特許第5671572号(P5671572)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5671572
(24)【登録日】2014年12月26日
(45)【発行日】2015年2月18日
(54)【発明の名称】加湿装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 6/00 20060101AFI20150129BHJP
   F24F 6/14 20060101ALI20150129BHJP
【FI】
   F24F6/00 B
   F24F6/14
【請求項の数】14
【外国語出願】
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2013-62876(P2013-62876)
(22)【出願日】2013年3月6日
(65)【公開番号】特開2013-185819(P2013-185819A)
(43)【公開日】2013年9月19日
【審査請求日】2013年5月7日
(31)【優先権主張番号】1203895.6
(32)【優先日】2012年3月6日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】508032310
【氏名又は名称】ダイソン テクノロジー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103609
【弁理士】
【氏名又は名称】井野 砂里
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】マーク ジョセフ スタニフォース
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル ジェームズ ビーヴィス
(72)【発明者】
【氏名】ジュード ポール プーレン
(72)【発明者】
【氏名】ピーター ディヴィッド ガマック
【審査官】 仲村 靖
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−203764(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3144127(JP,U)
【文献】 特開2009−275925(JP,A)
【文献】 特開平03−020546(JP,A)
【文献】 特開昭56−167897(JP,A)
【文献】 特開2004−101123(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 6/00
F24F 6/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加湿装置であって、
第1空気流を発生させる空気流発生手段を含む基部と、
前記第1空気流を放出する少なくとも1つの第1空気出口を含むとともに、加湿装置の外側からの空気が該少なくとも1つの第1空気出口から放出される空気により引き込まれて通る開口部を形成するノズルと、
第2空気流を加湿する加湿手段と、
前記第2空気流を放出する少なくとも1つの第2空気出口と、
前記基部に取外し可能に取り付けられた水タンクと、を含み、
前記水タンクは、前記空気流発生手段の少なくとも上側部分を取り囲む、
ことを特徴とする加湿装置。
【請求項2】
前記基部は、前記第1空気流を前記空気流発生手段から前記ノズルまで運ぶためのダクトを含み、
前記水タンクは、前記ダクトを取り囲む、
ことを特徴とする請求項1に記載の加湿装置。
【請求項3】
前記空気流発生手段は、前記第2空気流を発生するように構成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の加湿装置。
【請求項4】
前記基部は、前記第2空気流を加湿手段まで運ぶ入口ダクトを含むことを特徴とする請求項3に記載の加湿装置。
【請求項5】
前記水タンクは、前記入口ダクトの少なくとも上側部分を取り囲むことを特徴とする請求項4に記載の加湿装置。
【請求項6】
前記入口ダクトは、前記空気流発生手段の下流に配置された空気入口ポートを含むことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の加湿装置。
【請求項7】
前記水タンクは、前記第2空気流を前記少なくとも1つの第2空気出口まで運ぶための出口ダクトを含むことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の加湿装置。
【請求項8】
前記加湿手段は、前記水タンクから水を受け入れる水リザーバと該リザーバの水を霧化して前記第2空気流を加湿する霧化手段とを含み、
前記基部は、前記水リザーバ及び前記霧化手段を含む、
ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の加湿装置。
【請求項9】
前記ノズルは、前記第2空気流を放出する前記少なくとも1つの第2空気出口を含むことを特徴とする請求項8に記載の加湿装置。
【請求項10】
前記ノズルは、前記第1空気流を受け入れる少なくとも1つの第1空気入口と、該第1空気流を前記少なくとも1つの第1空気出口まで運ぶ第1内部通路と、前記第2空気流を受け入れる少なくとも1つの第2空気入口と、該第2空気流を前記少なくとも1つの第2空気出口まで運ぶ第2内部通路とを含むことを特徴とする請求項9に記載の加湿装置。
【請求項11】
前記第1内部通路は、前記第2内部通路から隔離されることを特徴とする請求項10に記載の加湿装置。
【請求項12】
前記第1内部通路は、前記ノズルの開口部を取り囲むことを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の加湿装置。
【請求項13】
前記第2内部通路は、前記ノズルの開口部を取り囲むことを特徴とする請求項10から請求項12のいずれか1項に記載の加湿装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つの第1空気出口は、前記第1空気流を前記ノズルの開口部の少なくとも前部を通って放出するように構成されることを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の加湿装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加湿装置に関する。本発明は、好ましい実施形態において、湿り空気流及び空気流を発生させ、湿り空気を部屋、オフィス等の家庭環境に分散させる加湿装置を提供する。
【背景技術】
【0002】
従来の家庭用ファンは、通常、軸の回りに回転するように取り付けられた一連のブレード又はベーンと、この一連のブレードを回転させて空気流を発生させるための駆動装置とを含む。空気流の移動又は循環が「風冷」又は微風を生成し、この結果、ユーザは、対流及び蒸発により熱が消失する時冷却効果を体感する。一般的に、ブレードはケージ内に位置付けられ、このケージは、空気流のハウジングの通過を可能にする一方、ファンの使用中にユーザが回転中のブレードに接触するのを防ぐ。
【0003】
US 2,488,467は、ケージに入ったブレードを使用することなくファンアセンブリから空気を放出するファンを説明している。代わりに、ファンアセンブリは、その内部に空気流を引き込むモーター駆動式インペラを収容する基部と、この基部に接続した一連の同心的な環状のノズルとを含み、各ノズルは、前部にファンから空気流を放出する環状の出口を含む。各ノズルは、その回りにノズルが延びるボア軸の回りに延びてボアを形成する。
【0004】
各ノズルは、翼形状とされる。翼は、ノズルの後部に位置する前縁、ノズルの前部に位置する後縁、及び前縁と後縁の間を延びる翼弦線を有すると考えることができる。US 2,488,467では、各ノズルの翼弦線は、ノズルのボア軸に対して平行である。空気出口が、翼弦線上に位置付けられ、翼弦線に沿ってかつノズルから遠ざかるように延びる方向に空気流を放出するように配列される。
【0005】
ケージに入ったブレードを使用することなく空気を放出する別のファンアセンブリは、WO 2010/100449に説明されている。このファンアセンブリは、第1次空気流を基部に引き込むモーター駆動式インペラを同様に収容した円筒形の基部と、基部に連結されて、ファンから放出される空気がそこを通る環状の口部を含む単一の環状のノズルとを含む。ノズルは、ファンアセンブリの局所環境の空気が口部から放出された第1次空気流により引き込まれてそこを通り第1次空気流を増幅する開口部を形成する。ノズルは、口部がその上方に第1次空気流を案内するように位置付けられたコアンダ面を含む。コアンダ面は、ファンアセンブリにより発生された空気流が円筒形状又は切頭円錐形状を示す環状の噴流になるように、開口部の中心軸線の回りに対称に延びる。
【0006】
