特許第5671633号(P5671633)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5671633ユーザアクセス属性値に基づいた選好カテゴリの決定
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5671633
(24)【登録日】2014年12月26日
(45)【発行日】2015年2月18日
(54)【発明の名称】ユーザアクセス属性値に基づいた選好カテゴリの決定
(51)【国際特許分類】
   G06F 17/30 20060101AFI20150129BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20150129BHJP
【FI】
   G06F17/30 340A
   G06F17/30 310Z
   G06Q30/02 150
【請求項の数】21
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2013-557867(P2013-557867)
(86)(22)【出願日】2012年3月8日
(65)【公表番号】特表2014-510972(P2014-510972A)
(43)【公表日】2014年5月1日
(86)【国際出願番号】US2012028294
(87)【国際公開番号】WO2012122384
(87)【国際公開日】20120913
【審査請求日】2013年12月9日
(31)【優先権主張番号】201110058211.7
(32)【優先日】2011年3月10日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】13/414,295
(32)【優先日】2012年3月7日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510330264
【氏名又は名称】アリババ・グループ・ホールディング・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ALIBABA GROUP HOLDING LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】特許業務法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤーン・ジーシオン
(72)【発明者】
【氏名】スウ・ニーンジュン
(72)【発明者】
【氏名】ローン・ローンシェン
(72)【発明者】
【氏名】ジャーン・シュイ
【審査官】 早川 学
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−299542(JP,A)
【文献】 特開2004−348682(JP,A)
【文献】 特開2005−025460(JP,A)
【文献】 特開2011−175362(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 17/30
G06Q 30/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェブサイトの現行ユーザに対して1または複数の選好カテゴリを決定するための方法であって、
1または複数のプロセッサを用いて、前記現行ユーザによる前記ウェブサイトへのアクセスに関連する複数のタイプのアクセス属性に対応する複数のアクセス属性値を決定する工程と、
カテゴリとアクセス属性値との間の格納された対応関係に少なくとも部分的に基づいて前記複数のアクセス属性値に対応する複数のカテゴリを決定する工程であって、前記決定された複数のカテゴリの少なくとも一部は1または複数の選好カテゴリを含み、前記1または複数の選好カテゴリから1または複数の商品が前記現行ユーザに推薦されるよう構成される、工程と、
前記1または複数の選好カテゴリに関連する商品情報を提示する工程と、
を備える、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、さらに、
前記現行ユーザが前記ウェブサイトの新規ユーザを含むかかを判定する工程を備え
前記複数のアクセス属性値を決定する前記工程は、前記現行ユーザが前記ウェブサイトの新規ユーザを含むとの判定結果に応じて実行される、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
前記商品情報は、前記選好カテゴリに属する1または複数の商品に関連する推薦を含む、方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であって、
前記1または複数の商品は、前記1または複数の商品の各々に対して決定された更新済み人気度の値に基づいて推薦されるよう選択される、方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって、
前記選好カテゴリに属する前記1または複数の商品の内の第1の商品に対する更新済み人気度の値の決定は、
前記第1の商品に関連するユーザ操作行動をそれぞれ含む1または複数のログ記録をリトリーブする工程であって、前記1または複数のログ記録は、指定された期間に関連付けられている、工程と、
前記リトリーブされたログ記録において前記第1の商品に関連付けられた各タイプのユーザ操作行動の回数に少なくとも部分的に基づいて、正規化されたユーザ操作行動回数を決定する工程と、
前記第1の商品について以前に決定された人気度の値、前記指定された期間に関連付けられた時間減衰係数、および、前記正規化されたユーザ操作行動回数に少なくとも部分的に基づいて、前記第1の商品に対する前記更新済み人気度の値を決定する工程と、を含む、方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、
前記第1の商品に対する前記更新済み人気度の値は、前記以前に決定された人気度の値および前記時間減衰係数の積と前記正規化されたユーザ操作行動回数との合計である、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、
カテゴリとアクセス属性値との間の前記対応関係は、
以前のユーザに関連するアクセスデータに基づいて、各タイプのアクセス属性に関する統計情報を蓄積する工程と、
以前のユーザに関連する前記アクセスデータに基づいて、カテゴリと各タイプのアクセス属性に関連するアクセス属性値との間の前記対応関係を決定する工程と、
対応関係に関連する専門家のレビューまたは事前設定されたルールの一方または両方から、カテゴリとアクセス属性値との間の前記対応関係への1または複数の編集を受信する工程と、に少なくとも部分的に基づいて決定される、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、
前記複数のタイプのアクセス属性は、アクセスアドレス属性、アクセス位置属性、アクセス期間属性、および、アクセスソース方法属性の内の1または複数を含む、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、
前記決定された複数のカテゴリの各々は選好カテゴリを含む、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、
前記決定された複数のカテゴリの内、事前設定された閾値より高い一般選好度にそれぞれ関連するカテゴリが、選好カテゴリを含む、方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法であって、
前記決定された複数のカテゴリの内、前記決定された複数のカテゴリに含まれる他のカテゴリよりも上位に順位付けされた事前設定された数の一般選好度にそれぞれ関連するカテゴリが、選好カテゴリを含む、方法。
【請求項12】
ウェブサイトの現行ユーザに対して1または複数の選好カテゴリを決定するためのシステムであって、
ネットワークを介してデータを送受信するよう構成された通信インターフェースと、
プロセッサであって、
前記現行ユーザによる前記ウェブサイトへのアクセスに関連する複数のタイプのアクセス属性に対応する複数のアクセス属性値を決定することと、
カテゴリとアクセス属性値との間の格納された対応関係に少なくとも部分的に基づいて前記複数のアクセス属性値に対応する複数のカテゴリを決定することであって、前記決定された複数のカテゴリの少なくとも一部は1または複数の選好カテゴリを含み、前記1または複数の選好カテゴリから1または複数の商品が前記現行ユーザに推薦されるよう構成される、決定することと、
前記1または複数の選好カテゴリに関連する商品情報を提示することと、を実行するよう構成されたプロセッサと、
前記プロセッサに接続され、前記プロセッサに命令を提供するよう構成されたメモリと、
を備える、システム。
【請求項13】
請求項12に記載のシステムであって、
前記商品情報は、前記選好カテゴリに属する1または複数の商品に関連する推薦を含む、システム。
【請求項14】
請求項13に記載のシステムであって、
前記1または複数の商品は、前記1または複数の商品の各々に対して決定された更新済み人気度の値に基づいて推薦されるよう選択される、システム。
【請求項15】
請求項14に記載のシステムであって、
前記選好カテゴリに属する前記1または複数の商品の内の第1の商品に対する更新済み人気度の値の決定は、
