特許第5671646号(P5671646)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5671646ユーザの関心度に応じたスレッドを提供するシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5671646
(24)【登録日】2014年12月26日
(45)【発行日】2015年2月18日
(54)【発明の名称】ユーザの関心度に応じたスレッドを提供するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 17/30 20060101AFI20150129BHJP
【FI】
   G06F17/30 340B
【請求項の数】6
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2014-156215(P2014-156215)
(22)【出願日】2014年7月31日
【審査請求日】2014年8月1日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】599115217
【氏名又は名称】株式会社 ディー・エヌ・エー
(74)【代理人】
【識別番号】100126572
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 智史
(74)【代理人】
【識別番号】100125195
【弁理士】
【氏名又は名称】尾畑 雄一
(72)【発明者】
【氏名】山口 隆広
(72)【発明者】
【氏名】赤川 隼一
(72)【発明者】
【氏名】小野田 卓
(72)【発明者】
【氏名】蟻塚 正樹
【審査官】 野崎 大進
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−511779(JP,A)
【文献】 特開2011−070422(JP,A)
【文献】 特開2005−275939(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 17/30
JSTPlus(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一又は複数のコンピュータプロセッサと、
複数のクイズコンテンツ及び複数のスレッドを記憶するストレージと、
を備え、
前記複数のクイズコンテンツの各々は複数のカテゴリのうちの少なくとも1つに関連付けられているとともに、前記複数のスレッドの各々は前記複数のカテゴリのうちの少なくとも1つに関連付けられており、
前記ストレージは、前記複数のカテゴリの各々に対する所定のユーザの関心度を評価するためのスコアをさらに記憶しており、
当該一又は複数のプロセッサは、所定のコンピュータ読み取り可能な命令を実行することにより、
前記所定のユーザからのリクエストに応じて、前記複数のクイズコンテンツから選択された少なくとも1つの選択クイズコンテンツを当該所定のユーザに提供し、
前記選択クイズコンテンツが関連付けられているカテゴリに対する前記所定のユーザの関心度が高く評価されるように前記スコアを更新し、
前記スコアに基づいて前記複数のスレッドの中から一又は複数の選択スレッドを選択し、当該選択スレッドを前記所定のユーザに提供する、
ように構成されることを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記リクエストは、前記複数のカテゴリの中から所定のカテゴリを特定するカテゴリ情報を含み、前記選択クイズコンテンツは、前記複数のクイズコンテンツのうち、前記カテゴリ情報に基づいて特定される前記所定のカテゴリに関連付けられたものであることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記一又は複数のプロセッサは、さらに、前記所定のユーザから前記一又は複数の選択スレッドに対するコメントの投稿を受け付けるように構成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記一又は複数の選択スレッドとともに、当該一又は複数の選択スレッドが関連付けられているカテゴリと同じカテゴリに関連付けられているクイズコンテンツを取得するための情報が前記所定のユーザに提供されることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記所定のユーザには複数の選択スレッドが提供され、
前記一又は複数のプロセッサは、前記スコアに基づいて、前記複数のカテゴリの中から前記所定のユーザの関心度が最も高いと評価される選択カテゴリを選択し、当該選択カテゴリから最も多くの選択スレッドを選択するように構成されることを特徴とする請求項1ないし請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
一又は複数のプロセッサが所定のコンピュータ読み取り可能な命令を実行することにより実現される方法であって、
複数のカテゴリのうちの少なくとも1つに関連付けて複数のクイズコンテンツを記憶し、前記複数のカテゴリのうちの少なくとも1つに関連付けて複数のスレッドを記憶する工程と、
前記複数のカテゴリの各々に対する所定のユーザの関心度を評価するためのスコアを記憶する工程と、
前記所定のユーザからのリクエストに応じて、前記複数のクイズコンテンツのうちの少なくとも1つの選択クイズコンテンツを当該所定のユーザに提供する工程と、
前記選択クイズコンテンツが関連付けられているカテゴリに対する前記所定のユーザの関心度が高く評価されるように前記スコアを更新する工程と、
前記スコアに基づいて前記複数のスレッドの中から一又は複数の選択スレッドを選択し、当該選択スレッドを前記所定のユーザに提供する工程と、
を備える方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書における開示は、ユーザにスレッドを提供するシステム及び方法に関し、より具体的にはユーザの関心度に応じたスレッドを提供するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な電子掲示板サービスや電子掲示板を備えたソーシャルネットワーキングサービス(SNS)が提供されている。このような電子掲示板の一例は、特定のテーマごとにスレッドを作成し、このスレッドに対するコメントをユーザから受け付けるスレッドフロート型掲示板である。ユーザは、多数のスレッドの中から関心があるスレッドを選択して、当該スレッドに投稿されたコメントを閲覧したり、当該スレッドにコメントを投稿したりすることができる。
【0003】
人気のある電子掲示板では、特定のテーマについて極めて多数のスレッドが提供されることがある。この場合、スレッドの数が多すぎてユーザが自らの関心に合致したスレッドを容易に選択できないことがある。そこで、ユーザの関心に合致するスレッドの選択を支援する方法が提案されている。例えば、特開2008−102645号公報(特許文献1)においては、スレッドに対するユーザからの評価に基づいてスレッドの順位を決定する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−102645号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、スレッドに対する評価を入力することはユーザにとって煩雑である。また、評価の数が十分に多くない場合には、評価に基づいてスレッドに順位を付けても、その順位はユーザの関心を正しく反映したものとはなりにくい。したがって、ユーザから入力される評価に依存せずにユーザの関心に合致したスレッドを選択できるようにすることが望まれる。