ノズルの内面は、基部の外面に位置付けられたくさびと協働する戻り止めを含む。戻り止めは、ノズルを基部に取り付けるためにノズルが基部に対して回転される時に、くさびの傾斜面の上を滑るように構成される。その後、ファンアセンブリの使用中、戻り止め及びくさびの対向する面は、基部に対するノズルの回転を抑制して、ノズルが意に反して基部から取り外されるのを防止する。ユーザがノズルに比較的大きな回転力を加えた場合、回り止めは、撓んでくさびとの係合から外れるように配列されて、ユーザが基部からノズルを取り外すことが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】US 2,488,467
【特許文献2】WO 2010/100449
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の態様において、本発明は、空気流を発生させる手段を含む本体と、本体上に取り付けられて空気流を放出するノズルであって、ファンアセンブリの外側からの空気がノズルから放出された空気により引き込まれて通る開口を形成するノズルと、ノズルを本体に解除可能に保持するノズル保持手段であって、ノズルが本体上に保持される第1構成とノズルが取り外しのために本体から解除される第2構成とを有するノズル保持手段と、ノズル保持手段を第1構成から第2構成へ移動する手動作動可能部材とを含むファンアセンブリを提供する。
【0009】
ノズル保持手段を第1構成から第2構成へ移動する手動作動可能部材を設けたことにより、ノズルは取り外しのために速やかかつ容易に解除されることが可能になる。ノズルは解除されると、それは、例えば、清掃又は交換のためにユーザによって本体から引き離することができる。
【0010】
ノズル保持手段は、好ましくは、第1構成に向けて付勢され、ノズルは、通常、本体上に保持される。これは、ノズルが意に反して本体から解除されることなくユーザがノズルを掴んでファンアセンブリを持ち上げることを可能にする。
【0011】
手動作動可能部材は、好ましくは、第1位置から第2位置へ移動可能であり、ノズル保持手段を第1構成から第2構成へ移動する。手動作動可能部材は、第1位置から第2位置へ平行移動又は回転することができる。手動作動可能部材は、第1位置と第2位置との間でピボット回転移動することができる。ファンアセンブリは、手動作動可能部材を第1位置に向けて付勢する付勢手段を含むことができ、付勢手段は、手動作動可能部材が意に反して第2位置へ移動する危険を低減し、従って、付勢手段の付勢力に打ち勝ってノズル保持手段をその第2構成に移動する力を手動作動可能部材に加えることをユーザに要求する。付勢手段は、例えば、板バネ又は圧縮バネのような1つ又はそれよりも多くのバネの形態、又は1つ又はそれよりも多くの弾性要素のような形態とすることができる。
【0012】
手動作動可能部材は、好ましくは、ファンアセンブリの本体に位置付けられる。手動作動可能部材は、ユーザにより押し下げ可能とすることができる。手動作動可能部材は、ユーザにより直接押し下げ可能とすることができる。例えば、手動作動可能部材の一部は、ユーザが押圧可能なボタンの形態とすることができる。代替案として、本体は、手動作動可能部材を第2位置へ移動するように作動可能な分離したボタンを含むことができる。これは、手動作動可能部材が本体の表面から離れた位置に位置付けられることを可能にし、従って、手動作動可能部材が、ノズル保持手段をその展開構成から収容構成へ移動するうえで有利な位置に位置付けられること、又はより有利な形状を有することを可能にする。ボタンは、好ましくは、本体の上面に位置付けられて、ユーザが、手動作動可能部材をその第1位置に向けて付勢する付勢手段の付勢力に打ち勝つ下流に向う圧力をボタンに加えることを可能にする。
【0013】
手動作動可能部材は、好ましくは、押し下げ可能な留め具の形態であり、従って、第2の態様において、本発明は、空気流を発生させる手段を含む本体と、本体上に取り付けられて空気流を放出するノズルであって、ファンアセンブリの外側からの空気がノズルから放出された空気により引き込まれて通る開口を形成するノズルと、ノズルを本体に解除可能に保持するノズル保持手段であって、ノズルが本体上に保持される第1構成とノズルが取り外しのために本体から解除される第2構成とを有するノズル保持手段と、ノズル保持手段を第1構成から第2構成へ移動する押し下げ可能な留め具とを含むファンアセンブリを提供する。
【0014】
留め具は、それが第1位置から第2位置へ移動する時にノズルを本体から遠ざかるように付勢するように配列することができ、留め具は、ノズルが取り外しのために本体から解除されたとの可視的な指標をユーザに与える。
【0015】
ファンアセンブリは、留め具をその第2位置に解除可能に保持する留め具保持手段を含むことができる。留め具をその第2位置に保持することにより、ノズル保持手段は、その第2構成に保持することができる。これは、ノズル保持手段がその第2構成に保持される間に、ユーザがボタンを解除してノズルを本体から取り外すことを可能にする。
【0016】
第3の態様において、本発明は、空気流を発生させる手段を含む本体と、本体上に取り付けられて空気流を放出するノズルであって、ファンアセンブリの外側からの空気がノズルから放出された空気により引き込まれて通る開口を形成するノズルと、ノズルを本体に解除可能に保持するノズル保持手段であって、ノズルが本体上に保持される第1構成からノズルが取り外しのために本体から解除される第2構成へ移動可能なノズル保持手段と、ノズル保持手段を解除可能にその第2構成に保持する保持手段とを含むファンアセンブリを提供する。保持手段は、好ましくは、ノズル保持手段をその第2構成に保持する移動可能な留め具を含む。留め具は、好ましくは、第1位置とノズル保持手段を第2構成に保持する第2位置との間で移動可能である。保持手段は、好ましくは、留め具をその第2位置に保持する留め具保持手段を含む。
【0017】
留め具保持手段は、留め具をその第2位置に保持する1つ又はそれよりも多くの磁石を含むことができる。代替案として、留め具保持手段は、留め具に係合して該留め具をその第2位置に保持するように配列することができる。一実施形態において、留め具はフック部分を含み、留め具がその第2位置へ移動する時に、フック部分は、本体上に位置付けられたくさびの上を滑り、くさびに保持される。
【0018】
ノズルは、好ましくは、保持手段を第2構成から遠ざかるように付勢するための手段を含む。ノズルは、好ましくは、それが本体上の元の位置に戻された時に、留め具を留め具保持手段から遠ざかるように付勢するように配列される。例えば、ノズルの下面は、ノズルが本体上に下降される時に、留め具を留め具保持手段から遠ざかるように付勢する突出部材を形成され、又はそれを備えてもよい。留め具が留め具保持手段から遠ざかるように移動されるので、留め具は、付勢手段によりその第1位置に向けて付勢され、これが次に、ノズル保持手段をその第1構成に向けて付勢し、本体にノズルを保持する。
【0019】
ノズル保持手段は、好ましくは、ノズル及び本体に対して移動可能であり、第1構成でノズルを本体上に保持し、第2構成でノズルを取り外しのために本体から解除する戻り止めを含む。戻り止めは、ノズルに配置することができるが、好ましい実施形態において、本体が戻り止めを含む。留め具は、好ましくは、戻り止めを第1展開位置から第2収容位置へ移動するように構成されて、ノズルを取り外しのために本体から解除する。
【0020】
第4の態様において、本発明は、空気流を発生させる手段を含む本体と、本体上に取り付けられて空気流を放出するノズルであって、ファンアセンブリの外側からの空気がノズルから放出された空気により引き込まれて通る開口を形成するノズルとを含み、本体が、ノズルに対して移動可能であってノズルを本体上に保持する第1位置からノズルが本体から取外し可能になる第2位置へ移動する戻り止めと、戻り止めの第1位置から第2位置への移動を駆動する手動作動可能部材とを含むファンアセンブリを提供する。
【0021】
本体は、好ましくは、戻り止めを第1位置に向けて付勢する付勢手段を含む。付勢手段は、好ましくは、板バネ又は捩りバネの形態であるが、付勢手段はいずれかの弾性要素の形態とすることができる。
【0022】
戻り止めは、第1位置から第2位置へ平行移動又は回転することができる。好ましくは、戻り止めは、第1位置及び第2位置間をピボット回転移動する。戻り止めは、好ましくは、本体にピボット回転移動可能に連結されるが、代替的に、戻り止めは、ノズルにピボット回転移動可能に連結することができる。留め具は、該留め具がその第1位置から第2位置へ移動して戻り止めを回転させる時に、戻り止めの下面に係合するように配列することができる。
【0023】
戻り止めは、好ましくは、ノズルの外面に係合するように配列することができ、ノズルを本体上に保持する。例えば、戻り止めは、ノズルの外面に形成された凹み部分に係合又は進入するように配列することができ、ノズルを本体上に保持する。
【0024】
ノズルは、好ましくは、少なくとも部分的に本体内に挿入可能な入口部分を含み、また戻り止めは、ノズルの入口部分に係合するように配列することができ、ノズルを本体上に保持する。ノズルの入口部分は、好ましくは、本体のダクト内に挿入可能であり、空気流の少なくとも一部を本体から受け入れる。ダクトは、戻り止めがノズルを本体上に保持する第1位置にある場合に、戻り止めが通って突出する開口を含むことができる。
【0025】
