【課題を解決するための手段】
【0008】
前記のような課題を解決するために、本発明は、チタン、マグネシウム、ハロゲンおよび下記一般式(II)または(III)で表示されるビシクロアルケンジカルボキシレ-ト(bicycloalkene dicarboxylate)系内部電子供与体を含む固体触媒が提供される。
【0009】
【化1】
【0010】
ここで、R
1およびR
2は互いに同一であるか相異し、炭素原子1〜20個の線状、分枝状または環状アルキル基、アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基、またはアルキルアリール基であり;R
3、R
4、R
5およびR
6は互いに同一であるか相異し、水素、炭素原子1〜20個の線状、分枝状または環状アルキル基、アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基またはアルキルアリール基である。
【0011】
また、本発明は、次の工程等を含む固体触媒の製造方法を提供する:
(1)有機溶媒の存在下で、ジアルコキシマグネシウムとチタンハライドを反応させる工程;
(2)60〜150℃の温度に昇温させながら、前記工程(1)の結果物に前記一般式(II)または(III)で表示されるビシクロアルケンジカルボキシレ-ト系内部電子供与体中から選ばれる1種または2種以上を投入して反応させる工程;及び
(3)60〜150℃の温度で、前記工程(2)の結果物とチタンハライドを反応させ、結果物を洗浄する段階。
【0012】
前記工程(1)で使用される有機溶媒としては、その種類に特別に限定が無く、炭素数6〜12個の脂肪族炭化水素および芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素などが使用され得るし、より好ましくは炭素数7〜10個の飽和脂肪族または芳香族炭化水素、またはハロゲン化炭化水素が使用され得るし、その具体的な例としては、オクタン、ノナン、デカン、トルエンおよびキシレン、クロロブタン、クロロヘキサン、クロロヘプタンなどから選ばられる1種以上を単独にまたは混合して使用することができる。
【0013】
前記工程(1)で使用されるジアルコキシマグネシウムは、金属マグネシウムを塩化マグネシウムの存在下で無水アルコールと反応させて得られる、平均粒径が10〜200μmであり、表面が滑らかな球形粒子であって、前記球形の粒子形状はプロピレンの重合時にもそのまま維持されることが好ましいが、上記平均粒径が10μm未満であると、製造された触媒の微細粒子が増加し好ましくなく、200μmを超えると、嵩密度が小さくなる傾向があり好ましくない。
【0014】
さらに、前記ジアルコキシマグネシウムに対する前記有機溶媒の使用比は、ジアルコキシマグネシウム重量:有機溶媒体積で1:5〜50であることが好ましく、1:7〜20であることがより好ましいが、前記使用比が1:5未満であると、スラリーの粘度が急激に増加して、均一な攪拌が難しくなり好ましくなく、1:50を超えると、生成される担体の嵩密度が急激に減少するか粒子表面が荒くなる問題が発生し好ましくない。
【0015】
前記固体触媒の製造工程中、工程(1)で使用されるチタンハライドは、好ましくは下記一般式(I)で表示される:
【0016】
Ti(OR)
aX
(4-a)・・・・・・(I)
【0017】
ここで、Rは炭素原子1〜10個のアルキル基であり、Xはハロゲン元素であり、aは一般式の原子価を合わせるためのもので、0〜3の整数である。前記チタンハライドとしては、特に四塩化チタンを使用することが好ましい。
【0018】
前記固体触媒の製造工程中、工程(1)における反応は、-20〜50℃の温度範囲でジアルコキシマグネシウムを有機溶媒に懸濁させた状態で、チタンハライドを徐々に投入して行なうことが好ましい。
この時、使用するチタンハライドの使用量は、ジアルコキシマグネシウム1モルに対して0.1〜10モル、さらに0.3〜2モルにすることが好ましいが、0.1モル未満であると、ジアルコキシマグネシウムがマグネシウムクロライドに変化する反応が円滑に進行されないので好ましくなく、10モルを超えると、過度に多くのチタン成分が触媒内に存在するようになるので好ましくない。
【0019】
前記固体触媒の製造工程において、前記工程(2)で使用される、前記一般式(II)または一般式(III)で表示される内部電子供与体の例としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸エチルヘキシルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジオクチルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジイソブチルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジブチルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジイソプロピルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジプロピルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジエチルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジメチルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸エチルヘキシルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジオクチルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジイソブチルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジブチルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジイソプロピルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジプロピルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジエチルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジメチルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸エチルヘキシルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジオクチルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジイソブチルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジブチルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジイソプロピルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジプロピルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジエチルエステル、
【0020】
