(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、実施形態を図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
まず、第1の実施形態の生体認証装置について、
図1を用いて説明する。
図1は、第1の実施形態の生体認証装置の構成を示す図である。
【0015】
生体認証装置1は、生体固有の特徴を有する生体情報7を用いて個人認証をおこない、認証結果12を出力する装置である。生体認証装置1が扱う生体情報7には、指紋や顔、虹彩などの他、体表面の静脈パタンがあり、手のひらの静脈パタン、指の静脈パタンなどがある。顔など一部の生体情報7は、年月の変化とともに変化するため、経年変化により認証精度が不安定になるおそれがある。また、生体情報7の経年変化が少ない場合であっても、生体情報7の採取条件が一定にならないために、認証精度が不安定になるおそれがある。
【0016】
生体認証装置1は、生体認証に用いる登録情報、すなわち認証対象者本人の生体情報として登録されている比較照合用の登録情報(登録テンプレート)を、定期または不定期に入替をおこない、認証精度を安定させる。
【0017】
生体認証装置1は、生体情報取得部2と、登録情報取得部3と、認証部4と、照合評価部5と、入替部6と、を備える。生体情報取得部2は、認証対象者から生体情報7を取得する。登録情報取得部3は、あらかじめ生体情報7を登録した第1登録情報(第1の登録テンプレート)8と、前回以前の認証時に用いた生体情報7を登録した第2登録情報(第2の登録テンプレート)9を取得する。
【0018】
登録情報取得部3が取得する第1登録情報8と第2登録情報9は、生体認証装置1が備える記録部に記録されていてもよいし、外部装置や外部記録媒体に記録されていてもよい。
【0019】
第1登録情報8は、認証対象者本人の生体情報としてあらかじめ登録する生体情報である。なお、第1登録情報8は、生体情報7によって入替対象とならない登録情報である。第2登録情報9は、認証対象者本人の生体情報として、認証成功時に所定条件下で登録された生体情報である。なお、第2登録情報9は、生体情報7によって入替対象となる登録情報である。なお、第1登録情報8と第2登録情報9は、認証対象者本人を識別可能な特徴情報を有すればよく、登録時に取得した生体情報(たとえば、イメージデータ)に限らず、加工情報(加工データ)であってもよい。
【0020】
認証部4は、第1登録情報8と生体情報7とから照合スコア10を生成する。認証部4は、第1登録情報8が有する特徴情報と、生体情報7が有する特徴情報の類似程度を所定の算出方法により照合スコア10
として算出する。認証部4は、算出した照合スコア10と閾値11を比較して、認証結果12を出力する。
【0021】
認証部4は、照合スコア10と閾値11を比較して認証基準を満足していれば認証成功という認証結果12を出力し、認証基準を満足していなければ第2登録情報9と生体情報7とから照合スコア10を生成する。認証部4は、第2登録情報9が有する特徴情報と、生体情報7が有する特徴情報の類似程度を所定の算出方法により照合スコア10
として算出する。認証部4は、算出した照合スコア10と閾値11を比較して、認証結果12を出力する。認証部4は、照合スコア10と閾値11を比較して認証基準を満足していれば認証成功という認証結果12を出力し、認証基準を満足していなければ認証失敗という認証結果12を出力する。
【0022】
なお、認証部4がおこなう生体情報7との照合は、第1登録情報8、第2登録情報9の順に限らず、その逆順であってもよい。
照合評価部5は、認証対象者の認証に成功した今回の生体情報7と、第1登録情報8と、第2登録情報9のうち2つの各組み合わせ毎の照合スコア13を生成する。すなわち、照合評価部5は、今回の生体情報7と第1登録情報8とから第1の照合スコアを生成し、今回の生体情報7と第2登録情報9とから第2の照合スコアを生成し、第1登録情報8と第2登録情報9とから第3の照合スコアを生成する。各組み合わせ毎の照合スコア13は、第1の照合スコアと、第2の照合スコアと、第3の照合スコアを含む。
【0023】
照合評価部5は、生成された各組み合わせ毎の照合スコア13を評価し、評価結果14を生成する。なお、認証部4が照合スコア10を算出する算出アルゴリズムと、照合評価部5が各組み合わせ毎の照合スコア13を生成する生成アルゴリズムは、同じであってもよいし、異なるものであってもよい。
【0024】
入替部6は、評価結果14にもとづいて、第2登録情報9を生体情報7と入れ替えることがふさわしい場合に、すなわち、生体情報7が良質な第2登録情報9となり得る場合に、今回の生体情報7を新たな第2登録情報9とする。
【0025】
このように、生体認証装置1は、第2登録情報9をよりふさわしい生体情報7に入れ替えるので、認証過程において認証精度を改善し得る。また、認証精度の改善は、生体情報取得のリトライ回数を低減し、認証対象者の認証時の利便性を改善する。
【0026】
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態を用いてより具体的に説明する。
図2は、第2の実施形態の生体認証システムの構成を示す図である。第2の実施形態として、生体認証システム20が手のひらの静脈を用いて認証をおこなうシステムを例示するが、これに限らず、生体のその他の特徴検出部位で認証をおこなうシステムにも適用可能である。
