(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
【0017】
なお、本願において周方向とは、雄管4及び雌管6の周方向を意味する。本願において軸方向とは、雄管4及び雌管6の軸方向を意味する。本願において、この軸方向に対して直角な方向が、軸垂直方向とも称される。
【0018】
本願では、典型的な使用状態を考慮して、「上」、「上側」、「下」、「下側」等の文言が用いられる。この典型的な使用状態では、雄管4が雌管6に対して上側に位置する。もちろん、本願における継手は非典型的な使用状態で使用されてもよい。例えば、本願における継手は、軸方向が水平な状態で用いられても良い。例えば、本願における継手は、雄管4が雌管6に対して下側に位置する状態で用いられても良い。
【0019】
図1及び
図2は第一実施形態の継手2を示す斜視図であり、
図3は、継手2の側面図である。
図1、
図2及び
図3は、接続状態を示している。
図4は継手2の分解斜視図である。
図4において、開閉構造の装着部材12は、開いた状態である。
図5は軸方向に沿った継手2の断面図である。
図1、
図2、
図3及び
図5において、雄管4と雌管6とは正規接続状態にある。
【0020】
継手2は、雄管4、雌管6、クイックファスナー8、ファスナー操作部10、装着部材12及びアウター部材14を有する。クイックファスナー8は、雄管4と雌管6との正規接続状態を保持しうる。継手2は、ファスナー操作部10を有するのが好ましい。継手2は、装着部材12を有するのが好ましい。
【0021】
アウター部材14は無くてもよい。アウター部材14が無くても、継手2は、複数の作用及び効果を奏しうる。好ましくは、継手2は、アウター部材14を有する。アウター部材14については、後述される。
【0022】
クイックファスナー8は、装着部材12の内部に格納されている。雄管4を雌管6に着脱するときに、装着部材12を取り外す必要はない。装着部材12を雌管6に取り付けられたままで、雄管4は雌管6に着脱されうる。
【0023】
装着部材12は、
図4の例の構成では、クイックファスナー8を覆う保護ケースである。よって、クイックファスナー8は、外部から視認されない。装着部材12は、クイックファスナー8を覆っていなくてもよい。また、装着部材12は、クイックファスナー8の一部を覆っていてもよいし、クイックファスナー8の全体を覆っていてもよい。好ましくは、装着部材12は、異常接続状態の検知機能(後述の検知機能A)及びクイックファスナー8を保護する保護機能を有し、且つ、クイックファスナー8の一部又は全体を覆っているのが好ましい。雄管4又は雌管6が挿入される隙間を確保する観点からは、装着部材12は、クイックファスナー8の一部を覆っているのがより好ましい。
【0024】
装着部材12は、ファスナー操作部10を保持しうる。装着部材12は、ファスナー操作部10の可動範囲の全ての位置において、ファスナー操作部10を保持する。本実施形態では、装着部材12は、直接的にファスナー操作部10を保持している。なお、この保持は間接的であってもよい。すなわち、装着部材12が、他の部材を介して間接的にファスナー操作部10を保持していてもよい。装着部材12は、ファスナー操作部10を直接的又は間接的に保持しているのが好ましい。
【0025】
この間接的な保持の一例は、装着部材12がクイックファスナー8を保持する形態である。クイックファスナー8が保持されることで、クイックファスナー8に連結されているファスナー操作部10も装着部材12から脱落しない。すなわちこの場合、ファスナー操作部10は、他の部材(クイックファスナー8)を介して間接的に保持される。装着部材12は、ファスナー操作部10のみを保持していてもよいし、クイックファスナー8のみを保持していてもよいし、ファスナー操作部10及びクイックファスナー8を保持していてもよい。上記実施形態では、装着部材12は、ファスナー操作部10及びクイックファスナー8を保持している。
【0026】
図6は、クイックファスナー8とファスナー操作部10とが分解された斜視図である。クイックファスナー8とファスナー操作部10との組み立て状態の斜視図は
図4に記載されている。
図7は、クイックファスナー8とファスナー操作部10との組み立て状態の平面図である。クイックファスナー8は、ファスナー操作部10に保持されている。
【0027】
雄管4は、雄側接続部4aを有している(
図4参照)。雌管6は、雌側接続部6aを有している(
図4参照)。雄側接続部4aが雌側接続部6aに接続される。雄側接続部4aは、雌側接続部6aに着脱可能である。正規接続状態において、雄側接続部4aは、雌側接続部6aの内側に挿入される(
図5参照)。
【0028】
雄側接続部4aは、シール部材s1を有している(
図4参照)。シール部材s1は、雄側接続部4aの外面に設けられた周溝に配置されている。このシール部材s1は、Oリングである。正規接続状態において、シール部材s1は、雌側接続部6aの内面に密着する。この密着は、水密性を向上させる。シール部材s1は、雌側接続部6aに設けられてもよい。水密性の観点から、雄側接続部4a又は雌側接続部6aがシール部材s1を有しているのが好ましい。
【0029】
雄管4は、雄側係止部k1を有する(
図4参照)。雄側係止部k1は、軸垂直方向に延在している。雄側係止部k1は、リング状である。雄側係止部k1は、フランジである。フランジ以外の形状であってもよい。
【0030】
雌管6は、雌側係止部k2を有する(
図4参照)。雌側係止部k2は、軸垂直方向に延在している。雌側係止部k2は、リング状である。雌側係止部k2は、フランジである。フランジ以外の形状であってもよい。
【0031】
雄側係止部k1は、当接面t1を有する(
図4参照)。雌側係止部k2は、当接面t2を有する(
図4参照)。この当接面t2は、雌管6の上端面である。この当接面t2は、正規接続状態において上記雄管4の当接面(フランジk1の下面)と当接する雌側端面である。
図5が示すように、正規接続状態において、当接面t1は当接面t2に面接触している。正規接続状態を安定化させる観点から、正規接続状態において、この面接触が達成されるのが好ましい。
【0032】
雄側接続部4a及び雌側接続部6aは、シンプルな形状である。あらゆる軸方向位置において、雄側接続部4aの外面及び内面の断面形状は円形である。あらゆる軸方向位置において、雌側接続部6aの外面及び内面の断面形状は円形である。雄側接続部4aは、筒状部及びフランジのみからなる。雌側接続部6aは、筒状部及びフランジのみからなる。雄側接続部4aの側面に貫通孔は存在しない。雌側接続部6aの側面に貫通孔は存在しない。
【0033】
装着部材12は、雄側接続部4aの通過を許容する通過孔12tを有する(
図4及び
図5参照)。通過孔12tの直径は、雄側係止部k1の外径よりも大きい。装着部材12は、雌管6に対する雄管4の着脱を阻害しない。