前記第1の商品に関連するユーザ操作行動をそれぞれ含む1または複数のログ記録をリトリーブすることであって、前記1または複数のログ記録は、指定された期間に関連付けられている、リトリーブすることと、
前記リトリーブされたログ記録において前記第1の商品に関連付けられた各タイプのユーザ操作行動の回数に少なくとも部分的に基づいて、正規化されたユーザ操作行動回数を決定することと、
前記第1の商品について以前に決定された人気度の値、前記指定された期間に関連付けられた時間減衰係数、および、前記正規化されたユーザ操作行動回数に少なくとも部分的に基づいて、前記第1の商品に対する前記更新済み人気度の値を決定することと、を含む、システム。
【請求項16】
請求項15に記載のシステムであって、
前記第1の商品に対する前記更新済み人気度の値は、前記以前に決定された人気度の値および前記時間減衰係数の積と前記正規化されたユーザ操作行動回数との合計である、システム。
【請求項17】
請求項12に記載のシステムであって、
前記複数のタイプのアクセス属性は、アクセスアドレス属性、アクセス位置属性、アクセス期間属性、および、アクセスソース方法属性の内の1または複数を含む、システム。
【請求項18】
請求項12に記載のシステムであって、
前記決定された複数のカテゴリの各々は選好カテゴリを含む、システム。
【請求項19】
請求項12に記載のシステムであって、
前記決定された複数のカテゴリの内、事前設定された閾値より高い一般選好度にそれぞれ関連するカテゴリが、選好カテゴリを含む、システム。
【請求項20】
請求項12に記載のシステムであって、
前記決定された複数のカテゴリの内、前記決定された複数のカテゴリに含まれる他のカテゴリよりも上位に順位付けされた事前設定された数の一般選好度にそれぞれ関連するカテゴリが、選好カテゴリを含む、システム。
【請求項21】
ウェブサイトの現行ユーザに対して1または複数の選好カテゴリを決定するためのコンピュータプログラムであって
記現行ユーザによる前記ウェブサイトへのアクセスに関連する複数のタイプのアクセス属性に対応する複数のアクセス属性値を決定するためのコンピュータ命令と、
カテゴリとアクセス属性値との間の格納された対応関係に少なくとも部分的に基づいて前記複数のアクセス属性値に対応する複数のカテゴリを決定するためのコンピュータ命令であって、前記決定された複数のカテゴリの少なくとも一部は1または複数の選好カテゴリを含み、前記1または複数の選好カテゴリから1または複数の商品が前記現行ユーザに推薦されるよう構成される、コンピュータ命令と、
前記1または複数の選好カテゴリに関連する商品情報を提示するためのコンピュータ命令と、
を備える、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
他の出願の相互参照
本願は、2011年3月10日出願の中国特許出願第201110058211.7号「PREFERRED CATEGORY DETERMINING METHOD AND DEVICE」の優先権を主張する。当該出願は、すべての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本願は、情報処理技術の分野に関し、特に、ユーザの選好商品カテゴリを決定するための技術に関する。
【背景技術】
【0003】
通例、ユーザは、電子商取引ウェブサイトで広告されている商品を閲覧して購入できる。電子商取引ウェブサイトは、時に、商品を説明する情報(例えば、仕様、値段、写真)を含む商品のプロフィールを掲載する。
【0004】
一部の電子商取引ウェブサイトは、すべての利用可能な商品カテゴリの中で特にユーザが好むと思われる1または複数の商品カテゴリを決定する。次いで、電子商取引ウェブサイトは、それらの選好カテゴリから1または複数の商品を推薦して、ユーザに提示する。例えば、推薦商品は、ユーザが現在閲覧している電子商取引ウェブサイトに関連付けられたウェブページの一部に現れうる。一部の電子商取引ウェブサイトでは、推薦商品は、選好カテゴリ内の商品のそれぞれの人気度に基づいて決定される。例えば、商品の人気度が高いほど、その商品はユーザに推薦される可能性が高くなる。一例において、商品の人気度は、所定の期間内にその商品に対して行われたユーザ操作行動(例えば、クリック行動、購入行動、ブックマーク行動を含む複数タイプのユーザ操作行動)の回数に基づいて決定されうる。この例において、商品の人気度は、各タイプのユーザ操作行動の回数の合計値として決定されうる。
【0005】
図1は、一部の電子商取引ウェブサイトがユーザの選好商品カテゴリを決定する方法の一例を示すフローチャートである。この処理の例は、ユーザの選好商品カテゴリが、ユーザの履歴ユーザ操作行動データに基づいて決定されることを示している。例えば、ユーザの履歴ユーザ操作行動データは、電子商取引ウェブサイトで利用できる様々な商品に関するオンライン相互作用の中でも特に、ユーザのクリック行動、購入行動、および、ブックマーク行動の履歴を含む。
【0006】
工程102で、所定の期間内に実行された少なくとも1つの履歴ユーザ操作行動とそれぞれ関連する複数の商品が決定される。例えば、所定の時間内に行われたユーザのユーザ操作行動のデータの履歴は、電子商取引ウェブサイトによって追跡される。
【0007】
工程104で、複数の商品に対応する複数のカテゴリが決定される。例えば、複数の商品の各々が属する商品カテゴリが決定される。例えば、テニスラケット商品が、スポーツ用品商品カテゴリに属すると決定される。
【0008】
工程106で、複数のカテゴリの各々について、カテゴリに関連する各タイプの履歴ユーザ操作行動の回数が決定される。例えば、決定されたカテゴリがカテゴリAおよびカテゴリBに属すると仮定する。カテゴリAに属する履歴ユーザ操作行動データ内の全商品について、システム内のユーザによるクリック行動の総数が10であると決定され、ユーザによるブックマーク行動の総数が5であると決定される。カテゴリBに属する履歴ユーザ操作行動データ内の全データについて、クリック行動の総数が20であると決定され、ブックマーク行動の総数が12であると決定される。
【0009】
工程108で、1または複数のタイプの履歴ユーザ操作行動の各タイプに関連する重み値が取得される。例えば、システム管理者が、各タイプの履歴ユーザ操作に関連する推定された重要度に基づいて、各タイプの履歴ユーザ操作行動の重み値を事前設定できる。例えば、クリック行動に対して事前設定された重み値が1であり、ブックマーク行動に対して事前設定された重み値が5であるとする。
【0010】
工程110で、履歴ユーザ操作行動の正規化された回数が、各タイプの履歴ユーザ操作行動に関連付けられた重み値および各カテゴリに関連する各タイプのユーザ操作行動の回数に少なくとも部分的に基づいて、複数のカテゴリの各々に対して決定される。例えば、カテゴリに関連する各タイプの履歴ユーザ操作行動の回数に、対応する取得済みの重み値を掛けた後に、重み付けした回数を合計して、そのカテゴリに対する履歴ユーザ操作行動の正規化された回数を決定する。例えば、カテゴリAについて、クリック行動の回数が10であり、ブックマーク行動の回数が5であり、クリック行動の重み値が1であり、ブックマーク行動の重み値が5であるので、カテゴリAに対応する履歴ユーザ操作行動の正規化された回数は:10×1+5×5=35である。
【0011】
工程112で、複数のカテゴリに対応する履歴ユーザ操作行動の決定済みの正規化された回数を用いて、複数のカテゴリが順位付けされる。例えば、カテゴリは、対応する正規化された履歴ユーザ操作行動回数に従って順位付けされうる。
【0012】
工程114で、順位付けされた複数のカテゴリから、事前設定された数のカテゴリが、選好カテゴリとして選択される。例えば、上位の所定の数(例えば、上位N個)のカテゴリが選択され、ユーザが後にウェブサイトにアクセスした時にユーザの選好カテゴリとして用いられる。上記の処理で示したように、典型的な技術は、ユーザの履歴ユーザ操作行動に基づいてユーザの選好商品カテゴリを決定する。しかしながら、ユーザの履歴操作行動の回数が非常に少ない場合、または、ユーザの履歴操作行動がランダムな商品群に関して実行される場合(ユーザが実際には関心のない商品を頻繁にクリックする場合)、ユーザの履歴操作行動は、ユーザの好みの良い指標にはならない。さらに、初めてウェブサイトにアクセスしているユーザ(すなわち、ウェブサイトの新規ユーザ)については、そのウェブサイトに掲載された商品に関してかかるユーザの履歴ユーザ操作行動がないため、履歴ユーザ操作行動データを用いて、新規ユーザの選好カテゴリを決定することができない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
以下の詳細な説明と添付の図面において、本発明の様々な実施形態を開示する。
【0014】
図1】一部の電子商取引ウェブサイトがユーザの選好商品カテゴリを決定する方法の一例を示すフローチャート。
【0015】
図2】商品カテゴリとアクセス属性値との間の対応関係を用いて選好商品カテゴリを決定するためのシステムの一実施形態を示す図。
【0016】
図3】商品カテゴリとアクセス属性値との間の格納された対応関係を用いて選好商品カテゴリを決定する処理の一実施形態を示す図。
【0017】
図4】カテゴリとアクセス属性値との間で格納される対応関係を決定するための処理の一実施形態を示すフローチャート。
【0018】
図5】商品の人気度を決定するための処理の一実施形態を示すフローチャート。
【0019】
図6】選好カテゴリサーバにおけるソフトウェア層の一実施形態を示す図。