【0027】
生体認証システム20は、生体の特徴を認識して個人を特定して認証するシステムの1つであり、たとえば、銀行システムなどで顧客の認証をおこなう。生体認証システム20は、生体認証装置30、認証サーバ21、およびネットワーク22を含んで構成される。生体認証装置30は、たとえば、情報処理システム、金融機関のATM(Automated Teller Machine:自動預払装置)、入退室管理システム等における本人認証に用いられる。
【0028】
生体認証装置30は、あらかじめ登録してある登録テンプレートと、生体認証装置30が取得した生体情報とを照合して認証をおこなう。登録テンプレートには、事前に登録される第1登録テンプレートと、認証過程で更新される第2登録テンプレートがある。生体認証装置30は、いずれか一方の登録テンプレートにおいて、照合が成功することで本人認証をおこなう。
【0029】
生体認証装置30は、処理装置31と、ディスプレイ32と、センサユニット内蔵マウス34を含んで構成され、必要に応じてキーボード33と、IC(Integrated Circuit)カードリーダライタ35等を含んで構成される。センサユニット内蔵マウス34は、入力操作を受け付けるマウスとして機能するとともに、手のひらの静脈像を撮影するセンサユニット50を内蔵する。センサユニット50は、撮像装置を内蔵し、利用者の手のひらの静脈像を撮影し、処理装置31に撮影画像を出力する。ICカードリーダライタ35は、利用者のICカード60の情報を読み書きする。キーボード33と、センサユニット内蔵マウス34は、入力操作を受け付ける。
【0030】
ここで、生体認証装置30における手のひらの静脈認証の照合動作について説明する。認証を求める利用者は、利用者を識別するための識別情報(たとえば、ユーザID)の入力をキーボード33、センサユニット内蔵マウス34、あるいはICカードリーダライタ35によりおこなう。生体認証装置30は、ディスプレイ32を用いた表示により認証手順を利用者に案内し、認証をおこなうための生体情報の入力を求める。利用者は、センサユニット内蔵マウス34に手をかざすことにより、生体情報の入力をおこなう。生体情報として手のひらの静脈像を入力した生体認証装置30は、入力された生体情報と登録テンプレートとの照合をおこなう。登録テンプレートは、処理装置31の記憶部、ネットワーク接続する認証サーバ21の記憶部、または利用者のICカード60の記憶部から取得する。
【0031】
たとえば、生体認証装置30がパーソナルユースであれば、生体認証装置30は、処理装置31の記憶部、または利用者のICカード60の記憶部から登録テンプレートを取得することができる。
【0032】
認証サーバ21は、個人を識別するための識別情報と、生体認証前にあらかじめ登録される照合用情報(登録テンプレート)とを関連付けて記憶する。個人を識別するための識別情報は、利用者に直接的(たとえば、利用者番号)に、あるいは間接的(たとえば、口座番号)に付されたユニークなID(IDentification)である。あらかじめ登録される照合用情報は、画像情報から所定の特徴抽出アルゴリズムで特徴部を抽出した特徴情報、画像情報または特徴情報を符号化した符号化情報等とすることができる。
【0033】
次に、第2の実施形態の生体認証装置30のハードウェア構成例について
図3を用いて説明する。
図3は、第2の実施形態の生体認証装置のハードウェア構成例を示す図である。
【0034】
生体認証装置30は、処理装置31、ディスプレイ32、キーボード33、センサユニット内蔵マウス34、センサユニット50、ICカードリーダライタ35を備える。
処理装置31は、CPU(Central Processing Unit)41によって装置全体が制御されている。CPU41には、バス47を介してRAM(Random Access Memory)42、HDD(Hard Disk Drive)43、通信インタフェース44、グラフィック処理装置45、および入出力インタフェース46が接続されている。
【0035】
RAM42には、CPU41に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM42には、CPU41による処理に必要な各種データが格納される。HDD43には、OSやアプリケーションプログラムが格納される。
【0036】
グラフィック処理装置45には、ディスプレイ32が接続されている。グラフィック処理装置45は、CPU41からの命令にしたがって、画像をディスプレイ32の画面に表示させる。
【0037】
入出力インタフェース46には、キーボード33、センサユニット内蔵マウス34、センサユニット50、ICカードリーダライタ35が接続されている。また、入出力インタフェース46は、可搬型記録媒体36への情報の書込み、および可搬型記録媒体36への情報の読出しが可能な可搬型記録媒体インタフェースと接続可能になっている。入出力インタフェース46は、キーボード33、センサユニット内蔵マウス34、センサユニット50、ICカードリーダライタ35、可搬型記録媒体インタフェースから送られてくる信号を、バス47を介してCPU41に送信する。
【0038】