ノズル保持手段は、単一の戻り止めを含むことができる。好ましい実施形態において、ノズル保持手段は、複数の戻り止めを含み、また手動作動可能部材は、戻り止めをそれらの展開位置と収容位置との間で同時に移動するように配列することができる。手動作動可能部材は、各戻り止めを同時に移動するように湾曲した弓形の又は環状の形状とすることができる。戻り止めは、本体のダクトに対して、直径方向で対向する位置に配置することができる。
【0026】
ノズルは、好ましくは、環状の形状であり、ファンアセンブリの外側からの空気がノズルから放出される空気により引き込まれて通るボアの回りに延びる。ノズルは、空気流を放出する1つ又はそれよりも多くの空気出口を含む。空気出口は、ノズルの前端の内部に又は向けて又はノズルの後部分に向けて配置することができる。空気出口は、各々がそれぞれの空気ストリームを放出する複数の開口を含むことができ、また各開口はボアのそれぞれの側部に配置することができる。代替案として、ノズルは、少なくとも部分的にボアの回りに延びる単一の空気出口を含むことができる。ノズルは、ボアの回りに延びて空気出口又は各空気出口へ空気流を運ぶ内部通路を含むことができる。内部通路はノズルのボアを取り囲むことができる。
【0027】
ファンアセンブリは、部屋又は他の家庭環境内に冷気を発生させるように構成することができる。しかし、ファンアセンブリは、ファンアセンブリから放出される空気流のパラメータを変更するように配列することができる。図示の実施形態において、ファンアセンブリは加湿手段又は加湿器を収容するが、ファンアセンブリは、代わりに、ファンアセンブリから放出される第1空気流又は第2空気流のいずれかの別のパラメータを変更するように加熱器、冷却器、空気清浄器、及びイオン化器のうちの1つを含むことができる。
【0028】
例えば、本体は、第2空気流を加湿する加湿手段を含むことができる。本体は基部を含むことができ、また加湿手段の一部は、基部の内部に収容され、又は連結することができる。空気入口及び空気流を発生させる手段は、好ましくは、本体の基部に位置付けられる。空気流を発生させる手段は、インペラと、インペラを駆動して空気流を発生させるモーターとを含む。インペラは、好ましくは、混成流インペラである。空気流を発生させる手段は、好ましくは、インペラの下流に位置付けられたディフューザを含む。基部は、好ましくは、空気流をノズルまで運ぶダクトを含む。
【0029】
第5の態様において、本発明は、本体と本体に取外し可能に取り付けられたノズルとを含む加湿装置を提供し、本体は、第1空気流及び第2空気流を発生させる手段と、第2空気流を加湿する加湿手段とを含み、ノズルは、第1空気流を放出する少なくとも1つの第1空気出口を含み、ノズルは、装置の外側からの空気が少なくとも1つの第1空気出口から放出される空気により引き込まれて通る開口を形成し、装置は、第2空気流れ放出する少なくとも1つの第2空気出口を含み、本体は、本体に対して移動可能でノズルを本体に解除可能に保持するノズル保持手段を含む。
【0030】
加湿手段の一部は、好ましくは、ノズルに隣接して配置することができる。加湿手段のノズルへの近接度に応じて、加湿手段は、ノズル保持手段、留め具、及び留め具保持手段のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0031】
加湿手段は、好ましくは、水タンクを含む。本体は、好ましくは、水タンクと水タンクが取り付けられた基部とを含む。水タンクは、少なくとも1つのノズル保持手段を含む。水タンクはまた、留め具と留め具保持手段とを含むことができる。本体は、好ましくは、ノズル保持手段のためのハウジングを含み、その内部でノズル保持手段は、本体に対して移動可能である。このハウジングはまた、留め具及び留め具保持手段を収容することができる。水タンクの壁は、留め具保持手段を提供することができる。代替案として、留め具保持手段は、水タンクの壁に取り付けられ又は連結することができる。ハウジングは、好ましくは、ノズル保持手段が通って突出してノズルを本体上に保持する開口を含む。水タンクは、好ましくは、基部に取外し可能に取り付けられる。従って、水タンクが基部に取り付けられる場合、水タンクのハウジングの開口は、基部のダクトの開口に整列して、ノズル保持手段が両方の開口を通って突出し、ノズルを保持することを可能にする。
【0032】
水タンクは、収容位置と展開位置の間で移動可能であって水タンクの基部からの取り外しを容易にするハンドルを含むことができる。水タンクは、ハンドルを展開位置へ向けて付勢してユーザにハンドルを差し出すバネ又は他の弾性要素を含むことができる。ノズルは、ハンドルを収容位置へ向けて付勢するように構成することができ、その結果、ノズルが装置から取り外された場合に、ハンドルは自動的に展開位置へ移動し、基部からの水タンクの取り外しを容易にする。
【0033】
第6の態様において、本発明は、第1空気流及び第2空気流を発生させる手段と、第1空気流を放出する少なくとも1つの第1空気出口を備えて取外し可能なノズルであって、少なくとも1つの第1空気出口から放出される空気により引き込まれた加湿装置の外側からの空気が通る開口を形成するノズルと、第2空気流を加湿する加湿手段と、第2空気流を放出する少なくとも1つの第2空気出口と、収容位置と展開位置の間で移動可能なハンドルとハンドルを展開位置へ向けて付勢する付勢手段とを有する水タンクとを含み、ノズルが、ハンドルを収容位置へ向けて付勢するように構成される加湿装置を提供する。
【0034】
ノズルが本体の元に位置に戻される時に、ノズルは、ハンドルに係合し、付勢手段の付勢力に対してハンドルを収容位置へ移動する。ハンドルが収容位置へ移動する時に、ハンドルは、留め具に係合することができ、留め具を留め具保持手段から遠ざかるように付勢して、留め具をその展開位置から解除する。戻り止めは、好ましくは、その展開位置へ向けて付勢される。留め具のその第2位置からの解除は、戻り止めがその展開位置へ自動的に移動してノズルを本体上に保持することを可能にする。
【0035】
水タンクは、好ましくは、ハンドルがその収容位置にある場合に、水タンクから突出しないようにハンドルをその収容位置に格納する凹み部分を含む。ハンドルをその展開位置に向けて付勢する付勢手段は、好ましくは、水タンクの凹み部分に位置付けられる。付勢手段は、好ましくは、板バネ又は捩りバネの形態であるが、付勢手段は、いずれかの他のバネ又は弾性部材とすることができる。ハンドルは、好ましくは、収容位置と展開位置との間でピボット回転移動可能である。
【0036】
水タンクは、水タンクが基部に取り付けられる場合に、基部のダクトに隣接して、好ましくはもたれて位置付け可能な凹んだ内壁を有することができる。水タンクの容量を増加させるために、水タンクは環状の形状とすることができる。従って、水タンクは、水タンクが基部に取り付けられる場合に、基部のダクトの少なくとも上部の上方かつ回りに位置付けられる管状の内壁を有することができる。水タンクは、円筒形の外壁を有することができる。基部は、好ましくは、円筒形の外壁を有し、また水タンクは、好ましくは、水タンクと基部とが同軸になるように基部に位置付けられる。基部の外壁及び水タンクの外壁は、好ましくは、本体の外壁を形成する。水タンクの外壁と基部の外壁とは、好ましくは、水タンクが基部に取り付けられる場合に、本体が円筒形の外観を有するように同じ半径を有する。基部の外壁及び水タンクの外壁は、好ましくは、水タンクが基部に取り付けられる場合に同一平面にある。
【0037】
水タンクの容量を更に増加させるために、水タンクは、好ましくは、空気流を発生させる手段の少なくとも上部、この例ではモーター及びインペラユニットを取り囲む。従って、第7の態様において、本発明は、第1空気流を発生させる手段を含む基部と、第1空気流を放出する少なくとも1つの第1空気出口を含むノズルであって、少なくとも1つの第1空気出口から放出される空気により引き込まれる加湿装置の外側からの空気が通る開口を形成するノズルと、第2空気流を加湿する加湿手段と、第2空気流を放出する少なくとも1つの第2空気出口と、基部に取外し可能に取り付けられた水タンクとを含み、水タンクが、空気流を発生させる手段の少なくとも上側部分を取り囲む加湿装置を提供する。
【0038】
ノズルは、水タンクがノズルの内部通路の下側部分を取り囲むように本体上に取り付けることができる。例えば、水タンクは、上方に湾曲した形状の上側壁を有することができ、またノズルは、水タンクの上側壁がノズルの外面の下側部分を覆うように本体の中心に取り付けることができる。これは、加湿装置が、コンパクトな外観を有することを可能にし、かつ水タンクの容量が最大化されることを可能にする。
【0039】
第8の態様において、本発明は、第1空気流を発生させる空気流発生手段を含む基部と、第1空気流を受け入れる内部通路と第1空気流を放出する少なくとも1つの第1空気出口とを含むノズルであって、少なくとも1つの第1空気出口から放出される空気により引き込まれる装置の外側からの空気が通る開口を形成するノズルと、第2空気流を加湿する加湿手段と、第2空気流を放出する少なくとも1つの第2空気出口と、基部に取り付けられた水タンクとを含む加湿装置を提供し、タンクは、上方に湾曲した上面を含み、ノズルは、水タンクの上面が少なくとも部分的にノズルの外面の下端を覆うように装置に取り付けられる。