【0034】
図6及び
図7が示すように、クイックファスナー8は、一対のアーム部として、第一アーム部8a及び第二アーム部8bを有する。更にクイックファスナー8は、連結部8cを有する。連結部8cは、第一アーム部8aと第二アーム部8bとを連結している。クイックファスナー8は、連結部8cとは逆側において開放されている。第一アーム部8aと第二アーム部8bとは互いに対向している。
【0035】
第一アーム部8aは、第一貫通孔h1と、外方延在部g1と、拡開用傾斜面p1と、ストッパ部st1とを有する。第二アーム部8bは、第二貫通孔h2と、外方延在部g2と、拡開用傾斜面p2と、ストッパ部st2とを有する。拡開用傾斜面p1は第一貫通孔h1の上側に設けられている。拡開用傾斜面p2は第二貫通孔h2の上側に設けられている。ストッパ部st1は、第一アーム部8aの開放側の端部の上側に設けられている。ストッパ部st2は、第二アーム部8bの開放側の端部の上側に設けられている。ストッパ部st1及びストッパ部st2は、上方に突出している。ストッパ部st1及びストッパ部st2の機能については後述される。
【0036】
第一貫通孔h1の周囲には、平板部j1が形成されている。平板部j1の上側に拡開用傾斜面p1が設けられている。 第一貫通孔h1は、平板部j1内に位置する。第二貫通孔h2の周囲には、平板部j2が形成されている。平板部j2の上側に拡開用傾斜面p2が設けられている。第二貫通孔h2は、平板部j2内に位置する。
【0037】
外方延在部g1は、第一アーム部8aの開放側の端部に設けられている。外方延在部g2は、第二アーム部8bの開放側の端部に設けられている。外方延在部g1と外方延在部g2との距離は、クイックファスナー8の開放端Tg(2箇所)に近づくに従って大きくされている。
【0038】
第一アーム部8aは、平板部j1と連結部8cとの間に、第一中間部m1を有する(
図6及び
図7参照)。第二アーム部8bは、平板部j2と連結部8cとの間に、第二中間部m2を有する。平板部j1は、中間部m1によって、連結部8cに繋がっている。平板部j2は、中間部m2によって、連結部8cに繋がっている。連結部8cは、第一中間部m1と第二中間部m2とを繋いでいる。
【0039】
第一中間部m1は、貫通孔haを有する(
図6参照)。貫通孔haは、第一中間部m1から連結部8cに亘って設けられている。第二中間部m2は、貫通孔hbを有する。貫通孔hbは、第二中間部m2から連結部8cに亘って設けられている。貫通孔ha及び貫通孔hbの仕様(開口面積、輪郭形状等)により、クイックファスナー8の拡開変形のしやすさが調整されうる。貫通孔ha及び貫通孔hbは、クイックファスナー8の軽量化に寄与しうる。
【0040】
クイックファスナー8について、次の高さが定義される。なお、これらの高さは、いずれも、上下方向(軸方向)に沿って測定される。
・貫通孔hcの高さHhc
・連結部8cの高さH8c
・貫通孔haの高さHha
・第一中間部m1の高さHm1
・貫通孔hbの高さHhb
・第二中間部m2の高さHm2
・第一貫通孔h1の高さHh1
・第一アーム部8aの下端から拡開用傾斜面p1の下端までの高さH8a
・第二貫通孔h2の高さHh2
・第二アーム部8bの下端から拡開用傾斜面p2の下端までの高さH8b
【0041】
これらの高さより、以下の高さ比が算出されうる。
・比(Hhc/H8c)
・比(Hha/Hm1)
・比(Hhb/Hm2)
・比(Hh1/H8a)
・比(Hh2/H8b)
【0042】
クイックファスナー8の拡開変形の容易性を高める観点から、比(Hhc/H8c)は、0.4以上が好ましく、0.5以上がより好ましく、0.6以上が更に好ましい。クイックファスナー8の耐久性の観点から、比(Hhc/H8c)は、0.9以下が好ましく、0.8以下がより好ましく、0.7以下が更に好ましい。
【0043】
クイックファスナー8の拡開変形の容易性を高める観点から、比(Hha/Hm1)は、0.4以上が好ましく、0.5以上がより好ましく、0.6以上が更に好ましい。クイックファスナー8の耐久性の観点から、比(Hha/Hm1)は、0.9以下が好ましく、0.8以下がより好ましく、0.7以下が更に好ましい。
【0044】
クイックファスナー8の拡開変形の容易性を高める観点から、比(Hhb/Hm2)は、0.4以上が好ましく、0.5以上がより好ましく、0.6以上が更に好ましい。クイックファスナー8の耐久性の観点から、比(Hhb/Hm2)は、0.9以下が好ましく、0.8以下がより好ましく、0.7以下が更に好ましい。
【0045】
クイックファスナー8の拡開変形の容易性を高める観点から、比(Hh1/H8a)は、0.4以上が好ましく、0.5以上がより好ましく、0.6以上が更に好ましい。クイックファスナー8の耐久性の観点から、比(Hh1/H8a)は、0.9以下が好ましく、0.8以下がより好ましく、0.7以下が更に好ましい。
【0046】
クイックファスナー8の拡開変形の容易性を高める観点から、比(Hh2/H8b)は、0.4以上が好ましく、0.5以上がより好ましく、0.6以上が更に好ましい。クイックファスナー8の耐久性の観点から、比(Hh2/H8b)は、0.9以下が好ましく、0.8以下がより好ましく、0.7以下が更に好ましい。
【0047】
なお、これら5つの高さ比は同一とする必要はない。例えば、比(Hhc/H8c)、比(Hha/Hm1)及び比(Hhb/Hm2)の3つの高さ比を同一とする必要はない。これらの高さ比は、上記数値範囲を用いてそれぞれ別々に規定されうる。
【0048】
連結部8cは、凹曲面部e1を有する(
図6参照)。凹曲面部e1は、クイックファスナー8の開放側に向かって凹んでいる。凹曲面部e1の形状(曲率等)により、クイックファスナー8の拡開変形のしやすさが調整されうる。なお、後述する変形例が示すように、連結部8cは平板状であってもよい。
【0049】
連結部8cは、貫通孔hcを有する(
図6参照)。貫通孔hcの仕様(開口面積、輪郭形状等)により、クイックファスナー8の拡開変形のしやすさが調整されうる。貫通孔hcは、クイックファスナー8の軽量化に寄与しうる。
【0050】
クイックファスナー8は、弾性変形可能である。クイックファスナー8は、全体として、板バネのように変形しうる。クイックファスナー8の材質は、例えば、金属又は樹脂である。クイックファスナー8は、第一アーム部8aと第二アーム部8bとの間隔が拡がるように弾性変形しうる。本願において、この変形が拡開変形とも称される。拡開変形がなされると、クイックファスナー8は、自然状態に戻ろうとする付勢力を生じる。この付勢力が、係止状態8yを維持するのに寄与する。
【0051】
図8及び
図9は、係止状態8yを説明するための図である。理解を容易とするため、
図8及び
図9では、ファスナー操作部10及び装着部材12の記載が省略されている。
【0052】