通信インタフェース44は、ネットワーク22に接続されている。通信インタフェース44は、その他のコンピュータ(たとえば、認証サーバ21)との間でデータの送受信をおこなう。
【0039】
以上のようなハードウェア構成によって、本実施の形態の処理機能を実現することができる。なお、認証サーバ21も同様のハードウェア構成で実現できる。
なお、処理装置31は
、FPGA(Field Programmable Gate Array)やDSP(Digital Signal Processer)などからなるモジュールを含んで構成することもでき、CPU41を有しない構成とすることもできる。その場合、処理装置31は
、不揮発性メモリ(たとえば、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ、フラッシュメモリ型メモリカードなど)を備え、モジュールのファームウェアを記憶する。不揮発性メモリは、可搬型記録媒体
インタフェース、あるいは通信インタフェース44を介してファームウェアを書き込むことができる。このように処理装置31は、不揮発性メモリに記憶されているファームウェアを書き換えることにより、ファームウェアの更新をすることもできる。
【0040】
次に、センサユニット内蔵マウス34が内蔵するセンサユニット50について
図4を用いて説明する。
図4は、第2の実施形態のセンサユニットの構成を示す図である。
センサユニット50は、センサユニット内蔵マウス34のマウス操作時の手のひら当接部に設けられる。センサユニット50は、センサユニット内蔵マウス34の上方に翳された手のひらを非接触で撮影して手のひらの静脈像を得る。
【0041】
センサユニット50は、制御部51、撮影部52、測距部53、記憶部54、通信部55を備える。
制御部51は、各処理部を統括的に制御する。撮影部52は、被写体となる生体を撮影して画像情報を取得する。撮影部52は、生体を撮影するイメージセンサ(たとえば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ、CCD(Charge Coupled Device)センサなど)と、集光レンズと、被写体に照射する複数の近赤外線発光素子(LED:Light Emitting Diode)を備える。近赤外線発光素子は、たとえば、イメージセンサの周囲に設けられ、近赤外線を被写体方向(上方)に向けて発光し、イメージセンサが近赤外線を照射された被写体を撮影する。撮影部52は、被写体を連続撮影可能であって、たとえば、秒速15コマの撮影をおこなう。なお、撮影速度は、設定により変更可能としてもよい。また、撮影タイミングを時間によらず、測距部53の出力にもとづいて、被写体との距離に応じて撮影するようにしてもよい。なお、撮影部52は、手のひら静脈の撮影に適した構成であり、虹彩など、その他の生体を撮影する場合には、被写体に適した構成を採用すればよい。
【0042】
測距部53は、被写体となる生体との距離情報を取得する。記憶部54は、撮影部52が取得した画像情報、測距部53が取得した距離情報を画像情報に対応付けて記憶する。測距部53は、被写体の一個所のみならず、複数個所について同時に測距可能である。通信部55は、処理装置31と通信可能に接続し、処理装置31からの指示の受信、画像情報、距離情報の送信をおこなう。
【0043】
センサユニット50が撮影する画像は、被写体となる生体(手のひら)に近赤外線を照射し、反射光を撮影して得られた画像である。静脈に流れる赤血球の中のヘモグロビンは、酸素を失っていることから、このヘモグロビン(還元ヘモグロビン)は、700ナノメートル〜1000ナノメートル付近の近赤外線を吸収する性質がある。そのため、手のひらに近赤外線を当てると、静脈がある部分だけ反射が少なく、静脈の位置は、近赤外線の反射光の強弱により認識可能となる。撮影画像は、特定の光源を用いることにより特徴的な情報の抽出が容易になるが、無彩色の画像となる。
【0044】
次に、登録テンプレートを記憶するICカード60について
図5、
図6を用いて説明する。
図5は、第2の実施形態のICカードの構成を示す図である。
図6は、第2の実施形態の照合スコアの関係を示す図である。
【0045】
ICカード60は、認証対象者が所有するものであって、本人認証時にICカードリーダライタ35に挿入して使用される。ICカード60は、制御部61と、通信部62と、記憶部63を備える。制御部61は、各処理部を統括的に制御する。通信部62は、ICカードリーダライタ35と非接触に通信をおこなうが、接触式で通信をおこなうものであってもよい。
【0046】
記憶部63は、処理装置31が取得する第1テンプレート71と第2テンプレート72を記憶する。第1テンプレート71は、一度登録されると更新されないが、第2テンプレート72は、認証成功時に所定条件下で認証に成功した生体情報によって更新される。なお、ICカード60に有効期間を設定している場合は、有効期間の更新時に第1テンプレート71を更新するものであってもよい。
【0047】
なお、制御部61は、処理装置31からの要求に応じて、記憶部63に記憶されている第1テンプレート71と第2テンプレート72を読み出す際に、記録してある情報を加工してから処理装置31に渡すようにしてもよい。また、制御部61は、処理装置31がおこなう照合処理の一部を分担するものであってもよい。
【0048】