【0040】
水タンクの水入口は、好ましくは、水タンクの下面に位置付けられる。水タンクに水を充填するために、水タンクは基部から取り外され、水タンクが栓又は他の水源の下方に位置するようにひっくり返される。水タンクの上面は、好ましくは、例えば、基部上の水タンクの充填と交換の間に水タンクを作業面に支持する少なくとも1つの支持体を含む。支持体は、水タンクの上面に取り付けることができる。代替案として、水タンクの上面の周囲は、支持体を形成するように成形することができる。水タンクの上面は、単一の湾曲した又は弓形の支持体を含むことができる。代替案として、水タンクの上面は、水タンクの両側に位置付けられる複数の支持体を含むことができる。これらの支持体は、好ましくは、平行である。
【0041】
加湿手段は、好ましくは、水タンクから水を受け入れる水リザーバと、リザーバの水を霧化して第2空気流を加湿する霧化手段とを含む。水リザーバ及び霧化手段は、好ましくは、基部に位置付けられる。基部は、好ましくは、第2空気流をリザーバまで運ぶ入口ダクトを含む。基部はまた、湿った第2空気流をリザーバから第2空気出口まで運ぶ出口ダクトを含むことができる。代替案として、水タンクは、リザーバから第2空気流を運ぶ出口ダクトを含むことができる。
【0042】
空気流発生手段は、第1インペラ及び第1インペラを駆動して第1空気流を発生させる第1モーターと、第2空気流を発生させる第2インペラとを含むことができる。第2インペラは、第1及び第2インペラが常に同時に回転するように第1モーターで駆動することができる。代替案として、第2モーターが設けられて、第2インペラを駆動することができる。これは、ユーザが要求する限り、第2インペラが駆動されて第2空気流を発生させることを可能にし、また空気流が専らファンの後部分を通ってファンアセンブリから放出されることを可能にする。一般的なコントローラが設けられて、各モーターを制御することができる。例えば、コントローラは、第1モーターが現在駆動される時に又は第2モーターが第1モーターと同時に駆動される時に第2モーターのみを駆動するように構成することができる。第2モーターは、第1モーターが停止された場合には、自動的に停止することができる。従って、コントローラは、好ましくは、第1モーターが第2モーターとは独立して駆動可能になるように構成される。
【0043】
代替案として、空気流発生手段は、インペラの下流で第1空気流及び第2空気流に分割される空気ストリームを発生させるモーター及びインペラを含むことができる。インペラは、好ましくは、混成流インペラである。第2空気流がそこを通って入口ダクトに入り第2空気流をリザーバまで運ぶ入口ポートは、インペラの直ぐ下流、又はインペラの下流に位置付けられたディフューザのすぐ下流に配置することができる。
【0044】
出口ダクトは、第2空気流をリザーバへ運び、そこから放出するように構成することができる。ノズルは、湿り空気流と、湿り空気流を加湿装置から遠ざかるように運ぶ分離空気流との両方を放出するように構成することができる。これは、湿り空気流が、加湿装置から離れて急速に体感することができることを可能にする。
【0045】
従って、ノズルは、少なくとも1つの第1空気入口と、少なくとも1つの第1空気出口と、第1空気流を少なくとも1つの第1空気入口から少なくとも1つの第1空気出口まで運ぶ第1内部通路と、少なくとも1つの第2空気入口と、少なくとも1つの第2空気出口と、第2空気流を少なくとも1つの第2空気入口から少なくとも1つの第2空気出口まで運ぶ第2内部通路とを含むことができる。
【0046】
湿った第2空気流は、ノズルの1つ又はそれよりも多くの異なる空気出口から放出可能である。これらの空気出口は、例えば、ノズルのボアの回りに配置することができ、湿った空気流が第1空気流内で比較的均等に分散させることを可能にする。
【0047】
好ましくは、第1空気流は、第1空気流量で放出され、第2空気流は、第1空気流量よりも低い第2空気流量で放出される。第1空気流量は、可変な空気流量とすることができ、従って、第2空気流量は、第1空気流量と共に変動する場合がある。
【0048】
第1空気出口は、好ましくは、第2空気流が第1空気流内でノズルから遠ざかるように運ばれるように第2空気出口の背後に位置付けられる。各内部通路は、好ましくは環状である。ノズルの2つの内部通路は、ノズルのそれぞれの構成要素で形成することができ、2つの内部通路は、組立中に一緒に連結することができる。代替案として、ノズルの内部通路は、ノズルの内壁及び外壁の間に位置付けられた分割壁又は他の仕切り部材で分離することができる。上述のように、第1内部通路は、好ましくは、第2内部通路から隔離されるが、比較的少量の空気が第1内部通路から第2内部通路へ流されて、ノズルの第2空気出口を通る第2空気流を付勢することができる。
【0049】
第1空気流の流量は、好ましくは、第2空気流の流量よりも大きいので、ノズルの第1内部通路の容積は、好ましくは、ノズルの第2内部通路の容積よりも大きい。
【0050】
ノズルは、好ましくは、ノズルのボアの回りに少なくとも部分的に延び、好ましくは、ボアの軸線上に中心を有する単一の第1空気出口を含むことができる。代替案として、ノズルは、ノズルのボアの回りに配列された複数の第1空気出口を含むことができる。例えば、第1空気出口は、ボアの両側に配置することができる。第1空気出口は、好ましくは、ボアの少なくとも前部を通って空気を放出するように配列される。第1空気出口は、ボアの一部を形成する表面の上方に空気を放出して、第1空気出口から放出される空気によりボアを通って引き込まれる空気の容積を最大にするように配列することができる。代替案として、第1空気出口は、空気流をノズルの端面から放出するように配列することができる。
【0051】
ノズルの第2空気出口は、ノズルのこの表面を超えて第2空気流を放出するように配列することができる。代替案として、第2空気出口は、ノズルの前端に位置付けられ、空気をノズルの表面から遠ざかるように放出するように配列することができる。従って、第1空気出口は、第2空気出口に隣接するように配置することができる。ノズルは、ノズルの軸線の回りに少なくとも部分的に延びることができる単一の第2空気出口を含むことができる。代替案として、ノズルは、ノズルの前端の回りに配列された複数の第2空気出口を含むことができる。例えば、第2空気出口は、ノズルの前端の両側に配置することができる。複数の空気出口の各々は、1つ又はそれよりも多くの開口、例えば、スロット、直線的に整列した複数のスロット、又は複数の開口を含むことができる。第1空気出口は、第2空気出口と平行に延びることができる。
【0052】
本発明の第1の態様に関連して説明した特徴は、本発明の第2から第8の態様の各々にも同様に当て嵌まり、その反対も同様に成り立つ。
【0053】
ここで、本発明の実施形態を単なる一例として添付図面を参照して以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0054】
図1】加湿装置の正面図である。
図2】加湿装置の側面図である。
図3】加湿装置の後面図である。
図4(a)】加湿装置のノズルを本体上に保持した状態における図1のA−A線矢視側面断面図である。
図4(b)】加湿装置のノズルを本体から解除した状態を示している図4(a)と同様の図である。
図5図5(a)は、図1のB−B線矢視上面断面図であり、図5(b)は、図5(a)に示す領域Pの拡大図である。
図6図6(a)は、基部の外壁を部分的に除去して加湿装置の基部の上方から見た斜視図であり、図6(b)は、基部を少し回転した状態を示している図6(a)と同様の図である。
図7図7(a)は、ハンドルが展開位置にある状態で基部に取り付けられた水タンクの上方から見た斜視図であり、図7(b)は、図7(a)に示す領域Rの拡大図である。
図8図4(a)のD−D線矢視上面断面図である。
図9図8のF−F線矢視断面図である。
図10】ノズルを下方から見た後部斜視図である
図11図4(a)のE−E線矢視上面断面図である。
図12(a)】加湿装置のノズルを本体上に保持した状態における図2のC−C線矢視前面断面図である。
図12(b)】加湿装置のノズルを本体から解除した状態を示している図12(a)と同様の図である。
図13】加湿装置の制御システムの概念的説明図である。
図14】加湿装置の作動の段階を説明する流れ図である
【発明を実施するための形態】
【0055】
図1から図3は、ファンアセンブリの外観図である。この例において、ファンアセンブリは、加湿装置10の形態とされる。外観において、加湿装置10は、加湿装置に入る空気が通る空気入口を含む本体12と、この本体12に取り付けられた環状のケーシングの形態とされ、かつ加湿装置10から空気を放出する複数の空気出口を含むノズル14とを含む。
【0056】
ノズル14は、2つの異なる空気流を放出するように位置付けられる。ノズル14は、後部分16と、この後部分16に結合された前部分18とを含む。各部分16、18は、環形状であり、本体12のボア20の回りに延びる。ボア20は、ノズル14の中心を通って延び、各部分16、18の中心は、ボア20の軸線X上に位置付けられる。
【0057】