図8が示すように、使用状態において、クイックファスナー8は、雌管6に係止されている。換言すれば、クイックファスナー8は、雌側接続部6aにおいて係止位置にある。この状態が、係止可能状態8zとも称される。係止可能状態8zでは、雌側係止部k2が第一貫通孔h1及び第二貫通孔h2に入り込んでいる。換言すれば、係止可能状態8zでは、雌側係止部k2は、第一貫通孔h1から外側に突出し、且つ、第二貫通孔h2から外側に突出している。クイックファスナー8を拡開変形させる外力が加えられない限り、係止可能状態8zは維持される。
【0053】
この係止可能状態8zにあるクイックファスナー8は、雄管4の挿入に伴い、拡開変形を起こす。本願では、雌管6に雄管4が挿入される動きが、雄管挿入とも称される。拡開用傾斜面p1及び拡開用傾斜面p2は、雄管挿入に伴う上記拡開変形を起こすように構成されている。拡開用傾斜面p1及び拡開用傾斜面p2は、円錐面に略沿った形状である。係止可能状態8zにおいて、拡開用傾斜面p1の上端と拡開用傾斜面p2の上端とは、雄側係止部k1の受入が可能な程度の離間距離を有している。雄管挿入により、雄側係止部k1は、拡開用傾斜面p1の内面及び拡開用傾斜面p2の内面に当接する(図示省略)。更に雄管挿入を進行させると、雄側係止部k1が、拡開用傾斜面p1及び拡開用傾斜面p2を押圧する。この押圧により、上記拡開変形が起こる。更に雄管挿入を進行させると、雄側係止部k1が第一貫通孔h1及び第二貫通孔h2に入り込むと同時に、クイックファスナー8の縮閉変形が起こる。縮閉変形とは、拡開変形とは逆の変形である。縮閉変形は、クイックファスナー8の弾性的な復元力によって起こる。この縮閉変形により、係止状態8yが実現される(
図9参照)。この係止状態8yでは、雄側係止部k1及び雌側係止部k2の両方が、第一貫通孔h1及び第二貫通孔h2に入り込んでいる。換言すれば、係止状態8yでは、雄側係止部k1及び雌側係止部k2は、第一貫通孔h1から外側に突出し、且つ、第二貫通孔h2から外側に突出している。クイックファスナー8を拡開変形させる外力が加えられない限り、係止状態8yは維持される。第一貫通孔h1及び第二貫通孔h2により、雌管6からの雄管4の離脱は阻止される。第一貫通孔h1の軸方向幅は、雄側係止部k1の厚みと雌側係止部k2の厚みとの和に略等しい。第二貫通孔h2の軸方向幅は、雄側係止部k1の厚みと雌側係止部k2の厚みとの和に略等しい。
【0054】
フランジk1の受入を容易としつつ、拡開用傾斜面の軸方向高さを抑制する観点から、拡開用傾斜面の傾斜角度は、20°以上が好ましく、30°以上がより好ましい。雄管挿入の抵抗を抑制する観点から、拡開用傾斜面の傾斜角度は、60°以下が好ましく、45°以下がより好ましい。本実施形態では、拡開用傾斜面の傾斜角度は39°とされた。この傾斜角度は、軸方向に対する角度である。
【0055】
このように、係止状態8yにあるとき、雄側係止部k1及び雌側係止部k2が、第一貫通孔h1を貫通している。同時に、係止状態8yにあるとき、雄側係止部k1及び雌側係止部k2が、第二貫通孔h2を貫通している。なお、係止状態8yにあるとき、クイックファスナー8は、自然状態であってもよいし、拡開変形されていてもよい。
【0056】
図8及び
図9では図示されていないが、実際の使用状態では、ファスナー操作部10及び装着部材12が装着されたまま、雄管挿入がなされる。
図10は、実際の使用状態における雄管挿入の様子を示す斜視図である。
図10では図示されないが、装着部材12の内部において、クイックファスナー8は係止可能状態8zにある。この装着部材12が装着されたまま、雄管4が雌管6に挿入される。この雄管挿入により、装着部材12の内部で、係止状態8yが達成される。
【0057】
図示しないが、外力により、クイックファスナー8は、係止状態8yから非係止状態8xへと移行しうる。この移行は、ファスナー操作部10の操作によって達成される。
【0058】
装着部材12は雌管6に取り付けられている。装着部材12は、雌管6に対して回転可能な状態で、雌管6に取り付けられている。
図4及び
図5が示すように、装着部材12は、雌管6との係合を可能とする係合部12kを有する。この係合部12kは、突出端面w1と溝v1とを有する。
【0059】
一方、雌管6は、装着部材12との係合を可能とする係合部6kを有する。この係合部6kは、第一フランジf1と第二フランジf2とを有する(
図4参照)。第一フランジf1と第二フランジf2との間には隙間が設けられている。この隙間は、装着部材12の取り付けに役立つ。
【0060】
前述したように、装着部材(保護ケース)12は、開閉構造を有している。
図4では開状態が示されている。一方、雌管6に取り付けられた状態では、装着部材12は閉状態である。
【0061】
図4が示すように、装着部材12は、第一部分12aと第二部分12bと連結部12cとを有する。連結部12cは、第一部分12aと第二部分12bとを回動可能に連結している。この連結部12cとして、ヒンジ状構造が用いられている。ヒンジ状構造は、ヒンジと同様に、開閉を許容する。本実施形態では、連結部12cは、弾性変形可能な材質よりなる。具体的には、連結部12cは、薄い樹脂である。第一部分12aと第二部分12bの開閉を許容するように、連結部12cは変形可能である。このような開閉構造によって、装着部材12は、雌管6に取りつけられうる。第一部分12aと第二部分12bとによって、雌管6が挟み込まれている。
【0062】
第一部分12a及び第二部分12bにおいて、突出端面w1は略半周面である。しかし、第一部分12aが第二部分12bと合体することにより、突出端面w1は略円周面となる。換言すれば、装着部材12が閉状態となることで、突出端面w1は略円周面となる。この突出端面w1が、第一フランジf1の外周面f11に当接している(
図5参照)。この当接により、雌管6に対する装着部材12の移動が、軸垂直方向において、規制される。すなわち、軸垂直方向における移動規制が達成されている。
【0063】
第一部分12a及び第二部分12bにおいて、溝v1は半周溝である。しかし、第一部分12aが第二部分12bと合体することにより、溝v1は周溝となる。換言すれば、装着部材12が閉状態となることで、溝v1は周溝となる。この溝v1に、第二フランジf2が挿入されている。この挿入により、雌管6に対する装着部材12の移動が、雌管6の軸方向において、規制される。すなわち、軸方向における移動規制が達成されている。
【0064】
これらの移動規制により、雌管6に対する装着部材12の取り付けが達成されている。この取り付け構造では、雌管6に対する装着部材12の回転は阻害されない。装着部材12は雌管6に対して回転可能である(
図1及び
図10の矢印Rt参照)。この相対回転は、ファスナー操作部10を操作する際の自由度を高める点で好ましい。また、この相対回転により、装着部材12の向きを変更できるため、狭い場所に継手2を設置する場合に有利である。
【0065】