【0020】
図7】商品カテゴリとアクセス属性値との間の対応関係を用いて選好商品カテゴリを決定するためのシステムの一実施形態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、処理、装置、システム、物質の組成、コンピュータ読み取り可能な格納媒体上に具現化されたコンピュータプログラム製品、および/または、プロセッサ(プロセッサに接続されたメモリに格納および/またはそのメモリによって提供される命令を実行するよう構成されたプロセッサ)を含め、様々な形態で実装されうる。本明細書では、これらの実装または本発明が取りうる任意の他の形態を、技術と呼ぶ。一般に、開示された処理の工程の順序は、本発明の範囲内で変更されてもよい。特に言及しない限り、タスクを実行するよう構成されるものとして記載されたプロセッサまたはメモリなどの構成要素は、ある時間にタスクを実行するよう一時的に構成された一般的な構成要素として、または、タスクを実行するよう製造された特定の構成要素として実装されてよい。本明細書では、「プロセッサ」という用語は、1または複数のデバイス、回路、および/または、コンピュータプログラム命令などのデータを処理するよう構成された処理コアを指すものとする。
発明は、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[形態1]
ウェブサイトの現行ユーザに対して1または複数の選好カテゴリを決定するための方法であって、
1または複数のプロセッサを用いて、前記現行ユーザによる前記ウェブサイトへのアクセスに関連する複数のタイプのアクセス属性に対応する複数のアクセス属性値を決定する工程と、
カテゴリとアクセス属性値との間の格納された対応関係に少なくとも部分的に基づいて前記複数のアクセス属性値に対応する複数のカテゴリを決定する工程であって、前記決定された複数のカテゴリの少なくとも一部は1または複数の選好カテゴリを含み、前記1または複数の選好カテゴリから1または複数の商品が前記現行ユーザに推薦されるよう構成される、工程と、
前記1または複数の選好カテゴリに関連する商品情報を提示する工程と、
前記現行ユーザが前記ウェブサイトの新規ユーザを含むか否かを判定する工程と、
を備え、
前記複数のアクセス属性値を決定する前記工程は、前記現行ユーザが前記ウェブサイトの新規ユーザを含むとの判定結果に応じて実行される、方法。
[形態2]
ウェブサイトの現行ユーザに対して1または複数の選好カテゴリを決定するためのコンピュータプログラムであって、
前記現行ユーザによる前記ウェブサイトへのアクセスに関連する複数のタイプのアクセス属性に対応する複数のアクセス属性値を決定するためのコンピュータ命令と、
カテゴリとアクセス属性値との間の格納された対応関係に少なくとも部分的に基づいて前記複数のアクセス属性値に対応する複数のカテゴリを決定するためのコンピュータ命令であって、前記決定された複数のカテゴリの少なくとも一部は1または複数の選好カテゴリを含み、前記1または複数の選好カテゴリから1または複数の商品が前記現行ユーザに推薦されるよう構成される、コンピュータ命令と、
前記1または複数の選好カテゴリに関連する商品情報を提示するためのコンピュータ命令と、
を備える、コンピュータプログラム。
[適用例1]
ウェブサイトの現行ユーザに対して1または複数の選好カテゴリを決定するための方法であって、
1または複数のプロセッサを用いて、前記現行ユーザによる前記ウェブサイトへのアクセスに関連する複数のタイプのアクセス属性に対応する複数のアクセス属性値を決定する工程と、
カテゴリとアクセス属性値との間の格納された対応関係に少なくとも部分的に基づいて前記複数のアクセス属性値に対応する複数のカテゴリを決定する工程であって、前記決定された複数のカテゴリの少なくとも一部は1または複数の選好カテゴリを含み、前記1または複数の選好カテゴリから1または複数の商品が前記現行ユーザに推薦されるよう構成される、工程と、
前記1または複数の選好カテゴリに関連する商品情報を提示する工程と、
を備える、方法。
[適用例2]
適用例1に記載の方法であって、さらに、
前記現行ユーザが前記ウェブサイトの新規ユーザを含むか既存ユーザを含むかを判定する工程を備える、方法。
[適用例3]
適用例1に記載の方法であって、
前記商品情報は、前記選好カテゴリに属する1または複数の商品に関連する推薦を含む、方法。
[適用例4]
適用例3に記載の方法であって、
前記1または複数の商品は、前記1または複数の商品の各々に対して決定された更新済み人気度の値に基づいて推薦されるよう選択される、方法。
[適用例5]
適用例4に記載の方法であって、
前記選好カテゴリに属する前記1または複数の商品の内の第1の商品に対する更新済み人気度の値の決定は、
前記第1の商品に関連するユーザ操作行動をそれぞれ含む1または複数のログ記録をリトリーブする工程であって、前記1または複数のログ記録は、指定された期間に関連付けられている、工程と、
前記リトリーブされたログ記録において前記第1の商品に関連付けられた各タイプのユーザ操作行動の回数に少なくとも部分的に基づいて、正規化されたユーザ操作行動回数を決定する工程と、
前記第1の商品について以前に決定された人気度の値、前記指定された期間に関連付けられた時間減衰係数、および、前記正規化されたユーザ操作行動回数に少なくとも部分的に基づいて、前記第1の商品に対する前記更新済み人気度の値を決定する工程と、を含む、方法。
[適用例6]
適用例5に記載の方法であって、
前記第1の商品に対する前記更新済み人気度の値は、前記以前に決定された人気度の値および前記時間減衰係数の積と前記正規化されたユーザ操作行動回数との合計である、方法。
[適用例7]
適用例1に記載の方法であって、
カテゴリとアクセス属性値との間の前記対応関係は、
以前のユーザに関連するアクセスデータに基づいて、各タイプのアクセス属性に関する統計情報を蓄積する工程と、
以前のユーザに関連する前記アクセスデータに基づいて、カテゴリと各タイプのアクセス属性に関連するアクセス属性値との間の前記対応関係を決定する工程と、
対応関係に関連する専門家のレビューまたは事前設定されたルールの一方または両方から、カテゴリとアクセス属性値との間の前記対応関係への1または複数の編集を受信する工程と、に少なくとも部分的に基づいて決定される、方法。
[適用例8]
適用例1に記載の方法であって、
前記複数のタイプのアクセス属性は、アクセスアドレス属性、アクセス位置属性、アクセス期間属性、および、アクセスソース方法属性の内の1または複数を含む、方法。
[適用例9]
適用例1に記載の方法であって、
前記決定された複数のカテゴリの各々は選好カテゴリを含む、方法。
[適用例10]
適用例1に記載の方法であって、
前記決定された複数のカテゴリの内、事前設定された閾値より高い一般選好度にそれぞれ関連するカテゴリが、選好カテゴリを含む、方法。
[適用例11]
適用例1に記載の方法であって、
前記決定された複数のカテゴリの内、前記決定された複数のカテゴリに含まれる他のカテゴリよりも上位に順位付けされた事前設定された数の一般選好度にそれぞれ関連するカテゴリが、選好カテゴリを含む、方法。
[適用例12]
ウェブサイトの現行ユーザに対して1または複数の選好カテゴリを決定するためのシステムであって、
ネットワークを介してデータを送受信するよう構成された通信インターフェースと、
プロセッサであって、
前記現行ユーザによる前記ウェブサイトへのアクセスに関連する複数のタイプのアクセス属性に対応する複数のアクセス属性値を決定することと、
カテゴリとアクセス属性値との間の格納された対応関係に少なくとも部分的に基づいて前記複数のアクセス属性値に対応する複数のカテゴリを決定することであって、前記決定された複数のカテゴリの少なくとも一部は1または複数の選好カテゴリを含み、前記1または複数の選好カテゴリから1または複数の商品が前記現行ユーザに推薦されるよう構成される、決定することと、
前記1または複数の選好カテゴリに関連する商品情報を提示することと、を実行するよう構成されたプロセッサと、
前記プロセッサに接続され、前記プロセッサに命令を提供するよう構成されたメモリと、
を備える、システム。
[適用例13]
適用例12に記載のシステムであって、
前記商品情報は、前記選好カテゴリに属する1または複数の商品に関連する推薦を含む、システム。
[適用例14]
適用例13に記載のシステムであって、
前記1または複数の商品は、前記1または複数の商品の各々に対して決定された更新済み人気度の値に基づいて推薦されるよう選択される、システム。
[適用例15]
適用例14に記載のシステムであって、
前記選好カテゴリに属する前記1または複数の商品の内の第1の商品に対する更新済み人気度の値の決定は、
前記第1の商品に関連するユーザ操作行動をそれぞれ含む1または複数のログ記録をリトリーブすることであって、前記1または複数のログ記録は、指定された期間に関連付けられている、リトリーブすることと、
前記リトリーブされたログ記録において前記第1の商品に関連付けられた各タイプのユーザ操作行動の回数に少なくとも部分的に基づいて、正規化されたユーザ操作行動回数を決定することと、
前記第1の商品について以前に決定された人気度の値、前記指定された期間に関連付けられた時間減衰係数、および、前記正規化されたユーザ操作行動回数に少なくとも部分的に基づいて、前記第1の商品に対する前記更新済み人気度の値を決定することと、を含む、システム。
[適用例16]
適用例15に記載のシステムであって、