この例において、各部分16、18は、「レーストラック」形状を有し、各部分16、18は、ボア20の両側に位置付けられた2つのほぼ直線状の部分、この直線部分の上端に結合される湾曲した上側部分、及び直線部分の下端に結合される湾曲した下側部分を含む。しかし、部分16、18は、あらゆる所望形状を有することができ、例えば、部分16、18は、円形状又は卵形状とすることができる。この実施形態において、ノズル14の高さは、ノズルの幅よりも大きいが、ノズル14は、ノズル14の幅がノズル14の高さよりも大きくなるように構成することもできる。
【0058】
ノズル14の各部分16、18は、空気流のそれぞれの1つが沿って通過する流路を形成する。この実施形態において、ノズル14の後部分16は、第1空気流が沿ってノズル14を通過する第1空気流路を形成し、ノズル14の前部分18は、第2の空気流がそれに沿ってノズル14を通過する第2空気流路を形成する。
【0059】
図4(a)も参照すると、ノズル14の後部分16は、環状の内側ケーシング部分24に連結されかつその周りに延びる環状の第1外側ケーシング部分22を含む。各ケーシング部分22、24は、ボア軸線Xの回りに延びる。各ケーシング部分は、複数の連結された部品で形成することができるが、この実施形態において、各ケーシング部分22、24は、それぞれ、単一の成形部品で形成される。図5(a)及び図5(b)に説明するように、環状の第1外側ケーシング部分22の後部分26は、ボア軸線Xに向けて内側に湾曲して、ノズル14の後端及びボア20の後部分を形成している。組立中に、第1外側ケーシング部分22の後部分の端部は、例えば、接着剤を用いて、内側ケーシング部分24の後端に連結される。第1外側ケーシング部分22は、ノズル14の第1空気入口30を形成する管状の基部28を含む。
【0060】
ノズル14の前部分18はまた、環状の前側ケーシング部分34に連結されかつその周りに延びる環状の第2外側ケーシング部分32を含む。ここでも、各ケーシング部分32、34は、ボア軸線Xの回りに延び、複数の連結された部品で形成することができるが、この実施形態において、各ケーシング部分32、34は、それぞれ、単一の成形部品で形成される。この例において、前側ケーシング部分34は、第1外側ケーシング部分22の前端に連結された後側部分36と、ほぼ切頭円錐形状で、ボア軸線Xから遠ざかるように後側部分36から外側に開く前側部分38とを含む。前側ケーシング部分34は、内側ケーシング部分24と一体とすることができる。第2外側ケーシング部分32は、ほぼ円筒形状であり、第1外側ケーシング部分22と前側ケーシング部分34の前端との間を延びる。第2外側ケーシング部分32は、ノズル14の第2空気入口42を形成する管状の基部40を含む。
【0061】
ケーシング部分24、34は、一緒にノズル14の第1空気出口44を形成する。第1空気出口44は、内側ケーシング部分24及び前側ケーシング部分34の後側部分36の表面を重ねる又は対向させることにより形成され、第1空気出口44は、ノズル14の前端から空気を放出するように配列される。第1空気出口44は環状のスロットの形態とされ、この第1空気出口は、ボア軸線Xの回りで0.5から5mmの範囲の比較的一定の幅を有する。この例において、第1空気出口44は、幅が約1mmである。内側ケーシング部分24、34がそれぞれの構成要素で形成される場合、第1空気出口44に沿ってスペーサ46が離れて配置することができ、このスペーサはケーシング部分24、34の重複部分を離すように付勢して、第1空気出口44の幅を制御する。これらのスペーサは、ケーシング部分24、34のいずれかと一体とすることができる。ケーシング部分24、34が単一の構成要素から形成される場合、スペーサ46は、第1空気出口44に沿って隔置されて、内側ケーシング部分24と前側ケーシング部分34とを一体に結合するフィンで置換することができる。
【0062】
ノズル14は、第1空気流を第1空気入口30から第1空気出口44まで運ぶ環状の第1内部通路48を形成する。第1内部通路48は、第1外側ケーシング部分22の内面と内側ケーシング部分24の内面とで形成される。テーパのついた環状の口部50が、第1空気流を第1空気出口44へ案内する。空気が第1内部通路48から第1空気出口44へ通る時に、口部50のテーパ形状は、空気に、滑らかでしかも制御された加速を与える。従って、ノズル14を通る第1空気流路は、第1空気入口30、第1内部通路48、口部50、及び第1空気出口44で形成されると考えることができる。
【0063】
前側ケーシング部分34は、ノズル14の複数の第2空気出口52を形成する。第2空気出口52もノズル14の前端に形成され、各第2空気出口は、例えば、成形又は機械加工により、ボア20のそれぞれの側部分に形成される。第2空気出口52の各々は、第1空気出口44の下流に位置付けられる。この例では、各第2空気出口52は、0.5から5mmの範囲の比較的一定の幅を有するスロットの形態とされる。この例において、各第2空気出口52は、幅が約1mmである。代替案として、各第2空気出口52は、ノズル14の前側ケーシング部分34に形成された円形状の開口又はスロットの列の形態とすることができる。
【0064】
ノズル14は、第2空気流を第2空気入口42から第2空気出口52まで運ぶ環状の第2内部通路54を形成する。第2内部通路54は、ケーシング部分32、34の内面により、また第1外側ケーシング部分22の外面の前部により形成される。ノズル14内で、第2内部通路54は、第1内部通路48から分離される。従って、ノズル14を通る第2空気流路は、第2空気入口42、第2内部通路54、及び第2空気出口52で形成されると考えられる。
【0065】
図4(a)に戻って、本体12は、ほぼ円筒形状である。本体12は、基部56を含む。基部56は、円筒形状であって空気入口60を含む外部の外壁58を有する。この例において、空気入口60は、基部56の外壁58に形成された複数の開口を含む。基部56の前側部分は、加湿装置10のユーザインタフェースを含む。ユーザインタフェースは、図13に概略的に示されると共に以下に詳しく説明される。加湿装置10に電力を供給する主電源ケーブル(図示せず)は、基部56に形成された開口を通って延びる。
【0066】
基部56は、ノズル14を通って第1空気流を第1空気流路まで運ぶ第1空気通路62と、ノズル14を通って第2空気流を第2空気流路まで運ぶ第2空気通路64とを含む。
【0067】
第1空気通路62は、空気入口60から基部56を通り、ノズル14の第1空気入口30へ延びる。図6(a)及び6(b)も参照すると、基部56は、外壁58の下端に結合された底壁66と、凹んだ環状壁70で外壁58に結合されたほぼ円筒形の内壁68とを含む。この例では、外壁58、内壁68、及び環状壁70は、基部56の単一の構成要素として形成されるが、代替案として、これらの壁の2つ又はそれよりも多くは、基部56のそれぞれの構成要素として形成することができる。内壁68の上端に上側壁が結合される。上側壁は、下側の切頭円錐部分72と、ノズル14の基部28が挿入された上側の円筒部分74とを有する。
【0068】
内壁68は、インペラ76の回りに延びる第1空気通路62を通る第1空気流を形成する。この例において、インペラ76は、混成流インペラの形態とされる。インペラ76は、モーター78から外側に延びてインペラ76を駆動する回転軸に固定される。この例において、モーター78は、ユーザによる速度選択に応じて、駆動回路80により速度が可変とされた直流ブラシレスモーターである。モーター78の最大速度は、好ましくは、5,000から10,000rpmの範囲である。モーター78は、下側部分84に結合された上側部分82を含むモーターバケットに収容される。モーターバケットの上側部分82は、湾曲したブレードを有する固定されたディスクの形態とされたディフューザ86を含む。ディフューザ86は、ノズル14の第1空気入口30の下方に位置付けられる。
【0069】
モーターバケットは、ほぼ切頭円錐状のインペラハウジング88内に位置付けられ、かつその上に取り付けられる。次に、インペラハウジング88は、内壁68から内側に延びる環状の支持体90に取り付けられる。環状の入口部材92が、インペラハウジング88の底部に結合されて、空気流をインペラハウジング88内に案内する。環状のシール部材94が、インペラハウジング88と支持体90の間に位置付けられて、空気が、インペラハウジング88の外面の回りを通って入口部材92に至ることを防止する。環状の支持体90は、好ましくは、案内部分96を含み、駆動回路80からモーター78へ電気ケーブルを案内する。基部56はまた、空気入口60から空気流を入口部材92の空気入口ポートへ案内する案内壁98を含む。
【0070】
第1空気通路62は、空気入口60から入口部材92の空気入口ポートへ延びる。次に、第1空気通路62は、インペラハウジング88を通って、内壁68の上端、及び上側壁の部72、74へ延びる。
【0071】
案内壁98と環状壁70の間に、環状の空洞99が位置付けられる。空洞99は、入口部材92と案内壁98の間に位置付けられた開口部を有し、空洞99は、第1空気通路62に開口している。空洞99は、固定された空気のポケットを有し、このポケットは、加湿装置10の使用時に発生した振動が本体12の外面へ伝達するのを低減するように役立つ。