なお、ICカード60について説明をおこなったが、認証サーバ21が登録テンプレート(第1テンプレート71、第2テンプレート72)を記憶する場合も同様とすることができる。
【0049】
ここで、第2テンプレート72の更新について簡単に説明すると、処理装置31は、生体情報(今回)73の認証に成功した場合に、第1テンプレート71と生体情報(今回)73の照合スコアAと、第2テンプレート72と生体情報(今回)73の照合スコアBと、第1テンプレート71と第2テンプレート72の照合スコアCを生成する。ここで、生体情報(今回)73が関係する、照合スコアAまたは照合スコアBが最劣の評価でない場合、処理装置31は、第2テンプレート72と生体情報(今回)73を入れ替える。すなわち、処理装置31は、第2テンプレート72を生体情報(今回)73によって更新する。なお、生体情報(今回)73は、生体認証装置30が認証をおこなうために取得した生体情報である。
【0050】
これにより、生体認証装置30は、第1テンプレート71により認証に失敗した場合であっても、第2テンプレート72により認証をおこなうことで認証率を改善する。第2テンプレート72は、随時更新されるため、認証対象者が認証を繰り返すうちに、取得する生体情報に所定の偏りを生じるようなこととなっても生体認証装置30は、認証率を改善する。たとえば、手のひら静脈認証における手翳し動作において、第1テンプレート71を登録した際には、五指を伸ばしていたのに、認証時には、認証対象者の無意識下にある習慣がつき認証率が低下することがある。このような場合であっても、生体認証装置30は、第2テンプレート72の更新により、認証対象者の癖に追随して、認証率を改善する。なお、生体認証装置30は、認証対象者の癖に限らず、生体の経年変化にも追随して、認証率を改善する。
【0051】
次に、第2の実施形態の第1テンプレート登録処理について
図7を用いて詳細に説明する。
図7は、第2の実施形態の第1テンプレート登録処理のフローチャートである。
第1テンプレート登録処理は、生体認証装置30、または図示しないテンプレート登録装置が実行する処理である。第1テンプレート登録処理は、認証前に、認証対象者本人から生体情報を取得して照合用に登録する
処理である。なお、テンプレート登録装置は、生体認証装置30と同様の構成により実現できる。
【0052】
[ステップS11]処理装置31は、第1テンプレートの登録に用いる手のひらの静脈像を撮影した画像(生体情報)をセンサユニット50に要求する。センサユニット50は、手のひらを撮影した撮影画像を処理装置31に応答する。処理装置31は、センサユニット50から撮影画像を取得する。
【0053】
[ステップS12]処理装置31は、取得した生体情報に対応する姿勢情報を取得する。姿勢情報は、生体の姿勢を表す情報であり、正位置に対して生体情報取得時の生体のずれを評価可能な情報である。
【0054】
たとえば、処理装置31は、取得した画像情報(生体情報)について手のひら領域の抽出をおこなう。手のひら領域の抽出は、たとえば、画像情報を二値化後、モロフォロジー輪郭抽出によっておこなう。処理装置31は、撮影画像の手のひら領域内における各画素毎の輝度値から、輝度と距離の関係を利用して各画素毎の距離値を算出する。処理装置31は、平面近似による手のひらの姿勢情報を算出する。処理装置31は、各画素の距離値にもとづいて、近似した平面の水平、垂直方向の傾斜角度を姿勢情報として算出する。これにより、処理装置31は、取得した生体情報に対応する姿勢情報を取得することができる。
【0055】
[ステップS13]処理装置31は、取得した姿勢情報について、近似した平面の水平、垂直方向の傾斜角度が所定の品質基準をクリアするか否かを判定する。たとえば、処理装置31は、近似した平面の水平、垂直方向の傾斜角度がそれぞれ±15度以内の姿勢情報について品質基準をクリアすると判定し、過度に傾いている場合に品質基準をクリアしない姿勢情報であると判定する。なお、所定の品質基準は、傾斜角度のほか、距離、変形状況(たとえば、手のひらのすぼみなど)を含めてもよい。
【0056】
処理装置31は、取得した姿勢情報について所定の品質基準をクリアすると判定した場合、ステップS14にすすむ。一方、処理装置31は、取得した姿勢情報について所定の品質基準をクリアしないと判定した場合、ステップS11にすすむ。
【0057】
[ステップS14]処理装置31は、取得した画像情報(生体情報)を第1テンプレート71として登録する。
[ステップS15]処理装置31は、算出した姿勢情報を第1テンプレート71に対応する姿勢情報として登録して第1テンプレート登録処理を終了する。
【0058】
このようにして、第1テンプレート71は、生体認証装置30、または図示しないテンプレート登録装置によって登録される。また、第1テンプレート71は、ICカード60の記憶部63、または処理装置31のHDD43、または認証サーバ21の記憶部に記憶される。
【0059】
次に、第2の実施形態の認証処理について
図8を用いて詳細に説明する。
図8は、第2の実施形態の認証処理のフローチャートである。
認証処理は、生体認証装置30が実行する処理である。認証処理は、認証対象者から生体情報を取得してあらかじめ登録してある登録テンプレートと照合をおこない、照合結果に応じた処理をおこなう。
【0060】