【0006】
本発明の目的の1つは、スレッドに対する評価の入力をユーザに要求することなく、多数のスレッドの中からユーザの関心に合致したスレッドを選択できるシステム及び方法を提供することである。本発明のこれ以外の目的は、本明細書全体を参照することにより明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係るシステムは、一又は複数のコンピュータプロセッサと、複数のクイズコンテンツと複数のスレッドと複数のスコアとを記憶するストレージと、を備える。本発明の一実施形態において、前記複数のクイズコンテンツの各々及び前記複数のスレッドの各々は、複数のカテゴリのうちの少なくとも1つに関連付けられている。また、本発明の一実施形態におけるストレージは、前記複数のカテゴリの各々に対する所定のユーザの関心度を評価するためのスコアをさらに記憶している。
【0008】
本発明の一実施形態に係る一又は複数のプロセッサは、所定のコンピュータ読み取り可能な命令を実行することにより、前記所定のユーザからのリクエストに応じて、前記複数のクイズコンテンツから選択された少なくとも1つの選択クイズコンテンツを当該所定のユーザに提供し、前記選択クイズコンテンツが関連付けられているカテゴリに対する前記所定のユーザの関心度が高く評価されるように前記スコアを更新し、前記スコアに基づいて前記複数のスレッドの中から一又は複数の選択スレッドを選択し、当該選択スレッドを前記所定のユーザに提供するように構成される。
【0009】
当該実施形態によれば、各カテゴリに対するユーザの関心度を評価するためのスコアに基づいて、複数のスレッドの中からユーザに提供される一又は複数の選択スレッドが選択される。このスコアは、スレッドに対するユーザの評価に基づいて定められるものではなく、ユーザからのクイズコンテンツのリクエストに応じて当該ユーザに提供された選択クイズコンテンツがどのカテゴリに関連付けられているかによって随時更新されるものである。ユーザは、自らの関心に合致したクイズコンテンツを取得しようとするため、上記のようにしてユーザに提示される選択スレッドもユーザの関心に合致したものとなる。したがって、この実施形態によれば、ユーザがクイズコンテンツを利用するためのリクエストを行うだけで、スレッドに対する評価の入力をユーザに要求することなく、多数のスレッドの中からユーザの関心に合致したスレッドを選択することができる。
【0010】
本発明の一実施形態において、複数のカテゴリの各々に対する所定のユーザの関心度を評価するためのスコアは、当該複数のカテゴリの各々に対する当該所定のユーザの関心度を示すスコア値を含むものである。所定のカテゴリについてのスコア値は、当該所定のカテゴリに対するユーザの関心度を評価するための指標である。例えば、ユーザの関心度が高いカテゴリに関連付けられているスコア値が高い値をとる。
【0011】
本発明の一実施形態においては、ユーザに対して複数の選択スレッドが提供される。このとき、前記スコアに基づいて、前記複数のカテゴリの中から前記所定のユーザの関心度が最も高いと評価される選択カテゴリを選択し、当該選択カテゴリから最も多くの選択スレッドを選択することができる。例えば、各カテゴリに関連付けられているスコア値を互いと比較し、最も高い値のスコアと関連付けられているカテゴリから最も多くの選択スレッドを選択することができる。例えば、第1カテゴリ、第2カテゴリ、及び第3カテゴリの3つのカテゴリがあり、それぞれに関連付けられているスコア値が、「10」、「5」、及び「1」である場合には、最も高い値である「10」のスコアが関連付けられている第1カテゴリから最も多くのスレッドが選択される。例えば、第1カテゴリに関連付けられている複数のスレッドから3つのスレッドが選択スレッドとして選択され、第2カテゴリに関連付けられている複数のスレッドからは1つのスレッドが選択スレッドとして選択され、第3カテゴリに関連付けられている複数のスレッドからは1つもスレッドを選択せず、このようにして選択された合計4つの選択スレッドをユーザに提供することができる。
【0012】
本発明の一実施形態において、前記リクエストは、前記複数のカテゴリの中から所定のカテゴリを特定するカテゴリ情報を含み、前記選択クイズコンテンツは、前記複数のクイズコンテンツのうち、前記カテゴリ情報に基づいて特定される前記所定のカテゴリに関連付けられたものとすることができる。当該実施形態によれば、ユーザは、クイズコンテンツを取得するためのリクエストにおいて関心を有するカテゴリを特定することにより、当該カテゴリに対する関心度が高くなるようにスコアを更新することができる。これにより、自らの関心により合致したスレッドがより選択されやすくなる。
【0013】
本発明の一実施形態に係るシステムは、前記一又は複数の選択スレッドとともに、当該一又は複数の選択スレッドが関連付けられているカテゴリと同じカテゴリに関連付けられているクイズコンテンツを取得するための情報を前記所定のユーザに提供することができる。例えば、選択スレッドが「海外旅行」に分類されているスレッドである場合、これと同じ「海外旅行」に分類されているクイズコンテンツを取得するための情報をユーザに提供することができる。クイズコンテンツを取得するための情報は、例えば、当該クイズコンテンツの格納場所を示すURLを含むリンク情報である。これにより、選択スレッドを提供する際に、当該選択スレッドと同じカテゴリに関連付けられているクイズコンテンツを利用するようにユーザを誘導することができる。選択スレッドが関連付けられているカテゴリは、ユーザの関心と合致するカテゴリであるから、当該ユーザに対してその関心と合致したクイズコンテンツも提供することができる。
【0014】
本発明の一実施形態に係る方法は、一又は複数のプロセッサが所定のコンピュータ読み取り可能な命令を実行することにより実現される方法であって、複数のカテゴリのうちの少なくとも1つに関連付けて、複数のクイズコンテンツ及び複数のスレッドを記憶する工程と、前記複数のカテゴリの各々に対する所定のユーザの関心度を評価するためのスコアを記憶する工程と、前記所定のユーザからのリクエストに応じて、前記複数のクイズコンテンツのうちの少なくとも1つの選択クイズコンテンツを当該所定のユーザに提供する工程と、前記選択クイズコンテンツが関連付けられているカテゴリに対する前記所定のユーザの関心度が高く評価されるように前記スコアを更新する工程と、前記スコアに基づいて前記複数のスレッドの中から一又は複数の選択スレッドを選択し、当該選択スレッドを前記所定のユーザに提供する工程と、を備える。
【発明の効果】
【0015】
このように、本発明の様々な実施形態によって、スレッドに対する評価の入力をユーザに要求することなく、多数のスレッドの中からユーザの関心に合致したスレッドを選択できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態に係るシステムを概略的に示すブロック図