前記第1の商品に対する前記更新済み人気度の値は、前記以前に決定された人気度の値および前記時間減衰係数の積と前記正規化されたユーザ操作行動回数との合計である、システム。
[適用例17]
適用例12に記載のシステムであって、
前記複数のタイプのアクセス属性は、アクセスアドレス属性、アクセス位置属性、アクセス期間属性、および、アクセスソース方法属性の内の1または複数を含む、システム。
[適用例18]
適用例12に記載のシステムであって、
前記決定された複数のカテゴリの各々は選好カテゴリを含む、システム。
[適用例19]
適用例12に記載のシステムであって、
前記決定された複数のカテゴリの内、事前設定された閾値より高い一般選好度にそれぞれ関連するカテゴリが、選好カテゴリを含む、システム。
[適用例20]
適用例12に記載のシステムであって、
前記決定された複数のカテゴリの内、前記決定された複数のカテゴリに含まれる他のカテゴリよりも上位に順位付けされた事前設定された数の一般選好度にそれぞれ関連するカテゴリが、選好カテゴリを含む、システム。
[適用例21]
ウェブサイトの現行ユーザに対して1または複数の選好カテゴリを決定するためのコンピュータプログラム製品であって、
前記コンピュータプログラム製品は、持続性のコンピュータ読み取り可能な媒体内に具現化され、
前記コンピュータプログラム製品は、
前記現行ユーザによる前記ウェブサイトへのアクセスに関連する複数のタイプのアクセス属性に対応する複数のアクセス属性値を決定するためのコンピュータ命令と、
カテゴリとアクセス属性値との間の格納された対応関係に少なくとも部分的に基づいて前記複数のアクセス属性値に対応する複数のカテゴリを決定するためのコンピュータ命令であって、前記決定された複数のカテゴリの少なくとも一部は1または複数の選好カテゴリを含み、前記1または複数の選好カテゴリから1または複数の商品が前記現行ユーザに推薦されるよう構成される、コンピュータ命令と、
前記1または複数の選好カテゴリに関連する商品情報を提示するためのコンピュータ命令と、
を備える、コンピュータプログラム製品。
【0022】
以下では、本発明の原理を示す図面を参照しつつ、本発明の1または複数の実施形態の詳細な説明を行う。本発明は、かかる実施形態に関連して説明されているが、どの実施形態にも限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によってのみ限定されるものであり、多くの代替物、変形物、および、等価物を含む。以下の説明では、本発明の完全な理解を提供するために、多くの具体的な詳細事項が記載されている。これらの詳細事項は、例示を目的としたものであり、本発明は、これらの具体的な詳細事項の一部または全てがなくとも特許請求の範囲に従って実施可能である。簡単のために、本発明に関連する技術分野で周知の技術事項については、本発明が必要以上にわかりにくくならないように、詳細には説明していない。
【0023】
商品カテゴリとアクセス属性値との間の対応関係を用いて選好商品カテゴリを決定することについて説明する。いくつかの実施形態において、選好商品カテゴリは、電子商取引ウェブサイトに現在アクセスしているユーザのアクセス属性値を用いて決定される。様々な実施形態において、アクセス属性とは、ウェブサイトへのユーザの現在の訪問(”アクセス”)を記述する属性である。いくつかの実施形態において、アクセス属性は、任意のユーザによる各アクセスに対して事前設定されてよく、事前設定されたアクセス属性の値は、ユーザがウェブサイトを訪問する度に決定されうる。アクセス属性は、ユーザの現在の地理的位置ならびに/もしくはユーザおよび/またはウェブサイトへのユーザの特定の訪問に関する1または複数の他の特性を記述するよう選択されうる。いくつかの実施形態において、現在ウェブサイトにアクセス中のユーザは、電子商取引ウェブサイトの既存ユーザまたは新規ユーザである。いくつかの実施形態において、選好商品カテゴリは、商品カテゴリとアクセス属性値との間の対応関係を用いて決定される。いくつかの実施形態において、商品カテゴリとアクセス属性値との間の対応関係は、予め決定されており、ストレージからリトリーブされる。例えば、商品カテゴリとアクセス属性値との間の対応関係は、各商品カテゴリと、商品カテゴリに関連する商品を好んだ(例えば、頻繁に購入またはブラウズした)以前のユーザに関するアクセス属性値との間の相関のパターンの履歴に基づいてよい。いくつかの実施形態では、1または複数の選好カテゴリが、ウェブサイトに現在アクセス中のユーザに対して決定され、次いで、かかる1または複数の商品カテゴリから商品がユーザに推薦される。いくつかの実施形態では、1または複数の選好カテゴリの商品が、商品に対応する決定済みの人気度の値に少なくとも部分的に基づいて決定される。
【0024】
アクセス属性を用いて、選好カテゴリおよび最終的な商品推薦を決定することは、電子商取引ウェブサイトの新規ユーザに対しては格納された履歴ユーザ操作データがないため、かかるユーザにとって特に有利でありうる。例えば、電子商取引ウェブサイトのユーザは、国内または世界中の様々な地域に関連している可能性がある。必然的に、ユーザの好みは、ユーザが基づく様々な物理的地域に少なくとも部分的に基づいて、様々でありうる。したがって、(所定の同じセットの商品推薦をすべての新規ユーザに薦めるのとは対照的に)新規ユーザによる電子商取引ウェブサイトの現在のアクセスに関する属性を用いて商品推薦を各新規ユーザに合わせることができれば、商品推薦は、少なくともユーザの現在の位置にいくらかの関連性を持つため、ウェブサイトへの新規ユーザの興味を引きうる。
【0025】
図2は、商品カテゴリとアクセス属性値との間の対応関係を用いて選好商品カテゴリを決定するためのシステムの一実施形態を示す図である。システム200は、クライアント202、ネットワーク204、選好カテゴリサーバ206、および、ウェブサーバ208を備える。ネットワーク204は、高速ネットワークおよび/または遠隔通信ネットワークを用いて実装されうる。
【0026】
クライアント202は、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、タブレット、携帯デバイス、スマートフォン、または、任意のその他のコンピュータデバイスであってよい。いくつかの実施形態では、ウェブブラウザアプリケーションが各クライアントにインストールされており、選好カテゴリサーバ206およびウェブサーバ208の一方または両方がホストとなる電子商取引ウェブサイトに関連付けられたウェブページにユーザがアクセスすることを可能にする。いくつかの実施形態において、選好カテゴリサーバ206およびウェブサーバ208は、同じデバイスの一部または別個のデバイスの一部である。
【0027】
クライアント202でウェブブラウザを用いてウェブサイトを閲覧することによって電子商取引ウェブサイトにアクセスするユーザについて、選好カテゴリサーバ206は、ユーザの1または複数のアクセス属性値に基づいて、ユーザのための1または複数の選好商品カテゴリを決定するよう構成されている。例えば、ユーザがウェブサイトにアクセスすると、ユーザの訪問に関する特定の属性が格納される。これらの属性は、アクセスの時刻(例えば、訪問がその日のいつになされたか)、ユーザの地理的位置(例えば、ユーザが物理的にどこにいるのか)、クライアントデバイスが関連する施設のタイプ(例えば、ユーザが学術機関からアクセスしている)などを反映しうる。このアクセスについてユーザに関連付けられたこれらの属性は、アクセス属性値とカテゴリとの間で予め決定されて格納された対応関係に基づいて、ユーザが好む可能性が高い商品カテゴリを決定するために、(例えば、履歴ユーザ操作データの代わりに)用いられる。次いで、選好カテゴリに含まれる商品が、例えば、クライアントデバイスでユーザがウェブサイトにアクセスしている時に電子商取引ウェブサイトのウェブページで表示されるようにかかる商品に関する情報を送信することによって、ユーザに推薦される。選好カテゴリを決定するために電子商取引ウェブサイトへのユーザの訪問に関連付けられたアクセス属性値を用いるという概念は、商品推薦を行うのに利用できる履歴ユーザ操作データがない新規ユーザに対する商品推薦を決定する際に特に有利である。
【0028】
図3は、商品カテゴリとアクセス属性値との間の格納された対応関係を用いて選好商品カテゴリを決定する処理の一実施形態を示す図である。いくつかの実施形態において、処理300は、システム200で実施される。
【0029】
処理300は、電子商取引ウェブサイトに現在アクセス中のユーザについて、電子商取引ウェブサイトで選好カテゴリを決定するために実行される。例えば、ウェブサイトに現在アクセスしているユーザは、電子商取引ウェブサイトに関連付けられたウェブページを現在閲覧しているユーザでありうる。本明細書で用いているように、ウェブサイトに現在アクセスしているユーザを、「現行ユーザ」と呼ぶこととする。選好カテゴリを決定する1つの利点は、かかるカテゴリに関連する商品を現行ユーザに推薦できることである。
【0030】
いくつかの実施形態において、処理300は、ウェブサイトの各現行ユーザに対して別個に実行される。言い換えると、処理300は、ユーザがウェブサイトを訪問する度に実行されてよい。
【0031】
工程302で、現行ユーザは、新規ユーザまたは既存ユーザのいずれかであると判定される。
【0032】