[ステップS21]処理装置31は、認証に用いる手のひらの静脈像を撮影した画像(生体情報)をセンサユニット50に要求する。センサユニット50は、手のひらを撮影した撮影画像を処理装置31に応答する。処理装置31は、センサユニット50から撮影画像(生体情報(今回)73)を取得する。
【0061】
[ステップS22]処理装置31は、取得した生体情報(今回)73に対応する姿勢情報を取得する。処理装置31は、ステップS12と同様にして姿勢情報を取得することができる。
【0062】
[ステップS23]処理装置31は、ICカード60の記憶部63から第1テンプレート71を取得する。
[ステップS24]処理装置31は、第1テンプレート71と、生体情報(今回)73とから照合スコアを算出する。照合スコアは、第1テンプレート71と、生体情報(今回)73とが類似する程度を評価する指標であり、照合スコアが小さな値をとるほど、相互が類似することを表す。なお、照合スコアは、生体情報(今回)73と第1テンプレート71の類似の程度を所定の導出方法により導出したものであり、さまざまな既知の方法を用いることができる。
【0063】
[ステップS25]処理装置31は、第1テンプレート71と、生体情報(今回)73とから算出した照合スコアが所定の照合基準をクリアしているか否かを判定する。処理装置31は、照合スコアが所定の照合基準をクリアしている場合にステップS30にすすみ、照合スコアが所定の照合基準をクリアしていない場合にステップS26にすすむ。
【0064】
[ステップS26]処理装置31は、ICカード60の記憶部63から第2テンプレート72を取得する。
[ステップS27]処理装置31は、第2テンプレート72と、生体情報(今回)73とから照合スコアを算出する。照合スコアは、第2テンプレート72と、生体情報(今回)73とが類似する程度を評価する指標であり、照合スコアが小さな値をとるほど、相互が類似することを表す。なお、照合スコアは、生体情報(今回)73と第2テンプレート72の類似の程度を所定の導出方法により導出したものであり、さまざまな既知の方法を用いることができる。
【0065】
[ステップS28]処理装置31は、第2テンプレート72と、生体情報(今回)73とから算出した照合スコアが所定の照合基準をクリアしているか否かを判定する。処理装置31は、照合スコアが所定の照合基準をクリアしている場合にステップS30にすすみ、照合スコアが所定の照合基準をクリアしていない場合にステップS29にすすむ。
【0066】
[ステップS29]処理装置31は、照合不一致を受けて、本人拒否の判定をおこない、認証失敗に伴う所要の照合NG(失敗)処理を実行後に認証処理を終了する。
[ステップS30]処理装置31は、照合一致を受けて、本人確認の判定をおこない、認証成功に伴う所要の照合OK(成功)処理を実行する。
【0067】
[ステップS31]処理装置31は、照合一致した生体情報(今回)73を第2テンプレート72と入れ替える入替処理を実行後に認証処理を終了する。なお、入替処理において、生体情報(今回)73を第2テンプレート72と入れ替えることが妥当でない場合には、処理装置31は、入替をおこなわない。入替処理の詳細は、
図9、
図10を用いて後で説明する。
【0068】
このように、生体認証装置30は、生体情報(今回)73が、第1テンプレート71または第2テンプレート72と照合して生成した照合スコアが照合基準をクリアすることで認証をおこなう。また、第2テンプレート72は、認証の都度、生体情報(今回)73との入れ替えによって、より良質な第2テンプレート72に更新されることが期待できるため、認証精度の改善も期待できる。
【0069】
なお、生体認証装置30は、第1テンプレート71と生体情報(今回)73との照合、第2テンプレート72と生体情報(今回)73との照合の順に照合をおこなうようにしたが逆順であってもかまわない。第1テンプレート71と生体情報(今回)73との照合を先におこなう場合、生体認証装置30は、認証の都度、第1テンプレート71と生体情報(今回)73との照合の失敗数や失敗率を評価することができる。生体認証装置30は、評価が劣悪な場合、第1テンプレート71の再登録を促すことができる。
【0070】
また、第2テンプレート72と生体情報(今回)73との照合を先におこなう場合、生体認証装置30は、第2テンプレート72が第1テンプレート71よりも現時点で良質であることが期待できるため、一回の照合での成功率向上が期待できる。
【0071】
なお、初めての認証時には、第2テンプレート72の初期値として第1テンプレート71を登録しておいてもよいし、最初に認証に成功した生体情報(今回)73を登録してもよい。
【0072】
次に、第2の実施形態の入替処理について
図9、
図10を用いて詳細に説明する。
図9は、第2の実施形態の入替処理のフローチャートである。
図10は、第2の実施形態の照合例表を示す図である。
【0073】
入替処理は、生体認証装置30が実行する処理である。入替処理は、生体情報(今回)73を第2テンプレート72と入れ替えることが妥当である場合に、生体情報(今回)73を第2テンプレート72と入れ替える処理である。
【0074】
[ステップS41]処理装置31は、照合一致した生体情報(今回)73の品質を評価する品質評価処理を実行する。品質評価処理の詳細は、
図11を用いて後で説明する。