図2】本発明の一実施形態においてクイズコンテンツを管理するクイズ管理テーブルの例を示す図
図3】本発明の一実施形態においてスコアを管理するスコア管理テーブルの例を示す図
図4】本発明の一実施形態においてスレッドを管理するスレッド管理テーブルの例を示す図
図5A】本発明の一実施形態に従って、スコアを更新する処理の流れを示すフロー図
図5B】本発明の一実施形態に従って、ユーザに対してスレッドを提供し、当該ユーザからコメントの投稿を受け付ける処理の流れを示すフロー図
図6】本発明の一実施形態におけるクイズゲームの表示画面の一例を示す図
図7】本発明の一実施形態におけるクイズゲームの表示画面の一例を示す図
図8】本発明の一実施形態におけるクイズゲームの表示画面の一例を示す図
図9】本発明の一実施形態におけるスレッド一覧を含む表示画面の一例を示す図
図10】本発明の一実施形態におけるスレッドを含む表示画面の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を適宜参照し、本発明の様々な実施形態を説明する。なお、複数の図面において共通する構成要素には同一の参照符号が付されている。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に係るシステムを概略的に示すブロック図である。図示のとおり、本発明の一実施形態に係るシステムは、サーバ10と、クライアント端末30とを備える。図1には、クライアント端末30が1つのみ図示されているが、サーバ10には、2以上のクライアント端末が通信可能に接続され得る。
【0019】
図1に示す実施形態において、サーバ10は、クライアント端末30とインターネット等のネットワーク20を介して通信可能に接続されており、クライアント端末30に対して様々なオンラインゲームサービスや電子掲示板サービスを提供することができる。例えば、サーバ10は、クライアント端末30から受信したゲームメッセージを所定のゲームロジック(又は当該ゲームロジックを実現するためのプログラム)に従って処理し、その処理結果をクライアント端末30に送信することができる。また、サーバ10は、ゲームの進行に必要な様々なゲームデータをクライアント端末30に提供することができる。本発明の一実施形態におけるサーバ10は、クライアント端末30に対して、クイズコンテンツをクライアント端末30に提供するオンラインクイズゲーム、及び、電子掲示板サービスを提供することができる。オンラインクイズゲームや電子掲示板サービスを提供するための具体的な機能については後述する。
【0020】
サーバ10の例示的な構成を説明する。サーバ10は、図示のとおり、プロセッサ11と、メインメモリ12と、ユーザI/F13と、通信I/F14と、ストレージ15とを備える。これらの各構成要素は、不図示のバスを介して互いに電気的に接続される。プロセッサ11は、ストレージ15からオペレーティングシステムやゲームロジックを実現する様々なプログラムに含まれる命令をメインメモリ12にロードし、ロードしたプログラムに含まれる命令を実行する。メインメモリ12は、プロセッサ11が実行する命令を格納するために用いられ、例えば、DRAMによって構成される。
【0021】
ユーザI/F13は、例えば、オペレータの入力を受け付けるキーボードやマウス等の情報入力装置と、プロセッサ11の演算結果を出力する液晶ディスプレイ等の情報出力装置とを含む。通信I/F14は、ハードウェア、ファームウェア、又はTCP/IPドライバやPPPドライバ等の通信用ソフトウェア又はこれらの組み合わせとして実装され、ネットワーク20を介してクライアント端末30と通信可能に構成される。
【0022】
ストレージ15は、例えば磁気ディスクドライブで構成され、例えばゲームロジックを実現するためのゲーム制御用プログラム等の様々なプログラムが記憶される。また、ストレージ15には、ゲームにおいて用いられる各種データや電子掲示板にユーザから投稿された投稿データも記憶され得る。ストレージ15に記憶され得る各種データは、サーバ10と通信可能に接続されたサーバ10とは物理的に別体のストレージ(例えばストレージ25)やデータベースサーバに格納されてもよい。図1においては、ストレージ15が単一のユニットとして図示されているが、ストレージ15は複数の物理的に別体のストレージが集合したものであってもよい。つまり、本明細書において、ストレージ15に記憶されるデータは、単一のストレージに記憶されてもよいし、複数のストレージに分散して記憶されてもよい。また、本明細書及び特許請求の範囲において、単に「ストレージ」という場合には、文脈上許される限り、単一のストレージと複数のストレージの集合のいずれを指し示すこともある。
【0023】
本発明の一実施形態におけるサーバ10は、階層構造を有する複数のウェブページから成るウェブサイトを管理するウェブサーバである。クライアント端末30は、このウェブページを表示するためのHTMLデータをサーバ10から取得し、取得したHTMLデータを解析して得られるゲーム画面をクライアント端末30のディスプレイに表示することができる。プレイヤは、このゲーム画面を介してクライアント端末30に対して様々な入力を提供することで、プレイヤキャラクタに対する操作指示を行ったりメニューの選択を行ってゲームを進行させることができる。ストレージ15は、このクライアント30に提供するためのHTMLデータを記憶できる。HTMLデータは、HTML等のマークアップ言語で記述されたHTMLコードから成る。このHTMLコードには、様々な画像が関連付けられる。また、HTMLデータには、ActionScriptやJavaScript(登録商標)等のスクリプト言語等で記述されたプログラムが埋め込まれ得る。このように、サーバ10は、ゲームサービスを提供するウェブサイトを管理しており、当該ウェブサイトを構成するウェブページをクライアント端末30からの要求に応じて配信することによりゲームを進行させることができる。このようなウェブページを介して提供されるゲームは、ブラウザゲームと称されることがある。
【0024】
本発明の一実施形態においては、クライアント端末30においてOSやミドルウェア等の実行環境上でゲームアプリケーションプログラムを実行することにより、このゲームアプリケーションプログラムとサーバ10とが協働してオンラインゲームを提供することができる。このゲームアプリケーションプログラムは、例えば、ストレージ15やストレージ25に格納されており、クライアント端末30からの要求に応じて、クライアント端末30にダウンロードされる。このゲームアプリケーションプログラムには、クライアント端末30での実行時に、サーバ10から提供されるゲームデータを処理するための命令セットが含まれる。また、クライアント端末30には、当該命令セット実行時に参照される画像データ等の各種データもダウンロードされる。ゲームアプリケーションプログラムは、ストレージ15及び外部ストレージ25以外の不図示のストレージに格納されてもよい。このゲームアプリケーションプログラムをクライアント端末30で実行することにより、所定のクイズシーケンスが実行され、ユーザに対してクイズゲームが提供される。このゲームアプリケーションプログラムは、他のゲーム、例えば、アクションゲーム、ロールプレイングゲーム、野球ゲーム等の一部として、クイズシーケンスを実行するものであってもよい。例えば、野球ゲーム用のゲームアプリケーションプログラムを実行することにより、当該野球ゲームに登場する実在の野球プレイヤに関するクイズをユーザに提供することができる。サーバ10及びクライアント端末30(又はクライアント端末30で実行されるゲームアプリケーションプログラム)によって実現されるゲームの種類は、本明細書において明示されたものに限られない。