いくつかの実施形態では、工程302は、任意選択的に実行される。いくつかの実施形態において、現行ユーザが電子商取引ウェブサイトの既存ユーザであると判定された場合、アクセス属性以外のデータに基づいて既存ユーザに対して選好カテゴリを決定できる(例えば、上述のように、ユーザの履歴操作行動に基づいて既存ユーザに対して選好カテゴリを決定できる)ので、処理300は終了する。いくつかの実施形態において、現行ユーザが電子商取引ウェブサイトの新規ユーザであると判定された場合、履歴ユーザ操作行動などの履歴データは新規ユーザでは入手できず、選好カテゴリを決定するために利用できないので、処理300は進行する。
【0033】
以下は、現行ユーザが既存ユーザであるか新規ユーザであるかを判定するために用いられる技術の一例である。
【0034】
現行ユーザが、ログイン情報(例えば、ログインIDおよびパスワードなどのログイン情報)を用いてログインすることによって電子商取引ウェブサイトにアクセスした場合、その現行ユーザは、ウェブサイトの既存ユーザであると判定できる。現行ユーザがウェブサイトにアクセスする時にウェブサイトにログインしていないが、現行ユーザに割り当てられて現行ユーザによってウェブサイトへのアクセスに利用された特定の一時的なアクセスID(ウェブブラウザによってローカルデバイスに格納されている)によって示唆されるなど、以前にウェブサイトにアクセスしたことがある場合、その現行ユーザも、電子商取引ウェブサイトの既存ユーザであると判定される。ウェブサイトによって現行ユーザに割り当てられた一時的なアクセスIDの例は、一般に、現行ユーザのウェブブラウザによって格納されるクッキーファイルまたはフラッシュファイルまたはその他の同様のタイプのIDファイルの一部として格納される。
【0035】
現行ユーザが電子商取引ウェブサイトにログインせず、一時的なアクセスIDもウェブブラウザによって格納されていない場合、その現行ユーザは、ウェブサイトの新規ユーザであると判定される。新規ユーザは、一般に、2つのタイプに分けられる。第1のタイプの新規ユーザは、初めてウェブサイトにアクセスするユーザであるため、ブラウザによって格納された一時的なアクセスIDを持たない。第2のタイプの新規ユーザは、ウェブサイトに以前にアクセスしたことがあるが、一時的なアクセスIDが格納されたクッキーファイルまたはフラッシュファイルまたはその他のIDファイルが消去されているユーザであるため、これらのユーザも、ブラウザによって格納された一時的なアクセスIDを持たない。
【0036】
いくつかの実施形態において、現行ユーザは、ユーザがウェブサイトにログインしておらずウェブブラウザによって格納された一時的なアクセスIDを全く持たない場合に、新規ユーザであると判定される。いくつかの実施形態において、現行ユーザは、ユーザがウェブサイトにログインしている場合および/またはユーザのために格納された一時的なアクセスIDを持つ場合、既存ユーザであると判定される。
【0037】
工程304で、現行ユーザに関連する複数のタイプのアクセス属性に対応する複数のアクセス属性値が決定される。
【0038】
様々な実施形態において、(新規または既存)ユーザがウェブサイトにアクセスする度に、アクセス(すなわち、ユーザによる訪問)に関連する1または複数のタイプのアクセス属性の値が特定および格納される。いくつかの実施形態では、1つのアクセス属性値が、各タイプのアクセス属性に対して格納される。かかる格納されたアクセス属性値は、現行ユーザの選好カテゴリを決定するための基礎となる。
【0039】
様々な実施形態において、現行ユーザのアクセス属性のタイプは、以下の内の少なくとも1または複数を含む:アクセスアドレス属性、アクセス位置属性、アクセス期間属性、および、アクセスソース方法属性。
【0040】
いくつかの実施形態において、現行ユーザのアクセスアドレス属性とは、ウェブサイトアクセス時のユーザの地理的位置を指す。いくつかの実施形態において、ユーザの地理的位置は、例えば、アクセスのインターネットプロトコル(IP)アドレスを用いて決定されうる。例えば、アクセスのIPアドレスに基づいてユーザが杭州にいると決定された場合、現行ユーザのアクセスアドレス属性の値は「杭州」である。
【0041】
いくつかの実施形態において、現行ユーザのアクセス位置属性とは、ユーザがウェブサイトにアクセスしている位置のタイプを指す。例えば、アクセス位置属性の値は、学校、研究所、インターネットカフェ、自宅、または、職場を含みうる。例えば、現在のアクセスに関連する位置は、ユーザのIPアドレスが特定のタイプの位置に関連付けられていることがわかっていると特定すること、もしくは、ウェブサイト上で実行される1または複数のスクリプトを用いて現行ユーザの位置タイプ情報を収集することに基づいて決定されうる。
【0042】
いくつかの実施形態において、現行ユーザのアクセス期間属性とは、ユーザがウェブサイトにアクセスする期間を指す。いくつかの実施形態において、ユーザのアクセス期間を定義する複数の方法がありうる。例えば、アクセス期間の値は以下のように定義されうる:勤務時間(午前8時から午後6時)および非勤務時間(午後6時から午前8時);もしくは、勤務日(月曜日から金曜日)および非勤務日(土曜日および日曜日);もしくは、午前(午前6時から正午)、午後(正午から午後6時)、および、夜間(午後6時から午前6時)。いくつかの実施形態において、時間は、ユーザのアクセス位置の現地時間に従って調整される。
【0043】
いくつかの実施形態において、現行ユーザのアクセスソース方法属性とは、ユーザが現在ウェブサイトにアクセスしている方法を指す。例えば、アクセスソース方法属性の値は、現行ユーザが検索エンジンを用いて電子商取引ウェブサイトにアクセスしたこと、現行ユーザが電子商取引ウェブサイトのユニフォームリソースロケータ(URL)をウェブブラウザに入力することによって電子商取引ウェブサイトにアクセスしたこと、または、現行ユーザが現在のウェブサイトにユーザをリダイレクトしたナビゲーションウェブサイトによって提供されたウェブアドレス情報によって電子商取引ウェブサイトにアクセスしたこと、でありうる。
【0044】
工程306で、複数のアクセス属性値に対応する複数のカテゴリが、カテゴリとアクセス属性値との間の格納された対応関係に少なくとも部分的に基づいて決定される。ここで、決定された複数のカテゴリの内の少なくとも一部は、現行ユーザに関連する1または複数の選好カテゴリを含む。
【0045】
様々な実施形態において、現行ユーザに対して決定されたアクセス属性タイプに関する各アクセス属性値(例えば、アクセスアドレス属性の値)について、そのアクセス属性値に関連する1または複数のカテゴリが、カテゴリとアクセス属性値との間の予め決定または設定された格納済みの対応関係に基づいて決定される。いくつかの実施形態において、現行ユーザのアクセス属性値が、格納済みの対応関係から検索され、格納済みの対応関係内でそれらの適合するアクセス属性値に関連付けられたカテゴリが、現行ユーザの潜在的な選好カテゴリとして決定される。様々な実施形態において、カテゴリとアクセス属性値との間の対応関係は、処理300の実施前に決定され、処理300の実施の際にリトリーブおよび利用されうるように格納される。図4は、カテゴリとアクセス属性値との間で格納される対応関係を決定するための処理の一実施形態を示すフローチャートである。様々な実施形態において、処理400は、処理300の実行前に実施される。
【0046】
工程402で、各タイプのアクセス属性に関連する統計情報が蓄積される。例えば、カテゴリとアクセス属性値との間の対応関係は、統計情報を蓄積して、ユーザアクセス属性値と、そのユーザアクセス属性値に関連するユーザが好む(例えば、それらのカテゴリに関連する商品を頻繁に閲覧または購入している、など)と履歴から考えられる商品カテゴリとの間の相関を推察することに少なくとも部分的に基づいて決定されうる。ユーザアクセス属性値は、システムによって維持される電子商取引ウェブサイトの様々な以前のユーザに関連する履歴ユーザアクセス属性データから決定されうる。統計情報を蓄積するために用いられる履歴ユーザアクセス属性データは、例えば、システム管理者によって指定された期間に関連付けられうる。
【0047】
工程404で、カテゴリと各タイプのアクセス属性に関連するアクセス属性値との間の対応関係が決定される。例えば、統計情報(例えば、周知の技術を用いて決定された統計モデル)が、各タイプのアクセス属性とそのタイプのアクセス属性の値に関連するカテゴリとについて蓄積されうる。例えば、統計情報は、アクセスアドレス属性、アクセス位置属性、アクセス期間属性、および、アクセスソース方法属性というアクセス属性タイプの値について蓄積されうる。周知の技術を用いて蓄積された統計情報を解析することによって、異なるアクセスアドレス属性値の各々に関連する以前のユーザが好んだと思われる1または複数のカテゴリ、異なるアクセス位置属性値の各々に関連する以前のユーザが好んだと思われる1または複数のカテゴリ、異なるアクセス期間属性値の各々に関連する以前のユーザが好んだと思われる1または複数のカテゴリ、および、異なるアクセスソース方法属性値の各々に関連する以前のユーザが好んだと思われる1または複数のカテゴリを決定して格納できる。
【0048】