本実施形態では、装着部材12と雌管6との相対回転は自由回転である。本実施形態では、装着部材12と雌管6との相対回転角度は360°である。本実施形態では、全周にわたって上記相対回転が可能である。この相対回転は、周方向の一部範囲であってもよい。換言すれば、装着部材12と雌管6との相対回転角度は360°未満であってもよい。周方向の一部範囲であっても、上記相対回転により、ファスナー操作部10の操作性が向上しうる。この操作性の観点から、装着部材12と雌管6との相対回転角度は、90°以上が好ましく、180°以上がより好ましく、270°以上が更に好ましい。
【0066】
上述した従来技術では、上記相対回転が不能である。特許第3711246号公報では、抜止クリップ72及びカバー88が設けられているが(
図4及び
図6参照)、これら抜止クリップ72及びカバー88は、雌管46に対して回転することができない。また、特許第3711246号公報において、抜止クリップ72及びカバー88が雌管46に対して回転した場合、係止状態が解除され、抜止クリップ72及び/又はカバー88が破損するおそれがある。本実施形態では、このような不都合が存在しない。本実施形態では、装着部材12が雌管6に対して回転しても、係止状態は維持され、破損等の不都合は生じない。正規接続状態を維持したまま、クイックファスナー8、ファスナー操作部10及び装着部材12は周方向に回転可能である。
【0067】
係合部6kと係合部12kとの係合は、第一部分12aと第二部分12bで雌管6を挟み込むことによって達成される。装着部材12の開閉構造は、この挟み込みを可能としている。
【0068】
この装着部材12は、閉じた状態を維持しうる維持機構が設けられている。本実施形態では、第一の維持機構及び第二の維持機構が設けられている。
【0069】
第一の維持機構は、係合部Ea1と係合部Eb1との係合である(
図4参照)。閉状態において、係合部Ea1と係合部Eb1とが係合する。本実施形態では、係合部Ea1が凸部であり、係合部Eb1が孔を有している。孔の代わりに凹部が設けられても良い。係合部Ea1の凸部が係合部Eb1の孔に嵌ることで、係合が達成される。なお、係合を解除するには、例えば、係合部Eb1を弾性変形させる。
【0070】
第二の維持機構は、係合部Ea2と係合部Eb2との係合である(
図4参照)。閉状態において、係合部Ea2と係合部Eb2とが係合する。本実施形態では、係合部Ea2が孔であり、係合部Eb2が凸部である。孔の代わりに凹部が設けられても良い。係合部Eb2の凸部が係合部Ea2の孔に嵌ることで、係合が達成される。なお、係合を解除するには、例えば、係合部Ea2と係合部Eb2とが離れるように、装着部材12を弾性変形させる。
【0071】
この挟み込みを可能とする他の構造の例は、分離構造(図示省略)である。分離構造の場合、好ましい装着部材(保護ケース)は、2分割構造である。この装着部材は、第一部分と第二部分とを有する。第一部分は、第二部分と合体するための第一係合部を有する。第二部分は、第一部分と合体するための第二係合部を有する。好ましくは、第一係合部は凸部又は凹部である。凹部は孔であってもよい。好ましくは、第二係合部は凸部又は凹部である。凹部は孔であってもよい。第一係合部が第二係合部に係合することにより、第一部分が第二部分と合体した合体状態が維持される。第一係合部及び第二係合部は、この合体状態を維持する維持機構の一例である。
【0072】
図4、
図6及び
図7が示すように、ファスナー操作部10は、全体として略U字状である。ファスナー操作部10は、第一アーム10aと、第二アーム10bと、連結部10cとを有する。第一アーム10aと第二アーム10bとは互いに対向している。連結部10cは、第一アーム10aと第二アーム10bとを連結している。
【0073】
連結部10cは、ファスナー保持部10hを有する。ファスナー保持部10hは、クイックファスナー8を保持している。ファスナー保持部10hは、クイックファスナー8の連結部8cを保持している。
【0074】
ファスナー保持部10hは、開閉構造を有している。具体的には、ファスナー保持部10hは、回動体101と、ヒンジ状部102と、固定係合部103と、保持体105とを有する(
図6参照)。更に、連結部10cの一部も、ファスナー保持部10hとして機能している。保持体105は、略平板状である。保持体105は、連結部10cに固定されている。保持体105は、連結部10cの内面に対向して配置されている。連結部10cと保持体105との間にはファスナー挿入隙間gp1が設けられている。ファスナー挿入隙間gp1は、上側には開放されており、下側には閉じている。固定係合部103は、保持体105に設けられている。回動体101は、係合部104を有する。固定係合部103と係合部104とは係合しうる。本実施形態では、係合部104が孔であり、固定係合部103は凸部である。
【0075】
ヒンジ状部102は、ファスナー保持部10hの開閉を許容する。ヒンジ状部102は、回動体101の回動を許容する。ヒンジ状部102は、ヒンジと同様の作用を奏する。本実施形態では、ヒンジ状部102は、弾性変形可能な材質よりなる。具体的には、ヒンジ状部102は、薄い樹脂である。
【0076】
ファスナー操作部10にクイックファスナー8を取り付けるには、先ず、ファスナー保持部10hが開状態とされる(
図6参照)。次に、連結部8cが、ファスナー挿入隙間gp1の上側開口から、ファスナー挿入隙間gp1に挿入される。この挿入により、連結部8cは、連結部10cと保持体105とによって挟まれる。すなわち、この挿入により、連結部8cは、ファスナー保持部10hによって挟み込まれうる位置に配置される。次に、回動体101が回動され、ファスナー保持部10hが閉状態とされる(
図4及び
図6参照)。この閉状態は、固定係合部103と係合部104との係合によって達成される(
図4参照)。閉状態にあるファスナー保持部10hにより、ファスナー挿入隙間gp1の上側開口が閉じられる。よって、クイックファスナー8は、より確実に、ファスナー操作部10によって保持される。ファスナー操作部10が操作されると、クイックファスナー8はファスナー操作部10とともに移動する。ファスナー操作部10がスライド移動されると、クイックファスナー8もスライド移動される。
【0077】
なお、ファスナー保持部10hの構造は本実施形態に限定されない。例えば、上記実施形態から回動体101が除かれた場合であっても、クイックファスナー8はファスナー操作部10に保持される。もちろん、より簡便な構造により、クイックファスナー8がファスナー操作部10に保持されてもよい。
【0078】
第一アーム10aは、外側凸部106を有する(
図7参照)。第二アーム10bも、外側凸部106を有する。これらの外側凸部106は、アウター部材14との係合に寄与する。この点については後述される。これら外側凸部106は、ファスナー操作部10の外面に設けられている。この外側凸部106は、操作時における滑り止めの役割をも果たしうる。