【0025】
このように、ゲームアプリケーションプログラム(又は当該プログラムに含まれる命令)をクライアント端末30で実行することにより、このゲームアプリケーションプログラムの機能とサーバ10の機能とを連携させてゲームを進行させることができる。このようなゲームアプリケーションプログラムを利用して提供されるゲームは、アプリゲームと称されることがある。本発明は、ブラウザゲームとアプリゲームのいずれにも適用可能である。
【0026】
上述したように、サーバ10は、電子掲示板サービスを提供することができる。例えば、サーバ10は、所定のユーザから投稿されたコメントを他のユーザからも閲覧可能に記憶する。ユーザは、例えば、クライアント端末30のブラウザやアプリケーションプログラムを利用して、他のユーザから投稿されたコメントを閲覧することができる。本発明の一実施形態においては、クイズゲーム用のゲームアプリケーションプログラムの機能を利用して電子掲示板サービスにおける他のユーザの投稿を閲覧することができる。ユーザは、様々なデータ形式でコメントを作成することができる。例えば、ユーザのコメントは、テキストデータ、画像データ、動画データ、及び/又はこれらを組み合わせたデータ形式である。
【0027】
図1には、サーバ10を単一のユニットとして示しているが、サーバ10は、物理的に別体の複数のサーバが集合したものであってもよい。つまり、図1において、サーバ10が備える構成は複数の異なるサーバに分散して備えられていてもよい。また、サーバ10が実行するものとして説明されている機能は、複数のサーバによって分散して実行されてもよい。このように、サーバ10は、物理的に単一の構成を有するサーバに限られず、物理的に別体のサーバが集合したものを指すこともできる。また、サーバ10の機能の少なくとも一部は、クライアント端末30によって実行されてもよい。
【0028】
続いて、クライアント端末30について説明する。本発明の一実施形態に係るクライアント端末30は、サーバ10から取得したゲーム用ウェブサイトのウェブページをウェブブラウザ上で表示するブラウザゲームの実行環境、又は、ゲームアプリケーションプログラムを実行するためのアプリケーション実行環境を実装した任意の情報処理装置であり、例えば、携帯電話機、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、電子書籍リーダー、ウェアラブルコンピュータ、及びゲーム用コンソールを含むがこれらには限られない。
【0029】
本発明の一実施形態に係るクライアント端末30は、図示のとおり、プロセッサ31と、メインメモリ32と、ユーザI/F33と、通信I/F34と、ストレージ35と、を含み、これらの各構成要素が不図示のバスを介して互いに電気的に接続されている。
【0030】
プロセッサ31は、ストレージ35からオペレーティングシステム等の様々なプログラムをメインメモリ32にロードし、ロードしたプログラムに含まれる命令を実行する。メインメモリ32は、プロセッサ31が実行する命令を格納するために用いられ、例えば、DRAMによって構成される。
【0031】
ユーザI/F33は、プレイヤの入力を受け付ける情報入力装置と、プロセッサ31Aの演算結果を出力する情報出力装置であり、タッチスクリーンを備える液晶ディスプレイなどの表示装置を含む。通信I/F34Aは、ハードウェア、ファームウェア、又は、TCP/IPドライバやPPPドライバ等の通信用ソフトウェア又はこれらの組み合わせとして実装され、ネットワーク20を介してサーバ10と通信可能に構成される。
【0032】
ストレージ35は、例えば磁気ディスクドライブやフラッシュメモリ等により構成され、オペレーティングシステム等の様々なプログラムを記憶する。また、ストレージ35は、サーバ10から通信I/F34を介してゲームアプリケーションプログラムを受信した場合には、この受信したゲームアプリケーションプログラムを記憶することができる。
【0033】
クライアント端末30は、ブラウザの機能を用いて、HTML形式のファイル(HTMLデータ)を解釈して表示画面を生成し、生成した表示画面をクライアント端末に備えられたタッチパネル等の表示部に表示することができる。また、ブラウザはHTMLデータに記述されたスクリプトを解釈し、当該スクリプトに従った処理を実行することができる。
【0034】
クライアント端末30においては、プレイヤの操作に応じてゲームアプリケーションプログラムが起動され、クライアント端末30に実装されたプラットフォーム上で実行される。クライアント端末30においてゲームアプリケーションプログラムが実行されると、例えば、プログラムにより指示されたアニメーションや操作用アイコンがクライアント端末30の画面に表示される。プレイヤは、クライアント端末30のユーザI/F33Aを用いてゲームを進行させるための指示を入力することができる。
【0035】
次に、本発明の一実施形態において、ストレージ15又はそれ以外のストレージに格納されるクイズコンテンツ、スコア、及びスレッドについて説明する。
【0036】
本発明の一実施形態において、クイズコンテンツは、図2に示す管理テーブルを用いて管理される。図2は、本発明の一実施形態においてクイズコンテンツを管理するクイズ管理テーブルの例を示す。本発明の一実施形態におけるクイズ管理テーブルは、図2に示すとおり、複数のクイズコンテンツの各々について、各クイズを識別するID(クイズID)に対応付けて、当該クイズの設問を示すテキスト形式の設問情報、当該設問に対する解答の複数の選択肢を示す選択肢情報、当該設問に対する正答を示す正答情報、当該クイズが属するカテゴリを示すカテゴリ情報を記憶する。一実施形態における管理テーブルは、複数のクイズの各々について、各クイズを識別するID(クイズID)に対応付けて、当該クイズの設問を示すテキスト形式の設問情報、当該設問に対する解答の複数の選択肢を示す選択肢情報、当該設問に対する正答を示す正答情報、各クイズが関連付けられる(分類される)カテゴリを示すカテゴリ情報(後述)、クイズのクイズシーケンスをクライアント端末30で実行させるためのクイズパッケージ情報の格納場所を示すURLを含むリンク情報を記憶する。本発明の一実施形態において、所定のクイズについてのクイズパッケージ情報は、例えばJavaScriptにより記述され、クライアント端末30のアプリケーションやブラウザで実行されたときに、当該所定のクイズの設問情報を表示し、その設問情報に対する解答を受け付け、当該パッケージ情報に含まれる正答情報を提示するように記述された情報である。
【0037】
