(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5671683
(24)【登録日】2015年1月9日
(45)【発行日】2015年2月18日
(54)【発明の名称】車
(51)【国際特許分類】
B62D 37/06 20060101AFI20150129BHJP
B61F 5/22 20060101ALI20150129BHJP
【FI】
B62D37/06
B61F5/22 F
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2010-109334(P2010-109334)
(22)【出願日】2010年5月11日
(65)【公開番号】特開2011-68335(P2011-68335A)
(43)【公開日】2011年4月7日
【審査請求日】2013年5月10日
(31)【優先権主張番号】200910192858.1
(32)【優先日】2009年9月26日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511144767
【氏名又は名称】李嘉斌
(74)【代理人】
【識別番号】100080252
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 征四郎
(72)【発明者】
【氏名】陳振越
(72)【発明者】
【氏名】黄小華
【審査官】
鹿角 剛二
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭53−112017(JP,U)
【文献】
特開昭57−084273(JP,A)
【文献】
特開2002−211393(JP,A)
【文献】
実開昭61−158566(JP,U)
【文献】
特開昭63−046982(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 37/06
B61F 5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム1と車体2とを含んでなり、
該車体2が円柱形を呈し、車体2の長手方向に平行な軸線OO’を設けてなり、
車体2とフレーム1とが回動自在に接続し、且つ自由に回転でき、
車体2の回転の軸線は車体2の軸線OO’であって、車体2の重心が該軸線OO’よりも低く、
車体2とフレーム1との間には車体2の回転を制限する電動ロック部を具えてなり、
前記車体2の傾斜角度を計測する計測器と前記電動ロック部とが電気的に接続されており、
前記車体2が傾き始めたことを前記計測器が計測した場合、前記計測器が前記電動ロック部に信号を出力し、この信号により、電動ロック部は車体2の回転制限を解除して車体2が自由に回転するようにする
ことを特徴とする車。
【請求項2】
請求項1に記載の車において、
前記フレーム1が左右両側に外側に突出した弾性のキー9を有し、該キー9はフレーム1内に延伸してかつ凸部10を有し、車体2上には該凸部10に対応して設けられた凸歯11を具えており、
車体2が傾斜、反転していない状態において、凸部10と車体2の凸歯11とが離れている構造であり、
車が傾斜して前記フレーム1の左側あるいは右側が地上に押されると前記フレーム1上のキー9が押し圧されてキー9の凸部10と車体2の凸歯11とが歯合されて車体2の回転が制御される
ことを特徴とする車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車に関し、特に車体が傾斜、反転することを防ぐことができる車に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、市場で販売されている車には車両の傾斜、反転を防ぐことができるものがない。
【0003】
現在の技術ではすでに車両の傾斜、反転を防止する設計を具えた車が製造されているが、実際の効果が現れていない。
【0004】
なぜなら、実際の路面は複雑で、走行中の車の傾斜、反転を防ぐことは非常に難しいからである。
【0005】
特に、トラックなど大型の車両ではさらに困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は、すばやく、簡単に車
体の傾斜、反転を防ぐ構造を具えてなる車を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで本発明者は、
フレーム
1と車体
2とを含んでなり、
該車体
2が円柱形を呈し、車体
2の長手方向に平行な軸線
OO’を設けてなり、
車体
2とフレーム
1とが回動自在に接続し、且つ自由に回転でき、
車体
2の回転の軸線は車体
2の軸線
OO’であって、車体
2の重心が該軸線
OO’よりも低く、
車体
2とフレーム
1との間には車体
2の回転を制限する電動ロック部を具えてなり、
前記車体2の傾斜角度
を計測する計測器と
前記電動ロック部
とが
電気的に接続されており、
前記車体2が傾き始めたことを前記計測器が計測した場合、前記計測器が前記電動ロック
部に信号を出力し、この信号により、電動ロック部は車体2の回転制限を解除して車体2が自由に回転するようにする車によって課題を解決できる点に着眼し、係る知見に基づき本発明を完成させた。
以下、この発明について具体的に説明する。
【0008】
本発明の車は、
フレーム
1と車体
2とを含んでなり、
該車体
2が円柱形を呈し、車体
2の長手方向に平行な軸線
OO’を設けてなり、
車体
2とフレーム
1とが回動自在に接続し、且つ自由に回転でき、
車体
2の回転の軸線は車体
2の軸線
OO’であって、車体
2の重心が該軸線
OO’よりも低く、
車体
2とフレーム
1との間には車体
2の回転を制限する電動ロック部を具えてなり、
前記車体2の傾斜角度
を計測する計測器と
前記電動ロック部
とが
電気的に接続されており、
前記車体2が傾き始めたことを前記計測器が計測した場合、前記計測器が前記電動ロック
部に信号を出力し、この信号により、電動ロック部は車体2の回転制限を解除して車体2が自由に回転するようにする。
【0009】