【0079】
第一アーム10aは、係合凸部108を有する。第二アーム10bも、係合凸部108を有する。これら係合凸部108は、ファスナー操作部10の内面に設けられている。これら係合凸部108の機能については、後述される。
【0080】
第一アーム10aは、内側レール110を有する。第二アーム10bも、内側レール110を有する。これら内側レール110は、ファスナー操作部10の内面に設けられている。これら内側レール110の機能については、後述される。
【0081】
図11は、ファスナー操作部10の移動を説明するための斜視図である。
図11の左側では、クイックファスナー8及びファスナー操作部10は第一位置Pfにある。
図11の右側では、クイックファスナー8及びファスナー操作部10は第二位置Psにある。ファスナー操作部10を移動させることで、第一位置Pf及び第二位置Psの相互移行が可能である。第一位置Pfから第二位置Psへの移行は、例えば、第一アーム10aと第二アーム10bとを指で押圧しながらファスナー操作部10を引くことで達成される。なお、第一アーム10a及び第二アーム10bには、滑り止めのための凹凸部as1が設けられている。
【0082】
係止状態8yにおいて、クイックファスナー8及びファスナー操作部10は第一位置Pfに位置する。一方、クイックファスナー8及びファスナー操作部10が第二位置Psに移動すると、非係止状態8xとなる。正規接続状態を解除するには、ファスナー操作部10を操作し、クイックファスナー8及びファスナー操作部10を第一位置Pfから第二位置Psへと移動させる。この移動の過程で、クイックファスナー8は拡開変形し、雄側係止部k1及び雌側係止部k2から外れる。
【0083】
第一位置Pf及び第二位置Psのいずれにおいても、クイックファスナー8、ファスナー操作部10及び装着部材12は、雌管6に対して回転可能である。よって、あらゆる方向からファスナー操作部10を操作することができる。
【0084】
図12は、
図11の第二位置Psの側面図である。装着部材12は、確認用貫通孔hc1を有する。確認用貫通孔hc1は長孔である。確認用貫通孔hc1は、装着部材12の第一側面及び第二側面のそれぞれに設けられている。ファスナー操作部10が第一位置Pfにあるとき、確認用貫通孔hc1はファスナー操作部10によって覆われている。しかし、ファスナー操作部10が第二位置Psに移動すると、確認用貫通孔hc1が外部に露出する。ファスナー操作部10が第二位置Psにあるとき、確認用貫通孔hc1から装着部材12の内部を覗くことができる。
図12の側面視においては、確認用貫通孔hc1を通して、雌管6の上端面t2が外部から視認される。正規接続状態にあるとき、雄管4のフランジk1が上端面t2に当接する。正規接続状態にあるとき、確認用貫通孔hc1から、フランジk1及び上端面t2が目視で確認されうる。このように、正規接続状態にあるとき、確認用貫通孔hc1を通して目視できる位置にフランジk1が位置する。従って、確認用貫通孔hc1により、正規接続状態にあるか否かを外部から確認することができる。
【0085】
ファスナー操作部10の内側レール110は、確認用貫通孔hc1に係合している。ファスナー操作部10の移動において、内側レール110は確認用貫通孔hc1内をスライド移動する。確認用貫通孔hc1は、内側レール110のスライド移動をガイドする機能(ガイド機能A)を果たしている。確認用貫通孔hc1は、正規接続状態の確認機能と共に、上記ガイド機能Aをも果たしている。
【0086】
装着部材12は、スライド溝gv1を有している。スライド溝gv1は、装着部材12の第一側面及び第二側面のそれぞれに設けられている。スライド溝gv1は、ファスナー操作部10の係合凸部108と係合している。ファスナー操作部10の移動において、係合凸部108はスライド溝gv1内をスライド移動する。スライド溝gv1は、ファスナー操作部10のスライド移動のガイド機能(ガイド機能B)を果たしている。
【0087】
図13は、
図12のA−A線に沿った拡大断面図である。装着部材12は、仮係合凹部12pを有する。仮係合凹部12pは、スライド溝gv1の延長線上に設けられている。スライド溝gv1と仮係合凹部12pとの間には仕切りbr1が存在する。仕切りbr1は、仮係合凹部12pに近づくほど高くなる斜面br2を有する。ファスナー操作部10を第二位置Psに向かってスライド移動させると、係合凸部108が斜面br2に当接し、更に同じ方向にスライドさせると、係合凸部108は、仕切りbr1を乗り越えて、仮係合凹部12pに至る。この乗り越えには、ファスナー操作部10の拡開変形が必要である。この乗り越えには適度な抵抗力を要する。係合凸部108と仮係合凹部12pとの係合により、ファスナー操作部10は第二位置Psに仮止めされる。一方、ファスナー操作部10を第一位置Pfに向かって移動させると、仮係合凹部12pに係合していた係合凸部108は、仕切りbr1を乗り越えて、スライド溝gv1に至る。この乗り越えにも、ファスナー操作部10の拡開変形が必要である。この乗り越えには適度な抵抗力を要する。このように、適度な抵抗力を伴う仮止めにより、装着部材12に対するファスナー操作部10の位置決めがなされる。この位置決めにより、クイックファスナー8が第二位置Psで安定的に維持されうる。
【0088】
上記ガイド機能Aと上記ガイド機能Bとにより、ファスナー操作部10の移動方向がガイドされる。これらのガイド機能により、第一位置Pfと第二位置Psとの相互移行は円滑である。よって、非係止状態8xと係止状態8yとの相互移行も円滑である。
【0089】
クイックファスナー8は、ファスナー操作部10と共に移動する。よって、上記ガイド機能により、クイックファスナー8の移動方向もガイドされている。クイックファスナー8の移動方向は、軸垂直方向である。この移動方向は、係止状態8yへの移行及び係止状態8yの解除を容易とする。
【0090】
上述したように、クイックファスナー8は、ファスナー操作部10によって保持されている。更にクイックファスナー8は、装着部材12にも保持されている。
図4が示すように、装着部材12は、クイックファスナー8の上下方向の移動を規制するファスナー収容空間fv1を有する。ファスナー収容空間fv1の上側は、装着部材12の上面部12uによって画定されている。ファスナー収容空間fv1の下側は、仕切りsk1及びsk2によって画定されている。
【0091】
図14は、
図12に対応する断面図である。
図14は、雌管6の軸線に沿った断面図である。
図14において両矢印H1で示されるのは、ストッパ部st1、st2が設けられた部分を除くクイックファスナー8の軸方向最大高さである。