複数のクイズコンテンツの各々は、複数のカテゴリのうちの少なくとも1つと関連付けてクイズ管理テーブルに格納される。このカテゴリは、ユーザの関心に応じてクイズコンテンツ(及び後述するようにスレッド)を仕分けるための分類である。図2の例では、クイズID「0001」のクイズコンテンツのカテゴリ情報として「海外旅行」が設定されている。本発明の適用可能なカテゴリには、例えば、スポーツ、ゲーム、映画、音楽、歴史、文学、海外旅行等の様々なカテゴリが含まれる。また、本明細書におけるカテゴリには、カテゴリを細分化した下位カテゴリや、複数のカテゴリを含む上位カテゴリが含まれる。例えば、スポーツのカテゴリの下位カテゴリには、サッカー、野球、バスケットボールなどを含むことができる。また、映画、音楽、海外旅行のカテゴリを含む「趣味」という上位カテゴリにまとめることができる。クイズ管理テーブルにおいては、任意の数のクイズコンテンツを管理することができる。管理テーブルで管理される情報は図2に例示したものに限られず、例えば、クイズコンテンツがクライアント端末30に配信された配信回数やクイズコンテンツの正答率などを管理することができる。また、クイズの設問、選択肢、又は正答の一部又は全部が画像を用いて表される場合には、当該画像に対応する画像ファイルも記憶される。なお、管理テーブルには、ユーザが制作したクイズコンテンツンツを格納することもできる。
【0038】
本発明の一実施形態において、ストレージ15には、上述した複数のカテゴリの各々に対する各ユーザの関心度を評価するためのスコアが格納される。このスコアは、例えば、図3に示すスコア管理テーブルを用いて管理される。図3は、本発明の一実施形態において、ユーザごとに当該スコアを管理するスコア管理テーブルの例を示す。図3に示すように、本発明の一実施形態におけるスコア管理テーブルには、サーバ10が提供するオンラインサービスの各ユーザのユーザIDと対応付けて、複数のカテゴリの各々に対する各ユーザの関心度を示すスコア値が格納されている。図3のスコア管理テーブルでは、例えば、ユーザID「000001」と対応付けて、当該ユーザIDで特定されるユーザのカテゴリ1(スポーツ)に対する関心度を示すスコア値「3」、当該ユーザのカテゴリ2(海外旅行)に対する関心度を示すスコア値「10」、当該ユーザのカテゴリ3(小説)に対する関心度を示すスコア値「5」が格納されている。一実施形態においては、所定のカテゴリについてのスコア値が大きいほど、当該所定のカテゴリに対するユーザの関心度が高いことを示す。本明細書では、各カテゴリのスコア値を総称して「スコア」と呼ぶことがある。つまり、所定のユーザについての「スコア」は、各カテゴリの「スコア値」からなる。
【0039】
本発明の一実施形態において、スレッドは、図4に示す管理テーブルを用いて管理される。図4は、本発明の一実施形態においてスレッドを管理するスレッド管理テーブルの例を示す。本発明の一実施形態におけるスレッド管理テーブルは、図4に示すとおり、各スレッドを識別するID(スレッドID)に対応付けて、当該スレッドが属するカテゴリを示すカテゴリ情報、当該スレッドのタイトルを示すタイトル情報、及び当該スレッドに対する様々なユーザから投稿されたコメントを記憶する。一実施形態において、スレッドが分類されるカテゴリ情報は、クイズコンテンツが分類されるカテゴリ情報と同じものである。図4に示した実施例においては、スレッド管理テーブルにおいて、各スレッドに対して1000個までの投稿を管理することができる。この各スレッドに対する投稿数の上限は任意に定めることができる。また、スレッドごとの投稿数の上限を定めなくともよい。
【0040】
続いて、本発明の一実施形態に係るサーバ10の機能について説明する。本発明の一実施形態に係るサーバ10は、プロセッサ11により様々な命令セットを実行することにより、以下で説明する本発明の実施形態に関する機能を実現することができる。この本発明の一実施形態において、プロセッサ11により実行される命令セットには、クイズコンテンツ提供モジュール41と、スコア管理モジュール42と、スレッド提供モジュール43と、投稿受付モジュール44と、ゲーム制御モジュール45と、が含まれる。
【0041】
本発明の一実施形態に係るクイズコンテンツ提供モジュール41は、例えばストレージ15に格納されている複数のクイズコンテンツの中から一又は複数のクイズコンテンツを選択し、選択したクイズコンテンツをクライアント端末30に提供することができる。クイズコンテンツ提供モジュール41は、例えばクライアント端末30からのリクエスト(クイズコンテンツリクエスト)に応じて、クイズコンテンツを当該クライアント端末30に提供するように構成されてもよい。このリクエストは、例えば所定のカテゴリを特定するカテゴリ情報を含むことができる。クイズコンテンツ提供モジュール41は、リクエストにカテゴリ情報が含まれている場合には、ストレージ15に格納されている複数のクイズコンテンツの中から、当該カテゴリ情報に基づいて特定されるカテゴリに分類されているクイズコンテンツを選択し、当該選択したクイズコンテンツをクライアント端末30に提供することができる。
【0042】
本発明の一実施形態に係るスコア管理モジュール42は、例えばクイズコンテンツ提供モジュール41によって所定のクイズコンテンツが所定のユーザに提供されたことに応じて、図3のスコア管理テーブルに格納されている当該所定のユーザについてのスコアを更新するように構成される。一実施形態においては、ユーザへ提供されたクイズコンテンツが属するカテゴリのスコア値が大きくなるように、当該所定のユーザのスコアが更新される。このようにして、スコア管理テーブルに格納されている所定のユーザについてのスコアは、当該所定のユーザにクイズコンテンツが提供されたときに、当該クイズコンテンツが関連付けられているカテゴリに対するユーザの関心度が高くなるように更新される。
【0043】
本発明の一実施形態に係るスレッド提供モジュール43は、ストレージ15に格納されている複数のスレッドの中から一又は複数のスレッドを選択し、選択したスレッドを所定のユーザに提供することができる。スレッドは、ユーザからのリクエストに応じて当該ユーザに提供されてもよいし、ユーザからのリクエストが無くともゲームの進行に応じた所定のタイミングでユーザに提供されてもよい。クライアント端末30に提供されるスレッドには、当該スレッドが属するカテゴリと同じカテゴリに属するクイズコンテンツを取得するための情報(例えば、図2のリンク情報)を含めてもよい。
【0044】
例えば、ユーザID「000001」のユーザからスレッドの取得要求を受けた場合には、図3のスコア管理テーブルを用いて管理されている当該ユーザのスコアに基づいて、当該ユーザに提供するスレッドを選択する。より具体的には、スレッド提供モジュール43は、当該ユーザについて、例えば図3に示すスコア管理テーブルに格納されているカテゴリについてのスコア値を参照し、この各カテゴリのスコア値に基づいて当該ユーザの関心度が高いカテゴリを選択し、当該カテゴリに属するスレッドの中から当該ユーザに提供するスレッドを選択する。例えば、図3の例では、ユーザID「000001」で特定されるユーザについて、カテゴリ1(スポーツ)のスコア値は「3」、カテゴリ2(海外旅行)のスコア値は「10」、カテゴリ3(小説)のスコア値は「5」となっているので、スレッド提供モジュール43は、このうち最もスコア値が高いカテゴリ2(海外旅行)を選択し、図4のスレッド管理テーブルにおいてこのカテゴリ2(海外旅行)と関連付けられているスレッドを、当該ユーザに提供すべき選択スレッドとして選択する。