[ステップS42]処理装置31は、生体情報(今回)73の品質評価の結果が所定の品質基準をクリアしたか否かを判定する。処理装置31は、生体情報(今回)73の品質評価の結果が所定の品質基準をクリアした場合にステップS43にすすみ、クリアしていない場合に入替処理を終了する。これにより、一定の品質を有しない生体情報(今回)73は、第2テンプレート72の入替対象から除外される。
【0075】
[ステップS43]処理装置31は、第1テンプレート71と生体情報(今回)73の照合スコアAを算出する。
[ステップS44]処理装置31は、照合スコアAが入替許可基準をクリアしているか否かを判定する。処理装置31は、照合スコアAが入替許可基準をクリアしている場合にステップS45にすすみ、クリアしていない場合に入替処理を終了する。
【0076】
これにより、生体認証装置30は、生体情報(今回)73が第2テンプレート72との照合にのみ成功していた場合に、第1テンプレート71とかけ離れた生体情報(今回)73により第2テンプレート72を更新することを防止する。すなわち、入替許可基準は、照合スコアAが生体情報(今回)73と第1テンプレート71との照合成功の基準を満たすものに相当しないが、照合成功と許容してもよいとされる基準が設定される。
【0077】
[ステップS45]処理装置31は、第2テンプレート72と生体情報(今回)73の照合スコアBを算出する。
[ステップS46]処理装置31は、第1テンプレート71と第2テンプレート72の照合スコアCを算出する。
【0078】
このように、処理装置31は、生体情報(今回)73と、第1テンプレート71と、第2テンプレート72のうち2つの各組み合わせ毎の照合スコアA、照合スコアB、照合スコアCを生成する。
【0079】
[ステップS47]処理装置31は、照合スコアA、照合スコアB、照合スコアCの照合スコアの優劣を比較し、照合スコアCが最劣であるか否かを判定する。処理装置31は、照合スコアCが最劣である場合にステップS48にすすみ、照合スコアCが最劣でない場合に入替処理を終了する。
【0080】
[ステップS48]処理装置31は、第2テンプレート72として生体情報(今回)73を登録する。
[ステップS49]処理装置31は、第2テンプレート72に対応する姿勢情報として、生体情報(今回)73に対応する姿勢情報(今回)を登録して、入替処理を終了する。
【0081】
ここで、6つの照合例を照合例表80(
図10参照)に示す。照合例「1」は、照合スコアA「550」、照合スコアB「1300」、照合スコアC「800」であり、最劣な照合スコアが照合スコアBであるため、第2テンプレート72の入替をおこなわない。すなわち、最劣な照合スコアBの生成には、生体情報(今回)73が関係しているため、処理装置31は、第2テンプレート72として登録するのに、生体情報(今回)73は、ふさわしくないと判断する。
【0082】
また、照合例「2」は、照合スコアA「550」、照合スコアB「900」、照合スコアC「1500」であり、最劣な照合スコアが照合スコアCであるため、第2テンプレート72の入替をおこなう。すなわち、最劣な照合スコアCの生成には、生体情報(今回)73が関係していないため、処理装置31は、第2テンプレート72として登録するのに、生体情報(今回)73は、ふさわしいと判断する。
【0083】
また、照合例「3」は、照合スコアA「800」、照合スコアB「1300」、照合スコアC「500」であり、最劣な照合スコアが照合スコアBであるため、第2テンプレート72の入替をおこなわない。すなわち、最劣な照合スコアBの生成には、生体情報(今回)73が関係しているため、処理装置31は、第2テンプレート72として登録するのに、生体情報(今回)73は、ふさわしくないと判断する。
【0084】
また、照合例「4」は、照合スコアA「1500」、照合スコアB「900」、照合スコアC「500」であり、最劣な照合スコアが照合スコアAであるため、第2テンプレート72の入替をおこなわない。すなわち、最劣な照合スコアAの生成には、生体情報(今回)73が関係しているため、処理装置31は、第2テンプレート72として登録するのに、生体情報(今回)73は、ふさわしくないと判断する。
【0085】
また、照合例「5」は、照合スコアA「800」、照合スコアB「500」、照合スコアC「1500」であり、最劣な照合スコアが照合スコアCであるため、第2テンプレート72の入替をおこなう。すなわち、最劣な照合スコアCの生成には、生体情報(今回)73が関係していないため、処理装置31は、第2テンプレート72として登録するのに、生体情報(今回)73は、ふさわしいと判断する。
【0086】
また、照合例「6」は、照合スコアA「1500」、照合スコアB「500」、照合スコアC「800」であり、最劣な照合スコアが照合スコアAであるため、第2テンプレート72の入替をおこなわない。すなわち、最劣な照合スコアAの生成には、生体情報(今回)73が関係しているため、処理装置31は、第2テンプレート72として登録するのに、生体情報(今回)73は、ふさわしくないと判断する。
【0087】
なお、照合スコアの優劣は、照合スコアの値が小さいほど優れ、照合スコアの値が大きいほど劣る。なお、照合スコアの優劣は、照合スコアの生成アルゴリズムや評価方法に依存するため、