図14において両矢印H2で示されるのは、ストッパ部st1、st2が設けられた部分におけるクイックファスナー8の軸方向高さである。高さH2は高さH1よりも大きい。ファスナー収容空間fv1の軸方向高さは、高さH1に略等しい。よって、装着部材12内におけるクイックファスナー8の軸方向での動きは規制されている。ファスナー収容空間fv1は、クイックファスナー8の移動方向を規制するガイド機能(ガイド機能C)を果たしている。このガイド機能Cにより、ファスナー操作部10及びクイックファスナー8のスライド移動が安定的になされうる。
【0092】
図15は、
図12のB−B線に沿った断面図である。ただし
図15は断面斜視図とされている。装着部材12は、ストッパ面st12を有する。このストッパ面st12は、上面部12uの裏面に形成されている。第二位置Psにおいて、クイックファスナー8のストッパ部st1、st2は、ストッパ面st12に当接する。この当接により、クイックファスナー8のスライド移動は規制され、クイックファスナー8は脱落しない。よってファスナー操作部10も脱落しない。上記ガイド機能Cが作用しているので、ストッパ部st1、st2を回避してクイックファスナー8を装着部材12から取り外すことはできない。よってクイックファスナー8及びファスナー操作部10の脱落が確実に防止されている。クイックファスナー8を装着部材12から取り外すには、装着部材12を開状態としなければならない。
【0093】
なお、ファスナー操作部10とクイックファスナー8とが一体成形されていてもよい。例えば、板バネ状の部材に、クイックファスナー8に相当する部分とファスナー操作部10に相当する部分とが設けられても良い。また、弾性変形しうる樹脂によって、ファスナー操作部10とクイックファスナー8とが一体成形されてもよい。
【0094】
上述したように、アウター部材14は無くても良い。好ましくは、継手2は、アウター部材14を有する。
【0095】
図16は、アウター部材14を斜め下方から見た斜視図である。アウター部材14は、ファスナー操作部10が第一位置Pfにあるときに、装着部材12及びファスナー操作部10を覆うことができる(
図1参照)。
図1では、アウター部材14は正規位置にある。
【0096】
一方、前述したように、ファスナー操作部10は、外側凸部106を有する。この外側凸部106は、正規位置確認用凸部である。
【0097】
アウター部材14は、正規位置確認用孔14hを有する。正規位置確認用孔14hは、アウター部材14の2つの側面のそれぞれに設けられている。更にアウター部材14は、雄管4の通過を許容する欠け部14kを有している。欠け部14kは、アウター部材14の上面部に設けられている。更にアウター部材14は、雄管4に当接しうるアウター突出部14tを有している。アウター突出部14tは、アウター部材14の上面部の内面から下方に突出している。アウター突出部14tは、円筒の一部のような形態を呈している。
【0098】
図17は、このアウター部材14が用いられた場合の接続解除の手順(a)から(f)を示す斜視図である。
図17の状態(a)では、正規接続状態にあり、アウター部材14は正規位置にある。アウター部材14が正規位置にあるとき、正規位置確認用凸部106と正規位置確認用孔14hとは係合している。
【0099】
次に、アウター部材14が外される(手順(b))。アウター部材14を引き上げることで、正規位置確認用孔14hと正規位置確認用凸部106との係合が解除され、アウター部材14が取り外される。
【0100】
次に、ファスナー操作部10を引き、係止状態8yが解除される(手順(c))。クイックファスナー8及びファスナー操作部10は第二位置Psに移動する。この係止状態8yの解除により、雌管6からの雄管4の引き抜き(手順(d))が可能となる。
【0101】
次に、第二位置Psにあるファスナー操作部10が押し込まれる(手順(e))。この押し込みにより、クイックファスナー8は第一位置Pfに移動する(状態(f))。この状態(f)では、クイックファスナー8が係止可能状態となる。すなわち、再接続の準備が完了する。よって、雄管4を雌管6に差し込むだけで、正規接続状態が実現する。
【0102】
ファスナー操作部10が第一位置Pfにない状態では、ファスナー操作部10がアウター部材14と干渉するため、アウター部材14を正規位置に装着することができない。よって、アウター部材14は、クイックファスナー8が係止状態8yにあるか否かを検知する検知機能(検知機能X)を有する。アウター部材14が正規位置にあるか否かは、正規位置確認用凸部106と正規位置確認用孔14hとの係合によって確認される。この係合は、触覚(嵌合フィーリング)、音及び視覚によって確認することができる。正規位置確認用孔14hが貫通孔であるから、視覚による確認も可能である。
【0103】
アウター部材14は、雄側接続部4aと雌側接続部6aとが正規接続状態にあるか否かを検知する機能(検知機能Y)を有する。
図18は、検知機能Yを説明するための図である。上述したように、アウター部材14は、アウター突出部14tを有する。正規接続状態において、アウター部材14が正規位置にあるとき、アウター突出部14tの端面14mは雄側係止部k1(フランジk1)に当接する(
図18(a)参照)。一方、非正規接続状態では、雌管6に対する雄管4の挿入が不足しており、フランジk1とフランジk2とが離れている(
図18(b)参照)。この状態では、アウター突出部14tの端面14mとフランジk1との当接により、正規位置確認用孔14hを正規位置確認用凸部106の位置まで下げることができない。よって、正規位置確認用凸部106とアウター突出部14tとの係合が不能となる。非正規接続状態にあるとき、アウター部材14は正規位置に装着不能である。このようにアウター部材14は、上記検知機能Yを奏する。
【0104】
また、アウター部材14は、非正規接続状態を正規接続状態に補正する補正機能(正規接続補正機能)を有する。
図18(b)の状態において、アウター部材14を下方に押圧すると、アウター突出部14tによってフランジk1が押圧される。そして、アウター部材14が正規位置となるまで押圧を続行すると、最終的には、正規接続状態が実現する。このように、アウター部材14は、検知機能X及び検知機能Yに加えて、正規接続補正機能を有する。これらの機能により、非正規接続状態が効果的に防止されうる。
【0105】
図19は、変形例に係るクイックファスナー80の斜視図である。クイックファスナー80は、一対のアーム部として、第一アーム部80a及び第二アーム部80bを有する。更にクイックファスナー80は、連結部80cを有する。連結部80cは、第一アーム部80aと第二アーム部80bとを連結している。クイックファスナー80は、連結部80cとは逆側において開放されている。第一アーム部80aと第二アーム部80bとは互いに対向している。
【0106】