5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジメチルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸エチルヘキシルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジオクチルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジイソブチルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジブチルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジイソプロピルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジプロピルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジエチルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジメチルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸エチルヘキシルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジオクチルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジイソブチルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジブチルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジイソプロピルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジプロピルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジエチルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジメチルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸エチルヘキシルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジオクチルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジイソブチルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジブチルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジイソプロピルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジプロピルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジエチルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジメチルエステル、
【0021】
7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸エチルヘキシルエステル、7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジオクチルエステル、7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジイソブチルエステル、7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジブチルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジイソプロピルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジプロピルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジエチルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジメチルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸エチルヘキシルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジオクチルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジイソブチルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジブチルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジイソプロピルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジプロピルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジエチルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジメチルエステル、
【0022】
6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸エチルヘキシルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジオクチルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジイソブチルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジブチルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジイソプロピルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジプロピルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジエチルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジメチルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸エチルヘキシルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジオクチルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジイソブチルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジブチルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジイソプロピルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジプロピルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジエチルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジメチルエステルなどがあり、この中で1種または2種以上を混合して使用することができる。
【0023】
前記工程(2)は,前記工程(1)の結果物の温度を60〜150℃、好ましくは 80〜130℃まで徐々に昇温させながら、昇温過程中に内部電子供与体を投入して1〜3時間反応させることにより行なわれることが好ましいが、前記温度が60℃未満であるか反応時間が1時間未満であれば、反応が完結されるのが難しく、前記温度が150℃を超えるか反応時間が3時間を越えると、副反応によって、結果物である触媒の重合活性または重合体の立体規則性が低くなり得る。