照合の優劣を比較可能であれば、照合スコアの値が小さいほど劣り、照合スコアの値が大きいほど優れるものであってもよい。
【0088】
なお、ステップS44で説明した照合スコアAの入替許可基準は、たとえば、照合スコア「1800」である。この場合、第1テンプレート71と生体情報(今回)73の照合スコアAが1800未満である場合に、生体情報(今回)73は、入替基準をクリアしたとされる。第1テンプレート71と生体情報(今回)73の照合スコアAが1800以上である場合に、生体情報(今回)73は、入替基準をクリアしないとされる。
【0089】
次に、第2の実施形態の品質評価処理について
図11を用いて詳細に説明する。
図11は、第2の実施形態の品質評価処理のフローチャートである。
品質評価処理は、生体認証装置30が実行する処理である。品質評価処理は、照合一致した生体情報(今回)73の品質を評価する処理である。品質とは、生体画像の取得環境の一様性を評価する指標である。品質には、たとえば、被写体となる生
体の姿勢、生体画像を撮影する環境などがある。生体認証装置30は、被写体となる生
体の姿勢を姿勢情報として取得して、生体画像の取得環境の一様性を評価する。
【0090】
[ステップS51]処理装置31は、第1テンプレート71と生体情報(今回)73の姿勢誤差を算出する。より詳しくは、処理装置31は、第1テンプレート71に対応して記憶されている姿勢情報を、記憶部63から取得する。また、処理装置31は、生体情報(今回)73に対応して取得した姿勢情報を、第1テンプレート71に対応する姿勢情報と比較して誤差を算出する。これにより、生体認証装置30は、第1テンプレート71と生体情報(今回)73の生体画像撮影時の生体の姿勢誤差を算出することができる。
【0091】
[ステップS52]処理装置31は、算出した姿勢誤差があらかじめ定めた許容範囲内か否かを判定する。処理装置31は、算出した姿勢誤差があらかじめ定めた許容範囲内である場合にステップS53にすすみ、許容範囲内でない場合にステップS56にすすむ。
【0092】
処理装置31は、たとえば、第1テンプレート71と生体情報(今回)73の生体画像撮影時の手のひらの傾きの差が15度以内であれば、許容範囲とする。なお、姿勢誤差の判断基準は、手のひらの傾きなどの1つの基準に限らず、前後左右の位置ずれ、距離、回転、変形など複数の基準を用いてもよい。
【0093】
[ステップS53]処理装置31は、第2テンプレート72と生体情報(今回)73の姿勢誤差を算出する。より詳しくは、処理装置31は、第2テンプレート72に対応して記憶されている姿勢情報を、記憶部63から取得する。また、処理装置31は、生体情報(今回)73に対応して取得した姿勢情報を、第
2テンプレート
72に対応する姿勢情報と比較して誤差を算出する。これにより、生体認証装置30は、第2テンプレート72と生体情報(今回)73の生体画像撮影時の生体の姿勢誤差を算出することができる。
【0094】
[ステップS54]処理装置31は、算出した姿勢誤差があらかじめ定めた許容範囲内か否かを判定する。処理装置31は、算出した姿勢誤差があらかじめ定めた許容範囲内である場合にステップS55にすすみ、許容範囲内でない場合にステップS56にすすむ。
【0095】
処理装置31は、たとえば、第2テンプレート72と生体情報(今回)73の生体画像撮影時の手のひらの傾きの差が10度以内であれば、許容範囲とする。なお、姿勢誤差の判断基準は、手のひらの傾きなどの1つの基準に限らず、前後左右の位置ずれ、距離、回転、変形など複数の基準を用いてもよい。
【0096】
また、第2テンプレート72と生体情報(今回)73の姿勢誤差の
許容範囲は、第1テンプレート71と生体情報(今回)73の姿勢誤差の
許容範囲よりも厳しいものであるが、同等、もしくは緩いものであってもよい。第2テンプレート72と生体情報(今回)73の姿勢誤差の
許容範囲を、第1テンプレート71と生体情報(今回)73の姿勢誤差の
許容範囲よりも厳しいものとすることで、生体認証装置30は、認証対象者の生体情報の急激な変化への追随を抑制する。
【0097】
[ステップS55]処理装置31は、生体情報(今回)73の姿勢誤差が、第1テンプレート71と第2テンプレート72のいずれに対しても、あらかじめ定めた許容範囲内にあるため、生体情報(今回)73の品質を良好と評価して品質評価処理を終了する。
【0098】
[ステップS56]処理装置31は、生体情報(今回)73の姿勢誤差が、第1テンプレート71と第2テンプレート72のうち少なくともいずれか一方に対して、あらかじめ定めた許容範囲内にないため、生体情報(今回)73の品質を不良と評価して品質評価処理を終了する。
【0099】
このように、生体認証装置30は、生体情報(今回)73の品質を評価する。なお、生体認証装置30は、生体情報(今回)73の品質評価を、第1テンプレート71と第2テンプレート72のいずれに対してもおこなったが、いずれか一方に対しておこなうものであってもよい。
【0100】
また、生体認証装置30は、生体情報(今回)73の品質評価を、第1テンプレート71または第2テンプレート72との
姿勢誤差による品質評価をおこなったが、生体情報取得時の正位置との
姿勢誤差による品質評価をおこなうものであってもよい。
【0101】
[第3の実施形態]
次に、第3の実施形態を用いて、金融機関における生体認証システムについて説明する。