【0045】
図4のスレッド管理テーブルにおいて、各カテゴリには複数のスレッドが関連づけられていてもよい。各カテゴリに複数のスレッドが関連付けられている場合には、スレッド提供モジュール43によって選択されるスレッドは、1つであってもよく複数であってもよい。例えば、図4のスレッド管理テーブルにおいて、カテゴリ2(海外旅行)のカテゴリに関連付けて、100個のスレッドを格納することができる。この場合、スレッド提供モジュール43は、当該100個のスレッドの中から一又は複数のスレッドを選択し、選択した一又は複数のスレッドをユーザに提供することができる。
【0046】
このように、本発明の一実施形態において、スレッド提供モジュール43は、所定のユーザへ提供するスレッドを、当該所定のユーザが最も高い関心を持っているカテゴリ(当該所定のユーザに関してスコア値が最も高いカテゴリ)の中から選択することができる。
【0047】
スレッド提供モジュール43は、上述した以外にも様々な選択規則を用いて、ユーザに提供するスレッドを選択することができる。例えば、本発明の他の実施形態に係るスレッド提供モジュール43は、各カテゴリから、当該各カテゴリのスコア値に応じた数のスレッドを選択することができる。例えば、図3の例では、ユーザID「000001」で特定されるユーザについて、カテゴリ1(スポーツ)のスコア値は「3」、カテゴリ2(海外旅行)のスコア値は「10」、カテゴリ3(小説)のスコア値は「5」となっているので、カテゴリ1から選択されるスレッドの数N1、カテゴリ2から選択されるスレッドの数N2、及びカテゴリ3から選択されるスレッドの数N3の比が、N1:N2:N3=3:10:5で表される比かこれに近い比となるようにする。例えば、ユーザに対して合計で7つのスレッドを提供する場合には、カテゴリ1に関連付けられている複数のスレッドの中から1つのスレッドを選択し、カテゴリ2に関連付けられている複数のスレッドの中から4つのスレッドを選択し、カテゴリ3に関連付けられている複数のスレッドの中から2つのスレッドを選択することができる。この場合、各カテゴリから選択されるスレッド数の比はN1:N2:N3=1:4:2となり、スコア値の比である3:10:5と近くなる。なお、必ずしも全てのカテゴリからスレッドを選択する必要はなく、一部のカテゴリからはスレッドを選択しなくともよい
【0048】
当該実施形態によれば、ユーザの各カテゴリに対する関心度の比に応じた数のスレッドを選択することができる。
【0049】
本発明の一実施形態に係る投稿受付モジュール44は、例えばスレッド提供モジュール43がスレッドを提供しユーザ又はそれ以外のユーザから、当該スレッドに対する投稿を受け付けるように構成される。ユーザは、クライアント端末30を用いて、所定のスレッドに対するコメントを生成し、当該コメントをサーバ10に投稿することができる。このコメントは、例えば、テキストデータ、画像データ、動画データ、又はこれらの組み合わせから成る。投稿受付モジュール44は、クライアント端末30から投稿されたコメントを受け付け、受け付けたコメントを例えば図4のスレッド管理テーブルの所定領域に格納する。例えば、スレッドID「000001」で識別されるスレッドに対する3番目のコメントを受け付けた場合には、スレッドID「000001」のレコードの「投稿3」の欄に、当該受け付けたコメントを格納する。
【0050】
本発明の一実施形態に係るゲーム制御モジュール45は、クイズコンテンツ提供モジュール41により提供されるクイズコンテンツ以外のクイズゲームを実行するための様々なゲームデータをクライアント端末30に提供することができる。ゲーム制御モジュール45が所定のユーザに提供するゲームデータには、例えば、所定のユーザの正答率を示す正答率情報などのクイズゲームに関する様々なデータが含まれる。また、クイズゲームがユーザ同士の対戦形式となる場合には、対戦相手に関するデータ(正答率等)、戦歴に関するデータなどが含まれてもよい。また、ゲーム制御モジュール41は、プレイヤ同士のコミュニケーションを促進するためにチャット機能やメッセージング機能を提供することもできる。
【0051】
続いて、クライアント端末30において実行される機能を説明する。本発明の一実施形態に係るクライアント端末30は、プロセッサ31により様々な命令セットを実行することにより、以下で説明する本発明の実施形態に関する機能を実現することができる。この本発明の一実施形態において、プロセッサ31により実行される命令セットには、クイズシーケンスモジュール61と、スレッド取得モジュール62と、投稿モジュール63と、を備える。
【0052】
本発明の一実施形態に係るクイズシーケンスモジュール61は、サーバ10から所定のクイズコンテンツに関するクイズパッケージ情報を取得し、当該クイズパッケージ情報に基づいてクイズシーケンスを実行することができる。一実施形態において、所定のクイズコンテンツについてのクイズシーケンスは、当該所定のクイズコンテンツの設問をユーザに提示する処理、当該設問に対する解答を受け付ける処理、受け付けた解答が正答か否かを判断する処理、及び当該所定のクイズコンテンツの設問に対する正答を提示する処理が含まれる。
【0053】
本発明の一実施形態に係るスレッド取得モジュール62は、サーバ10から、例えばスレッド提供モジュール43により選択されたスレッドを取得し、取得したスレッドをクライアント端末30のディスプレイに表示するように構成される。
【0054】
本発明の一実施形態に係る投稿モジュール63は、所定のスレッドについてユーザから入力されたコメントをサーバ10に投稿するように構成される。投稿モジュール63は、例えば、クライアント端末30のディスプレイにスレッドが表示されているときに、当該スレッドに対するコメントを生成するための対話画面を表示し、当該対話画面を介して入力された情報に基づいて当該スレッドに関するコメントを生成することができる。
【0055】
次に、図5Aを参照し、本発明の一実施形態に従って、ユーザに対してカテゴリごとに分類されたクイズコンテンツを提供することにより、当該ユーザの各カテゴリに対する関心度を評価するためのスコアを生成及び更新する処理の流れを説明する。
【0056】
まず、ステップS102において、ユーザがクライアント端末30から送信したクイズコンテンツを取得するためのリクエストが受け付けられると、ストレージに格納されている複数のクイズコンテンツのうちの所定のクイズコンテンツがクライアント端末30に提供される。クライアント端末30からのリクエストは、例えば、以下のようにしてサーバ10に送信される。まず、クライアント端末30においてゲームアプリケーションプログラムが起動されると、カテゴリ一覧を示す表示画面が生成され、当該表示画面がクライアント端末30の表示部に表示される。クライアント端末30は、例えば、タッチパネルを備えており、当該タッチパネルに表示画面を表示することができる。このようにして表示された表示画面において示されているカテゴリの中からユーザによって所望のカテゴリが選択されると、当該選択されたカテゴリを特定するカテゴリ情報を含むリクエストがサーバ10に送信される。サーバ10では、当該リクエストに含まれているカテゴリ情報に基づいてカテゴリを特定し、この特定されたカテゴリに分類されている複数のクイズコンテンツの中から所定のクイズコンテンツが選択され、そして、当該選択されたクイズコンテンツがクライアント端末30に提供される。クイズコンテンツは、例えば、上述したクイズパッケージ情報の形式でクライアント端末30に提供される。以上のクイズコンテンツを提供する処理は、例えば、上述したクイズコンテンツ提供モジュール41により実行される。