第一アーム部80aは、第一貫通孔h1と、外方延在部g1と、拡開用傾斜面p1と、ストッパ部st1とを有する。第二アーム部80bは、第二貫通孔h2と、外方延在部g2と、拡開用傾斜面p2と、ストッパ部st2とを有する。拡開用傾斜面p1は第一貫通孔h1の上側に設けられている。拡開用傾斜面p2は第二貫通孔h2の上側に設けられている。ストッパ部st1は、第一アーム部80aの開放側の端部の上側に設けられている。ストッパ部st2は、第二アーム部80bの開放側の端部の上側に設けられている。ストッパ部st1及びストッパ部st2は、上方に突出している。
【0107】
前述したクイックファスナー8とは異なり、クイックファスナー80は、曲面部を有する。第一アーム部80aは、曲面部r1を有する。第二アーム部80bは、曲面部r2を有する。第一貫通孔h1の下側に曲面部r1が設けられている。第二貫通孔h2の下側に曲面部r2が設けられている。
【0108】
図20は、係止状態にあるときのクイックファスナー80の断面図である。
図21は、クイックファスナー90の断面図である。曲面部r1及び曲面部r2が平面とされた他は、クイックファスナー90はクイックファスナー80と同じである。
図20及び
図21は、下方から見た断面図である。
【0109】
図20が示すように、曲面部r1及び曲面部r2は、係止状態において、雌管6との面接触を可能としている。係止状態において、曲面部r1及び曲面部r2は、雌管6の外周面cf1(
図4参照)と面接触している。外周面cf1は、フランジk2の下側に位置する。外周面cf1は、フランジk2とフランジf1との間に位置する。
【0110】
図20において両矢印E1で示されているのは、クイックファスナー80とフランジk2との係合長さである。
図21において両矢印E2で示されているのは、クイックファスナー90とフランジk2との係合長さである。長さE1は長さE2よりも大きい。すなわち、曲面部r1及び曲面部r2により、フランジk2との係合長さE1が大きくされている。よって、より大きな係止力が得られ、また係止状態の安定性が高まる。よって、正規接続状態の保持性が高まる。
【0111】
図20において両矢印Exで示されているのは、クイックファスナー80とフランジk2との係合幅である。
図21において両矢印Eyで示されているのは、クイックファスナー90とフランジk2との係合幅である。幅Exは幅Eyよりも大きい。曲面部r1及び曲面部r2により、係合幅Exが大きくされている。よって、より大きな係止力が得られ、また係止状態の安定性が高まる。よって、正規接続状態の保持性が高まる。
【0112】
クイックファスナー80では、2つの曲面部r1、r2の延在角度が内向きである。「延在角度が内向き」とは、直線Lxと直線Lyとが、クイックファスナー80の開放側において交わることを意味する(
図20参照)。なお直線Lxは、第二アーム部80bとフランジk2との係合部の両端点P1x同士を結ぶ直線である。直線Lyは、第一アーム部80aとフランジk2との係合部の両端点P1y同士を結ぶ直線である。直線Lx及び直線Lyは、
図20の断面において定義される。この断面は、軸垂直方向に沿った断面である。
【0113】
図20において、仮想線Lxと仮想線Lyとの成す角(図示されず)の二等分線Lcが示されている。更に、この二等分線Lcに直交する直線Lpが示されている。角度θ1は、仮想線Lxと上記直線Lpとの成す角度である。角度θ2は、仮想線Lyと上記直線Lpとの成す角度である。
【0114】
角度θ1が小さくされることで、係止状態を解除するための拡開変形量が大きくなる。よって、係止状態から非係止状態への移行が起こりにくく、係止状態の安定性が高まる。この観点から、角度θ1は、90度未満が好ましく、88度以下が好ましく、86度以下がより好ましい。非係止状態から係止状態への移行を円滑とする観点から、角度θ1は、65度以上が好ましく、70度以上がより好ましく、75度以上がより好ましい。本実施形態では、角度θ1は86°とされた。
【0115】
角度θ1と同じ理由で、角度θ2は、90度未満が好ましく、88度以下が好ましく、86度以下がより好ましい。角度θ1と同じ理由で、角度θ2は、65度以上が好ましく、70度以上がより好ましく、75度以上がより好ましい。本実施形態では、角度θ2は86°とされた。
【0116】
上記継手2では、装着部材12は、ファスナー操作部10及び/又はクイックファスナー8を保持する保持機能を有している。更に、装着部材12は、保護ケースとしての役割を果たす。すなわち装着部材12は、クイックファスナー8を保護する保護機能を有する。装着部材12は、上記保持機能又は上記保護機能の少なくとも1つを有しているのが好ましく、上記保持機能及び上記保護機能を有しているのがより好ましい。
【0117】
上記実施形態では、上記保持機能により、接続状態及び非接続状態のいずれにおいても、装着部材12、クイックファスナー8及びファスナー操作部10が継手に保持されている。装着部材12は、ファスナー操作部10の操作を許容しつつ、非係止状態8xにおいてファスナー操作部10及びクイックファスナー8を保持しうる。よって、クイックファスナー8及びファスナー操作部10の脱落が防止される。また、非接続状態においても、クイックファスナー8の存在が常に意識される。よって、クイックファスナー8の取付を忘れるミスが抑制される。更に、クイックファスナー8の紛失が防止される。
【0118】
クイックファスナー8が露出している場合、このクイックファスナー8に異物等が引っかかる事態が起こりうる。上記保護機能により、このような事態が防止される。なお、上記実施形態の継手2では、雄管4を挿通するための通過孔12tがある。よって、装着部材12は、クイックファスナー8の全体を完全に覆っている訳ではない。しかし、通過孔12tによって生ずる隙間は小さいので、上記保護機能は実質的に減退しない。
【0119】
上記保持機能を有しつつ、上記保護機能が減少又は除去された装着部材も可能である。このような装着部材として、壁面を減少させつつ、骨格部分及び貫通孔12hを残存させた構成が例示される。
【0120】
上記実施形態では、装着部材12は、雌管6に取り付けられている。これとは異なり、装着部材12は、雄管4に取り付けられても良い。より好ましい形態は、上記実施形態のように、装着部材12は雌管6に取り付けられる。通常の使用形態では、雌管6に装着部材12を取り付けて、雄管4を出し入れするほうが、着脱操作が容易である。また通常、雄管4に比べて雌管6は太い。よって、通過孔12tを小さくする観点からも、装着部材12は雌管6に取り付けられるのが好ましい。
【0121】
上記実施形態では、ファスナー操作部10は、クイックファスナー8を移動させ、この移動に伴い、クイックファスナー8の拡開変形が生じさせている。この拡開変形により、非係止状態8xと係止状態8yとの相互移行が可能とされている。更に、雄管挿入により、クイックファスナー8の拡開変形が可能である。よってクイックファスナー8が係止可能状態とされていれば、雄管4を差し込むだけで正規接続状態が実現する。
【0122】