本発明では、
前記フレーム
1が左右両側に外側に突出した弾性のキー
9を有し、該キー
9はフレーム
1内に延伸し
てかつ凸部
10を
有し、車体
2上に
は該凸部
10に対応して設けられた凸歯
11を具えて
おり、
車体
2が傾斜、反転していない状態において、凸部
10と車体
2の凸歯
11とが離れている構造
であり、
車が傾斜して前記フレーム1の左側あるいは右側が地上に押されると前記フレーム1上のキー9が押し圧されてキー9の凸部10と車体2の凸歯11とが歯合されて車体2の回転が制御される
ことが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
この発明の車は、車
体の傾斜、反転を防ぎ、乗車している人を保護するという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】
図1に開示する車をA−Aで切断した状態を示した断面図である。
【
図3】
図1に開示する車をB−Bで切断した状態を示した断面図である。
【
図4】
図1に開示する車をC−Cで切断した状態を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
この発明は、すばやく、簡単に車
体の傾斜、反転を防ぐ構造を具えてなる車であって、
フレーム
1と車体
2とを含んでなり、
該車体
2が円柱形を呈し、車体
2の長手方向に平行な軸線
OO’を設けてなり、
車体
2とフレーム
1とが回動自在に接続し、且つ自由に回転でき、
車体
2の回転の軸線は車体
2の軸線
OO’であって、車体
2の重心が該軸線
OO’よりも低く、
車体
2とフレーム
1との間には車体
2の回転を制限する電動ロック部を具えてなり、
前記車体2の傾斜角度
を計測する計測器と
前記電動ロック部
とが
電気的に接続されており、
前記車体2が傾き始めたことを前記計測器が計測した場合、前記計測器が前記電動ロック
部に信号を出力し、この信号により、電動ロック部は車体2の回転制限を解除して車体2が自由に回転するようにする。
係る構成の車について、その構造と特徴を詳述するために具体的な実施例を挙げ、以下に説明する。
【実施例】
【0013】
図1は、車
体の傾斜、反転防止の構造を具えた車のフレーム1と、車体2を示したものである。
【0014】
図面によれば、フレーム1は、箱体に形成され、車体2がフレーム1の内部に設けられる。
【0015】
該車体2は、円柱形を呈し、車体2の長手方向に平行な軸線OO’を具えてなる。
【0016】
図1(その他の図も含む)は、円柱体で車
体2を表示し、この発明に関係のない椅子、窓などを省略した。
【0017】
図2に開示するように、車体2の外周面には滑動輪3が固定して設けられる。フレーム1の内壁には凹溝4が設けられる。
【0018】
該凹溝4の横断面は
図3に開示する。
【0019】
該滑動輪3が凹溝4内に挿設され、凹溝4に沿って回転し、車体2とフレーム1とが回動自在に接続し、車
体2が自由に回転する。
【0020】
車体2の回転の軸線は車体
2の軸線OO’である。
【0021】
車体2の重心は回転の軸線
OO’よりも低く、自由に回転する車体2は、車体2の床が水平な状態を自動的に維持することができる。
【0022】
車体
2とフレーム
1との間には車体
2の回転を制限する電動ロック部が設けられる。
【0023】
図1に開示するように、電動ロック部は、フレーム1上に設けられた電磁鉄5と、車体2上に固定された固定ブロック6とを含んでなる。
【0024】
該固定ブロック6は、係合溝7を具えてなる。
【0025】
該電磁鉄5は、伸縮自在の挿入桿8を具えてなる。該挿入桿8は、固定ブロック6の係合溝7に挿入し、車体2が回転することを制限するために供する。
【0026】
電磁鉄5と
、車体
2の傾斜角度を計測する計測器と
、が
電気的接続し、
計測器は、
電磁鉄5を動か
す。
【0027】
車体
2の傾斜角度を計測する計測器が、車体
2が
傾き始めていることを計測すると、該計測器が電磁鉄5に信号を出力する。
【0028】
電磁鉄5が挿入桿8を駆動し、挿入桿8が固定ブロックの係合溝7内から外れて車体2が自由に回転する。
【0029】
車体
2の傾斜角度の計測器は従来の様々な傾斜角度の計測器から選択して使用する。
【0030】
車体
2の傾斜角度の計測器は
、どこの位置に設けてもよい。
【0031】
図4に開示するように、フレーム
1の左右両側には外側に突出した弾性のキー9が設けられる。
【0032】
該弾性のキー9は、フレーム
1内に延伸し、且つ歯型状の凸部10を固定して設ける。
【0033】
車体
2上には該凸部
10に対応して凸歯11が設けられる。
【0034】
車体
2が傾斜、反転していない状態では、キー
9の凸部10と車体の凸歯11とが離れた状態にある。
【0035】
車体
2が傾き始め、傾斜した後の最終的な状態がフレーム
1の左側、或いは右側が地上に押されると、フレーム
1上の弾性のキー9が押し圧される。
【0036】
よって、キー
9の凸部10と車体
2の凸歯11とが歯合されて車体2の回転が制御され、車体
2内部に乗車していた人が車体
2から逃げ出すために便利である。
【0037】
弾性のキー
9の弾力はキー
9とフレーム
1との間を接続するバネ12によって供される。
【0038】
キー9
が押し圧されていない状態では、バネ12が凸部10と車体
2の凸歯11とが離れた状態にあるように維持する。
【0039】
弾性のキー
9がフレーム
1の外側に突出する位置はゴムで制御することが好ましく、車体
2が傾斜、反転する場合にそれを緩和することができる。
【0040】
以上は、この発明の好ましい実施例であって、この発明の実施の範囲を限定するものではない。よって、当業者のなし得る修正、もしくは変更であって、この発明の精神の下においてなされ、この発明に対して均等の効果を有するものは、いずれもこの発明の特許請求の範囲に属するものとする。
【符号の説明】
【0041】
1…フレーム、2…車体、3…滑動輪、4…凹溝、5…電磁鉄、6…固定ブロック、7…係合溝、8…挿入桿、9…キー、10…凸部、11…凸歯、12…バネ。