いくつかの実施形態において、アクセス属性値に関連するユーザの好む1または複数のカテゴリが決定されると、アクセス属性値に関連するユーザによるかかる各カテゴリの選好度が決定される。例えば、アクセス属性値に関連するユーザによるかかる各カテゴリの選好度は、アクセス属性値に関連するすべての以前のユーザのグループの中で、そのカテゴリを好むアクセス属性値に関連する以前のユーザが占める割合を計算することによって決定されうる。例えば、アクセス位置属性値が「学校」である総数50人のユーザによって好まれると決定されたカテゴリが、カテゴリA、カテゴリB、および、カテゴリCであり、カテゴリAを好んだアクセス位置属性値「学校」に関連する以前のユーザの数が10であり、カテゴリBを好んだアクセス位置属性値「学校」に関連するユーザの数が20であり、カテゴリCを好んだアクセス位置属性値「学校」に関連するユーザの数が20であった場合、アクセス位置属性値「学校」に対するカテゴリAの選好度はV1A=(アクセス位置属性値「学校」に関連する50人のユーザの内、カテゴリAを好む10人)=0.2であり、アクセス位置属性値「学校」に対するカテゴリBの選好度はV1B=(アクセス位置属性値「学校」に関連する50人のユーザの内、カテゴリBを好む20人)=0.4であり、アクセス位置属性「学校」に対するカテゴリCの選好度はV1C=(アクセス位置属性値「学校」に関連する50人のユーザの内、カテゴリCを好む20人)=0.4である。
【0049】
工程406で、カテゴリとアクセス属性値との間の対応関係への1または複数の編集が、対応関係に関連する専門家のレビューまたは事前設定されたルールの一方または両方から受信される。いくつかの実施形態では、工程406は、任意選択的に実行される。
【0050】
いくつかの実施形態において、カテゴリとアクセス属性値との間で決定された対応関係は、専門家および/または事前設定されたルールによって編集される。カテゴリとアクセス属性値との間で決定された対応関係について受信された編集は、新たな対応関係の追加またはいくつかの対応関係の削除を含みうる。
【0051】
例えば、カテゴリとアクセス属性値との間で決定された対応関係は、1または複数の編集を実行するために専門家に提出される。専門家は、特定のアクセス属性値に関連するユーザの商品カテゴリの好みを決定する専門知識を持つ個人であってよい。例えば、専門家は、履歴から、福建省泉州産の陶器が地元のオンライン買い物客によって任意の他の地域のオンライン買い物客よりも好まれて購入されていると判定しうる。したがって、専門家は、商品カテゴリ「陶器製品」とアクセスアドレス属性値「福建省泉州」との間の対応関係を作成しうる。
【0052】
例えば、事前設定されたルールは以下の通りであってよい。カテゴリに対する特定の属性アクセス値に関連するユーザの選好度が、設定された選好度閾値未満である場合に、カテゴリとアクセス属性値との間で決定された対応関係の内の1または複数を削除できる。対応関係を削除する根拠は、特定の属性アクセス値に関連するユーザの内、特定のカテゴリを好むと思われるユーザが非常に小さい割合にすぎない場合、属性アクセス値との間の相関が、ユーザへの商品推薦に用いるのに十分高くないであろうということである。
【0053】
以下の表1は、カテゴリとアクセス属性値との間で決定された対応関係の一部を含む例である。表1において、最も左の列は、アクセス属性の様々なタイプを含み、左から2列目は、各タイプのアクセス属性に対応する1または複数のアクセス属性値を含み、左から3列目は、同じ行の対応するアクセス属性値に関連するユーザが好むカテゴリを含み、左から4列目は、各アクセス属性値に関連するユーザが好むカテゴリの各々について決定されたそのアクセス属性値に関連するユーザの選好度を含む。
【表1】
【0054】
例えば、表1に示したカテゴリとアクセス属性値との間の格納済みの対応関係を前提とすると、現行ユーザが、アクセスアドレス「カリフォルニア州サンフランシスコ」;アクセス位置「学校」;アクセス期間「勤務時間」;および、アクセスソース「検索エンジン」というアクセス属性値に関連していた場合、表1を用いると、カテゴリA、B、E、F、G、H、および、Iが、現行ユーザの潜在的な選好カテゴリとして決定される。
【0055】
いくつかの実施形態では、現行ユーザのアクセス属性値を格納済みの対応関係と比較することによって決定された潜在的な選好カテゴリの各々が、現行ユーザの選好カテゴリであると決定される。
【0056】
いくつかの実施形態では、予め設定された閾値を超える一般選好度に関連する潜在的な選好カテゴリのみが、現行ユーザの選好カテゴリとして決定されるか、または、それぞれの一般選好度によって順位付けされた潜在的な選好カテゴリの上位X個以内の一般選好度に関連する潜在的な選好カテゴリのみが、現行ユーザの選好カテゴリになる。いくつかの実施形態において、各々の潜在的な選好カテゴリの一般選好度は以下のように決定される。
【0057】
例えば、潜在的な選好カテゴリについて、潜在的な選好カテゴリと潜在的な選好カテゴリが関連する各アクセス属性値との間の選好度が、格納済みの対応関係から決定される。次いで、潜在的な選好カテゴリと、そのカテゴリとの対応関係が格納されたアクセス属性値の各々とに関連する選好度を組み合わせて、潜在的な選好カテゴリに対する一般選好度が決定される。例えば、カテゴリAが格納済みの対応関係においてアクセス属性値1およびアクセス属性値2の両方に関連付けられているカテゴリであるとする。この例において、アクセス属性値1でのカテゴリAの選好度がV1Aであり、アクセス属性値2でのカテゴリAの選好度がV2Aであるとすると、カテゴリAの一般選好度は、VA=V1A+V2Aである。いくつかの実施形態では、重み値(例えば、整数値)が(例えば、システム管理者によって)各タイプのアクセス属性に対して事前に設定および格納されてよく、この場合、カテゴリの一般選好度を決定する際に、アクセス属性値に対するカテゴリの各選好度に、関連するタイプのアクセス属性に対応する(例えば、ストレージからリトリーブされた)重み値を乗算した後に、カテゴリに対する重み付けされた選好度すべてを合計することにより、カテゴリに対する一般選好度を決定する。
【0058】
アクセス属性のタイプに関連付けて予め設定された重み値の例を表2に示す。ここで、W1、W2、W3、および、W4は各々、ゼロよりも大きい整数値を表す。
【表2】
【0059】
表2の例を参照すると、カテゴリAは、アクセス属性値1およびアクセス属性値2に対する潜在的な選好カテゴリであり、アクセス属性値1は、アクセスアドレス属性のアクセス属性値であり、アクセス属性値2は、アクセス期間属性のアクセス属性値である。アクセス属性値1でのカテゴリAの選好度はV1Aであり、アクセス属性値2でのカテゴリAの選好度はV2Aである。アクセスアドレス属性の重み値をW1とし、アクセス期間属性の重み値をW3とすると、アクセス属性値1に対するカテゴリAの重み付けされた選好度は、V’1A=V1A×W1であり、アクセス属性値2に対するカテゴリAの重み付けされた選好度は、V’2A=V2A×W3であるため、カテゴリAの一般選好度は、VA=V’1A+V’2Aである。
【0060】
図3によると、工程308で、現行ユーザに関連する1または複数の選好カテゴリに関する商品情報が提示される。
【0061】
1または複数の選考カテゴリが現行ユーザに対して決定されると、選好カテゴリに関連する1または複数の商品に関する情報が、現行ユーザに提示されることによって現行ユーザに推薦されうる。例えば、選好カテゴリに関連する目玉商品が、ユーザの現在閲覧している電子商取引ウェブサイトに関連付けられたウェブページに表示されうる。例えば、スポーツ用品が選好カテゴリとして決定された場合、スポーツ用品カテゴリの商品(Prince(登録商標)EXO3 Tour 100テニスラケットなど)が、現行ユーザへの推薦商品として掲載されうる。Prince(登録商標)EXO3 Tour 100テニスラケットの画像が、現行ユーザの閲覧しているウェブページの「推薦商品」部分に表示されてよく、ユーザがその画像を選択すると、商品に関する情報(価格、仕様など)を含むPrince(登録商標)EXO3 Tour 100テニスラケットの商品プロフィールページに導かれる。
【0062】
いくつかの実施形態では、商品の人気度に基づいて現行ユーザに推薦されるように、選好カテゴリから商品が選択される。いくつかの実施形態において、各商品の人気度は、どの商品が推薦されるのかを決定する前に決定される。例えば、各選好カテゴリについて、そのカテゴリ内の商品が、それぞれ決定された人気に基づいて順位付けされ、そのカテゴリが選好カテゴリとして決定されたユーザに、カテゴリ内の上位Y個(例えば、Yはシステム管理者によって設定された整数値)の人気商品が推薦される。例えば、商品の人気度は、以下に述べるように処理500などの処理を用いて決定されうる。
【0063】
図5は、商品の人気度を決定するための処理の一実施形態を示すフローチャートである。いくつかの実施形態において、処理500は、システム200で実施される。様々な実施形態において、商品の人気度とは、値を意味するものであり、その値の大きさは、電子商取引ウェブサイトのユーザの間での商品の人気の程度と相関する。
【0064】
工程502で、第1の商品に関連するユーザ操作行動をそれぞれ含む1または複数のログ記録がリトリーブされる。ここで、1または複数のログ記録は、指定された期間に関連している。
【0065】
ユーザは、電子商取引ウェブサイトにアクセスするといつでも、例えば、ウェブサイトで入手可能な1または複数の商品に関するクリック行動、コメント投稿行動、販売者連絡先情報のクリック行動、ブックマーク行動、発注行動、支払い行動、および、返金行動など、1または複数のユーザ操作行動を実行しうる。電子商取引ウェブサイトへのユーザの訪問の各々について、ウェブブラウザは、以下の情報の内の1または複数を示す情報を収集してログ記録の形態で格納しうる:特定の商品に対して実行された特定のユーザ操作行動、訪問に関連付けられたタイムスタンプ、および、ユーザに関連付けられたID。以下の表3は、電子商取引ウェブサイトへのユーザの特定の訪問に関連するログ記録に対して格納された情報を含むテーブルの一例を示す。表3の例において、ユーザは、その訪問中に、商品Aに関してクリック行動およびコメント投稿行動を実行し、商品Bに関して販売者連絡先情報のクリック行動、ブックマーク行動、および、発注行動を実行し、商品Cに関して支払い行動を実行し、商品Dに関して返金行動を実行した。