図12は、第3の実施形態の生体認証システムの構成を示す図である。なお、第2の実施形態と共通する構成は、同じ符番を付して説明を省略する。
【0102】
第3の実施形態として、生体認証システム100が手のひらの静脈を用いて認証をおこなうシステムを例示するが、これに限らず、生体のその他の特徴検出部位で認証をおこなうシステムにも適用可能である。
【0103】
生体認証システム100は、生体の特徴を認識して個人を特定して認証するシステムの1つであり、たとえば、銀行システムなどで顧客の認証をおこなう。生体認証システム100は、複数の自動預払装置105、認証サーバ101、およびネットワーク104を含んで構成される。
【0104】
認証サーバ101は、個人を識別するための識別情報と、生体認証前にあらかじめ登録される第2テンプレート72とを関連付けて記憶する。個人を識別するための識別情報は、利用者に直接的(たとえば、利用者番号)に、あるいは間接的(たとえば、口座番号)に付されたユニークなID(IDentification)である。
【0105】
自動預払装置105は、金融機関の屋内にあるATMコーナ103や、ATMブース102に、1台または複数台が設置される。自動預払装置105は、金融取引に先立ち、利用者を認証する際に、生体認証をおこなう認証装置の1つである。自動預払装置105は、ICカードリーダライタ106とセンサユニット107を備える。センサユニット107は、撮像装置を備え、利用者の手のひらの静脈像を撮影し、生体情報(今回)73を取得する。自動預払装置105は、ICカードリーダライタ106が利用者のICカード(たとえば、ICチップ内蔵型キャッシュカード)から
取得する第1テンプレート71と、センサユニット107から取得する生体情報(今回)73とから、利用者の認証をおこなう。
【0106】
このように、生体認証システム100は、第1テンプレート71と第2テンプレート72とを異なる記憶部に記憶して管理する。ここで、自動預払装置105は、第2の実施形態で説明した生体認証装置30と同様の処理機能を備えることで、生体認証装置として機能する。また、生体認証システム100は、自動預払装置105と認証サーバ101とが協同して第2の実施形態で説明した生体認証装置30と同様の処理機能を備えるようにしてもよい。このような生体認証システム100は、認証過程において認証精度を改善し得る。
【0107】
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、各装置が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体(可搬型記録媒体を含む)に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。磁気記録装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープなどがある。光ディスクには、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM、CD−ROM、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)などがある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)などがある。
【0108】
プログラムを流通させる場合には、たとえば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROMなどの可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0109】
プログラムを実行するコンピュータは、たとえば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムにしたがった処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムにしたがった処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムにしたがった処理を実行することもできる。
【0110】
なお、上述の実施の形態では、生体
部位として手のひらを例示して説明したが、これに限らず生体
部位であればどこでもよい。たとえば、生体
部位は、足の裏、手足の指、手足の甲、手首、腕などであってもよい。
【0111】
また、認証に静脈を用いる場合、生体
部位は、静脈を観察可能な部位であればよい。また、生体情報取得部位を特定可能な生体
部位であれば認証に有利である。たとえば、手のひらや顔などであれば、取得した画像から部位を特定可能である。
【0112】
また、認証に用いる生体情報は、静脈に限らず、指紋や掌紋、その他のものであってもよい。
なお、上述の実施の形態は、実施の形態の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。
【0113】
上記については単に本発明の原理を示すものである。さらに、多数の変形、変更が当業者にとって可能であり、本発明は上記に示し、説明した正確な構成および応用例に限定されるものではなく、対応するすべての変形例および均等物は、添付の請求項およびその均等物による本発明の範囲とみなされる。