【0072】
第2空気通路64は、第1空気通路62から空気を受け入れるように配列される。第2空気通路64は、第1空気通路62に隣接して位置付けられる。第2空気通路64は、入口ダクト100を含む。図6(a)及び6(b)を参照すると、入口ダクト100は、基部56の内壁68で形成される。入口ダクト100は、第1空気通路62の長手軸線の一部に隣接して、この例では、一部の半径方向外側に位置付けられる。入口ダクト100は、基部56の長手軸線とほぼ平行に延び、この長手軸線はインペラ76の回転軸線と同軸上にある。入口ダクト100は、ディフューザ86の下流側かつ半径方向外側に位置付けられた入口ポート102を有して、ディフューザ86が放出する空気流の一部を受け入れ、第2空気流を形成する。入口ダクト100は、その下端に位置付けられた出口ポート104を有する。
【0073】
第2空気通路64は、更に、第2空気流をノズル14の第2空気入口42まで運ぶように配列された出口ダクト106を含む。第2空気流は、入口ダクト100及び出口ダクト106を通ってほぼ反対方向へ運ばれる。出口ダクト106は、その下端に位置付けられた入口ポート108と、その上端に位置付けられた出口ポートとを含む。ノズル14の第2外側ケーシング部分32の基部40は、出口ダクト106の出口ポート内へ挿入されて、出口ダクト106から第2空気流を受け入れる。
【0074】
加湿装置10は、第2空気流がノズル14に入る前にその湿度を上昇させるように構成される。図1から図4(a)及び図7を参照すると、加湿装置10は、基部56に取外し可能に取り付け可能な水タンク120を含む。基部56及び水タンク120は、一緒に加湿装置10の本体12を形成する。水タンク120は、本体12の基部56の外壁58と同じ半径を有し、従って、水タンク120が基部56に取り付けられた場合に本体12は円筒形の外観を有する円筒形の外壁122を有する。水タンク120は、水タンク120が基部56に取り付けられた場合に基部56の壁68、72、74を取り囲む管状の内壁124を有する。外壁122及び内壁124は、水タンク120の環状の上側壁126及び環状の下側壁128と共に、水を溜める環状の容積を形成する。従って、水タンク120が基部56に取り付けられた場合に、水タンク120は、インペラ76及びモーター78、及び従って第1空気通路62の少なくとも一部を取り囲む。水タンク120が基部56に取り付けられた場合、水タンク120の下側壁128は、基部56の外壁58と環状壁70の非凹み部分とに係合する。
【0075】
水タンク120は、好ましくは、2から4リットルの範囲の容量を有する。水タンク120の外壁122に窓130が設けられて、水タンク120が基部56に取り付けられた場合に、ユーザが水タンク120内の水の水位を観察可能となっている。
【0076】
図9を参照すると、水タンク120の下側壁128には、排出口132が、例えば、協働するネジ接続部により取外し可能に連結される。この例において、水タンク120は、水タンク120を基部56から取り外し、排出口132が上方に突出するように水タンク120をひっくり戻すことにより満たされる。次に、排出口132は捩って水タンク120から外され、水は、排出口132が水タンク120から分離された場合に露出する開口を通して水タンク120内へ注入される。水タンク120が充填されると、ユーザは、排出口132を再び水タンク120へ連結し、水タンク120を非反転の向きに戻し、水タンク120を基部56上の元の位置に位置決めする。排出口132内にバネ付勢された弁134が位置付けられて、水タンク120が再びひっくり返された場合に、水が排出口132の水出口136から漏れるのを防止する。弁134は、弁134のスカートが排出口132の上面に係合する位置に向けて付勢されて、水が水タンク120から排出口132に入るのを防止するようになっている。
【0077】
水タンク120の上側壁126は、反転された水タンク120を作業面、カウンタ甲板、又は他の支持面上に支持する1つ又はそれよりも多くの支持体138を含む。この例において、2つの平行な支持体138が上側壁126の周囲に形成され、反転された水タンク120を支持している。
【0078】
図6(a)、図6(b)、及び図8も参照すると、基部56の外壁58、内壁68、及び環状壁70の凹み部分は、水タンク120から水を受け入れる水リザーバ140を形成する。基部56は、水タンク120からの水をそれが水リザーバ140に入る前に処理する水処理チャンバ142を含む。水処理チャンバ142は、環状壁70の凹み部分内において、水リザーバ140の一方の側に位置付けられる。環状壁70に連結されたカバー144は、水処理チャンバ142のための水入口146及び水出口148を含む。この例において、水入口146及び水出口148の各々は、複数の開口を含む。水出口148は、カバー144の傾斜面に位置付けられ、水出口148は、水入口146の下方に位置付けられる。カバー144は、環状壁70から上方へ延びてカバー144の下面に係合する支持ピン150で支持される。
【0079】
カバー144から上方へ延びるピン152は、水入口146の開口の間に位置付けられる。水タンク120が基部56へ取り付けられる場合、ピン152は、排出口132内へ突出し、弁134を上方へ押して排出口132を開き、その結果、水は、重力の作用で水入口146を通って水処理チャンバ142内へ流入可能である。水処理チャンバ142が水で充填される時に、水は、水出口148を通って水リザーバ140に入る。水処理チャンバ142は、ポリホスフェート材料から作られた1つ又はそれよりも多くのビード又はペレット154等から構成される閾値抑制物を収容しており、閾値抑制物は、水が水処理チャンバ142を通過する時に水に追加される。固形の閾値抑制物を提供することにより、閾値抑制物は、水処理チャンバ142内で長期にわたって水と接触してゆっくり分解する。これを考慮して、水処理チャンバ142は、閾値抑制物の比較的大きな部分が水リザーバ140に入るのを防止する障壁を含む。この例において、障壁は、壁156の形態とされ、環状壁70と水出口148の間に位置付けられる。
【0080】
水リザーバ140内で、環状壁70は1対の円形状の開口を含み、各開口は、それぞれの圧電変換器160を露出させる。駆動回路80は、霧化モードで変換器160の振動を駆動し、水リザーバ140内の水を霧化するように構成される。霧化モードにおいて、変換器160は、1から2MHzの範囲とすることができる周波数f1において超音波的に振動することができる。環状壁70と変換器160の間に金属製のヒートシンク162が位置付けられて、変換器160から熱を運び去る。基部56の底壁64に開口164が形成されて、ヒートシンク162から放射される熱を消散させる。環状のシール部材が、変換器160とヒートシンク162の間に水密性シールを形成する。図6(a)及び図6(b)に説明するように、環状壁70の開口の周囲部分166は盛り上げられて、水処理チャンバ142から水リザーバ140に入る閾値抑制物のいずれかの粒子が変換器160の露出面に留まるのを防止する障壁を提供している。
【0081】
水リザーバ140はまた、水リザーバ140に溜められた水を照射する紫外線(UV)発生器を収容する。この例において、UV放射線発生器は、水リザーバ140内に位置付けられたUV透過管172内に位置付けられたUVランプ170の形態とされ、その結果、水リザーバ140に水が充填される時に水が管172を取り囲む。管172は、水リザーバ140に関して変換器160の反対側に位置付けられる。1つ又はそれよりも多くの反射面173が、管172に隣接して好ましくは管172の回りに設けることができ、UVランプ170から放出される紫外線を水リザーバ140へ反射する。水リザーバ140は、水処理チャンバ142から管172に沿って水リザーバ140に入る水を案内するバッフル板174を含み、その結果、使用中に、水処理チャンバ142から水リザーバ140に入る水は、変換器160の1つにより霧化される前に紫外線により照射されるようになっている。
【0082】
水リザーバ140には、水リザーバ140内の水のレベルを検出する磁気レベル検出器176が位置付けられる。水タンク120内の水の容積に応じて、水リザーバ140及び水処理チャンバ142は、ピン152の表面と実質的に同一平面になる最高水位まで水を充填可能である。水リザーバ140内で、入口ダクト100の出口ポート104は、水の最高水位よりも上方に位置付けられ、その結果、第2空気流は、水リザーバ140に溜められた水の表面の上で水リザーバ140に入る。
【0083】
出口ダクト106の入口ポート108は、変換器160の上方に位置決めされて、水リザーバ140から湿り空気流を受け入れる。出口ダクト106は、水タンク120で形成される。出口ダクト106は、水タンク120の内壁124と、内壁124が回りに延びる湾曲した壁180とで形成される。
【0084】