【表3】
【0066】
いくつかの実施形態において、ログ記録は、商品の人気度を決定/更新するために周期的に解析されうる。例えば、期間が(例えば、システム管理者によって)指定されてよく、その期間に関連付けられたログ記録がリトリーブされ、それらのログ記録に関連する様々な商品の人気度を解析するために用いられる。期間の一例としては、1ヶ月が挙げられる。いくつかの実施形態において、商品の人気度は、リトリーブされたログ記録の一部のみに基づいて決定されうる。
【0067】
工程504で、ユーザ操作行動の正規化された回数が、リトリーブされたログ記録において第1の商品に関連付けられた各タイプのユーザ操作行動の回数に少なくとも部分的に基づいて、第1の商品について決定される。
【0068】
様々な実施形態において、ユーザ操作行動の正規化された回数は、リトリーブされたログ記録に含まれる各商品について決定される。商品に対するユーザ操作行動の正規化された回数を決定する際、その商品に関連するユーザ操作行動データを含むログ記録が、各タイプのユーザ操作行動の回数(例えば、その商品に関連するクリック行動の回数、その商品に関連するコメント投稿行動の回数、・・・など)を決定するためにプログラムで解析される。次いで、決定された各タイプのユーザ操作行動の回数は、各タイプの操作行動の重み付けされた回数を決定するために、そのタイプのユーザ操作行動に(例えば、システム管理者によって)割り当てられた重み値を掛けられる。
【0069】
以下の表4は、異なるタイプのユーザ操作行動に割り当てられた重み値を含むテーブルの一例を示す。
【表4】
【0070】
重み付けされた回数が、各タイプのユーザ操作行動(例えば、クリック行動、コメント投稿行動、販売者連絡先情報のクリック行動、ブックマーク行動、発注行動、支払い行動、および、返金行動)について決定されると、すべてのタイプのユーザ操作行動に対応する重み付けされた回数が合計され、商品に対するユーザ操作行動の正規化された回数が決定される。例えば、商品Aに関して、クリック行動の回数が10、ブックマーク行動の回数が5、発注行動の回数が3、返金行動の回数が1であるとすると、指定された期間内の商品Aに対する操作行動の正規化された回数は、10×1+5×5+3×10−1×12=53である。
【0071】
工程506で、第1の商品について以前に決定された人気度、指定された期間に関連付けられた時間減衰係数、および、ユーザ操作行動の正規化された回数に少なくとも部分的に基づいて、更新済み人気度が、第1の商品に対して決定される。
【0072】
処理500は、商品に対して以前に決定された人気度(例えば、以前の期間から決定された人気度の値)を減衰させるための時間減衰係数を含んでおり、それにより、現在の指定された期間に決定された商品の人気度を更新するのに、減衰済みの以前に決定した人気度を用いることができるようになる。現在の人気度を決定する際に以前に決定された人気度を考慮することにより、現在の人気度が決定される現在の期間の直前の期間の人気度の影響を反映することができる。したがって、商品の現在の人気度は、その商品に対して以前に決定された人気度を含むが、以前に決定された人気度の影響は、その商品に関連する最新のデータよりも現在の人気度への影響が(減衰により)小さくなっている。
【0073】
様々な実施形態において、基本時間減衰係数が、一般に任意の商品についてまたは特定の商品について時系列で観察された商品の人気度の減衰パターンに基づいて(例えば、システム管理者によって)事前に設定される。いくつかの実施形態において、基本時間減衰係数は、1日当たりの商品の人気度の減衰量を表す。基本時間減衰係数をaで表すことにする。商品の人気度が、1から0.01まで減衰するのに60日間かかる場合、a60=0.01であると理解され、基本時間減衰係数は0.9261である。商品の人気度が、1.0から0.01に減衰するのにm日間かかる場合、am=0.01と理解され、基本時間減衰係数をそこから計算できる。設定された基本時間減衰係数に基づいて、指定された期間に関連する時間減衰係数を決定できる。指定された期間がn日間である場合、指定された期間に対応する時間減衰係数はanである。
【0074】
以下の式は、指定化された期間について更新された商品の人気度(f)を決定する一例である。
【0075】
f=f2+f1・an
【0076】
ここで、指定された期間内の商品の人気度はfであり、指定された期間内のユーザ操作行動の正規化された回数はf2であり、以前に決定された商品の人気度はf1であり、指定された期間はn日を含み、時間減衰係数はanである(ここで、f1×anは、以前に決定された商品の人気度に対応する時間減衰後の人気度である)。
【0077】
商品の人気度が初めて決定される時、指定された期間内のログ記録を取得した後に、商品人気度初期化動作が実行されてよい。例えば、商品人気度初期化動作では、指定された期間内のユーザのユーザ操作行動記録がログ記録から抽出され、指定された期間がいくつかのサブ期間に分割され、例えば、各サブ期間は1日に対応する。各サブ期間について、サブ期間内の各タイプのユーザ操作行動の回数に、そのタイプのユーザ操作行動に対応する割り当てられた重み値を掛けて、サブ期間内のユーザ操作行動の取得された重み付き回数を決定する。重み付き回数を合計し、その合計に、そのサブ期間に対応する時間減衰係数を掛けて、そのサブ期間内の商品に対する操作行動の正規化された回数を取得する。これが、商品に対応する初期化された商品人気度になる。
【0078】
図6は、選好カテゴリサーバにおけるソフトウェア層の一実施形態を示す図である。いくつかの実施形態において、ソフトウェア層600は、選好カテゴリサーバ(選好カテゴリサーバ206など)に実装される。様々な実施形態において、ソフトウェア層600の各層はソフトウェアを用いて実装される。この例において、ソフトウェア層600は、データモデル層、データ層、アプリケーション機能層、および、外部サービスインターフェースを備える。外部サービスインターフェースは、ネットワーク(例えば、インターネット)を通してデータを送受信する。例えば、外部サービスインターフェースは、リモートクライアントデバイスから電子商取引ウェブサイトにアクセスするユーザに関連するインディケーションを受信する。アプリケーション機能層は、処理(処理300など)を用いて、この現行ユーザが電子商取引ウェブサイトの新規ユーザであるか既存のユーザであるか、現行ユーザのための1または複数の選好カテゴリ、および、現行ユーザの選好カテゴリから推薦される1または複数の商品、を決定する。推薦商品および/またはその情報は、外部サービスインターフェースを介してリモートクライアントデバイスに送信される。データ層は、処理(処理400など)を用いてカテゴリとアクセス属性値との間の対応関係を決定および格納する。データ層は、特定のカテゴリがユーザの選好カテゴリとして決定されると、様々なカテゴリの各々からユーザに推薦する商品を決定する。いくつかの実施形態において、データ層は、アプリケーション機能層が処理300を実行できるように、カテゴリおよびアクセス属性値の間の決定済みの対応関係と、様々なカテゴリから推薦される商品とをアプリケーション機能層に供給しうる。データモデル層は、処理(処理500など)を用いて様々な商品の各々の人気度を決定する。いくつかの実施形態において、データモデル層は、さらに、カテゴリとアクセス属性値との間の対応関係を決定するために処理400を実行する際にデータ層によって用いられる統計情報を蓄積する。いくつかの実施形態において、データモデル層は、アプリケーション機能層およびデータ層が処理300および400を実行できるように、それらの層に、商品の決定された人気度および蓄積された統計情報を供給する。
【0079】
図7は、商品カテゴリとアクセス属性値との間の対応関係を用いて選好商品カテゴリを決定するためのシステムの一実施形態を示す図である。いくつかの実施形態において、選好カテゴリサーバ206は、システム700を用いて実装される。
【0080】
これらのユニット、サブユニット、モジュール、および、サブモジュールは、1または複数のプロセッサ上で実行されるソフトウェアコンポーネントとして、特定の機能を実行するよう設計されたプログラム可能論理デバイスおよび/または特定用途向け集積回路などのハードウェアとして、もしくは、それらの組み合わせとして実装することができる。いくつかの実施形態において、ユニット、サブユニット、モジュール、および、サブモジュールは、コンピュータデバイス(パーソナルコンピュータ、サーバ、ネットワーク装置など)に本発明の実施形態に記載された方法を実行させるための複数の命令など、不揮発性記憶媒体(光学ディスク、フラッシュ記憶装置、携帯用ハードディスクなど)に格納することができるソフトウェア製品の形態で具現化されてよい。ユニット、サブユニット、モジュール、および、サブモジュールは、単一のデバイス上に実装されてもよいし、複数のデバイスにわたって分散されてもよい。
【0081】
この例において、システム700は、取得ユニット61、第1の検索ユニット62、および、第1の決定ユニット63を備える。