【0024】
前記内部電子供与体は、前記昇温過程中に投入される限り、その投入温度および投入回数は大きく制限されないし、前記内部電子供与体の全体使用量は、使用されたジアルコキシマグネシウム1モルに対して0.1〜1.0モルを使用することが好ましいが、前記範囲を外れると、結果物である触媒の重合活性または重合体の立体規則性が低くなることがあるので好ましくない。
前記固体触媒の製造工程中、工程(3)は、60〜150℃、好ましくは80〜130℃温度で工程(2)の結果物とチタンハライドを2次に反応させる工程である。この時、使用されるチタンハライドの例としては、前記の一般式(I)のチタンハライドを挙げることができる。
【0025】
固体触媒の製造工程において、各工程における反応は、窒素気体雰囲気で、水分などを十分に除去させた、攪拌機が装着された反応器中で実施することが好ましい。
前記の方法で製造される本発明の固体触媒は、マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび内部電子供与体を含んでなり、触媒活性の側面を考慮して見るとき、マグネシウム5〜40重量%、チタン0.5〜10重量%、ハロゲン50〜85%および内部電子供与体2.5〜30重量%を含んでなることが好ましい。
【0026】
本発明の触媒製造方法によって製造される固体触媒は、プロピレン重合または共重合方法に使用され得るし、本発明によって製造される固体触媒を利用したプロピレン重合または共重合方法は、前記固体触媒と助触媒および外部電子供与体の存在下に、プロピレンを重合またはプロピレンと他のα−オレフィンを共重合させることを含む。
上記固体触媒は、重合反応の成分として使用される前に、エチレンまたは α−オレフィンに前重合して使用することができる。
前重合反応は、炭化水素溶媒(例えば、ヘキサン)、前記触媒成分および有機アルミニウム化合物(例えば、トリエチルアルミニウム)の存在下で、十分に低い温度とエチレンまたはα−オレフィン圧力条件で行なうことができる。前重合は、触媒粒子を重合体で取り囲んで触媒形状を維持させて、重合後に重合体の形状を良くするのに助けを与える。前重合後の重合体/触媒の重量比は、約0.1〜20:1であることが好ましい。
【0027】
前記プロピレン重合または共重合方法において、助触媒成分としては、周期律表第II族または第III族の有機金属化合物が使用され得るし、その例として、好ましくは、アルキルアルミニウム化合物が使用される。前記アルキルアルミニウム化合物は下記一般式(IV)で表示される:
【0028】
AlR
3・・・・・・(IV)
【0029】
ここで、Rは炭素数1〜6個のアルキル基である。
【0030】
前記アルキルアルミニウム化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムおよびトリオクチルアルミニウムなどを挙げることができる。
【0031】
前記固体触媒成分に対する前記助触媒成分の比率は、重合方法によって多少差異はあるが、固体触媒成分中のチタン原子に対する助触媒成分中の金属原子のモル比が1〜1000の範囲であることが好ましく、より好ましくは10〜300の範囲であるのが良い。もし、固体触媒成分中のチタン原子に対する助触媒成分中の金属原子、例えば、アルミニウム原子のモル比が前記1〜1000の範囲を外れると、重合活性が大きく低下される問題がある。
【0032】
前記プロピレン重合または共重合方法において、前記外部電子供与体としては、次の一般式(V)で表示されるアルコキシシラン化合物中で選ばれる1種以上を使用することができる:
【0033】
R
1mR
2nSi(OR
3)
(4-m-n)・・・・・・(V)
【0034】
ここで、R
1及びR
2は同一であるか異なり得るし、炭素数1〜12個の線状または分枝状または環状アルキル基、またはアリール基であり、R
3は炭素数1〜6個の線状または分枝状アルキル基であり、m、nはそれぞれ0または1であり、m+nは1または2である。
【0035】
前記外部電子供与体の具体例としては、ノルマルプロピルトリメトキシシラン、ジノルマルプロピルジメトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ノルマルブチルトリメトキシシラン、ジノルマルブチルジメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、t−ブチルトリメトキシシラン、ジt-ブチルジメトキシシラン、ノルマルペンチルトリメトキシシラン、ジノルマルペンチルジメトキシシラン、シクロペンチルトリメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、シクロペンチルメチルジメトキシシラン、シクロペンチルエチルジメトキシシラン、シクロペンチルプロピルジメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン、シクロヘキシルプロピルジメトキシシラン、シクロヘプチルトリメトキシシラン、ジシクロヘプチルジメトキシシラン、シクロヘプチルメチルジメトキシシラン、シクロヘプチルエチルジメトキシシラン、シクロヘプチルプロピルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルエチルジメトキシシラン、フェニルプロピルジメトキシシラン、ノルマルプロピルトリエトキシシラン、ジノルマルプロピルジエトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、ジイソプロピルジエトキシシラン、ノルマルブチルトリエトキシシラン、ジノルマルブチルジエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、ジイソブチルジエトキシシラン、t−ブチルトリエトキシシラン、ジt−ブチルジエトキシシラン、ノルマルペンチルトリエトキシシラン、ジノルマルペンチルジエトキシシラン、シクロペンチルトリエトキシシラン、ジシクロペンチルジエトキシシラン、シクロペンチルメチルジエトキシシラン、シクロペンチルエチルジエトキシシラン、シクロペンチルプロピルジエトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、ジシクロヘキシルジエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジエトキシシラン、シクロヘキシルエチルジエトキシシラン、シクロヘキシルプロピルエトキシシラン、シクロヘプチルトリエトキシシラン、ジシクロヘプチルジエトキシラン、シクロヘプチルメチルジエトキシシラン、シクロヘプチルエチルジエトキシシラン、シクロヘプチルプロピルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、フェニルエチルジエトキシシランおよびフェニルプロピルジエトキシシランなどであり、この中で1種以上を単独または混合して使用することができる。
【0036】
前記固体触媒に対する前記外部電子供与体の使用量は、重合方法によって多少差異があるが、触媒成分中のチタン原子に対する外部電子供与体中のシリコン原子のモル比が0.1〜500の範囲であるのが好ましく、1〜100の範囲であることがより好ましい。もし、前記固体触媒成分中のチタン原子に対する外部電子供与体中のシリコン原子のモル比が0.1未満であれば、生成されるプロピレン重合体の立体規則性が顕著に低くなり好ましくなく、500を超えると、触媒の重合活性が顕著に落ちる問題点がある。
【0037】
前記プロピレン重合または共重合方法において、重合反応の温度は20〜120℃であることが好ましいが、重合反応の温度が20℃未満であると、反応が十分に進行されないので好ましくなく、120℃を超えると、活性の低下が甚だしく、重合体の物性にも良くない影響を与えるので好ましくない。