基部56は、水タンク120が基部56に取り付けられたことを検出する近接センサ182を含む。近接センサ182は、図13に概念的に説明される。近接センサ182は、水タンク120の下側壁128に位置付けられた磁石(図示せず)と相互作用し、基部56上の水タンク120の存否を検出するリードスイッチの形態とすることができる。図7(a)、図7(b)、及び図11に説明するように、水タンク120が基部56に取り付けられる場合、内壁124及び湾曲壁180は、基部56の上側壁を取り囲み、上側壁の上側円筒部分74の開口した上端を露出させる。水タンク120は、基部56からの水タンク120の取り外しを容易にするハンドル184を含む。ハンドル184は、水タンク120にピボット回転可能に連結され、ハンドル184が水タンク120の上側壁126内の凹み部分186に収容される収容位置と、ハンドル184が水タンク120の上側壁126の上方に持ち上げられる展開位置との間で水タンク120に対して移動可能である。図12(a)及び図12(b)も参照すると、捩りバネ等の1つ又はそれよりも多くの弾性要素188が、ハンドル184を図7(a)及び図7(b)に示すその展開位置へ向けて付勢するために設けられる場合がある。
【0085】
ノズル14が本体12上に取り付けられる場合、ノズル14の第1外側ケーシング部分22の基部28は、基部56の上側壁の上側円筒部分74の開いた端部の上方に位置付けられ、ノズル14の第2外側ケーシング部分32の基部40は、水タンク120の出口ダクト106の開いた上端の上方に位置付けられる。次に、ユーザは、ノズル14を本体12に向けて押す。図10に説明するように、ピン190が、第1外側ケーシング部分22の下面上で第1外側ケーシング部分22の基部28のすぐ背後に形成される。ノズル14が本体12に向けて移動する時に、ピン190は、弾性要素188の付勢力に対してハンドル184をその収容位置に向けて押す。ノズル14の基部28、40が本体12へ完全に挿入される場合、環状のシール部材192が、基部56の上側壁の上側円筒部分74内に形成された基部28、40の端部と出口ダクト106内に形成された環状の出っ張り194との間に気密シールを形成する。水タンク120のタンク上側壁126は、凹形状を有し、その結果、ノズル14が本体12に取り付けられた場合に、水タンク120は、ノズル14の下側部分を取り囲む。それによって水タンク120の容量が増大可能になるのみならず、コンパクトな外観の加湿装置10がもたらされる。
【0086】
本体12は、ノズル14を本体12に解除可能に保持する機構を含む。図4(a)、図11、及び図12(a)は、ノズル14が本体12に保持される場合の機構の第1構成を説明するが、図4(b)及び図12(b)は、ノズル14が本体12から解除される場合の機構の第2構成を説明する。ノズル14を本体12上に解除可能に保持する機構は、環状のハウジング202の直径方向で対向する側部分に位置付けられた1対の戻り止め200を含む。各戻り止め200は、ほぼL字形状の断面を有する。各戻り止め200は、ノズル14を本体12に保持する展開位置と収容位置との間でピボット回転可能である。捩りバネ等の弾性要素204がハウジング202に位置付けられて、戻り止め200をそれらの展開位置へ付勢している。
【0087】
この例において、水タンク120は、ノズル14を本体12上に解除可能に保持する機構を含む。ハウジング202は、水タンク120が基部56に取り付けられる場合に、基部56の上側壁の上側円筒部分74に形成されて同様の形状を有する開口208に整列する直径方向に対向する1対の開口206を含む。ノズル14の基部28の外面は、直径方向で対向してノズル14が本体12に取り付けられた場合に開口206、208に整列する1対の凹み210を含む。戻り止め200がそれらの展開位置にある場合、戻り止め200の端部は、弾性要素204により付勢され、開口206、208を通ってノズル14の凹み210へ進入する。戻り止め200の端部は、ノズル14の基部28の凹んだ外面と係合して、例えば、ユーザがノズル14を掴んで加湿装置10を持ち上げた時にノズル14が本体12から取り外されることを防止する。
【0088】
本体12は、戻り止め200を凹み210から遠ざかるように移動することにより、ノズル14を本体12から解除して機構を第1構成から第2構成へ移動するように作動可能である押し下げ可能な留め具220を含む。留め具220は、ハウジング202内に取り付けられ、戻り止め200が収容位置と展開位置との間でピボット回転する軸線と直交する軸線の回りにピボット回転可能である。留め具220は、本体12に位置付けられたボタン222のユーザによる作動に応じて、図4(a)、図11、及び図12(a)に示す収容位置から図4(b)、図7(a)、図7(b)、及び図12(b)に示す展開位置まで移動可能である。この例において、ボタン222は、水タンク120の上側壁126上でかつ留め具220の前部の上方に位置付けられる。留め具220の前部の下方には、留め具220をその収容位置へ付勢するように圧縮バネ又は他の弾性要素を配置することができる。留め具220の回転軸線が留め具220の前部の近くに位置付けられる結果、留め具220は、その展開位置へ移動される時に、弾性要素204の付勢力に対して戻り止め200を強く押し、凹み210から遠ざかるようにピボット回転させる。
【0089】
本体12は、ユーザがボタン222を解除した場合に、留め具220をその展開位置に保持するように構成される。この例において、水タンク120のハウジング202は、くさび224を含み、くさびは、留め具220がその展開位置に向けて移動する時に、留め具220の後部分上に位置付けられたフック226がくさびの上を滑るようになっている。展開位置では、フック226の端部は、くさび224のテーパのついた側面を覆い、くさび224の上面に係合し、その結果、留め具220は、その展開位置に保持される。フック226がくさび224の上面を滑る時に、フック226はハンドル184の底部に係合し、ハンドル184をタンク120の凹み部分186から遠ざかるように上方に付勢する。それによってハンドル184は、ノズル14を本体12から少し遠ざかるように押し、ノズル14が本体12から解除されたとの可視的な指標をユーザに与える。留め具220をその展開位置に保持するために協働する水タンク120及び留め具220に関する特徴部の代替案として、1つ又はそれよりも多くの磁石を使用することができ、磁石は、留め具220をその展開位置に保持する。
【0090】
留め具220は、その展開位置において、図4(b)及び図12(b)に示すように、戻り止め200をそれらの収容位置に保持し、ユーザは、本体12からノズル14を取り外すことができる。ノズル14が本体12から上方に持ち上げられる時に、弾性要素188は、ハンドル184をその展開位置へ付勢する。次に、ユーザは、ハンドル184を使用して基部56から水タンク120を持ち上げ、必要に応じてタンク120を水で充填し又は清掃する。
【0091】
タンク120が水で充填され、又は清掃されると、ユーザは、水タンク120を基部56上の元の位置に戻し、次に、ノズル14を本体12上の元の位置に戻す。ノズル14の基部28、40が本体12内へ押し込まれる時に、ノズル14上のピン190はハンドル184と係合し、水タンク120の凹み部分186内でハンドル184を収容位置に押し戻す。ハンドル184は、その収容位置へ移動する時に留め具220上のフック226と係合し、フック226をくさび224の上面から遠ざかるように押して留め具220をその展開位置から解除する。フック226がくさび224から遠ざかるように移動する時に、弾性要素204が戻り止め200をそれらの展開位置へ付勢して、ノズル14を本体12上に保持する。戻り止め200がそれらの展開位置へ移動する時に、戻り止め200は、留め具200をその収容位置へ戻す。
【0092】
加湿装置の作動を制御するユーザインタフェースは、本体12の基部56の外壁58上に位置付けられる。図13は、加湿装置10に関するこのユーザインタフェース及び他の電気構成要素を含む加湿装置の制御システムを概念的に説明する。この例において、ユーザインタフェースは、ユーザが作動可能な複数のボタン240a、240b、及び240c、並びにディスプレイ242を含む。第1ボタン240aは、モーター78を起動及び停止するのに使用され、第2ボタン240bは、モーター78の速度及び従ってインペラ76の回転速度を設定するのに使用される。第3ボタン240cは、部屋、オフィス、又は他の家庭環境などの加湿装置10が位置付けられる環境の相対湿度に関する所望レベルを設定するのに使用される。望ましい相対湿度レベルは、例えば、第3ボタン240cの繰返し操作により、20℃で30から80%の範囲に選択することができる。ディスプレイ242は、現在選択される相対湿度レベルの指標になる。
【0093】
ユーザインタフェースは、更に、ボタンの1つが作動されると制御信号を駆動回路80へ出力し、かつ駆動回路80により出力される制御信号を受信するユーザインタフェース回路244を含む。ユーザインタフェースはまた、加湿装置のステータスに応じて視覚的な警告を与える1つ又はそれよりも多くのLEDを含むことができる。例えば、第1のLED246aは、駆動回路80により照明することができ、駆動回路80がレベルセンサ176から受信した信号の指示により点灯して、水タンク120は取り外されたことを表示する。
【0094】