【0057】
クイズコンテンツを取得したクライアント端末30は、当該クイズコンテンツに基づいて、所定のクイズについてのクイズシーケンスを実行することができる。例えば、サーバ10から所定のクイズコンテンツに関するクイズパッケージ情報が提供されると、当該クイズパッケージ情報に基づいて、当該所定のクイズコンテンツの設問をユーザに提示する処理、当該設問に対する解答を受け付ける処理、受け付けた解答が正答か否かを判断する処理、及び当該所定のクイズコンテンツの設問に対する正答を提示する処理を含むクイズシーケンスが実行される。このクイズシーケンスを実行する処理は、上述したクイズシーケンスモジュール61によって実行される。
【0058】
図6ないし図8は、クライアント端末30においてクイズシーケンスが実行される際の表示画面の一例を示す。例えば、クイズ管理テーブルにおいてクイズID「0001」と対応付けて格納されているクイズコンテンツ(クイズパッケージ情報)がクライアント端末30に提供されると、当該クライアント端末30において、当該クイズコンテンツについてクイズシーケンスが実行される。具体的には、まず、図6に示すように取得されたクイズコンテンツに含まれている設問81とその設問81に対する選択肢82aないし選択肢82dを含む表示画面80が生成され、生成された表示画面80が当該クライアント端末30の表示部に表示される。図6に示す例では、「シンガポールの観光名所は?」という設問81が表示され、この設問81に対する正答を含む選択肢82aないし選択肢82dが表示されている。
【0059】
ユーザは、選択肢82aないし選択肢82dの中から、自らが正答と考える選択肢を解答として選択することができる。クライアント端末30は、例えば、タッチスクリーンを備えており、表示画面80は、このタッチスクリーンに表示される。このタッチスクリーンは、ユーザが接触した位置を検知することができ、当該接触位置に応じて、選択肢82aないし選択肢82dのうちどの選択肢がユーザによって選択されたかを決定することができる。
【0060】
ユーザによって選択肢82aないし選択肢82dの中からいずれかの選択肢が解答として選択されると、当該ユーザの解答が正答か否かが判断される。例えば、ユーザが図6に示されている設問81に対して選択肢82d(「マーライオン」)を選択した場合には、当該解答は正答と判断され、図7に示すように、ユーザの解答が正答であることを示すメッセージ83が表示される。一方、ユーザが選択肢82b(「自由の女神」)を選択した場合には、当該解答は誤っているので、図8に示すように、ユーザの解答が誤答であることを示すメッセージ84(「不正解です。」)を表示する。このメッセージ84には、正答を示す情報(例えば「正解はマーライオン」です。)を含めてもよい。
【0061】
クイズコンテンツがユーザに提供されると(又は、提供されたクイズコンテンツのクイズシーケンスがクライアント端末30で実行されると)、処理はステップS104に進む。ステップS104においては、ステップS102においてユーザに提供されたクイズコンテンツが属するカテゴリのスコア値が大きくなるように、スコア管理テーブルに格納されているスコアが更新される。例えば、クイズID「0001」と対応付けて格納されているクイズコンテンツがユーザID「000001」で表されるユーザ(ユーザ1)に対して提供された場合には、スコア管理テーブルにおいて、当該ユーザID「000001」に関連付けて格納されている複数のスコア値のうち、クイズID「0001」で識別されるクイズコンテンツが属する「カテゴリ2(海外旅行)」のスコア値が更新される。例えば、図3に示すように当該クイズコンテンツがユーザ1に提供される前のカテゴリ2のスコア値が「10」だった場合には、当該スコア値を例えば「12」に増加させることができる。スコア値の増加幅は、予め定められた一定の増加幅であってもよいし、ユーザが当該クイズコンテンツの設問に対して正解したか否かによって変更されてもよい。例えば、関心がある分野については出題されたクイズに対する正答率も高いと考えられるため、正解した場合のスコア値の増加幅を不正解の場合の増加幅よりも大きくすることにより、スコア管理テーブルに格納するスコア値がユーザの関心度をより正しく反映したものとなることが期待される。
【0062】
以上の処理は、ユーザにクイズコンテンツが提供される都度繰り返されてもよい。よって、ユーザがクイズコンテンツを利用することにより、当該ユーザについてのスコアが更新される。例えば、ユーザが所定のカテゴリについて多数のクイズコンテンツを取得し、そのクイズコンテンツを利用してクイズを解いた場合には、当該カテゴリのスコア値が高くなる。このように、ユーザがクイズゲームをプレイすると、当該ユーザが関心を持っているカテゴリのスコア値が高くなるように、当該ユーザについてのスコアが更新される。なお、各カテゴリのスコア値には、初期値として「0」を設定しておくことができる。図5Aに示す処理をユーザにクイズコンテンツが提供される都度繰り返すことにより、各カテゴリのスコア値がユーザの関心度をより正しく反映するようにできる。
【0063】
次に、図5Bを参照し、本発明の一実施形態に従って、ユーザに対してスレッドを提供し、当該ユーザから投稿を受け付ける処理の流れを説明する。図5Bは、本発明の一実施形態に従って、ユーザに対してスレッドを提供し、当該ユーザからコメントの投稿を受け付ける処理の流れを示すフロー図である。
【0064】
図5Bに示す処理が開始されると、まず、所定のユーザのクライアント端末30からスレッドの取得要求がなされる。ステップS106において、当該スレッドの取得要求が受け付けられると、スコア管理テーブルに格納されている当該所定のユーザのスコアに基づいて、例えばストレージ15に格納されている複数のスレッドの中から一又は複数のスレッドが選択され、当該選択されたスレッドが当該所定のユーザに対して提供される。例えば、ユーザID「000001」で特定されるユーザ1からスレッドの取得要求を受け付けると、スレッド管理テーブルにおいて当該ユーザ1のユーザID「000001」に関連付けて格納されている各カテゴリのスコア値が参照され、当該スコア値に基づいて一又は複数のカテゴリが選択される。そして、スレッド管理テーブルにおいてこの選択されたカテゴリに関連付けられているスレッドの中から所定数のスレッドが選択され、選択されたスレッドが当該ユーザ1に提供される。
【0065】
