の固形分100重量部に対して0.1重量部の割合で添加して粘着剤組成物を得た(固形分含有率:30重量%)。
【0195】
得られた粘着剤組成物を剥離処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に乾燥厚さが50μmになるように塗工し、80℃で2分間乾燥させて溶媒を除去した後、もう一方の粘着剤表面に剥離処理されたPETフィルムを貼り合わせて23℃で7日間エイジングを行い、粘着テープを得た。
【0196】
得られた粘着テープを用いてゲル分率、ヘイズ変化、耐ガラス発泡、段差追従性、微小クリープズレ量、ITO抵抗変化率および対ITOカール性を測定した。結果を表2に併せて記載する。
【0197】
〔比較例8〕
攪拌機、環流冷却器、温度計および窒素導入管を備えた反応装置に、メトキシエチルアクリレート(MEA)55重量部、ブチルアクリレート(BA)35重量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA)7重量部、アクリルアミド(AM)2重量部、アクリル酸(AA)1重量部および酢酸エチル(EtAc)100重量部、メチルエチルケトン(MEK)20重量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら70℃に昇温した。
【0198】
次いで、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2重量部を加え、窒素雰囲気下、70℃で5時間重合反応を行った。
反応終了後、酢酸エチル(EtAc)にて希釈し、固形分濃度30%に調整し、重量平均分子量35万のアクリル系ポリマー21(ポリマー21)を得た。得られたポリマー21についてFoxの式により求めたガラス転移温度(Tg)は、−47℃である。
【0199】
上記のようにして得られたポリマー21に、イソシアネート系硬化剤としてタケネートD−110N(三井化学(株)製)をポリマー21の固形分100重量部に対して0.1重量部の割合で添加して粘着剤組成物を得た(固形分含有率:30重量%)。
【0200】
得られた粘着剤組成物を剥離処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に乾燥厚さが50μmになるように塗工し、80℃で2分間乾燥させて溶媒を除去した後、もう一方の粘着剤表面に剥離処理されたPETフィルムを貼り合わせて23℃で7日間エイジングを行い、粘着テープを得た。
【0201】
得られた粘着テープを用いてゲル分率、ヘイズ変化、耐ガラス発泡、段差追従性、微小クリープズレ量、ITO抵抗変化率および対ITOカール性を測定した。結果を表2に併せて記載する。
【0202】
〔比較例9〕
攪拌機、環流冷却器、温度計および窒素導入管を備えた反応装置に、メトキシエチルアクリレート(MEA)55重量部、ブチルアクリレート(BA)36重量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA)7重量部、アクリルアミド(AM)2重量部および酢酸エチル(EtAc)100重量部、メチルエチルケトン(MEK)20重量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら70℃に昇温した。
【0203】
次いで、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2重量部を加え、窒素雰囲気下、70℃で5時間重合反応を行った。
反応終了後、酢酸エチル(EtAc)にて希釈し、固形分濃度30%に調整し、重量平均分子量35万のアクリル系ポリマー22(ポリマー22)を得た。得られたポリマー22についてFoxの式により求めたガラス転移温度(Tg)は、−48℃である。
【0204】
上記のようにして得られたポリマー22に、イソシアネート系硬化剤としてタケネートD−110N(三井化学(株)製)をポリマー22の固形分100重量部に対して0.4重量部の割合で添加して粘着剤組成物を得た(固形分含有率:30重量%)。
【0205】
得られた粘着剤組成物を剥離処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に乾燥厚さが50μmになるように塗工し、80℃で2分間乾燥させて溶媒を除去した後、もう一方の粘着剤表面に剥離処理されたPETフィルムを貼り合わせて23℃で7日間エイジングを行い、粘着テープを得た。
【0206】
得られた粘着テープを用いてゲル分率、ヘイズ変化、耐ガラス発泡、段差追従性、微小クリープズレ量、ITO抵抗変化率および対ITOカール性を測定した。結果を表2に併せて記載する。
【0207】
〔比較例10〕
攪拌機、環流冷却器、温度計および窒素導入管を備えた反応装置に、メトキシエチルアクリレート(MEA)55重量部、ブチルアクリレート(BA)36重量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA)7重量部、アクリルアミド(AM)2重量部および酢酸エチル(EtAc)100重量部、メチルエチルケトン(MEK)20重量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら70℃に昇温した。
【0208】
次いで、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2重量部を加え、窒素雰囲気下、70℃で5時間重合反応を行った。
反応終了後、酢酸エチル(EtAc)にて希釈し、固形分濃度30%に調整し、重量平均分子量35万のアクリル系ポリマー23(ポリマー23)を得た。得られたポリマー23についてFoxの式により求めたガラス転移温度(Tg)は、−48℃である。
【0209】
上記のようにして得られたポリマー23に、イソシアネート系硬化剤であるタケネートD−110N(三井化学(株)製)を配合せずに粘着剤組成物を得た。(固形分含有率:30重量%)。
【0210】
得られた粘着剤組成物を剥離処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に乾燥厚さが50μmになるように塗工し、80℃で2分間乾燥させて溶媒を除去した後、もう一方の粘着剤表面に剥離処理されたPETフィルムを貼り合わせて23℃で7日間エイジングを行い、粘着テープを得た。
【0211】
得られた粘着テープを用いてゲル分率、ヘイズ変化、耐ガラス発泡、段差追従性、微小クリープズレ量、ITO抵抗変化率および対ITOカール性を測定した。結果を表2に併せて記載する。
【0212】
【表2】
【符号の説明】
【0213】
10-1・・・抵抗膜方式のタッチパネルユニット
10-2・・・静電容量方式のタッチパネルユニット
11-1・・・上部積層体
13-1・・・下部積層体
15-1・・・上部積層体
15-2・・・下部積層体
21-1・・・表面支持体
21-2・・・深部の表面支持体
23-1・・・粘着剤層
23-2・・・粘着剤層
25-1・・・上部電極支持体
25-2・・・下部電極支持体
27-1・・・透明導電膜
27-2・・・透明導電膜
30・・・貼り合わせ剤
32・・・スペーサー
34・・・間隙
51-1・・・表面支持体
51-2・・・表面支持体
53-1・・・粘着剤層
57-1・・・透明導電膜
57-2・・・透明導電膜
60・・・中央支持体
62・・・額縁印刷部分
64・・・空隙
66・・・気泡
68・・・泡
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8