また、外界内の空気の相対湿度を検出し、検出された相対湿度を表す信号を駆動回路80へ供給する湿度センサ248が設けられている。この例において、湿度センサ248は、空気入口60のすぐ背後に配置することができ、加湿装置10へ引き込まれる空気流の相対湿度を検出する。ユーザインタフェースは、第2LED246bを含み、この第2のLEDは、加湿装置10に入る空気の相対湿度HDがユーザにより設定された望ましい相対湿度レベルHSであること又はそれを超えることを湿度センサ248からの出力が指示する時に駆動回路80で照明される。
【0095】
図14も参照すると、加湿装置10を作動させるために、ユーザは、第1ボタン240aを作動する。ボタン240aの作動は、駆動回路80に伝えられ、駆動回路80は、それに応えてUVランプ170を作動させて、水リザーバ140に溜まった水を照射する。この例において、駆動回路80は、同時にモーター78を回転させてインペラ76を回転させる。インペラ76が回転すると、空気が空気入口60を通って引き込まれる。空気流は、インペラハウジング88及びディフューザ86を通過する。ディフューザ86の下流で、ディフューザ86から放出された空気の一部が入口ポート102を通って入口ダクト100に入るが、ディフューザ86から放出された空気の残った部分は、第1空気通路62に沿ってノズル14の第1空気入口30へ運ばれる。従って、インペラ76及びモーター78は、第1空気通路62によりノズル14へ運ばれ、かつ第1空気入口30を通ってノズル14に入る第1空気流を発生させると考えることができる。
【0096】
第1空気流は、ノズル14の後部分16の基部で第1内部通路48に入る。第1内部通路48の基部で、空気流は、ノズル14のボア20の回りを反対方向に通る2つの空気ストリームに分割される。空気ストリームが第1内部通路48を通る時に、空気はノズル14の口部50に入る。口部50に入った空気流は、好ましくは、ノズル14のボアの20の周りで実質的に均等である。口部50は、空気流をノズル14の第1空気出口44に向けて案内し、空気流は、第1空気出口44で加湿装置14から放出される。
【0097】
第1空気出口44から放出された空気流は、外界から、特に、第1空気出口44の回り及びノズル14の後部分の回りから空気を取り込むことにより、2次空気流を発生させる。この2次空気流の一部は、ノズル14のボア20を通過するが、2次空気流の残った部分は、ノズル14の前方で第1空気出口から放出される空気流に取り込まれる。
【0098】
上述のように、インペラ76が回転しているので、空気は、入口ダクト100の入口ポート102を通って第2空気通路64に流入して第2空気流を発生させる。第2空気流は、入口ダクト100を通り出口ポート104を通って、水リザーバ140に溜められた水の上に放出される。出口ポート104からの第2空気流の放出は、水リザーバ140に溜められた水を撹拌して、UVランプ170に沿ってかつその回りに水を移動し、UVランプ170で照射される水の容積を増大させる。溜められた水中に閾値抑制物が存在するので、水に露出された管172の表面及び変換器160の表面に閾値抑制物の薄い層が形成され、薄い層は、それらの表面に石灰のかすが沈殿するのを防止する。これは、変換器160の可使時間を延長することができ、またUVランプ170による溜められた水の照明のいずれの劣化も抑制可能である。
【0099】
水リザーバ140に溜められた水を第2空気流で撹拌することに加えて、撹拌は、撹拌モードにおいて変換器160の振動でも実行することができ、それによって溜められた水は十分に霧化される。例えば、基部56の変換器160の大きさ及び個数に応じて、溜められた水の撹拌は、専ら、変換器160の低下した第2周波数f2、及び/又は低下した振幅、又は異なるデューティサイクルの振動で実行することができる。この場合、駆動回路80は、溜められた水のUVランプ170による紫外線と同時に、この撹拌モードで変換器160の振動を駆動するように構成することができる。
【0100】
溜められた水の撹拌及び照射は、水リザーバ140内のバクテリアのレベルが所望量だけ減少するのに十分な一定期間にわたって続けられる。この例において、水リザーバ140の最大容量は200ミリリットルであり、溜められた水の撹拌及び照射は、溜められた水の霧化が開始する前に60秒間続けられる。この一定期間の持続時間は、例えば、溜められた水の撹拌の程度、水リザーバ140の容量、及び溜められた水の照射の強度に応じて延長又は短縮することができ、従って、一定期間の持続時間は、これらの変数に応じて10から300秒の範囲のあらゆる値とすることができ、溜められた水内のバクテリアの数の望ましい減少を達成する。
【0101】
この一定期間の持続時間の終わりに、駆動回路80は、霧化モードで変換器160の振動を駆動し、水リザーバ140に溜められた水を霧化させる。霧化は、水リザーバ140の溜められた水の上を浮遊する水滴を発生させる。溜められた水が予め変換器160の振動で専ら撹拌された場合には、一定期間の持続時間の終わりにモーター78も作動される。
【0102】
水リザーバ140内の水が霧化される時に、水リザーバ140は、水タンク120から水処理チャンバ142を通って受け入れる水で常に再び一杯にされ、その結果、水タンク120内の水の水位は次第に低下するが、水リザーバ140の水の水位は、実質的に一定に保持される。水が水処理チャンバ142から水リザーバ140に入る時に、水リザーバ140で閾値抑制物が水に追加され、水は、壁174に案内されて管172に沿って流れ、その結果、水は、霧化される前に紫外線により照射される。
【0103】
インペラ76が回転しているので、浮遊する水滴は、入口ダクト100の出口ポート104から放出される第2空気流に取り込まれる。霧化された第2空気流は、第2空気通路64の出口ダクト106を通って上方へ流れ、ノズル14の第2空気入口42へ至り、ノズル14の前部分18の第2内部通路54に入る。
【0104】
第2内部通路54の基部で、第2空気流は、ノズル14のボア20の回りを反対方向に流れる2つの空気ストリームに分割される。空気ストリームが第2内部通路54を通過する時に、各空気ストリームは、ノズル14の前方に位置付けられた第1空気出口44の前方にある第2空気出口52のそれぞれから放出される。放出された第2空気流は、ノズル14からの第1空気流の放出で生成された空気流内で加湿装置10から遠ざかるように運ばれ、湿り空気流が、加湿装置10から数メートル離れて急速に体感される。
【0105】
湿り空気流は、加湿装置10に流入して湿度センサ248で検出される空気流の相対湿度HDが、ユーザが第3ボタン240cで選択した相対湿度レベルHSよりも20℃で1%高くなるまでノズル14から放出される。次に、ノズル14からの湿った空気の放出は、駆動回路80により、好ましくは、変換器160の振動のモードを切り換えることにより終了する。例えば、変換器160の振動の周波数は、f1>f3≧0である周波数f3に低下することができ、これよりも低い周波数では溜められた水の霧化は実行されない。代替案として、変換器160の振動の振幅を低下させることができる。任意的に、モーター78を停止して、ノズル14から空気流が放出しないようにすることができる。しかし、湿度センサ248がモーター78に直ぐの近くに位置付けられる場合には、モーター78を絶えず作動させて、湿度センサ248の局所環境での望ましくない温度変動を避けることが望ましい。また、モーター78の回転を継続して、水リザーバ140の溜められた水の撹拌を継続することが望ましい。UVランプ170の作動も継続される。
【0106】
加湿装置10からの湿った空気の放出を終了する結果、湿度センサ248により検出される相対湿度HDは低下し始める。湿度センサ248の局所環境における空気の相対湿度が、ユーザにより選択された相対湿度HSよりも20℃で1%低下すると、駆動回路80は、霧化モードで変換器160の振動を再駆動する。モーター78が停止していれば、駆動回路80は、同時にモーター78を再起動させる。上述と同様に、湿り空気は、湿度センサ248で検出される相対湿度HDが、ユーザにより選択された相対湿度レベルHSよりも20℃で1%高くなるまでノズル14から放出される。
【0107】
変換器160(及び任意的にモーター78)のこの作動シーケンスは、検出された湿度レベルをユーザにより選択された湿度レベルの付近に維持するために行うものであり、ボタン240aが再度作動されるまで、又は水リザーバ140内の水の水位が最低水位よりも小さくなるまで低下したことを表示する信号をレベルセンサ176から受信するまで継続される。ボタン240aが作動された場合又はレベルセンサ176からの信号の受信時に、駆動回路80は、モーター78、変換器160、及びUVランプ170を停止させて、加湿装置10の電源を切る。駆動回路80はまた、近接センサ182から受信した水タンク120が基部56から取り外されたことを表示する信号に応じて加湿装置10のこれらの構成要素を停止させる。
【符号の説明】
【0108】
22 第1外側ケーシング部分
32 第2外側ケーシング部分
48 第1内部通路
52 第2空気出口
76 インペラ
78 モーター
図1
図2
図3
図4(a)】
図4(b)】
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12(a)】
図12(b)】
図13
図14