【0082】
取得ユニット61は、電子商取引ウェブサイトに現在アクセスしているユーザについて、様々なタイプのアクセス属性に対応するアクセス属性値を取得するよう構成されている。
【0083】
第1の検索ユニット62は、アクセス属性値とカテゴリとの間の格納済みの対応関係に基づいて、現行ユーザについて取得されたアクセス属性値に対する1または複数の潜在的な選好カテゴリを決定するよう構成されている。
【0084】
第1の決定ユニット63は、第1の検索ユニット62によって見いだされた潜在的な選好カテゴリに基づいて、現行ユーザの選好カテゴリを決定するよう構成されている。
【0085】
いくつかの実施形態において、システム700は、さらに、第2の決定ユニットおよび第3の決定ユニットを備える(図示せず)。第2の決定ユニットは、現行ユーザが電子商取引ウェブサイトの新規ユーザであるか電子商取引ウェブサイトの既存ユーザであるかを判定するよう構成されている。いくつかの実施形態において、第2の決定ユニットは、現行ユーザが電子商取引ウェブサイトにログインしているか否かを判定する。第3の決定ユニットは、現行ユーザのウェブブラウザに格納された電子商取引ウェブサイトに関する任意のローカルファイル(例えば、クッキー)があるか否かを判定するよう構成されている。
【0086】
いくつかの実施形態において、第1の決定ユニット63は、第1の決定サブユニット、第1の選択サブユニット、および、第2の決定サブユニットを備える(図示せず)。第1の決定サブユニットは、第1の検索ユニット62によって見いだされた潜在的な選好カテゴリの各々に対する一般選好度を決定するよう構成されている。第1の選択サブユニットは、予め設定された条件を満たす一般選好度を有する潜在的な選好カテゴリを選択するよう構成されている。第2の決定サブユニットは、第1の選択サブユニットによって選択された選好カテゴリを現行ユーザの選好カテゴリとして決定するよう構成されている。
【0087】
いくつかの実施形態において、第1の決定サブユニットは、第1の決定モジュールおよび第2の決定モジュールを備える。第1の決定モジュールは、アクセス属性値とカテゴリとの間の格納済みの対応関係内の各アクセス属性値について選好度を決定するよう構成されている。第2の決定モジュールは、第1の検索ユニット62によって見いだされた各選好カテゴリに関する各アクセス属性値の選好度に基づいて、そのカテゴリの一般選好度を決定するよう構成されている。
【0088】
いくつかの実施形態において、第2の決定モジュールは、取得サブモジュール、第1の決定サブモジュール、および、第2の決定サブモジュールを備える。取得サブモジュールは、異なるタイプのアクセス属性に割り当てられた重み値を取得するよう構成されている。第1の決定サブモジュールは、第1の検索ユニット62によって見いだされた各選好カテゴリに対応する各アクセス属性値について、適切な重み値と選好度とを掛けることによって重み付き選好度を決定するよう構成されている。第2の決定サブモジュールは、第1の検索ユニット62によって見いだされた選好カテゴリの各々に対する重み付き選好度の合計を、選好カテゴリの一般選好度として決定するよう構成されている。
【0089】
いくつかの実施形態において、システム700は、さらに、第1の決定ユニット63によって決定された選好カテゴリ情報を現行ユーザに提供するよう構成された第1の提供ユニット(図示せず)を備える。
【0090】
いくつかの実施形態において、システム700は、さらに、第4の決定ユニット、第2の検索ユニット、および、第2の提供ユニットを備える(図示せず)。第4の決定ユニットは、どの商品がどの商品カテゴリに属するのかを決定するよう構成されている。第2の検索ユニットは、現行ユーザの1または複数の選好カテゴリから推薦する商品を決定するよう構成されている。第2の提供ユニットは、推薦商品の商品情報をユーザに提示するよう構成されている。
【0091】
いくつかの実施形態において、第4の決定ユニットは、第1の取得サブユニット、第3の決定サブユニット、第4の決定サブユニット、第2の取得サブユニット、第5の決定サブユニット、第6の決定サブユニット、第2の選択サブユニット、および、第7の決定サブユニットを備える。第1の取得サブユニットは、指定された期間内のログ記録を取得するよう構成されており、ログ記録は、商品に関連するユーザ操作行動を含む。第3の決定サブユニットは、取得されたログ記録に基づいて、各商品に対する各タイプのユーザ操作行動の回数を決定するよう構成されている。第4の決定サブユニットは、各商品に対する各タイプのユーザ操作行動の回数に基づいて、その商品に対する正規化された操作行動回数を決定するよう構成されている。第2の取得サブユニットは、各商品に対して以前に決定された人気度と、指定された期間に対応する時間減衰係数とを取得するよう構成されている。第5の決定サブユニットは、以前に決定された人気度と時間減衰係数とに基づいて、以前に決定された人気度を時間減衰した人気度を決定するよう構成されている。第6の決定サブユニットは、第4の決定サブユニットによって決定された指定期間内の各商品に対する正規化された操作行動の回数と、第5の決定サブユニットによって決定された時間減衰済みの人気度との合計を、指定された期間に関連する商品の現在の人気度として決定するよう構成される。第2の選択サブユニットは、各カテゴリに属する商品の中から、予め設定された条件を満たす人気度を有する商品を選択するよう構成されている。第7の決定サブユニットは、第2の選択サブユニットによって選択された商品を各カテゴリの推薦商品として決定するよう構成されている。
【0092】
当業者は、本願の実施形態が、方法、デバイス(装置)、または、コンピュータソフトウェア製品として提供されうることを理解されたい。したがって、本願は、完全にハードウェアからなる実施形態、完全にソフトウェアからなる実施形態、ならびに、ソフトウェアおよびハードウェアを併せ持つ実施形態をとりうる。さらに、本願は、コンピュータプログラムコードを含む1または複数のコンピュータ動作可能な記憶媒体(磁気ディスク記憶デバイス、CD−ROM、および、光学記憶デバイスを含むがこれらに限定されない)上に実装されたコンピュータプログラムの形態をとりうる。
【0093】
本願は、方法、デバイス(装置)、および、コンピュータプログラム製品に基づいたフローチャートおよび/またはブロック図を参照して記載されている。フローチャートおよび/またはブロック図内の各処理および/またはブロック、ならびに、フローチャートおよび/またはブロック図内の処理および/またはブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム命令で実現されうることを理解されたい。これらのコンピュータプログラム命令は、マシンを生成するために、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、組み込みプロセッサ、または、その他のプログラム可能なデータ装置のプロセッサに供給されてよく、その結果、コンピュータまたはその他のプログラム可能なデータ装置のプロセッサによって命令が実行されることで、フローチャートの1または複数の処理および/またはブロック図の1または複数のブロックに記載された機能を実現するために用いられるデバイスが生成される。
【0094】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータまたはその他のプログラム可能なデータ装置を導くことができる専用のコンピュータ読み取り可能な記憶デバイス上に格納されてもよく、その結果、これらのコンピュータ読み取り可能なデバイス上に命令が格納されることで、命令デバイスを備える製品が生成される。これらの命令デバイスは、フローチャートの1または複数の処理および/またはブロック図の1または複数のブロックに記載された機能を実現する。
【0095】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータまたはその他のプログラム可能なデータ装置上にロードされてもよく、その結果、一連の動作工程が、コンピュータまたはその他のプログラム可能な装置上で実行され、コンピュータ処理が行われる。このように、コンピュータまたはその他のプログラム可能な装置上で実行された命令は、フローチャートの1または複数の処理および/またはブロック図の1または複数のブロックに記載された機能を実現するための工程を提供する。
【0096】
本願の好ましい実施形態を記載しているが、当業者は、基本的な創造概念を把握すれば、これらの実施形態に他の変形または修正を加えることができる。したがって、添付の特許請求の範囲は、好ましい実施形態ならびに本願の範囲内にあるすべての変形例および修正例を含むと解釈されるべきである。明らかに、当業者は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本願を変形および変更することができる。したがって、本願のこれらの変形例および変更例が、特許請求の範囲および等価の技術の範囲内にある場合、本願は、これらの変形例および変更例をも網羅するものである。
【0097】
上述の実施形態は、理解しやすいようにいくぶん詳しく説明されているが、本発明は、提供された詳細事項に限定されるものではない。本発明を実施する多くの代替方法が存在する。開示された実施形態は、例示であり、限定を意図するものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7