上記開閉構造又は上記分離構造が採用されることにより、雌管6(又は雄管4)への装着部材12の取付は容易とされている。この取付は、雌管6(又は雄管4)を挟み込むことにより、容易に実現しうる。上記開閉構造又は上記分離構造により、雌管6(又は雄管4)と装着部材12との取付構造が単純化される。この単純化は、継手の小型化及びコストの低減に寄与しうる。
【0123】
開閉構造又は分離構造が採用されなくてもよい。例えば、雌管6を装着部材に挿入することで、雌管6を装着部材に装着する構成(以下、構成Xとする)も可能である。ただしこの場合、容易に外れないような取付を実現するためには、雌管6を挿入する際に、装着部材の係合部を弾性変形等させて圧入する必要が生じうる。この係合部の干渉(引っかかり)により、挿入が行いにくい。よって、上記実施形態に比較すると、装着部材を取り付けにくい。また、上記弾性変形の繰り返しにより、装着部材に破損又は摩耗が生じうる。
【0124】
上記実施形態では、開閉構造又は分離構造によって雌管6を挟み込んでいるため、装着部材12を雌管6に固定するための固定構造の設計自由度が高い。例えば、固定構造の位置、数、寸法、形状等の自由度が高い。よって、より確実な固定がなされうる。これに対して、上記構成Xでは、圧入が可能な範囲で固定構造を設計せざるを得ないため、固定構造の設計自由度が低い。このため、充分な固定強度を確保しにくい。
【0125】
拡開用傾斜面p1及び拡開用傾斜面p2を用いた拡開変形においては、雄管4のフランジk1が傾斜面p1、p2に当接する。よって、水密性に係る外周面を傾斜面p1、p2に当接させる必要がない。よって、水密性に影響を与える傷等は生じにくい。
【0126】
雄管4を雌管6に挿入することによってクイックファスナーを拡開変形させる場合、雌管の内側において雄管をクイックファスナーに当接させる必要がある。この当接を実現させるには、例えば、雌管の周方向の2箇所に孔を設け、この2箇所の孔を挟むようにしてクイックファスナーを設けることが考えられる。そして、この2箇所の孔から、クイックファスナーを、雌管の内側に突出させる。この突出した部分には、雌管に挿入された雄管が当接しうる。この当接により、クイックファスナーを拡開変形させることが可能となる。このような構成が採用される場合、雄管を雌管に挿入することでクイックファスナーの拡開変形が実現される。このような構造は、上述した特許第3711224号公報及び特許第3711246号公報において採用されている。
【0127】
ただしこの構成は、いくつかの問題を有する。第一の問題は、2箇所の孔を設けることにより、雌管6の構造が複雑となることである。この場合、水密性に係る部分に孔を設けることになり、水密性に影響が出るような寸法誤差等が生じることがある。また、この複雑化は、製造コストを上昇させうる。第二の問題は、装着部材に回転力が作用した場合の耐久性である。この構成では、クイックファスナー8の回転(雌管6の中心軸回りの回転)が不能であり、このクイックファスナー8を保持する装着部材の回転も不能である。回転不能な装着部材に回転力が作用した場合、いずれかの部位又は部品において、変形又は破損が生じうる。上記実施形態では、装着部材12及びクイックファスナー8の回転が許容されているため、このような問題は生じない。
【0128】
また、本実施形態では、ファスナー操作部10の回転が許容されているため、周方向におけるあらゆる方向からファスナー操作部10を操作することができる。よって、設置場所が狭い場合においても、操作が容易である。
【0129】
クイックファスナー8の材質は限定されない。強度の観点から、クイックファスナー8の材質は金属が好ましく、弾性(バネ性)の観点からバネ鋼がより好ましい。また、防錆性の観点から、クイックファスナー8の材質は、ステンレス系金属が好ましく、ステンレス鋼がより好ましい。例えば、SUS304が好ましい。上記実施形態では、クイックファスナー8の材質として、「SUS304−CSP−3/4H」を用いた。
【0130】
ファスナー操作部10の材質は限定されない。成形の自由度及び操作性の観点から、ファスナー操作部10の材質として、樹脂が好ましい。この樹脂として、ポリプロピレン(PP)、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)、ポリアミド(PA)、ポリオキシメチレン(POM)等が挙げられる。それほど高い強度は必要ないので、ポリプロピレン(PP)、ABS等の汎用樹脂が好適に用いられうる。上記実施形態では、低コストの観点から、ポリプロピレンが用いられた。
【0131】
装着部材12(保護ケース)の材質は限定されない。成形の自由度の観点から、装着部材12の材質として、樹脂が好ましい。この樹脂として、ポリプロピレン(PP)、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)、ポリアミド(PA)、ポリオキシメチレン(POM)等が挙げられる。ヒンジ状構造の可動性及び耐久性の観点、及び低コストの観点から、上記実施形態では、ポリプロピレンが用いられた。
【0132】
アウター部材14の材質は限定されない。成形の自由度の観点から、アウター部材14の材質として、樹脂が好ましい。この樹脂として、ポリプロピレン(PP)、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)、ポリアミド(PA)、ポリオキシメチレン(POM)等が挙げられる。装着部材12(保護ケース)との係合を容易とする観点及び低コストの観点から、上記実施形態では、ポリプロピレンが用いられた。
【0133】
以上に説明されたように、上記実施形態では、継手の着脱の際にクイックファスナー8が保持されているため、クイックファスナー8の取り付け忘れ及び紛失を防止できる。また、クイックファスナー8の移動がファスナー操作部10の操作によってなされるため、クイックファスナー8の着脱が容易である。また、クイックファスナー8が保護ケース12によって覆われているため、クイックファスナー8が異物に引っかかる事態が防止される。よって、意図しないクイックファスナー8の外れが防止される。更に、アウター部材14によって、非正規接続状態を検知することができ、クイックファスナーの非係止状態及び/又はファスナー操作部の非正規位置を検知することができる。よって、クイックファスナーの装着の不具合が高い精度で検知されうる。
【0134】
本願には、請求項(独立形式請求項を含む)に係る発明に含まれない他の発明も記載されている。本願の請求項及び実施形態に記載されたそれぞれの形態、部材、構成等は、それぞれが有する作用効果に基づく発明として認識される。
【0135】
上記各実施形態で示されたそれぞれの形態、部材、構成等は、これら実施形態の全ての形態、部材又は構成をそなえなくても、個々に、本願請求項に係る発明をはじめとした、本願記載の全発明に適用されうる。