例えば、図3のスコア管理テーブルにおいては、ユーザID「000001」に関連付けて格納されている各カテゴリのスコア値は、カテゴリ1については「3」、カテゴリ2については「10」、カテゴリ3については「5」であるから、最もスコア値が高いカテゴリ2に分類されているスレッドの中から、他のカテゴリに分類されているスレッドよりも多くのスレッドが選択される。このとき、例えば、各カテゴリのスコア値に応じて、カテゴリ1からは1つのスレッドが選択され、カテゴリ2からは4つのスレッドが選択され、カテゴリ3からは2つのスレッドが選択される。このようにして選択されたスレッドは、クライアント端末30に提供される。スレッドは、当該スレッドのタイトル、当該スレッドについて各ユーザからの投稿されたコメント、及びこれら以外の情報を含む。所定のスレッドがクライアント端末30に提供されると、クライアント端末30においては、提供された複数のスレッドの各々のタイトルの一覧を含む表示画面が生成され、当該表示画面がクライアント端末30の表示部に表示される。図9は、クライアント端末30に表示されたスレッド一覧を含む表示画面の一例を示す。図9に示すように、クライアント端末30に表示される表示画面90には、表示領域91aないし表示領域91cが含まれている。表示領域91aには、カテゴリ2から選択された4つのスレッドの各々のタイトルが含まれており、表示領域91bにはカテゴリ3から選択された2つのスレッドの各々のタイトルが表示されており、表示領域91cには、カテゴリ1から選択された1つのスレッドのタイトルが含まれている。表示領域91aないし表示領域91cは、図9に示すように、対応するカテゴリのスコア値が高い順に上から下へ配置されてもよい。図9の例では、最もスコア値が高いカテゴリ2の表示領域91aが最上位に表示されている。
【0066】
各カテゴリの表示領域91aないし表示領域91cに表示されているスレッドのタイトルのいずれかがユーザによって選択されると、当該選択されたスレッドがクライアント端末30の表示部に表示される。クライアント端末30がスレッドを表示するためのデータ(例えば、各ユーザから投稿されたコメント)を保持していない場合には、各スレッドのタイトルに当該スレッドの格納場所を示すURLを含むリンク情報を関連付けておくことにより、ユーザが表示領域91aないし表示領域91cに表示されているスレッドのタイトルのいずれかを選択したときに、当該選択されたスレッドの取得要求をサーバ10に送信することができる。サーバ10においては、スレッドの選択要求に基づいてスレッドを特定し、特定したスレッドを当該ユーザに提供する。
【0067】
例えば、表示領域91aの「夏休みの旅行」というタイトルのスレッドがユーザによって選択されると、当該スレッドがクライアント端末30の表示部に表示される。図10は、クライアント端末30の表示部に表示されたスレッドを含む表示画面95の表示例を示す。図10に示すように、この表示画面95は、表示しているスレッドのカテゴリ及びタイトルを表示する表示領域96と、投稿の表示領域97と、入力領域98と、投稿ボタン99と、クイズリクエストボタン100とを含む。表示領域96には、当該スレッドに対してユーザから投稿されたコメントが例えば時系列で表示される。入力領域98は、ユーザからのコメントの入力を受け付けることができる。ユーザは、入力領域98にコメントを入力した後投稿ボタン99を選択することにより、当該コメントをサーバ10に送信することができる。ユーザは、コメントを投稿せずに、他のユーザのコメントの閲覧のみを行ってもよい。
【0068】
また、表示画面95のクイズリクエストボタン100がユーザによって選択されると、表示されているスレッドと同じカテゴリに属するクイズコンテンツの取得を要求するクイズリクエストがサーバ10に送信される。
【0069】
上記のようにしてスレッドがクライアント端末30に提供されると処理はステップS108に進む。ステップS108において、クライアント端末30から所定のスレッドに関してコメントの投稿が受け付けられた場合には、処理はステップS110に進み、当該投稿されたコメントがスレッド管理テーブルに格納され、これにより当該スレッドが更新される。例えば、図10に示すように、スレッドID「000001」で識別されるスレッドを含む表示画面95を介してコメントが投稿された場合には、図4に示すスレッド管理テーブルに、スレッドID「000001」に対応付けて当該コメントが格納される。ユーザからのコメントをサーバ10に投稿する処理は、例えば、上述した投稿モジュール63により実行され、投稿されたコメントに基づいてスレッドを更新する処理は、例えば、上述した投稿受付モジュール44により実行される。
【0070】
次に、処理はステップS112に進む。ステップS112においては、クイズリクエストがクライアント端末30から送信されたか否かが判断される。サーバ10においてクライアント端末30からのクイズリクエストが受け付けられると、当該クイズリクエストに基づいてクイズコンテンツを提供するために、処理は図5Aに示した処理フロー(ステップS102)に移行する。一方、クイズリクエストが受け付けられなかった場合には、処理はステップS108に戻り、再びコメントが投稿されたか否かが判断される。以下、当該スレッドの閲覧を終了するまで、ユーザの操作に応じてステップS108ないしステップS112の処理が繰り返される。
【0071】
図1の実施形態において、プロセッサ11で実行される機能の一部又は全部は、クライアント端末30のプロセッサ31やそれ以外の装置のプロセッサによって実現されてもよく、プロセッサ31の機能の一部又は全部は、サーバ10のプロセッサ11やそれ以外の装置のプロセッサにより実行されてもよい。
【0072】
本明細書において説明された処理手順、特にフロー図を用いて説明された処理手順においては、その処理手順を構成する工程(ステップ)の一部を省略すること、その処理手順を構成する工程として明示されていない工程を追加すること、及び/又は当該工程の順序を入れ替えることが可能であり、このような省略、追加、順序の変更がなされた処理手順も本発明の趣旨を逸脱しない限り本発明の範囲に含まれる。
【0073】
本明細書において、発明の構成要素が単数もしくは複数のいずれか一方として説明された場合、又は、単数もしくは複数のいずれとも限定せずに説明された場合であっても、文脈上別に解すべき場合を除き、当該構成要素は単数又は複数のいずれであってもよい。
【符号の説明】
【0074】
10 サーバ
11、31 プロセッサ
15、25、35 ストレージ
30 クライアント端末
41 クイズコンテンツ提供モジュール
42 スコア管理モジュール
43 スレッド提供モジュール
44 投稿受付モジュール
45 ゲーム制御モジュール
61 クイズシーケンスモジュール
62 スレッド取得モジュール
63 投稿モジュール
【要約】
【課題】 スレッドに対する評価の入力をユーザに要求することなく、多数のスレッドの中からユーザの関心に合致したスレッドを選択する。
【解決手段】 本発明の一実施形態に係るシステムは、一又は複数のコンピュータプロセッサと、複数のクイズコンテンツ及び複数のスレッドを記憶するストレージと、を備える。前記複数のクイズコンテンツの各々及び前記複数のスレッドの各々は、複数のカテゴリのうちの少なくとも1つに関連付けられている。本発明の一実施形態に係るストレージは、前記複数のカテゴリの各々に対する所定のユーザの関心度を評価するためのスコアをさらに記憶する。一実施形態において、前記スコアに基づいて前記複数のスレッドの中から一又は複数の選択スレッドが選択され、当該選択スレッドが前記所定のユーザに提供される。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10